JP5389583B2 - 車両駆動制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、一対のフライホィールが設けられた回転エネルギ貯蔵装置を備えた車両駆動制御システムに関する。
従来から、例えば、電気自動車やハイブリッドカー等に使用されるフライホィール式電力貯蔵装置が知られている。このフライホィール式電力貯蔵装置は、余剰電力をフライホィールの回転エネルギに変換して貯蔵し、フライホィールを有する回転体が軸受けによって回転自在に支持され、電動機兼用発電機として高速回転するように設けられている。
この種のフライホィール式電力貯蔵装置に関し、例えば、特許文献1には、発電可能な電動モータによってフライホィールの回転数制御を行うことにより、電力を貯蔵・給電する車載用フライホィール式電力貯蔵装置及び車両の車体姿勢制御システムが開示されている。この特許文献1では、互いに直交する二つの軸周りに単一のフライホィールを回転自在に支持するジンバル構造が採用され、フライホィールの慣性モーメントが車体に対して作用することを防止するための構造が開示されている。
また、特許文献1では、ジャイロスコープ機能によって車体のピッチングやローリング等の車体姿勢を検知し、前記ピッチングやローリングを解消するように外部のアクチュエータを制御(例えば、電子制御式のショックアブソーバで車輪毎の減衰力を調整)することが開示されている。
特開2005−65411号公報
しかしながら、特許文献1では、フライホィール自体が車体姿勢を制御する機能を有していないため、車体の姿勢制御を行うために外部のアクチュエータを駆動制御することが必要となる。この場合、特許文献1では、車体の姿勢制御を遂行するときに外部アクチュエータに対して電力を供給する必要があり、消費電力が増加すると共に、駆動アシストとしてフライホィールに貯蔵された電力を用いると、電力貯蔵装置における電力効率が低下して電力マネジメントが悪くなるという問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、回転エネルギ貯蔵装置における消費電力を低減して電力マネジメントを向上させることが可能な車両駆動制御システムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は発電可能な電動モータにより回転駆動されるフライホィールが設けられ、車両の車輪を駆動する車輪駆動用電動モータの回転エネルギを貯蔵する回転エネルギ貯蔵装置を備えた車両駆動制御システムであって、車両の運動状態を取得する運動状態取得手段を有し、前記回転エネルギ貯蔵装置は、車両の前後方向又は左右幅方向で対となるように配置され、前記車輪駆動用電動モータからの電力を回転力として貯蔵する第1フライホィール及び第2フライホィールと、前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて、前記第1フライホィールと前記第2フライホィールの回転方向又は回転速度を設定するフライホィール制御装置と、を備え、前記運動状態取得手段は、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を含み、前記第1フライホィール及び第2フライホィールは、相互に反対方向に回転し、前記フライホィール制御装置は、前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて車両がスピン状態にあると判定したとき、前記第1フライホィール及び第2フライホィールのうち、前記旋回状態検出手段により検出された旋回方向と同一方向に回転している一方のフライホィールの回転速度を、他方のフライホィールの回転速度よりも増加させるように制御することを特徴とする。
本発明によれば、運動状態取得手段で取得した車両の運動状態に応じて、第1フライホィール及び第2フライホィールの回転方向又は回転速度を調整することができ、これにより回転エネルギ貯蔵装置自体をアクチュエータとして機能させることにより、車両の姿勢や運動制御を行うことができる。この結果、本発明では、従来技術と比較して外部へ電力供給することが不要となるため、回転エネルギ貯蔵装置における消費電力を低減して電力マネジメントを向上させることができる。これに加えて、本発明では、アクチュエータを外部に設ける必要がないため、従来からなる既存の各種車両へ円滑に適用することが可能となり汎用性を向上させると共に、製造コストを低減させることができる。
