JP2017072792A - 光学異方性層および光学フィルム - Google Patents

光学異方性層および光学フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】表示装置が長時間の耐光性試験環境下に晒された場合においても、レタデーションの変化および着色による色味の変化を抑制することができる光学異方性層および光学フィルムを提供する。【解決手段】重合性基を有する円盤状液晶化合物の円盤面が光学異方性層平面に対して実質的に垂直になるように配向状態が固定化されている光学異方性層で、重合性基を有する円盤状液晶化合物および一般式(1)で表される添加剤を含有する組成物を硬化させて得られる光学異方性層。【選択図】なし

Description

本発明は、学異方性層および光学フィルムに関する。
重合性液晶を基板上で配向させ、固定化することで得られる光学異方性層は、様々な用途に用いられている。その中でも、面内レタデーションの値がλ/4、λ/2となるように調整された光学異方性層は、それぞれλ/4板、λ/2板と呼ばれ、偏光板と一緒に用いられることで、偏光状態を直線、円偏光の任意の状態に変換できるため、ディスプレイ用途を始めとする表示装置に用いられる。
一方、近年、表示装置の耐久性に関してより一層の向上が求められており、具体的には、日光などの照射に長時間晒された場合においても、表示性能を損なわないような耐光性が求められている。
一般に、表示部材の耐光性を向上させる手段として、表示装置の最表面に、紫外線吸収剤を含有させた紫外線吸収層を設けることで、内部の部材の光による劣化を防ぐ方法が知られている(特許文献1および2)。このとき、選択される紫外線吸収剤としては、表示性能を損なわない程度に透明性を保持しながら、380nm以下の紫外領域の光を効果的に遮断する機能が求められる。
特開2014−142630号公報 特開2011−173964号公報
しかしながら、最適な波長の紫外線吸収層を設けた表示装置においても、長時間の耐光性試験に晒した場合に、徐々に表示性能が劣化することがわかった。
そこで、本発明は、表示装置が長時間の耐光性試験環境下に晒された場合においても、レタデーションの変化および着色による色味の変化を抑制することができる光学異方性層および光学フィルムを提供することを課題とする。
また、光学異方性層を形成する際の、重合性液晶の配向性の向上および材料コストの削減の観点から、光学異方性層の複屈折性(△n)向上による薄膜化の達成が望まれている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、光学異方性層に特定の構造を有する添加剤を加えることによって、表示装置が長時間の耐光性試験環境下に晒された場合においても、レタデーションの変化および着色による色味の変化を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
また、光学異方性層に含まれる、特定の構造を有する添加剤が、前記光学異方性層を形成する重合性円盤状液晶化合物と同軸方向に配向していることによって、前記光学異方性層の△nを向上させ、膜厚を下げることができることを見出した。
[1] 重合性基を有する円盤状液晶化合物の円盤面が光学異方性層平面に対して実質的に垂直になるように配向状態が固定化されている光学異方性層で、重合性基を有する円盤状液晶化合物および下記一般式(1)で表される添加剤を含有する組成物を硬化させて得られることを特徴とする光学異方性層。
(式(1)中、Aは芳香族炭素環もしくは芳香族へテロ環を表し、Xは炭素原子もしくは窒素原子、Yは酸素原子もしくは窒素原子、Zは酸素原子もしくは窒素原子を表し、X、YおよびZは、それぞれ置換基を有してよく、XとYが互いに環を形成していてもよい。)
[2] 前記円盤状液晶化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である、[1]に記載の光学異方性層。
(式(2)中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に下記一般式(A)、下記一般式(B)、下記一般式(C)、又は水素原子を表すが、ただし、R11、R12及びR13のうち、少なくとも2つは下記一般式(A)、下記一般式(B)、又は下記一般式(C)である。)
(一般式(A)中、A11及びA12は、それぞれ独立に窒素原子又はメチンを表し;A13、A14、A15及びA16は、それぞれ独立に窒素原子又はメチン(但しメチンの水素原子は置換基−L11−L12−Q11で置換されていてもよい)を表し;X1は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;L11はヘテロ5員環の基を表し;L12は、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、これらアルキレン基又はアルケニレン基の基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−、−S−、−SO2−、−NR−、−NRSO2−、又は−SO2NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく、また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子に置換されてもよく;Q11はそれぞれ独立に、重合性基、水素原子、OH、COOH又はハロゲン原子を表す。)
