JP2017054037A - 光ファイバカプラ部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】気密性が比較的高く、耐久性が比較的高い光ファイバカプラ部材を提供する。
【解決手段】複数の光ファイバ11が一体化した、光分岐結合部2を有する本体部10と、光分岐結合部2を間に挟む位置で本体部10を保持する一対の保持部材4と、本体部10の光分岐結合部2および保持部材4を覆うケース部材8とを備え、保持部材4はサファイアからなり、光ファイバ11と保持部材4とが金属接合部12を介して接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバカプラ部材に関する。
光通信に使用する光ファイバカプラ部材は、複数の光ファイバが一体化した、光分岐結合部を有する本体部と、この光分岐結合部を間に挟む位置で本体部を保持する一対の保持部材と、本体部の光分岐結合部および保持部材を覆うケース部材とを備えて構成されたものがある。このような光ファイバ部材は、例えば屋外または海中等の厳しい環境下で使用される場合がある。このような厳しい環境での信頼性を長期にわたって確保するには、特に光ファイバが結合した光分岐結合部分が外気や外部の水分に曝されることを抑制する必要があり、光分岐結合部材(の光ファイバ)と保持部材との間をなるべく隙間なく(気密性が高い状態で)、強固に接合することが望まれている。
例えば特許文献1には、保持部材をステンレス等の金属で構成し、保持部材と光ファイバ表面の金属コート層とを半田等の金属製接合部で接合した光ファイバカプラ部材が提案されている。
特開2001−91786号公報
保持部材と金属コート層とを例えば半田づけで接合した部分は、気密性が高く接合強度が比較的高くなる。しかし、光ファイバは二酸化珪素等を主成分としており、ステンレス等の保持部材に比べて熱膨張係数が著しく低い。このため、使用環境下で温度変化が生じた場合など、ステンレス等の保持部材と光ファイバ自身との熱膨張差によって比較的大きな応力が発生し、保持部材から光ファイバが離れて隙間が生じたり、光ファイバが変形して屈折する場合などがあった。本願発明は、かかる課題を解決することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の光ファイバが一体化した、光分岐結合部を有する本体部と、前記光分岐結合部を間に挟む位置で前記本体部を保持する一対の保持部材と、前記本体部の前記光分岐結合部および前記保持部材を覆うケース部材とを備え、前記保持部材はサファイアからなり、前記光ファイバと前記保持部材とが金属接合部を介して接合されていることを特徴とする光ファイバカプラ部材を提供する。
本発明の光ファイバカプラ部材は、気密性が比較的高く、耐久性が比較的高い。
(a)は本発明の光ファイバカプラ部材の一実施形態の斜視図であり、(b)は断面図である。
以下本発明の実施形態を説明する。図1は光ファイバカプラ部材の一実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 本発明の光ファイバカプラ部材1は、複数の
光ファイバ11が一体化した光分岐結合部2を有する本体部10と、光分岐結合部2を間に挟む位置で本体部10を保持する一対の保持部材4と、本体部10の光分岐結合部2および保持部材4を覆うケース部材8とを備え、保持部材4はサファイアからなり、光ファイバ11と保持部材4とが金属接合部12を介して接合されている。本実施形態の光ファイバカプラ部材1は、光ファイバ11の光分岐結合部2の近傍が固定された固定基板6と、ケース部材8の端部を塞ぐ保護キャップ9等をさらに備えている。
本体部10は、光ファイバカプラ部材1の、複数本の光ファイバ11を融着して一体化し、融着部分を延伸してテーパー状にした部分を含んでいる。この融着テーパー部が光分岐結合部2であり、例えば、一方の光ファイバ11から入力した光信号を分岐、結合し、他方の光ファイバ11へ伝送する部分である。光ファイバ11は例えばいわゆる石英光ファイバであり、本実施形態の光ファイバ11は、周面に配置された金属コート層11αを備えている。金属コート層11αは例えばニッケル層の上に金層が積層された層であり、金属コート層11αつきの光ファイバ11として、市販されているものを用いることができる。この金属コート層11αは金属接合部13を介して保持部材4に接合する際に、金属接合部13となる溶融した半田等の金属接合材の濡れ性を確保して接合性を高めるためのものである。
光ファイバ11が固定される固定基板6は、光ファイバ11と同一もしくは特性の類似した石英、結晶化ガラス等を用いることが好ましい。固定基板6と光ファイバ11は、複数箇所で接着剤7を介して接合されている。接着剤7は、例えばエポキシ系やアクリレ−ト系の、熱硬化型接着剤や光硬化接着剤を用いればよく、特に限定されない。
