JP2017072052A - 容積型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機構部の上面から一旦機内吐出させて吐出ガス内の油を分離させ、圧縮機構直上部の機外吐出流路から機外吐出させる容積型圧縮機では、機内吐出流路から吐出した吐出ガスが直接機外吐出流路へ流れることを抑制するために、機内吐出流路と機外吐出流路の間に吐出板を設ける。この吐出板は、吐出ガスから流体力を受けるために、強度を有する一定の厚さをもつ板材で作られ、さらに圧縮機構部上面の平坦面に密着させて固定する。この結果、吐出板の平坦部に油が溜まり、再ミスト化してオイルレートが高くなるという問題を解決する。【解決手段】吐出板200の平坦部200aから滑らかに連続的に繋がる下方傾斜部200bを設ける。これにより、油の表面張力の影響を極力排して、平坦部に溜まった油を効率的に流し落とすことができ、再ミスト化を抑制してオイルレートを下げることができる。【選択図】図5

Description

容積型圧縮機には、圧縮機構部で昇圧した作動流体を一旦チャンバ内の空間へ機内吐出させて作動流体中の油を分離後に機外吐出するとともに、分離した油をチャンバ空間下部の貯油部へ単純に流下させて返油する高圧チャンバタイプがある。
また、容積型圧縮機には、圧縮機構部の上面から上方へ機内吐出し、さらに圧縮機構部をチャンバ空間の最上部に配することで、密度が高いために重力で沈降する傾向の大きい油から作動流体を効率的に分離でき、また、モータ等に代表される圧縮駆動部等の運動する部材がある空間を極力通過せずに圧縮機構部の上部チャンバ空間である圧縮部上空間から機外吐出させる上吐出タイプもある。
本発明は、機外吐出する作動流体中の油含有率(以後、オイルレートと称する)の低減に有利な前記の高圧チャンバ上吐出タイプの容積型圧縮機に関し、特に一層のオイルレート低減を実現する容積型圧縮機に関する。
通常の容積型圧縮機は、圧縮機構部で形成される圧縮室のシール性向上のため、圧縮室へ油を供給する。この油は、作動流体とともに圧縮機構部から機内吐出される。この機内吐出した作動流体をそのまま機外吐出させると、圧縮機内の油が減少して圧縮室への油供給不足の危険性が高まる。また、多くの場合、圧縮機内の油は軸受に代表される摺動部の潤滑剤の役割も担うため、潤滑不良の危険性も高まる。さらに、多くの場合、機外吐出させた作動流体を使用する機器(例えば熱交換器など)では、作動流体に含有する油は性能低下を起こす。このため、オイルレートを低減すること自体が必要となる。以上より、機内吐出から機外吐出へ至る作動流体の経路に作動流体内の油ミストを分離してオイルレートを下げる油分離手段を設けている。
特許文献1で開示される従来の高圧チャンバ上吐出タイプの容積型圧縮機であるスクロール圧縮機では、圧縮機構部である固定スクロール部材の上面中央から上方へ向かって機内吐出流路である吐出穴から吐出する油を多量に含む作動流体が、機外吐出流路である吐出管(吐出パイプ)へ直接向かわないように、作動流体主流の上方流れを水平方向の流れに変える役割を担う吐出板であるマフラー(吐出カバー)を固定スクロール部材(固定スクロール)上部に設けている。ここで、吐出カバーは衝突する作動流体から厚さ方向に垂直な流体力を受けるため、材料力学的な強度(曲げ剛性)が必要となり、無視できない厚さをもつ板材で製作されている(特許文献拡大図2〜5参照)。また、吐出カバーに加わる流体力によって、吐出カバーの固定スクロール取付箇所で吐出カバーを固定スクロールから引き離す力が作用するため、吐出カバー固定箇所にも高い強度を持たせる必要がある。そのため、吐出カバーと固定スクロールの各々に平坦な水平部を設け、両者の密着性を向上させた上でネジにより固定している。この結果、圧縮部上空間の底部の大半を吐出カバーが占め、それに伴って吐出カバーの水平部も広い面積を有している。
再公表特許2012−157224号公報
特許文献1の容積型圧縮機の場合、圧縮部上空間での重力による沈降作用で、吐出カバーに油ミストが降り注ぎ、吐出カバーのネジ止めのために設けた水平部に油が溜まる。水平部には、高い部分(下に消音空間を形成する凸部)と滑らかに繋がる傾斜面はあるが、低い部分への接続部は、前記したとおり吐出カバー外縁全域における板厚に伴う不連続な段差部だけであり、滑らかに繋がる傾斜部は無い。この結果、水平部に溜まった油は、下に消音空間を形成する凸部から流れ込んだ油も加わって増加する一方、水平部から油が流れ出ることは以下に説明する油の表面張力によって困難となる。このため、水平部は、常時油が一面に溜まった状態すなわち油膜に覆われた状態となる。
次に、吐出カバー水平部から油が流れ出にくい理由を説明する。吐出カバー水平部の油が吐出カバー外縁の段差を超える流れを起こすためには、油膜の表面積が一旦非常に増大しなければならない。これは、図13の破線よりも二点鎖線が非常に長くなることからわかる。油には、表面張力という表面に沿う力が常時作用しており、油の表面積を広げない向きの変化になるように作用する。そして、表面積が増大する傾向が大きい変化ほど、その変化を抑制する度合いが増大する。よって、油の表面張力は、油が吐出カバー外縁の段差を超えないように作用する。すなわち、油が吐出カバー水平部に溜まるように作用する。この結果、吐出カバー水平部に油膜が形成される。この油膜厚さの増大は、吐出カバー外縁段差部の油膜端面における平均圧力と油膜厚さの積が表面張力のレベルを超えるまで続く。そして、この流出条件に達してようやく油膜端面が崩れる。すなわち、油が吐出カバー水平部から吐出カバー外縁の段差を超えて流れ出る。水平部一面に油が溜まって油膜が形成されるまで流れ出ることができない。そして、例え油が水平部から流れ出すに至っても、水平部一面の油膜が切れて油膜面積が減少する前に、油膜厚さの減少で前記の流出条件を満たさなくなり、吐出カバー水平部からの油の流出が停止してしまう。このため、油膜厚さの増減は生じるが、水平部全域に広がる油膜面積は減少しない。この結果、吐出カバー水平部全域が常時油膜に覆われてしまう。よって、機外吐出する直前の圧縮部上空間内の作動流体に隣接する吐出カバーの広い領域に常時油が存在するため、近傍を流れる機外吐出寸前の作動流体への油巻き込みが容易となって再ミスト化が進行し、オイルレートが増大するという問題があった。
