JP2017065593A - 倒立二輪車及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】片側の車輪が滑った場合でも倒立状態を維持でき、旋回を抑制することで安定した走行が維持できること。【解決手段】倒立二輪車は、搭乗者が搭乗する車両本体と、車両本体に同軸で回転可能に設けられた一対の車輪と、一対の車輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対の駆動手段と、各車輪の路面に対する滑りを検出する滑り検出手段と、各駆動手段を駆動するための指令値を生成し、各駆動手段に対し出力する指令値生成手段と、を備え、倒立状態を維持して走行可能である。指令値生成手段は、滑り検出手段により車輪の滑りを検出したとき、該滑りが検出された車輪を駆動する駆動手段に対してパルス状の指令値を出力し、車輪の滑りによって生じる車両本体の旋回力と反対方向に車両本体の旋回力が生じるように、滑りが検出されていない車輪を駆動する駆動手段に対する指令値を増加させる。【選択図】図4
Description
本発明は、倒立状態を維持して走行する倒立二輪車及びその制御方法に関するものである。
移動体本体の傾斜状態に基づく信号にゲインを乗じ、倒立状態を維持するための駆動手段の指令値を算出するとともに、車輪の空転などの倒立状態が異常と判断された際に、ゲインを低減する倒立二輪車が知られている(特許文献1参照)。
倒立二輪車において、例えば、片側の車輪のみが滑った場合に倒立状態を維持することは困難となる。また、上記のようにゲインを低減することで倒立状態を維持したとしても、その片側の車輪の滑りによって移動体本体が旋回し、その遠心力により、移動体本体上の搭乗者は不安定となり移動体本体上に留まるのが難しくなる虞がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、片側の車輪が滑った場合でも倒立状態を維持でき、旋回を抑制することで安定した走行が維持できる倒立二輪車及びその制御方法を提供することを主たる目的とするものである。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、片側の車輪が滑った場合でも倒立状態を維持でき、旋回を抑制することで安定した走行が維持できる倒立二輪車及びその制御方法を提供することを主たる目的とするものである。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、搭乗者が搭乗する車両本体と、前記車両本体に同軸で回転可能に設けられた一対の車輪と、前記一対の車輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対の駆動手段と、前記各車輪の路面に対する滑りを検出する滑り検出手段と、前記各駆動手段を駆動するための指令値を生成し、前記各駆動手段に対し出力する指令値生成手段と、を備え、倒立状態を維持して走行可能な倒立二輪車であって、前記指令値生成手段は、前記滑り検出手段により前記車輪の滑りを検出したとき、該滑りが検出された車輪を駆動する前記駆動手段に対してパルス状の指令値を出力し、前記車輪の滑りによって生じる前記車両本体の旋回力と反対方向に前記車両本体の旋回力が生じるように、前記滑りが検出されていない車輪を駆動する前記駆動手段に対する指令値を増加させる、ことを特徴とする倒立二輪車である。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、搭乗者が搭乗する車両本体と、前記車両本体に同軸で回転可能に設けられた一対の車輪と、前記一対の車輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対の駆動手段と、前記各車輪の路面に対する滑りを検出する滑り検出する滑り検出手段と、前記各駆動手段を駆動するための指令値を生成し、前記各駆動手段に対し出力する指令値生成手段と、 を備え、倒立状態を維持して走行可能な倒立二輪車の制御方法であって、前記滑り検出手段により前記車輪の滑りを検出したとき、該滑りが検出された車輪を駆動する前記駆動手段に対してパルス状の指令値を出力するステップと、前記車輪の滑りによって生じる前記車両本体の旋回力と反対方向に前記車両本体の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪を駆動する前記駆動手段に対する指令値を増加させるステップと、
を含むことを特徴とする倒立二輪車の制御方法であってもよい。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、搭乗者が搭乗する車両本体と、前記車両本体に同軸で回転可能に設けられた一対の車輪と、前記一対の車輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対の駆動手段と、前記各車輪の路面に対する滑りを検出する滑り検出する滑り検出手段と、前記各駆動手段を駆動するための指令値を生成し、前記各駆動手段に対し出力する指令値生成手段と、 を備え、倒立状態を維持して走行可能な倒立二輪車の制御方法であって、前記滑り検出手段により前記車輪の滑りを検出したとき、該滑りが検出された車輪を駆動する前記駆動手段に対してパルス状の指令値を出力するステップと、前記車輪の滑りによって生じる前記車両本体の旋回力と反対方向に前記車両本体の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪を駆動する前記駆動手段に対する指令値を増加させるステップと、
