JP2017065400A - 前輪懸架装置の位置決め構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両組立時、ステアリング部35と車体フレーム1とを、第一転舵軸線C1の回りの角度である第一転舵角度で係合する第一係合部61と、車両組立時、フォーク17とフォークホルダ15とを、第二転舵軸線C2の回りの角度である第二転舵角度で係合する第二係合部62と、第一係合部61と第二係合部62とを連係する連係機構60とを備え、連係機構60には、第一転舵角度を調整して第一係合部61を係合させると共に、第二転舵角度を調整して第二係合部62を係合させる転舵調整機構40が設けられる。
【選択図】図1
Description
請求項2に記載した発明は、前記第一係合部(61)は、前記ステアリング部(35)に形成されるステアリング部側係合部(63)と、前記車体フレーム(1)に形成される車体フレーム側係合部(64)とを備え、前記ステアリング部側係合部(63)には、第一挿通部材を挿通可能なステアリング部側挿通部(63h)が形成され、前記車体フレーム側係合部(64)には、前記第一挿通部材を挿通可能な車体フレーム側挿通部(64h)が形成されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記第一転舵角度において、前記ステアリング部側挿通部(63h)と前記車体フレーム側挿通部(64h)とは、鉛直方向に連通することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記車体フレーム側係合部(64)には、前記第一挿通部材が前記車体フレーム側挿通部(64h)に挿通されるまでの間、前記第一挿通部材を摺動可能とする車体フレーム側摺動部(64a)が形成されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記第二係合部(62)は、前記フォーク(17)に形成されるフォーク側係合部(65)と、前記フォークホルダ(15)に形成されるフォークホルダ側係合部(66)とを備え、前記フォーク側係合部(65)には、第二挿通部材を挿通可能なフォーク側挿通部(65h)が形成され、前記フォークホルダ側係合部(66)には、前記第二挿通部材を挿通可能なフォークホルダ側挿通部(66h)が形成されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記第二転舵角度において、前記フォーク側挿通部(65h)と前記フォークホルダ側挿通部(66h)とは、鉛直方向に連通することを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記フォーク側係合部(65)には、前記第二挿通部材が前記フォーク側挿通部(65h)に挿通されるまでの間、前記第二挿通部材を摺動可能とするフォーク側摺動部(65a)が形成されることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記フォーク側挿通部(65h)は、車幅方向に延びる前記フォーク側摺動部(65a)の車幅方向中心に配置されることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記フォークホルダ(15)には、前記フォーク(17)の転舵角度を制限するフォークホルダ側転舵制限部(67)が形成され、前記フォーク側係合部(65)には、前記フォークホルダ側転舵制限部(67)に当接可能とされるフォーク側転舵制限部(68)が形成されることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、前記フォーク側転舵制限部(68)は、車幅方向に延びる前記フォーク側係合部(65)の車幅方向両端部に配置されることを特徴とする。
請求項11に記載した発明は、前記転舵調整機構(40)は、車幅方向の一方側で、前後方向に沿うように延びて、前記ステアリング部(35)と前記フォークホルダ(15)との間を連結する第一連結部材(42)を備え、前記第一連結部材(42)は、前記第一転舵角度と前記第二転舵角度との少なくとも一方を調整可能に伸縮可能とされることを特徴とする。
