JP2017067430A - 蓄冷熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】過熱域が存在する場合でも、過熱域の影響を受けにくくし、蓄冷性能を確保できる蓄冷熱交換器を提供する。【解決手段】蓄冷熱交換器としての蒸発器40は、冷媒を流通させる冷媒通路を有し、互いに間隔をあけて配置される複数の冷媒管45と、圧縮機10の駆動時に冷媒が蒸発することで冷却されて蓄冷する一方で、圧縮機の停止時に放冷する蓄冷材50を収容すると共に、複数の冷媒管のうちの2つの冷媒管の間に配置されて接合される複数の蓄冷材容器47と、複数の蓄冷材容器と接合される2つの冷媒管における蓄冷材容器と反対側に、複数の冷媒管のうちの他の冷媒管との隙間に形成され、隙間を流れる空気と冷媒との間で熱交換する空気通路53と、冷媒通路にて発生する冷媒の過熱域Sにおける冷媒管から蓄冷材への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部としてのインナフィン47bと、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、冷媒を圧縮吐出する圧縮機、高温となった冷媒を冷却する放熱器、及び冷却された冷媒を減圧する減圧器と共に冷凍サイクル装置を構成し、冷媒を蒸発させる蓄冷熱交換器に関する。
従来、空調装置には、冷凍サイクル装置が用いられている。この冷凍サイクル装置が停止している状態においても、限定された冷房を提供する試みがなされている。例えば、車両用空調装置では、走行用エンジンによって冷凍サイクル装置が駆動される。このため、車両が一時的に停車している間に、エンジンが停止すると、冷凍サイクル装置が停止する。このような一時的な停車中に、限定された冷房を提供するために、冷凍サイクル装置の蒸発器に蓄冷材を付加した蓄冷熱交換器が提案されている。例えば、特許文献1に記載の蓄冷熱交換器が知られている。
特開2010−91250号公報
ここで、一般に冷凍サイクル装置では、蓄冷熱交換器よりも冷媒の流れの下流側に、冷媒を圧縮吐出するための圧縮機が存在する。圧縮機に液状の冷媒が戻ると故障の原因となるため、一般的に蓄冷熱交換器の出口では冷媒を完全に蒸発させる必要がある。蓄冷熱交換器において、冷媒通路の出口近傍では冷媒がガス単層になり、圧力が飽和蒸気圧を超えることに起因して、冷媒温度が急激に高温に遷移する部分、いわゆる過熱域が存在する。また、冷媒の流量が低いときには、蓄冷熱交換器内の冷媒通路の配置によって冷媒の流れ方が不均衡となり、冷媒が流れにくい部分に過熱域が発生する場合がある。このように、蓄冷熱交換器には冷媒通路上のいずれかの箇所に過熱域が存在する場合がある。
特許文献1に記載の従来の蓄冷熱交換器では、蓄冷材は冷媒通路を構成する冷媒管と隣接して配置され、冷媒管を流れる冷媒によって冷却されるのが一般的である。冷媒管上に過熱域が発生する場合には、過熱域の冷媒温度が高温となるため、過熱域の影響により蓄冷材が冷えにくくなり、蓄冷熱交換器の蓄冷性能が低下する虞がある。
本開示は、過熱域が存在する場合でも、過熱域の影響を受けにくくし、蓄冷性能を確保できる蓄冷熱交換器を提供することを目的とする。
本開示に係る蓄冷熱交換器40,401,140,1401,240,2401,340,440,540,1040,1140,1240,1340,1440,1540,1640,1740,1840)は、冷媒を流通させる冷媒通路を有し、互いに間隔をあけて配置される複数の冷媒管(45)と、前記複数の冷媒管と隣接する蓄冷材(50)と、前記冷媒通路にて発生する前記冷媒の過熱域(S、S1,S2)における前記冷媒管から前記蓄冷材への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部(47b,471b,147、1471,247,2471,347b,447,547,1045,1147b,1247,1347)と、を備える。
この構成により、冷媒通路にて発生する冷媒の過熱域における冷媒管から蓄冷材への熱伝達を抑制することができるので、冷媒温度が高温となる過熱域の影響により蓄冷材が冷えにくくなる状況を回避できる。この結果、過熱域が存在する場合でも、過熱域の影響を受けにくくし、蓄冷性能を確保できる。
本開示によれば、過熱域が存在する場合でも、過熱域の影響を受けにくくし、蓄冷性能を確保できる蓄冷熱交換器を提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る蓄冷熱交換器としての蒸発器を用いた冷凍サイクル装置1の構成を示すブロック図である。 図2は、図1中の蓄冷熱交換器としての蒸発器の平面図である。 図3は、図1中の蓄冷熱交換器としての蒸発器の側面図である。 図4は、蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す図である。 図5は、蒸発器を空気の流れ方向の風上側と風下側に分解した模式図である。 図6は、蒸発器の冷媒の流れを模式的に表した平面図である。 図7は、蒸発器内の冷媒通路における冷媒温度の推移を示す図である。 図8は、図3中のVIII−VIII断面図であり、蓄冷材容器、冷媒管、及び空気通路の断面図である。 図9は、熱伝達抑制部として機能するインナフィンの形状を模式的に示す断面図である。 図10は、図9中のA1−A1断面図である。 図11は、インナフィンの形状の変形例を模式的に示す断面図である。 図12は、インナフィンの形状の変形例を模式的に示す断面図である。 図13は、図4に示す冷媒の流れを異ならせる一例を示す図である。 図14は、図13に示す蒸発器の空気の流れ方向の風上側と風下側に分解した模式図である。 図15は、図13に示す蒸発器の冷媒の流れを模式的に表した平面図である。 図16は、図13に示す蒸発器内の冷媒通路における冷媒温度の推移を示す図である。 図17は、図4に示す冷媒の流れを異ならせる一例を示す図である。 図18は、図4に示す冷媒の流れを異ならせる一例を示す図である。 図19は、図4に示す冷媒の流れを異ならせる一例を示す図である。 図20は、図4に示す冷媒の流れを異ならせる一例を示す図である。 図21は、第2実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能する蓄冷材容器の形状を模式的に示す断面図である。 図22は、図21中のA2−A2断面図である。 図23は、蓄冷材容器の形状の変形例を模式的に示す断面図である。 図24は、第3実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能する蓄冷材容器の形状を模式的に示す断面図である。 図25は、図24中のA3−A3断面図である。 図26は、蓄冷材容器及びインナフィンの形状の変形例を模式的に示す断面図である。 図27は、第4実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能するインナフィンの形状を模式的に示す断面図である。 図28は、図27中のA4−A4断面図である。 図29は、第5実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能する蓄冷材容器の形状を模式的に示す断面図である。 図30は、図29中のA5−A5断面図である。 図31は、第6実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能する蓄冷材容器の形状を模式的に示す断面図である。 図32は、図31中のA6−A6断面図である。 図33は、第7実施形態に係る蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す図である。 図34は、図33に示す蒸発器の空気の流れ方向の風上側と風下側に分解した模式図である。 図35は、図33に示す蒸発器の冷媒の流れを模式的に表した平面図である。 図36は、第7実施形態の比較例に係る蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す図である。 図37は、図36に示す蒸発器の空気の流れ方向の風上側と風下側に分解した模式図である。 図38は、図36に示す蒸発器の冷媒の流れを模式的に表した平面図である。 図39は、第7実施形態の変形例に係る蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す図である。 図40は、図39に示す蒸発器の冷媒の流れを模式的に表した平面図である。 図41は、第7実施形態の変形例に係る蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す図である。 図42は、図41に示す蒸発器の冷媒の流れを模式的に表した平面図である。 図43は、第8実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能するインナフィンの形状を模式的に示す断面図である。 図44は、図43中のA7−A7断面図である。 図45は、図43中のB7−B7断面図である。 図46は、第9実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能する蓄冷材容器の形状を模式的に示す断面図である。 図47は、図46中のA8−A8断面図である。 図48は、図46中のB8−B8断面図である。 図49は、第10実施形態に係る蒸発器における熱伝達抑制部として機能する蓄冷材容器の形状を模式的に示す断面図である。 図50は、図49中のA9−A9断面図である。 図51は、図49中のB9−B9断面図である。 図52は、第11実施形態に係る蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す平面図である。 図53は、第12実施形態に係る蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す平面図である。 図54は、第13実施形態に係る蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す平面図である。 図55は、第14実施形態に係る蒸発器の蓄冷材容器の内部構成を示す模式図である。 図56は、第15実施形態に係る蒸発器の蓄冷材容器の構成を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1〜10を参照して第1実施形態を説明する。冷凍サイクル装置1は、車両用の空調装置に用いられる。図1に示すように、冷凍サイクル装置1は、圧縮機10、放熱器20、減圧器30、および蒸発器40を有する。これら構成部品は、配管によって環状に接続され、冷媒循環路を構成する。この冷凍サイクル装置1において、第1実施形態に係る蓄冷熱交換器は蒸発器40として適用される。以下の説明では本実施形態に係る蓄冷熱交換器40を「蒸発器40」とも表記する。
圧縮機10は、車両の走行用の動力源2である内燃機関によって駆動される。このため、動力源2が停止すると、圧縮機10も停止する。圧縮機10は、蒸発器40から冷媒を吸引し、圧縮し、放熱器20へ吐出する。
放熱器20は、高温冷媒を冷却する。放熱器20は、凝縮器とも呼ばれる。減圧器30は、放熱器20によって冷却された冷媒を減圧する。減圧器30は、固定の絞り、温度式膨張弁、あるいはエジェクタによって提供されうる。
蒸発器40は、減圧器30によって減圧された冷媒を蒸発させ、媒体を冷却する。蒸発器40は、車室に供給される空気を冷却する。冷凍サイクル装置1は、さらに、高圧側液冷媒と低圧側ガス冷媒とを熱交換する内部熱交換、余剰冷媒を蓄えるレシーバまたはアキュムレータのタンク要素を備えることができる。また、動力源2は、内燃機関あるいは電動機によって提供されうる。
図2〜10を参照して、第1実施形態に係る蓄冷熱交換器としての蒸発器40の構成を説明する。以下の説明では、図2及び図3の紙面上の上下方向を「高さ方向」と表し、その上側を「上側」、下側を「下側」と表す。なお、高さ方向は典型的には重力方向であるが、他の方向でもよい。また、図2の紙面上の左右方向を、冷媒が流入する「流入方向」と表し、その右側を「手前側」と表し、左側を「奥側」と表す。図3の紙面上の左右方向を、空気が空気通路53を流れる「流れ方向」と表し、その左側を「風上側」、右側を「風下側」と表す。
図2および図3において、蒸発器40は、複数に分岐した冷媒通路部材を有する。この冷媒通路部材は、アルミニウム等の金属製の通路部材によって提供される。冷媒通路部材は、組をなして位置づけられた第1ヘッダ41、第2ヘッダ42、第3ヘッダ43、第4ヘッダ44と、それらヘッダの間を連結する複数の冷媒管45とによって提供されている。第1ヘッダ41、第2ヘッダ42、第3ヘッダ43、第4ヘッダ44は、流入方向に沿って延在するよう配置されている。複数の冷媒管45は、流入方向と直交する高さ方向に沿って延在するよう配置されている。
図2および図3において、第1ヘッダ41と第2ヘッダ42とは、組をなしており、互いに高さ方向に所定距離だけ離れて、流入方向に沿って平行に配置されている。第3ヘッダ43と第4ヘッダ44とも、組をなしており、互いに高さ方向に所定距離れて、流入方向に沿って平行に配置されている。第1ヘッダ41及び第3ヘッダ43は高さ方向の上側に配置され、第2ヘッダ42及び第4ヘッダ44は高さ方向の下側に配置されている。
第1ヘッダ41と第2ヘッダ42との間には、複数の冷媒管45が等間隔に配列さている。各冷媒管45は、その一端部において対応する第1ヘッダ41、第2ヘッダ42内に連通している。これら第1ヘッダ41と、第2ヘッダ42と、それらの間に配置された複数の冷媒管45によって第1熱交換部48が形成されている。
第3ヘッダ43と第4ヘッダ44との間には、複数の冷媒管45が等間隔に配列されている。各冷媒管45は、その他端部において対応する第3ヘッダ43、第4ヘッダ44内に連通している。これら第3ヘッダ43と、第4ヘッダ44と、それらの間に配置された複数の冷媒管45によって第2熱交換部49が形成されている。
