JP2017069528A - 能動素子、および能動素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、材料費を抑えつつ必要な動作速度を確保することができる能動素子と、その製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の能動素子1は;基材2と;基材2の一方主面上の第1電極5と;第1電極5と隣り合って配置されている第2電極6と;基材2の一方主面上であって、少なくとも第1電極5と第2電極6の間の領域を覆うように形成されている有機半導体層9と、を有し;上側第1電極5Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁が、下側第1電極5Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁よりも高く;上側第2電極6Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁が、下側第2電極6Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁よりも高く;上側第1電極5Bの導電率が、下側第1電極5Aの導電率よりも高く;上側第2電極6Bの導電率が、下側第2電極6Aの導電率よりも高いものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体層に有機半導体を用いた能動素子に関するものである。
近年、能動素子の薄型化、フレキシブル化、軽量化、大面積化等の要望が高まるにつれて、基材材料としてはポリエチレンナフタレート(PEN)やポリイミド(PI)等の高分子フィルムが使用されている。これに伴い、半導体層として、当該フィルムの耐熱温度以下で成膜が可能な有機半導体を用いた能動素子が種々開発されている。有機半導体を用いた能動素子の電極材料は、有機半導体との間のエネルギー障壁が小さく、導電率の高いAuが使用されている(例えば、非特許文献1を参照)。
岩佐義宏、竹延大志、"有機トランジスタ"、[online]、2008年、応用物理学会、[2015年9月3日検索]、インターネット<URL:http://www.jsap.or.jp/editorial/KISO−sample/QOBU0414.pdf>
能動素子の電極材料へのAuの使用は、能動素子の性能の向上には寄与するものの、材料費の増大が懸念されるため、安価に能動素子を製造したい場合に障害になるおそれがある。
そこで、本発明は、材料費を抑えつつ必要な動作速度を確保することができる能動素子と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、Auの代替となる電極材料について検討した。電極材料としては、導電率が高く安価に得られるCuが工業生産上適しているが、Cuは有機半導体との間のエネルギー障壁が比較的高いため高いキャリア注入効率を得るためには課題がある。そこで本発明者は、材料費を抑えながらもAu並みの性能を有する電極材料を検討する中で、電極を複数の材料を組み合わせて積層構造とすることに想到した。そして、この上下2層の積層構造を有する電極において、有機半導体層と接触しやすい下側電極には高いキャリア注入効率を有する材料を、下側電極よりも有機半導体層と接触しにくい上側電極には高い導電性を有する材料を用いることを見出した。
上記目的を達成し得た本発明の能動素子は;基材と;基材の一方主面上に形成されている下側第1電極と、下側第1電極上に形成されている上側第1電極と、を含む第1電極と;基材の一方主面上に形成されている下側第2電極と、下側第2電極上に形成されている上側第2電極と、を含み、第1電極と隣り合って配置されている第2電極と;基材の一方主面上であって、少なくとも第1電極と第2電極の間の領域を覆うように形成されている有機半導体層と、を有し;上側第1電極と有機半導体層の間のエネルギー障壁が、下側第1電極と有機半導体層の間のエネルギー障壁よりも高く;上側第2電極と有機半導体層の間のエネルギー障壁が、下側第2電極と有機半導体層の間のエネルギー障壁よりも高く;上側第1電極の導電率が、下側第1電極の導電率よりも高く;上側第2電極の導電率が、下側第2電極の導電率よりも高いことを特徴とする。電極と有機半導体層の間のエネルギー障壁はキャリア注入効率に影響するため、本発明の能動素子は、上側第1電極−有機半導体層のキャリア注入効率よりも下側第1電極−有機半導体層のキャリア注入効率が高く、上側第2電極−有機半導体層のキャリア注入効率よりも下側第2電極−有機半導体層のキャリア注入効率が高いものである。このため、下側に配置される下側第1電極、下側第2電極では有機半導体層との電荷の授受がなされやすい。一方、本発明の能動素子は、上側第1電極の導電率が下側第1電極の導電率よりも高く、上側第2電極の導電率が下側第2電極の導電率よりも高いものである。このため、上側に配置される上側第1電極、上側第2電極では、下側に配置される電極から、或いは下側に配置される電極へ電気伝導がなされやすくなるため、動作速度を高められる。このように、本発明の能動素子は第1電極と第2電極が積層構造であり、上側と下側で電極材料および形状を独立して設計できるため、良好な動作特性と安価な材料の選択可能性を両立できるものである。
基材の面方向において、上側第1電極の少なくとも一部が、下側第1電極よりも内側に配置されており、基材の面方向において、上側第2電極の少なくとも一部が、下側第2電極よりも内側に配置されていることが好ましい。上側第1電極の少なくとも一部が、下側第1電極より内側に配置されていれば、下側第1電極と有機半導体層との接触面積を増加させることができ、電極から有機半導体層には効率的にキャリアが注入されるため、能動素子の動作速度を高められる。下側第2電極と上側第2電極についても同様である。
下側第1電極の端から上側第1電極の端までの距離が、基材の面方向において1nm以上20μm以下であり、下側第2電極の端から上側第2電極の端までの距離が、基材の面方向において1nm以上20μm以下であることが好ましい。上記のとおり下限を設定することにより、下側第1電極と有機半導体層、或いは下側第2電極と有機半導体層の接触面積が増えるため、キャリア注入効率を高めることができる。また、上記のとおり上限を設定することにより、能動素子を安定して動作させることができる。
基材の面方向において、有機半導体層が、下側第1電極上であって下側第1電極の端から上側第1電極の端の間と、下側第2電極上であって下側第2電極の端から上側第2電極の端の間に配置されていることが好ましい。これにより、下側第1電極と有機半導体層、および下側第2電極と有機半導体層との接触面積が増加するため、電荷の授受がなされやすくなる。
基材の厚み方向において、上側第1電極の少なくとも一部が下側第1電極と有機半導体層の間に配置されており、上側第2電極の少なくとも一部が下側第2電極と有機半導体層の間に配置されていることが好ましい。これにより、有機半導体層と下側第1電極、および有機半導体層と下側第2電極との接触面積を増加させることができる。また、上側電極と有機半導体層の接触面積も増加し、ここでも電荷の授受がなされやすくなるため、能動素子の動作に寄与するキャリア数を増加することができ、能動素子の動作速度が高められる。
上側第1電極、下側第1電極、上側第2電極、下側第2電極は、電極部と、電極部よりも幅狭に形成されている配線部と、をそれぞれ有しており、基材の面方向において、上側第1電極の電極部は、下側第1電極の電極部よりも内側に配置されており、基材の面方向において、上側第2電極の電極部は、下側第2電極の電極部よりも内側に配置されていることが好ましい。下側第1電極と有機半導体層、或いは下側第2電極と有機半導体層の接触面積を増加させることができる。