また、本発明によれば、仮に、リアタイヤがスリップして車両がスピンし始めたとき、フライホィール制御装置は、第1フライホィール及び第2フライホィールの回転方向又は回転速度を制御してスピン挙動を打ち消す方向にヨーモーメントを発生させることにより、車両の走行安定性を向上させることができる。
さらに、本発明は、発電可能な電動モータにより回転駆動されるフライホィールが設けられ、車両の車輪を駆動する車輪駆動用電動モータの回転エネルギを貯蔵する回転エネルギ貯蔵装置を備えた車両駆動制御システムであって、車両の運動状態を取得する運動状態取得手段を有し、前記回転エネルギ貯蔵装置は、車両の前後方向又は左右幅方向で対となるように配置され、前記車輪駆動用電動モータからの電力を回転力として貯蔵する第1フライホィール及び第2フライホィールと、前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて、前記第1フライホィールと前記第2フライホィールの回転方向又は回転速度を設定するフライホィール制御装置と、を備え、前記運動状態取得手段は、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を含み、前記第1フライホィール及び第2フライホィールは、相互に反対方向に回転し、前記フライホィール制御装置は、前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて車両がスピン状態にあると判定したとき、前記第1フライホィール及び第2フライホィールのうち、前記旋回状態検出手段により検出された旋回方向と同一方向に回転している一方のフライホィールを電動モータとして駆動し、他方のフライホィールを発電機として駆動して前記一方のフライホィールに回転エネルギを供給するように制御することを特徴とする。
本発明によれば、仮に、リアタイヤがスリップして車両がスピンし始めたとき、フライホィール制御装置は、第1フライホィール及び第2フライホィールの回転方向又は回転速度を制御してスピン挙動を打ち消す際、旋回状態検出手段により検出により検出された旋回方向(スピン方向)と同一方向に回転している一方のフライホィールを電動モータとして駆動し、旋回方向と反対方向に回転している他方のフライホィールを発電機として駆動し、他方のフライホィールで発電した電力を一方のフライホィールに対して回転エネルギ(電力)として供給するように制御することにより、回転エネルギ貯蔵装置内における消費電力を削減して電力の省力化を達成することができる。
本発明では、回転エネルギ貯蔵装置における消費電力を低減して電力マネジメントを向上させることが可能な車両駆動制御システムを得ることができる。
本発明の実施形態に係る車両駆動制御システムの構成ブロック図である。 図1に示す車両駆動制御システムが搭載された車両の概略構成図である。 図1に示す車両駆動制御システムの変形例を示す車両の概略構成図である。 (a)は、車両が直進走行している状態における第1フライホィール及び第2フライホィールと車体ヨー運動との関係の説明に供される平面図、(b)は、車両のスピン状態における第1フライホィール及び第2フライホィールと車体ヨー運動との関係の説明に供される平面図である。 (a)〜(d)は、車両がスピンを開始した時、第1フライホィール及び第2フライホィールの回転方向及び回転速度を調整して車両ヨーレートを制御するための説明に供される平面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両駆動制御システムの構成ブロック図、図2は、図1に示す車両駆動制御システムが搭載された車両の概略構成図、図3は、図1に示す車両駆動制御システムの変形例を示す車両の概略構成図である。
なお、本発明の実施形態に係る車両駆動制御システムは、例えば、電気自動車やハイブリッドカー等の車両に好適に適用されるが、内燃機関(エンジン)で駆動される通常の自動車にも適用可能である。
図1に示されるように、この車両駆動制御システム10は、車両12(図2参照)に配設された車輪を駆動する車輪駆動用電動モータ14と、前記車輪駆動用電動モータ14の回転エネルギを貯蔵する回転エネルギ貯蔵装置16と、車両12の各種運動状態を取得する運動状態取得手段18とによって構成される。なお、車輪駆動用電動モータ14と回転エネルギ貯蔵装置16との間には、直流を交流に変換する図示しないインバータが設けられる。また、前記回転エネルギ貯蔵装置16は、車輪駆動用電動モータ14を駆動するための蓄電池を備えており、必要に応じて図示しない充電用電源と電気的に接続されるように設けられる。
