JP2017071574A - エタノール含有エアゾール製剤 - Google Patents

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【課題】液だれが抑制された使用感の良好なエタノール含有エアゾール製剤を提供すること。【解決手段】原液と噴射剤とからなるエタノール含有エアゾール製剤であって、原液中に、(A)エタノールと、(B)シリコーン系界面活性剤とを含有し、噴射剤100質量%中に50質量%以上の(C)液化石油ガスが含有されているから、(B)シリコーン系界面活性剤と(C)液化石油ガスとの相互作用により、エタノールを含有する製剤が噴射直後に増粘され、皮膚表面にとどまるのに適した粘度となり、液だれの発生を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚や頭皮に塗布した製剤がたれて所望する領域以外に製剤が付着する「液だれ」が抑制された、使用感の良好なエタノール含有エアゾール製剤に関する。
医薬品や化粧品等の種々の分野において用いられているエアゾール製剤には、指やスパチュラを用いることなく、容器から直接、対象部位に製剤を塗布できるという特長がある。消炎鎮痛剤、水虫薬、かゆみ解消剤等、エアゾール製剤に配合される有効成分の多くは水溶性ではない。このため、これら有効成分を原液に溶解させる目的でエタノール等の安全性の高い溶剤が使用されている。
しかし、エタノールを多く含有するエタノール含有エアゾール製剤には、噴射時の発泡性を付与することが困難である。このため、エタノール含有エアゾール製剤には、頭皮や皮膚に原液を噴射した場合に液だれが生じやすく、液だれによって所望する領域に十分な量の製剤を塗布することができず、所望の領域以外に製剤が付着してしまうという問題がある。
エタノール含有エアゾール製剤の液だれを抑制することを目的として、エアゾール製剤を構成する原液の成分を調整した組成物(特許文献1、特許文献2および3)が提案されている。
特許文献1には、頭皮上での原液成分の拡がり(分散性)を良好にすることを目的として、エタノール、水、セルロース誘導体、ポリエーテル変性シリコーンおよび清涼剤を含有する原液を用いたエアゾール型頭皮用組成物が記載されている。
特許文献2には、消炎鎮痛剤および一価の低級脂肪族アルコールを含有する原液、および噴射剤の各成分の配合量を調整した消炎鎮痛剤含有エアゾール組成物が記載されている。
特許文献3には、消炎鎮痛剤および1価のアルコールを所定量で含む原液と液化ガスとの重量比を調整した消炎鎮痛剤含有エアゾール組成物が記載されている。
特開2006−342096号公報 特開2001−139492号公報 特開2001−253834号公報
しかし、特許文献1のエアゾール型頭皮用組成物には、頭皮からの液だれを抑制し、消泡後の分散性を向上させることを目的として、セルロース誘導体が配合されている。セルロース誘導体を配合するとべたつきが生じ、使用感低下の原因になるという問題がある。
また、特許文献2および3の消炎鎮痛剤含有エアゾール組成物はいずれも、液だれが十分に抑制されたものではなく、特定構造の容器を用いることによって液だれを抑制している。
そこで、本発明は、液だれが抑制された使用感の良好なエタノール含有エアゾール製剤を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
[1]原液と噴射剤とからなるエタノール含有エアゾール製剤であって、前記原液中に、(A)エタノールと、(B)シリコーン系界面活性剤とを含有し、前記噴射剤100質量%中に(C)液化石油ガスが50質量%以上含有されているエタノール含有エアゾール製剤。
[2]前記原液100質量%中に前記(A)エタノールが60質量%以上含有されている前記[1]に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
[3]前記原液100質量%中に前記(B)シリコーン系界面活性剤が0.3質量%以上2.0質量%以下含有されている前記[1]または[2]に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
[4]前記(C)液化石油ガスが、プロパン、イソブタンおよびノルマルブタンからなる群から選ばれた一または複数の混合物である前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