(一般式(B)中、A21及びA22は、それぞれ独立に窒素原子又はメチンを表し;A23、A24、A25及びA26は、それぞれ独立に窒素原子又はメチン(但しメチンの水素原子は置換基−L21−L22−Q21で置換されていてもよい)を表し;X2は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;L21はヘテロ5員環の基を表し;L22は、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、これらアルキレン基又はアルケニレン基の基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−、−S−、−SO2−、−NR−、−NRSO2−、又は−SO2NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく、また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子に置換されてもよく;Q21はそれぞれ独立に、重合性基、水素原子、OH、COOH又はハロゲン原子を表す。)
(一般式(C)中、A31及びA32は、それぞれ独立に窒素原子又はメチンを表し、A33、A34、A35及びA36は、それぞれ独立に窒素原子又はメチン(但しメチンの水素原子は置換基−L31−L32−Q31で置換されていてもよい)を表し;X3は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;L31はヘテロ5員環の基を表し;L32は、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、これらアルキレン基又はアルケニレン基の基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−、−S−、−SO2−、−NR−、−NRSO2−、又は−SO2NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく、また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子に置換されてもよく;Q31はそれぞれ独立に、重合性基、水素原子、OH、COOH又はハロゲン原子を表す。)
[3] 前記添加剤が、下記一般式(3)で表される化合物である、[1]または[2]に記載の光学異方性層。
(式(3)中、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭素環もしくは芳香族複素環を表し、R3は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭素環、芳香族複素環、−O−R、−S−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−SO−R、−SO2−R、−NR2、−NH−CO−R、−NH−SO2−R、−CO−NR2、−SO2−NR2、−NH−CO−O−Rおよび−NH−CO−NR2を表し、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭素環、芳香族複素環を表し、これらの基はさらに置換基を有していてもよく、mは、0〜4の整数を表し、R3が複数ある場合は、それぞれ異なっていてもよく、また互いに環を形成していてもよい。)
[4] 前記光学異方性層の面内レタデーションの値が100nm〜180nmもしくは200nm〜360nmの範囲にある[1]〜[3]のいずれかに記載の光学異方性層。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載の光学異方性層と、さらに少なくとも一種類以上の紫外線吸収剤を含有した紫外線吸収層を含む、光学フィルム。
本発明によれば、表示装置が長時間の耐光性試験環境下に晒された場合においても、レタデーションの変化および着色による色味の変化を抑制することができる光学異方性層、ならびにそれを有する表示装置を提供することができる。
さらに、光学異方性層に含まれる、特定の構造を有する添加剤が、前記光学異方性層を形成する重合性円盤状液晶化合物と同軸方向に配向していることによって、前記光学異方性層の△nを向上させ、膜厚を下げることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、角度について「直交」および「平行」とは、厳密な角度±10°の範囲を意味するものとし、角度について「同一」および「異なる」は、その差が5°未満であるか否かを基準に判断できる。
また、本明細書では、「可視光」とは、380〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
次に、本明細書で用いられる用語について説明する。
<遅相軸>
本明細書において、「遅相軸」とは、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。なお、光学異方性層の遅相軸という場合は、光学異方性層全体の遅相軸を意図する。
本発明において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚さ方向のレタデーションを表す。
本発明において、Re(λ)、Rth(λ)はAxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸、
Re(λ)=(Nx−Ny)×d
Rth(λ)=(Nz−(Nx+Ny)/2)×d
が算出される。
本発明において、屈折率Nx、Ny、Nzは、アッベ屈折計(NAR−4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルタとの組合せで測定できる。
〔光学異方性層〕
本発明の光学異方性層は、重合性基を有する円盤状液晶化合物および下記一般式(1)で表される添加剤を含有する組成物(以下、「光学異方性層形成用組成物」ともいう。)を硬化させて得られる層であり、単層構造であってもよく、複数層を積層した構造(積層体)であってもよい。
以下に、光学異方性層形成用組成物が含有している一般式(1)で表される添加剤および円盤状液晶化合物ならびに任意の成分について説明する。
本発明の光学異方性層は、Re(550)が下記式(1)または(2)を満たすことが好ましく、下記式(3)または(4)を満たすことがより好ましく、下記式(5)または(6)を満たすこと最も好ましい。
200≦Re(550)≦360nm ・・・(1)
