JP2017066230A - 粘着剤用組成物及び粘着フィルム - Google Patents

粘着剤用組成物及び粘着フィルム Download PDF

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二朗 上田
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智隆 篠田
利充 菊池
Toshimitsu Kikuchi
利充 菊池
惇介 北門
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Abstract

【課題】温度変化による粘着特性の変化が小さい(特に粘着昂進が小さい)粘着層を製造可能な粘着剤用組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る粘着剤用組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、多価金属(B)と、を含有し、前記熱可塑性樹脂(A)が、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種を有し、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記多価金属(B)を0.05質量部以上0.5質量部以下含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤用組成物、及び該組成物を用いて作製された粘着フィルムに関する。
従来、液晶ディスプレイに使用されるプリズムシートのレンズ面を保護するために、表面保護フィルムが使用されている。この表面保護フィルムは、製造工程における傷や汚れからプリズムシートのレンズ面を保護するためのものであるため、製造工程が終了すれば剥がされ、最終製品には残らない。そのため、表面保護フィルムには、(1)粘着力が強いこと;被着体に張り付き、打抜き等製造プロセスで剥がれない、(2)粘着昂進が小さいこと;時間経過により剥離時の粘着力が増大しない、(3)糊残りが少ないこと;被着体の表面に粘着層が残らない、等の粘着特性が要求される。
このような表面保護フィルムとしては、例えばオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる基材層の片面に、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)や共役ジエン系重合体等からなる粘着層が形成されたものが知られている。
表面保護フィルムなどの粘着フィルムの製造方法としては、基材層へ粘着剤を塗布して作製する方法(例えば、特許文献1参照)、基材層と粘着層を共押出し法により一括成形する方法(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)等が挙げられる。特に、粘着層を共押出し法により製造する方法は、簡便であり、製造コストを抑制できるため、近年注目されている。
特開2003−238927号公報 特開2003−041216号公報 特開2010−255007号公報
近年の急速な技術開発の進展に伴って要求される粘着特性(粘着力が強いこと、粘着昂進が小さいこと、糊残りが少ないことなど)や成形加工性のレベルも高くなりつつあるため、更なる改良が求められている。特に、従来の粘着フィルムの粘着層は、温度が上昇するにつれて粘着特性が低下するという問題があった。具体的には、温度が変化すると粘着層の粘着力が変化して粘着昂進が増大するという問題があった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題の少なくとも一部を解決することで、温度変化による粘着特性の変化が小さい(特に粘着昂進が小さい)粘着層を製造可能な粘着剤用組成物を提供する。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る粘着剤用組成物の一態様は、
熱可塑性樹脂(A)と、
多価金属(B)と、
を含有し、
前記熱可塑性樹脂(A)が、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、
前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記多価金属(B)を0.05質量部以上0.5質量部以下含有することを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の粘着剤用組成物において、
前記熱可塑性樹脂(A)が、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位と、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位とを有することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の粘着剤用組成物において、
前記多価金属(B)が、鉄、チタン、アルミニウム及びカルシウムよりなる群から選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例4]
本発明に係る粘着フィルムの一態様は、
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の粘着剤用組成物を用いて作製された粘着層を有することを特徴とする。