請求項12に記載した発明は、前記転舵調整機構(40)は、車幅方向の他方側で、前記第一連結部材(42)の長手方向と平行に延びて、前記ステアリング部(35)と前記フォークホルダ(15)との間を連結する第二連結部材(41)を更に備え、前記第二連結部材(41)には、前記ステアリング部(35)に連結されるステアリング側連結部(41R)と、前記フォークホルダ(15)に連結されるフォークホルダ側連結部(41F)とが設けられ、前記ステアリング側連結部(41R)と前記ステアリング部(35)との接続と、前記フォークホルダ側連結部(41F)と前記フォークホルダ(15)との接続とのうち少なくとも一方は、ラバーマウントとされることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、ステアリング部側係合部には第一挿通部材を挿通可能なステアリング部側挿通部が形成され、車体フレーム側係合部には第一挿通部材を挿通可能な車体フレーム側挿通部が形成されることで、転舵角度を調整する際にはステアリング部側挿通部と車体フレーム側挿通部とに第一挿通部材を挿通するのみで済むため、車両組立時の作業性を向上することができる。又、ステアリング部にステアリング部側係合部が形成される場合であっても、ステアリング側係合部の小型化及び軽量化を図ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、第一転舵角度において、ステアリング部側挿通部と車体フレーム側挿通部とが鉛直方向に連通することで、転舵角度を調整する際にステアリング部側挿通部と車体フレーム側挿通部とが鉛直方向で重なったところで、第一挿通部材が自重によりステアリング部側挿通部と車体フレーム側挿通部とに挿通するようになるため、車両組立時の作業性をより一層向上することができる。又、第一挿通部材が自重によりステアリング部側挿通部と車体フレーム側挿通部とに挿通することで、車体が製造台上にある等、車体が高い位置にあってステアリング部側挿通部と車体フレーム側挿通部とを目視できない場合であっても、組立作業を効率的に行うことができる。
請求項4に記載した発明によれば、車体フレーム側係合部には、第一挿通部材が車体フレーム側挿通部に挿通されるまでの間、第一挿通部材を摺動可能とする車体フレーム側摺動部が形成されることで、転舵角度を調整する際にステアリング部側挿通部と車体フレーム側挿通部とにずれが生じる場合であっても、ずれを解消するまで第一挿通部材を摺動することができるため、車両組立時の作業性をより一層向上することができる。
請求項5に記載した発明によれば、フォーク側係合部には第二挿通部材を挿通可能なフォーク側挿通部が形成され、フォークホルダ側係合部には第二挿通部材を挿通可能なフォークホルダ側挿通部が形成されることで、転舵角度を調整する際にはフォーク側係合部とフォークホルダ側係合部とに第二挿通部材を挿通するのみで済むため、車両組立時の作業性を向上することができる。
請求項6に記載した発明によれば、第二転舵角度において、フォーク側挿通部とフォークホルダ側挿通部とが鉛直方向に連通することで、転舵角度を調整する際にフォーク側挿通部とフォークホルダ側挿通部とが鉛直方向で重なったところで、第二挿通部材が自重によりフォーク側挿通部とフォークホルダ側挿通部とに挿通するようになるため、車両組立時の作業性をより一層向上することができる。又、第二挿通部材が自重によりフォーク側挿通部とフォークホルダ側挿通部とに挿通することで、車体が製造台上にある等、車体が高い位置にあってフォーク側挿通部とフォークホルダ側挿通部とを目視できない場合であっても、組立作業を効率的に行うことができる。
請求項7に記載した発明によれば、フォーク側係合部には、第二挿通部材がフォーク側挿通部に挿通されるまでの間、第二挿通部材を摺動可能とするフォーク側摺動部が形成されることで、転舵角度を調整する際にフォーク側挿通部とフォークホルダ側挿通部とにずれが生じる場合であっても、ずれを解消するまで第二挿通部材を摺動することができるため、車両組立時の作業性をより一層向上することができる。