を含むことを特徴とする倒立二輪車の制御方法であってもよい。
本発明によれば、片側の車輪が滑った場合でも倒立状態を維持でき、旋回を抑制することで安定した走行が維持できる倒立二輪車及びその制御方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について、説明する。図1は、本実施形態に係る倒立二輪車の概略的な構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る倒立二輪車の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態に係る倒立二輪車1は、図2に示すような車両本体2に設けられた、姿勢センサ3と、回転センサ4と、一対の車輪駆動ユニット5L、5Rと、制御装置6と、を備えている。
本実施形態に係る倒立二輪車1は、例えば、搭乗者が立った状態で乗車することができる立ち乗り型の同軸二輪車として構成されている。また、この同軸二輪車は、例えば、搭乗者が重心を前後に移動させることで前進後退を行い、搭乗者が重心を左右に移動させることで左右旋回を行うことができるように構成されている。車両本体2には、搭乗者の各足が乗るステップ部21が設けられている。ステップ部21は、搭乗者の重心移動に応じて、ロール方向へ姿勢変更可能に支持されている。
姿勢センサ3は、車両本体2のピッチ角度、ピッチ角速度、ピッチ角加速度、ロール角度、ロール角速度、ロール角加速度、ヨー角度、ヨー角速度、ヨー角加速度等の姿勢情報を検出する。姿勢センサ3は、例えば、搭乗者が重心を前後へ移動させることで生じた車両本体2のピッチ角度(傾斜角度)を検出し、また、搭乗者が重心を左右へ移動させることで生じた車両本体2のステップ部21のロール角度(傾斜角度)を検出することができる。
姿勢センサ3は、制御装置6に接続されており、検出した姿勢情報を制御装置6に対して出力する。なお、姿勢センサ3は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、角度センサなどにより構成されている。また、ピッチ軸とは、一対の車輪7L、7Rの車軸に相当する軸である。また、ロール軸とは、車両本体2の中心を通り、車両本体2の走行方向と平行をなす軸である。
回転センサ4は、車両本体2に設けられた車輪7L、7Rの回転角度、回転速度、回転加速度等の回転情報を検出する。回転センサ4は、制御装置6に接続されており、検出した回転情報を制御装置6に対して出力する。
一対の車輪駆動ユニット5L、5Rは、駆動手段の一具体例であり、車両本体2に回転可能に設けられた左右一対の車輪7L、7Rを駆動することで、車両本体2を走行させる。各車輪駆動ユニット5L、5Rは、例えば、電動モータと、その電動モータの回転軸に動力伝達可能に連結された減速ギア列等によって構成することができる。各車輪駆動ユニット5L、5Rは、駆動回路8を介して制御装置6に接続されており、制御装置6からの制御信号(指令値)に応じて、各車輪7L、7Rを駆動する。
制御装置6は、車両本体2が、例えば、倒立状態を維持する倒立制御を行いつつ、所望の走行(前進、後進、加速、減速、停止、左旋回、右旋回等)を行うように、各車輪駆動ユニット5L、5Rを制御して、各車輪7L、7Rの回転を制御する。また、制御装置6は、姿勢センサ3により検出された車両本体2の姿勢情報と、回転センサ4により検出された各車輪7L、7Rの回転情報と、に基づいて、フィードバック制御、ロバスト制御等の周知の制御を行う。
例えば、制御装置6は、搭乗者が重心を前後に移動させたときに、姿勢センサ3により検出された車両本体2のピッチ角度に応じて、各車輪駆動ユニット5L、5Rを介して各車輪7L、7Rの回転を制御することで、車両本体2を前進又は後進させる。また、制御装置6は、搭乗者が重心を左右に移動させたときに、姿勢センサ3により検出された車両本体2のステップ部21のロール角度に応じて、各車輪駆動ユニット5L、5Rを制御して左右車輪7L、7R間で回転差を生じさせ、車両本体2を左旋回又は右旋回させる。
さらに、制御装置6は、例えば、姿勢センサ3により検出された車両本体2のピッチ角度に所定の制御ゲインを乗算して、各車輪7L、7Rの回転トルクを算出する。そして、制御装置6は、算出した回転トルクが各車輪7L、7Rに生じるように、各車輪駆動ユニット5L、5Rを制御する。
これにより、制御装置6は、車両本体2が傾斜している方向へ各車輪7L、7Rを回動させ、車両本体2の重心位置を各車輪7L、7Rの車軸を通る鉛直線上へ戻すような倒立制御を行う。また、制御装置6は、各車輪7L、7Rに対して適切な回転トルクを夫々付加することで、車両本体2のピッチ角度がある一定値を超えないような倒立状態を維持しつつ、さらに、姿勢センサ3からの姿勢情報に応じて、前進、後進、停止、減速、加速、左旋回、右旋回等の車両本体2の移動制御を行うことができる。
