JP2017067884A - 光コネクタ用部材および光コネクタ - Google Patents

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【課題】光損失が少なく長期信頼性が高い光コネクタ用部材を提供する。【解決手段】光コネクタ用部材1であって、光ファイバ3が挿通される貫通孔1aを有する、柱状の本体部10を備え、本体部がサファイアからなる。貫通孔の中心軸は、サファイアの単結晶のC軸に平行である。【選択図】図1

Description

本発明は、光コネクタ用部材および光コネクタに関する。
近年、通信における情報量の増大にともない、光ファイバを用いた光通信が多用されている。この光通信において、光ファイバ同士の接続、あるいは光ファイバと各種光素子との接続には光コネクタが用いられている。
例えば光ファイバの光路同士を接続する光コネクタでは、先端面が凸球面状の光ファイバ同士を対向させて当接させている。このような光コネクタは、光ファイバの端部を支持するためのフェルールを備えている。従来の光コネクタには、例えば下記特許文献1に開示されているようなジルコニアを主成分とするフェルールが主に用いられていた。
特開2004−175625号公報
ジルコニアは多結晶セラミックスである為、表面にボイド等の外観不良が発生したり、また脱粒等が発生する場合も比較的多かった。脱粒によってパーティクルが発生した場合など、生じたパーティクルが光コネクタ用部材の組み立て精度に悪影響を及ぼす場合もあった。特に、光ファイバの先端面付近にパーティクルが付着した場合など、このパーティクルによる光の散乱にともなう光損失等が生じる可能性もあった。本願発明は、かかる課題を解決することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、光コネクタ用部材であって、光ファイバが挿通される貫通孔を有する、柱状の本体部を備え、前記本体部がサファイアからなることを特徴とする光コネクタ用部材を提供する。
また、上述の光コネクタ用部材を備えて構成された光コネクタを併せて提供する。
本発明の光コネクタ用部材および光コネクタは、光損失が少なく長期信頼性が高い。
(a)は本発明の光コネクタ用部材の一実施形態であるフェルールの断面図であり、(b)は同図(a)のフェルールを用いた光ファイバ固定具を示す断面図である。 図1に示すフェルールを用いた光コネクタの一実施形態を示す断面図である。
以下本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の光コネクタ用部材の一例であるフェルール1の断面図である。
フェルール1は光コネクタ用部材の一例であって、光ファイバ3が挿通される貫通孔1aを有する、柱状の本体部10を備え、本体部10がサファイアからなる。
本体部10の貫通孔1aの後端側(図1(b)の右側)には、後端に向かうにつれて径が拡大する、内面が円錐形状の拡径部1bを有している。貫通孔1aには光ファイバ3が挿通されるが、拡径部1bがあることで、この光ファイバ3を貫通孔1aに比較的滑らかに挿通することができる。本体部10の外周部1cと先端面1d(図1中の左側の端面)の境界には、スリーブ挿入時にガイド面となる面取部1eを備えている。光ファイバ3は、光ファイバ3の外周面と貫通孔1aの内周面とが、樹脂等を主成分とする接着剤層6を介して接合されている。光ファイバ3は例えば石英等で構成された市販のものを用いることができる。
図1(b)は、図1(a)のフェルール1を用いた光ファイバ固定具を示す断面図である。図1(b)の光ファイバ固定具は、フェルール1と、フェルール1の後端側が嵌合されてフェルール1を支持する支持体2と、光ファイバ3とを備える。支持体2には、本体部10の貫通孔1aと連通する貫通孔2aを有し、光ファイバ3が、貫通孔2aおよび貫通孔1aに連続して挿通されている。図1(b)に示す光ファイバ3では、支持体2に支持される部分は例えば樹脂からなる被覆層を備えている。より具体的には、光ファイバ3は、主にΦ0.25(mm)やΦ0.9(mm)のものを使用することができる。この光ファイバ3は、石英からなる芯部分に樹脂層が被覆されている。図1(b)に示す光ファイバ固定具では、本体部10の貫通孔1aに挿入される部分は、光ファイバ3は樹脂から
なる被服部分が機械的に除去されている。支持体2の貫通孔2aと光ファイバ3(の被覆層)との間は接着剤で充填されるか、場合によってはフリーな状態(空間)でもよい。また、この被覆層は樹脂ではなく金属等で構成されていてもよい。