第1電極と第2電極に挟まれている領域が蛇行していることが好ましい。これにより、第1電極と有機半導体層、或いは第2電極と有機半導体層の接触長さが増加するため、第1電極と第2電極の間に流れる電流を大きくすることができる。
下側第1電極および下側第2電極の材料がITOであり、上側第1電極および上側第2電極の材料がCuであることが好ましい。ITOは、有機半導体層との間のエネルギー障壁が低く、有機半導体層へのキャリア注入効率が高いからである。Cuは導電率が高いため、能動素子の動作速度の向上に寄与する。また、Cuは安価であるから、能動素子の生産性を高めることができる。
有機半導体層上に形成されている絶縁層と、絶縁層上に形成されている第3電極と、を有することが好ましい。これにより、トップゲート型のトランジスタを構成することができる。
基材の一方主面上に形成されている第3電極と、第3電極上に形成されている絶縁層と、を有し、第1電極、第2電極、有機半導体層が、絶縁層上に形成されていることが好ましい。これにより、ボトムゲート型のトランジスタを構成することができる。
基材の他方主面上に形成されている第3電極を有することが好ましい。これにより、基材がゲート絶縁膜を兼ねているトランジスタを構成することができる。
上記目的を達成し得た本発明の能動素子の製造方法は;基材の一方主面上に第1導電層を形成する工程と;第1導電層上に第2導電層を形成する工程と;第2導電層上にマスク層を形成する工程と;第1導電層および第2導電層をエッチング液に接触させて、第1導電層および第2導電層のマスク層で覆われていない領域を除去することにより、基材の一方主面上に、下側第1電極と下側第1電極上の上側第1電極とを有する第1電極と、下側第2電極と下側第2電極上の上側第2電極とを有しており、第1電極と隣り合って配置されている第2電極と、を形成する工程と;基材の一方主面上であって、少なくとも第1電極と第2電極の間の領域を覆うように有機半導体層を形成する工程と、を含み;第2導電層と有機半導体層の間のエネルギー障壁が、第1導電層と有機半導体層の間のエネルギー障壁よりも高く;第2導電層の導電率が、第1導電層の導電率よりも高いことを特徴とする。本発明では、下側第1電極、上側第1電極、下側第2電極、上側第2電極を一緒に形成することができるため、下側第1電極に対する上側第1電極の位置ズレや、下側第2電極に対する上側第2電極の位置ズレが抑制される。
有機半導体層を形成する前に、第1電極および第2電極を他のエッチング液に接触させて、上側第1電極および上側第2電極の少なくとも一部領域を除去する工程を含むことが好ましい。これにより、他のマスク層の形成および剥離工程を実施することなく、上側第1電極および上側第2電極をサイドエッチングすることができるため、基材の面方向において、上側第1電極の少なくとも一部が、下側第1電極よりも内側に配置されており、上側第2電極の少なくとも一部が、下側第2電極よりも内側に配置されている能動素子1が得られる。
本発明の能動素子は、下側第1電極および下側第2電極のキャリア注入効率が高いため有機半導体層との電荷の授受がなされやすく、上側第1電極および上側第2電極では、下側に配置される電極から、或いは下側に配置される電極への電気伝導がなされやすいため動作速度を高められる。このように、上側と下側で電極材料および形状を独立して設計できる積層構造とすることにより、良好な動作特性と安価な材料の選択可能性を両立できる。
また、本発明の能動素子の製造方法では、下側第1電極、上側第1電極、下側第2電極、上側第2電極を一緒に形成することができるため、下側第1電極に対する上側第1電極の位置ズレや、下側第2電極に対する上側第2電極の位置ズレが抑制される。
本発明の能動素子の平面図を表す。 図1に示した能動素子のII−II断面図を表す。 図1に示した能動素子のIII−III断面図を表す。 図1に示した能動素子の平面図の変形例を表す。 図4に示した能動素子のV−V断面図を表す。 図4に示した能動素子のVI−VI断面図を表す。 図4に示した能動素子の平面図の変形例を表す。 図7に示した能動素子のVIII−VIII断面図を表す。 図7に示した能動素子のIX−IX断面図を表す。 図7に示した能動素子の平面図の変形例を表す。 図10に示した能動素子のXI−XI断面図を表す。 図1に示した能動素子の平面図の変形例を表す。 図4に示した能動素子の平面図の変形例を表す。 図5に示した能動素子の断面図の変形例を表す。 図5に示した能動素子の断面図の変形例を表す。 図5に示した能動素子の断面図の変形例を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 本発明の能動素子の製造方法の工程断面図を表す。 実施例に係る能動素子の断面図を表す。 実施例に係る能動素子の断面図を表す。 比較例に係る能動素子の断面図を表す。 比較例に係る能動素子の断面図を表す。 能動素子のゲート電圧−ドレイン電流特性を示すグラフを表す。
以下、実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。また、図面における種々部材の寸法比は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法比とは異なる場合がある。
1.能動素子
本発明において能動素子は、信号増幅や整流を行う素子であり、例えばトランジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導体素子である。これらの応用例としては、例えば、ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池、半導体レーザー、圧力センサー、生体センサー等がある。
本発明において能動素子は、厚み方向と面方向を有する。能動素子の厚み方向は、基材、第1電極、第2電極、有機半導体層が積層される方向であり、能動素子の面方向は、厚み方向と直交する方向である。
図1は、本発明の能動素子の平面図を表し、図2は、図1に示した能動素子のII−II断面図を表し、図3は、図1に示した能動素子のIII−III断面図を表す。図1〜図3に示すように、本発明の能動素子1は、基材2と、下側第1電極5Aと上側第1電極5Bを含む第1電極5と、下側第2電極6Aと上側第2電極6Bを含む第2電極6と、有機半導体層9と、を有する。
基材2は、一方主面と他方主面を有しており、第1電極5、第2電極6、有機半導体層9を支持するために設けられる。
基材2は、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)等の高分子フィルムからなるフレキシブル基板や、ガラス基板等のリジッド基板が好ましく用いられる。
基材2の折れや破れを防止するために、基材2の厚みは、例えば5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、18μm以上であることがさらに好ましい。他方、能動素子1の薄型化の観点からは、基材2の厚みは、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることが好ましく、125μm以下であることがさらに好ましい。
後述するように、基材2が絶縁層10を兼ねるフィルムの場合には、基材2の厚みは、10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましく、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることがさらに好ましい。