これにより、制御装置6は、車両本体2が傾斜している方向へ各車輪7L、7Rを回動させ、車両本体2の重心位置を各車輪7L、7Rの車軸を通る鉛直線上へ戻すような倒立制御を行う。また、制御装置6は、各車輪7L、7Rに対して適切な回転トルクを夫々付加することで、車両本体2のピッチ角度がある一定値を超えないような倒立状態を維持しつつ、さらに、姿勢センサ3からの姿勢情報に応じて、前進、後進、停止、減速、加速、左旋回、右旋回等の車両本体2の移動制御を行うことができる。
上述のような車両制御の構成により、車両本体2は、例えば、搭乗者が重心を前後に移動させ車両本体2を前後に傾斜させることで前進後退を行い、搭乗者が重心を左右に移動させ車両本体2のステップ部21を左右に傾斜させることで、左右旋回を行うことができる。
なお、制御装置6は、例えば、制御処理、演算処理等と行うCPU(Central Processing Unit)6a、CPU6aによって実行される制御プログラム、演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)6b、処理データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)6c等からなるマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。
ところで、従来の倒立二輪車において、例えば、濡れた路面上を走行し、片側の車輪のみが滑った場合に倒立状態を維持することは困難となる。また、ゲインなどを低減することで倒立状態を維持したとしても、その片側の車輪の滑りによって車両本体が旋回し、その遠心力により車両本体上の搭乗者は不安定となり移動体本体上に留まるのが難しくなる虞がある。
これに対し、本実施形態に係る制御装置6は、滑りが検出された車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対して、パルス状の指令値を出力する(図3)。これにより、滑っている車輪7L、7Rが断続的に回転し、路面を再グリップできる。このため、倒立二輪車1は、左右両車輪7L、7Rを用いて倒立状態を維持することができる。
さらに、制御装置6は、車輪7L、7Rの滑りによって生じる車両本体2の旋回力と反対方向に車両本体2の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を増加させる。これにより、車輪7L、7Rの滑りによる車両本体2の旋回力を打ち消すように車両本体2の旋回力が生じる。したがって、その片側の車輪7L、7Rの滑りによる車両本体2の旋回が抑制され、車両本体2上の搭乗者は安定する。すなわち、片側の車輪7L、7Rが滑った場合でも、倒立二輪車1の倒立状態を維持でき、旋回を抑制することで安定した走行が維持できる。
さらに、制御装置6は、車輪7L、7Rの滑りによって生じる車両本体2の旋回力と反対方向に車両本体2の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を増加させる。これにより、車輪7L、7Rの滑りによる車両本体2の旋回力を打ち消すように車両本体2の旋回力が生じる。したがって、その片側の車輪7L、7Rの滑りによる車両本体2の旋回が抑制され、車両本体2上の搭乗者は安定する。すなわち、片側の車輪7L、7Rが滑った場合でも、倒立二輪車1の倒立状態を維持でき、旋回を抑制することで安定した走行が維持できる。
図4は、制御装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。制御装置6は、各車輪7L、7Rの路面に対する滑り検出する滑り検出部61と、各車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を生成する指令値生成部62と、を有している。
滑り検出部61は、滑り検出手段の一具体例である。
例えば、滑り検出部61は、姿勢センサ32により検出された車両本体2のヨー角速度(旋回角速度)が、予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出する。滑りが検出された車輪側に車両本体2が旋回することを利用して各車輪7L、7Rの滑りを検出する。滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のロール角度(リーン角)が90度(垂直状態)で、かつ、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度が、予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出してもよい。片側の車輪7L、7Rに滑りが発生している状態では、車両本体2はロールしない(ロール角は90度となる)ため、上記車両本体2のロール角度が90度という判定を加えることで、車輪7L、7Rの滑りの検出精度を高めることができる。