100≦Re(550)≦180nm ・・・(2)
220≦Re(550)≦320nm ・・・(3)
105≦Re(550)≦160nm ・・・(4)
230≦Re(550)≦290nm ・・・(5)
110≦Re(550)≦150nm ・・・(6)
<重合性円盤状液晶化合物>
重合性円盤状液晶化合物は、円盤状のコアと固定化のための重合性基を有しており、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されず、また、2種以上の円盤状液晶化合物を用いてもよい。上述の重合性円盤状液晶化合物は、1分子中に重合性基を2以上有することがさらに好ましい。重合性円盤状液晶化合物が二種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の重合性円盤状液晶化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
重合性円盤状液晶性化合物の好ましい形態としては、特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものが好ましく、さらに好ましい形態も上記公報内の記載と同様である。
重合性円盤状液晶性化合物に含まれる重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基およびアクリロイル基の両者を包含する概念である。
また、重合性円盤状液晶化合物の円盤面が光学異方性層面(フィルム面)に対して実質的に垂直であることが好ましい。
<一般式(1)で表される添加剤>
本発明の光学異方性層は、さらに下記一般式(1)で表される添加剤を含む。
(式(1)中、Aは芳香族炭素環もしくは芳香族へテロ環を表し、Xは炭素もしくは窒素原子、Yは酸素原子もしくは窒素原子、Zは酸素原子もしくは窒素原子を表し、X、YおよびZは、それぞれ置換基を有してよく、XとYが互いに環を形成していてもよい。)
上述の添加剤は、分子内に水素結合性の部位を持ち、例えば、特開2007−72163号公報の段落[0018]〜[0031]に記載の化合物が好ましく、段落[0055]〜[0105]に記載の具体例のほか、Tinuvin400、Tinuvin405、Tinuvin460、Tinuvin477、Tinuvin479、Tinuvin1577等の化合物が好ましい。その他、特開2013−82707号公報に記載のトリアジン系化合物も好ましい。
上述の添加剤は、さらに下記一般式(3)で表される化合物であることがより好ましい。
(式(3)中、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭素環もしくは芳香族複素環を表し、R3は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭素環、芳香族複素環、−O−R、−S−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−SO−R、−SO2−R、−NR2、−NH−CO−R、−NH−SO2−R、−CO−NR2、−SO2−NR2、−NH−CO−O−Rおよび−NH−CO−NR2を表し、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭素環、芳香族複素環を表し、これらの基はさらに置換基を有していてもよく、mは、0〜4の整数を表し、R3が複数ある場合は、それぞれ異なっていてもよく、また互いに環を形成していてもよい。)
一般式(3)で表される化合物としては、特開2007−72163号公報の段落[0030]〜[0031]に記載の化合物が好ましく、段落[0065]〜[0105]に記載の具体例のほか、Tinuvin400、Tinuvin405、Tinuvin460、Tinuvin477、Tinuvin479、Tinuvin1577等の化合物が好ましい。より好ましくは、Tinuvin400、Tinuvin405、Tinuvin460、Tinuvin477、Tinuvin479、Tinuvin1577が好ましく、Tinuvin460、Tinuvin1577が特に好ましい。
上述の添加剤は、重合性基を有していてもよく、また2種以上用いてもよい。
本発明の光学異方性層は、遅相軸が一軸に配向した重合性円盤状液晶組成物を硬化させることで形成される。上述のように、光学異方性層の面内レタデーションの値は、光学異方性層の△n(Nx−Ny)と膜厚(d)の積で表すことができる。すなわち、△nを大きくすることで、同程度の面内レタデーションを得るために必要な膜厚を小さくすることができる。
上記の観点から、本発明に用いられる添加剤は、その屈折率異方性軸の向きが、前記光学異方性層を形成する重合性円盤状液晶性化合物の屈折率異方性軸の向きと同方向に揃っていることが好ましい。そのため、前記添加剤は、円盤状の形状を有することが好ましく、その好ましい範囲は前述の好ましい範囲と同様である。
光学異方性層の形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
例えば、所定の基板(仮基板を含む)に、重合性基を有する液晶性化合物を含む光学異方性層形成用組成物(以後、単に「組成物」とも称する。)を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜に対して硬化処理(紫外線の照射(光照射処理)または加熱処理)を施すことにより、λ/2板を製造できる。なお、必要に応じて、後述する配向膜を用いてもよい。
上記組成物の塗布としては、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
上記組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
また、光重合開始剤の具体例は、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]や、「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148に記載された種々の例も挙げられる。