本実施形態の光ファイバカプラ部材10は、保持部材4がサファイアからなる。保持部材4の光ファイバ11と対向する表面には、図示しない金属層が形成されている。この金属層は、金属コート層11αと同様に、金属接合部13を介して保持部材4に接合する際の、金属接合部13となる溶融した半田等の金属接合材の濡れ性を確保して接合性を高めるためのものである。保持部材4の表面の金属層は、例えばモリブデン−マンガンメタライズ層(Mo-Mnメタライズ層)にニッケルメッキ層が積層されたもの等を使用するこ
とができる。保持部材4の表面の金属層についてその種類は特に限定されない。本実施形態では、光ファイバ11の金属コート層11αと保持部材4の図示しない金属層とが、例えば半田等の金属接合部12を介して接合されている。
サファイアはアルミナの単結晶であり、サファイアからなるとはサファイアを50質量%以上含有することをいう。サファイアの熱膨張係数は例えば約7×10−6/℃であり、例えばステンレス等の金属の熱膨張係数(ステンレスで10×10−6/℃以上)に比べて、石英等の光ファイバ11の熱膨張係数(約6×10−7/℃)により近い。このため、使用環境下で温度変化が生じた場合も、保持部材4と光ファイバ11との熱膨張差にともなう熱応力が比較的小さくなる。そのため、熱応力によって保持部材4から光ファイバ11が離れて隙間が生じたり、光ファイバ11が変形して屈折することが抑制される。またサファイアは機械強度も強く熱的衝撃にも強いので、外力や温度変化にともなう保持部材4の損傷も抑制されており、この点でも光ファイバカプラ1の長期信頼性が高い。
ケース部材8は、本体部10の光分岐結合部2および保持部材4を覆い、保持部材4と接合されている。これにより、光分岐結合部2を外部環境から保護することになる。ケース部材8は、例えば、図1に示す例のような円筒状のもので、光分岐結合部2および固定基板6をその中央部に収容し、両端部内面がそれぞれ保持部材4と接合され、両端面には貫通孔を有する保護キャップが接合されており、この貫通孔から光ファイバ11が延出している。
また、ケース部材8は、光分岐結合部2を外部環境から保護することができるものであればよく、ステンレス等の金属や樹脂等で構成されていてもよいが、ケース部材8がサファイアからなり、ケース部材8と保持部材4とが例えば半田等の金属接合部13を介して接合されているのが好ましい。この場合も、上述の保持部材4の場合と同様に、サファイアからなる保持部材4とケース部材8との熱膨張差による熱応力を抑制し、この熱応力によってケース部材8と保持部材4とが離れて隙間が生じたり、ケース部材8や保持部材4が変形することが抑制される。保持部材4に設けられる金属層と同様の理由で、ケース部材8の、保持部材4と対向する表面にも図示しない金属層が設けられている。この金属層も例えばモリブデン−マンガンメタライズ層(Mo-Mnメタライズ層)にニッケルメッキ層が積層されたもの等を使用することができ、その種類は特に限定されない。
また、ケース部材8をサファイアで構成した場合、サファイアは透明であるので、ケース部材8の内部で発生した損傷等を、外部から観察することで比較的容易に発見できる。例えば光ファイバ11の断線や、固定基板6や保持部材4からの光ファイバ11の離脱などを、目視による観察でも容易に発見することができる。
硬度に関してもサファイアは、ステンレス等の金属と比較しても強い。例えばビッカーズ硬度比較では、ステンレスが例えば187、サファイアが例えば2300と10倍も異なる。保持部材4やケース部材8がサファイアである光ファイバカプラ10は、例えば海中等の高圧力環境下や高真空環境等でも損傷し難く比較的信頼性が高い。
図1に示す実施形態では、保持部材4とケース部材8のいずれもサファイアで構成されているが、この実施形態に限定されず、保持部材4とケース部材8とのいずれか一方をサファイアで構成することで、光ファイバカプラ部材10の信頼性を比較的高くすることができる。光ファイバカプラ部材10の信頼性を高める点で、保持部材4とケース部材8のいずれもサファイアで構成されていることが好ましい。
保護キャップ9は、ケース部材8の端面に例えば半田等の金属接合部14を介して接合されている。保護キャップ9は、ケース部材8と一体となることで強度を高め、ケース部材8の端面における機密性を向上させるとともに、光ファイバ11をケース部材8から外部へ導出するガイド部材としての機能も持つ。また、保護キャップ9もステンレス等の金属や樹脂等で構成されていてもよいが、サファイアで構成されるのが好ましく、この場合も、接合される面には図示しない金属層を備える。この場合も、上述のように気密性や機械強度が比較的高い点で好ましく、また視認性が高まる点でも好ましい。