この結果、蒸発器40は、2層に配置された第1熱交換部48と第2熱交換部49とを有する。空気の流れ方向に関して、第2熱交換部49が風上側に配置され、第1熱交換部48が風下側に配置されている。また、複数の冷媒管45は、空気の流れ方向に沿って一対となるように、流入方向に沿って2列に配置されている。
第1ヘッダ41の端部(流入方向手前側の端部)には、冷媒入口としてのジョイントが設けられている。図4〜6に示すように、第1ヘッダ41内は、その長さ方向(流入方向)のほぼ中央に設けられた仕切板によって、第1区画と第2区画とに区画されている。これに対応して、複数の冷媒管45は、第1区画に対応した第1群G1と、第2区画に対応した第2群G2とに区分されている。
冷媒は、第1ヘッダ41の第1区画に供給される。冷媒は、第1区画から、第1群G1に属する複数の冷媒管45に分配される。冷媒は、第1群G1を通して第2ヘッダ42に流入し、集合される。冷媒は、第2ヘッダ42から、第2群G2に属する複数の冷媒管45に再び分配される。冷媒は、第2群G2を通して第1ヘッダ41の第2区画に流入する。このように、第1熱交換部48においては、冷媒をU字状に流す流路が形成される。
第3ヘッダ43の端部(本実施形態では流入方向手前側の端部だが、奥側端部でもよい)には、冷媒出口としてのジョイントが設けられている。図4〜6に示すように、第3ヘッダ43内は、その長さ方向のほぼ中央に設けられた仕切板によって、第1区画と第2区画とに区画されている。第3ヘッダ43の第1区画は、第1ヘッダ41の第2区画に隣接している。第3ヘッダ43の第1区画と第1ヘッダ41の第2区画とは連通している。これに対応して、複数の冷媒管45は、第1区画に対応した第3群G3と、第2区画に対応した第4群G4とに区分されている。
冷媒は、第1ヘッダ41の第2区画から、第3ヘッダ43の第1区画に流入する。冷媒は、第1区画から、第3群G3に属する複数の冷媒管45に分配される。冷媒は、第3群G3を通して第4ヘッダ44に流入し、集合される。冷媒は、第4ヘッダ44から、第4群G4に属する複数の冷媒管45に再び分配される。冷媒は、第4群G4を通して第3ヘッダ43の第2区画に流入する。このように、第2熱交換部49においては、冷媒をU字状に流す流路が形成される。第3ヘッダ43の第2区画内の冷媒は、冷媒出口から流出し、圧縮機10へ向けて流れる。
本実施形態では、冷媒管45は、内部に複数の冷媒通路を有する多穴管である。冷媒管45は、扁平管とも呼ばれる。この多穴管は、押出製法や、板を折り曲げて形成する製法によって得ることができる。複数の冷媒通路は、冷媒管45の長手方向に沿って延びており、冷媒管45の両端に開口している。複数の冷媒管45は、列をなして並べられている。各列において、複数の冷媒管45は、その主面が対向するように配置されている。図8に示すように、複数の冷媒管45は、互いに隣接する2つの冷媒管45の間に、空気と熱交換するための空気通路53と、後述する蓄冷材容器47を収容するための収容部とを区画している。
蒸発器40は、車室へ供給される空気と接触面積を増加させるためのフィン部材を備える。フィン部材は、複数のコルゲート型のフィン46によって提供されている。フィン46は、隣接する2つの冷媒管45の間に区画された空気通路53に配置されている。フィン46は、隣接する2つの冷媒管45と熱的に結合している。フィン46は、熱伝達に優れた接合材によって、隣接する2つの冷媒管45に接合されている。接合材としては、ろう材を用いることができる。フィン46は、薄いアルミニウム等の金属板が波状に曲げられた形状をもっており、ルーバーと呼ばれる空気通路を備える。
蒸発器40は、さらに、複数の蓄冷材容器47を有している。蓄冷材容器47は、アルミニウム等の金属製である。蓄冷材容器47は、扁平な筒状である。蓄冷材容器47は、2枚の最中状のプレートを合わせることで内部に蓄冷材50を収容するための部屋を区画している。蓄冷材容器47は、広い主面を両面に有している。これら2つの主面を提供する2つの主壁は、それぞれが冷媒管45と平行に配置されている。蓄冷材容器47は、隣接する2つの冷媒管45の間に配置されている。
蓄冷材容器47は、流入方向に沿って隣接する2つの冷媒管45の間に配置されている。蓄冷材容器47は、その両側に配置された2つの冷媒管45に熱的に結合している。蓄冷材容器47は、熱伝達に優れた接合材によって、隣接する2つの冷媒管45に接合されている。接合材としては、ろう材または接着剤などの樹脂材料を用いることができる。蓄冷材容器47は、冷媒管45にろう付けされている。蓄冷材容器47と冷媒管45との間には、それらの間を広い断面積によって連結するためにろう材が配置されている。このろう材は、ろう材をクラッドした材料を用いるか、または、蓄冷材容器47と冷媒管45との間にろう材の箔を配置することによって提供することができる。この結果、蓄冷材容器47は、冷媒管45との間で良好な熱伝導を示す。また、蓄冷材容器47の表面には凹凸があり、凸部が冷媒管45に接合されても良い。
図2,8において、複数の冷媒管45は、ほぼ一定の間隔で配置されている。それら複数の冷媒管45の間には、複数の隙間が形成されている。これら複数の隙間には、複数のフィン46と複数の蓄冷材容器47とが、所定の規則性をもって配置されている。なお、図2,8には、フィン46(空気通路53)が2個、蓄冷材容器47が1個の順で繰り返し配置される構成を例示しているが、これ以外の配置としてもよい。隙間のうちの一部は、空気通路53である。隙間のうちの残部は、収容部である。空気通路53にはフィン46が配置され、収容部には蓄冷材容器47が配置されている。蓄冷材容器47の両側に位置する2つの冷媒管45は、蓄冷材容器47とは反対側において空気と熱交換するための空気通路を区画している。別の観点では、2つのフィン46の間に2つの冷媒管45が配置され、さらにこれら2つの冷媒管45の間にひとつの蓄冷材容器47が配置されている。蓄冷材容器47が2つの冷媒管45の間に配置されることにより、フィン46を流れる空気の熱負荷を受けずに冷媒の熱を蓄冷材50に伝えることができるため、蓄冷効率が良くなる。
蓄冷材容器47と、その両側に位置する2つの冷媒管45とがひとつの蓄冷単位を構成している。蒸発器40には、同じ構成をもつ複数の蓄冷単位が配置されている。これらの蓄冷単位は、等間隔に配置されている。また、複数の蓄冷単位は、左右均等に配置されている。また、複数の蓄冷単位は、左右に対称に配置されている。
蓄冷材容器47は、図10に示すように、空気の流れ方向に沿って、第1熱交換部48及び第2熱交換部49の両方の冷媒管45と接合されている。蓄冷材容器47は、図8に示すように外殻47aを有する。外殻47aは、板材を扁平な筒状に曲げた形状をもつ。外殻47aの中には、コルゲート状のインナフィン47bが収容されている。インナフィン47bは、フィン46と同様に、薄いアルミニウム等の金属板が波状に曲げられた形状である。インナフィン47bの複数の頂部は、外殻47aの流入方向両側の主壁(冷媒管45と接合する主面を外表面とする壁部)の内面にろう付けされている。図9、10に示すように、インナフィン47bは、蓄冷材容器47の長手方向(高さ方向)に沿って延在し、インナフィン47bの峰と谷は、流れ方向に沿って延びている。この構成によると、インナフィン47bが、蓄冷材50と蓄冷材容器47との接触面積を大きくする。インナフィン47bの形状の詳細については後述する。
以下では、第1ヘッダ41を、冷媒通路の入口が設けられる入口側通路とも表記する。同様に、第3ヘッダ43を、冷媒通路の出口が設けられる出口側通路とも表記する。第1ヘッダ41及び第3ヘッダ43は、高さ方向の同一位置にて流れ方向に沿って並列に配置されており、これらを纏めて第1ヘッダタンク51と呼ぶ。同様に、第2ヘッダ42及び第4ヘッダ44は、高さ方向の同一位置にて流れ方向に沿って並列に配置されており、これらを纏めて第2ヘッダタンク52と呼ぶ。
図4〜6に模式的に示すように、第1ヘッダ41の第1区画に流れ込んだ冷媒は、第1群G1の冷媒管45を通って第2ヘッダ42の第1区画に流れこむ(第1ターン)。第2ヘッダ42の第1区画に流れ込んだ冷媒は、第2ヘッダ42の第2区画に流れ込む。第2ヘッダ42の第2区画に流れ込んだ冷媒は、第2群G2の冷媒管45を通って第1ヘッダ41の第2区画に流れこむ(第2ターン)。第1ヘッダ41の第2区画と第3ヘッダ43の第2区画とは連通しているので、第1ヘッダ41の第2区画に流れ込んだ冷媒は第3ヘッダ43の第2区画に流れこむ。第3ヘッダ43の第2区画に流れ込んだ冷媒は、第3群G3の冷媒管45を通って第4ヘッダ44の第2区画に流れ込む(第3ターン)。第4ヘッダ44の第2区画に流れ込んだ冷媒は、第4ヘッダ44の第1区画に流れ込む。第4ヘッダ44の第1区画に流れ込んだ冷媒は、第4群G4の冷媒管45を通って第3ヘッダ43の第1区画に流れこむ(第4ターン)。第3ヘッダ43の第1区画に流れ込んだ冷媒は外部に流出する。つまり、本実施形態の蒸発器40は、所謂4ターン方式の冷媒通路を有する構成をとる。
ここで、一般に冷凍サイクル装置1では、図1に示す通り、蒸発器40よりも冷媒の流れの下流側に、冷媒を圧縮吐出するための圧縮機10が存在する。圧縮機10に液状の冷媒が戻ると故障の原因となるため、一般的に蒸発器40の出口では冷媒を完全に蒸発させる必要がある。これにより、冷媒通路の出口近傍では冷媒がガス単層になり、圧力が飽和蒸気圧を超えることに起因して、冷媒温度が急激に高温に遷移する部分、いわゆる過熱域Sが存在する。図7に、4ターン方式の冷媒通路における冷媒温度の特性の一例を示す。図7の横軸は冷媒通路の位置を表し、軸の左側(原点側)が入口、右側が出口を表す。図7の縦軸は各流路位置における冷媒温度を表す。図7に示すように、冷媒温度は冷媒通路に導入後低減していくが、第4ターン(すなわち第4群G4)の略中間位置において急激に高温に遷移し、以降の部分では過熱域Sが発生している。過熱域Sは、例えば図5に示すように第4群G4の冷媒管45における高さ方向上側の略半分の領域に発生する。
図10に示したように、蓄冷材容器47は流れ方向に沿って第1熱交換部48及び第2熱交換部49の両方の冷媒管45と接合されている。このため、従来の蓄冷材容器47では、第4群G4の冷媒管45、すなわち流れ方向の風上側の冷媒管45との接触部分の蓄冷材50のみが過熱域Sの影響により蓄冷されにくくなるので、流れ方向の風上側と風下側で内部の蓄冷材50の冷え方に差異が生じてしまう。これにより、放冷時に流入方向の奥側と手前側(すなわち、過熱域Sを含まない領域と過熱域Sを含む領域)との間で、吹出温度に差が生じてしまう可能性がある。
この問題に対して本実施形態では、図9、10に示すように、インナフィン47bの形状が、冷媒の過熱域Sにおいて蓄冷材容器47と接合しない構成となっている。言い換えると、インナフィン47bは、過熱域Sが発生する冷媒管45と接合される蓄冷材容器47において、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分では蓄冷材容器47の外殻47aの内壁面と接合されず、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分では内壁面と接合される。図10では、インナフィン47bの頂部が蓄冷材容器47と接合されている部分が実線で表され、インナフィン47bの頂部が蓄冷材容器47と接合されていない部分が点線で表されている。
この構成はさらに以下のように言い換えることができる。蒸発器40において、複数の冷媒管45は、空気通路53の空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管45が配置される。蓄冷材容器47は、流れ方向に沿って配置されるこれらの少なくとも2つの冷媒管45と接合するよう形成される。このとき、接合部に凹凸があり、凸部が冷媒管45と接合する構成でもよい。インナフィン47bは、冷媒管45及び蓄冷材容器47の配列方向(流入方向)から視るときにこれらの少なくとも2つの冷媒管45と重畳するよう形成される。インナフィン47bは、過熱域Sが発生する冷媒管45を含むこれらの少なくとも2つの冷媒管45と接合される蓄冷材容器47において、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分を含み、かつ、流れ方向から視るときにこの部分と重畳する領域では蓄冷材容器47の内壁と接合されず、それ以外の領域では蓄冷材容器47の内壁と接合される。
このような構成により、過熱域Sではインナフィン47bが蓄冷材容器47、つまり冷媒管45に接合していないため、過熱冷媒からの温熱が蓄冷材50の内部へ伝わりにくくなる。また、インナフィン47b自体は過熱域Sの蓄冷材容器47内にも配置されている(浮いている)ため、非過熱域の冷媒の冷熱が、インナフィン47bを介して過熱域にある蓄冷材50にも伝えられる。このように、過熱域Sにある蓄冷材50に対して、過熱域の温熱を伝わりにくくできる一方で、非過熱域の冷熱を伝えることができるので、冷媒通路に過熱域Sが存在しても蓄冷材容器47内の蓄冷材50を良好に冷やすことができる。これにより、過熱域Sにある蓄冷材容器47の蓄冷材50が冷えずにエバポレータ(蒸発器40)内で放冷時に温度分布ができたり、そもそも過熱域の影響で蓄冷できないなどの不都合を解消することができる。
つまり、第1実施形態では、過熱域Sにおいてインナフィン47bを蓄冷材容器47に接合させない構造とすることで、インナフィン47bが、冷媒通路の出口の近傍において冷媒の蒸発により発生する過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する「熱伝達抑制部」として機能する。そして、このようなインナフィン47bを設けることにより、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制することができ、冷媒温度が高温となる過熱域Sの影響により蓄冷材50が冷えにくくなる状況を回避できる。この結果、第1実施形態の蓄冷熱交換器としての蒸発器40は、過熱域Sが存在する場合でも、過熱域Sの影響を受けにくくし、蓄冷性能を確保できる。
[第1実施形態の変形例]
