本発明を遊技機である回胴式遊技機(以下、スロットマシンという)に適用した一実施形態について、図1〜図20を参照して説明する。
(構成)
図1および図2を参照して、スロットマシン1の構成の概略について説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、メダル(遊技価値)を用いて遊技を行い、所定の入賞図柄(図柄組合せ)が入賞ラインに揃った場合に、予め定められた枚数のメダルを遊技者への特典として払い出すものであり、以下のように構成される。図1に示すように、筐体3の前面開口が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方には正面板9が配設されるとともに、正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられる。表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する可変表示列を成す回転リール(左・中・右リール13L,13M,13R)が配置されている。
図2に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「7」「BAR」「Bell」「チェリー」「スイカ」「R1」「R2」を含む複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。
また、各リール13L,13M,13Rの各図柄それぞれには、0番から20番までのコマ番号が順に付され、例えばコマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成されている。ここで、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄が表示窓11に可変表示される。
各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて3個ずつで合計9個の図柄が表示窓11から覗くように設定されている。具体的には1つのリールにつき上段、中段および下段に各1個の3個ずつ、3つのリール13L,13M,13Rで合計9個が表示窓11を通して表示される。なお、この実施形態では、中段の横1列(中段ライン)が入賞ラインとして設定されており、このラインに当選役の図柄が揃うと入賞となる。
また、図3に示すように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14Rが連結され、各リール13L,13M,13Rが独立して回転駆動される。
図1に戻って、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)当たりの最大投入枚数(この実施形態では、3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転を停止させるための、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応した左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、入賞させるのに必要な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(操作態様)を報知したりするための液晶表示器27が設けられる。液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられる。液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。
さらに、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果などを報知(表示)するための報知用表示器60が配設されている。報知用表示器60は、例えば3個の7セグメントLEDで構成され、3桁の数字が表示可能になっている。ここで、各桁それぞれを、左から順番に、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rに対応させ、各桁それぞれに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に応じて、数字の”1”、”2”、”3”を表示させると、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番を報知することができる。また、例えば、後述する各役抽選結果(当選役グループ)に識別用の所定の数字を個別に割り当てて説明パネル29等に記載しておき、役抽選の結果に応じて報知用表示器60に所定の数字を表示させると、役抽選の結果を報知することができる。
ところで、図1には図示省略されているが、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が筐体3内の後壁に固定されており、筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図3参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43(図3参照)に導くメダルセレクタ48(図3参照)が配設されている。また、スロットマシン1の正面から見てホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図3参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダおよび押しボタン式の設定変更ボタン52(図3参照)、変更処理開始スイッチ56(図3参照)が設けられている。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3〜図13を参照して説明する。
図3に示すように、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48内に投入センサ53が設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。ホッパーユニット43の出口には払出センサ54が設けられており、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出できるようになっている。
また、図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが設けられている。各センサ55L,55M,55Rは、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、各リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。本実施形態では、例えば各位置センサ55L,55M,55Rが突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
図3に示す変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりON、OFFが切り換えられる。また、図3に示すホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
また、図3に示すように、スロットマシン1には、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63(メインCPU61)から送信される情報に基づき遊技の進行に合わせた演出制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられている。そして、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種のデータが一方向で送信されることにより、メインCPU61で制御している遊技の進行に関する各種の情報がサブCPU71に送信される。
なお、メイン制御基板63は、外部から針金等を差し込んだりするなどして、不正にアクセスすることができないように、基板ケース(図示省略)内に収容された上で、該基板ケースが厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に開放されたことを確実に視認することができるように、周知の様々な対策が講じられている。
また、図3に示すように、メイン制御基板63のRAM65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものである。RAM65には、図4に示す役抽選結果格納手段651、AT権利数格納手段652、フラグ格納手段653、AT期間遊技数カウンタ654、CZ移行遊技数カウンタ655、CZ期間遊技数カウンタ656、それぞれのデータを格納する記憶領域が形成される。また、図3に示すように、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、図4に示す予め設定されたデータである役抽選テーブル671、停止テーブル672、モード移行抽選テーブル673、AT移行抽選テーブル674、CZ用AT移行抽選テーブル674などを含むスロットマシン1用のプログラムを格納する。
さらに、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行に関する制御を行う。また、メインCPU61は、後述する役抽選手段103(図4参照)による役抽選処理における役抽選結果に関するデータ、遊技者により操作される各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板73に送信する。
また、図3に示すように、サブ制御基板73は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを有するメモリ75を備えている。
さらに、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ、例えば後述する役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19、演出用スイッチ(図示省略)等の操作器具が操作されたかに関するデータなどに基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することにより、遊技者に対して供すべき遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブCPU71は、決定した演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63の構成について詳細に説明する。図4に示すように、メイン制御基板63には、ROM67に格納された遊技制御用のプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能が搭載されている。
(1)遊技制御手段100