ケース部材8や保護キャップ9の材質は本発明の範囲において特に限定されず、一部が金属や樹脂等でもよい。
光ファイバ11と保持部材4との間の金属接合部12、保持部材4とケース部材8との間の金属接合部13、ケース部材8と保護キャップ9との間の金属接合部14は、それぞれ同じ材質の半田でもよいし、例えば融点がそれぞれ異なる、それぞれ異なる材質の半田であってもよい。光ファイバ11と保持部材4とケース部材8との接合は、それぞれ同時に一体的に接合、すなわち金属接合部12、13、14と同時に形成するように接合してもよい。または、光ファイバ11と保持部材4との接合、保持部材4とケース部材8との間の接合、ケース部材8と保護キャップ9との間を順次実施してもよく、この場合、工程上の都合にあわせて、金属接合部12、金属接合部13、金属接合部14を、それぞれ異なる材質でそれぞれ異なる融点としておくことが好ましい。金属接合部12、金属接合部13、金属接合部14は半田であることに限定されない。また金属接合部12,13、14は半田に限定されず、例えば銀を主成分とするろう材を溶融して固化した金属層などであってもよく特に限定されない。金属接合部12、13、14の一部を金属と異なる材料で構成する場合など、接合部材としては、エポキシ系、アクリレ−ト系等の接着剤等を用いることができる。
なお、本実施形態においてサファイアで構成されている保持部材4とケース部材8とは、表面が、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上である。
算術平均粗さRaは、2001年度改訂版のJIS規格B0601に準拠する値である。同様に、後述する粗さ曲線要素の平均長さRsm、および粗さ曲線の最大高さRzも、2001年度改訂版のJIS規格B0601に準拠する値である。これらの算術平均粗さRa、および粗さ曲線要素の平均長さRsm、粗さ曲線の最大高さRzは、例えばキーエンス社製レーザー顕微鏡装置VK−9510等を用いて測定することができる。
保持部材4やケース部材8は、サファイアを主成分とする基本部材を、超音波加工機やボール盤、平面研削盤やラッピング装置等の加工機を用いて加工して形成すればよい。保持部材4と筐体8とは単純な基板状ではないので、基板状のサファイアに用いることができる高精度な研磨技術を用いることができない。このため、超音波加工機やボール盤等を用いて表面を研削した後に、研磨剤等で簡単に研磨された状態となっており、表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きい。
保持部材4やケース部材8は、算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きな表面粗さを有する。一方で、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上と比較的大きい表面領域を有する。粗さ曲線要素の平均長さRsmは、いうなれば表面のうねりの周期の大きさの程度を表しており、このRsmの値よりも細かい周期の凹凸は比較的少ない。可視光線の波長領域は約0.3μm〜0.8μmであり、例えばある透光体の表面に、約0.3μm〜0.8μm程度の周期をもつ凹凸があれば、この凹凸は可視光線を積極的に散乱させる。この透光体の表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.3μm〜0.8μmに近いほど、可視光線を積極的に散乱させる凹凸が多い。すなわち、ある透光体の表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.3μm〜0.8μmに近いほど、この透光体を透過する光は散乱されて、観察者からは白く濁ったように視認される傾向にある。
保持部材4およびケース部材8は、表面粗さが0.1μm程度と比較的大きく、かつ、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上と比較的大きくなっているので、保持部材4およびケース部材8は、この保持部材4およびケース部材8を透過する光の散乱が少ない。このため、ケース部材8内に配置された光ファイバ11等の状態や、保持部材4と接合した金属接合部12の状態をケース部材8の外側からよく観察することができる。
保持部材4およびケース部材8はまた、表面の粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満である。粗さ曲線の最大高さは、表面の凹凸の高さの程度を表しており、この凹凸の高さが大きいほど、凹凸部分を通過する光の距離が大きくなるので、光が凹凸部分を屈折する回数が増加して散乱の程度がより大きくなってしまう傾向にある。保持部材4およびケース部材8では、粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満であるので、この保持部材4およびケース部材8を透過する光の散乱がより少なくされている。
