JP7159757B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
<第1実施形態>
はじめに、本実施形態の熱交換器が用いられる車両の冷凍サイクルについて説明する。
図2に示される熱交換器6は、第1熱交換部10と、流入口30と、流出口31と、蓄冷材容器40とを備えている。また、図3に示されるように、熱交換器6は、矢印Yで示される方向において第1熱交換部10に対向して配置される第2熱交換部20を備えている。矢印Yで示される方向は、空気が流れる方向である。以下では、便宜上、矢印Yで示される方向を「空気流れ方向Y」と称する。なお、図2及び図3では、空気流れ方向Yに直交する2軸方向が、矢印Xで示される方向、及び矢印Zで示される方向で示されている。
複数のチューブ11は、矢印Xで示される方向に所定の間隔をあけて積層配置されている。チューブ11は、矢印Zで示される方向に延びるように形成された管状の部材からなる。チューブ11の内部には、冷媒の流れる流路が矢印Zで示される方向に延びるように形成されている。チューブ11は、矢印Xで示される方向の幅が短く、且つ空気流れ方向Yの幅が長くなるように扁平状に形成されている。図4に示されるように、チューブ11の内部には、インナーフィン15が収容されている。
アウターフィン12は、隣り合うチューブ11,11の間の隙間に配置されている。アウターフィン12は、隣り合うチューブ11,11の間を流れる空気との接触面積を増加させることにより、チューブ11の内部を流れる冷媒と空気との間の熱交換を促進させる機能を有している。本実施形態では、アウターフィン12として、ルーバが形成されたコルゲートフィンが用いられている。
図6に示されるように、蓄冷材容器40は、隣り合う第1チューブ11a,11bの間に形成される隙間、及び隣り合う第2チューブ21a,21bの間に形成される隙間に挿入されるように配置されている。蓄冷材容器40の内部には、蓄冷材41が封入されている。蓄冷材41は、常温では液状となっており、冷媒との熱交換により冷却されることにより液体から個体へと相変化することにより冷熱を蓄える。
(1)各チューブ11a,11b,21a,21bのそれぞれの外面に蓄冷材41が直接接触しているため、各チューブ11a,11b,21a,21b内の冷媒と蓄冷材41とを直接熱交換させることができる。これにより、各チューブ11a,11b,21a,21bと蓄冷材41との間に蓄冷材容器40の外壁部400,410が介在しない分だけ熱抵抗を小さくすることができるため、各チューブ11a,11b,21a,21b内の冷媒と蓄冷材41との間の熱交換性を向上させることができる。
次に、熱交換器6の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
図9に示されるように、本実施形態の蓄冷材容器40は、第1プレート部材43及び第2プレート部材44により構成されている。第1プレート部材43の一端部430及び第2プレート部材44の一端部440は、ろう付けにより接合されている。第1プレート部材43の他端部431及び第2プレート部材44の他端部441は、ろう付けにより接合されている。このようにして2つのプレート部材43,44が直方体の箱状に組み付けられることにより、蓄冷材容器40が構成されている。
<第3実施形態>
次に、熱交換器6の第3実施形態について説明する。以下、第2実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
(5)蓄冷材容器40に突出部405,415が形成されることにより、蓄冷材容器40の容積を増加させることができる。結果的に、蓄冷材容器40に封入可能な蓄冷材41の量を増加させることができるため、より多くの冷熱を蓄冷材容器40に蓄えることができる。すなわち、蓄冷材容器40の蓄冷性能を向上させることができる。
次に、熱交換器6の第4実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
図12に示されるように、本実施形態の蓄冷材容器40は、一枚のプレート部材45により構成されている。具体的には、一枚のプレート部材45は、その略中央部分で2つ折りに折り曲げられ、且つ両端部450,451がろう付けにより接合されることにより、直方体の箱状に形成されている。プレート部材45の折り曲げ部452は、図12に示されるように円形状に折り曲げられた形状であってもよいし、図13に示されるように円形状の部分ができないように折り曲げられた形状であってもよい。