請求項8に記載した発明によれば、フォーク側挿通部が車幅方向に延びるフォーク側摺動部の車幅方向中心に配置されることで、転舵角度を調整する際にフォーク側挿通部がフォークホルダ側挿通部に対して車幅方向一側にずれた場合であっても、ずれを解消するまで第二挿通部材を車幅方向に摺動することができるため、車両組立時の作業性をより一層向上することができる。
請求項9に記載した発明によれば、フォークホルダにはフォークの転舵角度を制限するフォークホルダ側転舵制限部が形成され、フォーク側係合部にはフォークホルダ側転舵制限部に当接可能とされるフォーク側転舵制限部が形成されることで、フォークの転舵角度を制限するいわゆるハンドルストッパとしての機能をフォーク側係合部に持たせることができ、別個にハンドルストッパを設ける必要がないため、装置構造の簡素化を図ることができる。
請求項10に記載した発明によれば、フォーク側転舵制限部が車幅方向に延びるフォーク側係合部の車幅方向両端部に配置されることで、フォーク側転舵制限部がフォークホルダ側転舵制限部に当接する際に荷重を受ける場合であっても、荷重をフォーク側係合部の車幅方向両端部で受けることができるため、ハンドルストッパとしての強度を確保することができる。
請求項11に記載した発明によれば、第一連結部材が第一転舵角度と第二転舵角度との少なくとも一方を調整可能に伸縮可能とされることで、転舵角度を調整する際には第一連結部材を伸縮させるのみで転舵調整(例えば、組付け等によるずれを吸収すること)ができるため、簡易な調整機構とすると共に、車両組立時の作業性をより一層向上することができる。
請求項12に記載した発明によれば、第二連結部材において、ステアリング側連結部とステアリング部との接続と、フォークホルダ側連結部とフォークホルダとの接続とのうち少なくとも一方がラバーマウントとされることで、転舵角度を調整する際に、第一連結部材により転舵調整を行いつつ、第二連結部材により第一連結部材のサポート(例えば、組付け等によるずれをラバーの撓みで吸収すること)ができるため、転舵調整を効果的に行うと共に、車両組立時の作業性をより一層向上することができる。
図1は、鞍乗り型車両の一例としての自動二輪車の車体前部を示す。図1を参照し、自動二輪車の車体フレーム1は、前端部に前輪懸架装置10を支持するフロントブロック3を有し、車両前後に延びる左右一対のメインフレーム2を備える。尚、図3中符号2Lは左メインフレーム、符号2Rは右メインフレームを示す。又、図3中符号3Lは左フロントブロック、符号3Rは右フロントブロックを示す。
尚、図1中符号50はステップ、符号51はステップ50を支持するステップ支持部材、符号55はサイドスタンドを示す。
図1及び図6を併せて参照し、前輪懸架装置10は、下端部で前輪11を支持するフォーク17(具体的にはフロントフォーク)と、ハンドル支持部31に回動可能に支持されると共に、バーハンドル18の操作に伴って第一転舵軸線C1の回りに回動されるハンドルポスト35(ステアリング部)と、第二転舵軸線C2の回りにフォーク17を回動可能に支持するフォークホルダ15と、ハンドルポスト35とフォークホルダ15との間で連結される左右一対のリンク部材41,42及び転舵部材45と、車両前後方向に延びて前輪11を上下揺動可能に支持する上下アーム21,22を有する支持アーム20と、前輪11の動きに伴って伸縮して緩衝作用を得るクッション部材27と、を備える。これらハンドルポスト35、左右リンク部材41,42、転舵部材45、フォークホルダ15及びフォーク17を介して、バーハンドル18の操作に伴う第一転舵軸線C1の回りの回動と前輪11の転舵とが連係される。即ち、ハンドルポスト35、左右リンク部材41,42、転舵部材45、フォークホルダ15及びフォーク17は、後述する第一係合部61と第二係合部62とを連係する連係機構60を形成する。又、左右リンク部材41,42(左リンク部材41及び右リンク部材42)は、後述する転舵調整機構40を形成する。尚、左リンク部材41は請求項に記載の「第二連結部材」に相当し、右リンク部材42は請求項に記載の「第一連結部材」に相当する。