図11〜図20を参照して第1実施形態の変形例を説明する。第1実施形態では、蒸発器40において、インナフィン47bが、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分では蓄冷材容器47の外殻47aの内壁面と接合されず、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分では内壁面と接合される構成を挙げたが、過熱域Sにおける冷媒管45からインナフィン47bを介しての蓄冷材50への伝熱量が過熱域S以外の伝熱量より相対的に小さくなれば他の構成でもよい。言い換えると、過熱域Sにおけるインナフィン47bの伝熱性能を他の部分より相対的に低くできればよい。例えば図11に示すように、蒸発器401において、インナフィン471bが、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分では蓄冷材容器471の外殻471aの内壁面との接合率が相対的に低くなるよう接合され、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分では内壁面との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。「接合率が相対的に低い」とは、インナフィン471bの峰及び谷のうち外殻471aの内壁面と接合されるものの数が相対的に少ないことを言い、「接合率が相対的に高い」とは、インナフィン471bの峰及び谷のうち外殻471aの内壁面と接合されるものの数が相対的に多いことを言う。このように、過熱域Sにおけるインナフィン471bを介しての伝熱量を相対的に小さくする、または、インナフィン471bと蓄冷材容器471との接合率を相対的に低くすることにより、蒸発器401は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果が得られる。
第1実施形態では、蒸発器40において、インナフィン47bの波型形状が蓄冷材容器47の長手方向(高さ方向)に連続する構成、すなわち、インナフィン47bの峰と谷が流れ方向に沿って延びている構成を挙げたが、インナフィン47bの波型形状をこれと異なる方向に連続させる構成としてもよい。例えば図12に示すように、蒸発器402において、インナフィン472bの波型形状が蓄冷材容器472の短手方向(流れ方向)に連続する構成、すなわち、インナフィン472bの峰と谷が高さ方向に沿って延びている構成とすることができる。この場合、インナフィン472bの峰及び谷は、高さ方向に沿って冷媒管45の過熱域Sと接触する部分では蓄冷材容器472の外殻472aの内壁面と接合されず、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分では内壁面と接合される。これにより、蒸発器402は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果が得られる。
第1実施形態では蒸発器40の内部の冷媒通路の構成として4ターン方式を例示したがこれに限定されない。例えば図13〜図15に示されるように、第1ヘッダ41A、第2ヘッダ42A、第3ヘッダ43A、第4ヘッダ44A内部の区画を無くすような構成にすることができる。図13〜図15に示される蓄冷熱交換器40Aでは、第1ヘッダ41Aに流れ込んだ冷媒は、第1熱交換部48の冷媒管45を通って第2ヘッダ42Aに流れ込む(第1ターン)。第2ヘッダ42Aと第4ヘッダ44Aとは連通しているので、第2ヘッダ42Aに流れ込んだ冷媒は第4ヘッダ44Aに流れ込む。第4ヘッダ44Aに流れ込んだ冷媒は、第2熱交換部49の冷媒管45を通って第3ヘッダ43Aに流れこむ(第2ターン)。第3ヘッダ43Aに流れ込んだ冷媒は外部に流出する。つまり、蓄冷熱交換器40Aは、所謂2ターン方式の冷媒通路を有する構成をとる。
図16に、2ターン方式の冷媒通路における冷媒温度の特性の一例を示す。図16に示すように、冷媒温度は冷媒通路に導入後低減していくが、第2ターンの後半位置において急激に高温に遷移し、以降の部分では過熱域Sが発生している。過熱域Sは、例えば図14に示すように第2熱交換部49の冷媒管45における高さ方向上側の領域に発生する。
第1実施形態のインナフィン47bは、蓄冷熱交換器40Aのような冷媒の流れを構成するものに対しても適用することができ、熱伝達抑制部として機能することができる。
蓄冷熱交換器40Aでは、第1ヘッダ41A、第2ヘッダ42A、第3ヘッダ43A、第4ヘッダ44A内部の区画を無くすような構成としたけれども、内部の区画を増やす構成とすることもできる。
図17に示される蓄冷熱交換器40Bでは、第1ヘッダ41B、第2ヘッダ42B、第3ヘッダ43B、第4ヘッダ44B内部をそれぞれ3つの区画に区切っている。
第1ヘッダ41Bの第1区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第2ヘッダ42Bの第1区画に流れこむ(第1ターン)。第2ヘッダ42Bの第1区画に流れ込んだ冷媒は、第2ヘッダ42Bの第2区画に流れ込む。第2ヘッダ42Bの第2区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第1ヘッダ41Bの第2区画に流れこむ(第2ターン)。
第1ヘッダ41Bの第2区画に流れ込んだ冷媒は、第1ヘッダ41Bの第3区画に流れこむ。第1ヘッダ41Bの第3区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第2ヘッダ42Bの第3区画に流れこむ(第3ターン)。第2ヘッダ42Bの第3区画と第4ヘッダ44Bの第3区画とは連通しているので、第2ヘッダ42Bの第3区画に流れ込んだ冷媒は第4ヘッダ44Bの第3区画に流れこむ。第4ヘッダ44Bの第3区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第3ヘッダ43Bの第3区画に流れ込む(第4ターン)。
第3ヘッダ43Bの第3区画に流れ込んだ冷媒は、第3ヘッダ43Bの第2区画に流れ込む。第3ヘッダ43Bの第2区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第4ヘッダ44Bの第2区画に流れこむ(第5ターン)。第4ヘッダ44Bの第2区画に流れ込んだ冷媒は、第4ヘッダ44Bの第1区画に流れ込む。第4ヘッダ44Bの第1区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第3ヘッダ43Bの第1区画に流れこむ(第6ターン)。第3ヘッダ43Bの第1区画に流れ込んだ冷媒は外部に流出する。つまり、蓄冷熱交換器40Bは、所謂6ターン方式の冷媒通路を有する構成をとる。
第1実施形態のインナフィン47bは、蓄冷熱交換器40Bのような冷媒の流れを構成するものに対しても適用することができ、熱伝達抑制部として機能することができる。
蓄冷熱交換器40,40A,40Bでは、冷媒の出入口を重力方向(高さ方向)で上側に配置された、第1ヘッダ41,41A,41B及び第3ヘッダ43,43A,43Bに設けている。冷媒の出入口の形態はこれらに限られるものではなく、蓄冷熱交換器40,40A,40Bの天地を逆転させた構成とすることもできる。
図18に示される蓄冷熱交換器40Rは、第1ヘッダ41R及び第3ヘッダ43Rを重力方向(高さ方向)で下側に配置し,第2ヘッダ42R及び第4ヘッダ44Rを重力方向で上側に配置している。
第1ヘッダ41Rの第1区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第2ヘッダ42Rの第1区画に流れこむ(第1ターン)。第2ヘッダ42Rの第1区画に流れ込んだ冷媒は、第2ヘッダ42Rの第2区画に流れ込む。第2ヘッダ42Rの第2区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第1ヘッダ41Rの第2区画に流れこむ。(第2ターン)
第1ヘッダ41Rの第2区画と第3ヘッダ43Rの第2区画とは連通しているので、第1ヘッダ41Rの第2区画に流れ込んだ冷媒は第3ヘッダ43Rの第2区画に流れこむ。第3ヘッダ43Rの第2区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第4ヘッダ44Rの第2区画に流れ込む(第3ターン)。
第4ヘッダ44Rの第2区画に流れ込んだ冷媒は、第4ヘッダ44Rの第1区画に流れ込む。第4ヘッダ44Rの第1区画に流れ込んだ冷媒は、冷媒管45を通って第3ヘッダ43Rの第1区画に流れこむ(第4ターン)。第3ヘッダ43Rの第1区画に流れ込んだ冷媒は外部に流出する。つまり、蓄冷熱交換器40Rは、所謂4ターン方式の冷媒通路を有する構成をとり、上記の蓄冷熱交換器40の高さ方向の配置を入れ替えたものである。
図19に示される蓄冷熱交換器40RAは、図16に示される蓄冷熱交換器40Aを天地逆転させたものである。蓄冷熱交換器40RAは、所謂2ターン方式の冷媒通路を有し、第1ヘッダ41RA及び第3ヘッダ43RAを重力方向(高さ方向)で下側に配置し,第2ヘッダ42RA及び第4ヘッダ44RAを重力方向で上側に配置している。
図20に示される蓄冷熱交換器40RBは、図17に示される蓄冷熱交換器40Bを天地逆転させたものである。蓄冷熱交換器40RBは、所謂6ターン方式の冷媒通路を有し、第1ヘッダ41RB及び第3ヘッダ43RBを重力方向(高さ方向)で下側に配置し,第2ヘッダ42RB及び第4ヘッダ44RBを重力方向で上側に配置している。
[第2実施形態]
図21〜図23を参照して第2実施形態を説明する。第2実施形態の蒸発器140は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部の構成が第1実施形態の蒸発器40と異なる。具体的には、図21,図22に示すように、蓄冷材容器147の形状が冷媒の過熱域Sにおいて冷媒管45と接合しない構造となっており、この構造を有する蓄冷材容器147が熱伝達抑制部として機能する。また、第2実施形態の蒸発器140は、蓄冷材容器147の内部にインナフィンを設けない点が第1実施形態の蒸発器40と異なる。
この構成を言い換えると、過熱域Sが発生する冷媒管45と接合される蓄冷材容器147は、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分(領域147c)では冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成され、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分(外殻147a)において冷媒管45と接合される。図21,図22では、このような構成の一例として、蓄冷材容器147の外殻147aのうち、過熱域Sと重畳する領域147cが、その表面が冷媒管45から離間する方向へ凹んでいる形状が例示されている。
この構成はさらに以下のように言い換えることができる。蒸発器140において、複数の冷媒管45は、空気通路53の空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管45が配置される。蓄冷材容器147は、流れ方向に沿って配置される少なくとも2つの冷媒管45と接合するよう形成される。過熱域Sが発生する冷媒管45を含む少なくとも2つの冷媒管45と接合される蓄冷材容器147は、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分を含み、かつ、流れ方向から視るときにこの部分と重畳する領域147cでは冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成され、それ以外の領域147aでは冷媒管45と接合される。
このような構成により、過熱域Sで蓄冷材容器147が冷媒管45に接合していないため、過熱冷媒からの温熱が蓄冷材50の内部へ伝わりにくくなる。また、蓄冷材容器147自体は非過熱域に接触しているため、非過熱域の冷媒の冷熱が過熱域Sにある蓄冷材50にも伝えられる。これにより、第2実施形態の蒸発器140は、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果を奏することができる。
なお、第2実施形態の蓄冷材容器147の形状は、上記のものに限定されず、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材容器147を介しての蓄冷材50への伝熱量が過熱域S以外の伝熱量より相対的に小さくなれば他の構成でもよい。言い換えると、過熱域Sにおける蓄冷材容器147の伝熱性能を他の部分より相対的に低くできればよい。例えば図23に示すように、蒸発器1401において、蓄冷材容器1471が、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分(領域1471c)では冷媒管45との接合率が相対的に低くなるように接合され、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分(外殻1471a)において冷媒管45との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。「接合率が相対的に低い」とは、蓄冷材容器1471の外表面のうち冷媒管45と接合される部分の割合が相対的に少ないことを言い、「接合率が相対的に高い」とは、蓄冷材容器1471の外表面のうち冷媒管45と接合される部分の割合が相対的に多いことを言う。このように、過熱域Sにおける蓄冷材容器1471の伝熱量を相対的に小さくする、または、蓄冷材容器1471と冷媒管45との接合率を相対的に低くすることにより、蒸発器1401は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
図24〜図26を参照して第3実施形態を説明する。第3実施形態の蒸発器240は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部の構成が第1実施形態の蒸発器40と異なる。具体的には、図24,図25に示すように、蓄冷材容器247の形状が冷媒の過熱域Sにおいて冷媒管45と接合しない構造となっており、この構造を有する蓄冷材容器247が熱伝達抑制部として機能する。また、第3実施形態の蒸発器240は、蓄冷材容器247の内部に設けられるインナフィン247bが長手方向の全域に亘って外殻247aの内壁面に接合される点が第1実施形態の蒸発器40と異なる。