本発明に係る粘着剤用組成物によれば、温度変化による粘着特性の変化が小さい(特に粘着昂進が小さい)粘着層を有する粘着フィルムを製造することができる。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。なお、本明細書における「(メタ)アクリル〜」とは、「アクリル〜」および「メタクリル〜」の双方を包括する概念である。また、「〜(メタ)アクリレート」とは、「〜アクリレート」および「〜メタクリレート」の双方を包括する概念である。また、「(メタ)アリル」とは、「アリル」および「メタリル」の双方を包括する概念である。
本発明において「粘着フィルム」とは、基材層の少なくとも一方の面に粘着層が形成されたフィルムのことをいう。
1.粘着剤用組成物
本実施形態に係る粘着剤用組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、多価金属(B)と、を含有し、前記熱可塑性樹脂(A)が、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記多価金属(B)を0.05質量部以上0.5質量部以下含有することを特徴とする。
以下、本実施形態に係る粘着剤用組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
1.1.熱可塑性樹脂(A)
本実施形態に係る粘着剤用組成物に含まれる熱可塑性樹脂(A)(以下、単に「成分(A)」ともいう。)は、粘着フィルムの一部を構成する粘着層を作製するために用いられ
る。成分(A)は、後述する多価金属(B)により疑似架橋を形成するための、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有している。これらの官能基の中でも、後述する多価金属(B)により疑似架橋を形成しやすいために、アミノ基及びその塩が特に好ましい。
アミノ基又はその塩を重合体に付与する方法は特に限定されず、アミノ基又はその塩を有する変性剤によって重合体に付与する方法や、アミノ基又はその塩を有する単量体を重合させることにより成分(A)を得る方法等が例示される。また、重合体にアミノ基又はその塩を有する化合物を反応させることにより、アミノ基又はその塩が導入された構造としてもよい。なお、本明細書において「アミノ基」とは、1級アミノ基(−NH)、2級アミノ基(−NHR、ただしRは炭化水素基)及び3級アミノ基(−NRR’、ただしR、R’は炭化水素基)のうちいずれか一つを指し、前記のアミノ基は保護基によって保護されていてもよい。
成分(A)の一分子鎖あたりのアミノ基及びその塩の量は、好ましくは1個以上、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。製造時のポリマーのゲル化を防止するためには、一分子鎖あたりのアミノ基量は、好ましくは100個以下、より好ましくは50個以下である。
また、成分(A)1g中のアミノ基及びその塩の合計含有量は、成分(B)により成分(A)を効果的に疑似架橋させるために、好ましくは0.05〜2.0mmol/g、より好ましくは0.08〜1.5mmol/g、特に好ましくは0.1〜1.0mmol/gである。成分(A)中のアミノ基及びその塩の合計含有量の定量方法は特に限定されないが、元素分析法、IR法、NMR法、アミン滴定法等により求めることができる。
成分(A)は、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位と、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位とを有することが好ましい。以下、成分(A)を構成する繰り返し単位、成分(A)の構造及び特性について順に説明する。
1.1.1.共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位
成分(A)は、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を有することが好ましい。共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
成分(A)において、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位の含有割合は、成分(A)の全繰り返し単位を100質量部とした場合に30〜95質量部であることが好ましく、35〜90質量部であることがより好ましい。共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位の含有割合が前記範囲にあると、粘弾性及び強度に優れた粘着フィルムを製造することが容易となると共に、粘着層の粘着特性がさらに向上する。
1.1.2.芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位
成分(A)は、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有することが好ましい。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等を挙げることができる。これらの中でも、スチレン
が特に好ましい。
成分(A)において、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位の含有割合は、成分(A)の全繰り返し単位を100質量部とした場合に5〜70質量部であることが好ましく、10〜65質量部であることがより好ましい。芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位の含有割合が前記範囲にあると、粘着層のタック性がより良好となる。
1.1.3.その他の繰り返し単位