図2及び図3を併せて参照し、フォーク17は、第二転舵軸線C2を形成する軸部16と、上下に延びる左右一対のアーム部17aと、左右アーム部17aの上端部間を連結するクロスメンバ17bと、を一体に有する。左右アーム部17aは、前輪11の左右両側に配置される。クロスメンバ17bは、前輪11の上端位置のトレッド面に沿うように車幅方向内側へ湾曲し、左右アーム部17aの上端部間に配置される。クロスメンバ17bの左右端部は、左右アーム部17aの上端部に接合される。フォーク17の各要素は、例えば一体のアルミニウム製部品であり、各要素が互いに一体に溶接結合される。
尚、図1中符号13は、ブレーキキャリパを示す。又、符号13aは、ブレーキロータを示す。又、符号C10は、前輪車軸の中心軸線を示す。又、符号C10Lは、中心軸線C10から路面Rに降ろした垂線を示す。又、符号Tは、トレールを示す。
図2を併せて参照し、ハンドル支持部31は、側面視で、フロントブロック3の前上端部で鉛直方向に対して後傾して設けられる。ハンドル支持部31は、例えばアルミ製のフロントブロック3の上端部に一体に設けられる。ハンドル支持部31は、ハンドルポスト35を回動可能(転舵可能)に支持する。
ハンドルポスト35は、バーハンドル18が固定されるホルダ36と、ホルダ36の下部に繋がると共に第一転舵軸線C1を中心軸線とする円筒状の軸部39と、によって形成される。図4を併せて参照し、ホルダ36は、第一転舵軸線C1と平行な方向に厚みを有すると共に前側ほど左右幅が大きい扇形状をなす台座部38と、台座部38の左右両端部に接続されると共に側面視でL字状をなして後上方に延びる左右延出部37L,37Rと、を有する。
尚、図4中符号19は、ディマースイッチ、ウインカスイッチ等のスイッチ類を有するスイッチボックスを示す。又、ブレーキレバーに連結されるマスターシリンダーの図示は省略する。又、クラッチレバーの図示は省略する。尚、オートクラッチを採用してもよい。
図2及び図6を併せて参照し、フォークホルダ15は、第一転舵軸線C1の前方に離反して設けられる。具体的に、フォークホルダ15は、円筒状をなし、フロントブロック3の前方で鉛直方向に対して後傾して設けられる。フォークホルダ15は、その径方向内側でフォーク17の軸部16を、第二転舵軸線C2の回りに回動可能(転舵可能)に支持する。軸部16の上端部16aは、フォークホルダ15の上端部15aよりも上方に突出する。尚、軸部16及びフォークホルダ15は、第二転舵軸線C2を中心軸線とする。
図2及び図6を併せて参照し、転舵部材45は、フォークホルダ15の上端部15aよりも上方で、軸部16の上端部16aに支持される。転舵部材45は、左右リンク部材41,42の前端部が接続されるリンク前接続部45aと、第二転舵軸線C2に沿う方向から見て前方が開くC字状をなす軸支部45bと、軸支部45bの上端から上側ほど車幅方向外側に位置するように延びてリンク前接続部45aと軸支部45bとの間を連結する連結部45cとを、一体に有する。リンク前接続部45a、軸支部45b及び連結部45cは、例えばアルミニウム製部品であり、互いに一体形成される。
図2及び図4を併せて参照し、左右リンク部材41,42は、側面視及び上面視で前後に延びる直線状をなす。左右リンク部材41,42は、車幅方向の左右に設けられる。左右リンク部材41,42の前端部には、リンク前接続部45aに接続される前ボールジョイント41F,42Fが設けられる。左右リンク部材41,42の後端部には、リンク後接続部38cに接続される後ボールジョイント41R,42Rが設けられる。
図2及び図6を併せて参照し、支持アーム20は、車両前後方向に延びて上下揺動可能に設けられる上下アーム21,22を有する。上下アーム21,22は、車両上下方向に並んで配置されると共に、車両前後方向に沿うように延びる。上アーム21の前端部21aは、フォークホルダ15の上部の車幅方向外側に配置され、下アーム22の前端部22aは、フォークホルダ15の下部の車幅方向内側に配置される。上下アーム21,22の後端部21b,22bは、フロントブロック3の前部の車幅方向内側に配置される。上下アーム21,22の後端部21b,22bは、フロントブロック3における前記門形の下部開放部3s内に収容される。
以下、ボルト23aの中心軸線を「第一連結軸線C11」、ボルト24aの中心軸線を「第二連結軸線C12」、ボルト25aの中心軸線を「第三連結軸線C13」、ボルト26aの中心軸線を「第四連結軸線C14」という。