例えば、滑り検出部61は、姿勢センサ32により検出された車両本体2のヨー角速度(旋回角速度)が、予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出する。滑りが検出された車輪側に車両本体2が旋回することを利用して各車輪7L、7Rの滑りを検出する。滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のロール角度(リーン角)が90度(垂直状態)で、かつ、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度が、予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出してもよい。片側の車輪7L、7Rに滑りが発生している状態では、車両本体2はロールしない(ロール角は90度となる)ため、上記車両本体2のロール角度が90度という判定を加えることで、車輪7L、7Rの滑りの検出精度を高めることができる。
滑り検出部61は、回転センサ4により検出された車輪7L、7Rの回転速度の差が、予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出してもよい。滑りが検出された車輪7L、7Rは空転し速度が増加することを利用して各車輪7L、7Rの滑りを検出する。滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のロール角度が90度で、かつ、回転センサ4により検出された車輪7L、7Rの回転速度の差が、予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出してもよい。これにより、車輪7L、7Rの滑りの検出精度を高めることができる。
滑り検出部61は、車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値に基づき算出された各車輪7L、7Rの回転速度と、回転センサ4により検出された車輪7L、7Rの回転速度と、の差が予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出してもよい。滑りが検出された車輪7L、7Rは空転するため、回転センサ4により検出された実際の車輪速度と指令値に対応する車輪速度との間に差が生じることを利用して各車輪7L、7Rの滑りを検出する。滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のロール角度が90度で、かつ、車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値に基づき算出された各車輪7L、7Rの回転速度と、回転センサ4により検出された車輪7L、7Rの回転速度と、の差が予め設定されたスリップ判定閾値以上となるとき、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出してもよい。これにより、車輪7L、7Rの滑りの検出精度を高めることができる。
なお、滑り検出部61は、上記車輪7L、7Rの滑り検出において、姿勢センサ3により検出された車両本体2のピッチ角速度が所定速度以上であり急減速状態であると判断すると、上記スリップ判定閾値を減少させてもよい。これにより、急減速時には、より早いタイミングで各車輪7L、7Rの滑りを検出できる。
滑り検出部61は、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出すると、その検出結果を指令値生成部62に出力する。
指令値生成部62は、指令値生成手段の一具体例である。指令値生成部62は、各車輪駆動ユニット5L、5Rを制御するための指令値を生成し、生成した指令値を各車輪駆動ユニット5L、5Rに対して出力する。
指令値生成部62は、滑り検出部61からの検出結果に基づいて、滑りが検出された車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対してパルス状の指令値を出力する。
指令値生成部62は、例えば、図5に示すような矩形状のパルス指令値を生成し、車輪駆動ユニット5L、5Rに出力する。なお、パルス指令値は、速度指令値(rad/s)となっている。パルス指令値が負値となる時間t1[s](=0.02[s])、パルス指令値が0となる時間t2[s](=0.02[s])、パルス指令値が生成される時間t3[s](=2[s])、パルス指令値の振幅V[rad/s](=−7[rad/s])となっている。なお、上記パルス指令値の設定は、体重100kgの搭乗者が急減速を行う場合を想定しており、一例として挙げている。上記パルス指令値t1、t2、t3、Vの設定値は、例えば、搭乗者の体重、走行する路面状況(凹凸状態、摩擦係数等、)などに応じて、最適値が設定される。
指令値生成部62は、正弦波状のパルス指令値を生成し、車輪駆動ユニット5L、5Rに出力してもよい。また、指令値生成部62は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度に応じて、上記パルス指令値の負値時間t1、0時間t2、生成時間t3、及び/又は振幅Vを増減させてもよい。車両本体2のヨー角速度が増加するほど、片側の車輪7L、7Rの滑りが大きいことを意味する。したがって、指令値生成部62は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度が増加するに従がって、上記パルス指令値の負値時間t1、0時間t2、生成時間t3、及び振幅Vのうちの少なくとも1つを増加させてもよい。