図4の遊技制御手段100(本発明の「遊技状態制御手段」に相当)は、スロットマシン1の遊技に関する制御を行い、図6に示すように、通常遊技(本発明の「所定遊技状態」に相当)と、通常遊技よりも小役の当選確率が高く遊技者に有利な遊技である特別遊技(ボーナス遊技:BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))と、特別役(BB、RB)の当選が内部当選として持ち越されているボーナス(特別役)内部当選中の遊技である特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))とを実行するものである。
図7に示すように、通常遊技には、一般遊技(RT1)と、再遊技役への当選確率が一般遊技よりも高いRT遊技(RT4)とが含まれている。また、遊技制御手段100は、遊技者にとって有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順を特定可能に報知するAT遊技(AT1)を実行する。なお、後述するように、AT遊技(AT1:本発明の「有利遊技状態」に相当)は、一般遊技(RT1)およびRT遊技(RT4)および特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))のうちのいずれかと組み合わされて実行される。また、図4に示すように、遊技制御手段100は、操作態様判定手段100a、モード移行抽選手段100b、報知抽選手段100c、AT権利設定手段100d、短縮抽選手段100e、CZ移行遊技数カウンタ減算手段100f、CZ遊技数加算手段100g、報知決定手段100h、遊技状態設定手段100iを備えている。
a)操作態様判定手段100a
図4の操作態様判定手段100aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作の有無や長押し等の操作手順の態様を判定し、具体的には、両ベットスイッチ15,17、スタートスイッチ19、各ストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
b)モード移行抽選手段100b
上述のように、この実施形態では、特定の役(この実施形態では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に当選した時に、遊技者に有利なストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順が報知される、いわゆるAT(アシストタイム)機能が搭載されている。AT遊技へは、通常遊技において後述する報知抽選手段100cによるAT移行抽選(AT抽選)に当選した場合に移行するが、この実施形態では、AT移行抽選のモードとして、当選確率が所定確率に設定された低確モード、および、該低確モードよりもAT抽選の当選確率が優遇された高確モードが設けられている。AT移行抽選のモードの初期的な設定は、設定変更時やAT遊技の終了時などに行われる。図4のモード移行抽選手段100bは、低確モードおよび高確モードの一方のモードから他方のモードに移行するか否かを抽選(モード移行抽選)で決定するものである。
具体的には、図9の当選役グループ「一枚役13」の項目および図12のモード移行抽選テーブル673に示すように、モード移行抽選手段100bは、AT移行抽選のモードが低確モード状態で、役抽選結果が「一枚役13」に当選である場合、低確モードから高確モードに移行するか否かを抽選で決定する。このときのモード移行抽選テーブル673は、低確モードから高確モードへの当選確率が50%に設定されており、当選した場合は、AT移行抽選にかかるモードが低確モードから高確モードに移行する。
また、AT移行抽選のモードが高確モードの場合、モード移行抽選手段100bは、毎遊技で低確モードへの移行抽選(転落抽選)を行う。このとき、転落確率(移行抽選の当選確率)が5%に設定されたモード移行抽選テーブル673を使用し、転落抽選に当選すると、AT移行抽選のモードが高確モードから低確モードに移行する。なお、AT移行抽選のモードについては、後述するコマンド作成手段104により、現在のモードを特定可能なコマンドが作成される。作成されたコマンドは、メインCPU61により実行されるタイマ割込処理において後述するサブ制御コマンド送信手段109によりサブ制御基板73に送信される。
c)報知抽選手段100c
図4の報知抽選手段100cは、遊技者に有利なストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順が報知されるAT遊技(AT1)の権利付与を、AT移行抽選テーブル674を用いて決定するものである。例えば、図9の当選役グループ「右ベル」の項目に示すように、役抽選結果が当選役グループ「右ベル」の当選となった場合であっても、その旨を知ることができなければ、遊技者は右ストップスイッチ21Rを最初に操作するとは限らず、払出枚数(10枚)が多く遊技者に有利な「中段ベル」を必ずしも揃えることができない。一方、AT遊技(AT1)で、役抽選結果が当選役グループ「右ベル」の当選の場合はその旨を報知し、右ストップスイッチ21Rを最初に操作するよう促すことで、遊技者が払い出しを受ける機会を増やすことができる。
また、図10の当選役グループ「リプレイC」の項目に示すように、例えば役抽選結果が「リプレイC」となった場合であっても、その旨を知ることができなければ、遊技者は右ストップスイッチ21Rを最初に操作するとは限らず、RT遊技(RT4)への移行条件(RT4移行条件)である「リプレイ9」〜「リプレイ20」を必ずしも揃えることができない。一方、AT遊技(AT1)で、役抽選結果が当選役グループ「リプレイC」の当選の場合はその旨を報知し、右ストップスイッチ21Rを最初に操作するよう促すことで、遊技者に有利なRT遊技(RT4)に移行する機会を増やすことができる。
報知抽選手段100cは、図9の当選役グループ「チェリー」および「スイカ」のいずれかに当選したことを条件にAT移行抽選を行う。このときに用いられるAT移行抽選テーブル674は、図13に示すように、当選役グループの種類および当選時のモード(高確または低確モード)の種類に応じて複数種類設けられている。ここで、各AT移行抽選テーブル674は、AT権利数「0」〜「3」それぞれに対して当選確率が設定されており、例えば、AT権利数「3」に当選した場合は、一度のAT移行抽選で3つのAT権利を獲得したことを意味する。なお、この実施形態では、AT遊技の継続期間(AT期間)について、1セットが50ゲームで規定されており、例えば、AT権利数「3」に当選した場合は、3セット分である150ゲームがAT期間として獲得できたことになる。
具体的に説明すると、図13(a)に示すように、「チェリー」に当選したときのAT移行抽選テーブル674では、AT権利数が0個に決定される当選確率が30%、1個に決定される当選確率が50%、2個に決定される当選確率が10%、3個に決定される当選確率が10%に設定されている。また、図13(b),(c)に示すように、「スイカ」に当選したときのAT移行抽選テーブル674では、高確モードで「スイカ」に当選したときに使用されるAT移行抽選テーブル674では、低確モードで「スイカ」に当選したときに使用されるAT移行抽選テーブル674と比較して、ハズレ(AT権利数「0」)となる確率が低く設定されるとともに、高AT権利数への当選確率が高く設定されている。なお、AT移行抽選テーブル674において設定されるAT権利数は、図13(a)〜(c)に示した個数に限定されるものではなく、スロットマシン1の設計に応じて、適宜、最適な個数のAT権利数が設定されるようにすればよい。
また、この実施形態では、通常遊技において所定の条件を満たすと、AT遊技に移行し易い遊技状態(本発明の「第2所定遊技状態」に相当)であるチャンスゾーンに移行するように構成されている。具体的には、通常遊技では、1ゲームを消化すると基本的に1ポイントを獲得できるようになっており、獲得したポイントの累積が90ポイントに達すると(所定の条件の成立)、10ゲーム(10ポイント)を基本とするチャンスゾーンに移行するように構成されている。なお、通常遊技において、チャンスゾーンに移行するまでの状態が、本発明の「第1所定遊技状態」に相当する。
このとき、報知抽選手段100cは、チャンスゾーン中は、1ゲームごとにCZ用AT移行抽選テーブル675を用いてAT移行抽選を行う。CZ用AT移行抽選テーブル675は、例えば、「スイカ」および「チェリー」などのいわゆるレア役に当選すると100%の確率でAT移行抽選に当選するだけでなく、これら以外の役(ハズレも含む)でも一律1%の確率でAT移行抽選に当選するように設計されており、通常よりもAT遊技に移行し易くなっている。また、チャンスゾーンでは、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選すると、所定の確率でAT遊技中と同様に、当該当選役グループに設定された有利な押し順(「中段ベル」が揃う押し順)が報知されるように構成されており、通常遊技の他の遊技状態(チャンスゾーンに移行するまでの遊技状態)よりも払出率が高く設定されている。この払出率は、1ゲーム当たりに遊技者に付与するメダルの設計数を示すものであり、総メダル獲得枚数/総メダル投入数×100[%]で算出される。
なお、チャンスゾーンの構成については、通常よりもAT遊技に移行しやすい遊技状態であれば、適宜変更することができる。例えば、チャンスゾーン中の当選役に関わらず、1ゲーム毎に一律3%の確率でAT移行抽選に当選するように設計してもよい。また、チャンスゾーン中において「中段ベル」に3回入賞させるなどのミッションを達成するとAT遊技に移行するようにしてもよい。チャンスゾーンでは所定の確率で「中段ベル」が揃う押し順が報知されるため、このようなミッションが選択されると、AT遊技に移行し易くなり、遊技者の興趣を高めることができる。
また、チャンスゾーン中にボーナス遊技に当選した場合は、チャンスゾーンを中断して、ボーナス遊技終了後に続きからチャンスゾーンを再開するようにしてもよい。また、チャンスゾーン中にボーナス遊技に当選した場合は、チャンスゾーンを中断せずに、例えば、ボーナス遊技中以外のチャンスゾーンよりもAT遊技に移行し易くしてもよい。この場合、例えば、ボーナス遊技中はチャンスゾーンのゲーム数のカウントを中断してチャンスゾーンのゲーム数を増やしたり、AT移行抽選の当選確率を高くしたり、あるいは、ミッションを簡単に達成できるようにすればよい。また、AT当選時に付与するAT権利数は、チャンスゾーン専用のデータを用いて決定してもよいし、上述の「チェリー」や「スイカ」用のAT移行抽選テーブル674を流用してもよい。なお、通常遊技においてチャンスゾーンに移行するまでの過程については、後で詳述する。
d)AT権利設定手段100d
図4のAT権利設定手段100dは、報知抽選手段100cが1個〜3個のAT権利数の当選を決定した場合に、当該決定されたAT権利数を、AT権利数格納手段652に格納するAT権利数として設定するものである。
なお、「チェリー」「スイカ」に当選したときは、遊技状態に関係なく報知抽選手段100cによりAT移行抽選が行われるが、AT移行抽選に当選したときに既にAT権利数格納手段652にAT権利数が記憶されている場合がある。このような場合、AT権利設定手段100dは、新たに決定されたAT権利数を、すでに記憶されているAT権利数に上乗せしてAT権利数格納手段652に設定する。
e)短縮抽選手段100e
