JP2016126941A - 画像表示装置 - Google Patents

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森嶌 慎一
Shinichi Morishima
慎一 森嶌
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Abstract

【課題】本発明は、円偏光板を薄型化した場合であっても、紫外線領域付近の可視光領域の光の透過率を向上させつつ、偏光子の性能の低下を抑制する画像表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】偏光子保護層と、偏光子と、光学異方性層と、画像表示素子とをこの順に有する画像表示装置であって、前記偏光子保護層中に含まれる紫外線吸収剤の割合が、偏光子保護層中の全固形分に対して0.1〜1質量%であり、前記光学異方性層が、液晶性化合物を含み、前記偏光子の表面上に配置され、下記式(1)(2)をそれぞれ満たす光学異方性層である画像表示装置。
Re(650)/Re(450)>1.0 ・・・(1)
100≦Re(550)≦150 ・・・(2)
ここで、Re(λ)は波長λにおける面内レターデーションの値である。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置が、スマートフォン等の屋外で使用されるデバイスに搭載されることが増えてきている。
それに伴い、外光が画像表示装置内部で反射し、屋外で見た際の表示品位を低下させるという問題が増えてきていることが知られている。
この問題に対して、円偏光板を用いて外光の反射を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2012−32418号
一方、画像表示装置に求められる性能が上がっていることにより、紫外線領域付近の可視光領域の光の透過率の向上が求められている。
円偏光板を用いた場合、円偏光板の性能により、紫外線領域付近の可視光領域の透過率が低下してしまう場合があることがわかった。さらに、紫外線領域付近の可視光領域の光の透過率を向上させようとすると、外光、および画像表示装置内部からの反射光に含まれる紫外線領域の光により、偏光子の性能が低下してしまう場合があることがわかった。
また、スマートフォン等のモバイル用途に用いられる場合は、円偏光板自体が薄いことが求められる。円偏光板が薄くなる場合には、紫外線領域の光の吸収量が減る場合が多く、偏光子の性能がより低下してしまう場合があることがわかった。
そこで、本発明は、円偏光板を薄型化した場合であっても、紫外線領域付近の可視光領域の光の透過率を向上させつつ、偏光子の性能の低下を抑制する画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、円偏光板に用いる保護層中の紫外線吸収剤の量と、光学異方性層に用いられる液晶性化合物の波長分散に着目した。
一般的に円偏光板の最外層に用いられる偏光子保護層には、紫外線吸収剤が用いられ、この紫外線吸収剤により紫外線領域付近の可視光領域の光も吸収されてしまい、透過率が低下してしまう。一方、単純に紫外線吸収剤の量を減らすと、外光、および画像表示装置内部からの反射光に含まれる紫外線領域の光により偏光子の性能が低下してしまう。
ここで、液晶化合物を含む光学異方性層を、下記式(1)を満たすように作製した場合、光学異方性層は、紫外線領域の光を多く吸収できる。すなわち、偏光子に対する外光からの紫外線の影響には寄与できないが、画像表示装置内部からの反射光に対しては、光学異方性層が紫外線の光を吸収するため、偏光子の性能の低下を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 偏光子保護層と、偏光子と、光学異方性層と、画像表示素子とをこの順に有する画像表示装置であって、
偏光子保護層中に含まれる紫外線吸収剤の割合が、偏光子保護層中の全固形分に対して0.1〜1質量%であり、
光学異方性層が、液晶性化合物を含み、偏光子の表面上に配置され、下記式(1)(2)をそれぞれ満たす光学異方性層である画像表示装置。
Re(650)/Re(450)>1.0 ・・・(1)
100≦Re(550)≦150 ・・・(2)
ここで、Re(λ)は波長λにおける面内レターデーションの値である。
[2] 偏光子保護層の吸収極大λaと光学異方性層の吸収極大λbが、下記式(7)を満たす、[1]に記載の画像表示装置。
10≦λb ― λa≦50 ・・・(7)
[3] 紫外線吸収剤がヒンダードフェノール系化合物、または、ベンゾトリアゾール系化合物である、[1]または[2]に記載の画像表示装置。
[4] 液晶性化合物が下記一般式(II)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の画像表示装置。
一般式(II):
1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2
式中、
1およびD2は、それぞれ独立に、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)O−、−O−C(=S)−、−CR12−、−CR12−CR34−、−O−CR12−、−CR12−O−、−CR12−O−CR34−、−CR12−O−CO−、−O−CO−CR12−、−CR12−O−CO−CR34−、−CR12−CO−O−CR34−、−NR1−CR23−、−CR12−NR3−、−CO−NR1−、または−NR1−CO−を表し、