本発明は、上記問題を解決する容積型圧縮機の提供を目的とする。
このような課題を解決するために、本発明は、外部から流入させた吸込圧の作動流体である吸込ガスを圧縮して吐出圧である吐出ガスとする圧縮機構部と、前記圧縮機構部を包含する上下方向を軸方向とする円筒状のチャンバ円筒部とその上端を塞ぐチャンバ上フタ部と下端を塞ぐチャンバ下フタ部からなるチャンバと、前記チャンバの内部空間であるチャンバ空間を前記吐出ガスで満たすべく前記吐出ガスを前記圧縮機構部の上面から前記圧縮機構部上方の前記チャンバ空間へ吐出させる機内上方吐出流路と、前記チャンバ空間内の前記吐出ガスを外部へ吐出させる前記チャンバを貫通する機外吐出流路と、前記チャンバ空間の下部で油を溜める貯油部と、前記貯油部から圧縮行程終了以前の作動流体に油を混入させる油混入手段と、からなる容積型圧縮機において、前記圧縮機構部を前記チャンバ空間の最上部に配し、前記外部吐出流路を前記圧縮機構部上部側のチャンバ空間である圧縮部上空間から機外吐出するべく前記圧縮部上空間と外部を繋ぐように設け、前記機内吐出口から上方へ機内吐出する前記吐出ガスの流れを横方向に変更するべく、前記機内上方吐出流路の前記圧縮機構部上面側の開口部である機内吐出口と前記機外吐出流路の前記圧縮部上空間側の開口部である機外吐出口の間に配置され、前記圧縮機構部の上面の水平部に吐出板水平部で密着固定される板状の吐出板を設け、前記貯油部を前記圧縮機構部下方の前記チャンバ空間である圧縮部下空間に設け、前記吐出板水平部から段差なく滑らかに下方へ傾斜する吐出板傾斜部を設け、該吐出板傾斜部の傾斜最低部である吐出板傾斜先端部は前記吐出板水平部よりも狭い狭小水平部とし、前記吐出板傾斜先端部の近傍に、前記貯油部と繋がる返油路の一開口部である傾斜先端返油開口部を設けるものである。
本発明により、単純な構成で、オイルレート低減が可能となる容積型圧縮機を実現できる。これにより、圧縮室のシール性を安定的に向上できるため、高効率の容積型圧縮機を実現できるという効果がある。また、軸受等の摺動部への安定給油を実現して潤滑不良の危険性を回避できるため、信頼性の高い容積型圧縮機を実現できるという効果がある。さらに、機外吐出した作動流体を使用する機器(例えば、熱交換器など)の高性能化も実現できるという効果がある。
実施例1のスクロール圧縮機の縦断面図。 実施例1のスクロール圧縮機の圧縮機構部付近の縦断面拡大図(図1のM部、図3のJ−J断面)。 実施例1のスクロール圧縮機の圧縮機構部上方の横断面図(固2のA−A断面)。 実施例1のスクロール圧縮機のカバー傾斜部付近の上面拡大図(図3のN部)。 実施例1のスクロール圧縮機の吐出カバー付近の縦断面拡大図(図2のK部)。 実施例1のスクロール圧縮機の吐出カバー外縁部付近の縦断面拡大図(図5,9,10のT部)。 実施例2のスクロール圧縮機の吐出カバー外縁部付近の縦断面拡大図(図5,9,10のT部)。 実施例3のスクロール圧縮機の吐出カバー外縁部付近の縦断面拡大図(図5のT部)。 実施例4のスクロール圧縮機の吐出カバー付近の縦断面図(図2のK部)。 実施例5のスクロール圧縮機の吐出カバー付近の縦断面図(図2のK部)。 実施例6のスクロール圧縮機のカバー傾斜部付近の上面拡大図(図3のN部)。 実施例7のスクロール圧縮機のカバー傾斜部付近の上面拡大図(図3のN部)。 油膜が段差を超えて流れ出るときの油の表面積拡大説明模式図。
以下、本発明を容積型圧縮機の一形式であるスクロール圧縮機1に適用した実施例について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
実施例1に係わる高圧チャンバ上吐出タイプのスクロール圧縮機1について、図1乃至図6を用いて説明する。図1はスクロール圧縮機の縦断面図であり、図2は圧縮機構部付近の縦断面拡大図(図1のM部、図3のJ−J断面)、図3は圧縮機構部上方の横断面図(固2のA−A断面)である。ここで、図中の矢印は作動流体の流れを模式的に示すものである。また、円に×の印は図の手前から奥への作動流体の流れ、円に点の印は図の奥から手前への作動流体の流れを示す。そして、図4はカバー傾斜部付近の上面拡大図(図3のN部)であり、図5はスクロール圧縮機の吐出カバー付近の縦断面拡大図(図2のK部)である。ここで、図4,5中の矢印は吐出カバー上に沈降作用で降り積もった油の流れを模式的に示すものである。また、図6は吐出カバー外縁部付近の縦断面拡大図(図5のT部)である。なお、模式的図示と記載される以外の箇所においては、図示する各要素の寸法比率は実施の一形態を示している。よって、図示される形状における各寸法の大小関係も実施の一形態を示す。ここで、具体的な寸法値は、スクロール圧縮機1の外径が、10mmから2000mmの範囲である。
まず、スクロール圧縮機1の全体構成を主に図1を用いて説明する。スクロール圧縮機1は、主として、固定スクロール2と旋回スクロール3とフレーム4とオルダムリング5およびそれらへの付随物を構成要素とする圧縮機構部とその圧縮機構部下部から突き出たクランク軸6とモータ7を、チャンバ8で密閉した形態となっている。この結果、チャンバ8の内部には、最上部の圧縮機構部とその下方の圧縮起動源であるモータ7という配置の主要構成要素を取り囲むチャンバ空間が形成される。ここで、チャンバ8は、側面を形成するチャンバ円筒部8aとその上下を塞ぐチャンバ上フタ部8bおよびチャンバ下フタ部8cからなる円筒缶状であって、その中心軸であるチャンバ軸は鉛直である。また、このチャンバ空間を前記圧縮機構部で区分けし、上部の圧縮部上空間を最上部室140と呼称する。また、圧縮機構部下部側のチャンバ空間の機能的名称を圧縮部下部空間とする。そして、チャンバ空間と外部をつなぐ機外吐出流路である吐出パイプ55を、最上部質140と接続させるべく、チャンバ上フタ部8bに設ける。