[5]前記噴射剤が前記(C)液化石油ガスのみからなる前記[4]に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
[6]前記エタノール含有エアゾール製剤中における前記原液と前記噴射剤との質量比(原液/噴射剤)が60/40以上80/20以下である前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
[7]皮膚用製剤である前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
[8]前記原液がセルロース誘導体を含有しておらず、前記噴射剤がジメチルエーテルを含有していない、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
本発明によれば、噴射剤として含まれている液化石油ガスと原液中のシリコーン系界面活性剤との相互作用により原液の粘度が増加し、噴射直後における原液が皮膚表面にとどまるために適度な粘度となり、液だれの発生を抑制することができる。また、原液に増粘剤を含有させる必要がないから、増粘剤に起因するべたつきが生じない使用感の良好なエタノール含有エアゾール製剤とすることができる。
(a)塗布直後の状態を示す図面代用写真、(b)塗布5秒後に液だれが生じていない状態を示す図面代用写真、(c)塗布5秒後に液だれが生じていない状態を示す図面代用写真 (a)塗布直後の状態を示す図面代用写真、(b)塗布5秒後に液だれが生じている状態を示す図面代用写真
本発明を原液と噴射剤とからなるエタノール含有エアゾール製剤として実施する態様について、以下に説明する。
(原液)
原液は容器中に噴射剤とともに充填されるものであり、(A)エタノールおよび(B)シリコーン系界面活性剤を含有している。エタノールを含有することによって水に対する溶解性が低い有効成分を原液に配合することができる。有効成分として、消炎鎮痛剤、肩こり改善剤、血行促進剤、かゆみ止め、局所麻酔剤、ステロイド類、非ステロイド類、鎮痛剤、抗真菌剤等として一般に用いられている化合物等を配合することができる。具体的には、ジクロフェナクナトリウム、l−メントール、ビタミンEアセテート、トウガラシチンキ、ジフェンヒドラミン、リドカイン、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、サリチル酸グリコール、デキサメタゾン、コルチゾン、ブレドニゾロン、ウフェナマート、グリチルレチン酸、クロタミトン、ジブカイン、プロカイン、ミコナゾール、ラノコナゾール、ビポナゾール、ブテナフィン、テルフィナビンなどが挙げられる。
原液100質量%に含有される(A)エタノールの配合量は、60質量%以上80質量%以下であることが好ましく、65質量%以上75質量%であることがより好ましい。原液中に上記の比率でエタノールを含有することで、上述した有効成分を十分な濃度で原液中に配合できる。
(B)シリコーン系界面活性剤
シリコーン系界面活性剤は、(A)エタノールを高濃度で含有する原液が塗布された際に、皮膚上や頭皮上で瞬時に発泡して増粘作用を生じさせ、製剤の液だれを抑制することができる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン型、ポリオキシエチレン・オキシプロピレン型等の、ポリエーテル変性シリコーンを用いることができる。これらの中では、ポリオキシエチレン型の変性シリコーンが好ましい。
ポリオキシエチレン型の変性シリコーンとしては、例えば、PEG3−ジメチコン、PEG−9ジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−11メチルエーテルジメチコン、PEG−12ジメチコン、PEG32メチルエーテルジメチコン、Bis−PEG3−ジメチコン、Bis−PEG−9ジメチコン、Bis−PEG−10ジメチコン、Bis−PEG−11メチルエーテルジメチコン、Bis−PEG−12ジメチコンなどのポリオキシエチレン・ポリメチルシロキサン共重合体を用いることができる。
(B)シリコーン系界面活性剤は、エタノールに対する増粘作用の観点から、原液100質量%中の含有量が、0.3質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましく、0.8質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(噴射剤)