図2〜図3に示すように、有機半導体層9は、基材2の一方主面上であって、少なくとも第1電極5と第2電極6の間の領域を覆うように形成されている。有機半導体層9は、トランジスタの場合にはチャネル領域として機能する。有機半導体層9の材料としては、例えば、ペンタセン、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ジナフトチエノチオフェン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、フラーレン、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
有機半導体層9の厚みの上限は特に制限されないが、薄型の能動素子1を得るためには、有機半導体層9の厚みは、例えば、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。
有機半導体層9は、真空蒸着法や印刷法によって好ましく形成される。詳細には、印刷法では、有機半導体の分子を塗布用の有機溶媒に分散させた混合液体(以下、「有機半導体インキ」と称する)を、基材2に塗布した後、乾燥させることにより形成される。
印刷法によって有機半導体層9が形成される場合、有機溶媒としては、例えばメシチレン、トルエン、クロロホルム、p−ジイソプロピルベンゼン、ベンジルアルコールやこれらの混合溶媒を用いることができる。
図1〜図3に示すように、本発明の能動素子1は、基材2の一方主面上に隣り合って形成されている第1電極5および第2電極6とを有する。
第1電極5、第2電極6、後述する第3電極(以下、まとめて「電極」と称することもある)は能動素子1を動作させるために電気的に接続されるものであり、例えば、能動素子1がトランジスタの場合には、第1電極5はソース電極に相当し、第2電極6はドレイン電極に相当し、第3電極11はゲート電極に相当する。
電極の材料は導電性材料を用いることができ、例えば、Cu、Al、Ag、Ni、Au等の金属材料、ITO、ZnO、IGO、IGZO、CuO等の金属酸化物、C、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン等の炭素材料等を用いることができる。
電極は、例えば、フォトリソグラフィ法や印刷法によって形成することができる。第1電極5と第2電極6の相対位置の精度を向上させる観点からは、第1電極5および第2電極6は、フォトリソグラフィ法によって形成されることが好ましい。
電極の厚みは、必要な導電率を確保するために、例えば、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。電極の厚みの上限は特に制限されないが、能動素子1全体の厚みが増加するのを抑制し、フォトリソグラフィ法を用いる場合にエッチング時間を短縮する観点から、例えば、1μm以下であることが好ましく、700nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましい。
第1電極5と第2電極6は隣り合って形成されていればよく、第1電極5の一つの辺と第2電極6の一つの辺が対向して配置されていてもよい。例えば、図1では、第1電極5の一辺5Cと、第2電極6の一辺6Cが対向するように配置されている。
図1〜図3に示すように、第1電極5は、基材2の一方主面上に形成されている下側第1電極5Aと、下側第1電極5A上に形成されている上側第1電極5Bとを有している。第1電極5と同様に、第2電極6は、基材2の一方主面上に形成されている下側第2電極6Aと、下側第2電極6A上に形成されている上側第2電極6Bとを有している。
本発明の能動素子1は第1電極5と第2電極6が積層構造であり、上側と下側で電極材料および形状を独立して設計できるため、良好な動作特性と安価な材料の選択可能性を両立できるものである。積層構造の電極では、下側に配置される下側第1電極5Aや下側第2電極6A(以下、まとめて「下側電極」と称することもある)は、上側に配置される上側第1電極5Bや上側第2電極6B(以下、まとめて「上側電極」と称することもある)に比べて有機半導体層9との接触面積が大きくなりやすい。このため、主に下側電極では、電極から有機半導体層9或いは有機半導体層9から電極に電荷キャリア(以下単に「キャリア」と称する)の注入がなされる。これに対して、上側電極は主に下側電極、或いは外部配線(図示せず)との間で電荷の授受を行う役割を有する。
積層構造をなすために、上側電極と下側電極は異なる材料から形成される。また、後述する「2.能動素子の製造方法」のとおり、第1導電層から下側第1電極5Aおよび下側第2電極6Aを形成し、第2導電層から上側第1電極5Bおよび上側第2電極6Bを形成することによって、下側第1電極5Aと下側第2電極6Aが同じ材料から形成され、上側第1電極5Bと上側第2電極6Bが同じ材料から形成されてもよい。
下側電極としては、キャリア注入効率が高い材料、例えば、ITO、IGZO、ZnO、IGO、CuOが用いられることが好ましく、ITOが用いられることがより好ましい。
上側電極としては、能動素子1の動作速度を高めるために、導電率やキャリア移動度が高い材料、例えば、Cu、Alが用いられることが好ましく、Cuが用いられることがより好ましい。
電極−有機半導体層9の間のエネルギー障壁の値が低いほど、有機半導体層9から電極、或いは電極から有機半導体層9に注入されるキャリアの割合であるキャリア注入効率は増加し、能動素子の動作速度が向上すると考えられている。したがって、本発明の能動素子1は、上側第1電極5Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁が、下側第1電極5Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁よりも高く、上側第2電極6Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁が、下側第2電極6Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁よりも高いものである。
本発明において、電極と有機半導体層9の間のエネルギー障壁(単位:eV)は、電極の仕事関数Φ(単位:eV)と有機半導体層9の仕事関数Φos(単位:eV)の差の絶対値|Φ−Φos|から求める。
仕事関数の測定には、主に、光電子効果を利用した方法と、2種類の導体の接触電位差を用いた方法があるが、本発明では前者の方法を利用した理研計器製の大気中光電子分光装置(型番:AC−3)を用いる。
上側電極と有機半導体層9の間のエネルギー障壁と、下側電極と有機半導体層9の間のエネルギー障壁の具体的な値は、例えば以下のように設定される。
上側第1電極5Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁は、下側第1電極5Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁の1.1倍以上であることが好ましく、1.3倍以上であることがより好ましく、1.5倍以上であることがさらに好ましい。
同様に上側第2電極6Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁は、下側第2電極6Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁の1.1倍以上であることが好ましく、1.3倍以上であることがより好ましく、1.5倍以上であることがさらに好ましい。
他方、上側電極は、下側電極或いは外部配線の間で電荷の授受を行う役割を有しているため導電率が高いほどよい。したがって、本発明の能動素子1は、上側第1電極5Bの導電率が、下側第1電極5Aの導電率よりも高く、上側第2電極6Bの導電率が、下側第2電極6Aの導電率よりも高いものである。