上述のように、通常遊技では、チャンスゲームへの移行にかかるポイントについて、1ゲームごとに1ポイントずつ獲得することを基本としているが、「スイカ」に当選したゲームや、例えば「チェリー」などの「スイカ」以外のレア役に当選したゲームでは、1を超えるポイント(短縮ポイント)を獲得し得るように構成されている。つまり、本来、チャンスゾーンに移行するためには90ゲームの消化が必要なところ、移行までに「スイカ」や「チェリー」に当選することを条件として、この90ゲームを短縮し得るようになっている。
図4の短縮抽選手段100eは、これらのレア役に当選したときに、1を超えるポイントを付与するか否か、および、1を超えるポイントを付与する場合のポイント数をいずれも抽選により決定するものである。短縮抽選手段100eは、図15に示すように、短縮抽選テーブル676を用いた抽選により、1を超えるポイントを付与するか否かの短縮抽選を行う。この実施形態において、短縮抽選テーブル676は、「スイカ」に当選したときは20%の確率で1を超えるポイントを付与し、例えば、「チェリー」などのレア役に当選したときは50%の確率で1を超えるポイントを付与するように当選確率が設定されている。
短縮抽選に当選した場合、短縮抽選手段100eは、付与するポイント数を、短縮ポイント選択抽選テーブル677を用いて選択する。この実施形態において、短縮ポイント選択抽選テーブル677は、短縮抽選に当選した場合に、5ポイントが70%、10ポイントが20%、20ポイントが10%の割合で選択されるように設計されている。
なお、短縮抽選手段100eによる上述のポイントを決定する機能が、本発明の「移行量決定手段」に相当し、チャンスゾーンの移行に用いられる「ポイント」という概念が、本発明の「移行量」に相当し、1ゲームごとに獲得する基本ポイントである「1ポイント」が、本発明の「特定量」に相当し、チャンスゾーンへの移行の基準となるポイント(この実施形態では、短縮抽選に当選しない場合は90ポイント)が、本発明の「移行基準量」に相当する。
f)CZ移行遊技数カウンタ減算手段110f
この実施形態では、チャンスゾーンに移行するまでの遊技数の初期値として90ゲームが設定されており、設定値が変更された場合や、チャンスゾーンが終了した場合には、初期値の90ゲームがCZ移行遊技数カウンタ655に設定される。図4のCZ移行遊技数カウンタ減算手段110fは、CZ移行遊技数カウンタ655のカウント値(初期値:90ゲーム)を減算するものである。
このとき、CZ移行遊技数カウンタ減算手段110fは、チャンスゾーンに移行するまでは、基本的に1ゲームごとにCZ移行遊技数カウンタ655のカウント値を「1」減算する。また、CZ移行遊技数カウンタ減算手段110fは、短縮抽選手段100cによる短縮抽選に当選し、短縮ポイントとして、例えば10ポイントが選択された場合、CZ移行遊技数カウンタ655のカウント値をさらに「10」減算する。このようなCZ移行遊技数カウンタ減算手段110fの減算の結果、CZ移行遊技数カウンタ655のカウント値が「0」になると、次の遊技(ゲーム)からチャンスゾーンに移行する。チャンスゾーンが終了すると、カウンタ655のカウント値が「90」に初期化される。
g)CZ遊技数加算手段100g
図4のCZ遊技数加算手段100gは、チャンスゾーンのゲーム数を加算するものである。CZ期間遊技数カウンタ656には、チャンスゾーンの継続ゲーム数の初期値として「10」が記憶されている。CZ遊技数加算手段100gは、短縮抽選手段100eによる短縮抽選に当選して短縮ポイントが選択されると、当該短縮ポイントと同じ数を、CZ期間遊技数カウンタ656のカウント値に加算する。すなわち、この実施形態では、短縮抽選に当選すると、チャンスゾーンに移行するまでのゲーム数が短縮されるだけでなく、短縮されたゲーム数に応じて、チャンスゾーンの継続ゲーム数が増加して、AT遊技に移行しやすくなるように構成されている。ここで、短縮抽選手段100eによる短縮抽選および短縮ポイントを決定する機能、並びに、CZ遊技数加算手段100gによるチャンスゾーンのゲーム数を増加させる機能が、本発明の「設定手段」に相当する。
h)報知決定手段100h
図4の報知決定手段100hは、AT移行抽選に当選し、所定のAT遊技開始条件が成立した場合に、フラグ格納手段653に格納されるAT期間中フラグの状態をONに設定するものである。これにより、遊技状態が後述する遊技状態設定手段100iによりAT遊技(AT1:報知可能状態)に制御される。このとき、報知決定手段100hは、AT期間遊技数カウンタ654の値が0でありAT期間が設定されていないときは、1個のAT権利に予め設定されているAT期間のゲーム数(例えば50ゲーム)をAT期間遊技数カウンタ654に設定すると共に、AT権利数格納手段652に記憶されているAT権利数を「1」減算する。
また、報知決定手段100hは、AT期間遊技数カウンタ654にボーナス遊技を実行する前のAT期間のカウント値が記憶されて残っているときは、AT期間遊技数カウンタ654に格納されたカウント値をクリアせず、当該格納された情報(カウント値)により特定されるゲーム数をAT期間として設定する。なお、ART遊技(一般AT遊技も含んでもよい)で1ゲームが消化される毎にAT期間遊技数カウンタ654に設定されたAT期間の値が「1」減算される。
また、報知決定手段100hは、AT遊技(AT1:報知可能状態)を終了したときには、フラグ格納手段653に格納されるAT期間中フラグの状態をOFFに設定する。これにより、遊技状態設定手段100iがAT遊技(AT1)を終了させる。なお、報知決定手段100hは、AT期間中(AT期間遊技数カウンタ654の値が0でないとき)に特別役に入賞(ボーナス入賞)したときは、AT期間遊技数カウンタ654に現在のカウント値を残りのAT期間として記憶させる。
なお、例えばフラグ格納手段653の記憶領域を形成するRAM65の1バイトのメモリ領域の各ビットのうちのいずれかをAT期間中フラグに割り当てて、当該ビットのON、OFFを設定することにより、AT期間中フラグの状態をフラグ格納手段653に格納することができる。
i)遊技状態設定手段100i
図4の遊技状態設定手段100iは、後述する役抽選手段103による役抽選処理の結果や、表示窓11に表示された各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様の図柄判定手段107による判定結果などに基づいて、遊技者にとって有利度の異なる複数種類の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定して制御するものである。
具体的には、図6に示すように、通常遊技において、所定の特別役(BB、RB:図8参照)に当選し、当該特別役に入賞(入賞ライン上に「7−7−7」が揃えばBB入賞、入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」が揃えばRB入賞)すると、遊技状態設定手段100iにより、スロットマシン1の遊技状態が、通常遊技よりも遊技者に有利なボーナス遊技に設定される。そして、BB遊技(BB’)において、所定枚数(例えば300枚)を超えるメダルが払い出されたり、RB遊技(RB’)において、所定回数(例えば8回)の小役入賞があったり、所定回数(例えば12回)の遊技(ゲーム)が実行されたりすることで、特別遊技終了条件(BB’終了条件、RB’終了条件)が成立すれば、特別遊技を終了して、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100iにより通常遊技に設定される。
また、図6に示すように、通常遊技で特別役に当選したにも関わらず、当該特別役に入賞しなかった場合、すなわち、当該特別役に対応した各図柄が入賞ライン上に停止しなかった場合には、対応する図柄が揃うまで特別役の当選が内部当選として持ち越される。このとき、遊技状態設定手段100iにより、遊技状態が特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))に設定される。また、特別役内部遊技において、入賞せずに内部当選として持ち越されている特別役に入賞すると、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が特別遊技(ボーナス遊技)に設定される。
なお、特別遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))は、通常遊技(一般遊技(RT1’)など)よりも、小役の当選確率が高くなる遊技状態である。
また、図7に示すように、通常遊技では、一般遊技(RT1)、一般遊技(RT1)においてAT遊技(AT1)が実行される一般AT遊技(RT1+AT1)、RT遊技(RT4)、RT遊技(RT4)においてAT遊技(AT1)が実行されるART遊技(RT4+AT1)のいずれかの遊技が実行される。
一般遊技RT1は、一般的な遊技であり、最も多く実行される遊技である。AT遊技(AT1:報知可能状態)は、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)において、各リール13L,13M,13Rを停止させる操作手順を、後述する報知用表示器60(図1、図3参照)、サブ制御基板73の表示制御手段202や音声制御手段203により制御される液晶表示器27、スピーカ31L,31R、各ランプ部33,37L,37Rなどを用いて示唆(報知)することにより、示唆しない場合よりも遊技者にとって有利となる遊技状態である。なお、一般遊技(RT1)においてAT遊技(AT1)が実行される遊技を「一般AT遊技(RT1+AT1)(ART遊技準備状態)」と称し、RT遊技(RT4)においてAT遊技(AT1)が実行される遊技を「ART遊技(RT4+AT1)」と称する。また、AT遊技(AT1)は、AT権利設定手段100dにより設定されたAT権利数が消化されたり、特別役に入賞したりすることで終了する。
RT遊技(RT4)は、新たにメダルを投入することなく前回の遊技と同じ条件で遊技可能な再遊技役に当選する確率が一般遊技(RT1)よりも高い状態の遊技状態である。上記したように、ART遊技(RT4+AT1)は、RT遊技(RT4)においてAT遊技(AT1:報知可能状態)が実行される遊技である。なお、ART遊技(RT4+AT1)から移行して実行されるRT遊技(RT4)を「一般遊技待機遊技」と称する場合もある。
また、図7に示すように、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)において、AT1移行条件が成立すれば、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、一般AT遊技(RT1+AT1)またはART遊技(RT4+AT1)に設定される。一方、一般AT遊技(RT1+AT1)またはART遊技(RT4+AT1)において、AT1終了条件が成立すれば、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)に設定される。
また、図7に示すように、一般遊技(RT1)または一般AT遊技(RT1+AT1)において、RT4移行条件(リプレイ9〜20のいずれかに入賞)が成立すれば、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、RT遊技(RT4)またはART遊技(RT4+AT1)に設定される。一方、RT遊技(RT4)またはART遊技(RT4+AT1)において、RT4終了条件(一枚役1〜12のいずれかに入賞)が成立すれば、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、一般遊技(RT1)または一般AT遊技(RT1+AT1)に設定される。