前記回転エネルギ貯蔵装置16は、図1に示されるように、発電可能な電動モータとして機能するモータ/ジェネレータ20aと、前記モータ/ジェネレータ20aによって回転駆動される第1フライホィール22と、発電可能な電動モータとして機能する他のモータ/ジェネレータ20bと、前記モータ/ジェネレータ20bによって回転駆動される第2フライホィール24と、前記第1フライホィール22及び第2フライホィール24の両方又はいずれか一方の回転方向や回転速度を制御するフライホィール制御装置として機能するECU26とを有する。
この場合、車輪駆動用電動モータ14の制動時に回生された回生電力は、ECU26を経由して第1フライホィール22及び/又は第2フライホィール24に回転力として貯蔵される。一方、前記第1フライホィール22及び第2フライホィール24で貯蔵された回転力が電力として車輪駆動用電動モータ14に対して供給されることにより、車両12を駆動することができる。
第1フライホィール22及び第2フライホィール24は、図2に示されるように、車両12の左右幅方向で対となるように配置されるが、例えば、図3の変形例に示されるように、車両12の前後方向で対となるように配置してもよい。
ECU26は、例えば、中央演算装置(CPU)、RAM、ROM等の記憶手段及び入出力回路を有し、運動状態取得手段18で取得された取得結果が導入される入力情報と、ROMに記憶された各種のプログラムやデータ等に基づいて演算処理を行うことにより、後記する車体のヨーコントロール制御が行われる。
運動状態取得手段18は、図示しないステアリングホィールの操舵角を検出する操舵角センサ28と、車体の走行速度である車速を検出する車速センサ30と、車体のヨーレートを検出するヨーレートセンサ32とを備え、前記操舵角センサ28、車速センサ30、ヨーレートセンサ32で検出された検出信号(取得結果)は、それぞれ、ECU26に導入される。なお、運動状態取得手段18は、操舵角センサ28、車速センサ30及びヨーレートセンサ32に限定されるものではなく、例えば、図示しない横Gセンサ等を含み、車両12の運動状態を検出して検出信号を出力するものであればよい。
第1フライホィール22及び第2フライホィール24をそれぞれ回転駆動するモータ/ジェネレータ20a、20bは、図示しないステータ及びロータと、例えば、磁気軸受等軸受け手段によって回転自在に軸支されて前記ロータの回転運動をフライホィール側に伝達する図示しない回転子等の回転運動伝達機構とを有し、前記第1フライホィール22及び第2フライホィール24が回転することによって発電可能に設けられる。
本実施形態に係る車両駆動制御システム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
先ず、図4(a)、(b)を用いて、本発明の基本原理について以下説明する。
図4(a)は、車両が直進走行している状態における第1フライホィール及び第2フライホィールと車体ヨー運動との関係の説明に供される平面図、図4(b)は、車両のスピン状態における第1フライホィール及び第2フライホィールと車体ヨー運動との関係の説明に供される平面図である。なお、車体ヨー運動とは、車体の上下軸周りの回転運動をいい、ヨー方向とは、車体の上下軸回りの回転方向をいう。
図4(a)に示されるように、例えば、車両12が直線走行状態等にあってヨー方向の外力が全く作用しない非旋回状態では、第1フライホィール22及び第2フライホィール24でそれぞれ発生する角運動量と、車体のヨー運動によって発生する角運動量との総角運動量Lが、下記の(1)式に示されるように、角運動量保存の法則によって一定量(constant)Lに保存される。
L=Iγ(t)+Iω(t)+Iω(t)=L・・・・・(1)
:車両の慣性モーメント
γ :ヨー角速度
:フライホィールの慣性モーメント
ω、ω:フライホィール角速度(回転速度)
なお、図4(a)の矢印で示されるように、第1フライホィール22の回転方向、第2フライホィール24の回転方向、車両12のヨー運動方向は、それぞれ、反時計回り方向で同一方向にある。
この角運動量保存の法則を本実施形態の車両に応用すると、第1フライホィール22の角速度ω、第2フライホィール24の角速度ωを増減させることにより、下記の(2)式に示されるように、車両ヨーレートγ(t)を減少又は増大させる制御が可能となる。このことを利用して、車両12が横風や路面外乱を受けてヨー方向の車両安定性が低下した場合、第1フライホィール22の角速度ω、第2フライホィール24の角速度ωを制御することにより、車両ヨー角度を安定させて車両12の方向安定性を保持し、車両安定性を向上させることができる。