旋回スクロール3は、図2で示すように旋回鏡板3aの上面に旋回ラップ3bが立設され、背面の旋回軸受23にクランク軸6の偏心軸部であるピン部6aが挿入される。旋回スクロール3は、フレーム4に固定配置される主軸受24で回転支持されるクランク軸6が回転することにより、旋回運動するようになっている。
一方、固定スクロール2は、図2で示すように固定鏡板2aの下面側に固定ラップ2bが立設され、さらに固定ラップ2bの周囲に固定台板2qが配置されている。これら固定ラップ2bと前述の旋回ラップ3bを噛合わせ、両者間に圧縮室100が形成される。
また、固定スクロール2には、吸込穴2s(図3参照)が設けられ、そこにはスクロール圧縮機1の外部から作動流体を固定スクロール2へ導入する吸込パイプ50が圧入されている。そして、固定スクロール2の上面中央付近には、圧縮した作動流体が上方に向かって吐出する吐出穴2dと複数のバイパス穴2eが形成されている。すなわち、吐出穴2dと複数のバイパス穴2eは機内上方吐出流路となっている。上記したとおり圧縮機構部がチャンバ空間の最上部に配置され、さらに後述する通り、固定スクロール2は圧縮機構部の最上部に配置されるため、機内上方吐出流路と前記した機外吐出流路である吐出パイプ55は対向する位置となる。
ところで、バイパス穴2eの各々には、圧縮室100から上方への一方向流れだけを許すバイパス弁22が設けられる。このバイパス弁22は、弁板、ばね、ばね保持体、板状保持体押さえ、保持体押さえねじからなる(図2参照)。また、固定台板2qの下面に設ける周囲溝2pと圧縮室100を繋ぎ、その途中に背圧弁26を有した背圧弁流路2gが形成されている。さらに、固定台板2qの外周面に、複数の外周溝225が設けられる。
また、固定スクロール上面の外辺部には、吐出穴2dとバイパス穴2eの機内上方吐出流路を取り囲むように、固定上部壁2wが設けられ、その途中には溝状通路の固定上部壁旋回溝2w1が3箇所設けられている。これは3箇所に限らない。そして、固定上部壁2wの上面は平坦な水平面である固定上部壁水平面2w5となっている。
ところで、本実施例では、上記した固定上部壁水平面2w5に、固定上部壁2w内を全域覆う曲げ剛性の高い厚みのある平板状の吐出カバー200を複数のカバーねじ210によって固定する。この吐出カバー200の外辺部には、前記固定上部壁水平面2w5と密着させて強固な固定を実現させるための平坦なカバー取付平坦部200aが設けられる。そして、このカバー取付平坦部200aに連続して滑らかに前記固定上部壁水平面2w5と密着する側へ傾斜するカバー傾斜部200bを設ける。
以上のような吐出カバー200を前記した通りカバーねじ210によって固定スクロール2の固定上部壁水平面2w5へ固定することから、カバー取付平坦部200aは水平配置となる。さらに、カバー傾斜部200bは水平なカバー取付平坦部200aから連続して滑らかに下方へ傾斜する部分となる。これらのことと、後述するように固定スクロール2が圧縮機構部の最上部に位置することから、吐出カバー200が機内吐出口と機外吐出口の間に配されることとなり、吐出板の役割を担っていることがわかる。そして、カバー取付平坦部200aは吐出板平坦部、カバー傾斜部200bは吐出板傾斜部となっていることがわかる。
このように、吐出カバー200を含む多数の付属物を装着した固定スクロール2は、オルダムリング5とクランク軸6をフレーム4に装着したうえで、固定台板2qの外辺部を下方にクランク軸6を延伸させたフレーム4にフレームねじ53で固定する。これによって、旋回スクロール3の背面(旋回スクロール3とフレーム4との間)に背圧室110が形成される。そして、オルダムリング5は、旋回スクロール3の自転運動を防止するため、フレーム4と旋回スクロール3の間に配置される。このような組み立てによって、圧縮機構部が形成される。以上より、圧縮機構部の最上部は固定スクロールとなる。
クランク軸6には、縦に貫通する給油穴6bが形成され、下端には、給油パイプ6xが圧入されている。
副軸受25は、ボール25aとチャンバ円筒部8aに溶接などで固定された下フレーム35へ固定配置されたボールホルダ25bからなり、クランク軸6がたわんでも片当りが生じない構成となっている。ここで、下フレーム35には圧縮機構部側から流下してくる油を下部(具体的には後述する貯油部105)へ落とすための下フレーム油穴35aが開けられている。
モータ7は、クランク軸6に固定されたロータ7aと、チャンバ円筒部8aに焼き嵌めまたは圧入または溶接したステータ7bとモータ巻線7cさらにモータ巻線7cとステータ7bの絶縁を確保するための上インシュレータ7d1と下インシュレータ7d2とモータ線7eで構成される。そして、モータ線7eをチャンバ8に固定配置されるモータ端子であるハーメチック端子70に接続し、外部からモータ7へ電力を供給する。また、ロータ7aには、回転バランスを取るためのバランス60およびカウンタバランス62が固定配置されている。さらに、ステータ7aの外周面には複数のカット部7b1が設けられており、油の流下する通路となる。
