JP2017071288A - 車体下部構造 - Google Patents

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健夫 石神
Takeo Ishigami
健夫 石神
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

【課題】車両走行中にホイールハウス内に流入する走行風をホイールハウス外に円滑に流出させて空気抵抗を低減する。【解決手段】フェンダー2は、タイヤ7が収容されるホイールハウス6を画成する。フェンダー2の後側領域には、フェンダー2を貫通する前開口10が形成される。通気管12は、その前端部13が前開口10と連通し、前端部13から後端部14に向かって後方に延びる。通気管12の後端部14は、前開口10の後方の車体20の下部で下方に開口する。前開口10は、フェンダー2の後側領域のうちタイヤ7の後面との対向領域よりも車幅方向内側に配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、車体下部構造に関する。
特許文献1には、車両の前後方向に沿って円弧状に形成されたアーチ体と、アーチ体の後側の基端から車両の後方向に延設されたフランジ体と、を備えたフェンダーライナが記載されている。フェンダーライナは、車両のタイヤを収納するタイヤハウスを画成するように車両ボデーに組み付けられる。フランジ体には、車両の走行時における車両の底面側からタイヤの回転に伴ってタイヤハウス内部に送り込まれる走行エアを車両の後方向の底面側へ送り出し可能なダクトが形成されている。
特開2013−233887号公報
特許文献1の構造では、ダクトの流入開口がタイヤのトレッド面と対向する位置に形成されているため、ダクトの流入開口の前方に広い空間を確保することができない。このため、タイヤハウス(ホイールハウス)内からダクトへ走行エア(走行風)が円滑に流入せず、空気抵抗の低減に対して十分な効果が得られない可能性がある。
そこで本発明は、車両走行中にホイールハウス内に流入する走行風をホイールハウス外に円滑に流出させて空気抵抗を低減することが可能な車体下部構造の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、タイヤが収容されるホイールハウスがフェンダーによって画成される車両の車体下部構造であって、前開口と通気管とを備える。前開口は、フェンダーの後側領域でフェンダーを貫通する。通気管は、前開口と連通する前端部と、前開口の後方の車体下部で下方に開口する後端部とを有し、前端部から後端部に向かって後方に延びる。前開口は、フェンダーの後側領域のうちタイヤの後面との対向領域よりも車幅方向内側に配置される。
上記構成では、車両走行中において、ホイールハウス内に流入した走行風は、前開口から通気管の前端部に流入し、通気管内を流通して通気管の後端部から下方に向かって流出する。また、前開口は、フェンダーの後側領域のうちタイヤの後面との対向領域よりも車幅方向内側に配置されているので、前開口の前方に十分に広い空間を確保することができ、ホイールハウス内の走行風は、前開口に円滑に流入する。従って、車両走行中にホイールハウス内に流入する走行風をホイールハウス外に円滑に流出させて空気抵抗を低減することができる。
本発明によれば、車両走行中にホイールハウス内に流入する走行風をホイールハウス外に円滑に流出させて空気抵抗を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る車両の側面図である。 図1のフェンダーを斜め上方から視た斜視図である。 図1の車両の要部断面図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る車体下部構造について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、前後方向とは車両の進行方向の前後方向であり、左右方向とは車両前方を向いた状態での左右方向である。また、図中の矢印FRは前方を、矢印UPは上方を、矢印INは車幅方向内側をそれぞれ示す。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る車両(乗用車)1は、車体20側に固定されるフェンダー2を備える。フェンダー2は、アーチ形状に湾曲する板状のフェンダー本体3と、フェンダー本体3の車幅方向内側で上下方向に起立する板状のフェンダーインナ4と、フェンダー本体3の両端から前後方向に曲折する前後のフランジ部5とを一体的に有する。フェンダー本体3は、タイヤ7が収容されるホイールハウス6の上側を画成し、フェンダーインナ4は、ホイールハウス6の車幅方向内側を画成する。タイヤ7のトレッド面7aの上側はフェンダー本体3と対向し、タイヤ7の車幅方向内側面7bの上部はフェンダーインナ4と対向する。後側のフランジ部5は、車体20側に固定されたアンダーパネル8に結合される。アンダーパネル8は、上下方向と交叉する姿勢(例えば略水平)に配置され、後側のフランジ部5から後方へ延びる。なお、以下では、左右の前輪のホイールハウス6について説明するが、左右の後輪のホイールハウスを同様に構成してもよい。
フェンダー本体3の後側領域(アーチ形状の頂部9から後方の領域)3aには、フェンダー本体3を貫通する矩形状の前開口10が形成される。前開口10は、フェンダー本体3の後側領域3aのうち直進方向を向くタイヤ7の後面(後側のトレッド面7a)との対向領域よりも車幅方向内側にオフセットして配置され、フェンダー本体3の頂部9から後側のフランジ部5に向かって後下方へ延びる。