図2はフェルール1を用いて構成された光コネクタ11の断面図を示す。光コネクタ11は、2つの(一対の)フェルール1と、金属製のスリーブ4とを備えている。光コネクタ11では、2つの光ファイバ固定具のそれぞれのフェルール11の先端をスリーブ4の両端からそれぞれ挿入し、バネ等で押圧して先端面1d同士を当接させることによって、光ファイバ3の光路同士の接続を行っている。このスリーブ4には軸方向にスリットを有することにより、フェルール1を弾性的に保持するものや、内周面に3箇所程度の凸部を形成し凸部でフェルール1を支持していてもよい。
フェルール1(本体部10)を構成するサファイアはアルミナの単結晶であり、サファイアからなるとはサファイアを50質量%以上含有することをいう。サファイアの熱膨張係数は例えば約7.7×10−6/℃であり、例えばジルコニアの熱膨張係数(10.5×10−6/℃以上)に比べて、石英等の光ファイバ3の熱膨張係数(約0.5×10−6/℃)により近い。このため、使用環境下で温度変化が生じた場合も、本体部10と光ファイバ3との熱膨張差にともなう熱応力が比較的小さい。そのため、熱応力によって本体部10から光ファイバ3が離れて隙間が生じたり、光ファイバ3が変形して屈折することが抑制されている。またサファイアは機械強度も強く熱的衝撃にも強いので、外力や温度変化にともなう本体部10の損傷も抑制されており、この点でもフェルール1および光コネクタ11の長期信頼性が高い。
また、本体部10が単結晶であるサファイアからなるので、例えば本体部10が複数の結晶粒子が焼結したジルコニア等の多結晶セラミックスからなる場合と比べて、本体部10からの脱粒等による外観不良等が発生し難い。脱粒等が発生し難いので、コネクタに組み立てた際、これら脱粒した粒子等のパーティクルに起因した接続損失を生じ難く、光の減衰が抑制される。
また本体部10をジルコニアで構成した場合、支持体2に本体部10を圧入した場合など、本体部10の外周面にかかる圧力によって貫通孔1aの内周面の径が変化する場合もあった。本実施形態では本体部10がサファイアからなるので、本体部10をジルコニアで構成した場合とくらべて硬度が高く、本体部10の外周面に圧力がかかっても、内周面の径の変化は比較的小さい。このため本実施形態では、使用時に光ファイバ3にかかる力自体が非常に小さく、長期信頼性が高い。
また本体部10をジルコニアで構成した場合、本体部10の貫通孔1aと光ファイバ3との接合には、熱硬化型の接着剤が用いられていた。熱硬化型の接着材の場合、接着の為に温度を上げる必要があり、製造過程で余分な熱応力が生じ、フェルール1に残留熱応力が生じる場合があった。このような残留熱応力によって光ファイバ3が変形した場合など、光損失が大きくなっていた。これに対して、サファイアは透光性が高く、光硬化型の接着剤を用いて簡単に貫通孔1aに光ファイバ3を固定することができる。この接着過程でかかる熱応力は非常に小さく、フェルール1に生じている残留熱応力も非常に小さいので、熱に起因した光損失がさらに抑制されている。また、本体部10の透光性が高いので、本体部10内の光ファイバ3に発生した破損や屈曲を、人物が観察することで容易に発見することができるので、故障も比較的容易に発見することができ、メンテナンス性も高い。これらの点でもフェルール1および光コネクタ11の長期信頼性は比較的高い。そのため、フェルール1は本体部10がサファイアからなり、接着剤層6は光硬化型接着剤が硬化されたものであるのが好ましい。
またフェルール1では、貫通孔1aの中心軸は、サファイアの単結晶のC軸に平行であ
る。ここで平行であるとは、中心軸とC軸とのなす角の絶対値が5°未満であることをいう。本体部1の先端面1dは上記中心軸と交わり、先端面1dは中心1aと略垂直な状態となる。貫通孔1aの中心軸がサファイアの単結晶のC軸に平行であるので、本体部10
の先端面1dはサファイア単結晶の結晶面の1つのC面に略平行となっている。サファイアの単結晶は異方性をもつ結晶構造となっており、A面、M面、C面などの主要な結晶面は、原子の配列状態が互いに異なっている。C面は、これらの結晶面の中でも耐摩耗性が比較的高く、欠け等も発生し難い。貫通孔1aの中心軸が、サファイアの単結晶のC軸に
平行であることで、コネクタ11のように先端面1d同士を当接(圧接)させて用いた場合も、先端面1dひいては本体部10の摩耗や破損等が抑制されている。この点でも、光路の変動や、細かいゴミなどに起因した光損失が抑制されている。
以下、本体部10について、それぞれ異なる表面状態をもつ複数の実施形態をそれぞれ説明しておく。