重合開始剤の使用量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
また、組成物には、塗工膜の均一性、膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶性化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報中の段落[0018]〜[0020]に記載のものが挙げられる。
重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物の全質量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
また、組成物には、塗工膜の均一性、膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報中の段落[0028]〜[0056]に記載の化合物、特願2003−295212号明細書中の段落[0069]〜[0126]に記載の化合物が挙げられる。
また、組成物には溶媒が含まれていてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
また、組成物には、支持体界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤などの各種配向剤が含まれていてもよい。
さらに、組成物には、上記成分以外に、密着改良剤、可塑剤、ポリマーなどが含まれていてもよい。
また、上述した光学異方性層に加え、さらに少なくとも一種類以上の紫外線吸収剤を含有した紫外線吸収層を含んだ光学フィルムであることが好ましい。
紫外線吸収層としては、例えば、後述する透明支持体に紫外線吸収剤を含有したものや、紫外線吸収剤を含有する組成物を塗布・硬化したもの等が挙げられる。好ましくは紫外線吸収剤を含有した透明支持体である。紫外線吸収層は、光学異方性層に接していてもよいし、2層以上からなる光学異方性層の間に設けられていてもよい。光学異方性層と紫外線吸収層の間に、他の層を有していてもよい。
〔透明支持体〕
光学異方性層は、透明支持体と併用することが好ましい。透明支持体と併用すると、例えば、光学異方性層の自己指示性を担保できるため好ましい。また、透明支持体を紫外線吸収層として用いる場合は、透明支持体に紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。透明支持体の使用は特に制限されず、光学異方性層を支持する透明支持体とは別に、紫外線吸収剤を含有する透明支持体を紫外線吸収層としてもよいし、光学異方性層を支持する透明支持体に紫外線吸収剤を含有させて紫外線吸収層としてもよい。
透明支持体を形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。本発明でいう透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
透明支持体として用いることのできるポリマーフィルムとしては、例えば、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、脂環式構造を有するポリマーのフィルム(ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製))などが挙げられる。
なかでも、ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、または脂環式構造を有するポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
透明支持体の厚みは100μm以下であり、80μm以下が好ましく、60μm以下であるのがより好ましい。
<透明支持体の添加剤>
透明支持体には、種々の添加剤(例えば、光学的異方性調整剤、波長分散調整剤、微粒子、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、など)を加えることができる。また、透明支持体がセルロースアシレートフィルムである場合、その添加する時期はドープ作製工程(セルロースアシレート溶液の作製工程)における何れでもよいが、ドープ作製工程の最後に添加剤を添加し調製する工程を行ってもよい。
前記紫外線吸収剤としては、特開2011−173964号公報に記載の化合物を挙げることができる。高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来、特に特開平6−148430号公報に記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
<透明支持体の作製方法>
透明支持体の作製方法は特に限定されず、透明支持体がセルロースアシレートフィルムである場合、例えば、セルロースアシレートを有機溶剤に溶解させたドープ(セルロースアシレート溶液)を、流延ダイから、ケーシング内で回転するエンドレスベルトまたはドラム(以下、これらをまとめて「ドラム等」と略す。)上に流延し、ドラム等から剥離し、更に乾燥させてフィルムを形成する溶液製膜方法等が挙げられ、具体的には、溶液製膜方法において、ドラム等からの剥離する際または剥離した後に、搬送方向(長手方向)および幅方向(流延方向に対して直交する方向)に延伸処理を施す方法が好適に挙げられる。
<配向膜>
配向膜は、液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有する層であり、一般的にはポリマーを主成分とする。