また、図6を参照して説明したように、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)において、特別役(BB、RB)に当選した場合には、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)に設定され、特別役(BB、RB)に入賞した場合には、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、BB遊技(BB’)またはRB遊技(RB’)に設定される。また、一般遊技(RT1)が一旦中断されて実行されたボーナス遊技が終了することにより通常遊技に移行する際に、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、一般遊技(RT1)に設定されて遊技が再開される。
また、一般AT遊技(RT1+AT1)またはART遊技(RT4+AT1)において、特別役(BB、RB)に当選した場合には、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、AT遊技(AT1)が組み合わされた状態で、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)が実行される特別役内部遊技状態に設定される。また、特別役(BB、RB)に入賞した場合には、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、BB遊技(BB’)またはRB遊技(RB’)に設定されることにより、AT遊技(AT1)が一旦中断される。
また、AT遊技(AT1)が一旦中断されてボーナス遊技が実行された場合には、ボーナス遊技が終了して通常遊技に移行する際に、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、一般AT遊技(RT1+AT1)に設定されて、一般AT遊技(RT1+AT1)が再開される。このとき、AT1終了条件であるAT期間が、AT期間遊技数カウンタ654に設定されているAT遊技(AT1)中断前のAT期間のゲーム数に再設定される。そして、遊技再開後にRT4移行条件が成立すると、遊技状態が遊技状態設定手段100iにより、ART遊技(RT4+AT1)に設定される。この後、AT1終了条件が成立すると、遊技状態が遊技状態設定手段100iによりRT遊技(RT4:一般遊技待機状態)に設定され、RT4終了条件が成立すると、遊技状態が遊技状態設定手段100iにより一般遊技(RT1)に設定される。
なお、図示省略しているが、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)が実行される特別役内部遊技状態においてAT1移行条件が成立すれば、図7を参照して説明した通常遊技と同様に、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、AT遊技(AT1)が組み合わされて実行される遊技状態に設定される。一方、AT遊技(AT1)が組み合わされて実行されている遊技状態において、AT1終了条件が成立すれば、遊技状態設定手段100iにより遊技状態が、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)が実行される特別役内部遊技状態に設定される。また、本実施形態では、特別遊技(ボーナス遊技)中、特別役(ボーナス)内部当選中を除くボーナスに当選していない状態において、再遊技(リプレイ)が実行される再遊技役の当選確率が最も低い状態は一般遊技(RT1)である。この一般遊技(RT1)においては、AT役(特定役:当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に当選したときに、仮に全ての当選したAT役で遊技者に有利な払出枚数となる操作手順で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われたとしても、メダルの払出率が100%未満となるように構成されている(一般AT遊技(RT1+AT1)のメダルの払出率が100%未満となっている)。これにより、遊技状態(例えば一般遊技(RT1)→RT遊技(RT4):図7参照)の移行を伴うか、ボーナス(BB、RB)に当選(図6参照)しないと遊技者はメダルを増やせないため、遊技状態の移行やボーナスの当選についてより一層の興味を遊技者に抱かせることができ、遊技状態が移行したりボーナスに当選したりしたときの興趣をより一層高めることができる。
ここで、スロットマシン1の遊技の概略について説明する。
スロットマシン1は、3枚のメダル投入によりゲームが実行されるようになっており、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入を検出すると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。そして、規定枚数である3枚のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19の操作が検出されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが役抽選手段103(図4参照)により決定される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角度に合わせて判別することを開始する。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速して、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効に受け付けられる状態となる。すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効状態になった後、例えば左ストップスイッチ21Lが操作されたことを検出すると左リール13Lを停止させ、中ストップスイッチ21Mが操作されたことを検出すると中リール13Mを停止させ、右ストップスイッチ21Rが操作されたことを検出すると右リール13Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、役抽選手段103により決定された所定の当選役に対応する図柄が、有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、またはメダル払出口39から払い出されて1回のゲームが終了する。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
本実施形態では、図8に示すように、役として、特別役(ボーナス:BB,RB)、小役(中段ベル、一枚役1〜14、チェリー、スイカ)、再遊技役(リプレイ1〜26)が予め設定されている。また、本実施形態では、図9および図10に示すように、役抽選結果として、操作手順に応じて異なる役(「中段ベル」、「一枚役1」〜「一枚役14」、「リプレイ1」〜「リプレイ26」、「BB」)に揃う可能性のある重複当選(当選役グループ:左ベル・中ベル・右ベル・リプレイA〜D・一枚役13+BB・一枚役14+BB・ベル)に当選する可能性がある。そして、役抽選手段103の役抽選結果には、特別役当選(ボーナス当選)と、小役当選と、再遊技役当選(リプレイ当選)と、ハズレとがある。
また、入賞には、特別遊技(ボーナス遊技)への移行に係る特別役入賞(ボーナス入賞)と、メダルの払い出しに係る小役入賞と、再遊技(リプレイ)の実行に係る再遊技役入賞(リプレイ入賞)とがある。
そして、例えば、図8の「BB」「RB」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと、特別役入賞となって、ボーナス遊技(特別遊技)が実行される。
なお、本実施形態では、特別役入賞によるメダル払い出しはなく(特別役の規定払出枚数は0)、特別役に係る入賞態様が成立した遊技の後にボーナス遊技へ移行するように構成されているが、特別役に所定枚数(例えば10枚)の規定払出枚数を設定し、メダルを払い出した後にボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
また、例えば、図8の「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役14」「チェリー」「スイカ」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が表示窓11の中段の入賞ライン上に3個揃うと小役入賞となって、「払出枚数」の欄に示す枚数のメダルが払い出される。
また、図8において役「チェリー」の入賞に係る表示態様として使用されている「any」は、中リール13Mおよび右リール13Rに設けられているどの図柄が入賞ライン上に配置されてもよいことを意味している。
また、図8の役「リプレイ1」〜「リプレイ26」に係る表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと再遊技役入賞となって、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
ところで、本実施形態では、役抽選手段103により複数の役に同時に当選することができるように構成されている。すなわち、図9および図10の表に示すように、複数の役により構成される当選役グループ(役抽選結果)が形成されており、各当選役グループに当選したか否かが役抽選手段103により抽選される。図9に示すように、各当選役グループのうち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」(特定役:以下、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」をまとめて「ベルグループ」と称する場合もある。)には、それぞれ、複数の当選役が含まれている。具体的には、当選役グループ「左ベル」は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」により構成され、当選役グループ「中ベル」は、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」により構成され、当選役グループ「右ベル」は、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」により構成されている。
したがって、役抽選手段103により、当選役グループ「左ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」に同時に当選したことになり、当選役グループ「中ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」に同時に当選したことになり、当選役グループ「右ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」に同時に当選したことになる。