この構成を言い換えると、インナフィン247bは、蓄冷材容器247の内部において長手方向(高さ方向)に沿って延在するよう配置され、蓄冷材容器247の内壁と接合される。過熱域Sが発生する冷媒管45と接合される蓄冷材容器247は、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分(領域247c)では冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成され、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分(外殻147a)において冷媒管45と接合される。
この構成はさらに以下のように言い換えることができる。蒸発器240において、複数の冷媒管45は、空気通路53の空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管45が配置される。蓄冷材容器247は、流れ方向に沿って配置される少なくとも2つの冷媒管45と接合するよう形成される。インナフィン247bは、冷媒管45及び蓄冷材容器247の配列方向(流入方向)から視るときにこれらの少なくとも2つの冷媒管45と重畳するよう形成される。過熱域Sが発生する冷媒管45を含むこれらの少なくとも2つの冷媒管45と接合される蓄冷材容器247は、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分を含み、かつ、流れ方向から視るときにこの部分と重畳する領域247cでは冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成され、それ以外の領域247aでは冷媒管45と接合される。
このような構成により、過熱域Sでは蓄冷材容器247が冷媒管45に接合しておらず、また、蓄冷材容器247の内部で接合するインナフィン247bも冷媒管45に接合していないため、過熱冷媒からの温熱が蓄冷材50の内部へ伝わりにくくなる。また、インナフィン247b自体は過熱域Sの蓄冷材容器47内にも配置されているため、非過熱域の冷媒の冷熱が、インナフィン247bを介して過熱域Sにある蓄冷材50にも伝えられる。また、蓄冷材容器247自体は非過熱域に接触しているため、非過熱域の冷媒の冷熱が過熱域Sにある蓄冷材50にも伝えられる。これにより、第3実施形態の蒸発器240は、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果を奏することができる。
なお、第3実施形態の蒸発器240でも、第1実施形態と同様に、インナフィン247bが、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分では蓄冷材容器247の外殻247aの内壁面と接合されない構成としてもよい。この構成により、過熱域Sではインナフィン247bが蓄冷材容器247、つまり冷媒管45に接合していないため、過熱冷媒からの温熱が蓄冷材50の内部へより一層伝わりにくくなる。
なお、第3実施形態の蓄冷材容器247の形状は、上記のものに限定されず、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材容器247を介しての蓄冷材50への伝熱量が過熱域S以外の伝熱量より相対的に小さくなれば他の構成でもよい。言い換えると、過熱域Sにおける蓄冷材容器247の伝熱性能を他の部分より相対的に低くできればよい。例えば、図23を参照して第2実施形態にて説明した構成と同様に、図26に示すように、蒸発器2401において、蓄冷材容器2471が、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分(領域2471c)では冷媒管45との接合率が相対的に低くなるように接合され、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分(外殻2471a)において冷媒管45との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。このように、過熱域Sにおける蓄冷材容器2471の伝熱量を相対的に小さくする、または、蓄冷材容器2471と冷媒管45との接合率を相対的に低くすることにより、蒸発器2401は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果が得られる。
さらに、第1実施形態と同様にインナフィン2471bと蓄冷材容器2471との接合構成によって過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する構成を適用する場合には、図11を参照して第1実施形態にて説明したのと同様の構成を適用できる。具体的には、図26に示すように、蒸発器2401において、インナフィン2471bが、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分では蓄冷材容器2471の外殻2471aの内壁面との接合率が相対的に低くなるよう接合され、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分では内壁面との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。このように、インナフィン2471bと蓄冷材容器2471との接合率を相対的に低くすることによっても、蒸発器2401は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果が得られる。
また、図12を参照して第1実施形態にて説明した構成と同様に、蒸発器240において、インナフィン247bの波型形状が蓄冷材容器247の短手方向(流れ方向)に連続する構成、すなわち、インナフィン247bの峰と谷が高さ方向に沿って延びている構成としてもよい。この構成でも、蒸発器240は、過熱域Sにおける冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、第1実施形態の蒸発器40と同様の効果が得られる。
[第4実施形態]
図27及び図28を参照して第4実施形態を説明する。第4実施形態の蒸発器340は、熱伝達抑制部としてのインナフィン347bの形状が第1実施形態の蒸発器40におけるインナフィン47bと異なる。具体的には、図27,図28に示すように、冷媒管45が流れ方向の風上側と風下側に配置される場合において、一般的に過熱域Sは風上側に生じるため、風上側のみでインナフィン347bが蓄冷材容器347と接合していない点で、第1実施形態と異なる。
この構成を言い換えると、蒸発器340において、複数の冷媒管45は、空気通路53の空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管45が配置される。蓄冷材容器347は、流れ方向に沿って配置される少なくとも2つの冷媒管と接合するよう形成される。インナフィン347bは、冷媒管45及び蓄冷材容器347の配列方向(流入方向)から視るときにこれらの少なくとも2つの冷媒管45と重畳するよう形成される。インナフィン347bは、過熱域Sが発生する冷媒管45を含む少なくとも2つの冷媒管45と接合される蓄冷材容器347において、過熱域Sが発生しない冷媒管45と重畳する領域では長手方向の全域に亘って蓄冷材容器347の内壁と接合される。また、過熱域Sが発生する冷媒管45と重畳する領域では、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分では蓄冷材容器347の内壁と接合されず、それ以外の部分では蓄冷材容器347の内壁と接合される。
この構成により、第4実施形態の蒸発器340は、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、風下側の非過熱域の冷媒管45にはインナフィン347bが接するため、風上側から風下側へ冷熱を伝えることができ冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達をより一層抑制できる。
また、第4実施形態の蒸発器340は、第1実施形態にて説明した各種の変形例も適用することができる。
[第5実施形態]
図29及び図30を参照して第5実施形態を説明する。第5実施形態の蒸発器440は、熱伝達抑制部としての蓄冷材容器447の形状が第2実施形態の蒸発器140における蓄冷材容器147と異なる。具体的には、図29,図30に示すように、冷媒管45が流れ方向の風上側と風下側に配置される場合において、一般的に過熱域Sは風上側に生じるため、風上側のみで蓄冷材容器447が冷媒管45と接合していない点で、第2実施形態と異なる。
この構成を言い換えると、蒸発器440において、複数の冷媒管45は、空気通路53の空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管45が配置される。蓄冷材容器447は、流れ方向に沿って配置される少なくとも2つの冷媒管45と接合するよう形成される。過熱域Sが発生する冷媒管45を含む少なくとも2つの冷媒管45と接合される蓄冷材容器447は、過熱域Sが発生しない冷媒管45と重畳する領域では延在方向(高さ方向)の全域に亘って冷媒管45と接合される。また、過熱域Sが発生する冷媒管45と重畳する領域では、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分(領域447c)では冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成され、それ以外の部分447aでは冷媒管45と接合される。
この構成により、第5実施形態の蒸発器440は、第2実施形態と同様の効果を奏する。また、風下側の非過熱域の冷媒管45には蓄冷材容器447が接するため、風上側から風下側へ冷熱を伝えることができ、冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達をより一層抑制できる。また、蓄冷材容器447の容積を、第2実施形態より増大させることができるので、より多くの蓄冷材50を収容できる。
また、第5実施形態の蒸発器440は、第2実施形態にて説明した各種の変形例も適用することができる。
[第6実施形態]
図31及び図32を参照して第6実施形態を説明する。第6実施形態の蒸発器540は、熱伝達抑制部としての蓄冷材容器547の形状が第3実施形態の蒸発器240における蓄冷材容器247と異なる。具体的には、図31,図32に示すように、冷媒管45が流れ方向の風上側と風下側に配置される場合において、一般的に過熱域Sは風上側に生じるため、風上側のみで蓄冷材容器547が冷媒管45と接合していない点で、第3実施形態と異なる。
この構成を言い換えると、蒸発器540において、複数の冷媒管45は、空気通路53の空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管45が配置される。蓄冷材容器547は、流れ方向に沿って配置される少なくとも2つの冷媒管45と接合するよう形成される。インナフィン547bは、冷媒管45及び蓄冷材容器547の配列方向(流入方向)から視るときに少なくとも2つの冷媒管45と重畳するよう形成される。過熱域Sが発生する冷媒管45を含む少なくとも2つの冷媒管45と接合される蓄冷材容器547は、過熱域Sが発生しない冷媒管45と重畳する領域では延在方向(高さ方向)の全域に亘って冷媒管45と接合される。また、過熱域Sが発生する冷媒管45と重畳する領域では、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分(領域547c)では冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成され、それ以外の部分547aでは冷媒管45と接合される。
この構成により、第6実施形態の蒸発器540は、第3実施形態と同様の効果を奏する。また、風下側の非過熱域の冷媒管45には蓄冷材容器547やインナフィン547bが接するため、風上側から風下側へ冷熱を伝えることができ、冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達をより一層抑制できる。また、蓄冷材容器547の容積を、第3実施形態より増大させることができるので、より多くの蓄冷材50を収容できる。
また、第6実施形態の蒸発器540は、第3実施形態にて説明した各種の変形例も適用することができる。
[第7実施形態]
図33〜図38を参照して第7実施形態を説明する。第7実施形態以降は、対象とする過熱域S1が第1〜第6実施形態の過熱域Sと異なる。第7実施形態に係る蒸発器1040(蓄冷熱交換器)は、冷媒の低流量時に冷媒通路の流量むらにより発生する過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する。
まず、図36〜図38を参照して、比較例としての従来の2ターン方式の冷媒通路を有する蒸発器2040の課題について説明する。
蒸発器2040では、第1ヘッダ2041に流れ込んだ冷媒は、第1熱交換部48の冷媒管45を通って第2ヘッダ2042に流れ込む(第1ターン)。第2ヘッダ2042と第4ヘッダ2044とは連通しているので、第2ヘッダ2042に流れ込んだ冷媒は第4ヘッダ2044に流れ込む。第4ヘッダ2044に流れ込んだ冷媒は、第2熱交換部49の冷媒管45を通って第3ヘッダ2043に流れこむ(第2ターン)。第3ヘッダ2043に流れ込んだ冷媒は外部に流出する。
このような蒸発器2040では、低冷媒流量時には、冷媒通路の入口近傍である流入方向手前側の冷媒管45のみに冷媒が流れやすく、流入方向奥側の冷媒管45まで冷媒が供給されにくい。このため、冷媒通路内の冷媒の流量が少ないときには、流入方向奥側の領域に過熱域S1が存在する。なお、図37に示す過熱域S2(第2過熱域)は、第1〜第6実施形態で対象とする出口近傍に発生する過熱域である。