サファイアを主成分とする部材を加工(研削等)した後に簡単に研磨しただけでは、加工および研磨後の表面には、0.3〜0.8μm程度の周期の凹凸が比較的多く存在し、加工および研磨後の表面は、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm未満と比較的小さい。また、数μmの高さを有する凹凸も大きく、粗さ曲線の最大高さRzも2.5μm以上と比較的大きい。このようなサファイア部材は、加工および研磨後の表面状態を改質する後述する工程によって初めて得られるものである。
このようなでは保持部材4およびケース部材8は上述のように光の散乱が少ない。具体的には、保持部材4およびケース部材8では、全ての表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上でありながら、透過する光線Lについてのヘイズ率が70%未満である。ここでヘイズ率とは、1981 年に制定のJISK7105に準拠する値である(なお、JIS
規格では「ヘーズ値」とも呼ばれている)。また、後述する全透過率Ttおよび直接透過率Tpの値も、同様に2000年度改訂版のJIS規格K7136に準拠する値である。これらヘイズ率や全透過率Ttおよび直接透過率Tpの値は、例えばスガ試験機株式会社製ヘイズメーター装置HGM−2B等を用いて測定することができる。
保持部材4およびケース部材8はまた、透過する光線Lについての全透過率Ttが80%以上である。保持部材4およびケース部材8は元々透過率の高いサファイアを主成分とするとともに、表面における光の散乱が少ないので透過率Ttが大きくなっており、このため観察者は、ケース部材8内に配置された光ファイバ11の状態や、保持部材4に接合した接合部材12の状態を比較的明確に視認することができる。
保持部材4およびケース部材8は、表面の全ての領域が、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域となっていたが、本願のサファイア部材は、表面の全ての領域が上記状態になっていることを限定するものではなく、表面の一部のみが、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域となっていてもよい。また、保持部材4およびケース部材8のいずれか一方のみが上記各特性(表面性状)を有していてもよい。
以下、保持部材4およびケース部材8のうち、保持部材4の製造方法の一実施形態について説明しておく。ケース部材8と保持部材4とはその形状が異なっているが、加工工程での加工方法および加工後の最終形状以外は、保持部材4と同様の工程で製造することができる。
本実施形態は、サファイアを主成分とする基本部材を加工し、加工した表面を算術平均粗さRaを0.1μm以上、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm未満とする工程(加工工程)と、加工した基本部材を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを有する。
サファイアを主成分とする基本部材は、例えばEFG法等の結晶成長方法で育成されたアルミナ単結晶であるサファイアからなる。加工工程では、この基本部材を保持部材4に対応する形状に加工していく。
具体的には、例えば運動する砥石の表面に被加工体を摺接させてこの被加工体を研削する平面研削盤を用いて保持部材4の形状を整えつつ外面(研削外面)を形成していく。これら研削外面は、硬度が高いサファイアを機械的加工によって削り出した状態の面となっている。基板状のサファイア以外は、表面を高精度に平坦化させる研磨技術等は確立されておらず、これら研削外面は、算術平均粗さRaが0.1μm以上と比較的大きい(表面が粗い)。
また研削外面は、アルミナの単結晶であるサファイアが機械的に破壊されて非常に細かい割れやヒビが無数に存在しているので、粗さ曲線要素の平均長さRsmは7μm未満と比較的小さくなっている。このため、この加工工程の直後は、保持部材4を透過する光は、これら研削外面で散乱されて、観察者からは白く濁ったように視認されてしまう。
本実施形態では、このような加工工程の後に、加工した基本部材(加工体)を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、加熱する工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度させる工程(徐冷工程)とを行うことで、研削外面との表面状態を変化させる。なお本実施形態では、これら加熱工程および徐冷工程を、加工後の基本部材を希ガス雰囲気中に配置した状態で行う。