前記した圧縮機構部は、図2や図3で示すように、油が流下可能な狭い外周隙間220を全周にわたって保持しつつチャンバ円筒部8aへタック溶接57によって固定配置される。また、チャンバ上フタ部8bには、固定スクロール2に圧入される吸込パイプ50と機外吐出流路である吐出パイプ55、さらに、モータ7に外部から電力を供給するハーメチック端子70が溶接されている。モータ線7eは、固定スクロール2の外周に設けるモータ線通過外周溝2mを通って圧縮部上空間へ至る。そして、その後、バインダ250によって吐出カバー200のカバー傾斜部200bに接触するべく配置され、最後に、チャンバ上フタ部8bのハーメチック端子70に接続される。ここで、バインダ250は、固定上部壁上面2w5に固定されており、モータ線7eの設置位置を規定するために設けている。これは、モータ線7eが作動流体の流れなどによって動き、各部と接触して被覆が剥がれ短絡する危険を回避するためである。また、モータ線7eを、カバー傾斜部200bに接触するように設置したため、圧縮機構部との確実な接触箇所はカバー傾斜部の先端部となる。そして、その接触箇所におけるモータ線7eの曲がりはゆるやかな鈍角となり、被覆剥がれや断線の危険性が低下するという効果がある。チャンバ上フタ部8bに溶接しているハーメチック端子70は、最上部室140に面するチャンバ円筒部8aに溶接してもよい。また、チャンバ8の内部には、組立ての適当な段階で油を封入する。これにより、チャンバ空間の底部すなわち圧縮部下空間の底部に貯油部105を形成する。
次に、スクロール圧縮機1の作動流体の流れを説明する。クランク軸6をモータ7で回転させて旋回スクロール3を旋回運動させ、旋回スクロール3と固定スクロール2との間に圧縮室100を形成する。これにつれて、作動流体は、吸込パイプ50から吸込口2s(図3参照)を経由して圧縮室100へ流入する。後述するが、この圧縮室100のうち、圧縮行程終了前の圧縮室100または圧縮室形成前である閉込み前の吸込室と吐出圧下の貯油部105を繋ぐ圧縮室給油路が設置される。これにより、圧縮行程終了前である圧縮室100内の作動流体に圧力差で油を混入させることができる。すなわち、この圧縮室給油路は油混入手段となる。この油によって、圧縮室100または吸込室のシール性が確保される。この後、作動流体は、吸込室や圧縮室100へ供給された油を伴いながら、圧縮室100の容積縮小に伴って圧縮され昇圧する。そして、作動流体は圧縮機構部の上面である固定鏡板2a(図2参照)の上面に開口した吐出穴2dやバイパス穴2eから上方へ向けて機内吐出する。つまり、吐出穴2dやバイパス穴2eは上方機内吐出流路である。
この後、機内吐出された作動流体の大半は、前記吐出カバー200により、水平の流れに向きを変え、固定上部壁2wの開口部である固定上部壁旋回溝2w1から圧縮機構部の周囲へ吹き出る。この吐出カバー200による作動流体の流れの向きの急変により、作動流体内の油が慣性によって、吐出カバー200の下面に付着し、油分離が起こる。さらに、固定上部壁2wから周囲へ吹き出た作動流体中の油は、再び慣性によりチャンバ円筒部8aの内周面に付着し、再度作動流体の油が分離される。一方、固定上部壁旋回溝2w1(図3の破線で示す)は径方向からずれた向きを有するため、圧縮機構部の周囲へ吹き出た作動流体は旋回流(図3の矢印で示す)を起こす。このため、遠心作用によって、密度の高い油がチャンバ円筒部8aの内周面に付着してさらに油分離が起こる。この旋回流は、チャンバ上フタ部8bの下端面である上フタ下端面8b1によって、最上部室140へ流れ込むことを抑制されている。
この後、作動流体は、旋回流の中央寄りから最上部室140へ流入する。この空間の容積が大きいため、作動流体の平均流速は低下し、作動流体が持つ密度の大きい油を運ぶ運搬能力が低下し、油は沈降する。また、弁やモータ等の動く要素が無いため、流れの乱れも小さくなり、局部的な作動流体の流速増大が起こる確率が低下する。よって、油の沈降を妨げる流れがほとんど起こらなくなる。さらに、機外吐出路である吐出パイプ55が最上部に設置されているため、油が最上部まで作動流体によって運搬される確率を一層小さくできる。この結果、最上部室140に流入した作動流体にわずかに含まれていたミスト状の油も、最上部室140内で重力により沈降する。このように、最上部室140では沈降作用により油分離が進行し、オイルレートが一層低減するという効果がある。ところで、このときに沈降した油は、最上部室140の底部の大半を占める圧縮機構部の上部に設置された吐出カバー200の上面に降り積もる。
最後に、作動流体は機外吐出流路である吐出パイプ55からスクロール圧縮機1の外部へ機外吐出する。このように、本実施例の容積型圧縮機であるスクロール圧縮機は、前記の通り、機内吐出が圧縮機構部の上方であるうえに、圧縮部下空間へ作動流体の主流を流さないで圧縮部上空間だけで油分離を行って吐出するため、上吐出タイプである。この上吐出タイプでは、作動流体の主流は圧縮部下空間へ流れ込まないため、圧縮部下空間全域における作動流体の流れは極めて弱い。よって、圧縮部下空間内での油の流路が不完全であっても油の再ミスト化は生じず、容易にオイルレートを低減できるという効果がある。また、モータ7を加熱しないので、モータ損失低減によって圧縮機航路つが向上するという効果もある。また、以上からわかる通り、チャンバ空間全域が吐出圧となるため、高圧チャンバタイプでもある。
次に、一般的な油の流れを説明する。上記した機内吐出流路から機外吐出流路へ至る経路途中で分離された油の流れに関しても説明する。
貯油部105の油は、吐出圧(チャンバ8の内部の圧力)と背圧(背圧室110の内部の圧力)の差圧により、貯油部105から、給油パイプ6x、クランク軸6内の給油穴6bを通って旋回軸受23と主軸受24を潤滑した後、背圧室110へ流入する。ここで、ピン部6aの上部の旋回軸受室115の圧力は吐出圧となり、旋回スクロール3を固定スクロール2へ付勢する役目を担う。また、副軸受25へは給油穴6bから遠心力によって給油するようになっている。ここで、背圧室110へ流入する前の油の圧力は吐出圧であるため、その油の流入によって背圧が昇圧する。また、油には作動流体が必ず溶け込んでいる(多くの場合、質量濃度は10%以上)ため、背圧室110へ流入したことによる減圧によって、作動流体が油中から急激にガス化(発泡)する。作動流体はガス化によって体積が増大するため、背圧室110内の油は、細かい油滴がガス化した作動流体内に浮遊するミスト状態または液体の油中に多数の泡がある泡の集合状態となる。このようにして背圧室110全域に分散した油は、オルダムリング5の潤滑を行なう。