γ(t)=[L−{Iω(t)+Iω(t)}]/I・・・・・・(2)
以下に具体的に説明する。先ず、第1フライホィール22の角速度をω=−ωとし、第2フライホィール24の角速度をω=+ωとして相互に反対方向に回転させておく。さらに、リアタイヤが滑動して車両12がスピン状態となったとき、第1フライホィール22の回転を停止させて角速度ωを零に制御すると共に、第2フライホィール24の角速度ωを(+ω+Δω)となるように、第1フライホィール22の回転エネルギを第2フライホィール24へ移動させることにより、車両12のスピン状態を抑制して車両安定性を確保することができる(ω>0)。
このとき、一方の第1フライホィール22の回転エネルギを発電機で取り出し、この回転エネルギをモータで他方の第2フライホィール24に付与されるように電流を制御することにより、必要な運動エネルギの消費量を理論上は零として、前記車両安定性と省エネルギとを両立させることができる。なお、初期状態における車両ヨーレートγ(t=tinit)を下記の(3)式に示し、終期状態における車両ヨーレートγ(t=tend)を下記の(3)´式に示す。
γ(t=tinit)=L/L・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
γ(t=tend)=L−[I(0−(−ω))+I{+ω+Δω−(+ω)}]/I・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)´
また、この角運動量保存の法則の車両12への適用は、タイヤのグリップ力等の車両12の外部からの力に頼らずに車両12の方向安定性を向上させることができるため、例えば、ハイドロプレーン現象時や雪道等の滑りやすい路面の走行時でも車両12の安定化を達成することができる。すなわち、タイヤのグリップ力を利用するアンチロックブレーキ制御(ABS制御)、アクティブ操舵制御、アクティブトーコントロール制御等で制御しきれない車両運動状態のときも安定制御の範囲を拡張することができる。
以下、図5に基づいて、詳細に説明する。
図5(a)〜(d)は、車両がスピンを開始した時、第1フライホィール及び第2フライホィールの回転方向及び回転速度を調整して車両ヨーレートを制御するための説明に供される平面図である。
図5(a)では、第1フライホィール22の角速度ωが(−ω)で、第2フライホィール24の角速度ωが(+ω)となるように、モータ/ジェネレータ20a、20bを駆動させて第1フライホィール22及び第2フライホィール24の回転方向が相互に反対となるように制御する。
続いて、図5(b)に示されるように、例えば、リアタイヤに滑りが発生して車両12がスピンを起こし始めたとき、ECU26は、操舵角センサ28、車速センサ30、ヨーレートセンサ32からの出力信号に基づいて、車両運動状態がオーバーステアとなってスピン状態にあるか否かを判定する。
詳述すると、操舵角センサ28によって検出された操舵角と車速センサ30によって検出された車速に基づいて、前記操舵角と前記車速のときの規範ヨーレートを算出し、ヨーレートセンサ32によって検出された実際のヨーレート(実ヨーレート)と規範ヨーレートとを比較し、実ヨーレートが規範ヨーレートよりも大きいときは、オーバーステアで車両12がスリップ状態にあると判定し、実ヨーレートが規範ヨーレートよりも小さいときは、車両12が非スリップ状態であると判定する。
ECU26によって車両12がスリップ状態であると判定されたとき、ECU26は、第1フライホィール22の回転エネルギを第2フライホィール24へ時間Δtの間に移動させ、例えば、第1フライホィール22の角速度ωが零となり、第2フライホィール24の角速度ωが(+ω+Δω)となるように各フライホィールの回転速度を制御する。この結果、「角運動量の時間的変化は、外力によるモーメントに等しい」という法則に基づいて、ヨーレートγと反対方向に回転しようとするモーメントMを車両12に付与することができる(図5(c)参照)。
なお、前記モーメントMは、以下の(4)式で表される。
M=(Iω+IΔω)/Δt・・・・・・・・・・・・・・(4)
換言すると、ECU26によって車両12がスリップ状態にあると判定されたとき、ECU26は、第1フライホィール22の角速度ωを零とし(ω=0)、第2フライホィール24の角速度ωが(+ω+Δω)となるように各フライホィールの回転速度を制御することにより、スピン挙動を打ち消す方向にヨーモーメントMを発生させることができる(図5(c)参照)。