本実施形態のエタノール含有エアゾール製剤は、噴射剤100質量%中に50質量%以上の(C)液化石油ガスが含有されている。液化石油ガスは炭化水素であるから、原液中に含有されている(B)シリコーン系界面活性剤との親和性が高く、シリコーン界面活性剤との相互作用により、噴射された原液の粘度を増加する。したがって、噴射剤の主成分として液化石油ガスを用いることにより、噴射直後の製剤が増粘されて皮膚上にとどまるのに適した粘度となり、液だれの発生を抑制することができる。
本実施形態のエタノール含有エアゾール剤は、(B)シリコーン系界面活性剤と(C)液化石油ガスとの相互作用により、噴射された製剤の粘度を増大させている。したがって、原液にセルロース誘導体のような増粘剤を配合しなくても、噴射された製剤に液だれを抑えるに十分な粘度を付与することができるから、増粘剤に起因するべたつきがなくなり、使用感が向上する。
液化石油ガスとしては、プロパン、イソブタンおよびノルマルブタンからなる群から選ばれた一または複数の混合物を用いることができる。
液化石油ガスは、他の噴射剤と混合して用いることもできる。他の噴射剤としては、ジメチルエーテル、炭酸ガス、窒素、亜酸化窒素などが挙げられる。また、HFC−152a、HFO−1234ze(E)などを用いることもできる。
噴射剤に含有される(C)液化石油ガスは、噴射剤100質量%中に、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは、90質量%以上の割合で含まれる。さらには、液化石油ガスのみからなる噴射剤を用いることが好ましい。高い割合で液化石油ガスが含有された噴射剤を用いることにより、シリコーン系界面活性剤との相互作用による製剤の増粘作用により、塗布時に液だれが生じることをより確実に抑制できる。
(原液と噴射剤との含有量比)
原液と噴射剤との含有量(質量)比(原液/噴射剤)は、噴射された製剤に適度な粘度を付与して液だれを防ぐ観点から、エタノール含有エアゾール製剤中における原液と噴射剤との質量比(原液/噴射剤)が60/40以上80/20以下であることが好ましく、65/35以上75/25以下であることがさらに好ましい。
本実施形態のエタノール含有エアゾール製剤は、上述したように、べたつきを増加させる一因であるセルロース等の増粘剤を配合しないで液だれを抑制することができる。このため、皮膚用エアゾール製剤として好適に用いることができる。例えば、原液にセルロース誘導体を含有しておらず、噴射剤にジメチルエーテルを含有していないエタノール含有エアゾール製剤は、皮膚用のエタノール含有エアゾール製剤として好適である。ただし、本実施形態のエタノール含有エアゾール製剤は、頭皮等、皮膚以外にも使用することができる。
頭皮用のアルコール含有エアゾール製剤として、セルロース誘導体とジメチルエーテルとを配合したものが提案されている。しかし、ジメチルエーテルは、噴射直後におけるシリコーン系界面活性剤との相互作用による製剤の増粘効果を奏しない。そして、セルロースはべたつきの原因となる。したがって、皮膚用エアゾール製剤とする場合、これら成分を含まないことが好ましい。
本実施形態の発泡性エアゾール洗浄剤組成物の原液は、上述した成分以外に、医薬品や化粧品の分野において一般に用いられている成分を含有してもよい。このような成分としては、水;クエン酸およびクエン酸ナトリウム等のpH調整剤;フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウムおよびパラベンなどの防腐剤;ベタイン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム塩、1,3ブチレングリコール、グリセリンなどの保湿剤;ビタミン類;無機フィラー;香料などが挙げられる。これら成分の含有量は、本実施形態のエタノール含有エアゾール製剤の特性に悪い影響を与えない範囲とすればよい。
本実施形態の発泡性エアゾール洗浄剤組成物は、原液と噴射剤とが容器に充填されてなるものである。原液と噴射剤とを充填する容器としては、一般に用いられている耐圧容器を用いることができる。耐圧容器を構成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ブリキ、鋼等が挙げられる。