成分(A)は、上記以外の繰り返し単位を有してもよい。上記以外の繰り返し単位としては、例えば、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位、α,β−不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、(メタ)アクリル酸アリル、ジ(メタ)アクリル酸エチレンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。これらのうち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルから選択される1種以上であることが好ましく、(メタ)アクリル酸メチルであることが特に好ましい。
上記不飽和カルボン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のモノまたはジカルボン酸を挙げることができ、これらの中から選択される1種以上であることができる。特に、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸から選択される1種以上であることが好ましい。
上記α,β−不飽和ニトリル化合物の具体例としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどを挙げることができ、これらから選択される1種以上であることができる。これらのうち、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルから選択される1種以上であることが好ましく、アクリロニトリルであることが特に好ましい。
また、成分(A)は、以下に示す化合物に由来する繰り返し単位をさらに有してもよい。このような化合物としては、例えばフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン等のエチレン性不飽和結合を有する含フッ素化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアルキルアミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;エチレン性不飽和ジカルボン酸の酸無水物;モノアルキルエステル;モノアミド;アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。
1.1.4.熱可塑性樹脂(A)の構造、特性及び合成方法
本発明における成分(A)としては、特に限定されないが、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位のブロックと、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位のブロックとが交互に存在するA−B−A型ブロック共重合体が好ましく用いられる。具体的には、スチレンとブタジエンやイソプレンなどの共役ジエン化合物とのブロック共重合体、あるいはその水素添加物が好ましく、耐久性の観点からスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体あるいはその水素添加物がより好ましい。このような熱可塑性樹脂(A)は、特開2010−255007号公報や国際公開第2007/126081号に記載されている方法により合成することができる。
このようなスチレン−共役ジエンブロック共重合体における芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位の含有量としては、通常5〜40質量%、好ましくは10〜35質量%の範囲にあることが好ましい。芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位の含有量が前記範囲にあると、粘着力を一層高めることができ、また凝集破壊により糊残りが生じなくなる傾向がある。
粘着フィルムを製造するに際して、基材用組成物と粘着剤用組成物とを溶融共押出装置等を使用して共押出成形する場合には、粘着剤用組成物に含まれる成分(A)の、230℃、21.2N荷重で測定されるメルトフローレート(MFR)が、0.1〜100g/10分であることが好ましく、1.0〜50g/10分であることがより好ましく、2.0〜30g/10分であることが特に好ましい。MFRが0.1g/10分未満であると、共押出成形時の負荷が過大となる場合がある。一方、MFRが100g/10分を超えると、ドローダウン等の共押出成形性に問題を生ずる傾向にある。
成分(A)の重量平均分子量(Mw)は、5万〜70万であることが好ましく、8万〜35万であることがより好ましい。成分(A)の重量平均分子量(Mw)が前記範囲にあると、成形加工性及び粘着力に優れた粘着フィルムが得られやすい。このMwが前記範囲未満であると、タック性に優れるが剥離時に糊残り等を生ずる場合がある。Mwが前記範囲を超えると、成形加工性又は粘着力を十分に高めることができない場合がある。
成分(A)は、50〜150℃の範囲に少なくとも1つの融解ピーク(結晶融解ピーク)を有するものが好ましい。この融解ピーク温度は、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定される。具体的には、示差走査熱量計(DSC)を使用し、サンプルとなる成分(A)を200℃で10分保持した後、−80℃まで10℃/分の速度で冷却し、次いで−80℃で10分間保持した後、10℃/分の速度で昇温したときの熱流量(結晶融解熱量)のピーク温度である。なお、その融解ピークの結晶融解熱量は5〜70J/g、好ましくは10〜50J/gの範囲である。
1.2.多価金属(B)
本実施形態に係る粘着剤用組成物に含まれる多価金属(B)(以下、単に「成分(B)」ともいう。)は、粘着フィルムの一部を構成する粘着層を作製する際に、前記成分(A)を疑似架橋させることにより、形成される粘着層の粘着昂進を低減することができる。