1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、
1およびG2は、それぞれ独立に炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−N(R6)−で置換されていてもよく、R6は水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表し、L1およびL2は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2からなる群から選ばれる少なくとも一種が、重合性基を有する1価の基を表し、
Arは下記一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または(II−4)で表される2価の芳香環基を表し:
式(II−1)〜(II−4)中、
1は、−S−、−O−、またはNR11−を表し、R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12芳香族複素環基を表し、
1、Z2、および、Z3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR1213またはSR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
1およびA2は各々独立に、−O−、−NR21−(R21は水素原子または置換基を表す。)、−S−およびCO−からなる群から選ばれる基を表し、Xは水素原子または置換基が結合していてもよい第14〜16族の非金属原子を表し、
Axは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、Ayは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、AxおよびAyが有する芳香環は置換基を有していてもよく、AxとAyは結合して、環を形成していてもよく、
2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
[5] 画像表示素子がEL表示素子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の画像表示装置。
[6] EL表示素子が有機EL表示素子である、[5]に記載の画像表示装置。
本発明によれば、円偏光板を薄型化した場合であっても、紫外線領域付近の可視光領域の光の透過率を向上させつつ、偏光子の性能の低下を抑制する画像表示装置を提供することができる。
本発明の画像表示装置の実施形態の例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において偏光板とは、偏光子の少なくとも一方に偏光板保護層、または機能層が配置されたものを言い、偏光子と偏光板は区別して用いる。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、偏光子保護層と、偏光子と、光学異方性層と、画像表示素子とをこの順に有する画像表示装置であって、前記偏光子保護層中に含まれる紫外線吸収剤の割合が、偏光子保護層中の全固形分に対して0.1〜1質量%であり、前記光学異方性層が、液晶性化合物を含み、前記偏光子の表面上に配置され、下記式(1)(2)をそれぞれ満たす光学異方性層である画像表示装置である。
Re(650)/Re(450)>1.0 ・・・(1)
100≦Re(550)≦150 ・・・(2)
図1は、本発明の画像表示装置の実施形態の例を示す模式的な断面図である。
図1に示すように、画像表示装置10は、偏光子保護層1と、偏光子2と、光学異方性層3と、画像表示素子4とを有する。
また、本明細書において、偏光子保護層1と、偏光子2と、光学異方性層3とをあわせて、円偏光板と呼ぶことがある。
光学異方性層3は液晶性化合物を有し、偏光子2の表面上に形成されていることで、本発明の画像表示装置を薄くすることができる。
偏光子2と、光学異方性層3の間以外の、各部材の間には、別の部材を有していてもよい。例えば、光学異方性層3と画像表示素子4との間に粘着剤層等を有していてもよい。
〔偏光子保護層〕
本発明に用いられる偏光子保護層は、偏光子保護層中に含まれる紫外線吸収剤の割合が、偏光子保護層中の全固形分に対して0.1〜1質量%であり、偏光子保護層の素材としては一般的に用いられているものを用いることができる。具体的には、各種ポリマーフィルム、硬化性樹脂を含むハードコート層などが挙げられる。
紫外線吸収剤の割合としては、偏光子保護層中の全固形分に対して、0.3〜1質量%であることが好ましく、0.5〜1質量%であることがより好ましい。
{偏光子保護層の素材}
〈ポリマーフィルム〉
本発明に用いられるポリマーフィルムの素材としては、TAC(トリアセチルセルロース)等のセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル系樹脂等、各種公知のものが使用できる。
〈硬化性樹脂を含むハードコート層〉
本発明に用いられる硬化性樹脂を含むハードコート層の素材としては、アクリレート系硬化性樹脂、エポキシ系硬化性樹脂等、各種公知のものが使用できる。
〈紫外線吸収剤〉
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、各種公知のものが使用できる。