この後、油の大半は途中に背圧弁26を設けた背圧弁流路2gを通り、圧縮室100へ流入する。ここで、圧縮室100内の油は、圧縮室100のシール性向上効果を発揮して、圧縮室100における作動流体の漏れを抑制し、圧縮機効率を向上させるという効果を発揮する。一方、背圧室110へ流入した油の一部は、固定台板2qと旋回鏡板3aの微小な隙間を通って、吸込室へも流入する。また、積極的に吸込室へ給油する別手段を設ける場合(例えば、特許第5548586号)もある。この吸込室へ流入する油を適量に制御することで、吸込室のシール性向上効果による体積効率向上が生じ、圧縮機効率が向上するという効果を発揮する。以上のように、油は、貯油部105から旋回軸受23や主軸受24を通って一旦背圧室110に流入し、さらに背圧弁流路2gや吸込室への給油路から吸込穴2s、吸込室を経由して圧縮室100へ流入する。そして、その油は圧縮室100や吸込室のシール性向上の役割を担う。つまり、この貯油部105から圧縮室100や吸込室へ連なる油経路が圧縮室給油路すなわち油混入手段となっている。また、背圧弁流路2gに設ける背圧弁26は弁板を圧縮ばねで弁座に押し付けた構造を有する。これにより、背圧は背圧弁流路2gが連通する圧縮室100の圧力よりも概略一定値だけ高い圧力に制御される。そして、前記の概略一定値(背圧弁流路2gが連通する圧縮室100の平均圧力)は、前記圧縮はねの圧縮量を調整して設定することができる。この背圧と旋回軸受室115の吐出圧によって、旋回スクロール3を固定スクロール2へ付勢させる。これにより、ラップ先端面と鏡板間隙間を狭めて圧縮室100の内部漏れを抑制し、圧縮機効率を向上させる。
この後、作動流体の流れで説明した通り、作動流体と混ざった油は、作動流体の流れとともに吐出穴2dやバイパス穴2eの機内上方吐出流路から上方へ噴出し、吐出カバー200に衝突する。この結果、作動流体の流れは水平方向(図2参照)の全方向へ曲げられる一方、油は作動流体に比べて慣性が大きいため、油の大半は吐出カバー200に衝突する。この結果、油は吐出カバー200の下面へ付着し、作動流体から分離される。ここで、油の粘度が高いと、付着する油の割合が高くなり、この油分離動作を効率的に行うことができる。吐出時の油の粘度が0.01Pa・s以上である場合、作動流体の質量流速に拠らず、衝突による油分離作用が極めて高くなることが実験的に確認されている。例えば、二酸化炭素を冷媒とする給湯機用圧縮機の場合がその条件に当てはまる。作動流体は、最終的に、圧縮機上部に設けてある吐出パイプ55から機外へ吐出されるため、吐出カバー200の下面近くに沿って流れる。そして、吐出カバー200に付着した油は、作動流体の流れに押されて、固定上部壁2wの内周面へ至る。その後、油は重力によって固定上部壁2wの内周面を伝って固定スクロール2の上面へ流下する。これにより、油を作動流体の主流に近い吐出カバー200の下面から作動流体の主流からある程度離れた固定スクロール2上面へ流下させることが可能となるため、オイルレートが低減するという効果がある。一方、作動流体の流れに押されて、固定上部壁旋回溝2w1へ至る油もあるが、固定上部壁2wが厚いため、固定上部壁旋回溝2w1を通過する間に固定上部壁旋回溝2w1の側面に至り、固定上部壁旋回溝2w1の底面へ至る流路がある。これによって油の再ミスト化が抑制でき、さらにオイルレート低減という実施例特有の効果もある。前記したような経緯で固定スクロール2上面へ辿り着いた油は、固定上部壁旋回溝2w1の底面に沿って固定上部壁2wの外周へ流れ出る。これにより、作動流体の主流からある程度離れているとはいえ、再ミスト化の危険がある程度残る固定スクロール2の上面(圧縮機構部上面)における油の滞留を抑制することができる。これにより、オイルレートが低減するという効果が生じる。以上のように、吐出カバー200への作動流体の衝突により大部分の油は分離され、固定上部壁2wの外周に流れ出て、最終的に外周隙間220や外周溝225へ流れ込む。そこから、チャンバ円筒部8aの内面を伝いながらモータ7を通って最下部にある貯油部105へ戻る。ここで、モータ7は、ステータ7bの外周面に設けるカット部7b1や、モータ巻線7cが通るステータ7b内の縦穴を通る。すなわち、前記した外周隙間220や外周溝225から貯油部105へ至る経路が返油路であり、外周隙間220や外周溝225の上部開口部が返油開口部となる。
この第一段階の油分離で分離できなかった油は、前記した通り、チャンバ円筒部8aの内面への衝突とその後の旋回流による遠心分離作用で第二段階の油分離を行い、チャンバ円筒部8aの内面に付着する。これにより、オイルレートをさらに一層低減できるという効果がある。衝突によって付着した油は、図3に示す通り、衝突箇所の真下に開口面積が大きい外周溝225が設けられているため、油は短時間で返油路へ導かれる。また、旋回流による分離油は直下に分布する外周隙間220から返油路へ導かれる。以上のように、チャンバ円筒部8aの内面に付着した分離油は、返油路の入口である外周溝225や外周隙間220が真下に開口しているため、チャンバ円筒部8aの内面を伝って流れ下る油が滞留することがなくなり、油の再ミスト化を回避できる。よって、オイルレートをさらに一層低減できるという効果がある。
この第一と第二段階の油分離を行った作動流体は、固定上部壁2wの外周面と上フタ下端面8b1の間の円環状の開口部を通って最終的に最上部室140へ入り、前記した沈降作用によってさらに作動流体からの油分離を行う。その結果、前記したとおり吐出カバー200上面に分離油が溜まる。この油の流れを、主に図4と5を用いて説明する。ここで、これらの断面図には、断面及びその断面より奥側の作動流体から分離した油の流れを細線の矢印で示す。また、断面よりも手前の流れで重要なものは二点鎖線で示す。