また、本実施形態では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれには、遊技者に有利になるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)が予め設定されており、図9の表の「備考」の欄に示すように、役抽選手段103による役抽選結果(当選役グループ)が同一の場合であっても、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段106(図4参照)が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。
すなわち、図9に示す各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に対応して、優先的に入賞ライン上に揃える役が異なるように、停止制御手段106が構成されている。
具体的には、図9に示すように、例えば役抽選手段103による役抽選結果が当選役グループ「左ベル」に当選であった場合に、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われたと判定されると、最も遊技者に有利である「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態(第1の図柄組合せ)で図柄が表示されるように、停止制御手段106のリール制御が行われる。
また、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われなかったと判定されると、「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態で図柄が表示されることはなく、「中段ベル」よりも遊技者に不利な「一枚役1」〜「一枚役4」のいずれかが入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。すなわち、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に対応して予め設定された操作順序(特定操作順序)で操作しない限り、遊技者に最も有利な当選役に入賞することはない。
なお、図11に示すように、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」は、いずれもボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))中には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。
また、図10に示すように、各当選役グループのうち、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」には、それぞれ、複数の当選役が含まれている。具体的には、当選役グループ「リプレイA」は、「リプレイ1」〜「リプレイ22」により構成され、当選役グループ「リプレイB」は、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ23」「リプレイ24」により構成され、当選役グループ「リプレイC」は、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ25」「リプレイ26」により構成され、当選役グループ「リプレイD」は、「リプレイ21」〜「リプレイ26」により構成されている。
したがって、役抽選手段103により、当選役グループ「リプレイA」に当選したと決定されると、「リプレイ1」〜「リプレイ22」に同時に当選したことになり、当選役グループ「リプレイB」に当選したと決定されると、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ23」「リプレイ24」に同時に当選したことになり、当選役グループ「リプレイC」に当選したと決定されると、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ25」「リプレイ26」に同時に当選したことになり、当選役グループ「リプレイD」に当選したと決定されると、「リプレイ21」〜「リプレイ26」に同時に当選したことになる。
また、本実施形態では、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」それぞれには、遊技者に有利になるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)が予め設定されており、図10の表の「備考」の欄に示すように、役抽選手段103による役抽選結果(当選役グループ)が同一の場合であっても、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段106が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。また、当選役グループ「リプレイD」には、図10の「備考」の欄に示すように、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段106が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。
すなわち、図10に示す各当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選している場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に応じて、優先的に入賞させる役が異なるように、停止制御手段106が構成されている。
具体的には、例えば役抽選手段103による役抽選結果が当選役グループ「リプレイA」の当選であった場合に、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われたと判定されると、遊技者に有利である「リプレイ9」〜「リプレイ20」のいずれかに入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
一方、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われなかったと判定されると、「リプレイ9」〜「リプレイ20」のいずれにも入賞することはなく、「リプレイ9」〜「リプレイ20」よりも遊技者に不利な「リプレイ1」〜「リプレイ8」「リプレイ21」「リプレイ21」のいずれかに入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。すなわち、当選した当選役グループ(「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」)に設定された操作順序でストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されない限り、当選役グループに含まれる有利な役に入賞することはない。
なお、図11に示すように、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」は、いずれもボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))中には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。また、当選役グループ「リプレイD」は、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))のときにのみ当選するように役抽選テーブル671が構成されている。したがって、当選役グループ「リプレイD」を構成する「リプレイ21」〜「リプレイ26」のいずれかに入賞すると、遊技者は、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))が実行されていることが分かる。
また、図9に示すように、当選役グループ「ベル」は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」で構成されており、当該当選役グループに当選したときは、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」に同時に当選したことになる。また、図9の表の「備考」の欄および図11に示すように、当選役グループ「ベル」は、ボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))のときにのみ当選するように役抽選テーブル671が構成されている。また、当選役グループ「ベル」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかに関係なく、当選役「中段ベル」に入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
また、図9に示すように、当選役グループ「一枚役13+BB」は、「一枚役13」「BB」により構成されており、当該当選役グループ「一枚役13+BB」に当選したときは、「一枚役13」「BB」に同時に当選したことになる。また、当選役グループ「一枚役13+BB」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、「一枚役13」「BB」のうちのいずれかに入賞可能であれば、入賞可能な当選役に入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。したがって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置によっては、「一枚役13」「BB」のいずれにも入賞しないことがある。
なお、図9に示すように、当選役グループの中には、当選役グループ「一枚役13+BB」のみならず、当選役グループ「一枚役13」も設定されているため、「一枚役13」に入賞した場合に、遊技者が、当選役グループ「一枚役13+BB」「一枚役13」のうちのいずれに当選したのかを認識できないようになっている。
また、図9に示すように、当選役グループ「一枚役14+BB」は、「一枚役14」「BB」により構成されており、当該当選役グループ「一枚役14+BB」に当選したときは、「一枚役14」「BB」に同時に当選したことになる。また、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、「一枚役14」「BB」のうちのいずれかに入賞可能であれば、入賞可能な役に入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。したがって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置によっては、「一枚役14」「BB」のいずれにも入賞しないことがある。