加熱工程は、加工体を加熱炉内に配置して行う。加熱工程ではまず、加熱炉のチャンバー内に加工体を配置し、チャンバー内を希ガスであるアルゴン(Ar)ガスで置換する。その後、約14(時間)かけてチャンバー内の温度を徐々に1950℃まで昇温させ、1950℃の状態で約5(時間)維持する。サファイアの融点は約2070℃程度である。加熱工程ではこのように、加工体をサファイアの融点に近い温度に昇温させて長時間維持する。この加熱工程によって、サファイアからなる加工体の最表面部分は、一部が溶融するなど原子単位で移動し易い状態となり、原子位置の再配列が進行していく。この過程において、加工工程において表面に形成された、サファイアが機械的に破壊されてできた非常に細かい割れやヒビ等は修復されていく(その隙間が埋まっていく)と考えられる。また、表面エネルギーのポテンシャルが小さくなるように、すなわち表面積が小さくなるように原子の再配列が進行することで、非常に細かい凹凸は平坦化されていくと考えられる。
このような加熱工程の後、6時間以上かけて室温まで降温度する。このように長時間かけて徐々に冷却することで、最表面の結晶化が進行する。すなわち、加工工程によって機械的に破壊された結晶部分が、その破壊部分の下層の結晶部分に対応するように再度結晶化されていく。このように長時間かけてゆっくりと徐冷して再結晶化を促進することで、結晶が破壊されてできた細かい割れやひびや凹凸等はより平坦化される。
加工工程後の加工体に、このような加熱工程と徐冷工程とを施すことで、研削外面は表面状態が変化して、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上となる。このように加熱炉を用いた加熱・徐冷工程では、複数の加工体を同時に加熱・徐冷できるので、光の散乱が少ないサファイア部材を比較的安価に量産することができる。
加熱工程における温度は1950℃に限定されないが、ヘイズ率を低下させるには1800℃以上であることが好ましい。また、加熱炉内の雰囲気は限定されないが、ヘイズ率をより確実に低減するには、加工後の基本部材をアルゴン(Ar)ガス等の希ガス雰囲気に配置して加熱工程と徐冷工程とを実施することが好ましい。
他の実施形態のサファイア部材は、サファイアを主成分とし、ステップ部と、幅が1μm以上のテラス部とが交互に繰り返し並んだ周期的段差構造を有する表面領域を有する。この表面領域は、算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが1.9μm以上となっている。
このような加熱・徐冷処理を経て製造したサファイア部材は、表面にX線を照射して測定されるアルミナ単結晶を示すX線回折ピークの半値幅が、加工直後に比べて加熱・徐冷後の方が顕著に小さくなる(結晶性が高くなる)。これは、加工工程で破壊された最表面層の結晶が、加熱・徐冷によって再結晶化されるからである。また、この加熱・徐冷工程による表面の再結晶化によって、表面部分を中とした機械強度が向上する。加えて、加熱・徐冷工程によって表面の細かい傷やヒビが修復されることで、温度上昇と下降を繰り返した場合も、すなわち熱衝撃が加わった場合も、この熱衝撃による割れや欠け等が発生し難い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
1 光ファイバカプラ部材
2 光分岐結合部
4 保持部材
6 固定基板
8 ケース部材
9 保護キャップ
10 本体部
11 光ファイバ
11α 金属コート層
12、13、14 金属接合部

Claims (3)

  1. 複数の光ファイバが一体化した、光分岐結合部を有する本体部と、
    前記光分岐結合部を間に挟む位置で前記本体部を保持する一対の保持部材と、
    前記本体部の前記光分岐結合部および前記保持部材を覆うケース部材とを備え、
    前記保持部材はサファイアからなり、前記光ファイバと前記保持部材とが金属接合部を介して接合されていることを特徴とする光ファイバカプラ部材。
  2. 前記ケース部材がサファイアからなり、前記保持部材と前記ケース部材とが金属接合部を介して接合されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバカプラ部材。
  3. 前記保持部材は、算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上の表面領域を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバカプラ部材。
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