本発明において、紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。そのため、本発明に用いられる紫外線吸収剤の吸収極大λaとしては、300nm以上360nm以下であることが好ましく、320nm以上350nm以下であることが特に好ましい。吸収極大λaを300nm以上とすることで、紫外線を効果的に吸収することができる。一方、吸収極大λaを360nm以下とすることで、後述する光学異方性層と組み合わせた場合においても、吸収を紫外領域に留めることができ、透過率を向上させることができる。
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤は、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物は、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレートなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。
これらの紫外線吸収剤の添加量は、偏光子保護層の全固形分に対して、質量割合で0.1〜1質量%が好ましく、0.3〜1質量%がより好ましく、0.5〜1質量%が特に好ましい。添加量を0.1質量%以上とすることで、紫外線を効果的に吸収することができる。一方、添加量を1%以下とすることで、後述する光学異方性層と組み合わせた場合においても、吸収を紫外領域に留めることができ、透過率を向上させることができる。
{偏光子保護層の物性}
〈偏光子保護層の厚み〉
本発明に用いられる偏光子保護層の厚みとしては特に限定はない。画像表示装置を薄く出来るという観点から、5〜80μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
〔偏光子〕
本発明に用いられる偏光子は上述の条件を満たせば特に限定はなく、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有するいわゆる直線偏光子であればよい。偏光子としては、特に限定されないが、吸収型偏光子を利用することができる。
{偏光子の素材}
本発明に用いられる偏光子の素材としては特に限定はなく、通常用いられている偏光子を利用することができ、例えば、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子のいずれも用いることができる。
一般的に二色性染料を利用した染料系偏光子は紫外線に弱いため、サーモトロピック液晶性二色性色素を用いた染料系偏光子を用いる場合は本発明の効果が特に大きい。
サーモトロピック液晶性二色性色素を用いた染料系偏光子の作製方法は特に限定されないが、例えば、支持体上に配向膜を形成し、サーモトロピック液晶性二色性色素、配向剤、レベリング剤、その他添加剤、溶媒等からなる組成物を塗布して作製することができる。
〈サーモトロピック液晶性二色性色素〉
本発明に用いられるサーモトロピック液晶性二色性色素としては、例えば、特開2011−237513号に記載のサーモトロピック液晶性二色性色素を好適に用いることができる。
{偏光子の物性}
〈偏光子の厚み〉
本発明に用いられる偏光子の厚みは特に限定はなく、下限については250nm以上が好ましく、350nm以上がより好ましく、450nm以上がさらに好ましい。上限については50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。また、染料系偏光子を用いる場合は、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。
〔光学異方性層〕
本発明に用いられる光学異方性層は、液晶性化合物を含み、偏光子の表面上に配置され、下記式(1)(2)をそれぞれ満たす光学異方性層である。
Re(650)/Re(450)>1.0 ・・・(1)
100≦Re(550)≦150 ・・・(2)
ここで、Re(λ)は波長λにおける面内レターデーションの値である。
{光学異方性層の物性}
〈レターデーション〉
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRにおいて算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRにおいて算出される。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の数式(11)および数式(12)によりRthを算出することもできる。
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(OPTIC AXIS)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRにより算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRにおいてnx、ny、
nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
より効果的に紫外線領域付近の可視光領域の光を透過させる観点から、本発明の光学異方性層は、下記式(3)を満たすことが好ましく、下記式(4)を満たすことがより好ましい。
Re(650)/Re(450)>1.1 ・・・(3)