本実施形態に係る粘着剤用組成物における成分(B)の含有割合は、成分(A)100質量部に対して0.05質量部以上0.5質量部以下であり、0.06質量部以上0.45質量部以下であることがより好ましい。粘着剤用組成物中の成分(B)の含有割合が前記範囲であると、前記成分(A)を効果的に疑似架橋させることができ、形成される粘着層の粘着昂進を低減することができる。成分(B)の含有割合が前記範囲未満であると、前記成分(A)の疑似架橋の形成が不十分となるため、粘着層の粘着昂進が大きくなる傾
向がある。成分(B)の含有割合が前記範囲を超えると、過剰に含有される成分(B)が前記成分(A)の疑似架橋を阻害すると推察される。これにより、前記成分(A)の疑似架橋の形成が不十分となり、粘着層の粘着昂進が大きくなる傾向がある。
成分(B)としては、成分(A)の官能基を疑似架橋できる限り特に制限されないが、周期表第2族元素(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)、第4族元素(チタン、ジルコニウム、ハフニウムなど)、第8族元素(鉄、ルテニウムなど)、第11族元素(銅など)、第12族元素(亜鉛など)、第13族元素(アルミニウムなど)が挙げられる。これらの中でも、鉄、チタン、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、バリウム及び銅が好ましく、鉄、チタン、アルミニウム及びカルシウムがより好ましく、アルミニウムが特に好ましい。これらの成分(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。これらの成分(B)を上記の含有割合で含有することにより、粘着層の初期粘着力と粘着昂進の低減をバランスよく実現できる。
本実施形態に係る粘着剤用組成物に含有される成分(B)は、多価金属単体で添加することができるが、多価金属塩、金属アルコキシド、金属錯体として添加してもよい。これらの具体例としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ステアリン酸カルシウム等の多価金属塩;鉄イソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、マグネシウムエトキシド、カルシウムエトキシド、ストロンチウムエトキシド、バリウムエトキシド、亜鉛エトキシド等の金属アルコキシド;[FeCl2−、[Fe(CN)3−、[Fe(CN)4−、[Cu(NH2+等の錯イオンが挙げられる。
1.3.その他の成分
本実施形態に係る粘着剤用組成物には、上記の各成分のほか、必要に応じて、その他のブロッキング防止剤、粘着付与剤、老化防止剤、充填剤、ポリマー、着色剤、難燃剤などを添加してもよい。
ブロッキング防止剤は、ホッパーなどでのブロッキング(詰まり)を抑制して粘着フィルムの生産性を向上させるために用いられる。ブロッキング防止剤としては、フッ素系重合体、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン−プロピレン共重合体ワックス、フィッシャー・トロプシュワックスおよびそれらの部分酸化物あるいはエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体等の合成炭化水素系ワックス;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変成ワックス;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;セチルアルコール、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸およびアルコール;グリセリルステアレート、ポリエチレングリコールステアレート、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル;ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル及び脂肪酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。本実施形態に係る粘着剤用組成物にブロッキング防止剤を添加すると、粘着層を作製する溶融共押出装置などの製造装置においてホッパーなどでのブロッキングを効果的に抑制することができる。
ブロッキング防止剤を粘着剤用組成物に添加する方法としては、粘着剤用組成物にブロッキング防止剤を添加して均質に混合撹拌してもよいが、粘着剤用組成物をペレット状に成形して使用する場合には、ペレット表面に塗布するなどしてブロッキング防止剤を偏在
させてもよい。ペレット表面にブロッキング防止剤を偏在させると、粘着フィルムを共押出し法により作製する場合に、ホッパーのブロッキング(詰まり)を効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る粘着剤用組成物におけるブロッキング防止剤の含有割合は、成分(A)100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上1質量部以下であることがより好ましい。
粘着付与剤は、例えば、粘着剤層残渣の発生を更に抑制する目的で使用され得る。粘着付与剤とは、ソフトセグメントであるゴム層に対して相溶し、粘着力をコントロールできるものを意味する。なお、「相溶」とは、粘着剤用組成物に粘着付与剤を添加することにより得られる混合物のtanδピーク温度が、粘着剤用組成物のtanδピーク温度とは異なる値になる状態のことをいう。なお、本明細書中、「tanδピーク温度」とは、tanδの最大となる温度を意味する。