《表面状態に関する第1の実施形態》
例えばジルコニア等の多結晶セラミックスの場合は、微小な粒子の集合体であるため、研磨を進めても微小な粒子の脱粒が促進される結果となり、研磨によって表面粗さを低減するには限界があり、例えば表面粗さRaを0.01μm以下にすることが困難であった。一方、単結晶であるサファイアの場合、研磨プロセスは原子レベルでの加工になり、研磨条件を調整することで、表面粗さRaを0.01μm以下、例えばRaを0.005μm以下にすることも可能である。第1の実施形態のフェルール1は、研磨によって表面が高精度に平滑化されており、本体部10の表面は、算術平均粗さRaが0.0001μm以上かつ0.01μm以下である表面領域を有する。第1の実施形態の本体部10は、表面の全ての領域が上記状態になっている。算術平均粗さRaは、2001年度改訂版のJIS規格B0601に準拠する値である。同様に、後述する粗さ曲線要素の平均長さRsm、および粗さ曲線の最大高さRzも、2001年度改訂版のJIS規格B0601に準拠する値である。これらの算術平均粗さRa、および粗さ曲線要素の平均長さRsm、粗さ曲線の最大高さRzは、例えばキーエンス社製レーザー顕微鏡装置VK−9510等を用いて測定することができる。第1の実施形態の本体部10は、サファイアを主成分とする基本部材を、超音波加工機やボール盤、平面研削盤やラッピング装置等の加工機を用いて、表面を成形・研磨することで形成することができる。第1の実施形態の本体部10は、表面の全ての領域が上記状態になっていることを限定するものではなく、表面の一部のみが、算術平均粗さRaが0.0001μm以上かつ0.01μm以下であってもよい。
例えば貫通孔1aの内周面も、遊離砥粒を付着させた金属ワイヤを摺動させて行う機械研磨または化学機械研磨等の研磨処理によって表面粗さを0.0001μm以上かつ0.01μm以下のレベルに低減することができる。本体部10がサファイアからなり、特に貫通孔1aの内周面の表面粗さを低減することで、貫通孔1aに光ファイバ3を挿通する際の抵抗を抑制することができる。また貫通孔1aの内周面の凹凸等に起因して光ファイバ3が損傷することを抑制することができ、光の損失も抑制することができる。また本体部10の外周面の表面粗さを低減することで、図2に示すコネクタ11を構成するためにフェルール1(の本体部10)を支持体2に組み込む(挿入する)際の、フェルール1(の本体部10)と支持体2との間の摩擦が小さくなるので、スムーズに挿入することができる。
《表面状態に関する第2の実施形態》
また、他の実施形態として、本体部10の表面が、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上であってもよい。
この実施形態では、本体部10は、算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きな表面粗さを有する。一方で、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上と比較的大きい表面領域を有する。粗さ曲線要素の平均長さRsmは、いうなれば表面のうねりの周期の大きさの程度を表しており、このRsmの値よりも細かい周期の凹凸は比較的少ない。可視光線の波長領域は約0.3μm〜0.8μmであり、例えばある透光体の表面に、約0.3μm〜0.8μm程度の周期をもつ凹凸があれば、この凹凸は可視光線を積極的に散乱させる。この透光体の表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.3μm〜0.8μmに近いほど、可視光線を積極的に散乱させる凹凸が多い。すなわち、ある透光体の表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.3μm〜0.8μmに近いほど、この透光体を透過する光は散乱されて、観察者からは白く濁ったように視認される傾向にある。
この実施形態の本体部10は、表面粗さが0.1μm程度と比較的大きく、かつ、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上と比較的大きくなっているので、本体部10を透過する光の散乱が少ない。このため、表面粗さRaが0.1μm以上と比較的大きい状態でも、貫通孔1a内の光ファイバ3等の状態をよく観察することができる。