本実施例の吐出カバー200は、前記した通り、外辺部のカバー取付平坦部200aだけではなく、その中央寄りも含めて平坦部となっている。この広い平坦部の外辺部の1箇所が下方へ滑らかに傾斜し、カバー傾斜部200bとなっている。前記した通り、この平坦部には、上部の最上部室140の作動流体から油ミストが降り積もっている。そして、油膜が平坦部の各部に形成され、それらが繋がって広い油膜に成長する。その油膜がカバー傾斜部200bにかかった時、平坦部との接続は連続的に滑らかであるため、表面張力の影響をほとんど受けることなく、油膜が流れ下り始める。一旦流れ始めると、表面張力によって油膜が切れず、カバー傾斜部200bを流れ下る油膜部の重量が、それらの油膜と繋がっている平坦部の油膜をカバー傾斜部200bへ引っ張る。このようにして、吐出カバー200上面の油膜の大半がカバー傾斜部200bを流れ下り、吐出カバー200上面には油膜がない領域が広がる。このように、機外吐出流路である吐出パイプ55に最も近い吐出カバー200上面に留まる油の滞留時間を短くできるため、再ミスト化が困難となり、オイルレートが低減するという効果がある。さらに、カバー傾斜部200bを流れ下る油膜は、そのままの状態でカバー傾斜部200bの先端部まで流れ下る。本実施例は、前記したとおりその先端部に平坦部がないタイプであるため、油が安定して溜まる場所はなく、カバー傾斜部200b先端部の板厚(段差)によって油の表面張力が作用しせき止めが生じる。しかし、ここに溜まる油の塊り(油膜)には傾斜面に沿った重力の成分が作用するため、油膜は容易に段差を乗り越えカバー傾斜部200bから離れて流れ下る。さらに、そこに流れ下ってくる油は、傾斜カバー取付平坦部200aを含む広い平坦部から集まったため、油膜厚さは短時間で増大し、一層短時間でカバー傾斜部200bから離れて流れ下る。そして流れ落ちた近くに、モータ線通貨外周溝2mの上端開口部があるために、短時間で作動流体の流れが極めて弱く油の再ミスト化の危険性が低い圧縮部下空間へ流れ落ちる。これより、このモータ線通貨外周溝2mの上端開口部も返油路の入口となっており、モータ線通貨外周溝2mに繋がる返油路により、貯油部105へ戻る。これより、モータ線通貨外周溝2mの上端開口部は傾斜先端返湯開口部となっている。
本実施例では、さらに、カバー傾斜部200bの端部にモータ線7eが接触している。このモータ線7eの被覆は親油性を有するため、カバー傾斜部200bの端部に溜まった油がモータ線7eの表面に接触すると同時に、モータ線7eの表面に乗り移っていく。モータ線7eを保持するバインダ250の設置位置や姿勢により、モータ線7eとカバー傾斜部200bの接触位置が変化するが、本実施例のようなバインダ250であると、油が一時的にせき止められる先端部が接触箇所となる。モータ線7eが接触する箇所から外れたカバー傾斜部200b先端部にある油も引き寄せられてモータ線7eに移動する。これにより、カバー傾斜部200bの先端部に溜まっていた油が一層短時間でモータ線7eに移動する。モータ線7eは、モータ線通貨外周溝2mを接触しながら通って、圧縮部下空間にあるモータ巻き線7cと繋がっているため、モータ線7eに移った油は、重力により、短時間でモータ線7eを伝ってモータ線通貨外周溝2mやモータ巻き線7cへ流れ下る。これより、このモータ線7eが接触部材となり、カバー傾斜部200bの端部に溜まった油は、一層短時間の間に作動流体の流れが極めて弱い圧縮部下空間へ移動するため、オイルレートの一層の低減を実現する。その後は、前記した返油路の油の流れと合流して貯油部105へ戻る。
さらに、本実施例では、吐出カバー200下部の空間からの流出路である吐出板下部流出路として固定上部壁旋回溝2w1で形成される流路抵抗の小さい流出路以外に、カバー傾斜部200bの先端下面を通る吐出板傾斜先端流路を構成する固定上部壁傾斜下部溝2w2を設けている。これは、図2で示す通り、機外吐出流路である吐出パイプ55に向かう上向きという大局的な作動流体の流れに反して下向きに流れを強制させる流路となる。さらに、流路断面積(平均値)が小さいうえに断面形状が細長い長方形となって断面の周囲長さが長くなるため、流路壁からそこを流れる作動流体に作用する流れを阻害する抵抗力が大きくなる。これより、他の吐出板下部流出路よりも流路抵抗は大きくなる。よって、固定上部壁傾斜下部溝2w2で形成される吐出板下部流出路(カバー傾斜下流路230と呼称する)を流れる作動流体の流速は、固定上部壁旋回溝2w1で形成される吐出板下部流出路を流れる作動流体の流速よりも小さくなる。これよりカバー傾斜下流路230を流れる作動流体の流速は、他の吐出板下部流出路よりも小さくなる。この結果、吐出板傾斜先端部であるカバー傾斜部200bの先端部に溜まる油がカバー傾斜下流路230を流れる作動流体によってカバー傾斜部200bから引き離され易くなる。そして、その箇所の流速は低めであるため、油ミストとなる危険性も回避できる。本実施例では、接触部材であるモータ線7eも接触しているため、カバー傾斜下流路230を流れる作動流体によってカバー傾斜部200bから引き離された油の大部分が、一層短時間でモータ線7eへ移動し、返油路へ流れ込んでいく。よって、一層オイルレートの低減を実現できるという効果がある。このカバー傾斜下流路230を設けない場合も考えられ、このときは、他の吐出板下部流出路から流出する旋回流が強くなり、遠心分離による油分離が効果的に行われるという効果がある。また、吐出板下部流出路を、旋回流を起こさない径方向に設置してももちろんよい。
さらに、本実施例の吐出板下部流出路の出口は、全て圧縮上部壁2wの外周側面に設けられ、油が溜まるカバー取付平坦部200aを含む吐出板平坦部には設置されていない。よって、吐出板下部流出路の出口から噴き出る際に油が作動流体に巻き込まれる危険性が小さく、オイルレートがさらに低減するという効果がある。