なお、図9および図10に示すように、役抽選の対象となる各当選役グループの中には、当選役グループ「一枚役14+BB」の他に「一枚役14」に入賞可能な当選役グループが設定されていない。そのため、「一枚役14」に入賞した場合には、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選したことが分かる。なお、本実施形態では、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選した場合は、当該ゲームにおいて、「BB」に当選したことが遊技者に報知される。
また、図11に示すように、特別役「BB」「RB」は、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))中、および、特別遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))中には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。したがって、これらの遊技中で、当選役グループ「一枚役13+BB」に当選した場合は、「一枚役13」のみに当選したものとされ、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選した場合は、「一枚役14」のみに当選したものとされる。
なお、図11に示すように、当選役グループ「チェリー」「スイカ」「一枚役13」については、常に当選する可能性があるように役抽選テーブル671が構成され、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))中には「ハズレ」がないように役抽選テーブル671が構成されている。
ところで、ボーナス遊技(特別遊技:BB遊技、RB遊技)は、小役の当選確率が通常遊技に比べて高く設定されており、遊技メダルの払い出しを受けやすく、通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技である。図8の特別役「RB」に入賞すると、レギュラーボーナス遊技(RB遊技(RB’))が実行される。
レギュラーボーナス遊技では、役抽選手段103による役抽選処理の当選確率を規定する役抽選テーブル671(図4参照)が、通常遊技において選択される通常遊技用抽選テーブルから、役抽選手段103による役抽選処理の当選確率が通常遊技の場合よりも高確率に規定された特別遊技用抽選テーブルに切り換わることで、通常遊技中よりも、小役の当選確率が高くなるように設定されている。その結果、レギュラーボーナス遊技は、通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技となる。そして、レギュラーボーナス遊技に移行した後、予め設定された回数、例えば12回の遊技が行われるか、あるいは、小役に8回入賞すると、レギュラーボーナス遊技を終了して通常遊技へ移行する。
また、図8の特別役「BB」に入賞すると、ビッグボーナス遊技(BB遊技)が実行される。ビッグボーナス遊技では、上記したレギュラーボーナス遊技が連続的に実行される。そして、ビッグボーナス遊技に移行した後、予め設定された枚数(例えば300枚)のメダルが払い出されるとビッグボーナス遊技が終了する。すなわち、ビッグボーナス遊技は、ビッグボーナス遊技におけるメダル払出枚数が、所定の上限枚数に達したときに、特別遊技(ビッグボーナス遊技)を終了して通常遊技へ移行するよう設定されている。
なお、図6を参照して説明したように、役抽選手段103の役抽選結果が特別役当選(BB(一枚役13,14との同時当選も含む),RB)となると、特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われる。このとき、特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられないと、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))に移行するとともに、この特別役当選は、内部当選として特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられるまで持ち越される。すなわち、適切なタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が行われなければ、特別役(BB、RB)の入賞に係る図柄を入賞ライン上に揃えることができないように、左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、特別役の入賞を取りこぼす場合がある。
一方、小役当選は、役抽選結果が小役当選となった遊技(ゲーム)で小役の入賞態様の図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されない。また、リプレイ当選の場合には、どのようなタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、「リプレイ1」〜「リプレイ26」のいずれかに係る図柄(「R1」「R2」「7」「スイカ」「チェリー」「Bell」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず再遊技役に入賞する。
また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選の場合には、リプレイに係る図柄と同様に、どのようなタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に係る図柄(「Bell」「R1」「R2」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」のいずれかに入賞する。すなわち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選した場合に、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されれば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、各操作手順に対応付けされた入賞に係る図柄(図8参照)が入賞ライン上に揃うように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
また、図7に示すように、AT1移行条件が成立すれば、AT遊技(AT1)(AT(アシストタイム)期間)に移行するように構成されている。AT遊技(AT1)では、「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選したときに、当選役グループ(特定集合当選)の種類に応じた遊技者に有利な操作手順(いずれのストップスイッチを最初に操作するべきか)が遊技者に対して報知される。具体的には、「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合には、最も多くメダルが払い出されるように、図9に示すようにメダルの払出枚数が10枚の「中段ベル」に入賞するようにストップスイッチの操作手順を報知する。さらに、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選した場合には、RT4移行条件が成立してRT遊技(RT4)に移行するように、図10に示すRT4移行条件である「リプレイ9」〜「リプレイ20」に入賞するためのストップスイッチの操作手順を報知する。そして、AT期間に移行した後、予め設定された消化遊技数、例えば50回のAT遊技(AT1)が行われて、AT権利の全てが消化されると(AT1終了条件の成立)、AT期間が終了する。
なお、本実施形態では、図7に示すようにRT4移行条件が成立してART遊技(RT4+AT1)に移行した後は、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選した場合に、「リプレイ9」〜「リプレイ20」に入賞するストップスイッチの操作手順を報知しないように構成されているが、この操作手順を報知するようにしてもよい。また、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」それぞれは同じ確率で当選するように構成されており、RT遊技(RT4)に移行した後は、一般遊技(RT1)よりも「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」への当選確率が高くなるように構成されている。
(2)設定制御手段101
図4の設定制御手段101は、メダルの出玉率が異なる6種類の設定値(設定1〜設定6)から一の設定値を設定可能な設定変更状態に制御するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102による役抽選テーブル671の選択に用いられるものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時に変更処理開始スイッチ56(図3参照)のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がONの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。
ここで、通常遊技の抽選における当選確率は複数種類の設定値(ここでは6種類)により区別される複数段階に設定されており、複数段階の設定値のそれぞれに、図4に示す役抽選テーブル671(通常遊技用抽選テーブル)が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。
この手順は例えば以下のようにして行われる。すなわち、管理者は、前面扉5を開放して、電源スイッチ50がOFFの状態で設定変更キー(図示省略)を操作ボックス49のキーシリンダに挿入して回転し、変更処理開始スイッチ56をONにする。この状態で、電源スイッチ50をONにすることで、設定変更処理が開始される。
そして、管理者による設定変更ボタン52の操作ごとに当選確率の設定値が設定1〜設定6にサイクリックに切り換えられる。この設定値は、例えば7セグメント式の設定値表示用LEDにより1〜6を表示することで報知される。設定変更ボタン52の操作により当選確率の設定値が所望の値になった(設定値表示用LEDの表示値が所望の値になった)ときに、スタートスイッチ19を操作すると設定値が確定する。そして、キーシリンダに挿入されている設定変更キーを回転して変更処理開始スイッチ56をOFFにすると設定変更処理が終了する。その後、メダル投入口25からメダルが投入されるとゲームが開始される。なお、設定変更は、設定変更処理が終了したあと、スタートスイッチ19が操作されることで確定する。
(3)テーブル選択手段102
図4のテーブル選択手段102は、遊技制御手段100により制御される遊技の種類(通常遊技、RT遊技、特別役内部遊技、特別遊技など)、設定制御手段101により設定される設定値(設定1から設定6)に基づき、図4に示す複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば通常遊技では、テーブル選択手段102は、抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて役抽選テーブル671(通常遊技用抽選テーブル)を選択する。