アンダーパネル8には、前開口10の後方で上下方向に貫通する矩形状の後開口11が形成される。
フェンダー本体3とアンダーパネル8の間には、通気管12が配置される。通気管12は、前開口10に連通する前端部13と、後開口11に連通する後端部14と、前端部13から方向へ略水平に延びる水平部15と、水平部15の後端から後端部14まで傾斜して直線状に延びる傾斜部16とを有し、矩形状断面の通気路17を内部に区画する。すなわち、通気管12の後端部14は、前開口10の後方の車体20の下部で、後開口11を介して下方に開口する。水平部15と傾斜部16とは、上方から視て直線状に延び、通気管12は、車体20側に固定される。本実施形態では、前端部13がフェンダー本体3の外面及びフェンダーインナ4の車幅方向内側面に密着した状態で固定され、後端部14がアンダーパネル8の上面に密着した状態で固定される。なお、前端部13及び/又は後端部14を車体20側に固定せず、通気管12の中間部を車体20側に固定してもよい。
また、本実施形態では、水平部15及び傾斜部16の通気路17の車幅方向の幅Wを100mm〜150mmの範囲内に、水平部15の通気路17の上下方向の高さHを300mm〜450mmの範囲内に、水平方向に対する傾斜部16の通気路17の傾斜角度θを10°〜30°の範囲内にそれぞれ設定しているが、これらをどのように設定するかは任意である。
本実施形態によれば、車両走行中において、ホイールハウス6の内部に流入した走行風は、前開口10から通気管12の前端部13に流入し、通気管12内の通気路17を流通して後開口11から下方に向かって流出し、車体20の下方を後方へ流通する。これにより、ホイールハウス6の後部で発生する圧力が低下するとともに、車体20の下方を流れる走行風の圧力も低下する。また、前開口10は、フェンダー本体3の後側領域3aのうちタイヤ7の後面との対向領域よりも車幅方向内側に配置されているので、前開口10の前方に十分に広い空間を確保することができ、ホイールハウス6の内部の走行風は、前開口10に円滑に流入する。従って、車両走行中にホイールハウス6の内部に流入する走行風をホイールハウス6の外部に円滑に流出させて空気抵抗を低減することができる。
次に、上記前開口10及び通気管12を有する車両1が受ける空気抵抗の減少について、風洞解析を用いた検証結果に基づいて説明する。
この風洞解析は、上下方向の長さが3.2m、車幅方向の長さが10mの断面状の空気領域が前後方向に33m延びる風洞をコンピュータ上に構成し、解析モデル化した車両を風洞の中央部に車両の前部を風洞の入口方向に向けて配置し、風洞の入口から時速100kmの空気流を流入させることによって、時速100kmで走行する車両が進行方向前方から受ける空気抵抗を求めるものである。車両が受ける空気抵抗は、風洞の入口の圧力と風洞の出口の圧力との圧力差である圧力損失によって測定される。
まず、前開口10及び通気管12を有さない車両の解析モデルを風洞に配置し、風洞の入口から時速100kmの空気流を流入させて解析を行った。
次に、本実施形態に係る前開口10及び通気管12を有する車両1の解析モデルを風洞に配置し、風洞の入口から時速100kmの空気流を流入させて解析を行った。
解析の結果、本実施形態に係る前開口10及び通気管12を有する車両1では、前開口10及び通気管12を有さない車両と比べて空気抵抗(圧力損失)が約1.7%減少することが確認され、車両1が受ける空気抵抗を前開口10及び通気管12によって効果的に減少可能であることが検証された。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲では適宜の変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本発明の車体下部構造は様々な車両に適用可能である。
1:車両(乗用車)
2:フェンダー
3:フェンダー本体
3a:フェンダー本体の後側領域(フェンダーの後側領域)
4:フェンダーインナ
6:ホイールハウス
7:タイヤ
8:アンダーパネル
9:フェンダー本体の頂部
10:前開口
11:後開口
12:通気管
13:通気管の前端部
14:通気管の後端部
17:通気路
20:車体

Claims (1)

  1. タイヤが収容されるホイールハウスがフェンダーによって画成される車両の車体下部構造であって、
    前記フェンダーの後側領域で前記フェンダーを貫通する前開口と、
    前記前開口と連通する前端部と、前記前開口の後方の車体下部で下方に開口する後端部とを有し、前記前端部から前記後端部に向かって後方に延びる通気管と、を備え、
    前記前開口は、前記フェンダーの前記後側領域のうち前記タイヤの後面との対向領域よりも車幅方向内側に配置される
    ことを特徴とする車体下部構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108715189A (zh) * 2018-05-04 2018-10-30 陕西科技大学 一种能减少车轮后挡板空气阻力并进行过滤的环保装置
GB2622392A (en) * 2022-09-14 2024-03-20 Uriah Neil Ambroz Spray suppression device

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