以上説明した実施形態に関する記載は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するためのものではない。したがって、実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[評価方法]
実施例および比較例のエタノール含有エアゾール製剤(以下、製剤ともいう)を皮膚に噴射した際に生じる液だれを以下の方法を用いて評価した。
表1に示す割合で原液と噴射剤とを充填した容器の吐出部から、10〜15cm程度離れた前腕内側または手の甲の皮膚表面に対して、製剤を噴射した。噴射条件は、噴射時間0.2〜0.3秒で、噴射量0.3〜0.4g(原液)とした。
上記の条件で噴射して、皮膚表面に塗布された製剤が、塗布後5秒、10秒、30秒および60秒の時点において液だれを生じているか否かを目視により評価した。図1(a)〜図1(c)は、塗布直後の状態を維持し、塗布30秒後において液だれが生じない製剤を示す図面代用写真である。図1(a)が塗布直後の状態を示し、図1(b)が塗布5秒後の状態を示し、図1(c)が塗布30秒後の状態を示している、図2(a)は塗布直後の状態、図2(b)は塗布5秒後に液だれが生じている状態を示す図面代用写真である。
実施例および比較例のエタノール含有エアゾール製剤の液だれを下記の基準に基づいて評価した。
×:塗布後5秒の時点で液だれが生じた
△:塗布後5秒の時点では液だれは生じなかったが、30秒の時点で液だれが生じた
○:塗布後30秒の時点でも液だれが生じなかった
[実施例1〜6および比較例1〜2]
表1は、実施例1〜6および比較例1〜2のエタノール含有エアゾール製剤に用いられた原液の各成分および含有量、ならびに原液の量、噴射剤の種類および量を示している。これらエタノール含有エアゾール製剤は、有効成分として消炎鎮痛作用のある成分が配合された消炎鎮痛剤である。表1には、エタノール含有エアゾール製剤の液だれを上述した基準に基づいて評価した結果も示している。
表1に示した実施例および比較例における原液中のポリオキシエチレン型変性シリコーンとしては、Bis−PEG−12ジメチコン(商品名:Silsoft 870(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製))を用いた。なお、後述する表2、表3に示した実施例および比較例における原液にも同じポリオキシエチレン型変性シリコーンを用いた。
表1に示した結果により、エタノール含有エアゾール製剤の液だれ抑制効果の観点から、原液および噴射剤について以下のことが分かった。
原液とLPGとの割合(原液/LPG)は、80/20よりもLPGの割合を高くすることが好ましい(実施例1〜3及び比較例2)。比較例2の製剤は噴射直後に泡状となったが、すぐに泡が消失しながら液だれが生じた。
ポリエーテル変性シリコーンの配合量を、原液100質量%に対して0.3質量%以上とすることが、噴射された製剤の液だれを抑制するために有効であった(実施例2、4〜6、比較例1)。
[実施例7、比較例3〜5]
表2は、実施例7および比較例3〜5のエタノール含有エアゾール製剤に用いられた原液の各成分および含有量、ならびに原液の含有量、噴射剤の種類および含有量を示している。これらエタノール含有エアゾール製剤は、有効成分として、血行促進作用がある成分が配合された肩こり緩和剤である。表2には、液ダレを上記の基準に基づいて評価した結果も示した。
表2に示した結果から、以下のことが分かった。
ビタミンEアセテートを含む実施例7のエタノール含有エアゾール製剤も、他の有効成分を含む実施例2のエタノール含有エアゾール製剤同様、良好な液だれ抑制効果を奏した。このことから、本発明のエタノール含有エアゾール製剤は、原液中に配合される有効成分に関わらず液だれ抑制効果を奏することが分かった。
これに対して、噴射剤としてジメチルエーテル(以下、DMEともいう)を配合したエタノール含有エアゾール製剤は、原液と噴射剤との配合比率に関わらず液だれが生じた。このことから、ポリエーテル変性シリコーンの増粘作用による液だれ抑制効果は、噴射剤の種類に影響を受けることが分かった。皮膚表面に塗布された場合、LPGを配合した製剤では、増粘作用による液だれ抑制効果が生じるが、DMEを配合した製剤では増粘作用による液だれ抑制効果が生じないことが分かった。したがって、皮膚用エアゾール製剤とする場合、エタノール含有エアゾール製剤の噴射剤は、液化天然ガス(LPG)が好ましく、エタノール含有エアゾール製剤の液だれ抑制効果の向上に寄与しないDMEを含まないことが好ましいといえる。