Re(650)/Re(450)>1.2 ・・・(4)
より効果的に外光の反射を抑制する観点から、本発明の光学異方性層は、下記式(5)を満たすことが好ましく、下記式(6)を満たすことがより好ましい。
115≦Re(550)≦145 ・・・(5)
130≦Re(550)≦140 ・・・(6)
{光学異方性層の素材}
本発明に用いられる光学異方性層は、液晶性化合物を含み、式(1)(2)を満たせば特に限定はなく、目的の光学特性に応じて各種公知の素材を用いることができる。
本発明に用いられる光学異方性層の作製方法は特に限定はなく各種公知の方法を用いることができる。例えば、偏光子上に、液晶性化合物、配向剤、レベリング剤、その他添加剤、溶媒等からなる組成物を塗布して作製することができる。
〈液晶性化合物〉
本発明に用いられる液晶性化合物は、式(1)(2)を満たす光学異方性層が作成できれば特に限定はない。各種公知の棒状液晶性化合物、円盤状液晶性化合物等を用いることができる。
式(1)を満たす光学異方性層が作製しやすいという観点から、下記一般式(II)で表される液晶性化合物を用いることが好ましい。液晶性化合物の量は、光学異方性層中の全固形分質量の50〜98質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましい。
〈一般式(II)で表される液晶性化合物〉
一般式(II):
1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2
式中、
1およびD2は、それぞれ独立に、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)O−、−O−C(=S)−、−CR12−、−CR12−CR34−、−O−CR12−、−CR12−O−、−CR12−O−CR34−、−CR12−O−CO−、−O−CO−CR12−、−CR12−O−CO−CR34−、−CR12−CO−O−CR34−、−NR1−CR23−、−CR12−NR3−、−CO−NR1−、または−NR1−CO−を表し、
1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、
1およびG2は、それぞれ独立に炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、前記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−N(R6)−で置換されていてもよく、R6は水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表し、L1およびL2は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2からなる群から選ばれる少なくとも一種が、重合性基を有する1価の基を表し、
Arは下記一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または(II−4)で表される2価の芳香環基を表し:
式(II−1)〜(II−4)中、
1は、−S−、−O−、またはNR11−を表し、R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12芳香族複素環基を表し、
1、Z2、および、Z3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR1213またはSR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
1およびA2は各々独立に、−O−、−NR21−(R21は水素原子または置換基を表す。)、−S−およびCO−からなる群から選ばれる基を表し、Xは水素原子または置換基が結合していてもよい第14〜16族の非金属原子を表し、
Axは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、Ayは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、AxおよびAyが有する芳香環は置換基を有していてもよく、AxとAyは結合して、環を形成していてもよく、
2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
一般式(II)で表される化合物の各置換基の定義および好ましい範囲については、特開2012−21068号公報に記載の化合物(A)に関するD1、D2、G1、G2、L1、L2、R1、R2、R3、R4、X1、Y1、Q1、Q2に関する記載をそれぞれD1、D2、G1、G2、L1、L2、R1、R2、R3、R4、X1、およびY1、Z1、Z2について参照でき、
特開2008−107767号公報に記載の一般式(I)で表される化合物についてのA1、A2、およびXに関する記載をそれぞれA1、A2、およびXについて参照でき、WO2013/018526に記載の一般式(I)で表される化合物についてのAx、Ay、Q1に関する記載をそれぞれAx、Ay、Q2について参照できる。Z3については2012−21068号公報に記載の化合物(A)に関するQ1に関する記載を参照できる。