上アーム21の後端部21b(第二連結軸線C12)及び下アーム22の後端部22b(第四連結軸線C14)は、側面視で第二転舵軸線C2と後述するストローク軸線C3との間に配置される。
図5及び図6を併せて参照し、上アーム21は、前後に延びる左右一対のアーム本体21cと、左右アーム本体21cの後端部21b間を連結するクロスメンバ21dと、を一体に有する。上アーム21の各要素は、例えばアルミニウム製部品であり、互いに一体形成される。
クロスメンバ21dは、フォークホルダ15の上部の後方で車幅方向に延びる。クロスメンバ21dの両端部は、左右アーム本体21cの後端部21bに接合される。
図5及び図6を併せて参照し、下アーム22は、前後に延びる左右一対のアーム本体22cと、左右アーム本体22cの前端部22a間を連結する前クロスメンバ22eと、左右アーム本体22cの後端部22b間を連結する後クロスメンバ22dと、を一体に有する。下アーム22の各要素は、例えばアルミニウム製部品であり、互いに一体形成される。
前クロスメンバ22eは、クッション部材27の下部の前方で車幅方向に延びる。前クロスメンバ22eの両端部は、左右アーム本体22cの前端部22aに接合される。
後クロスメンバ22dは、クッション部材27の下部の後方で車幅方向に延びる。後クロスメンバ22dの両端部は、左右アーム本体22cの後端部22bに接合される。
図2及び図6を併せて参照し、クッション部材27は、側面視で上側ほど後側に位置するように傾斜するロッド式のダンパー27jと、ダンパー27jの周囲を巻回するコイルスプリング27kと、を有する。クッション部材27は、その中心軸線C3に沿ってストロークして伸縮し、所定の緩衝作用を得る。以下、中心軸線C3を「ストローク軸線」という。側面視で、ストローク軸線C3が鉛直方向に対して後傾するように、クッション上接続部27cは、第一転舵軸線C1よりも後方に配置される。
前輪懸架装置10に車重分の荷重が加わった1G状態から、前輪制動等により前輪11が相対的に上方へ変位すると、支持アーム20が上方へ揺動して、フォーク17及びフォークホルダ15が上方へ変位する。このとき、第四連結軸線C14を中心に下アーム22が図2中右回り(時計回り)に後転する。すると、下アーム22が、クッション部材27の下端部27bを上方へ変位させてクッション部材27を圧縮させる。
図7を参照し、ブレーキホース70は、ブレーキキャリパ13と、不図示のマスターシリンダーとの間に接続される。図7中符号13j,13kは、ブレーキキャリパ13におけるブレーキホース70の接続部を示す。一例として、ブレーキキャリパ13の接続部13j,13kのうち接続部13jに接続されるブレーキホース70の配索例について説明する。
第一クランプ71は、フォーク17の左アーム部17aの上下中間部の後端部に設けられる。
第二クランプ72は、フォークホルダ15のリブ15rの分岐部に設けられる。
第三クランプ73は、フロントブロック3の前記門形の下部開放部3s(図3参照)に臨む側(車幅方向内側)且つ上下接続部3a,3bの間に設けられる。尚、第三クランプ73の配置位置は、側面視で、上下アーム21,22の揺動軌跡(不図示)に当たらない位置とされる。
一方、図7の側面視で、前輪11が相対的に下方へ変位すると(支持アーム20が下方へ揺動してフォークホルダ15が下方へ変位すると)、第二クランプ72が下方へ変位し、ブレーキホース70における第二クランプ72と第三クランプ73との間の部分は、下方(図7中矢印v2)へ変位する。
図1及び図2を併せて参照し、前輪懸架装置10の位置決め構造は、車両組立時、ハンドルポスト35とハンドル支持部31とを第一転舵角度で係合する第一係合部61と、フォーク17とフォークホルダ15とを第二転舵角度で係合する第二係合部62と、第一係合部61と第二係合部62とを連係する連係機構60とを備える。連係機構60には、第一転舵角度を調整して第一係合部61を係合させると共に、第二転舵角度を調整して第二係合部62を係合させる転舵調整機構40が設けられる。
具体的に、第一転舵軸線C1に沿う方向から見て、第一転舵軸線C1と直交する線を第一仮想線とし、且つ、車両左右中心線CLと重なる線を第一基準線としたとき、第一転舵角度は、第一転舵軸線C1を中心とする第一基準線と第一仮想線とのなす角度である。
