JP6141898B2 - 鞍乗り型車両の前輪懸架装置 - Google Patents
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Description
請求項2に記載した発明は、前記支持部材(15)には、前記上下アーム(41,42)の前端部(41a,42a)が揺動可能に接続される上下接続部(15c,15d)が形成され、前記上下接続部(15c,15d)は、側面視で前記ステアリング軸線(C2)よりも車両前方に配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記前輪(9)のステアリング軸線(C2)と、前記操舵軸線(C1)とは、側面視で前後にオフセットすることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記上下アーム(41,42)の後端部(41b,42b)は、前記車体フレーム(2)に揺動可能に接続され、前記支持部材(15)は、前記上下アーム(41,42)の前端部(41a,42a)に揺動可能に接続されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記上アーム(41)の前後端部(41a,41b)は、前記ステアリング軸線(C2)を挟むようにして前記ステアリング軸線(C2)に隣接することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、上端部(50a)が前記車体フレーム(2)に揺動可能に接続されると共に、下端部(50b)が前記下アーム(42)に揺動可能に接続されるクッション部材(50)を更に備え、前記クッション部材(50)の上端部(50a)は、側面視で前記車体フレーム(2)に覆われ、前記クッション部材(50)の中心軸線(C3)は、側面視で前記上アーム(41)の後端部(41b)よりも車両後方に配置されることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記操舵部材(25)は、前記操舵軸線(C1)に沿う方向から見て、後方に凸のU字状をなすことを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、支持部材には、上下アームの前端部に揺動可能に接続される上下接続部が形成され、上下接続部は、側面視でステアリング軸線よりも車両前方に配置されることで、支持部材を複雑化することなく、上下アームの長さを確保することができる。
請求項3に記載した発明によれば、前輪のステアリング軸線と操舵軸線とが側面視で前後にオフセットすることで、リンク部材の車両前方への突出を抑えることができるため、操舵系をコンパクトにできる。
請求項4に記載した発明によれば、上下アームの後端部が車体フレームに揺動可能に接続され、支持部材が上下アームの前端部に揺動可能に接続される構成において、ハンドルのレイアウトをコンパクトにしつつハンドルの高さを低く抑えることができる。
請求項5に記載した発明によれば、上アームの前後端部がステアリング軸線を挟むようにしてステアリング軸線に隣接することで、車体フレームとステアリング軸線とを近づけつつ、スイングアーム長を確保することができるため、車両をコンパクトにできる。
請求項6に記載した発明によれば、クッション部材の上端部が側面視で車体フレームに覆われ、クッション部材の中心軸線が側面視で上アームの後端部よりも車両後方に配置されることで、上アームの後方にクッション部材が配置されるので、クッション部材の上端部が側面視で車体フレームに隠れ、外部から視認されにくくなるため、外観性を向上できる。
図1は、鞍乗り型車両の一例としての自動二輪車の車体前部を示す。図1を参照し、自動二輪車の車体フレーム2は、前端部に前輪懸架装置1を支持するフロントブロック3を有する。
前輪懸架装置1は、下端部12bで前輪9を支持するフロントフォーク10と、フロントブロック3の上支持部3aに回動可能に支持されると共に、ハンドル20の操作に伴って操舵軸線C1の回りに回動される操舵部材25と、操舵部材25とフロントフォーク10との間で連結される上下リンク31,32を有するリンク部材30と、車両前後方向に延びて上下揺動可能に設けられる上下アーム41,42を有するスイングアーム40と、前輪9のステアリング軸線C2を形成すると共に、上下アーム41,42の前端部41a,42aに揺動可能に支持される支持部材15と、下アーム42の揺動に伴い下端部50bをストロークさせて緩衝作用を得るクッション部材50と、を備える。これら操舵部材25、リンク部材30及びフロントフォーク10を介して、ハンドル20の操作に伴う操舵軸線C1の回りの回動と前輪9の転舵とが連係される。