ところで、本実施例では、図1,2で示す通り、モータ線7eは最上部室140の中心近くを横切ってハーメチック端子70へ繋がっている。モータ線7eの表面は親油性の被覆でおおわれているため、最上部室140で浮遊する油ミストがモータ線7eの被覆に接触するとモータ線7eの表面に張り付き、そのままモータ線7eを伝ってモータ線通過外周溝2mを通り返油路へ迅速に導かれる。これにより、作動流体の主流が流れない圧縮部下空間に短時間で流れ込むことになり、オイルレートをさらに一層低減するという効果がある。
次に、実施例2に係るスクロール圧縮機について、図7を用いて説明する。図7は、スクロール圧縮機1の図5のT部である吐出カバー外縁部付近の縦断面拡大図であり、特に作動流体主流が通る固定上部壁旋回溝2w1で構成される吐出板下部流出路上部の外縁部に上向きのバリをあえて残したカバーバリ端部200xを有する以外は、実施例1と同様なので、同様な箇所に関する説明は省略する。
カバーバリ端部200xによって、吐出カバー200外辺部のカバー取付平坦部200aに溜まる油が固定上部壁旋回溝2w1で構成される吐出板下部流出路を流れる作動流体主流に巻き込まれることを一層抑制できる。これにより、オイルレートの低減を実現できるという効果がある。
これは、二点鎖線で示すようなカバー反り返り端部200yを設定することでさらに効果は確実なものとなる。ところで、これら外縁部の上向き突起は、固定上部壁旋回溝2w1で構成される吐出板下部流出路の上部だけでなく、平坦部全域としてもよい。これにより、加工が容易となり、加工コストの低減を図ることができるという効果がある。
次に、実施例3に係るスクロール圧縮機について、図8を用いて説明する。図8は、スクロール圧縮機1の図5のT部である吐出カバー外縁部付近の縦断面拡大図であり、特に作動流体主流が通る固定上部壁旋回溝2w1で構成される吐出板下部流出路上部以外の外縁部を下向きに傾斜させた短いカバー下り傾斜端部200zを有する以外は、第1または第2(但し、外縁部の上向き突起設置は、固定上部壁旋回溝2w1で構成される吐出板下部流出路の上部だけの場合)の実施例と同様なので、同様な箇所に関する説明は省略する。
カバー下り傾斜端部200zによって、吐出カバー200外辺部のカバー取付平坦部200aに溜まる油を、固定上部壁旋回溝2w1で構成される吐出板下部流出路を流れる作動流体主流に巻き込まれること無く、広範囲で流下させることができる。これにより、カバー取付平坦部200a上の油滞留時間を短くできるので、オイルレートの低減を実現できるという効果がある。
次に、実施例4に係るスクロール圧縮機について、図9を用いて説明する。図9は、スクロール圧縮機1の図2のK部である吐出カバー付近の縦断面図であり、中央になだらかに盛り上がったカバー凸部200cを設ける以外は、第1乃至第3の実施例と同様なので、同様な箇所に関する説明は省略する。
カバー凸部200cの上部はなだらかな傾斜であるため、そこに降り積もる油は、極めて短時間の間に流れ下り、外辺部のカバー取付平坦部200aに集約されて溜まる。よって油が存在する領域が狭まるため、再ミスト化の危険が低減する。さらに、カバー取付平坦部200aの油膜厚さは集約によって短時間で高くなるため、カバー傾斜部200bから流れ下る時間間隔が短くなり、平坦部全域に油膜が形成される時間が短くなる。以上より、オイルレートの低減をさらに一層実現できるという効果がある。
次に、実施例5に係るスクロール圧縮機について、図10を用いて説明する。図10は、スクロール圧縮機1の図2のK部である吐出カバー付近の縦断面図であり、中央全面になだらかにへこんだカバー凹部200dを設け、そのカバー凹部200dの最低部をカバー傾斜部200bの最上部とする以外は、第1乃至第3の実施例と同様なので、同様な箇所に関する説明は省略する。
カバー凹部200d全域はなだらかな傾斜であるため、そこに降り積もる油は、極めて短時間でカバー凹部200dの最低部に流れ下る。このため、外辺部のカバー取付平坦部200aに油が溜まって油膜が形成される時間は短くなる。さらに、カバー凹部200dの最低部は、カバー傾斜部200bの最上部なので、カバー凹部200dの最低部に集約した油は溜まることなくすぐにカバー傾斜部200bから流れ下る。これより、吐出カバー200の全域に降り積もる油は、極めて短時間にカバー傾斜部200bの先端まで流れ下り、吐出カバー200の上面に留まる時間は極めて短くなる。以上より、オイルレートの低減をさらに一層実現できるという効果がある。
次に、実施例6に係るスクロール圧縮機について、図11を用いて説明する。図11は、スクロール圧縮機1の図3のN部であるカバー傾斜部付近の上面拡大図であり、カバー傾斜部200bとその両脇のカバー取付平坦部200aの間を傾斜面で繋ぐカバー傾斜接続部200d1を設ける以外は、第1乃至第5の実施例と同様なので、同様な箇所に関する説明は省略する。
カバー傾斜部200bの両脇のカバー取付平坦部200aに溜まる油がカバー傾斜接続部200d1を通って直接カバー傾斜部200bへ流れ下る経路ができるため、吐出カバー200の上面に留まる油はさらに一層短時間でカバー傾斜部200bの先端まで流れ下るようになり、吐出カバー200の上面に留まる時間はさらに一層短くなる。以上より、オイルレートの低減をさらに一層実現できるという効果がある。
次に、実施例7に係るスクロール圧縮機について、図12を用いて説明する。図12は、スクロール圧縮機1の図3のN部であるカバー傾斜部付近の上面拡大図であり、モータ線7eの設置位置を規定するバインダを吐出カバーと一体化したカバーバインダ部部200eとする以外は、実施例5と同様なので、同様な箇所に関する説明は省略する。ここで、本実施例では、カバー傾斜接続部200d1を設けるカバー傾斜部200bのタイプとしたが、カバー傾斜接続部200d1を設けることは必須ではなく、第1乃至第5の実施例のように、斜接続部200d1を設けないタイプにも適用可能である。バインダを一体化したため、バインダを取り付ける作業が不要となり、組み立てコストが低減するという効果がある。