本体部10は、サファイアを主成分とする基本部材を、超音波加工機やボール盤、平面研削盤やラッピング装置等の加工機を用いて加工して形成することができるが、サファイアを主成分とする部材を加工した後に簡単に研磨しただけでは、加工および研磨後の表面には、0.3〜0.8μm程度の周期の凹凸が比較的多く存在し、加工および研磨後の表面は、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm未満と比較的小さい。また、数μmの高さを有する凹凸も大きく、粗さ曲線の最大高さRzも2.5μm以上と比較的大きい。本実施形態の本体部10は、加工および研磨後の表面状態を改質する後述する工程によって得られるものである。
このような本体部10は上述のように光の散乱が少ない。具体的には、本体部10は全ての表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上でありながら、透過する光線についてのヘイズ率が70%未満である。ここでヘイズ率とは、1981 年に制定のJISK710
5に準拠する値である(なお、JIS規格では「ヘーズ値」とも呼ばれている)。また、
後述する全透過率Ttおよび直接透過率Tpの値も、同様に2000年度改訂版のJIS規格K7136に準拠する値である。これらヘイズ率や全透過率Ttおよび直接透過率Tpの値は、例えばスガ試験機株式会社製ヘイズメーター装置HGM−2B等を用いて測定することができる。
本体部10はまた、透過する光線についての全透過率Ttが80%以上である。本体部10は元々透過率の高いサファイアを主成分とするとともに、表面における光の散乱が少ないので透過率Ttが大きくなっており、このため観察者は、貫通孔1aに配置された光ファイバ3の状態を比較的明確に視認することができる。
本体部10は、表面の全ての領域が上記状態になっていることを限定するものではなく、表面の一部のみが、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域となっていてもよい。また、保持部材4およびケース部材8のいずれか一方のみが上記各特性(表面性状)を有していてもよい。
以下、第2の実施形態の本体部10の製造方法の一実施形態について説明しておく。本実施形態は、サファイアを主成分とする基本部材を加工し、加工した表面を算術平均粗さRaを0.1μm以上、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm未満とする工程(加工工程)と、加工した基本部材を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを有する。
サファイアを主成分とする基本部材は、例えばEFG法等の結晶成長方法で育成されたアルミナ単結晶であるサファイアからなる。加工工程では、この基本部材を本体部10に対応する形状に加工していく。
具体的には、例えば運動する砥石の表面に被加工体を摺接させてこの被加工体を研削する平面研削盤を用いて本体部10の形状を整えつつ外面(研削外面)を形成していく。これら研削外面は、硬度が高いサファイアを機械的加工によって削り出した状態の面となっている。基板状のサファイア以外は、表面を高精度に平坦化させる研磨技術等は確立されておらず、これら研削外面は、算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きい(表面が粗い)。
また研削外面は、アルミナの単結晶であるサファイアが機械的に破壊されて非常に細かい割れやヒビが無数に存在しているので、粗さ曲線要素の平均長さRsmは7μm未満と比較的小さくなっている。このため、この加工工程の直後は、本体部10を透過する光は、これら研削外面で散乱されて、観察者からは白く濁ったように視認されてしまう。このような細かい割れやヒビは、引き続いて高精度の研磨を時間をかけて行うことで除去することができる。第1の実施形態の本体部10は、このような高精度の研磨によって形成することができる。
一方、第2の実施形態では、このような加工工程の後に、加工した基本部材(加工体)を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを行うことで、研削外面との表面状態を変化させる。なお本実施形態では、これら加熱工程および徐冷工程を、加工後の基本部材を希ガス雰囲気中に配置した状態で行う。