特に、L1、L2で示される有機基としては、それぞれ、特に、−D3−G3−Sp−P3で表される基であることが好ましい。D3は、D1と同義である。G3は、単結合、炭素数6〜12の2価の芳香環基もしくは複素環基、または炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−NR7−で置換されていてもよく、ここでR7は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Spは、単結合、−(CH2n−、−(CH2n−O−、−(CH2−O−)n−、−(CH2CH2−O−)m、−O−(CH2n−、−O−(CH2n−O−、−O−(CH2−O−)n−、−O−(CH2CH2−O−)m、−C(=O)−O−(CH2n−、−C(=O)−O−(CH2n−O−、−C(=O)−O−(CH2−O−)n−、−C(=O)−O−(CH2CH2−O−)m、−C(=O)−N(R8)−(CH2n−、−C(=O)−N(R8)−(CH2n−O−、−C(=O)−N(R8)−(CH2−O−)n−、−C(=O)−N(R8)−(CH2CH2−O−)mで表されるスペーサー基を表す。ここで、nは2〜12の整数を表し、mは2〜6の整数を表し、R8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。P3は重合性基を示す。
重合性基は特に限定されないが、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基が好ましい。ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとして、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を挙げることができる。この場合、重合速度はアクリロイル基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリロイル基が好ましいが、メタアクリロイル基も高複屈折性液晶の重合性基として同様に使用することができる。カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が特に好ましい。
特に好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
なお、本明細書において、「アルキル基」は、直鎖状、分枝鎖状、または環状のいずれでもよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(II)で表される化合物として好ましい例を以下に示すが、これらに特に限定されない。
〔画像表示素子〕
本発明に用いられる画像表示素子としては特に限定はなく、各種公知の画像表示素子を用いることができる。具体的には、液晶表示装置、有機EL、無機ELなどのEL(エレクトロルミネセンス)表示素子等が挙げられる。
この中でも、有機EL表示素子は、画像表示装置として組み込んだ際に、外光の内部反射率が高いため、本発明の効果が大きい。
〔偏光子保護層と光学異方性層の吸収極大〕
本発明において、前述した偏光子保護層の吸収極大λaと光学異方性層の吸収極大λbが、下記式(7)を満たすことが好ましい。下記式(7)を満たすことで、透過率を低下させる事なく、バックライト光及び外光の反射による、偏光子の光劣化を抑制できるという効果がある。
10≦λb ― λa≦50 ・・・(7)
本発明においては、λaとλbは下記式(8)を満たすことがより好ましく、下記式(9)を満たすことがさらに好ましい。
10≦λb ― λa≦40 ・・・(8)
10≦λb ― λa≦30 ・・・(9)
本発明において、吸収極大は下記の方法で測定される値を言う。
{吸収極大の測定方法}
Nikon製顕微鏡ECLIPSE E600 POLの光源側偏光子を除去した状態で、OceanOptics社製マルチチャンネル分光器QE65000を用いて紫外域での吸収スペクトルを測定し、ピークの波長を本発明における吸収極大とした。
また、ピークが複数測定される場合、一番大きいピークを本発明における吸収極大とした。
[実施例1]
<偏光子保護層1の作製>
〔コア層セルロースアシレートドープの作製〕
下記の組成物をミキシングタンクに投入し攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
----------------------------------------------------------------
アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
エステルオリゴマー 10質量部
偏光子耐久性改良剤 4質量部
紫外線吸収剤 1質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
メタノール(第2溶剤) 64質量部
----------------------------------------------------------------
・エステルオリゴマー:下記表1のオリゴマー
・偏光子耐久性改良剤
・紫外線吸収剤
〔外層セルロースアシレートドープの作製〕
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアセテート溶液を調整した。
-------------------------------------------------------------
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
メタノール(第2溶剤) 11質量部
コア層セルロースアシレートドープ 1質量部