本発明において導電率(単位:S/m)の測定は、JIS H 0505:1975 非鉄金属材料の体積抵抗率及び導電率測定方法に基づき行うものとする。
上側電極と下側電極の導電率の具体的な値は、例えば以下のように設定される。
上側第1電極5Bの導電率が、下側第1電極5Aの導電率の100倍以上であることが好ましく、1000倍以上であることがより好ましく、10000倍以上であることがさらに好ましい。
同様に、上側第2電極6Bの導電率が、下側第2電極6Aの導電率の100倍以上であることが好ましく、1000倍以上であることがより好ましく、10000倍以上であることがさらに好ましい。
上側第1電極5B、下側第1電極5A、上側第2電極6B、下側第2電極6Aは、多角形状(好ましくは四角形状)の電極部と、電極部よりも幅狭に形成されている配線部と、をそれぞれ有していてもよい。下側電極の電極部は、主に有機半導体層9と接触して上側電極を支持し、下側電極の配線部は主に上側電極を支持する。上側電極の電極部は、主に下側電極との電荷の授受を行うものであり、上側電極の配線部は、主に上側電極の電極部と外部配線とを接続する役割を有する。能動素子がトランジスタの場合には、チャネル領域の面積を大きくするために、第1電極5の電極部と第2電極6の電極部が隣り合って形成されることが好ましい。
基材2の面方向において、上側電極と下側電極の大小関係は特に制限されないが、製造工程を簡略化するために、図1〜図3に示すように、下側第1電極5Aと上側第1電極5Bが略同形状に形成されていてもよい。第1電極5と同様に、製造工程を簡略化するために、下側第2電極6Aと上側第2電極6Bが略同形状に形成されていてもよい。
上側第1電極5B、下側第1電極5A、上側第2電極6B、下側第2電極6Aが、それぞれ上記電極部と上記配線部を有している場合には、下側第1電極5Aの電極部の端が上側第1電極5Bの電極部の端と重なって配置されており、下側第2電極6Aの電極部の端が上側第2電極6Bの電極部の端と重なって配置されることが好ましい。
第1電極5と第2電極6の配置間隔は特に制限されないが、例えば第1電極5がソース電極で、第2電極6がドレイン電極であるトランジスタの場合には、第1電極5と第2電極6の間の長さであるチャネル長は20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。チャネル長が短いほど、トランジスタの処理速度と集積度を高めることができる。
次に、基材2の面方向において、上側電極と下側電極の大きさが異なり、電極が階段状に形成されている構成例について説明する。例えば、上側第1電極5Bの少なくとも一部が、下側第1電極5Aよりも外側に配置されてもよい(図示せず)。これにより、上側第1電極5Bの面積は、下側第1電極5Aの面積より大きくてもよい(図示せず)。上側第1電極5Bの材料として、導電率や移動度が高い材料を採用することにより、能動素子1の動作速度を高められる。同様の理由から、上側第2電極6Bの面積は、下側第2電極6Aの面積より大きくてもよい(図示せず)。
図4は、図1に示した能動素子1の平面図の変形例を表し、図5は、図4の能動素子1のV−V断面図を表し、図6は、図4の能動素子1のVI−VI断面図を表す。図4〜図6に示すように、基材2の面方向において、上側第1電極5Bの少なくとも一部が、下側第1電極5Aより内側に配置されてもよい。これにより、下側第1電極5Aの面積が上側第1電極5Bの面積より大きくてもよい。上側第1電極5Bの少なくとも一部が、下側第1電極5Aより内側に配置されていれば、下側第1電極5Aと有機半導体層9との接触面積を増加させることができ、電極から有機半導体層9には効率的にキャリアが注入されるため、能動素子1の動作速度を高められる。第1電極5と同様の理由から、図4〜図6に示すように、基材2の面方向において、上側第2電極6Bの少なくとも一部が、下側第2電極6Aより内側に配置されてもよい。これにより、下側第2電極6Aの面積が上側第2電極6Bの面積より大きくてもよい。
上側第1電極5B、下側第1電極5A、上側第2電極6B、下側第2電極6Aが、それぞれ上記電極部と上記配線部を有している場合には、図4〜図6に示すように、基材2の面方向において、上側第1電極5Bの電極部が、下側第1電極5Aの電極部よりも面方向内側に配置されていることが好ましい。平面視で下側第1電極5Aの一部が露出しているため、図1〜図3の態様と比較して下側第1電極5Aと有機半導体層9との接触面積を増加させることができる。なお、上側第1電極5Bの電極部を下側第1電極5Aの電極部よりも面方向内側に配置するために、上側第1電極5Bの配線部の一部は下側第1電極5Aの電極部の上に配置されていることが好ましい。同様の理由から、基材2の面方向において、上側第2電極6Bの電極部が、下側第2電極6Aの電極部よりも面方向内側に配置されていることが好ましい。この場合、上側第2電極6Bの配線部の一部は下側第2電極6Aの電極部の上に配置されていることが好ましい。
図4〜図6に示す能動素子1において、下側第1電極5Aと有機半導体層9との接触面積を増やして電荷の授受がなされやすくなるためには、下側第1電極5Aの端5dから上側第1電極5Bの端5eまでの距離d1は、基材2の面方向において1nm以上であることが好ましく、10nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。特に、第2電極6側の下側第1電極5Aの端5dから上側第1電極5Bの端5eまでの距離d1は、基材2の面方向において1nm以上であることが好ましく、10nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。同様の理由から、下側第2電極6Aの端6dから上側第2電極6Bの端6eまでの距離d2は、基材2の面方向において1nm以上であることが好ましく、10nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。特に、第1電極5側の下側第2電極6Aの端6dから上側第2電極6Bの端6eまでの距離d2は、基材2の面方向において1nm以上であることが好ましく、10nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。
下側第1電極5Aは上側第1電極5Bよりも導電率が低いため、面方向における下側第1電極5A中のキャリア移動度は、上側第1電極5B中のキャリア移動度よりも小さい。このため、キャリアが下側第1電極5A内、或いは上側第1電極5B内を同じ距離だけ移動するのに要する移動時間(キャリア移動時間)は、上側第1電極5Bよりも下側第1電極5Aが長いが、下側第1電極5A内でのキャリア移動時間と上側第1電極5B内でのキャリア移動時間の差は小さいほど能動素子1の動作速度が安定する。このため、能動素子1を安定して動作させる観点からは、下側第1電極5Aの端5dから上側第1電極5Bの端5eまでの距離d1は、基材2の面方向において20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。特に、第2電極6側の下側第1電極5Aの端5dから上側第1電極5Bの端5eまでの距離d1は、基材2の面方向において20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。同様の理由から、下側第2電極6Aの端6dから上側第2電極6Bの端6eまでの距離d2は、基材2の面方向において20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。特に、第1電極5側の下側第2電極6Aの端6dから上側第2電極6Bの端6eまでの距離d2は、基材2の面方向において20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