フロントフォーク10は、ステアリング軸線C2に沿うように延びる軸部11と、フォーク部材12と、を一体に有する。フォーク部材12は、上下に延びる左右一対のアーム部12cと、左右アーム部12cの上端部間を連結するクロスメンバ12dと、を一体に有する。左右アーム部12cは、前輪9の左右両側に配置される。クロスメンバ12dは、前輪9の上端位置のトレッド面に沿うように車幅方向内側へ湾曲し、左右アーム部12cの上端部間に配置される。クロスメンバ12dは、その左右端部が左右アーム部12cの上端部に接合される。フロントフォーク10の各要素は、例えばアルミ製部品であり、各要素が互いに一体に溶接結合される。
尚、符号12gは、不図示のブレーキキャリパを支持するキャリパブラケットを示す。又、図中符号C10は、前輪車軸の中心軸線を示す。又、図中符号C10Lは、中心軸線C1から路面Rに降ろした垂線を示す。又、図中符号Tは、トレールを示す。
尚、図中符号25gは、上支持部3aの内周に保持されるボールベアリングを示す。
操舵部材25は、操舵軸線C1に沿う方向から見て、後方に凸のU字状をなす。操舵部材25は、本体部25aと、本体部25aの後端に繋がると共に操舵軸線C1を中心軸線とする挿通孔25h(図2参照)を有する軸支部25bと、本体部25aの左右両端に繋がると共に前側ほど車幅方向外側に位置するように緩やかに傾斜して前方に延びる左右一対の延出部25cと、本体部25aの上面から上方に突出すると共に上リンク31の後端部31a(一端部)が接続される接続部25dと、を一体に有する。
尚、図3中符号22は、ディマースイッチ、ウインカスイッチ等のスイッチ類を有するスイッチボックスを示す。又、図3中符号23は、ブレーキレバーに連結されるマスターシリンダーを示す。
支持部材15は、操舵軸線C1の前方に離反して設けられる。具体的に、支持部材15は、円筒状をなし、フロントブロック3の前方で垂直方向に対して後傾して設けられる。支持部材15は、その径方向内側でフロントフォーク10の軸部11を、ステアリング軸線C2の回りに回動可能(操向可能)に支持する。軸部11の上端部11aは、支持部材15の上端部15aよりも上方に突出する。尚、軸部11及び支持部材15は、ステアリング軸線C2を中心軸線とする。又、図中符号11gは、支持部材15の上下端部15a,15b内周に保持されるボールベアリングを示す。
転舵部材13は、支持部材15の上端部15aよりも上方で、軸部11の上端部11aに支持される。転舵部材13の前端部には、下リンク32の下端部32bが接続される接続部13cが前上方に突出して形成される。
リンク部材30は、側面視で前上方に凸をなすL字状を有する。リンク部材30は、後端部31a(一端部)が操舵部材25に揺動可能に接続される上リンク31と、上端部32a(上部)が上リンク31の前端部31b(他端部)に揺動可能に接続されると共に、下端部32b(下部)がフロントフォーク10の上端部11aに揺動可能に接続される下リンク32と、によって構成される。
スイングアーム40は、車両前後方向に延びて上下揺動可能に設けられる左右一対の上下アーム41,42を有する。上下アーム41,42は、車両上下方向に並んで配置されると共に、車両前後方向に沿うように延びる。上下アーム41,42は、側面視で、前側ほど上方に位置するように緩やかに傾斜する。左右一対の上アーム41は、支持部材15の上部の左右両側に配置され、左右一対の下アーム42は、支持部材15の下部の左右両側に配置される。左右一対の上アーム41の後端部41bは、フロントブロック3の上部の左右両側に配置され、左右一対の下アーム42の後端部42bは、フロントブロック3の下部の左右両側に配置される。上下アーム41,42の後端部41b,42bは、フロントブロック3に揺動可能に接続される。支持部材15は、上下アーム41,42の前端部41a,42aに揺動可能に接続される。
クッション部材50は、側面視で上側ほど後側に位置するように傾斜するロッド式のダンパー51と、ダンパー51の周囲を巻回するコイルスプリング52(図2参照)と、を有する。便宜上、図1及び図3においては、コイルスプリング52の図示を省略する。クッション部材50は、その中心軸線C3に沿ってストロークして伸縮し、所定の緩衝作用を得る。以下、中心軸線C3をストローク軸線ということがある。ストローク軸線C3は、側面視で上アーム41の後端部41b(中心軸線C14)よりも後方に配置される。
前輪懸架装置1に車重分の荷重が加わった1G状態から、前輪制動等により前輪9が相対的に上方へ変位すると、スイングアーム40が上方へ揺動して、フロントフォーク10及び支持部材15が上方へ変位する。このとき、中心軸線C15を中心に下アーム42が図2中右回り(時計回り)に後転する。すると、下アーム42が、クッション部材50の下端部50bを上方へ変位させてクッション部材50を圧縮させる。
特に、レーサー系の車両においては、ハンドル20のレイアウトをコンパクトにしつつハンドル20の高さを低く抑えるといった要請が強いため、実益が大きい。