車輪駆動ユニット5L、5Rは、上述した指令値生成部62からのパルス指令値に応じて車輪7L、7Rを断続的に回転駆動する。これにより、滑っている車輪7L、7Rは、路面を再グリップできる。このため、倒立二輪車1は、滑りが検出されていない車輪7L、7Rと、再グリップした車輪7L、7Rの両方を用いて倒立状態を確実に維持できる。
さらに、指令値生成部62は、滑り検出部61からの検出結果と、姿勢センサ3からのヨー角速度と、に基づいて、車輪7L、7Rの滑りによって生じる車両本体2の旋回力と反対方向に車両本体2の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を増加させる。
例えば、図3に示す如く、指令値生成部62は、滑り検出部61により検出された左車輪7Lの滑りの検出結果と、姿勢センサ3からの時計方向のヨー角速度と、に基づいて、左車輪7Lの滑りによって生じる車両本体2の時計方向の旋回力と反対方向(反時計方向)に車両本体2の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない右車輪7Rを駆動する右車輪駆動ユニット5Rに対する指令値を増加させる。これにより、左車輪7Lの滑りによる車両本体2の時計方向の旋回力を打ち消すように車両本体2の反時計方向の旋回力が生じる。したがって、その片側の左車輪7Lの滑りによる車両本体2の時計方向の旋回が抑制され、車両本体2上の搭乗者は安定し、その走行を維持できる。
なお、指令値生成部62は、例えば、車輪7L、7Rの滑りによって生じる車両本体2の旋回力(姿勢センサ3からのヨー角速度)が増加するに従がって、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を大きく増加させる。指令値生成部62は、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値の増加量を一定にしてもよい。
図6は本実施形態に係る倒立二輪車の制御方法のフローを示すフローチャートである。なお、図6に示す処理は、例えば、所定時間毎に繰返し実行される。
滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度が、予め設定されたスリップ判定閾値以上であるか否かを判定し、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出する(ステップS101)。
滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度が、予め設定されたスリップ判定閾値以上であるか否かを判定し、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出する(ステップS101)。
滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度が、予め設定されたスリップ判定閾値以上であり、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出すると(ステップS101のYES)、指令値生成部62は、滑りが検出された車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対してパルス状の指令値を出力する(ステップS102)。一方、滑り検出部61は、姿勢センサ3により検出された車両本体2のヨー角速度が、予め設定されたスリップ判定閾値より小さく、各車輪7L、7Rの路面に対する滑りを検出しないとき(ステップS101のNO)、本処理を終了する。
指令値生成部62は、姿勢センサ3からの姿勢情報と、回転センサ4からの回転情報と、に基づいて、倒立二輪車1の倒立状態が維持可能か否かを判定する(ステップS103)。
指令値生成部62は、倒立二輪車1の倒立状態が維持可能であると判定すると(ステップS103のYES)、滑り検出部61からの検出結果と、姿勢センサ3からのヨー角速度と、に基づいて、車輪7L、7Rの滑りによって生じる車両本体2の旋回力と反対方向に車両本体2の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を増加させる(ステップS104)。一方、指令値生成部62は、倒立二輪車1の倒立状態の維持不可能であると判定すると(ステップS103のNO)、本処理を終了する。
指令値生成部62は、倒立二輪車1の倒立状態が維持可能であると判定すると(ステップS103のYES)、滑り検出部61からの検出結果と、姿勢センサ3からのヨー角速度と、に基づいて、車輪7L、7Rの滑りによって生じる車両本体2の旋回力と反対方向に車両本体2の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を増加させる(ステップS104)。一方、指令値生成部62は、倒立二輪車1の倒立状態の維持不可能であると判定すると(ステップS103のNO)、本処理を終了する。