従って、図5(d)に示されるように、第1フライホィール22と第2フライホィール24との回転制御から得られたモーメントM(ヨーモーメント)により、車体にスピン方向と反対方向に回転しようとするヨーモーメントΔγが発生してスピンの起き始めに発生したヨーレートγがΔγだけ減算されるため(γ−Δγ)、車体のスピンを防止又は抑制することができる。この結果、車両安定性を大幅に向上させることができる。
なお、前記ヨーモーメントΔγは、以下の(5)式で表される。
Δγ=(M・Δt)/I・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
本実施形態では、運転状態取得手段18として機能する各種センサからの出力信号に基づきECU26によって車両12がスリップ状態にあると判定されたとき、ECU26が、第1フライホィール22及び第2フライホィール24のうち、ヨーレートセンサ32により検出された旋回方向(スピン方向)と同一方向に回転している一方のフライホィール(第2フライホィール24)をモータ/ジェネレータ20bを介して電動モータとして駆動し、他方のフライホィール(第1フライホィール22)をモータ/ジェネレータ20aを介して発電機として駆動して、前記一方のフライホィール(第2フライホィール24)に回転エネルギを供給するように制御する。
このように、本実施形態では、車両12の運動状態に応じて、第1フライホィール22及び第2フライホィール24の回転方向又は回転速度を調整することができ、これにより回転エネルギ貯蔵装置16自体がアクチュエータとして機能することにより、車両12の姿勢や運動制御を行うことができる。この結果、本実施形態では、従来技術と比較して外部へ電力供給することが不要となるため、回転エネルギ貯蔵装置16における消費電力を低減して電力マネジメントを向上させることができる。これに加えて、本実施形態では、アクチュエータを外部に設ける必要がないため、従来からなる既存の各種車両へ円滑に適用することが可能となり汎用性を向上させると共に、製造コストを低減させることができる。
なお、本実施形態では、各種センサからの出力信号に基づきECU26によって車両12がスリップ状態にあると判定されたとき、ECU26が、第1フライホィール22の角速度ωを零とし(ω=0)、第2フライホィール24の角速度ωが(+ω+Δω)となるように各フライホィールの回転速度を制御しているが、これに限定されるものでなく、第1フライホィール22及び第2フライホィール24のうち、ヨーレートセンサ32により検出された旋回方向(スピン方向)と同一方向に回転している一方のフライホィールの回転速度を、旋回方向(スピン方向)と反対方向に回転している他方のフライホィールの回転速度よりも相対的に増加させるように制御すればよい。
また、本実施形態において、仮に、リアタイヤがスリップして車両12がスピンし始めたとき、ECU26は、第1フライホィール22及び第2フライホィール24の回転方向又は回転速度を制御してスピン挙動を打ち消す方向にヨーモーメントMを発生させることにより、車両12の走行安定性を向上させることができる。
さらに、本実施形態において、仮に、リアタイヤがスリップして車両12がスピンし始めたとき、ECU26は、第1フライホィール22及び第2フライホィール24の回転方向又は回転速度を制御してスピン挙動を打ち消す際、ヨーレートセンサ32により検出された旋回方向(スピン方向)と同一方向に回転している第2フライホィール24をモータ/ジェネレータ20bを介して電動モータとして駆動し、旋回方向と反対方向に回転している第1フライホィール22をモータ/ジェネレータ20aを介して発電機として駆動し、第1フライホィール22で発電した電力を第2フライホィール24に対して回転エネルギ(電力)として供給するように制御することにより、回転エネルギ貯蔵装置16内における消費電力を削減して電力の省力化を達成することができる。
さらにまた、本実施形態では、第1フライホィール22及び第2フライホィール24の回転によって発生するジャイロ効果により、車体に発生するロール運動及びピッチ運動を、各フライホィールの軸の傾斜を抑制する力によって抑えることができる。また、本実施形態では、回転エネルギ貯蔵装置16が相互に回転方向が異なる一対の第1フライホィール22及び第2フライホィール24を備えることにより、直進走行状態で各フライホィールの回転速度が略同一であるとき、それぞれフライホィールで発生する回転モーメントが相殺し合って、旋回方向(ヨー方向)への各フライホィールによる悪影響を防止することができる利点がある。