図4〜図6に示すように第1電極5、第2電極6が配置される場合、有機半導体層9は(1)基材2の面方向において、第1電極5と第2電極6の間に形成されている領域のほか、(2)基材2の面方向において、下側第1電極5A上であって下側第1電極5Aの端5dから上側第1電極5Bの端5eの間や、(3)基材2の面方向において、下側第2電極6A上であって下側第2電極6Aの端6dから上側第2電極6Bの端6eの間に配置されてもよい。これにより、下側電極と有機半導体層9との接触面積が増加するため、電荷の授受がなされやすくなる。特に、(2)の領域について、有機半導体層9は、基材2の面方向において、下側第1電極5A上であって第2電極6側の下側第1電極5Aの端5dから上側第1電極5Bの端5eの間に配置されることが好ましい。また、(3)の領域について、有機半導体層9は、基材2の面方向において、下側第2電極6A上であって第1電極5側の下側第2電極6Aの端6dから上側第2電極6Bの端6eの間に配置されることが好ましい。
図7〜図9を用いて、有機半導体層9の別の配置例について説明する。図7は、図4に示した能動素子1の平面図の変形例を表し、図8は、図7の能動素子1のVIII−VIII断面図を表し、図9は、図7の能動素子1のIX−IX断面図を表す。なお、図7〜図9に示す電極の配置は、図4〜図6の配置と同じである。
図7〜図9に示すように、有機半導体層9は、上記(1)、(2)、(3)の領域に加えて、(4)上側第1電極5Bの上および上側第2電極6Bの上にも形成されてもよい。詳細には、基材2の厚み方向において、上側第1電極5Bの少なくとも一部が、下側第1電極5Aと有機半導体層9の間に配置されており、上側第2電極6Bの少なくとも一部が、下側第2電極6Aと有機半導体層9の間に配置されていてもよい。これにより、有機半導体層9と下側第1電極5A、および有機半導体層9と下側第2電極6Aとの接触面積を増加させることができる。また、上側電極と有機半導体層9の接触面積も増加し、ここでも電荷の授受がなされやすくなるため、能動素子1の動作に寄与するキャリア数を増加することができ、能動素子1の動作速度が高められる。
上側第1電極5B、下側第1電極5A、上側第2電極6B、下側第2電極6Aが、それぞれ上記電極部と上記配線部を有している場合には、能動素子の動作に寄与するキャリア数を増加するために、図7〜図9に示すように、上側第1電極5Bの少なくとも一部が下側第1電極5Aよりも面方向内側に配置されており、有機半導体層9が下側第1電極5Aの電極部を覆っていることが好ましい。同様に、上側第2電極6Bの少なくとも一部が下側第2電極6Aよりも面方向内側に配置されており、有機半導体層9が下側第2電極6Aの電極部を覆っていることが好ましい。
図10〜図11を用いて、第1電極5および第2電極6の他の構成例について説明する。図10は、図7に示した能動素子1の平面図の変形例を表し、図11は図10の能動素子1のXI−XI断面図を表す。第1電極5の第2電極6とは反対側の領域および第2電極6の第1電極5とは反対側の領域は、第1電極5と第2電極6の間の領域と比べてキャリア注入がなされにくい。このため、第1電極5の第2電極6とは反対側に位置する領域および第2電極6の第1電極5とは反対側に位置する領域に上側電極を形成して下側電極に対する電荷収集効率を高めてもよい。
図10〜図11に示すように、上側第1電極5B、下側第1電極5A、上側第2電極6B、下側第2電極6Aが、それぞれ上記電極部と上記配線部を有している場合には、上側電極の下側電極に対する電荷収集効率を高めるために、上側第1電極5Bの電極部の少なくとも一部が上側第1電極5Bの電極部よりも内側に配置されており、上側第1電極5Bの配線部が下側第1電極5Aの配線部と略同形状に形成されていることが好ましい。この場合、第2電極6とは反対側の下側第1電極5Aの端と、第2電極6とは反対側の上側第1電極5Bの端が重なって配置されている。同様に、上側第2電極6Bの電極部の少なくとも一部が上側第2電極6Bの電極部よりも内側に配置されており、上側第2電極6Bの配線部が下側第2電極6Aの配線部と略同形状に形成されていることが好ましい。この場合、第1電極5とは反対側の下側第2電極6Aの端と、第1電極5とは反対側の上側第2電極6Bの端が重なって配置されている。
図12〜図13を用いて、第1電極5および第2電極6のさらに他の構成例について説明する。図12は、図1に示した能動素子1の平面図の変形例を表し、図13は、図4に示した能動素子1の平面図の変形例を表す。図12〜図13に示すように、第1電極5と第2電極6に挟まれている領域が蛇行していることが好ましい。換言すれば、第1電極5の少なくとも一部と、第2電極6の少なくとも一部が、それぞれ櫛歯状に形成されていることが好ましい。これにより、第1電極5と有機半導体層9、或いは第2電極6と有機半導体層9の接触長さが増加するため、第1電極5と第2電極6の間に流れる電流を大きくすることができる。なお、下側第1電極5Aと有機半導体層9、或いは下側第2電極5Bと有機半導体層9の接触面積をより一層増加させるために、図13に示すような電極配置としてもよい。具体的には、図13に示すように、第1電極5と第2電極6に挟まれている領域が蛇行しており、かつ、基材2の面方向において、上側第1電極5Bの少なくとも一部が下側第1電極5Aよりも内側に配置されており、上側第2電極6Bの少なくとも一部が下側第2電極6Aよりも内側に配置されていることが好ましい。
図14〜図16は、図5に示した能動素子1の断面図の変形例を表す。図14に示すように、本発明の能動素子1は、有機半導体層9上に形成されている絶縁層10と、絶縁層10上に形成されている第3電極11と、を有していることが好ましい。この場合、第1電極5をソース電極、第2電極6をドレイン電極、第3電極11をゲート電極とすると、ソース電極およびドレイン電極に対してゲート電極が上側に配置されるトップゲート型のトランジスタを構成することができる。
図15に示すように、本発明の能動素子1は、基材2の一方主面上に形成されている第3電極11と、第3電極11上に形成されている絶縁層10と、を有し、第1電極5、第2電極6、有機半導体層9が絶縁層10上に形成されていてもよい。この場合、第1電極5をソース電極、第2電極6をドレイン電極、第3電極11をゲート電極とすると、ソース電極およびドレイン電極に対してゲート電極は下側(基材2に近い側)に配置されるボトムゲート型のトランジスタを構成することができる。
能動素子1がトランジスタの場合、絶縁層10はゲート絶縁膜として機能する。絶縁層10は、SiO2、SiON等の絶縁性材料から好ましく形成される。
漏れ電流の抑制の観点から、絶縁層10の厚みは、200nm以上であることが好ましく、250nm以上であることが好ましく、300nm以上であることがさらに好ましい。他方、能動素子1の微細化の観点からは、絶縁層10の厚みは600nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましい。
図16に示すように、本発明の能動素子1は、基材2の他方主面上に形成されている第3電極11を有していてもよい。この場合、第1電極5をソース電極、第2電極6をドレイン電極、第3電極11をゲート電極とすると、基材2がゲート絶縁膜を兼ねているトランジスタを構成することができる。
2.能動素子の製造方法
図17〜図24は、本発明の能動素子の製造方法を示す断面図を表す。
本発明の能動素子の製造方法は、
(1)基材の一方主面上に第1導電層を形成する工程と、
(2)第1導電層上に第2導電層を形成する工程と、
(3)第2導電層上にマスク層を形成する工程と、