加熱工程は、加工体を加熱炉内に配置して行う。加熱工程ではまず、加熱炉のチャンバー内に加工体を配置し、チャンバー内を希ガスであるアルゴン(Ar)ガスで置換する。その後、約14(時間)かけてチャンバー内の温度を徐々に1950℃まで昇温させ、1950℃の状態で約5(時間)維持する。サファイアの融点は約2070℃程度である。加熱工程ではこのように、加工体をサファイアの融点に近い温度に昇温させて長時間維持する。この加熱工程によって、サファイアからなる加工体の最表面部分は、一部が溶融するなど原子単位で移動し易い状態となり、原子位置の再配列が進行していく。この過程において、加工工程において表面に形成された、サファイアが機械的に破壊されてできた非常に細かい割れやヒビ等は修復されていく(その隙間が埋まっていく)と考えられる。また、表面エネルギーのポテンシャルが小さくなるように、すなわち表面積が小さくなるように原子の再配列が進行することで、非常に細かい凹凸は平坦化されていくと考えられる。
このような加熱工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度する。このように長時間かけて徐々に冷却することで、最表面の結晶化が進行する。すなわち、加工工程によって機械的に破壊された結晶部分が、その破壊部分の下層の結晶部分に対応するように再度結晶化されていく。このように長時間かけてゆっくりと徐冷して再結晶化を促進することで、結晶が破壊されてできた細かい割れやひびや凹凸等はより平坦化される。
加工工程後の加工体に、このような加熱工程と徐冷工程とを施すことで、研削外面は表面状態が変化して、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上となる。このように加熱炉を用いた加熱・徐冷工程では、複数の加工体を同時に加熱・徐冷できるので、光の散乱が少ないサファイア部材を比較的安価に量産することができる。
加熱工程における温度は1950℃に限定されないが、ヘイズ率を低下させるには1800℃以上であることが好ましい。また、加熱炉内の雰囲気は限定されないが、ヘイズ率をより確実に低減するには、加工後の基本部材をアルゴン(Ar)ガス等の希ガス雰囲気に配置して加熱工程と徐冷工程とを実施することが好ましい。サファイア部材10は、サファイアを主成分とし、ステップ部と、幅が1μm以上のテラス部とが交互に繰り返し並んだ周期的段差構造を有する表面領域を有する。この表面領域は、算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが1.9μm以上となっていることが好ましい。
このような加熱・徐冷処理を経て製造したサファイア部材は、表面にX線を照射して測定されるアルミナ単結晶を示すX線回折ピークの半値幅が、加工直後に比べて加熱・徐冷後の方が顕著に小さくなる(結晶性が高くなる)。これは、加工工程で破壊された最表面層の結晶が、加熱・徐冷によって再結晶化されるからである。また、この加熱・徐冷工程による表面の再結晶化によって、表面部分を中とした機械強度が向上する。加えて、加熱・徐冷工程によって表面の細かい傷やヒビが修復されることで、温度上昇と下降を繰り返した場合も、すなわち熱衝撃が加わった場合も、この熱衝撃による割れや欠け等が発生し難い。第2の実施形態のサファイア部材10は、高精度の研磨を行わない比較的少ない工程でも(比較的安価でありながら)高い透明性を有し、かつ表面の機械強度も高く、長期信頼性も高い。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
1 フェルール
1a 貫通孔
1b 拡径部
1c 外周部
1d 先端面
2 支持体
3 光ファイバ
10 本体部

Claims (5)

  1. 光コネクタ用部材であって、
    光ファイバが挿通される貫通孔を有する、柱状の本体部を備え、
    前記本体部がサファイアからなることを特徴とする光コネクタ用部材。
  2. 前記貫通孔の中心軸は、前記サファイアの単結晶のC軸に平行であることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用部材。
  3. 前記本体部の表面は、算術平均粗さRaが0.0001μm以上かつ0.01μm以下である表面領域を有することを特徴とする請求項1または2記載の光コネクタ用部材。
  4. 前記本体部の表面は、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域を有することを特徴とする請求項1または2記載の光コネクタ用部材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光コネクタ用部材を備えて構成された光コネクタ。
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