又、第二転舵軸線C2に沿う方向から見て、第二転舵軸線C2と直交する線を第二仮想線とし、且つ、第二仮想線が車両左右中心線CLと重なる線を第二基準線としたとき、第二転舵角度は、第二転舵軸線C2を中心とする第二基準線と第二仮想線とのなす角度である。
本実施形態では、第一転舵角度及び第二転舵角度は、それぞれ0°とする。
図2及び図4を併せて参照し、第一係合部61は、ハンドルポスト35に形成されるハンドルポスト側係合部63(ステアリング部側係合部)と、ハンドル支持部31に形成されるハンドル支持部側係合部64(車体フレーム側係合部)とを備える。
ハンドルポスト側係合部63は、図2の側面視で第一転舵軸線C1に沿う方向に厚みを有すると共に、図4において台座部38の左後端部から後方に突出するように形成される。
ハンドル支持部側係合部64は、図2の側面視で第一転舵軸線C1に沿う方向に厚みを有すると共に、図4においてハンドル支持部31の左後端部から後方に突出するように形成される。ハンドル支持部側係合部64の厚みは、ハンドル支持部31の左後端部から離反するほど徐々に小さくなっている。
ハンドル支持部側係合部64には、第一挿通部材を挿通可能なハンドル支持部側挿通部64h(車体フレーム側挿通部)が形成される。ハンドル支持部側挿通部64hは、ハンドル支持部側係合部64をその厚み方向に貫通する貫通孔である。
ハンドルポスト側挿通部63h及びハンドル支持部側挿通部64hが貫通孔であることによって、ハンドルポスト側挿通部63h及びハンドル支持部側挿通部64hが水抜き孔として機能するため、ハンドルポスト側挿通部63h及びハンドル支持部側挿通部64hに水等が溜まることを抑制することができる。
図2及び図3を併せて参照し、第二係合部62は、フォーク17に形成されるフォーク側係合部65(フォーク側係合部)と、フォークホルダ15に形成されるフォークホルダ側係合部66とを備える。
フォーク側係合部65は、図2の側面視で第二転舵軸線C2に沿う方向に厚みを有すると共に、図3において車幅方向に延び且つフォーク17のクロスメンバ17bの前上端部から上方に突出するように形成される。フォーク側係合部65の車幅方向中央部には、後方に窪む凹部が形成される。
フォークホルダ側係合部66は、図2の側面視で第二転舵軸線C2に沿う方向に厚みを有すると共に、図3においてフォークホルダ15の前下端部から前方に突出するように形成される。
フォークホルダ側係合部66には、第二挿通部材を挿通可能なフォークホルダ側挿通部66hが形成される。フォークホルダ側挿通部66hは、フォークホルダ側係合部66をその厚み方向に貫通する貫通孔である。
フォーク側挿通部65h及びフォークホルダ側挿通部66hが貫通孔であることによって、フォーク側挿通部65h及びフォークホルダ側挿通部66hが水抜き孔として機能するため、フォーク側挿通部65h及びフォークホルダ側挿通部66hに水等が溜まることを抑制することができる。
図5及び図6を併せて参照し、フォークホルダ15のリブ15rの前端部には、フォーク17の転舵角度を制限するフォークホルダ側転舵制限部67が形成される。フォークホルダ側転舵制限部67は、第二転舵軸線C2と平行な面内に位置する平坦面である。フォークホルダ側転舵制限部67は、フォークホルダ15の車幅方向両側のリブ15rに設けられる。フォークホルダ側転舵制限部67は、車幅方向外側ほど後方に位置するように傾斜する。
図2及び図4を併せて参照し、転舵調整機構40は、車幅方向の右側(一方側)で前後方向に沿うように延びてハンドルポスト35とフォークホルダ15との間を連結する右リンク部材42と、車幅方向の左側(他方側)で前後方向に沿うように(右リンク部材42の長手方向と平行に)延びてハンドルポスト35とフォークホルダ15との間を連結する左リンク部材41とを備える。