配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコールまたはポリイミド、および、その誘導体が好ましい。特に、変性または未変性のポリビニルアルコールが好ましい。本発明に使用可能な配向膜については、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行、特許第3907735号公報の段落[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。なお、配向膜には、通常、公知のラビング処理が施される。つまり、配向膜は、通常、ラビング処理されたラビング配向膜であることが好ましい。
配向膜の厚みは上述したように、20μm以下であればよく、なかでも、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましく、0.01〜0.5μmであることがさらに好ましい。
〔偏光子〕
光学異方性層は偏光子と積層して好適に用いられる。偏光子は光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材(直線偏光子)であればよく、主に、吸収型偏光子を利用することができる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子などが用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子があり、いずれも適用できるが、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸して作製される偏光子が好ましい。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法として、例えば、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第5048120号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、特許第4751486号公報などに記載された方法を挙げることができ、これらの偏光子に関する公知の技術も好ましく利用することができる。
なかでも、取り扱い性の点から、ポリビニルアルコール系樹脂(−CH−CHOH−を繰り返し単位として含むポリマー、特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。)を含む偏光子であることが好ましい。
偏光子の厚みは特に制限されないが、取り扱い性に優れると共に、光学特性にも優れる点より、35μm以下が好ましく、3〜30μmがより好ましく、4〜25μmがさらに好ましい。
〔その他の層〕
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した偏光子、透明支持体および光学異方性層以外の他の層を備えていてもよい。
上述した偏光子の表面(本発明のフィルムが設けられた側とは反対側の表面)上には、偏光子保護フィルムが配置されていてもよい。
偏光子保護フィルムの構成は特に制限されず、例えば、上述した他の透明支持体、ハードコート層、反射防止層等が挙げられ、上述した他の透明支持体とハードコート層との積層体であってもよい。
ハードコート層としては、公知の層を使用することができ、例えば、上述した多官能モノマーを重合硬化して得られる層であってもよい。
偏光子保護フィルムの厚みは特に限定されないが、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましい。
[表示装置]
本発明の光学異方性層は、偏光子と積層され、さらに、表示装置に用いることができる。表示装置としては、例えば、有機EL表示装置(OLED)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極管表示装置(CRT)等が挙げられ、特に、OLEDやLCDに好適に用いることができる。
本発明の光学異方性層は、耐光性の観点から、表示装置の視認側偏光板に用いられること、さらには、視認側偏光板の偏光子よりも視認側に用いられることがより効果的である。本発明の光学異方性層を表示装置に適用する場合、光学異方性層のレタデーションによって、様々な光学的機能を奏することができる。例えば、λ/4板やλ/2板として用いる場合、OLEDの視認側に、偏光子と組み合わせた円偏光板として適用すれば、外光反射を防止することができる。また、LCDの視認側偏光板の偏光子よりも視認側に適用すれば、立体画像表示装置用偏光眼鏡や偏光サングラスを着用した際のブラックアウト対策に有用である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
<セルロースアシレートフィルム(透明支持体)の作製>
(1)セルロースアシレート溶液Aの調製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースエステル溶液Aを調製した。
──────────────────────────────――――
セルロースアシレート溶液Aの組成
──────────────────────────────――――
・セルロースアセテート(アセチル置換度2.86) 100質量部
・トリフェニルフォスフェート 7.6質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.8質量部
・メチレンクロライド 320質量部
・メタノール 83質量部
・ブタノール 3質量部
──────────────────────────────――――
(2)マット剤分散剤液の調製
次に、調製したセルロースアシレート溶液Aを含む下記組成物を分散機に投入し、マット剤分散液Mを調製した。
──────────────────────────────――――
マット剤分散剤液Mの組成
──────────────────────────────――――
・マット剤(アエロジルR972) 10質量部
・メチレンクロライド 72.8質量部
・メタノール 3.9質量部
・ブタノール 0.5質量部
・セルロースアシレート溶液A 10.3質量部
──────────────────────────────――――
(3)紫外線吸収剤溶液Uの調製