以上、本実施形態において、滑りが検出された車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対してパルス状の指令値を出力する。これにより、滑っている車輪7L、7Rが断続的に回転し、路面を再グリップでき、倒立状態を維持することができる。さらに、制御装置6は、車輪7L、7Rの滑りによって生じる車両本体2の旋回力と反対方向に車両本体2の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪7L、7Rを駆動する車輪駆動ユニット5L、5Rに対する指令値を増加させる。これにより、片側の車輪7L、7Rの滑りによる車両本体2の旋回が抑制され、車両本体2上の搭乗者は安定する。すなわち、片側の車輪7L、7Rが滑った場合でも、倒立二輪車1の倒立状態を維持でき、旋回を抑制することで安定した走行が維持できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
なお、上述の実施形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明は、図6に示す処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の通信媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。また、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれる。
本発明は、図6に示す処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の通信媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。また、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれる。
1 倒立二輪車、2 車両本体、3 姿勢センサ、4 回転センサ、5L、5R 車輪駆動ユニット、6 制御装置、61 滑り検出部、62 指令値生成部
Claims (2)
- 搭乗者が搭乗する車両本体と、
前記車両本体に同軸で回転可能に設けられた一対の車輪と、
前記一対の車輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対の駆動手段と、
前記各車輪の路面に対する滑りを検出する滑り検出手段と、
前記各駆動手段を駆動するための指令値を生成し、前記各駆動手段に対し出力する指令値生成手段と、
を備え、倒立状態を維持して走行可能な倒立二輪車であって、
前記指令値生成手段は、
前記滑り検出手段により前記車輪の滑りを検出したとき、
該滑りが検出された車輪を駆動する前記駆動手段に対してパルス状の指令値を出力し、
前記車輪の滑りによって生じる前記車両本体の旋回力と反対方向に前記車両本体の旋回力が生じるように、前記滑りが検出されていない車輪を駆動する前記駆動手段に対する指令値を増加させる、
ことを特徴とする倒立二輪車。 - 搭乗者が搭乗する車両本体と、
前記車両本体に同軸で回転可能に設けられた一対の車輪と、
前記一対の車輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対の駆動手段と、
前記各車輪の路面に対する滑りを検出する滑り検出する滑り検出手段と、
前記各駆動手段を駆動するための指令値を生成し、前記各駆動手段に対し出力する指令値生成手段と、
を備え、倒立状態を維持して走行可能な倒立二輪車の制御方法であって、
前記滑り検出手段により前記車輪の滑りを検出したとき、該滑りが検出された車輪を駆動する前記駆動手段に対してパルス状の指令値を出力するステップと、
前記車輪の滑りによって生じる前記車両本体の旋回力と反対方向に前記車両本体の旋回力が生じるように、該滑りが検出されていない車輪を駆動する前記駆動手段に対する指令値を増加させるステップと、
を含むことを特徴とする倒立二輪車の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015195834A JP2017065593A (ja) | 2015-10-01 | 2015-10-01 | 倒立二輪車及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015195834A JP2017065593A (ja) | 2015-10-01 | 2015-10-01 | 倒立二輪車及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017065593A true JP2017065593A (ja) | 2017-04-06 |
Family
ID=58491400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015195834A Pending JP2017065593A (ja) | 2015-10-01 | 2015-10-01 | 倒立二輪車及びその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017065593A (ja) |
-
2015
- 2015-10-01 JP JP2015195834A patent/JP2017065593A/ja active Pending
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