粘着付与剤としては、特に限定されず、例えば、脂肪族共重合体、芳香族共重合体、脂肪族・芳香族共重合体、脂環式共重合体等の石油系樹脂;クマロン−インデン系樹脂;テルペン系樹脂;テルペン−フェノール系樹脂;重合ロジン等のロジン系樹脂;(アルキル)フェノール系樹脂;キシレン系樹脂;又はこれらの水素添加物などの、一般に粘着剤に使用されるものを特に制限なく使用することができる。好ましくは、90〜140℃の範囲内の軟化点を有する粘着付与剤である。また、剥離性及び耐候性などを高めるために、水素添加物型の粘着付与剤を用いることが好ましい。これらの粘着付与剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記のような粘着付与剤がオレフィン樹脂と組み合わせて含有されている混合物である、市販の粘着付与剤を用いてもよい。
本実施形態に係る粘着剤用組成物における粘着付与剤の含有割合は、成分(A)100質量部に対して1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上40質量部以下であることがより好ましい。
老化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系、ホスファイト系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤が好適に添加される。老化防止剤の添加量は、成分(A)100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上1質量部以下であることがより好ましい。
また、充填剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填材、炭素繊維、アミド繊維等の有機充填材を使用することができる。
2.粘着フィルム
本実施形態に係る粘着フィルムは、基材層と、当該基材層の片面又は両面に形成された粘着層とを備えたフィルムである。粘着層を形成するための粘着剤用組成物については、上述の通りである。以下、基材層及び基材用組成物、粘着フィルムの製造方法についてこの順に説明する。
<基材層及び基材用組成物>
基材層を作製するための基材用組成物は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂の中でも、オレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン系の共重合体を好適に用いることができる。具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
基材用組成物は熱可塑性樹脂を主成分として含有するが、劣化防止等を目的に、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、帯電防止剤、その他に、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、顔料、目ヤニ防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤等を適宜添加することができる。
基材用組成物に含有される熱可塑性樹脂の、230℃、21.2N荷重で測定されるMFRは、0.01〜100g/10分であることが好ましく、0.1〜80g/10分であることがより好ましい。また、基材用組成物に含有される熱可塑性樹脂は、1種類の熱可塑性樹脂のみで構成されてもよいし、2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して構成されることもできる。基材層は単層であってもよく、二層以上の多層であってもよい。また、基材層として発泡層を選択することも可能である。
<粘着フィルムの製造方法>
本実施形態に係る粘着フィルムは、基材層と、当該基材層の片面又は両面に形成された粘着層とを備えた、いわゆる積層構造を有するフィルムである。したがって、本実施形態に係る粘着フィルムは、(1)塗布法;予め作製された基材層の片面又は両面に粘着剤用組成物を塗布して粘着層を形成した後に巻き取る方法、(2)共押出し法;基材用組成物と粘着剤用組成物とを、溶融共押出装置等を使用して共押出成形することにより、基材層の片面又は両面に粘着層を形成する方法、などの方法により製造することができる。
塗布法により粘着フィルムを製造する場合、厚さが2〜150μm程度の基材層の片面又は両面に上記の粘着剤用組成物を塗布して適宜加熱処理して乾燥させることにより、厚さ5〜200μmとなる粘着層を形成する。また、基材層の片面に離型処理を施すことにより、転写用粘着フィルムとすることもできる。粘着剤用組成物を基材層へ塗布する際には、必要により加熱して粘度を低下させた状態で塗工することができ、具体的には、ホットメルトコータ、コンマロール、グラビアコータ、ロールコータ、キスコータ、スロットダイコータ、スクイズコータ等を使用することができる。
一方、前記基材用組成物と前記粘着剤用組成物とを共押出し法を用いることにより、基材層及び粘着層を有する粘着フィルムを作製することができる。具体的には、基材用組成物と粘着剤用組成物とを、溶融共押出装置等を使用して共押出成形することにより、基材層の少なくとも一方の面に粘着層を貼り合わせて粘着フィルムとする。共押出し法を用いることにより、塗布法などの他の方法を使用した場合よりも粘着フィルムの生産効率が大幅に向上する。
溶融共押出装置としては、複数の押出機を有し、フィードブロックタイプ、又はマルチレイヤータイプのダイスを備えたものがいずれも使用可能であり、また、Tダイタイプ、インフレタイプともに使用可能である。
上記の粘着フィルムの製造方法によれば、粘着剤用組成物に含まれる成分(A)が成分(B)により疑似架橋するため、粘着特性及び耐熱性が向上した粘着層を作製することができる。粘着層の疑似架橋によって流動性が抑制されるため、粘着特性の中でも、特に粘