(4)第1導電層および第2導電層をエッチング液に接触させて、第1導電層および第2導電層のマスク層で覆われていない領域を除去することにより、基材の一方主面上に、下側第1電極と下側第1電極上の上側第1電極とを有する第1電極と、下側第2電極と下側第2電極上の上側第2電極とを有しており、第1電極と隣り合って配置されている第2電極と、を形成する工程と、
(7)基材の一方主面上であって、少なくとも第1電極と第2電極の間の領域を覆うように有機半導体層を形成する工程と、を含み、
第2導電層と有機半導体層の間のエネルギー障壁が、第1導電層と有機半導体層との間のエネルギー障壁よりも高く、第2導電層の導電率が、第1導電層の導電率よりも高いことを特徴とする。
また、能動素子の性能を高めるために、本発明の能動素子の製造方法は、有機半導体層を形成する工程(7)の前に、
(5)第1電極および第2電極を他のエッチング液に接触させて、上側第1電極および上側第2電極の少なくとも一部領域を除去する工程と、
(6)第1電極および第2電極を覆うマスク層を剥離する工程と、
を含んでいてもよい。工程(5)〜(6)を実施することにより、下側第1電極に対する上側第1電極の大きさや、下側第2電極に対する上側第2電極の大きさを小さくすることができる。各工程の詳細について説明する。
(1)基材の一方主面上に第1導電層を形成する工程
図17に示すように、基材2を準備する。図示していないが、基材2の主面上には、密着層、平坦化層、光学調整層等が形成されてもよい。また、基材2には、端子電極やビア電極を形成するために、基材2を厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)を形成してもよい。貫通孔の形成には、針状物による穿刺、パンチング、レーザー加工等を用いることができる。
図18に示すように、基材2の一方主面上に第1導電層3を形成する。第1導電層3は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、端子電極、ビア電極等の各種電極を形成するためのものである。
第1導電層3を形成する方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、基材2に厚み方向に貫通する貫通孔が形成されない場合には、箔状に形成された導電性材料を貼り付けることにより第1導電層3を成膜することもできる。
(2)第1導電層上に第2導電層を形成する工程
図19に示すように、第1導電層3上に第2導電層4を形成する。第1導電層3と同様に、第2導電層4もソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、端子電極、ビア電極等の各種電極を形成するためのものである。
第2導電層4を形成する方法は特に限定されず、第1導電層3の成膜と同様に、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、基材2に厚み方向に貫通する貫通孔が形成されない場合には、箔状に形成された導電性材料を貼り付けることにより第2導電層4を成膜することもできる。
第1導電層3と第2導電層4の材料は、導電性材料を用いることができ、例えば、Cu、Al、Ag、Ni、Au等の金属材料、ITO、ZnO、IGO、IGZO、CuO等の金属酸化物、C、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン等の炭素材料等を用いることができる。中でも、第1導電層3の材料がITOであることが好ましい。ITOは、有機半導体層9の間のエネルギー障壁が低く、有機半導体層9へのキャリア注入効率が高いからである。他方、第2導電層4の材料は、Cuであることが好ましい。Cuは導電率が高いため、能動素子1の動作速度の向上に寄与する。また、Cuは安価であるから、能動素子1の生産性を高めることができる。
本発明の能動素子1の製造方法は、第2導電層4と有機半導体層9の間のエネルギー障壁が、第1導電層3と有機半導体層9の間のエネルギー障壁よりも高く、第2導電層4の導電率が、第1導電層3の導電率よりも高いものである。後述する工程(4)によって、第1導電層3は、下側第1電極5Aと下側第2電極6Aを形成し、第2導電層4は上側第1電極5Bと上側第2電極6Bを形成する。このため、本発明によって得られる能動素子1は、上側第1電極5Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁が、下側第1電極5Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁よりも高く、上側第2電極6Bと有機半導体層9の間のエネルギー障壁が、下側第2電極6Aと有機半導体層9の間のエネルギー障壁よりも高いものである。また、本発明によって得られる能動素子1は、上側第1電極5Bの導電率が、下側第1電極5Aの導電率よりも高く、上側第2電極6Bの導電率が、下側第2電極6Aの導電率よりも高いものでもある。
(3)第2導電層上にマスク層を形成する工程
図20に示すように、第2導電層4上にマスク層20a、20bを形成する。マスク層20aおよび20bはそれぞれ第1電極5および第2電極6の形成位置を決める。
マスク層の具体的な形成方法は以下のとおりである。第2導電層4の上に、ドライフィルムレジストや液体レジスト等の感光性樹脂組成物(感光性樹脂以外に硬化剤、溶剤等を含む。以下、単に「感光性樹脂」という)を塗布する。感光性樹脂には、露光部分が現像液に対して不溶性となるネガ型と、露光部分が現像液に対して可溶性となるポジ型があるが、以下ではネガ型の感光性樹脂を例にして説明する。第2導電層4上にレジストが塗布され、当該レジストの上から電子ビームや光(紫外線)を照射して、レジストに所定の回路形状を描画する。レジストには、第1電極5と第2電極6(例えば、トランジスタの場合には、ソース電極とドレイン電極)の形状が描画される。
露光装置(図示していない)を用いて、基材2の一方主面側からレジストを露光することによって、レジストに対して回路形状の転写、焼き付けを行う。
レジストに現像液を接触させることによって、各レジストの未露光部分は現像液に対して溶解する。その結果、図20に示すように、レジスト露光部分がマスク層20a、20bとして第2導電層4上に残る。
マスク層は、ドライフィルムレジストや液体レジストで形成することができるが、ドライフィルムレジストで形成されていることが好ましい。マスク層が液体レジストで形成されている場合と比較して、レジストを塗布した後の溶剤乾燥が不要なため、生産性が高められる。
(4)第1導電層および第2導電層をエッチング液に接触させて、第1導電層および第2導電層のマスク層で覆われていない領域を除去することにより、基材の一方主面上に、下側第1電極と下側第1電極上の上側第1電極とを有する第1電極と、下側第2電極と下側第2電極上の上側第2電極とを有しており、第1電極と隣り合って配置されている第2電極と、を形成する工程
第1導電層3および第2導電層4をエッチング液に接触させる。この操作によって、図21に示すように、第1導電層3および第2導電層4のマスク層で覆われていない領域が除去される。このため、基材2の一方主面上に、下側第1電極5Aと下側第1電極5A上の上側第1電極5Bとを有する第1電極5と、下側第2電極6Aと下側第2電極6A上の上側第2電極6Bとを有しており、第1電極5と隣り合って配置されている第2電極6とを形成することができる。
本発明では、下側第1電極5A、上側第1電極5B、下側第2電極6A、上側第2電極6Bを一緒に形成することができるため、下側第1電極5Aに対する上側第1電極5Bの位置ズレや、下側第2電極6Aに対する上側第2電極6Bの位置ズレが抑制される。