(4)役抽選手段103
図4の役抽選手段103は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、複数の役抽選結果(特別役当選、小役当選、再遊技役当選、ハズレ)のうちのいずれか1つを現在の遊技における役抽選結果として、乱数と抽選テーブルとを使用した抽選処理により選択して決定するものであり、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル671、および抽選判定手段を備えている。ここで、乱数発生手段は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものであり、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
さらに、図4の役抽選テーブル671は、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている役抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものであり、役抽選手段103は、乱数抽出手段により抽出された乱数と、役抽選テーブル671とを照合して、抽出された乱数が、複数の役抽選結果のいずれに該当するかを判定する。
また、各当選役グループには、当選役グループを構成する当選役の種類に応じて固有の役番号が対応付けされている。また、役抽選結果格納手段651は、特別役用の第1記憶領域と、小役、再遊技役用の第2記憶領域とを備え、役抽選手段103は、当選した当選役グループに特別役が含まれる場合には、特別役に対応する役番号を第1記憶領域に設定し、当選した当選役グループに小役、再遊技役が含まれる場合には、小役、再遊技役に対応する役番号を第2記憶領域に設定する。また、役抽選手段103は、当選した当選役グループに特別役および小役、再遊技役が含まれている場合には、特別役に対応する役番号を第1記憶領域に設定すると共に、小役、再遊技役に対応する役番号を第2記憶領域に設定する。また、役抽選手段103による役抽選結果がハズレである場合には、役抽選手段103は、役抽選結果格納手段651の第1記憶領域および第2記憶領域それぞれにハズレに対応する役番号を設定する。
なお、役抽選手段103は、小役、再遊技役用の第2記憶領域のデータは、当選役の入賞の有無に関わらず役抽選毎に書き換えるのに対して、特別役用の第1記憶領域のデータは、特別役に入賞するまで書き換えずに維持する。このように、特別役(BB、RB)に当選した場合に、特別役に入賞するまで第1記憶領域の特別役についてのデータが維持されることにより、特別役の当選が内部当選として持ち越される。
(5)コマンド作成手段104
図4のコマンド作成手段104は、役抽選手段103による役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータ、などの種々のデータをサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを作成する。このコマンド作成手段104により作成されたコマンドは、サブ制御基板73へのシリアルデータ送信用の出力ポートにセットされ、メインCPU61により実行されるタイマ割込処理において、出力ポートにセットされたコマンドが後述するサブ制御コマンド送信手段109によりサブ制御基板73に送信される。
コマンド作成手段104は、例えば、a)役抽選結果、b)遊技状態設定手段100iにより設定されている遊技状態、c)AT移行抽選における現在のモード、d)AT期間中(AT期間中フラグがON)か否か、e)AT期間遊技数カウンタ654に格納されているAT期間の残り期間、f)AT権利数格納手段652に格納されたAT権利の記憶数、g)CZ移行遊技数カウンタ655のカウント値、h)CZ期間遊技数カウンタ656のカウント値、に関する情報などをサブ制御基板73に送信するためのコマンドを作成する。
また、役抽選結果に関する情報を送信するためのコマンドについて、コマンド作成手段104は、報知決定手段100hの決定結果に従ってコマンドを作成する。すなわち、報知決定手段100hは、コマンド作成手段104で作成するコマンドを、特定集合当選(当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」〜「リプレイD」)の種類を識別できるコマンド(有利な操作手順のわかるコマンド)とするか、特定集合当選の種類を識別できないコマンド(有利な操作手順がわからないコマンド)とするかの決定を行う機能も有する。
このとき、図9および図10に示すように、コマンド作成手段104は、役抽選手段103による抽選が実行されたときに、役抽選の結果を識別できるコマンドとして、「0」〜「17」を含むコマンドを作成する。後述するように、サブ制御基板73では、送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。すなわち、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段104により作成される。
このとき、コマンド作成手段104は、報知決定手段100hにより、遊技者に有利な操作手順を報知しないと決定されたとき、つまりAT期間中フラグがOFFに設定されているときには、「ベルグループ」のいずれかに当選したことは識別できるが、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)の種類を示すデータが含まれず該当選役グループを識別できないコマンドを作成する。また、報知決定手段100hにより、遊技者に有利な操作手順を報知すると決定されたとき、つまりAT期間中フラグがONに設定されているときには、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)の種類を示すデータが含まれて該当選役グループを識別可能なコマンドを作成する。
すなわち、図9に示すように、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがOFFであるときには、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれに当選した場合であっても、「ベルグループ」のうちのいずれの当選役グループかを識別できないように同じ「1番」というコマンドを作成する。一方、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがONであるときに「左ベル」に当選した場合は「2番」のコマンドを、「中ベル」に当選した場合は「3番」のコマンドを、「右ベル」に当選した場合は「4番」のコマンドを作成する。
また、コマンド作成手段104は、同様に、AT期間中フラグがOFFに設定されているときには、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選したことは識別できるが、当選した当選役グループ(「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」)の種類を示すデータが含まれず該当選役グループを識別できないコマンドを作成する。また、AT期間中フラグがONに設定されているときには、当選した当選役グループ(「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」)の種類を示すデータが含まれて該当選役グループを識別可能なコマンドを作成する。
例えば図10に示すように、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがOFFであるときには、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれに当選した場合であっても、いずれの当選役グループかを識別できないように同じ「12番」というコマンドを作成する。一方、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがONであるときに「リプレイA」に当選した場合は「13番」のコマンドを、「リプレイB」に当選した場合は「14番」のコマンドを、「リプレイC」に当選した場合は「15番」のコマンドを、「リプレイD」に当選した場合は「16番」のコマンドを作成する。
なお、コマンド作成手段104は、それ以外の役抽選結果については、AT期間中フラグがONであってもOFFであっても、同じコマンドを作成する。すなわち、「チェリー」に当選した場合は「5番」のコマンドを、「スイカ」に当選した場合は「6番」のコマンドを、「BB」に当選した場合は「7番」のコマンドを、「RB」に当選した場合は「8番」のコマンドを、「一枚役13」に当選した場合は「9番」のコマンドを、「一枚役13+BB」に当選した場合は「10番」のコマンドを、「一枚役14+BB」に当選した場合は「11番」のコマンドを、「ベル」に当選した場合は「17番」のコマンドを作成する。なお、ハズレの場合は「0番」のコマンドを作成する。
(6)リール検出手段105
図4のリール検出手段105は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。このリール検出手段105は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(7)停止制御手段106
図4の停止制御手段106は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作および役抽選手段103の役抽選結果に基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13R(各リール14L,14M,14R)の停止制御を行うものである。
図9および図10の表の「備考」の欄に記載されているように、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選した場合には、最初に操作するストップスイッチに応じて、揃う役が異なるように設定されている。また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」の種類に応じて、有利となる操作手順が異なるように構成されている。
具体的には、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選した場合には、当選した当選役グループに設定された有利な押し順(操作手順)で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われると、停止制御手段106は、遊技者に最も有利な当選役に入賞するように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。一方、当選した当選役グループに設定された有利な操作手順(押し順)で停止操作が行われない場合は、停止制御手段106は、遊技者に最も有利な当選役と異なる当選役に入賞する図柄組合せが入賞ライン上に停止不可能となるように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