調製したセルロースアシレート溶液Aを含む下記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液U−1を調製した。
──────────────────────────────――――
紫外線吸収剤溶液Uの組成
──────────────────────────────――――
・紫外線吸収剤(下記UV−1) 10質量部
・紫外線吸収剤(下記UV−2) 10質量部
・メチレンクロライド 55.7質量部
・メタノール 10質量部
・ブタノール 1.3質量部
・セルロースアシレート溶液A 12.9質量部
──────────────────────────────――――
(4)セルロースアシレートフィルムの作製
セルロースアシレート溶液Aを94.6質量部、マット剤分散液Mを1.3質量部とした混合物に、セルロースアシレート100質量部当たり、紫外線吸収剤化合物(UV−1)および紫外線吸収剤化合物(UV−2)がそれぞれ1.0質量部となるように、紫外線吸収剤溶液Uを加え、加熱しながら充分に攪拌して各成分を溶解し、ドープを調製した。
得られたドープを30℃に加温し、流延ギーサーを通して直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。支持体の表面温度は−5℃に設定し、塗布幅は1470mmとした。
流延したドープ膜をドラム上で34℃の乾燥風を150m3/分で当てることにより乾燥させ、残留溶剤が150%の状態でドラムより剥離した。剥離の際、搬送方向(長手方向)に15%の延伸を行った。
その後、フィルムの幅方向(流延方向に対して直交する方向)の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で把持しながら搬送し、幅方向に倍率8%で延伸を行った。
このようにして厚み40μmのセルロースアシレートフィルム1を作製した。セルロースアシレートフィルム1の550nmにおけるレタデーションおよび厚み方向のレタデーション(Rth)は、それぞれ2nm、40nmであった。
<セルロースアシレートフィルムの鹸化処理>
上記で得られたセルロースアシレートフィルム1を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14mL/m2で塗布し、110℃に加
熱したスチーム式遠赤外ヒーター((株)ノリタケカンパニーリミテド製)の下に10秒間滞留させた。
次いで、同じくバーコーターを用いて、純水を3mL/m2塗布した。
次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アルカリ溶液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・水酸化カリウム 4.7質量部
・水 15.7質量部
・イソプロパノール 64.8質量部
・界面活性剤(C1633O(CH2CH2O)10H) 1.0質量部
・プロピレングリコール 14.9質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<配向膜の形成>
上記で得られた鹸化処理したセルロースアシレートフィルムの鹸化処理面に、下記に示す組成の配向膜形成用塗布液を、ワイヤーバーコーターで24mL/m2塗布し、100℃の温風で120秒乾燥した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
配向膜形成用塗布液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記に示す変性ポリビニルアルコール 28質量部
・クエン酸エステル(AS3、三共化学(株)製) 1.2質量部
・光開始剤(イルガキュア2959、BASF社製) 0.84質量部
・グルタルアルデヒド 2.8質量部
・水 699質量部
・メタノール 226質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(変性ポリビニルアルコール)
<λ/2板(光学異方性層)の形成>
上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。
このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向とラビングローラーの回転軸とのなす角が45°となるように調節した。
下記の組成のディスコティック液晶性化合物を含む光学異方性層塗布液(A)を上記作製した配向膜上にワイヤーバーで連続的に塗布した。フィルムの搬送速度(V)は40m/minとした。
塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶性化合物の配向熟成のために、120℃の温風で90秒間加熱した。
次いで、80℃にてUV照射を行い、液晶性化合物の配向を固定化した。
光学異方性層、すなわち液晶性化合物層の厚さは2.10μmであり、550nmにおけるRe(550)が275nmであるフィルムAを得た。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層塗布液(A)の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記のディスコティック液晶性化合物−1 80質量部
・下記のディスコティック液晶性化合物−2 20質量部
・変性トリメチロールプロパントリアクリレート 5質量部
・下記の紫外線吸収剤−A 3質量部
・下記の紫外線吸収剤−B 2質量部
・光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF社製) 4質量部
・下記の配向膜界面配向剤−1 2質量部
・下記の配向膜界面配向剤−2 0.2質量部
・下記のフッ素系ポリマー(FP1) 0.21質量部
・下記のフッ素系ポリマー(FP2) 0.1質量部
・下記のフッ素系ポリマー(FP3) 0.05質量部
・メチルエチルケトン 209質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ディスコティック液晶−1