図5及び図6を併せて参照し、先ず、フロントブロック3に、前輪懸架装置10を取り付ける。具体的に、先ず、フロントブロック3に、バーハンドル18、ハンドルポスト35、左右リンク部材41,42及び転舵部材45等のステアリング系を取り付ける。次に、フロントブロック3に、フォークホルダ15、上下アーム21,22及びクッション部材27等のフロントリンク系を取り付ける。次に、フォーク17をフォークホルダ15に下方から挿し込み、フォーク17の上端部を転舵部材45に取り付ける。次に、ハンドル側と前輪側とで転舵角度が一致するように転舵角度を調整する。具体的に、右リンク部材42の前後接続部間の距離を調整することによって、第一転舵角度と第二転舵角度との少なくとも一方を調整する。
この構成によれば、連係機構60には、第一転舵角度を調整して第一係合部61を係合させると共に、第二転舵角度を調整して第二係合部62を係合させる転舵調整機構40が設けられることで、車両組立時、転舵調整機構40を用いて第一係合部61と第二係合部62とで転舵角度が一致するように転舵角度を調整することができるため、角度計等を用いて調整する必要がなく、工数を削減することができる。従って、車両組立時にハンドルポスト35側と前輪11側とで転舵角度を簡易な構成で調整することができる。
例えば、上アーム21の第一直線AX1と下アーム22の第二直線AX2とが、前側ほど大きく離間するように、後方への延長部分で互いに交差していてもよい。このような交差配置にするには、例えば、側面視で、第二連結軸線C12の上下位置を下方にずらしたり、第四連結軸線C14の上下位置を上方にずらしたりするとよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 前輪懸架装置
11 前輪
15 フォークホルダ
17 フォーク
35 ハンドルポスト(ステアリング部)
40 転舵調整機構
41 左リンク部材(第二連結部材)
41F 前ポールジョイント(フォークホルダ側連結部)
41R 後ポールジョイント(ステアリング側連結部)
42 右リンク部材(第一連結部材)
60 連係機構
61 第一係合部
62 第二係合部
63 ハンドルポスト側係合部(ステアリング側係合部)
63h ハンドルポスト側挿通部(ステアリング部側挿通部)
64 ハンドル支持部側係合部(車体フレーム側係合部)
64a ハンドル支持部側摺動部(車体フレーム側摺動部)
64h ハンドル支持部側挿通部(車体フレーム側挿通部)
65 フォーク側係合部
65a フォーク側摺動部
65h フォーク側挿通部
66 フォークホルダ側係合部
66h フォークホルダ側挿通部
67 フォークホルダ側転舵制限部
68 フォーク側転舵制限部
C1 第一転舵軸線
C2 第二転舵軸線
Claims (12)
- 前輪(11)の車軸を支持するフォーク(17)と、前記フォーク(17)を転舵可能に支持すると共に、車体フレーム(1)に支持されるフォークホルダ(15)と、前記車体フレーム(1)に転舵可能に支持されるステアリング部(35)とを備える前輪懸架装置(10)の位置決め構造であって、
前記フォーク(17)は、前記ステアリング部(35)の回動軸線である第一転舵軸線(C1)よりも前方にオフセットした第二転舵軸線(C2)の回りに転舵可能とされ、
車両組立時、前記ステアリング部(35)と前記車体フレーム(1)とを、前記第一転舵軸線(C1)の回りの角度である第一転舵角度で係合する第一係合部(61)と、
車両組立時、前記フォーク(17)と前記フォークホルダ(15)とを、前記第二転舵軸線(C2)の回りの角度である第二転舵角度で係合する第二係合部(62)と、
前記第一係合部(61)と前記第二係合部(62)とを連係する連係機構(60)とを備え、
前記連係機構(60)には、前記第一転舵角度を調整して前記第一係合部(61)を係合させると共に、前記第二転舵角度を調整して前記第二係合部(62)を係合させる転舵調整機構(40)が設けられることを特徴とする前輪懸架装置の位置決め構造。 - 前記第一係合部(61)は、前記ステアリング部(35)に形成されるステアリング部側係合部(63)と、前記車体フレーム(1)に形成される車体フレーム側係合部(64)とを備え、
前記ステアリング部側係合部(63)には、第一挿通部材を挿通可能なステアリング部側挿通部(63h)が形成され、