第7実施形態の蒸発器1040は、このような過熱域S1の影響を受けにくくし、蓄冷材50の蓄冷性能を確保すべく、冷媒通路の構造に特徴を持たせている。蒸発器1040は、その基本構成は第1実施形態の蒸発器1040と同様であるが、冷媒通路の構成が異なり、より詳細には、第1ヘッダ1041、第2ヘッダ1042、第3ヘッダ1043、第4ヘッダ1044の内部の区画、及び、相互の連通関係が異なる。
図33〜図35に示すように、第1ヘッダ1041内は、第1実施形態の第1ヘッダ41とは異なり、第1区画と第2区画とは連通されている。したがって、第1ヘッダ1041に供給された冷媒は、第1群G1及び第2群G2に属する複数の冷媒管45に分配される。冷媒は、第1群G1の冷媒管45を通して第2ヘッダ1042の第1区画に流入し、第2群G2の冷媒管45を通して第2ヘッダ1042の第2区画に流入する。
第2ヘッダ1042は、第1実施形態の第2ヘッダ42と異なり、第1区画と第2区画との間が連通不能に封止されている。同様に、第4ヘッダ1044は、第1実施形態の第4ヘッダ44と異なり、第1区画と第2区画との間が連通不能に封止されている。流入方向手前側かつ流れ方向風下側に位置する第2ヘッダ42の第1区画は、流入方向奥側かつ流れ方向風上側に位置する第4ヘッダ1044の第1区画と連通されている。流入方向奥側かつ流れ方向風下側に位置する第2ヘッダ42の第2区画は、流入方向手前側かつ流れ方向風上側に位置する第4ヘッダ1044の第2区画と連通されている。これに対応して、冷媒は、第2ヘッダ1042の第1区画から第4ヘッダ1044の第1区画に流入し、第2ヘッダ1042の第2区画から第4ヘッダ1044の第2区画に流入する。
第3ヘッダ1043内は、第1実施形態の第3ヘッダ43とは異なり、第1区画と第2区画とは連通されている。第4ヘッダ1044の第1区画に流入された冷媒は、第3群G3に属する複数の冷媒管45に分配され、第4ヘッダ1044の第2区画に流入された冷媒は、第4群G4に属する複数の冷媒管45に分配される。冷媒は、第3群G3及び第4群G4の冷媒管45を通して第3ヘッダ1043に流入し、集合される。第3ヘッダ1043内の冷媒は、冷媒出口から流出し、圧縮機10へ向けて流れる。
このように、第7実施形態の蒸発器1040では、冷媒通路が、高さ方向下側の第2ヘッダタンク52において、高さ方向上側の第1ヘッダ1041から導入された冷媒の流入方向の位置を入れ替える構成をとる。つまり、流入方向の手前側から第1群G1の冷媒管45を介して導入された冷媒が流入方向の奥側へ入れ替えられ、また、流入方向の奥側から第2群G2の冷媒管45を介して導入された冷媒が流入方向の手前側に入れ替えられる。図33,図35に示すように、第2ヘッダタンク52内の冷媒通路の模式的な形状は、高さ方向から視たときにX字形状となり、また、蒸発器1040内の冷媒通路の模式的な形状は、2つの2ターン方式の冷媒通路を交差させたものとなる。第7実施形態の冷媒通路の構成を便宜的に「入替流れ方式」と表記する。
第7実施形態の入替流れ方式の冷媒通路の構成は以下のように表すことができる。蒸発器1040は、複数の冷媒管45の一端側が連通し、冷媒管45及び蓄冷材容器47の配列方向(流入方向)を長手方向とするよう形成される第1ヘッダタンク51と、複数の冷媒管45の他端側が連通し、流入方向を長手方向とするよう形成される第2ヘッダタンク52と、を備える。複数の冷媒管45は、空気通路53の空気の流れ方向に沿って一対となるように2列に配置されている。第1ヘッダタンク51の内部は、第1ヘッダ1041と第3ヘッダ1043に区分される。第1ヘッダ1041は、複数の冷媒管45のうち流れ方向の下流側に配置される冷媒管45と連通され、長手方向の一端部に冷媒通路の入口が設けられる入口側通路である。第3ヘッダ1043は、流れ方向の上流側に配置される冷媒管45と連通され、長手方向の一端部(または他端部)に冷媒通路の出口が設けられる出口側通路である。
複数の冷媒管45は、第1群G1、第2群G2、第3群G3、第4群G4に区分される。第1群G1の冷媒管45は、入口側通路としての第1ヘッダ1041と連通され、かつ、長手方向の一端部側(流入方向手前側)に配置される。第2群G2の冷媒管45は、入口側通路としての第1ヘッダ1041と連通され、かつ、長手方向の他端部側(流入方向奥側)に配置される。第3群G3の冷媒管45は、出口側通路としての第3ヘッダ1043と連通され、かつ、長手方向の他端部側に配置される。第4群G4の冷媒管45は、出口側通路としての第3ヘッダ1043と連通され、かつ、長手方向の一端部側に配置される。
第2ヘッダタンク52は、第1群G1と第3群G3とを連通し、第2群G2と第4群G4とを連通して、第1ヘッダ1041から流入方向の手前側及び奥側に導入された冷媒をそれぞれ奥側及び手前側に入れ替えて第3ヘッダ1043に導出するよう構成される。過熱域S1は、冷媒の低流量時に冷媒通路の流量むらによって複数の冷媒管45の第2群G2及び第4群G4において発生する過熱域である。上記の冷媒通路の構成によって、図35に示すように、過熱域S1が発生する第2群G2と、過熱域S1が発生しない第3群G3との両方に単一の蓄冷材容器47が接合される構造を実現できる。同様に、過熱域S1が発生しない第1群G1と、過熱域S1が発生する第4群G4との両方に単一の蓄冷材容器47が接合される構造を実現できる。
このような入替流れ方式の冷媒通路の構成により、冷媒低流量時など第1ヘッダ1041に導入された冷媒が流入方向の奥側に流れにくい状況においても、第1群G1及び第3群G3の冷媒管45を介して、比較的流量の多い冷媒の流れを流入方向の全域に亘って提供できる。つまり冷媒低流量時でも流入方向奥側に冷媒を良好に流すことができる。単一の蓄冷材容器47は、流れ方向に並列される2つの冷媒管45と接合されるが、これらの冷媒管45の一方には比較的流量の多い冷媒が流れる。これにより、蓄冷材容器47が接合される2つの冷媒管45の他方に過熱域S1が発生したとしても、過熱域S1にある蓄冷材50に対して非過熱域の冷熱を伝えることができるので、蓄冷材容器47内の蓄冷材50を良好に冷やすことができる。
つまり、第7実施形態では、入替流れ方式の冷媒通路によって第2ヘッダタンク52において冷媒の流入方向の位置を入れ替えることにより、過熱域S1が発生する冷媒管45と、過熱域が発生しない冷媒管45との両方に単一の蓄冷材容器47が接合されるという冷媒通路構造1045に特徴がある。この冷媒通路構造1045が、冷媒の低流量時に冷媒通路の流量むらにより発生する過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する「熱伝達抑制部」として機能する。そして、このような冷媒通路構造1045を設けることにより、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制することができ、冷媒温度が高温となる過熱域S1の影響により蓄冷材50が冷えにくくなる状況を回避できる。この結果、第7実施形態の蓄冷熱交換器としての蒸発器1040は、過熱域S1が存在する場合でも、過熱域S1の影響を受けにくくし、蓄冷性能を確保できる。
また、蓄冷材容器47の表面には凹凸があり、凸部が冷媒管45と接合する構成でもよい。
[第7実施形態の変形例]
図39〜図42を参照して第7実施形態の変形例について説明する。第7実施形態では一組の入替流れ方式の冷媒通路、すなわち、第2ヘッダタンク52において冷媒の流入方向の位置の入れ替わりが1か所である冷媒通路構造1045を例示したが、少なくとも一組の入替流れ方式の冷媒通路を含めば他の構成としてもよい。例えば図39、図40に示される蒸発器1040Aは、一組の入替流れ方式と、従来の2ターン方式とを併用している。図41,図42に示される蒸発器1040Bは、二組の入替流れ方式の冷媒通路が併用され、流入方向に沿って設けられている。さらに、複数組の入替流れ方式の冷媒通路を流入方向に沿って設けることもできる。蒸発器1040Aや蒸発器1040Bの冷媒通路の構成によっても、第7実施形態の冷媒通路構造1045と同様の構造を実現できるので、第7実施形態の蒸発器1040と同様の作用効果を奏することができる。
[第8実施形態]
図43〜図45を参照して第8実施形態を説明する。第8実施形態の蒸発器1140は、冷媒の低流量時に冷媒通路の流量むらにより発生する過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部の構成として、第7実施形態の構成に加えて、さらにインナフィン1147bによる機能も追加している点で、第7実施形態の蒸発器1040と異なる。具体的には、図43〜図45に示すように、過熱域S1(風下側奥側、風上側手前側)に接する蓄冷材容器1147において、インナフィン1147bがこの過熱域S1と接していない点が第7実施形態の蒸発器1040と異なる。
この構成を言い換えると、インナフィン1147bは、蓄冷材容器1147の内部において蓄冷材容器1147の長手方向(高さ方向)に沿って延在するよう配置される。インナフィン1147bは、過熱域S1が発生する冷媒管45の第2群G2及び第4群G4と蓄冷材容器1147とが接合する部分(図43中のB7−B7断面)では蓄冷材容器1147の内壁と接合されない。また、過熱域S1が発生しない冷媒管45の第1群G1及び第3群G3と蓄冷材容器1147とが接触する部分(図43中のA7−A7断面)では蓄冷材容器1147の内壁と接合される。このインナフィン1147bは、熱伝達抑制部として機能する。
この構成により、第8実施形態の蒸発器1140は、第7実施形態と同様の効果を奏する。また、過熱域S1でインナフィン1147bが蓄冷材容器1147と接していないため、過熱域S1の温熱が蓄冷材容器1147内の蓄冷材50に伝わりにくくなる。このため、過熱域S1の温熱の影響を受けずに非過熱域の冷熱で蓄冷材容器1147の内部の蓄冷材をより一層好適に冷やすことができる。
なお、第8実施形態のインナフィン1147bと蓄冷材容器1147との接合構造は上記のものに限定されず、過熱域S1における冷媒管45からインナフィン1147bを介しての蓄冷材50への伝熱量が過熱域S1以外の伝熱量より相対的に小さくなれば他の構成でもよい。言い換えると、過熱域S1におけるインナフィン1147bの伝熱性能を他の部分より相対的に低くできればよい。例えば図11を参照して第1実施形態にて説明したのと同様に、インナフィン1171bが、冷媒管45の過熱域S1と接触する部分では蓄冷材容器1147の外殻1147aの内壁面との接合率が相対的に低くなるよう接合され、冷媒管45の過熱域S1以外と接触する部分では内壁面との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。このように、過熱域S1におけるインナフィン1147bを介しての伝熱量を相対的に小さくする、または、インナフィン1147bと蓄冷材容器1147との接合率を相対的に低くすることにより、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、本実施形態の蒸発器1140と同様の効果が得られる。
また、図12を参照して第1実施形態にて説明した構成と同様に、インナフィン1147bの波型形状が蓄冷材容器1147の短手方向(流れ方向)に連続する構成、すなわち、インナフィン1147bの峰と谷が高さ方向に沿って延びている構成としてもよい。この場合、インナフィン1147bの峰及び谷は、流れ方向に沿って冷媒管45の過熱域S1と接触するものは蓄冷材容器1147の外殻1147aの内壁面と接合されず、冷媒管45の過熱域S1以外と接触するものは内壁面と接合される。この構成でも、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、本実施形態の蒸発器1140と同様の効果が得られる。
[第9実施形態]
図46〜図48を参照して第9実施形態を説明する。第9実施形態の蒸発器1240は、冷媒の低流量時に冷媒通路の流量むらにより発生する過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部の構成として、第7実施形態の構成に加えて、さらに蓄冷材容器1247による機能も追加している点で、第7実施形態の蒸発器1040と異なる。具体的には、図46〜図48に示すように、過熱域S1(風下側奥側、風上側手前側)に接する蓄冷材容器1247が、この過熱域S1を発生させる冷媒管45に接合しない点で第7実施形態の蒸発器1040と異なる。また、第9実施形態の蒸発器1240は、蓄冷材容器1247の内部にインナフィンを設けない点が第7実施形態の蒸発器1040と異なる。
この構成を言い換えると、蓄冷材容器1247は、過熱域S1が発生する冷媒管45の第2群G2及び第4群G4と接触する部分(図46中のB8−B8断面、領域1247c)では冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成される。また、過熱域S1が発生しない冷媒管45の第1群G1及び第3群G3と接触する部分(図46中のA8−A8断面、外殻1247a)において冷媒管45と接合される。この蓄冷材容器1247が熱伝達抑制部として機能する。
この構成により、第9実施形態の蒸発器1240は、第7実施形態と同様の効果を奏する。また、過熱域S1で蓄冷材容器1247が冷媒管45と接していないため、過熱域S1の温熱が蓄冷材容器1247内の蓄冷材50に伝わりにくくなる。このため、過熱域S1の温熱の影響を受けずに非過熱域の冷熱で蓄冷材容器1247の内部の蓄冷材50をより一層好適に冷やすことができる。
なお、第9実施形態の蓄冷材容器1247の形状は、上記のものに限定されず、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材容器1247を介しての蓄冷材50への伝熱量が過熱域S1以外の伝熱量より相対的に小さくなれば他の構成でもよい。言い換えると、過熱域S1における蓄冷材容器1247の伝熱性能を他の部分より相対的に低くできればよい。例えば図23を参照して第2実施形態にて説明した構成と同様に、蓄冷材容器1247が、冷媒管45の過熱域S1と接触する部分(領域1247c)では冷媒管45との接合率が相対的に低くなるように接合され、冷媒管45の過熱域S1以外と接触する部分(外殻1247a)において冷媒管45との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。このように、過熱域S1における蓄冷材容器1247の伝熱量を相対的に小さくする、または、蓄冷材容器1247と冷媒管45との接合率を相対的に低くすることにより、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、本実施形態の蒸発器1240と同様の効果が得られる。