1回のエッチングで上側電極と下側電極のエッチング幅を異ならせるためには、第1導電層3に対するエッチングレートと第2導電層4に対するエッチングレートに差があるエッチング液を用いてもよい。特に、上側第1電極5Bおよび上側第2電極6Bをサイドエッチングするためには、エッチング液の第2導電層4に対するエッチングレートが、第1導電層3のエッチングレートよりも大きいことが好ましい。また、上側電極と下側電極のエッチング幅を異ならせるためには、工程(4)に加えて、選択的に上側電極または下側電極をエッチング可能な他のエッチング液を用いる工程(5)を行ってもよい。
(5)第1電極および第2電極を他のエッチング液に接触させて、上側第1電極および上側第2電極の少なくとも一部領域を除去する工程
図22に示すように、マスク層を剥離させない状態で、第1電極5および第2電極6を他のエッチング液に接触させることにより、上側第1電極5Bおよび上側第2電極6Bの少なくとも一部を除去してもよい。ここで用いる他のエッチング液としては、下側第1電極5Aおよび下側第2電極6Aを除去せず、上側第1電極5Bおよび上側第2電極6Bを除去するエッチング液を選択する。これにより、他のマスク層の形成および剥離工程を実施することなく、上側第1電極5Bおよび上側第2電極6Bをサイドエッチングすることができるため、基材2の面方向において、上側第1電極5Bの少なくとも一部が、下側第1電極5Aよりも内側に配置されており、上側第2電極6Bの少なくとも一部が、下側第2電極6Aよりも内側に配置されている能動素子1が得られる。
(6)第1電極および第2電極を覆うマスク層を剥離する工程
第1電極5、第2電極6上に形成されたマスク層を剥離液に接触させて溶解することにより、第1電極5および第2電極6を覆うマスク層を剥離する。その結果、図23に示すように、基材2の一方の主面上に第1電極5と、第2電極6とが形成される。第1電極5および第2電極6は隣り合って形成されている。第1導電層3上に第2導電層4を形成していたため、第1電極5は、第1導電層3から形成された下側第1電極5Aと、第2導電層4から形成された上側第1電極5Bとを有している。また、第1電極5と同様に、第2電極6は、第2導電層4から形成された下側第2電極6Aと、上側第2電極6Bを有している。
(7)基材の一方主面上であって、少なくとも第1電極と第2電極の間の領域を覆うように有機半導体層を形成する工程
基材2の一方主面上であって、少なくとも第1電極5と第2電極6の間の領域を覆うように有機半導体層9を形成する。これにより、第1導電層3および第2導電層4が除去された基材2の一方の主面上に有機半導体層9が形成された能動素子1を製造することができる。なお、工程(5)を実施しない場合には、図2〜図3に示すような能動素子1が得られ、工程(5)を実施した場合には、図5〜図6に示す能動素子1が得られる。
トップゲート型のトランジスタを得るために、工程(7)の後、次の工程(8)を実施することができる。
(8)有機半導体層上に絶縁層を形成し、絶縁層上に第3電極を形成する工程
図24に示すように、有機半導体層9上に絶縁層10を形成する。次いで、図14に示すように絶縁層10上に第3電極11を形成する。ここで、図14、図24は、いずれも工程(5)を実施した場合の例を表している。
このように、工程(8)を実施することにより、第1電極5、第2電極6、第3電極11がそれぞれソース電極、ドレイン電極、ゲート電極に相当するトップゲート型のトランジスタを製造することができる。
また、ボトムゲート型のトランジスタを得るために、工程(1)の前に以下の工程(9)を実施することができる。
(9)基材の一方主面上に第3電極を形成し、第3電極上に絶縁層を形成する工程
基材2を準備し、基材2の一方主面上に第3電極11を形成する。第3電極11の形成は、印刷法やフォトリソグラフィ法を用いることができる。フォトリソグラフィ法を用いる場合には、第1電極5、第2電極6の形成と同様に、第3導電層(図示せず)を形成した後、第3導電層上に所望の形状のマスク層を形成し、第3導電層をエッチング液に接触させることにより、第3電極11を形成する。
次いで、第3電極11上に絶縁層10を形成する。
工程(9)を実施することによって、図15に示すように、第1電極5、第2電極6、第3電極11がそれぞれソース電極、ドレイン電極、ゲート電極に相当するボトムゲート側のトランジスタを製造することができる。ここで、図15は工程(5)を実施した場合の例を表している。
[試料の作製]
能動素子の電極材料を変えて、以下に示す5種類の試料を作製し、それぞれトランジスタ特性(移動度、最大ドレイン電流、伝達特性)を測定した。なお、有機半導体にはジナフトチエノチオフェン(DNTT)を使用した。
(実施例1)
図25は、実施例1に係る能動素子1の断面図を表す。図25は、図8に示す半導体素子の有機半導体層9の上に絶縁層10と第3電極11を形成した構成例を示している。図25に示すように、上側第1電極5Bの少なくとも一部が下側第1電極5Aよりも内側に形成されており、上側第2電極6Bの少なくとも一部下側第2電極6Aよりも内側に形成されているトップゲート型のトランジスタを試料1として作製した。具体的には、基材2としてのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの一方主面上に、チャネル長が53μm、チャネル幅が483μmのソース電極(第1電極)およびドレイン電極(第2電極)をスパッタリングによる成膜とフォトリソグラフィによるエッチングにより形成した。試料1の下側第1電極5Aおよび下側第2電極6Aの材料にはITO、上側第1電極5Bおよび上側第2電極6Bの材料にはCuを用いた。
電極形成後、第1電極5および第2電極6の間の領域と、第1電極5上および第2電極6上に真空蒸着法によってDNTTを成膜し、有機半導体層9を形成した。なお、試料1は、第2電極6側の下側第1電極5Aの端から上側第1電極5Bの端までの距離が基材2の面方向において2μmであり、第1電極5側の下側第2電極6Aの端から上側第2電極6Bの端までの距離が基材2の面方向において2μmであった。
有機半導体層9上には、絶縁層10を形成し、さらに絶縁層10上にゲート電極(第3電極11)を形成した。第3電極11の材料にはCuを用いた。
(実施例2)
図26は、実施例2に係る能動素子1の断面図を表す。図26に示すように、上側第1電極5Bと下側第1電極5Aが略同形状であり、上側第2電極6Bと下側第2電極6Aが略同形状である試料2を作製した。なお、試料2は、DNTTを第1電極5および第2電極6の間の領域と、第1電極5上および第2電極6上に成膜し、有機半導体層9を形成した。上記以外の条件は、試料1の作製と同様であった。
(比較例1)
図27は、比較例1に係る能動素子100の断面図を表す。図27に示すように、第1電極51と第2電極52が単層構造のトップゲート型のトランジスタを試料3として作製した。具体的には、基材50としてのPEN上に第1電極51(ソース電極)と第2電極52(ドレイン電極)をそれぞれ単層構造で形成した。次いで、DNTTを第1電極51と第2電極52の間の領域と、第1電極51上および第2電極52上に成膜し、有機半導体層54を形成した。さらに有機半導体層54上に、絶縁層55を形成し、絶縁層55上に第3電極53(ゲート電極)を形成した。なお、第1電極51、第2電極52の電極材料はITOであり、第3電極53の電極材料はCuであり、その他の条件は試料1と同様であった。
(比較例2)
図28は、比較例2〜比較例3に係る能動素子100の断面図を表す。図28に示すように、基材50としてのPEN上に第3電極53(ゲート電極)を形成し、第3電極53上に絶縁層55を形成した。次いで、絶縁層55上に、第1電極51(ソース電極)と第2電極52(ドレイン電極)をそれぞれ単層構造で形成した。最後にDNTTを第1電極51と第2電極52の間の領域と、第1電極51上および第2電極52上に成膜し、有機半導体層54を形成し、ボトムゲート型のトランジスタ100の試料4を作製した。なお、チャネル長は65μm、チャネル幅は349μm、電極材料はCuであった。