-------------------------------------------------------------
〔セルロースアシレートフィルム1の作製〕
前記コア層セルロースアシレートドープとその両側に外層セルロースアシレートドープとを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、残留溶剤が3〜15%の状態で、横方向に1.1倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚さ20μmのセルロースアシレートフィルム1を作製し、偏光子保護層1とした。
<偏光子の作製>
〔偏光子保護層1の鹸化〕
上記厚さ20μmの偏光子保護層1を温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理した偏光子保護層1を作製した。
───────────────────────────────────
アルカリ溶液の組成
───────────────────────────────────
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
───────────────────────────────────
〔配向膜1の作製〕
上記アルカリ鹸化処理した偏光子保護層1を用い、下記の組成の配向膜形成用塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜付き偏光子保護層1を形成した。
───────────────────────────────────
配向膜形成用塗布液の組成
───────────────────────────────────
下記変性ポリビニルアルコール 2.4質量部
イソプロピルアルコール 1.6質量部
メタノール 36質量部
水 60質量部
───────────────────────────────────
〔偏光板1の作製〕
下記の染料系偏光子用塗布液1を作製した。
──────────────────────────────────
染料系偏光子用塗布液1の組成
──────────────────────────────────
二色性色素PB−9 50質量部
二色性色素C−3 30質量部
二色性色素C−15 20質量部
含フッ素化合物C 0.3質量部
架橋性ポリマー O−2 0.3質量部
クロロホルム 1900質量部
──────────────────────────────────
上述した配向膜付き偏光子保護層1の、配向膜が形成された側の表面にラビング処理を施した。ラビング処理面上に、染料系偏光子用塗布液1をバーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度160℃で15秒間熟成し、室温まで冷却し、偏光子保護層1上に染料系偏光子1が形成された偏光板1を得た。形成された染料系偏光子1はラビング方向に対して吸収軸が平行に配向していた。
<光学異方性層1の作製>
下記の光学異方性層用塗布液1を作製した。
───────────────────────────────────
光学異方性層用塗布液1の組成
───────────────────────────────────
液晶性化合物 R−2 100質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア819、BASF(株)製)
含フッ素化合物A 0.8質量部
クロロホルム 588質量部
──────────────────────────────────―
上述した偏光板1の染料系偏光子1側の表面にラビング処理を施した。ラビング角度は、偏光子の透過軸に対して45°方向に施した。ラビング処理面上に光学異方性層用塗布液1を、バーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度150℃で60秒間加熱熟成し、70℃まで冷却した後に、空気下にて70mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて1000mJ/cm2の紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより光学異方性層1を形成した。形成された光学異方性層1は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行に液晶性化合物が配向していた。
[比較例1]
偏光子保護層1の作製において、コア層セルロースアシレートドープ液に紫外線吸収剤を添加しない以外は同様にして偏光子保護層2を作製した。実施例1において、偏光子保護層1を用いる代わりに偏光子保護層2を用いて偏光板2を作製した以外は同様にして、反射防止板2を作製した。
[比較例2]
偏光子保護層1の作製において、コア層セルロースアシレートドープ液の紫外線吸収剤の添加量を2.7質量部に変更して偏光板保護層3を作製した。実施例1において、偏光子保護層1を用いる代わりに偏光子保護層3を用いて偏光板3を作製した以外は同様に、反射防止板3を作製した。
[比較例3]
<光学異方性層4の作製>
下記の光学異方性層用塗布液4を作製した。
───────────────────────────────────
光学異方性層用塗布液4の組成
───────────────────────────────────