[第10実施形態]
図49〜図51を参照して第10実施形態を説明する。第10実施形態の蒸発器1340は、冷媒の低流量時に冷媒通路の流量むらにより発生する過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部の構成として、第7実施形態の構成に加えて、さらに蓄冷材容器1247による機能も追加している点で、第7実施形態の蒸発器1040と異なる。具体的には、図49〜図51に示すように、過熱域S1(風下側奥側、風上側手前側)に接する蓄冷材容器1247が、この過熱域S1を発生させる冷媒管45に接合しない点で第7実施形態の蒸発器1040と異なる。
この構成を言い換えると、インナフィン1347bは、蓄冷材容器1347の内部において蓄冷材容器1347の長手方向(高さ方向)に沿って延在するよう配置され、蓄冷材容器1347の内壁と長手方向の全域に亘って接合される。蓄冷材容器1347は、過熱域S1が発生する冷媒管45の第2群G2及び第4群G4と接触する部分(図49中のB9−B9断面、領域1347c)では冷媒管45と接合されず冷媒管45と間隔をあけて形成される。また、過熱域S1が発生しない冷媒管45の第1群G1及び第3群G3と接触する部分(図49中のA9−A9断面、外殻1347a)において冷媒管45と接合される。この蓄冷材容器1347が熱伝達抑制部として機能する。
この構成により、第10実施形態の蒸発器1340は、第7実施形態と同様の効果を奏する。また、過熱域S1で蓄冷材容器1347が冷媒管45と接していないため、過熱域S1の温熱が蓄冷材容器1347内の蓄冷材50に伝わりにくくなる。また、蓄冷材容器1347の内部にインナフィン1347bが設けられるので、非過熱側の冷熱を過熱域側に伝えやすい。このため、過熱域S1の温熱の影響を受けずに非過熱域の冷熱で蓄冷材容器1347の内部の蓄冷材50をより一層好適に冷やすことができる。
なお、第10実施形態の蒸発器1340でも、第8実施形態と同様に、インナフィン1347bが、過熱域S1が発生する冷媒管45の第2群G2及び第4群G4と蓄冷材容器1347とが接合する部分(領域1347c)では蓄冷材容器1347の内壁と接合されない構成としてもよい。この構成により、過熱域S1ではインナフィン1347bが蓄冷材容器1347、つまり冷媒管45に接合していないため、過熱冷媒からの温熱が蓄冷材50の内部へより一層伝わりにくくなる。
なお、第10実施形態の蓄冷材容器1347の形状は、上記のものに限定されず、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材容器1247を介しての蓄冷材50への伝熱量が過熱域S1以外の伝熱量より相対的に小さくなれば他の構成でもよい。言い換えると、過熱域S1における蓄冷材容器1347の伝熱性能を他の部分より相対的に低くできればよい。例えば、図23を参照して第2実施形態にて説明した構成と同様に、蓄冷材容器21347が、冷媒管45の過熱域S1と接触する部分(領域1347c)では冷媒管45との接合率が相対的に低くなるように接合され、冷媒管45の過熱域S1以外と接触する部分(外殻1347a)において冷媒管45との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。このように、過熱域S1における蓄冷材容器1347の伝熱量を相対的に小さくする、または、蓄冷材容器1347と冷媒管45との接合率を相対的に低くすることにより、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、本実施形態の蒸発器1340と同様の効果が得られる。
さらに、第8実施形態と同様にインナフィン1347bと蓄冷材容器1347との接合構成によって過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制する構成を適用する場合には、図11を参照して第1実施形態にて説明したのと同様の構成を適用できる。具体的には、インナフィン1347bが、冷媒管45の過熱域S1と接触する部分では蓄冷材容器1347の外殻1347aの内壁面との接合率が相対的に低くなるよう接合され、冷媒管45の過熱域S1以外と接触する部分では内壁面との接合率が相対的に高くなるよう接合される構成とすることができる。このように、インナフィン1347bと蓄冷材容器1347との接合率を相対的に低くすることによっても、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、本実施形態の蒸発器1340と同様の効果が得られる。
また、図12を参照して第1実施形態にて説明した構成と同様に、インナフィン1347bの波型形状が蓄冷材容器1347の短手方向(流れ方向)に連続する構成、すなわち、インナフィン1347bの峰と谷が高さ方向に沿って延びている構成としてもよい。この構成でも、過熱域S1における冷媒管45から蓄冷材50への熱伝達を抑制でき、本実施形態の蒸発器1340と同様の効果が得られる。
[第11実施形態]
図52を参照して第11実施形態を説明する。第11実施形態の蒸発器1440は、複数の冷媒管45のうち、過熱域S1が発生する第2群G2及び第4群G4と接触する部分に、他の部分(本実施形態では第1群G1)と比較して相対的に融点の高い高融点蓄冷材50Aが配置され、さらに、過熱域S2が発生する第3群G3と接触する部分にも高融点蓄冷材50Aが配置される点で、第7実施形態の蒸発器1040(図33〜図35参照)と異なる。
図34を参照して説明したように、入替流れ形式の冷媒流路構造1045では、冷媒の低流量時に冷媒通路の流量むらによって、複数の冷媒管45の第2群G2及び第4群G4において過熱域S1が発生する。また、複数の冷媒管45の第3群G3の出口近傍には、第1〜第6実施形態の過熱域Sと同様の仕組みによって過熱域S2が発生する。第11実施形態では、これらの過熱域S1,S2が発生する冷媒管45(すなわち第2群G2、第3群G3、第4群G4)と接触する蓄冷材容器47の内部には高融点蓄冷材50Aが収容されている。
ここで、冷媒管45の第1群G1及び第4群G4の両方と接触する蓄冷材容器47は、図52に示すように、第1群G1と接触する部分(流れ方向の風下側の半分)に通常の融点の蓄冷材50が充填され、第4群G4と接触する部分(流れ方向の風上側の半分)には高融点蓄冷材50Aが充填されている。このような構成は、例えば蓄冷材容器47の流れ方向の略中間の位置に仕切り板を内蔵させ、単一の蓄冷材容器47の内部空間を区分することにより実現できる。なお、冷媒管45の第2群G2及び第3群G3の両方と接触する蓄冷材容器47では、単に内部空間の全体に高融点蓄冷材50Aを充填すればよい。
高融点蓄冷材50Aを適用して蓄冷材の融点が高くすると、蓄冷材を冷やす冷媒との温度差が大きくなるため、蓄冷材がより冷えやすくなる(凝固しやすくなる)。例えば、冷媒管45の通常の領域における冷媒の温度を−3℃、冷媒管45の過熱域S1,S2における冷媒の温度を0℃、冷媒管45の通常領域の冷媒と熱交換する蓄冷材の融点を5℃と仮定する。このとき、冷媒管45の過熱域S1,S2の冷媒と熱交換する蓄冷材の融点が、通常領域における蓄冷材の融点と同一の場合には、過熱域S1,S2では相対的に蓄冷材が凝固しにくくなり、過熱域S1,S2における蓄冷材の凝固性は通常領域より低くなる。一方、過熱域S1,S2における蓄冷材の融点を、通常領域における蓄冷材の融点に対して、通常領域と過熱域S1,S2の冷媒間の温度差(ここでは+3℃)の分だけ高くすれば、過熱域S1,S2における蓄冷材の凝固性は通常領域と同等となる。また、過熱域S1,S2の蓄冷材の融点を、通常領域における蓄冷材の融点に対して通常領域と過熱域S1,S2の冷媒間の温度差より高くすれば、過熱域S1,S2における蓄冷材の凝固性は通常領域より向上する。
このように、第11実施形態の蒸発器1440は、過熱域S1,S2が発生する冷媒管45と接触する部分に高融点蓄冷材50Aを配置する構成とすることにより、蓄冷材と熱交換する冷媒が過熱域S1,S2のものか通常領域のものかに依存することなく、蓄冷材の凝固性を均一にすることができる。これにより、過熱域S1,S2の影響を受けにくくすることができ、蒸発器1440の蓄放熱性能を高めることができる。
[第11実施形態の変形例]
なお、第11実施形態では、過熱域S2が発生する冷媒管45の第3群G3と接触する蓄冷材容器47の高さ方向の全体に亘って、その内部に高融点蓄冷材50Aを充填する構成を例示したが、少なくとも過熱域S2と接触する部分を高融点蓄冷材50Aとすればよい。例えば、冷媒管45の第3群G3と接触する蓄冷材容器47のうち、過熱域S2が発生する出口側通路側の近傍に接触する部分のみに高融点蓄冷材50Aを収容する構成としてもよい。このような構成は、例えば蓄冷材容器47の過熱域S2と重畳する部分(例えば流れ方向風上側、かつ、高さ方向上側の四分の一の領域)に沿って仕切り板を内蔵させ、単一の蓄冷材容器47の内部空間を区分することにより実現できる。
[第12実施形態]
図53を参照して第12実施形態を説明する。第12実施形態の蒸発器1540は、複数の冷媒管45のうち、過熱域S1が発生する第2群G2及び第4群G4と接触する部分に高融点蓄冷材50Aが配置される点で、第7実施形態の蒸発器1040(図33〜図35参照)と異なる。言い換えると、過熱域S2が発生する第3群G3と接触する部分に高融点蓄冷材50Aが配置されない点で、第11実施形態の蒸発器1440(図52参照)と異なる。
ここで、冷媒管45の第2群G2及び第3群G3の両方と接触する蓄冷材容器47は、図53に示すように、第3群G3と接触する部分(流れ方向の風上側の半分)に通常の融点の蓄冷材50が充填され、第2群G2と接触する部分(流れ方向の風下側の半分)には高融点蓄冷材50Aが充填されている。なお、冷媒管45の第1群G1及び第4群G4の両方と接触する蓄冷材容器47の構成は、図52を参照して説明した第11実施形態のものと同様である。
第12実施形態の蒸発器1540は、第11実施形態の蒸発器1440と同様に、過熱域S1が発生する冷媒管45と接触する部分に高融点蓄冷材50Aを配置する構成であるので、第11実施形態と同様に、蓄冷材と熱交換する冷媒が過熱域S1のものか通常領域のものかに依存することなく、蓄冷材の凝固性を均一にすることができる。これにより、過熱域S1の影響を受けにくくすることができ蓄放熱性能を高めることができるという効果を奏することができる。
さらに、第12実施形態の蒸発器1540では、2種類の融点の蓄冷材(蓄冷材50及び高融点蓄冷材50A)が、冷媒温度の分布(流れ方向に沿った通常→過熱域S1の順の分布)に対応して左右均等(流れ方向に沿って同量ずつ)に蓄冷材容器47内に保持された状態となる。この構成により、2種類の融点の蓄冷材のそれぞれの凍り方が同等となり、この結果、放熱時の吹出し温度分布を均一化することができる。
[第13実施形態]
図54を参照して第13実施形態を説明する。第13実施形態の蒸発器1640は、過熱域Sと接触する部分の蓄冷材が高融点蓄冷材50Aである点で、第1実施形態の蒸発器40と異なる。
図5を参照して説明したように、所謂4ターン方式の冷媒通路構造では、第4群G4の冷媒管45における高さ方向上側の略半分の領域、すなわち冷媒通路の出口の近傍において、冷媒の蒸発により過熱域Sが発生する。第13実施形態では、この過熱域Sが発生する冷媒管45(すなわち第4群G4)と接触する蓄冷材容器47の内部には高融点蓄冷材50Aが収容されている。
なお、第13実施形態では、少なくとも過熱域Sと接触する部分の蓄冷材が高融点蓄冷材50Aであればよく、例えば、高融点蓄冷材50Aが、過熱域Sが発生する冷媒管45の第4群G4と接触する蓄冷材容器47の高さ方向の全体に亘って充填される構成でもよいし、過熱域Sと接触する部分のみに充填される構成でもよい。
第13実施形態の蒸発器1640は、第11実施形態の蒸発器1440と同様に、過熱域Sが発生する冷媒管45と接触する部分に高融点蓄冷材50Aを配置する構成である。このため、4ターン方式の冷媒通路構造においても、第11実施形態の入替流れ形式の冷媒流路構造1045と同様に、蓄冷材と熱交換する冷媒が過熱域Sのものか通常領域のものかに依存することなく、蓄冷材の凝固性を均一にすることができる。これにより、過熱域Sの影響を受けにくくすることができ蓄放熱性能を高めることができるという効果を奏することができる。なお、第13実施形態の構成は、4ターン方式の冷媒通路構造に関する他の第2〜第6実施形態にも適用できる。
[第14実施形態]
図55を参照して第14実施形態を説明する。第14実施形態の蒸発器1740は、蓄冷材容器47の内部に、冷媒管45の延在方向である長手方向(すなわち高さ方向)に沿って内部空間を区切る一対の仕切り板47dが設けられる点で、上記の各実施形態と異なる。
図55に示すように、一対の仕切り板47dのうちの一方(図55では右側の板)は、蓄冷材容器47の長手方向の一方側(図55では、高さ方向下側)の端部に間隙を有する。また、一対の仕切り板47dのうちの他方(図55では左側の板)は、蓄冷材容器47の長手方向の他方側(図55では、高さ方向上側)の端部に間隙を有する。仕切り板47dは、流れ方向に沿って略等間隔に配置されている。また、蓄冷材容器47は、流れ方向の側壁のうち一方の仕切り板に近いほうの側壁に、蓄冷材封入パイプ47eを備える。
蓄冷材容器47では、蓄冷材封入パイプ47eを介して内部に蓄冷材50が封入されるが、その際に、凍結膨張対策として内部空間を蓄冷材50で満杯にはせず、蓄冷材容器47の内部の上側に15%程度の隙を設けているのが一般的である。例えば、図55に示すように内部空間の上端に高さC1程度の空間が残ることになる。ここで、上記実施形態で説明した過熱域S,S2は、主に冷媒管45の高さ方向上側で発生する。このため、従来の構成では、蓄冷材容器47の高さ方向上側が冷えにくくなり、冷え不具合が発生する虞がある。