(6)本実施形態の蓄冷材容器40は、その製造の際に折り曲げ部452の部分を接合する必要がない。よって、第2実施形態の蓄冷材容器40と比較すると、接合箇所を減らすことができるため、生産性を向上させることができる。
次に、熱交換器6の第5実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
図14に示されるように、本実施形態の蓄冷材容器40は、チューブ長手方向Zに直交する断面形状が凹字状に形成された2つのプレート部材46,47を組み合わせることにより構成されている。第1プレート部材46の両側壁部460,461は第2プレート部材47の両側壁部470,471にそれぞれ嵌め込まれて接合されている。このようにして2つのプレート部材46,47が直方体の箱状に組み付けられることにより、蓄冷材容器40が構成されている。
<第6実施形態>
次に、熱交換器6の第6実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
また、図示は省略するが、蓄冷材容器40の他方の外壁部410に形成される仕切り部413,414も、同様に、開口部411,412を斜めに仕切るように配置されていてもよい。
<第7実施形態>
次に、熱交換器6の第7実施形態について説明する。以下、第2実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
(7)図6に示されるように、第1実施形態の蓄冷材容器40では、その一方の外壁部400の中央部分を第1チューブ11a及び第2チューブ21aに接合させる必要があるとともに、その他方の外壁部410の中央部分を第1チューブ11b及び第2チューブ21bに接合させる必要がある。この点、図17に示されるように、本実施形態の蓄冷材容器40では、一方の外壁部400の中央部分をチューブ50aに接合させる必要がなく、また他方の外壁部410の中央部分をチューブ50bに接合させる必要がない。よって、第1実施形態の蓄冷材容器40と比較すると、接合箇所を減少させることができるため、その分だけ蓄冷材容器40において蓄冷材41の収容可能容積を増加させることができる。
次に、熱交換器6の第8実施形態について説明する。以下、第7実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
図20に示されるように、本実施形態の蓄冷材容器40では、開口部407に仕切り部408が形成されていない点で、第7実施形態の蓄冷材容器40と異なる。また、本実施形態の蓄冷材容器40では、同様に、開口部417にも仕切り部が形成されていない。
(8)チューブ50a,50bのそれぞれの外面に伝熱促進部材42が直接接合されているため、チューブ50a,50bと伝熱促進部材42との間で熱交換が行われるようになる。これにより、チューブ50a,50bと伝熱促進部材42との間に蓄冷材容器40の外壁部400,410が介在しない分だけ熱抵抗を小さくすることができるため、各チューブ11a,11b,21a,21b内の冷媒と蓄冷材41との間の熱交換性を向上させることができる。
次に、熱交換器6の第9実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
本実施形態の蓄冷材容器40では、伝熱促進部材42として、図22及び図23に示されるようなコルゲート型のインナーフィン420が用いられている。図22及び図23に示されるインナーフィン420は、チューブ長手方向Zにおいて波状に折り曲げられた形状を有している。チューブ積層方向Xにおけるインナーフィン420の一方の頂部420aは、蓄冷材容器40の一方の外壁部400の内面、及び仕切り部403,404の内面に接合されている。チューブ積層方向Xにおけるインナーフィン420の他方の頂部420bは、蓄冷材容器40の他方の外壁部410の内面、及び仕切り部413,414の内面に接合されている。
(9)インナーフィン420の一方の頂部420aは、蓄冷材容器40の仕切り部403,404を挟んで各チューブ11a,21aの外面と対向している。また、インナーフィン420の他方の頂部420bは、蓄冷材容器40の仕切り部413,414を挟んで各チューブ11b,21bの外面と対向している。このような構造によれば、インナーフィン420の各頂部420a,420bを熱的に最短の長さで各チューブ11a,11b,21a,21bに接合させることができるため、冷媒と蓄冷材41との間の熱交換性を更に向上させることができる。
次に、第9実施形態の熱交換器6の変形例について説明する。