またさらに、本実施形態では、車両12が走行する路面状況が変化してタイヤのグリップ力が低下したとき(例えば、凍結路等で摩擦係数μが低いとき)、タイヤのグリップ力に依存することがなく車体の姿勢をコントロールすることができるため、車両安定性を向上させることができる。
このように本実施形態では、車両12のスピンによる旋回方向(スピン方向)と逆回転しているフライホィールの回転を停止させる(旋回方向と同一方向にあるフライホィールの回転速度に対して逆回転しているフライホィールの回転速度を相対的に減速させる場合も含む)、車体に慣性モーメントが発生して回転を停止した(回転速度を減速した)フライホィールが回転していた方向に車体が回転しようとする。一方、車両の旋回方向(スピン方向)と同一方向に回転しているフライホィールの回転の反作用によって、車体はその反対方向に回転しようとする。本実施形態では、このような作用・反作用の法則を角運動量に適用しているため、タイヤのグリップ力等の外部の力に頼ることがなく車両12の方向安定性を達成することができる。
10 車両駆動制御システム
12 車両
14 車輪駆動用電動モータ
16 回転エネルギ貯蔵装置
18 運転状態取得手段
20a、20b モータ/ジェネレータ(発電可能な電動モータ)
22 第1フライホィール
24 第2フライホィール
26 ECU(フライホィール制御装置)
32 ヨーレートセンサ(旋回状態検出手段)

Claims (2)

  1. 発電可能な電動モータにより回転駆動されるフライホィールが設けられ、車両の車輪を駆動する車輪駆動用電動モータの回転エネルギを貯蔵する回転エネルギ貯蔵装置を備えた車両駆動制御システムであって、
    車両の運動状態を取得する運動状態取得手段を有し、
    前記回転エネルギ貯蔵装置は、
    車両の前後方向又は左右幅方向で対となるように配置され、前記車輪駆動用電動モータからの電力を回転力として貯蔵する第1フライホィール及び第2フライホィールと、
    前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて、前記第1フライホィールと前記第2フライホィールの回転方向又は回転速度を設定するフライホィール制御装置と、
    を備え
    前記運動状態取得手段は、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を含み、
    前記第1フライホィール及び第2フライホィールは、相互に反対方向に回転し、
    前記フライホィール制御装置は、前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて車両がスピン状態にあると判定したとき、前記第1フライホィール及び第2フライホィールのうち、前記旋回状態検出手段により検出された旋回方向と同一方向に回転している一方のフライホィールの回転速度を、他方のフライホィールの回転速度よりも増加させるように制御することを特徴とする車両駆動制御システム。
  2. 発電可能な電動モータにより回転駆動されるフライホィールが設けられ、車両の車輪を駆動する車輪駆動用電動モータの回転エネルギを貯蔵する回転エネルギ貯蔵装置を備えた車両駆動制御システムであって、
    車両の運動状態を取得する運動状態取得手段を有し、
    前記回転エネルギ貯蔵装置は、
    車両の前後方向又は左右幅方向で対となるように配置され、前記車輪駆動用電動モータからの電力を回転力として貯蔵する第1フライホィール及び第2フライホィールと、
    前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて、前記第1フライホィールと前記第2フライホィールの回転方向又は回転速度を設定するフライホィール制御装置と、
    を備え、
    前記運動状態取得手段は、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を含み、
    前記第1フライホィール及び第2フライホィールは、相互に反対方向に回転し、
    前記フライホィール制御装置は、前記運動状態取得手段による取得結果に基づいて車両がスピン状態にあると判定したとき、前記第1フライホィール及び第2フライホィールのうち、前記旋回状態検出手段により検出された旋回方向と同一方向に回転している一方のフライホィールを電動モータとして駆動し、
    他方のフライホィールを発電機として駆動して前記一方のフライホィールに回転エネルギを供給するように制御することを特徴とする車両駆動制御システム。
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