(比較例3)
第1電極および第2電極の電極材料をAuとした以外は試料4と同様に試料5を作製した。
[測定結果]
ゲート電圧−ドレイン電流特性(伝達特性)はKEITHLEY社製、4200−SCS型 半導体パラメータ・アナライザによって測定した。伝達特性の測定条件は、ドレイン電圧が−20V、ゲート電圧が5V〜−20Vであった。移動度は求められた伝達特性から算出した。
表1は、各試料の第1電極および第2電極の種類、チャネル長(μm)、チャネル幅(μm)、移動度(cm2/V・sec)、最大ドレイン電流(A)を表す。
表1より、試料3(ITO)に次いで、試料1(Cu/ITO段差あり)の移動度と最大ドレイン電流が大きかった。また、試料1の移動度と最大ドレイン電流は、試料4(Cu)および試料5(Au)を比較すると、試料1の移動度と最大ドレイン電流は上回っていた。
図29は、ドレイン電圧−20Vを印加し、ゲート電圧を5Vから−20Vまで変化させたときのゲート電圧−ドレイン電流特性(伝達特性)を表す。図29の縦軸はドレイン電流の絶対値(A)であり、横軸はゲート電圧(V)を示している。なお、今回用いたDNTTはp型半導体であるため、ゲート電圧が負の時に流れるドレイン電流の絶対値の値が大きくなっている。試料1(Cu/ITO段差あり)の負電圧領域での伝達特性は、試料3(ITO)には劣るものの、ゲート電圧の値によっては試料4(Cu)を上回っていた。また、表1および図29の試料1(Cu/ITO段差あり)と試料2(Cu/ITO段差なし)の結果から、移動度、最大ドレイン電流、および伝達特性を向上させるためには、上側電極の少なくとも一部を下側電極よりも内側に配置して段差を設けることが好ましいことが分かった。
1:能動素子
2:基材
3:第1導電層
4:第2導電層
5:第1電極
5A:下側第1電極
5B:上側第1電極
6:第2電極
6A:下側第2電極
6B:上側第2電極
9:有機半導体層
10:絶縁層
11:第3電極
20a、20b:マスク層

Claims (13)

  1. 基材と、
    該基材の一方主面上に形成されている下側第1電極と、該下側第1電極上に形成されている上側第1電極と、を含む第1電極と、
    前記基材の一方主面上に形成されている下側第2電極と、該下側第2電極上に形成されている上側第2電極と、を含み、前記第1電極と隣り合って配置されている第2電極と、
    前記基材の一方主面上であって、少なくとも前記第1電極と前記第2電極の間の領域を覆うように形成されている有機半導体層と、を有し、
    前記上側第1電極と前記有機半導体層の間のエネルギー障壁が、前記下側第1電極と前記有機半導体層の間のエネルギー障壁よりも高く、
    前記上側第2電極と前記有機半導体層の間のエネルギー障壁が、前記下側第2電極と前記有機半導体層の間のエネルギー障壁よりも高く、
    前記上側第1電極の導電率が、前記下側第1電極の導電率よりも高く、
    前記上側第2電極の導電率が、前記下側第2電極の導電率よりも高いことを特徴とする能動素子。
  2. 前記基材の面方向において、前記上側第1電極の少なくとも一部が、前記下側第1電極よりも内側に配置されており、
    前記基材の面方向において、前記上側第2電極の少なくとも一部が、前記下側第2電極よりも内側に配置されている請求項1に記載の能動素子。
  3. 前記下側第1電極の端から前記上側第1電極の端までの距離が、前記基材の面方向において1nm以上20μm以下であり、
    前記下側第2電極の端から前記上側第2電極の端までの距離が、前記基材の面方向において1nm以上20μm以下である請求項2に記載の能動素子。
  4. 前記基材の面方向において、前記有機半導体層が、前記下側第1電極上であって前記下側第1電極の端から前記上側第1電極の端の間と、前記下側第2電極上であって前記下側第2電極の端から前記上側第2電極の端の間に配置されている請求項2または3に記載の能動素子。
  5. 前記基材の厚み方向において、前記上側第1電極の少なくとも一部が前記下側第1電極と前記有機半導体層の間に配置されており、
    前記上側第2電極の少なくとも一部が前記下側第2電極と前記有機半導体層の間に配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の能動素子。
  6. 前記上側第1電極、前記下側第1電極、前記上側第2電極、前記下側第2電極は、電極部と、
    該電極部よりも幅狭に形成されている配線部と、をそれぞれ有しており、
    前記基材の面方向において、前記上側第1電極の電極部は、前記下側第1電極の電極部よりも内側に配置されており、
    前記基材の面方向において、前記上側第2電極の電極部は、前記下側第2電極の電極部よりも内側に配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の能動素子。
  7. 前記第1電極と前記第2電極に挟まれている領域が蛇行している請求項1〜6のいずれか一項に記載の能動素子。
  8. 前記下側第1電極および前記下側第2電極の材料がITOであり、前記上側第1電極および前記上側第2電極の材料がCuである請求項1〜7のいずれか一項に記載の能動素子。
  9. 前記有機半導体層上に形成されている絶縁層と、
    該絶縁層上に形成されている第3電極と、を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の能動素子。
  10. 前記基材の一方主面上に形成されている第3電極と、
    該第3電極上に形成されている絶縁層と、を有し、
    前記第1電極、前記第2電極、前記有機半導体層が、前記絶縁層上に形成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の能動素子。
  11. 前記基材の他方主面上に形成されている第3電極を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の能動素子。
  12. 基材の一方主面上に第1導電層を形成する工程と、
    該第1導電層上に第2導電層を形成する工程と、
    前記第2導電層上にマスク層を形成する工程と、
    前記第1導電層および前記第2導電層をエッチング液に接触させて、前記第1導電層および前記第2導電層の前記マスク層で覆われていない領域を除去することにより、前記基材の一方主面上に、下側第1電極と該下側第1電極上の上側第1電極とを有する第1電極と、下側第2電極と該下側第2電極上の上側第2電極とを有しており、前記第1電極と隣り合って配置されている第2電極と、を形成する工程と、
    前記基材の一方主面上であって、少なくとも前記第1電極と前記第2電極の間の領域を覆うように有機半導体層を形成する工程と、を含み、
    前記第2導電層と前記有機半導体層の間のエネルギー障壁が、前記第1導電層と前記有機半導体層の間のエネルギー障壁よりも高く、
    前記第2導電層の導電率が、前記第1導電層の導電率よりも高いことを特徴とする能動素子の製造方法。
  13. 前記有機半導体層を形成する前に、
    前記第1電極および前記第2電極を他のエッチング液に接触させて、前記上側第1電極および前記上側第2電極の少なくとも一部領域を除去する工程を含む請求項12に記載の能動素子の製造方法。
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