液晶性化合物B01 80質量部
液晶性化合物B02 20質量部
イルガキュアー907(BASF製) 3質量部
カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製) 1質量部
含フッ素化合物A 0.8質量部
クロロホルム 300質量部
───────────────────────────────────
実施例1で作製した偏光板1の染料系偏光子1側の表面にラビング処理を施した。ラビング角度は、偏光子の透過軸に対して45°方向に施した。ラビング処理面上に光学異方性層用塗布液4を、バーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度80℃で60秒間加熱熟成し、60℃まで冷却した後に、空気下にて70mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて1000mJ/cm2の紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより光学異方性層4を形成した。形成された光学異方性層4は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行に液晶性化合物が配向していた。
<有機EL表示装置の作製>
〔表示装置への実装〕
有機ELパネル搭載のSAMSUNG社製GALAXY SIIを分解し、円偏光板を剥離して、剥離した面と、実施例1〜比較例3の反射防止板のポジティブCプレートの面とを貼合し、表示装置を作製した。貼合には、光学的に等方性の接着剤(SK2057、綜研化学社製)を利用した。
[評価]
<レターデーションの測定>
粘着剤付きガラス基板を用意し、作製した反射防止板について、光学異方性層と粘着剤付ガラス基板の粘着剤面とを貼り合わせた後、光学異方性層と染料系偏光子との界面で剥離して光学異方性層のみを取り出し、上述した方法でRe、Re(650)/Re(450)の値を測定した。結果を下記表2に示す。
<偏光度の測定>
作製した反射防止板について、上述した手法で偏光子と偏光子保護層が積層された偏光板のみを取り出し、下記の方法で偏光度を測定した。結果を下記表2に示す。
〔偏光度の測定方法〕
本発明においては、偏光板2枚をパラニコル状態にした透過率をT(para)、 クロスニコル状態にした透過率をT(cross)とした場合に、400nm〜700nmの波長領域において、1nm刻みで測定した下記式Pの平均値を偏光度とした。
また、透過率は、Nikon製顕微鏡ECLIPSE E600 POLの光源側偏光子のみを挿入した状態で、OceanOptics社製マルチチャンネル分光器QE65000を用いて各波長での偏光板の透過率を測定した。
<単板透過率の測定>
作製した反射防止板について、上述した手法で偏光子と偏光子保護層が積層された偏光板のみを取り出し、下記の方法で単板透過率を測定した。結果を下記表2に示す。
〔単板透過率の測定方法〕
本発明において、Nikon製顕微鏡ECLIPSE E600 POLの光源側偏光子のみを挿入した状態で、OceanOptics社製マルチチャンネル分光器QE65000を用いて400−600nmの波長域での偏光板の透過率を測定し、次式により計算した値を単板透過率とした。
単板透過率:Tm=(Tz0+Ty0)/2
Tz0:塗布型偏光板の吸収軸方向の偏光に対する透過率
Ty0:塗布型偏光板の偏光軸方向の偏光に対する透過率
<吸収極大の測定>
作製した反射防止板において、上述した手法でガラス基板に粘着剤で転写された光学異方性層のみを取り出した。また、上述した手法で得られた偏光子と偏光子保護層が積層された偏光板は、偏光子面と粘着剤付きガラス基板の粘着面を貼り合せた後、偏光子と偏光子保護層の界面で剥離して、偏光子保護層のみを取り出し、下記の方法でそれぞれ極大吸収を測定した。結果を表2に示す。
〔吸収極大の測定方法〕
Nikon製顕微鏡ECLIPSE E600 POLの光源側偏光子を除去した状態で、OceanOptics社製マルチチャンネル分光器QE65000を用いて紫外域での吸収スペクトルを測定し、ピークの波長を本発明における吸収極大とした。また、ピークが複数測定される場合、一番大きいピークを本発明における吸収極大とした。
<表示性能の評価>
作製した表示装置について、明光下にて視認性および表示品位を評価した。
表示装置に白表示、黒表示、画像表示をして、正面および極角60度から蛍光灯を映し込んだときの反射光を観察した。正面および極角60度の表示品位を下記の基準で評価した。評価結果を下記表2に示す。
4:色味付きが全く視認されない。透過率も高い。(許容)
3:色味差が視認されるものの、ごくわずか。透過率も高い。(許容)
2:色味差は視認されるもののごくわずかだが、透過率が低く暗い。許容できない。
1:色味差が視認され、許容できない。
<耐光性評価>
上記作製した反射防止板の光学異方性層側に、粘着剤を介してアルミ板を貼り付け、偏光子保護層側から、スーパーキセノンウェザーメーター“SX−75”(スガ試験機社製、60℃、50%RH条件)にて、キセノン光を25万Lxで200時間照射した。所定時間の経過後、アルミ板を剥離し、塗布型偏光板の偏光度の変化を測定した。評価結果を下記表2に示す。
A:偏光度の変化が5%未満
B:偏光度の変化が5%以上10%未満
C:偏光殿の変化が10%以上