[実施例8および比較例6、7]
表3は、実施例8および比較例6〜7のエタノール含有エアゾール製剤に用いられた原液の各成分および含有量、ならびに原液の配合量、噴射剤の種類および含有量を示している。これらエタノール含有エアゾール製剤は、有効成分としてかゆみ止め成分が配合されたかゆみ防止剤である。表3には、液だれを上記の基準に基づいて評価した結果も示した。
表3に示した結果から、以下のことが分かった。
有効成分として、ジフェンヒドラミンを含む実施例8のエタノール含有エアゾール製剤も、他の有効成分を含む実施例2および実施例7のエタノール含有エアゾール製剤同様、良好な液だれ抑制性能を示した。
表1に示した結果から、液だれ抑制効果を奏するためには、原液と噴射剤(LPG)との割合(原液/LPG)は、80/20よりもLPGの割合が高いことが好ましく、表2に示した結果から、液だれ抑制効果を奏するためには、噴射剤としてLPGを用いることが好ましいことが分かった。加えて、表3に示した実施例8と比較例7との結果から、液だれ抑制効果を奏するためには、原液と噴射剤(LPG)との割合(原液/LPG)は、60/40よりもLPGの割合が低いこと、すなわち、LPGの含有量は、製剤100質量%に対して40質量%以下が好ましいことが分かった。
本実施明のエタノール含有エアゾール製剤は、原液の成分であるポリエーテル変性シリコーンと噴射剤との相互作用によって、塗布された製剤に液だれ抑制に適した粘度を付与している。液だれを抑えるために、セルロース等の高分子からなる増粘剤を原液の成分として含んでいないから、増粘剤に起因するべたつきが生じない。したがって、使用感を犠牲にすることなく、所望範囲に製剤を塗布する機能に優れたエタノール含有エアゾール製剤とすることができる。
本発明によれば、原液成分と噴射剤との相互作用による噴射直後の製剤を増粘する作用により、皮膚に塗布した場合の液だれを抑制することができる。したがって、不要な領域にまで原液が付着することなく、所望の領域に対して効果的に原液を塗布することが可能な使用感の良好なエタノール含有エアゾール製剤として有用である。

Claims (8)

  1. 原液と噴射剤とからなるエタノール含有エアゾール製剤であって、
    前記原液中に、(A)エタノールと、(B)シリコーン系界面活性剤とを含有し、
    前記噴射剤100質量%中に(C)液化石油ガスが50質量%以上含有されているエタノール含有エアゾール製剤。
  2. 前記原液100質量%中に前記(A)エタノール60質量%以上含有されている請求項1に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
  3. 前記原液100質量%中に前記(B)シリコーン系界面活性剤が0.3質量%以上2.0質量%以下含有されている請求項1または2に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
  4. 前記(C)液化石油ガスが、プロパン、イソブタンおよびノルマルブタンからなる群から選ばれた一または複数の混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
  5. 前記噴射剤が前記(C)液化石油ガスのみからなる請求項4に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
  6. 前記エタノール含有エアゾール製剤中における前記原液と前記噴射剤との質量比(原液/噴射剤)が60/40以上80/20以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
  7. 皮膚用製剤である請求項1〜6のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
  8. 前記原液がセルロース誘導体を含有しておらず、
    前記噴射剤がジメチルエーテルを含有していない、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエタノール含有エアゾール製剤。
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