着昂進が小さくなる。
なお、このようにして製造された粘着フィルムは、必要に応じてテープ状やシート状などの形状で使用することができる。
3.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.実施例1
3.1.1.熱可塑性樹脂(A)の作製
窒素置換した反応容器に、熱可塑性エラストマー(JSR(株)製、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、製品名「RB810」)100質量部、トルエン300質量部、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル25質量部、テトラブチルチウラムジスルフィド0.06質量部を仕込み、混合液を80℃にした。次いで、アゾイソブチロニトリルのトルエン溶液(200mM)を70質量部加え、80℃にて4時間反応を行った後、n−ブチルアミンを0.06質量部加え、更に30分間反応させた。得られた重合溶液をメタノールに再沈殿した後、得られた固形物を乾燥した。続いて、上記固形物100質量部をテトラヒドロフラン500質量部に溶解させたのち、ベンジルブロミド15質量部を加え、3時間反応を行った。反応液をメタノールに再沈殿させた後、乾燥させてアミノ基及びその塩を0.15mmol/g含有する熱可塑性樹脂(A)を得た。なお、アミノ基及びその塩の合計含有量は元素分析法により窒素原子含有量を定量し、その窒素原子含有量から換算することにより求めた。すなわち、熱可塑性樹脂(A)を酸素を混合したヘリウム気流下、Cu存在下で高温に加熱し、熱可塑性樹脂(A)中に含有される窒素をNに変換し、ガスクロマトグラフィーによりN量を算出することで窒素原子含有量を定量した。この窒素原子含有量を換算することにより、熱可塑性樹脂(A)1g中のアミノ基及びその塩の合計含有量を求めた。また、表1中では、「アミノ基及びその塩の合計含有量」を単に「アミノ基量」と表記した。
3.1.2.粘着剤用組成物及び粘着フィルムの作製
上記で得られた熱可塑性樹脂(A)100質量部、粘着付与剤(荒川化学工業(株)製、製品名「ARKONP−125」)30質量部を、テトラヒドロフラン540質量部及びメタノール60質量部に溶解させて、チタン、アルミニウム及びカルシウムが表1の含有割合となるようにビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ステアリン酸カルシウムを適宜添加し、粘着剤用組成物を含有する塗布液を調製した。
基材層としてポリエチレン(三菱化学(株)製、商品名「YF30」)を使用し、ドクターブレードにて粘着層の厚みが10μmとなるように粘着剤用組成物塗布液を基材層上に塗布し、室温で20時間乾燥させ、次いで60℃で1時間処理をして粘着フィルムを製造した。
3.1.3.粘着フィルムの評価
<初期粘着力の評価>
被着体として五洋紙工(株)製のプリズムシート(GTL5000)を使用し、25mm幅に切出した粘着フィルムの粘着層と前記プリズムシートのレンズ面とが対向するようにして、室温(23℃)にて2kgローラーで粘着フィルムを被着体に圧着した。その後、23℃で2時間静置し、23℃60%RH環境下においてストログラフ((株)東洋精機製作所製、型番「VES05D」)を用いて300mm/分の速度で180°引き剥が
しを行い、初期粘着力を測定した。初期粘着力は値が大きいほどより良好であるが、実用的には50mN/25mm以上である場合、良好と判断できる。
<昂進倍率の評価>
被着材として五洋紙工(株)製のプリズムシート(GTL5000)を使用し、25mm幅に切出した粘着フィルムの粘着層と前記プリズムシートのレンズ面とが対向するようにして、室温(23℃)にて2kgローラーで粘着フィルムを被着体に圧着した。その後、60℃20時間静置し、23℃60%RH環境下においてストログラフ(東洋精機製作所社製、型番「VES05D」)を用いて300mm/分の速度で180°引き剥がしを行い、昂進粘着力を測定した。
初期粘着力と昂進粘着力の値を用いて、以下の式より昂進倍率を算出した。
・昂進倍率=昂進粘着力/初期粘着力
昂進倍率は値が小さいほどより良好であるが、実用的には2.0以下である場合、良好と判断できる。
3.2.実施例2〜3、比較例1
熱可塑性樹脂(A)を作製する際、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル及びベンジルブロミドの使用量を適宜変更してアミノ基及びその塩量を表1に記載の含有量とし、さらにチタン、アルミニウム及びカルシウムが表1の含有割合となるように調整した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂(A)、粘着剤用組成物を含有する塗布液及び粘着フィルムを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
3.3.実施例4
熱可塑性エラストマー(JSR(株)製、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、製品名「RB810」)20質量部と、実施例1で作製した熱可塑性樹脂(A)80質量部を混合し、アミノ基及びその塩を0.12mmol/g含有する熱可塑性樹脂(A)を得た。このようにして得られた熱可塑性樹脂(A)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤用組成物を含有する塗布液及び粘着フィルムを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
3.4.実施例5