表2の実施例1と比較例1の比較から、偏光子保護層に1質量%の紫外線吸収剤を添加することによって、表示性能を損なうことなく偏光板の耐光性を向上させることができることが分る。一方、実施例1と比較例2の比較から、偏光子保護層に2.7質量%の紫外線吸収剤を添加すると、偏光板の耐光性は良好だが、過剰の紫外線吸収剤により偏光板、および、反射防止板の透過率が低下するため、正面および極角方向の輝度が低下し、暗くなってしまうことが分る。また、実施例1と比較例3の比較から、光学異方性層が式(1)を満たさないと、光学異方性層による紫外線吸収効果が十分でないため、基板からの反射光の影響で偏光板が退色し耐光性が悪化する。さらに、表示性能、特に色味視野角が悪化してしまうことが分かる。
1 偏光子保護層
2 偏光子
3 光学異方性層
4 画像表示素子
10 画像表示装置

Claims (6)

  1. 偏光子保護層と、偏光子と、光学異方性層と、画像表示素子とをこの順に有する画像表示装置であって、
    前記偏光子保護層中に含まれる紫外線吸収剤の割合が、偏光子保護層中の全固形分に対して0.1〜1質量%であり、
    前記光学異方性層が、液晶性化合物を含み、前記偏光子の表面上に配置され、下記式(1)(2)をそれぞれ満たす光学異方性層である画像表示装置。
    Re(650)/Re(450)>1.0 ・・・(1)
    100≦Re(550)≦150 ・・・(2)
    ここで、Re(λ)は波長λにおける面内レターデーションの値である。
  2. 前記偏光子保護層の吸収極大λaと前記光学異方性層の吸収極大λbが、下記式(7)を満たす、請求項1に記載の画像表示装置。
    10≦λb ― λa≦50 ・・・(7)
  3. 前記紫外線吸収剤がヒンダードフェノール系化合物、または、ベンゾトリアゾール系化合物である、請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記液晶性化合物が下記一般式(II)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
    一般式(II):
    1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2
    式中、
    1およびD2は、それぞれ独立に、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)O−、−O−C(=S)−、−CR12−、−CR12−CR34−、−O−CR12−、−CR12−O−、−CR12−O−CR34−、−CR12−O−CO−、−O−CO−CR12−、−CR12−O−CO−CR34−、−CR12−CO−O−CR34−、−NR1−CR23−、−CR12−NR3−、−CO−NR1−、または−NR1−CO−を表し、
    1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、
    1およびG2は、それぞれ独立に炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、前記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−N(R6)−で置換されていてもよく、R6は水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表し、L1およびL2は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2からなる群から選ばれる少なくとも一種が、重合性基を有する1価の基を表し、
    Arは下記一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または(II−4)で表される2価の芳香環基を表し:
    式(II−1)〜(II−4)中、
    1は、−S−、−O−、またはNR11−を表し、R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12芳香族複素環基を表し、
    1、Z2、および、Z3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR1213またはSR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    1およびA2は各々独立に、−O−、−NR21−(R21は水素原子または置換基を表す。)、−S−およびCO−からなる群から選ばれる基を表し、Xは水素原子または置換基が結合していてもよい第14〜16族の非金属原子を表し、
    Axは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、Ayは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、AxおよびAyが有する芳香環は置換基を有していてもよく、AxとAyは結合して、環を形成していてもよく、
    2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
  5. 前記画像表示素子がEL表示素子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 前記EL表示素子が有機EL表示素子である、請求項5に記載の画像表示装置。
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