ディスコティック液晶−2
紫外線吸収剤−A
紫外線吸収剤−B
配向膜界面配向剤−1
配向膜界面配向剤−2
(FP1)
(FP2)
(FP3)
作製したフィルムAの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と平行であった。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は反時計回りに45°の方向であった。ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
〔実施例2〕
上記実施例1において、光学異方性層塗布液(A)の代わりに、下記光学異方性層塗布液(B)を用いる以外は実施例1と同様にして、フィルムBを作製した。フィルムBの光学異方性層、すなわち液晶性化合物層の厚さは2.08μmであり、550nmにおけるRe(550)が275nmであった。作製したフィルムBの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と平行であった。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は反時計回りに45°の方向であった。ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層塗布液(B)の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記のディスコティック液晶性化合物−1 80質量部
・上記のディスコティック液晶性化合物−2 20質量部
・変性トリメチロールプロパントリアクリレート 5質量部
・下記の紫外線吸収剤−C 5質量部
・光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF社製) 4質量部
・上記の配向膜界面配向剤−1 2質量部
・上記の配向膜界面配向剤−2 0.2質量部
・上記のフッ素系ポリマー(FP1) 0.21質量部
・上記のフッ素系ポリマー(FP2) 0.1質量部
・上記のフッ素系ポリマー(FP3) 0.05質量部
・メチルエチルケトン 209質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤−C
〔比較例1〕
上記実施例1において、光学異方性層塗布液(A)の代わりに、下記光学異方性層塗布液(H)を用いる以外は実施例1と同様にして、フィルムHを作製した。フィルムHの光学異方性層、すなわち液晶性化合物層の厚さは2.30μmであり、550nmにおけるRe(550)が275nmであった。作製したフィルムHの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と平行であった。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は反時計回りに45°の方向であった。ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層塗布液(H)の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記のディスコティック液晶性化合物−1 80質量部
・上記のディスコティック液晶性化合物−2 20質量部
・変性トリメチロールプロパントリアクリレート 5質量部
・光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF社製) 4質量部
・上記の配向膜界面配向剤−1 2質量部
・上記の配向膜界面配向剤−2 0.2質量部
・上記のフッ素系ポリマー(FP1) 0.21質量部
・上記のフッ素系ポリマー(FP2) 0.1質量部
・上記のフッ素系ポリマー(FP3) 0.05質量部
・メチルエチルケトン 209質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔耐光性評価〕
<評価1>
上記実施例のフィルムA、フィルムB、または、比較例のフィルムHのセルロースアシレートフィルム側、すなわち液晶性化合物層と反対側の面に感圧型粘着剤を貼り合せ、さらに、ガラス板を貼り合せた。このようにしてガラスに貼り合せたフィルムに対し、スガ試験機(株)社製スーパーキセノンウェザーメーター SX75を用いて光照射した。なお、このとき、光照射はフィルムの光学異方性層、すなわち液晶性化合物層の面から行った。200時間照射後、550nmにおけるRe(550)を測定した。また、光照射前後のフィルムの色味を観察し、以下の様に評価した。
1:光照射前後で色味の変化が無い、もしくはほとんど無い。
2:光照射後、わずかに黄変が見られる。
3:光照射後、黄変が見られる。
4:光照射後、顕著な黄変が見られる。
<評価2>
上記実施例のフィルムA、フィルムB、または、比較例のフィルムHの光学異方性層、すなわち液晶性化合物層の面に感圧型粘着剤を貼り合せ、さらに、ガラス板を貼り合せた。このようにしてガラスに貼り合せたフィルムに対し、上記評価1と同様にして、光照射した。なお、このとき、光照射はフィルムのセルロースアシレートフィルム側、すなわち液晶性化合物層と反対側の面から行った。
評価1および評価2の結果を表1に示す。本発明のフィルムAおよびBは光照射後のレタデーションの変化が小さく、さらに、着色(黄変)も小さかった。また、本発明のフィルムは比較例のフィルムに対して、光学異方性層の単位膜厚当たりのレタデーションが大きい、すなわち光学異方性の発現性が高いことがわかった。

Claims (5)

  1. 重合性基を有する円盤状液晶化合物の円盤面が光学異方性層平面に対して実質的に垂直になるように配向状態が固定化されている光学異方性層で、重合性基を有する円盤状液晶化合物および下記一般式(1)で表される添加剤を含有する組成物を硬化させて得られることを特徴とする光学異方性層。