本変形例の熱交換器6では、伝熱促進部材42として、図24,図25に示されるようなコルゲート型のインナーフィン421が用いられている。図24,図25に示されるインナーフィン421は、空気流れ方向Yにおいて波状に折り曲げられた形状を有している。チューブ積層方向Xにおけるインナーフィン421の一方の頂部421aは、蓄冷材容器40の一方の外壁部400の内面、及び仕切り部403,404の内面に接合されている。チューブ積層方向Xにおけるインナーフィン421の他方の頂部421bは、蓄冷材容器40の他方の外壁部410の内面、及び仕切り部413,414の内面に接合されている。
<第10実施形態>
次に、熱交換器6の第10実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
また、図27に示されるように、伝熱促進部材42において開口部401,402に対向する部分の一部には、突出部422a,422bがそれぞれ形成されている。突出部422a,422bは、開口部401,402を通じて第1チューブ11a及び第2チューブ21aのそれぞれの外面に接触して直接接合されている。また、伝熱促進部材42において開口部411,412に対向する部分の一部には、突出部422c,422dがそれぞれ形成されている。突出部422c,422dは、開口部411,412を通じて第1チューブ11b及び第2チューブ21bのそれぞれの外面に接触して直接接合されている。
(10)チューブ50a,50bのそれぞれの外面に伝熱促進部材42が直接接合されているため、チューブ50a,50bと伝熱促進部材42との間で直接熱交換が行われるようになる。これにより、チューブ50a,50bと伝熱促進部材42との間に蓄冷材容器40の外壁部400,410が介在しない分だけ熱抵抗を小さくすることができるため、各チューブ11a,11b,21a,21b内の冷媒と蓄冷材41との間の熱交換性を向上させることができる。
次に、熱交換器6の第11実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
図28に示されるように、本実施形態の蓄冷材容器40では、開口部401,402が、蓄冷材容器40の外壁部400の下部から上部に至る途中部分にのみ形成されている。開口部401,402が形成されている領域は、蓄冷材容器40において液状の蓄冷材41が存在する部分となっている。すなわち、開口部401,402のそれぞれの上方の内壁面401a,402aの位置は、蓄冷材容器40に収容される蓄冷材41の液面の位置Wに等しい。
以上説明した本実施形態の熱交換器6によれば、以下の(11)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
次に、熱交換器6の第12実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
図29~図31に示されるように、本実施形態の蓄冷材容器40では、その一方の外壁部400に開口部401,402が形成される一方、その他方の外壁部410に開口部411,412が形成されていない点で第1実施形態の蓄冷材容器40と異なる。
(変形例)
次に、第12実施形態の熱交換器6の変形例について説明する。
このような構成であっても、第12実施形態の熱交換器6と同一又は類似の作用及び効果を得ることができる。
次に、熱交換器6の第13実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
蓄冷材容器40の外壁部400に形成される開口部401,402の形状は、例えば図33~図36に示されるような形状に変更することが可能である。同様に、蓄冷材容器40の外壁部410に形成される開口部411,412の形状も変更可能である。
<第14実施形態>
次に、熱交換器6の第14実施形態について説明する。以下、第1実施形態の熱交換器6との相違点を中心に説明する。
(12)本実施形態の蓄冷材容器40では、打ち抜き加工の際に各開口部401,402,411,412に形成される突出部401b,402b,411b,412bが蓄冷材容器40の外壁部400,410の外面よりも外側に突出することがない。そのため、蓄冷材容器40の外壁部400,410の外面に各チューブ11a,11b,21a,21bを面接触させて接合する際に、それらの間に隙間が形成され難くなる。そのため、ろう付け不良が発生したり、未ろう付けの間口が狭い閉鎖空間が形成されて凍結割れが発生したりする等の懸念が生じ難くなる。
本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