ところで、これまでは、吐出板傾斜先端部には水平部が無いことを前提にしてきたが、例え、吐出板傾斜先端部に先端水平部が形成されても、その先端水平部は機外吐出寸前の作動流体が近傍を流れるカバー取付平坦部200bよりも一段低い箇所にあるため、油巻き込みの危険は回避され、オイルレートが増大するという問題は生じない。
これまで説明してきた容積型圧縮機は、スクロール圧縮機であったが、本発明は、これに限らず、上吐出形式で高圧チャンバ形式の容積型圧縮機であれば、全てに適用できる。例えば、ローリングピストンタイプの圧縮機やスクリュー圧縮機やベーン圧縮機へも適用可能である。
また、これまで油と記載してきた粘性流体は、場合によっては他の流体でもよい。例えば、吐出ガス中に油が混入することを極力避けるような空気圧縮機の場合には、油の代わりに水を用いており、これらの場合には、油と記載した箇所を水として読み替えればよい。例えば、水潤滑スクリュー圧縮機などに適用可能である。
1 スクロール圧縮機
2 固定スクロール
2a 固定鏡板
2b 固定ラップ
2d 吐出穴
2e バイパス穴
2g 背圧弁流路
2m モータ線通過外周溝
2p 周囲溝
2q 固定台板部
2s 吸込穴
2w 固定上部壁
2w1 固定上部壁旋回溝
2w2 固定上部壁傾斜下部溝
2w5 固定上部壁上面
3 旋回スクロール
3a 旋回鏡板
3b 旋回ラップ
4 フレーム
5 オルダムリング
6 クランク軸
6a ピン部
6b 給油穴
6x 給油パイプ
7 モータ
7a ロータ
7b ステータ
7b1 カット部
7c モータ巻線
7d1 上インシュレータ
7d2 下インシュレータ
7e モータ線
8 チャンバ
8a チャンバ円筒部
8b チャンバ上フタ部
8b1 上フタ下端面
8c チャンバ下フタ部
22 バイパス弁
23 旋回軸受
24 主軸受
25 副軸受
25a ボール
25b ボールホルダ
26 背圧弁
35 下フレーム
35a 下フレーム油穴
50 吸込パイプ
53 フレームねじ
55 吐出パイプ
57 タック溶接
60 バランス
62 カウンタバランス
70 ハーメチック端子
100 圧縮室
100‘ 連通圧縮室
105 貯油部
110 背圧室
115 旋回軸受室
140 最上部室
200 吐出カバー
200a カバー取付平坦部
200b カバー傾斜部
200c カバー凸部
200d カバー凹部
200d1 カバー傾斜接続部
200e カバーバインダ部
200x カバーバリ端部
200y カバー反り返り端部
200z カバー下がり傾斜端部
210 カバーねじ
220 外周隙間
225 外周溝
230 カバー傾斜下流路
250 バインダ
250a バインダねじ

Claims (6)

  1. 外部から流入させた吸込圧の作動流体である吸込ガスを圧縮して吐出圧である吐出ガスとする圧縮機構部と、
    前記圧縮機構部を包含する上下方向を軸方向とする円筒状のチャンバ円筒部とその上端を塞ぐチャンバ上フタ部と下端を塞ぐチャンバ下フタ部からなるチャンバと、
    前記チャンバの内部空間であるチャンバ空間を前記吐出ガスで満たすべく前記吐出ガスを前記圧縮機構部の上面から前記圧縮機構部上方の前記チャンバ空間へ吐出させる機内上方吐出流路と、
    前記チャンバ空間内の前記吐出ガスを外部へ吐出させる前記チャンバを貫通する機外吐出流路と、
    前記チャンバ空間の下部で油を溜める貯油部と、
    前記貯油部から圧縮行程終了以前の作動流体に油を混入させる油混入手段と、
    からなる容積型圧縮機において、
    前記圧縮機構部を前記チャンバ空間の上部に配し、
    前記機外吐出流路を前記圧縮機構部上部側のチャンバ空間である圧縮部上空間から機外吐出するべく前記圧縮部上空間と外部を繋ぐように設け、
    前記機内上方吐出流路から上方へ機内吐出する前記吐出ガスの流れを横方向に変更するべく、前記機内上方吐出流路の前記圧縮機構部上面側の開口部である機内吐出口と前記機外吐出流路の前記圧縮部上空間側の開口部である機外吐出口の間に配置され、前記圧縮機構部の上面の水平部に吐出板水平部で密着固定される板状の吐出板を設け、
    前記貯油部を前記圧縮機構部下方の前記チャンバ空間である圧縮部下空間に設け、
    前記吐出板水平部から段差なく滑らかに下方へ傾斜する吐出板傾斜部を設け、
    該吐出板傾斜部の傾斜最低部である吐出板傾斜先端部の近傍に、前記貯油部と繋がる返油路の一開口部である傾斜先端返油開口部を設けることを、
    特徴とする容積型圧縮機。
  2. 請求項1に記載の容積型圧縮機において、前記傾斜先端返油開口部を前記圧縮機構部の外縁部に設けるべく、前記圧縮機構部の外周面に上面と下面を繋ぐ外周溝を設け、前記吐出板傾斜先端部を前記圧縮機構部の外縁部に設けることを、特徴とする容積型圧縮機。
  3. 請求項2に記載の容積型圧縮機において、前記吐出板傾斜部に接触し、前記外周溝に接触しながら挿入される線状または面状の接触部材を設け、該接触部材の表面が作動流体の雰囲気下で親油性を有することを、特徴とする容積型圧縮機。
  4. 請求項3に記載の容積型圧縮機において、前記圧縮機構部の回転駆動源を電動のモータとし、該モータを前記圧縮部下空間に配し、前記モータに電力を供給するモータ線を前記外周溝を通して前記圧縮部上空間を取り囲むチャンバに設けるモータ端子に接続し、前記接触部材を前記モータ線とすることを、特徴とする容積型圧縮機。
  5. 請求項2乃至4何れか一項に記載の容積型圧縮機において、前記機内吐出口から前記吐出板下部の空間を経由して前記吐出板下部の空間の外部に至る作動流体の流路である吐出板下部流出路の一つを、前記吐出板傾斜先端部の下面を通り、他の前記吐出板下部流出路よりも流路抵抗が大きい吐出板傾斜先端流路とすることを、特徴とする容積型圧縮機。
  6. 請求項1乃至5何れか一項に記載の容積型圧縮機において、前記吐出板下部流出路の出口を前記吐出板水平部以外に設けることを、特徴とする容積型圧縮機。
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