    (式(1)中、Aは芳香族炭素環もしくは芳香族へテロ環を表し、Xは炭素原子もしくは窒素原子、Yは酸素原子もしくは窒素原子、Zは酸素原子もしくは窒素原子を表し、X、YおよびZは、それぞれ置換基を有してよく、XとYが互いに環を形成していてもよい。)
  2. 前記円盤状液晶化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の光学異方性層。
    (式(2)中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に下記一般式(A)、下記一般式(B)、下記一般式(C)、又は水素原子を表すが、ただし、R11、R12及びR13のうち、少なくとも2つは下記一般式(A)、下記一般式(B)、又は下記一般式(C)である。)
    (一般式(A)中、A11及びA12は、それぞれ独立に窒素原子又はメチンを表し;A13、A14、A15及びA16は、それぞれ独立に窒素原子又はメチン(但しメチンの水素原子は置換基−L11−L12−Q11で置換されていてもよい)を表し;X1は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;L11はヘテロ5員環の基を表し;L12は、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、これらアルキレン基又はアルケニレン基の基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−、−S−、−SO2−、−NR−、−NRSO2−、又は−SO2NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく、また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子に置換されてもよく;Q11はそれぞれ独立に、重合性基、水素原子、OH、COOH又はハロゲン原子を表す。)
    (一般式(B)中、A21及びA22は、それぞれ独立に窒素原子又はメチンを表し;A23、A24、A25及びA26は、それぞれ独立に窒素原子又はメチン(但しメチンの水素原子は置換基−L21−L22−Q21で置換されていてもよい)を表し;X2は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;L21はヘテロ5員環の基を表し;L22は、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、これらアルキレン基又はアルケニレン基の基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−、−S−、−SO2−、−NR−、−NRSO2−、又は−SO2NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく、また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子に置換されてもよく;Q21はそれぞれ独立に、重合性基、水素原子、OH、COOH又はハロゲン原子を表す。)
    (一般式(C)中、A31及びA32は、それぞれ独立に窒素原子又はメチンを表し、A33、A34、A35及びA36は、それぞれ独立に窒素原子又はメチン(但しメチンの水素原子は置換基−L31−L32−Q31で置換されていてもよい)を表し;X3は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;L31はヘテロ5員環の基を表し;L32は、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、これらアルキレン基又はアルケニレン基の基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−、−S−、−SO2−、−NR−、−NRSO2−、又は−SO2NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく、また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子に置換されてもよく;Q31はそれぞれ独立に、重合性基、水素原子、OH、COOH又はハロゲン原子を表す。)
  3. 前記添加剤が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学異方性層。
    (式(3)中、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭素環もしくは芳香族複素環を表し、R3は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭素環、芳香族複素環、−O−R、−S−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−SO−R、−SO2−R、−NR2、−NH−CO−R、−NH−SO2−R、−CO−NR2、−SO2−NR2、−NH−CO−O−Rおよび−NH−CO−NR2を表し、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭素環、芳香族複素環を表し、これらの基はさらに置換基を有していてもよく、mは、0〜4の整数を表し、R3が複数ある場合は、それぞれ異なっていてもよく、また互いに環を形成していてもよい。)
  4. 前記光学異方性層の面内レタデーションの値が100nm〜180nmもしくは200nm〜360nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学異方性層。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学異方性層と、さらに少なくとも一種類以上の紫外線吸収剤を含有した紫外線吸収層を含む、光学フィルム。
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