11,11a,11b,21,21a,21b,50:チューブ
40:蓄冷材容器
41:蓄冷材
42:伝熱促進部材
45,46,47:プレート部材
400:第1外壁部
401,402,407,411,412,417:開口部
401b,402b,411b,412b:突出部
403,404,408:仕切り部
405,415:突出部
410:第2外壁部
420,421:インナーフィン
460,461,470,471:側壁部
Claims (9)
- 所定の隙間を有して積層配置される複数のチューブ(11,11a,11b,21,21a,21b,50,50a,50b)を有し、複数の前記チューブの内部を流れる冷媒と、複数の前記チューブの外部を流れる空気との間で熱交換を行うことにより空気を冷却する熱交換器(6)であって、
前記チューブと隣り合うように配置され、内部に蓄冷材(41)が収容される蓄冷材容器(40)と、
前記蓄冷材容器の内部に収容され、前記冷媒と前記蓄冷材との間の熱交換を促進させる伝熱促進部材(42)と、を備え、
前記蓄冷材容器の外壁部(400,410)の外面の少なくとも一部は、単一平面状に形成されるとともに、前記チューブの外面に面接触して接合されており、
前記蓄冷材容器の外壁部には、開口部(401,402,407,411,412,417)が形成され、
前記蓄冷材は、前記開口部を通じて前記チューブの外面に直接接触しており、
前記蓄冷材容器の前記外壁部の内面は、前記伝熱促進部材が接合されており、
前記蓄冷材容器の前記外壁部の内面において前記伝熱促進部材が接合されている部分とは反対側に位置する前記外壁部の外面の部分には、前記チューブが接合されており、
前記開口部の内壁面には、前記蓄冷材容器の内部に向かって突出する突出部(401b,402b,411b,412b)が形成され、
前記蓄冷材容器には、前記開口部を格子状に仕切る仕切り部(403,404,408)が形成されている
熱交換器。 - 前記仕切り部には、前記伝熱促進部材が接合されている
請求項1に記載の熱交換器。 - 前記伝熱促進部材は、インナーフィン(420,421)である
請求項1又は2に記載の熱交換器。 - 前記チューブは、所定の隙間を有して空気の流れ方向に並べて配置され、
前記蓄冷材容器の外壁部の外面は、空気の流れ方向に並べて配置される各チューブの外面に接合されており、
前記蓄冷材容器の外壁部には、空気の流れ方向に並べて配置される各チューブの間に形成される隙間に向かって突出する突出部(405,415)が形成されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記蓄冷材容器は、2つ折りに折り曲げられ、且つ両端部が接合された1枚のプレート部材(45)により構成されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記蓄冷材容器は、断面凹字状に形成された2つのプレート部材(46,47)の一方のプレート部材(46)の両側壁部(460,461)が他方のプレート部材(47)の両側壁部(470,471)にそれぞれ嵌め込まれて接合された構造からなる
請求項1~3のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記開口部は、前記蓄冷材容器において液状の蓄冷材が存在する部分のみに形成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記蓄冷材容器は、
隣り合う2つの前記チューブ(11a,11b,21a,21b)の間に配置され、
前記外壁部として、隣り合う2つの前記チューブのうちの一方のチューブ(11a,21a)の外面が接合される第1外壁部(400)と、他方のチューブ(11b,21b)の外面が接合される第2外壁部(410)とを有し、
前記開口部は、前記第1外壁部及び前記第2外壁部のいずれか一方に形成されている
請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記蓄冷材容器は、
前記チューブとアウターフィン(12)との間に配置され、
前記蓄冷材容器は、前記外壁部として、前記チューブの外面が接合される第1外壁部(400)と、前記アウターフィンが接合される第2外壁部(410)とを有し、
前記開口部は、前記第1外壁部に形成されている
請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換器。
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