第14実施形態の構成では、一対の仕切り板47dによって蓄冷材容器47の内部空間が3つに区切られ、これらの区切られた領域が直列に連なる構成となる。このため、従来と同様に、凍結膨張対策として15%程度の隙を設けるように蓄冷材50を注入すると、図55に示すように、蓄冷材封入パイプ47eが連通する領域のみに空間47fができ、奥側の2つの領域では蓄冷材50が高さ方向の全域に亘り充填される。つまり、空間47fだけ見れば、上端からの高さc2は従来の高さc1より増えるものの、蓄冷材容器47の内部空間の全体をみれば、高さ方向では蓄冷材50が存在しない位置が存在しなくなる。言い換えると、流れ方向から蓄冷材容器47の内部空間を視たときに、高さ方向の全域に亘って蓄冷材50が配置される。これにより、蓄冷材容器47内の上端に隙ができるのを防止でき、蓄冷材容器47の高さ方向上側の冷え残り部を解消することができる。
なお、一対の仕切り板47dは、少なくとも一対が蓄冷材容器47の内部に設けられればよく、複数対の仕切り板を設ける構成としてもよい。
[第15実施形態]
図56を参照して第15実施形態を説明する。第15実施形態の蒸発器1840は、過熱域Sが発生する冷媒管45と接合される蓄冷材容器47が、冷媒管45の過熱域Sと接触する部分には設けられず、冷媒管45の過熱域S以外と接触する部分のみに設けられる点で、第1実施形態の蒸発器40と異なる。
図5を参照して説明したように、所謂4ターン方式の冷媒通路構造では、第4群G4の冷媒管45における高さ方向上側の略半分の領域、すなわち冷媒通路の出口の近傍において、冷媒の蒸発により過熱域Sが発生する。第15実施形態では、図56に示すように、この過熱域Sが発生する冷媒管45、すなわち第4群G4の冷媒管45と接触する蓄冷材容器47は、過熱域Sは発生する領域(冷媒通路の出口の近傍)には配置されていない。
第15実施形態の蒸発器1840は、この構成により、過熱域Sの冷媒と蓄冷材50との間の熱交換を分断することができ、冷却効率の改善を図ることができる。これにより、蓄冷材50の凝固を促進させ、従来製品に対して放冷時間を長くする事で、この蒸発器1840が搭載される車両のアイドルストップ時に、エアコンのオフ時間を長くして、更なる燃費改善を図ることができる。なお、第15実施形態の構成は、4ターン方式の冷媒通路構造に関する他の第2〜第6実施形態にも適用できる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
例えば、上記の第1〜第6実施形態において説明した、冷媒通路の出口の近傍において冷媒の蒸発により発生する過熱域S,S2による蓄冷の影響を低減する手法を、第7〜第10実施形態の構成に組み合わせることも可能である。
上記実施形態では、蒸発器40において、蓄冷材容器47が2つの冷媒管45の間に配置され、これら2つの冷媒管45と接合され、それぞれの冷媒管45における蓄冷材容器47と反対側に空気通路53が設けられる構成を例示したが、この構成に限られない。例えば、冷媒管45と蓄冷材容器47とが同一方向に延在するよう一体的な部材として形成され、空気通路53がこれらの部材の隙間に設けられる構成でもよい。
上記実施形態では、蓄冷材50が蓄冷材容器47に収容される構成を例示したが、これに限られない。例えば、蓄冷材50が蓄冷材容器47に収容されず、冷媒管45と直接接触する構成として、冷媒管45から蓄冷材50に対して熱伝達を直接行う構成とすることもできる。
1:冷凍サイクル装置
10:圧縮機
40,401,140,1401,240,2401,340,440,540,1040,1140,1240,1340,1440,1540,1640,1740,1840:蒸発器(蓄冷熱交換器)
45:冷媒管
47,471,147,1471,247,2471,347,447,547,1147,1247,1347:蓄冷材容器(熱伝達抑制部)
47b,471b,247b,2471b,347b,547b,1147b,1247b,1347b:インナフィン(熱伝達抑制部)
47d:一対の仕切り板
50:蓄冷材
50A:高融点蓄冷材
51:第1ヘッダタンク
52:第2ヘッダタンク
53:空気通路
1041:第1ヘッダ(入口側通路)
1043:第3ヘッダ(出口側通路)
1045:冷媒通路構造
S,S1:過熱域
S2:過熱域(第2過熱域)
G1:第1群の冷媒管
G2:第2群の冷媒管
G3:第3群の冷媒管
G4:第4群の冷媒管

Claims (37)

  1. 冷媒を流通させる冷媒通路を有し、互いに間隔をあけて配置される複数の冷媒管(45)と、
    前記複数の冷媒管と隣接する蓄冷材(50)と、
    前記冷媒通路にて発生する前記冷媒の過熱域(S、S1,S2)における前記冷媒管から前記蓄冷材への熱伝達を抑制する熱伝達抑制部(47b,471b,147、1471,247,2471,347b,447,547,1045,1147b,1247,1347)と、
    を備える蓄冷熱交換器(40,401,140,1401,240,2401,340,440,540,1040,1140,1240,1340,1440,1540,1640,1740,1840)。
  2. 前記複数の冷媒管と隣接し、前記蓄冷材を収容する複数の蓄冷材容器(47,471,147,1471,247,2471,347,447,547,1147,1247,1347)を備える、
    請求項1に記載の蓄冷熱交換器。
  3. 前記複数の蓄冷材容器のそれぞれは、前記冷媒管の延在方向を長手方向として前記複数の冷媒管のうちの2つの冷媒管の間に配置され、前記2つの冷媒管と接合され、
    前記複数の蓄冷材容器のそれぞれと接合される前記2つの冷媒管における前記蓄冷材容器と反対側に、前記複数の冷媒管のうちの他の冷媒管との隙間に形成され、前記隙間を流れる空気と前記冷媒との間で熱交換する空気通路(53)を備える、
    請求項2に記載の蓄冷熱交換器。
  4. 前記熱伝達抑制部(47b,471b,147,1471,247,2471,347b,447,547)は、前記冷媒通路の出口の近傍において前記冷媒の蒸発により発生する前記過熱域(S)における前記冷媒管から前記蓄冷材への熱伝達を抑制する、
    請求項3に記載の蓄冷熱交換器(40,401,140,1401,240,2401,340,440,540,1640,1840)。
  5. 前記蓄冷材容器の内部において前記冷媒管の延在方向である長手方向に沿って延在するよう配置されるインナフィン(47b,471b,347b)を備え、
    前記インナフィンは、前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器において、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材への前記インナフィンを介した伝熱量が相対的に小さく、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材への前記インナフィンを介した伝熱量が相対的に大きく、
    前記熱伝達抑制部は前記インナフィンを含む、
    請求項4に記載の蓄冷熱交換器(40,401,340)。
  6. 前記インナフィン(471b)は、前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器において、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記蓄冷材容器の内壁との接合率が相対的に低く、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分では前記蓄冷材容器の内壁との接合率が相対的に高い、
    請求項5に記載の蓄冷熱交換器(401)。
  7. 前記インナフィン(47b,347b)は、前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器において、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記蓄冷材容器の内壁と接合されず、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分では前記蓄冷材容器の内壁と接合される、
    請求項5に記載の蓄冷熱交換器(40,340)。
  8. 前記複数の冷媒管は、前記空気通路の前記空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管が配置され、
    前記蓄冷材容器は、前記空気の流れ方向に沿って配置される前記少なくとも2つの冷媒管と接合するよう形成され、
    前記インナフィン(47b)は、前記冷媒管及び前記蓄冷材容器の配列方向から視るときに前記少なくとも2つの冷媒管と重畳するよう形成され、
    前記インナフィンは、前記過熱域が発生する冷媒管を含む前記少なくとも2つの冷媒管と接合される前記蓄冷材容器において、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分を含み、かつ、前記空気の流れ方向から視るときに、前記冷媒管の前記過熱域と接触する前記部分と重畳する領域では前記蓄冷材容器の内壁と接合されず、それ以外の領域では前記蓄冷材容器の内壁と接合される、
    請求項7に記載の蓄冷熱交換器(40)。
  9. 前記複数の冷媒管は、前記空気通路の前記空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管が配置され、
    前記蓄冷材容器は、前記空気の流れ方向に沿って配置される前記少なくとも2つの冷媒管と接合するよう形成され、
    前記インナフィン(347b)は、前記冷媒管及び前記蓄冷材容器の配列方向から視るときに前記少なくとも2つの冷媒管と重畳するよう形成され、
    前記インナフィンは、前記過熱域が発生する冷媒管を含む前記少なくとも2つの冷媒管と接合される前記蓄冷材容器において、前記過熱域が発生しない冷媒管と重畳する領域では前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の全域に亘って前記蓄冷材容器の内壁と接合され、前記過熱域が発生する冷媒管と重畳する領域では、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記蓄冷材容器の内壁と接合されず、それ以外の部分では前記蓄冷材容器の内壁と接合される、
    請求項7に記載の蓄冷熱交換器(340)。
  10. 前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(147,1471,447)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に小さく、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に大きく、
    前記熱伝達抑制部は前記蓄冷材容器を含む、
    請求項4〜9のいずれか1項に記載の蓄冷熱交換器(140,1401,440)。
  11. 前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(1471)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記冷媒管との接合率が相対的に低く、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分では前記冷媒管との接合率が相対的に高い、
    請求項10に記載の蓄冷熱交換器(1401)。
  12. 前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(147,447)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分において前記冷媒管と接合される、
    請求項10に記載の蓄冷熱交換器(140,440)。
  13. 前記複数の冷媒管は、前記空気通路の前記空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管が配置され、
    前記蓄冷材容器は、前記空気の流れ方向に沿って配置される前記少なくとも2つの冷媒管と接合するよう形成され、
    前記過熱域が発生する冷媒管を含む前記少なくとも2つの冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(147)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分を含み、かつ、前記空気の流れ方向から視るときに、前記冷媒管の前記過熱域と接触する前記部分と重畳する領域では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、それ以外の領域では前記冷媒管と接合される、
    請求項12に記載の蓄冷熱交換器(140)。
  14. 前記複数の冷媒管は、前記空気通路の前記空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管が配置され、
    前記蓄冷材容器は、前記空気の流れ方向に沿って配置される前記少なくとも2つの冷媒管と接合するよう形成され、
    前記過熱域が発生する冷媒管を含む前記少なくとも2つの冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(447)は、前記過熱域が発生しない冷媒管と重畳する領域では前記延在方向の全域に亘って前記冷媒管と接合され、前記過熱域が発生する冷媒管と重畳する領域では、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、それ以外の部分では前記冷媒管と接合される、
    請求項12に記載の蓄冷熱交換器(440)。