熱可塑性樹脂(A)として、JSR(株)製、製品名「TR2827」(スチレン−ブタジエン−スチレン型の熱可塑性エラストマー)を用いて実施例1と同様の手法により熱可塑性樹脂(A)を作製し、さらにチタン、アルミニウム及びカルシウムが表1の含有割合となるように調整した以外は、実施例1と同様にして粘着剤用組成物を含有する塗布液及び粘着フィルムを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
3.5.実施例6
3.5.1.熱可塑性樹脂(A)の作製
窒素置換された反応容器に、シクロヘキサン500質量部、テトラヒドロフラン15質量部、p−メチルスチレン15質量部、及びn−ブチルリチウム0.14質量部を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として、1,3−ブタジエン75質量部を加え、断熱重合を行った。30分後、p−メチルスチレン10質量部を加え重合を行った。水素圧1.0MPaを保つようにして30分反応させて重合停止した。次いで、四塩化ケイ素0.034質量部を加え、15分後にビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロリド0.108質量部、及びジエチルアルミニウムクロライド0.042質量部を加え、水素圧1.0MPaを保つようにして1時間反応させた。反応後、反応液を70℃、常圧に戻して反応容器より抜き出し、重合体溶液を得た。その後、脱溶媒と乾燥を行うことで水添変性共役ジエンブロック共重合体である共役ジエン系重合体を得た。次に、窒素置換された反応容器に、上記共役ジエン系共重合体100質量
部をシクロヘキサン800質量部に溶解させた。次いで、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを2.76質量部及びs−ブチルリチウム1.52質量部を加えて15分撹拌した後、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン7.98質量部を加え、30分間反応させた。ロータリーエバポレーターで溶剤を留去した後、60℃で18時間真空乾燥して熱可塑性樹脂(A)を得た。
3.5.2.粘着剤用組成物及び粘着フィルムの作製、粘着フィルムの評価
上記で得られた熱可塑性樹脂(A)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤用組成物を含有する塗布液及び粘着フィルムを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
3.6.実施例7、比較例3
熱可塑性樹脂(A)を作製する際、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、s−ブチルリチウム、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランの使用量を変更してアミノ基及びその塩量を表1に記載の含有量とし、さらにチタン、アルミニウム及びカルシウムが表1の含有割合となるように調整した以外は、実施例6と同様にして熱可塑性樹脂(A)を作製し、また実施例1と同様にして粘着剤用組成物を含有する塗布液及び粘着フィルムを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
3.7.比較例2
熱可塑性樹脂(A)として、JSR(株)製、製品名「DR8660」を用い、さらにチタン、アルミニウム及びカルシウムが表1の含有割合となるように調整した以外は、実施例1と同様にして粘着剤用組成物を含有する塗布液及び粘着フィルムを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
3.8.評価結果
下表1に、各実施例、比較例で使用した粘着剤用組成物の組成、粘着フィルムの評価結果を示す。
Figure 2017066230
本発明に係る粘着フィルムの粘着層(実施例1〜7)は、比較例1〜3に比べて、成分
(A)が成分(B)により疑似架橋することにより流動性が抑制されて、粘着昂進が小さくなった。本発明に係る粘着フィルムの粘着層(実施例1〜7)は、被着体への初期粘着力も高く、粘着特性のバランスに優れたものであった。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と、
    多価金属(B)と、
    を含有し、
    前記熱可塑性樹脂(A)が、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、
    前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記多価金属(B)を0.05質量部以上0.5質量部以下含有する、粘着剤用組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)が、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位と、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位とを有する、請求項1に記載の粘着剤用組成物。
  3. 前記多価金属(B)が、鉄、チタン、アルミニウム及びカルシウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または請求項2に記載の粘着剤用組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の粘着剤用組成物を用いて作製された粘着層を有する、粘着フィルム。
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