更に、ハンドル20の高さを低く抑えることで、車両の重心を中心として前後に円を描くような運動、いわゆるピッチングを抑制できるため、路面Rとの接地圧を確保しやすくなり、制動距離を小さくすることができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
2 車体フレーム
9 前輪
10 フロントフォーク
11a フロントフォークの上端部
12b フロントフォークの下端部
15 支持部材
15c 上接続部
15d 下接続部
20 ハンドル
21 ハンドル把持部
25 操舵部材
30 リンク部材
31 上リンク
31a 上リンクの後端部(一端部)
31b 上リンクの前端部(他端部)
32 下リンク
32a 下リンクの上端部(上部)
32b 下リンクの下端部(下部)
40 スイングアーム
41 上アーム
41a 上アームの前端部
41b 上アームの後端部
42 下アーム
42a 下アームの前端部
42b 下アームの後端部
50 クッション部材
50a クッション部材の上端部
50b クッション部材の下端部
C1 操舵軸線
C2 ステアリング軸線
C3 ストローク軸線(クッション部材の中心軸線)
Claims (7)
- 下端部(12b)で前輪(9)を支持するフロントフォーク(10)と、
車体フレーム(2)に回動可能に支持されると共に、ハンドル(20)の操作に伴って操舵軸線(C1)の回りに回動される操舵部材(25)と、
一端部(31a)が前記操舵部材(25)に揺動可能に接続される上リンク(31)と、上部(32a)が前記上リンク(31)の他端部(31b)に揺動可能に接続されると共に、下部(32b)が前記フロントフォーク(10)の上端部(11a)に揺動可能に接続される下リンク(32)と、によって構成されるリンク部材(30)と、
車両前後方向に延びて上下揺動可能に設けられる上下アーム(41,42)を有するスイングアーム(40)と、
前記前輪(9)のステアリング軸線(C2)を形成すると共に、前記上下アーム(41,42)の前端部(41a,42a)を揺動可能に支持する支持部材(15)と、を備える鞍乗り型車両の前輪懸架装置(1)において、
前記支持部材(15)は、筒状をなし、前記支持部材(15)の径方向内側で前記フロントフォーク(10)を前記ステアリング軸線(C2)の回りに回動可能に支持し、
前記ハンドル(20)の車幅方向両端部には、ハンドル把持部(21)が形成され、
前記ハンドル把持部(21)は、側面視で前記上リンク(31)と前記下リンク(32)とフロントブロック(3)と転舵部材(13)とによって囲まれる空間(21s)に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両の前輪懸架装置。 - 前記支持部材(15)には、前記上下アーム(41,42)の前端部(41a,42a)が揺動可能に接続される上下接続部(15c,15d)が形成され、
前記上下接続部(15c,15d)は、側面視で前記ステアリング軸線(C2)よりも車両前方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の前輪懸架装置。 - 前記前輪(9)のステアリング軸線(C2)と、前記操舵軸線(C1)とは、側面視で前後にオフセットすることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の前輪懸架装置。
- 前記上下アーム(41,42)の後端部(41b,42b)は、前記車体フレーム(2)に揺動可能に接続され、
前記支持部材(15)は、前記上下アーム(41,42)の前端部(41a,42a)に揺動可能に接続されることを特徴とする請求項1〜3までの何れか一項に記載の鞍乗り型車両の前輪懸架装置。 - 前記上アーム(41)の前後端部(41a,41b)は、前記ステアリング軸線(C2)を挟むようにして前記ステアリング軸線(C2)に隣接することを特徴とする請求項1〜4までの何れか一項に記載の鞍乗り型車両の前輪懸架装置。
- 上端部(50a)が前記車体フレーム(2)に揺動可能に接続されると共に、下端部(50b)が前記下アーム(42)に揺動可能に接続されるクッション部材(50)を更に備え、
前記クッション部材(50)の上端部(50a)は、側面視で前記車体フレーム(2)に覆われ、
前記クッション部材(50)の中心軸線(C3)は、側面視で前記上アーム(41)の後端部(41b)よりも車両後方に配置されることを特徴とする請求項1〜5までの何れか一項に記載の鞍乗り型車両の前輪懸架装置。 - 前記操舵部材(25)は、前記操舵軸線(C1)に沿う方向から見て、後方に凸のU字状をなすことを特徴とする請求項1〜6までの何れか一項に記載の鞍乗り型車両の前輪懸架装置。
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