前記車体フレーム側係合部(64)には、前記第一挿通部材を挿通可能な車体フレーム側挿通部(64h)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。 - 前記第一転舵角度において、前記ステアリング部側挿通部(63h)と前記車体フレーム側挿通部(64h)とは、鉛直方向に連通することを特徴とする請求項2に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。
- 前記車体フレーム側係合部(64)には、前記第一挿通部材が前記車体フレーム側挿通部(64h)に挿通されるまでの間、前記第一挿通部材を摺動可能とする車体フレーム側摺動部(64a)が形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。
- 前記第二係合部(62)は、前記フォーク(17)に形成されるフォーク側係合部(65)と、前記フォークホルダ(15)に形成されるフォークホルダ側係合部(66)とを備え、
前記フォーク側係合部(65)には、第二挿通部材を挿通可能なフォーク側挿通部(65h)が形成され、
前記フォークホルダ側係合部(66)には、前記第二挿通部材を挿通可能なフォークホルダ側挿通部(66h)が形成されることを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。 - 前記第二転舵角度において、前記フォーク側挿通部(65h)と前記フォークホルダ側挿通部(66h)とは、鉛直方向に連通することを特徴とする請求項5に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。
- 前記フォーク側係合部(65)には、前記第二挿通部材が前記フォーク側挿通部(65h)に挿通されるまでの間、前記第二挿通部材を摺動可能とするフォーク側摺動部(65a)が形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。
- 前記フォーク側挿通部(65h)は、車幅方向に延びる前記フォーク側摺動部(65a)の車幅方向中心に配置されることを特徴とする請求項7に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。
- 前記フォークホルダ(15)には、前記フォーク(17)の転舵角度を制限するフォークホルダ側転舵制限部(67)が形成され、
前記フォーク側係合部(65)には、前記フォークホルダ側転舵制限部(67)に当接可能とされるフォーク側転舵制限部(68)が形成されることを特徴とする請求項5から8までの何れか一項に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。 - 前記フォーク側転舵制限部(68)は、車幅方向に延びる前記フォーク側係合部(65)の車幅方向両端部に配置されることを特徴とする請求項9に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。
- 前記転舵調整機構(40)は、車幅方向の一方側で、前後方向に沿うように延びて、前記ステアリング部(35)と前記フォークホルダ(15)との間を連結する第一連結部材(42)を備え、
前記第一連結部材(42)は、前記第一転舵角度と前記第二転舵角度との少なくとも一方を調整可能に伸縮可能とされることを特徴とする請求項1から10までの何れか一項に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。 - 前記転舵調整機構(40)は、車幅方向の他方側で、前記第一連結部材(42)の長手方向と平行に延びて、前記ステアリング部(35)と前記フォークホルダ(15)との間を連結する第二連結部材(41)を更に備え、
前記第二連結部材(41)には、前記ステアリング部(35)に連結されるステアリング側連結部(41R)と、前記フォークホルダ(15)に連結されるフォークホルダ側連結部(41F)とが設けられ、
前記ステアリング側連結部(41R)と前記ステアリング部(35)との接続と、前記フォークホルダ側連結部(41F)と前記フォークホルダ(15)との接続とのうち少なくとも一方は、ラバーマウントとされることを特徴とする請求項11に記載の前輪懸架装置の位置決め構造。
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