  15. 前記蓄冷材容器の内部において前記冷媒管の延在方向である前記長手方向に沿って延在するよう配置され、前記蓄冷材容器の内壁と接合されるインナフィンを備え、
    前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(247,2471,547)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に小さく、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に大きく、
    前記熱伝達抑制部は前記蓄冷材容器を含む、
    請求項4に記載の蓄冷熱交換器(240,2401,540)。
  16. 前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(2471)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記冷媒管との接合率が相対的に低く、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分では前記冷媒管との接合率が相対的に高い、
    請求項15に記載の蓄冷熱交換器(2401)。
  17. 前記過熱域が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(247,547)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分において前記冷媒管と接合される、
    請求項15に記載の蓄冷熱交換器(240,540)。
  18. 前記複数の冷媒管は、前記空気通路の前記空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管が配置され、
    前記蓄冷材容器は、前記空気の流れ方向に沿って配置される前記少なくとも2つの冷媒管と接合するよう形成され、
    前記インナフィンは、前記冷媒管及び前記蓄冷材容器の配列方向から視るときに前記少なくとも2つの冷媒管と重畳するよう形成され、
    前記過熱域が発生する冷媒管を含む前記少なくとも2つの冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(247)は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分を含み、かつ、前記空気の流れ方向から視るときに、前記冷媒管の前記過熱域と接触する前記部分と重畳する領域では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、それ以外の領域では前記冷媒管と接合される、
    請求項17に記載の蓄冷熱交換器(240)。
  19. 前記複数の冷媒管は、前記空気通路の前記空気の流れ方向に沿って少なくとも2つの冷媒管が配置され、
    前記蓄冷材容器は、前記空気の流れ方向に沿って配置される前記少なくとも2つの冷媒管と接合するよう形成され、
    前記インナフィンは、前記冷媒管及び前記蓄冷材容器の配列方向から視るときに前記少なくとも2つの冷媒管と重畳するよう形成され、
    前記過熱域が発生する冷媒管を含む前記少なくとも2つの冷媒管と接合される前記蓄冷材容器(547)は、前記過熱域が発生しない冷媒管と重畳する領域では前記延在方向の全域に亘って前記冷媒管と接合され、前記過熱域が発生する冷媒管と重畳する領域では、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、それ以外の部分では前記冷媒管と接合される、
    請求項17に記載の蓄冷熱交換器(540)。
  20. 前記過熱域(S)が発生する前記冷媒管と接合される前記蓄冷材容器は、前記冷媒管の前記過熱域と接触する部分には設けられず、前記冷媒管の前記過熱域以外と接触する部分のみに設けられる、請求項4〜19のいずれか1項に記載の蓄冷熱交換器(1840)。
  21. 少なくとも前記過熱域(S)と接触する部分の前記蓄冷材は、他の部分と比較して相対的に融点の高い高融点蓄冷材(50A)である、
    請求項1〜19のいずれか1項に記載の蓄冷熱交換器(1640)。
  22. 前記複数の冷媒管の一端側が連通し、前記冷媒管及び前記蓄冷材容器の配列方向を長手方向とするよう形成される第1ヘッダタンク(51)と、
    前記複数の冷媒管の他端側が連通し、前記配列方向を長手方向とするよう形成される第2ヘッダタンク(52)と、
    を備え、
    前記複数の冷媒管は、前記空気通路の前記空気の流れ方向に沿って一対となるように2列に配置されており、
    前記第1ヘッダタンクの内部は、前記複数の冷媒管のうち前記空気の流れ方向の下流側に配置される冷媒管と連通され、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の一端部に前記冷媒通路の入口が設けられる入口側通路(1041)と、前記空気の流れ方向の上流側に配置される冷媒管と連通され、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の一端部または他端部に前記冷媒通路の出口が設けられる出口側通路(1043)とに区分され、
    前記複数の冷媒管は、前記入口側通路と連通され、かつ、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の前記一端部側に配置される第1群(G1)と、前記入口側通路と連通され、かつ、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の前記他端部側に配置される第2群(G2)と、前記出口側通路と連通され、かつ、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の前記他端部側に配置される第3群(G3)と、前記出口側通路と連通され、かつ、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の前記一端部側に配置される第4群(G4)と、に区分され、
    前記第2ヘッダタンクは、前記第1群と前記第3群とを連通し、前記第2群と前記第4群とを連通して、前記入口側通路から前記冷媒管の延在方向である前記長手方向の前記一端部側及び前記他端部側に導入された前記冷媒をそれぞれ前記他端部側及び前記一端部側に入れ替えて前記出口側通路に導出するよう構成され、
    前記過熱域(S1)は、前記複数の冷媒管の前記第2群及び前記第4群において発生する過熱域であり、
    前記熱伝達抑制部(1045,1147b,1247,1347)は、前記過熱域が発生する前記第2群と、前記過熱域が発生しない前記第3群との両方に前記蓄冷材容器が接合される構造と、前記過熱域が発生しない前記第1群と、前記過熱域が発生する前記第4群との両方に前記蓄冷材容器が接合される構造と、を有する冷媒通路構造(1045)を含む、
    請求項2または3に記載の蓄冷熱交換器(1040,1140,1240,1340,1440,1540)。
  23. 前記蓄冷材容器の内部において前記冷媒管の延在方向である前記長手方向に沿って延在するよう配置されるインナフィン(1147b)を備え、
    前記インナフィンは、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と前記蓄冷材容器とが接合する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材への前記インナフィンを介した伝熱量が相対的に小さく、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と前記蓄冷材容器とが接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材への前記インナフィンを介した伝熱量が相対的に大きく、
    前記熱伝達抑制部は前記インナフィンを含む、
    請求項22に記載の蓄冷熱交換器(1140)。
  24. 前記インナフィンは、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と前記蓄冷材容器とが接合する部分では前記蓄冷材容器の内壁との接合率が相対的に低く、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と前記蓄冷材容器とが接触する部分では前記蓄冷材容器の内壁との接合率が相対的に高い、
    請求項23に記載の蓄冷熱交換器。
  25. 前記インナフィンは、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と前記蓄冷材容器とが接合する部分では前記蓄冷材容器の内壁と接合されず、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と前記蓄冷材容器とが接触する部分では前記蓄冷材容器の内壁と接合される、
    請求項23に記載の蓄冷熱交換器。
  26. 前記蓄冷材容器(1247)は、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に小さく、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に大きく、
    前記熱伝達抑制部は前記蓄冷材容器を含む、
    請求項22〜25のいずれか1項に記載の蓄冷熱交換器(1240)。
  27. 前記蓄冷材容器は、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と接触する部分では前記冷媒管との接合率が相対的に低く、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と接触する部分では前記冷媒管との接合率が相対的に高い、
    請求項26に記載の蓄冷熱交換器。
  28. 前記蓄冷材容器は、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と接触する部分では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と接触する部分において前記冷媒管と接合される、
    請求項26に記載の蓄冷熱交換器。
  29. 前記蓄冷材容器の内部において前記冷媒管の延在方向である前記長手方向に沿って延在するよう配置され、前記蓄冷材容器の内壁と接合されるインナフィンを備え、
    前記蓄冷材容器(1347)は、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に小さく、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と接触する部分では、前記冷媒管から前記蓄冷材容器を介しての前記蓄冷材への伝熱量が相対的に大きく、
    前記熱伝達抑制部は前記蓄冷材容器を含む、
    請求項22に記載の蓄冷熱交換器(1340)。
  30. 前記蓄冷材容器は、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と接触する部分では前記冷媒管との接合率が相対的に低く、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と接触する部分では、前記冷媒管との接合率が相対的に高い、
    請求項29に記載の蓄冷熱交換器。
  31. 前記蓄冷材容器は、前記過熱域が発生する前記冷媒管の前記第2群及び前記第4群と接触する部分では前記冷媒管と接合されず前記冷媒管と間隔をあけて形成され、前記過熱域が発生しない前記冷媒管の前記第1群及び前記第3群と接触する部分において前記冷媒管と接合される、
    請求項29に記載の蓄冷熱交換器。
  32. 前記熱伝達抑制部として含まれる前記冷媒通路構造が、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向に沿って複数設けられる、請求項22〜31のいずれか1項に記載の蓄冷熱交換器(1040B)。
  33. 少なくとも前記過熱域(S1)と接触する部分の前記蓄冷材は、他の部分と比較して相対的に融点の高い高融点蓄冷材(50A)である、
    請求項22〜32のいずれか1項に記載の蓄冷熱交換器(1440,1540)。
  34. 前記過熱域は、前記複数の冷媒管の前記第3群のうち前記出口側通路側の近傍において発生する第2過熱域(S2)を含み、
    前記複数の冷媒管のうち前記過熱域(S1)が発生する前記第2群及び第4群と接触する部分に前記高融点蓄冷材が配置され、前記第2過熱域(S2)が発生する前記第3群と接触する部分に前記高融点蓄冷材が配置される、
    請求項33に記載の蓄冷熱交換器(1440)。
  35. 前記過熱域は、前記複数の冷媒管の前記第3群のうち前記出口側通路側の近傍において発生する第2過熱域(S2)を含み、
    前記複数の冷媒管のうち前記過熱域(S1)が発生する前記第2群及び前記第4群と接触する部分に前記高融点蓄冷材が配置され、
    前記複数の冷媒管の前記第3群のうち前記第2過熱域(S2)が発生する前記出口側通路側の近傍に接触する部分に前記高融点蓄冷材が配置される、
    請求項33に記載の蓄冷熱交換器(1440)。
  36. 前記複数の冷媒管のうち前記過熱域(S1)が発生する前記第2群及び前記第4群と接触する部分に前記高融点蓄冷材が配置される、
    請求項33に記載の蓄冷熱交換器(1540)。
  37. 前記蓄冷材容器の内部に、前記冷媒管の延在方向である前記長手方向に沿って内部空間を区切る少なくとも一対の仕切り板(47d)が設けられ、前記一対の仕切り板の一方は、前記蓄冷材容器の長手方向の一方側の端部に間隙を有し、前記一対の仕切り板の他方は、前記蓄冷材容器の前記長手方向の他方側の端部に間隙を有する、
    請求項2〜36のいずれか1項に記載の蓄冷熱交換器(1740)。
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