また、各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するための停止テーブル672(図4参照)は、役抽選手段103の役抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。そして、この停止テーブル672は、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものであり、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて、対応するストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作順序に対応して滑りコマ数が異なるように形成されている。
また、停止制御手段106は、役抽選手段103の役抽選結果がいずれかの役への当選であれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、当選した役に入賞するように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。他方、役抽選手段103による役抽選結果がハズレであれば、停止制御手段106は、ハズレの役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、複数の役のいずれにも入賞しないように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
ところで、滑りコマ数には上限が設けられているため、仮に役抽選手段103による役抽選結果がいずれかの役への当選であっても、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが所定のタイミングで操作されなければ、停止制御手段106による停止制御で当選した役に入賞させることができない。すなわち、停止制御手段106は、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されることを条件に、当選役の入賞にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
(8)図柄判定手段107
図4の図柄判定手段107は、リール検出手段105により検出された各リール13L,13M,13Rの回転位置に基づき、停止制御手段106により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rによる各図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるか否かの判定を行うものである。
この図柄判定手段107は、図9の「BB」「RB」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、特別役入賞と判定する。また、図柄判定手段107は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役14」「チェリー」「スイカ」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、小役入賞と判定し、図柄判定手段107は、「リプレイ1」〜「リプレイ26」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、再遊技役入賞と判定する。
(9)払出制御手段108
図4の払出制御手段108は、図柄判定手段107の判定結果に基づき、遊技者に所定の利益(特典)を付与するものである。この払出制御手段108は、図柄判定手段107により、複数の役のいずれかに入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出枚数だけメダルを払い出す。また、払出制御手段108は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出枚数だけクレジットメダルを増加させる。
ところで、払出制御手段108は、図柄判定手段107により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定枚数(3枚)のメダルが投入されたものとして、次のゲームの入賞ラインを有効とする。
(10)サブ制御コマンド送信手段109
図4のサブ制御コマンド送信手段109は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段104により作成されたコマンドを一方通信で送信するものである。サブ制御コマンド送信手段109は、コマンド作成手段104により作成された、設定制御手段101により設定される設定値、通常遊技および特別遊技などの遊技状態、役抽選手段103の役抽選結果、図柄判定手段107による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段108によるメダルの払出状態、CZ移行遊技数カウンタの情報、CZ期間遊技数カウンタ656の上方など、スロットマシン1の状態を表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
また、サブ制御コマンド送信手段109は、コマンド作成手段104により作成された、設定制御手段101により設定される設定値、通常遊技および特別遊技などの遊技状態、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段109は、コマンド作成手段104により作成された、設定制御手段101により設定される設定値、通常遊技および特別遊技などの遊技状態、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段109は、コマンド作成手段104により作成された、AT遊技に関する情報を示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
(11)報知手段110
図4の報知手段110は、遊技者に有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順を報知する所定の演出を実行すると決定されているとき、すなわち、報知決定手段100hによりAT期間中フラグがONに設定されている状態で、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のうちのいずれかに当選した場合に、当選した当選役グループに対応する遊技者に有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知用表示器60に表示することにより、遊技者に有利な操作手順を報知する演出を行うものである。具体的には、当選した当選役グループに、「左ストップスイッチ21Lを最初に操作する」という遊技者に有利な操作手順が設定されている場合には、報知用表示器60に「123」や「1−−」が表示される。なお、報知手段110は、当選した当選役グループの種類が分かる表示を報知用表示器60により行うようにしてもよい。
また、AT期間中フラグがOFFに設定されているときには、報知手段110は、遊技者に有利な操作手順が分からないように役抽選結果に応じた表示を報知用表示器60にて行い、遊技者に有利な操作手順を報知する演出を行わない。
なお、遊技者に有利な操作手順が、クレジット表示器45に表示されたり、リール13L,13M,13Rを用いたリール演出により報知されるようにしてもよい。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73の構成について詳細に説明する。サブ制御基板73のサブCPU71は、メイン制御基板63から送信されたコマンドに基づいて、メイン制御基板63(メインCPU61)の動作や状態に応じた演出を行うためのものである。図5に示すように、サブ制御基板73には、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能が搭載されている。
(1)サブ制御コマンド受信手段200
図5のサブ制御コマンド受信手段200は、メイン制御基板63のサブ制御コマンド送信手段109により送信された種々のデータを含むコマンドを受信するものである。サブ制御コマンド受信手段200は、送信されたコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73に搭載された各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段201
図5の演出内容決定手段201は、サブ制御コマンド受信手段200により受信されたコマンドに基づいて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段103の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。次に、演出内容決定手段201により決定される演出内容について具体的に説明する。
例えば、役抽選結果に関する演出について説明すると、演出内容決定手段201は、受信したコマンドがAT期間中に対応したものであり当選した当選役グループ(ベルグループ、リプレイ)の種類を識別可能であれば、その当選役グループに設定された有利な操作手順(押し順)がわかる演出(報知演出)を実行演出に決定する。これに対し、受信したコマンドがAT期間中に対応したものでなければ当該有利な操作手順がわからない演出を実行演出に決定する。例えば、役抽選結果に応じて、図9に示す「1番」のコマンドを受信した場合は、AT期間中ではないため、「ベルグループ」のいずれかの当選役グループに当選したことはわかるが「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれに当選したのかわからない演出群の中から一の演出を選択する。また、図9に示す「2番」のコマンドを受信した場合は、「左ベル」に当選したことがわかる演出や、最初に左ストップスイッチ21Lを操作するよう促す演出の中から、一の演出を選択する。図9に示す「3番」「4番」のコマンドを受信した場合も、それぞれ同様に演出内容を決定する。
また、図10に示す「12番」のコマンドを受信した場合は、AT期間中ではないため、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかの当選役グループに当選したことはわかるが「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれに当選したのかわからない演出群の中から一の演出を選択する。また、図10に示す「13番」のコマンドを受信した場合は、「リプレイA」に当選したことがわかる演出や、最初に左ストップスイッチ21Lを操作するよう促す演出の中から、一の演出を選択する。図11に示す「14番」「15番」「16番」のコマンドを受信した場合も、それぞれ同様に演出内容を決定する。
さらに、演出内容決定手段201は、図9に示す「5番」〜「11番」のコマンド、図10に示す「17番」のコマンドを受信した場合も、同様に、それぞれの当選役グループに当選した可能性を示唆する演出群から一の演出を選択する。さらに、「0番」のコマンドを受信した場合も、同様に、遊技者の期待を損ねないように、ハズレに対応する演出群の中から一の演出を選択する。
役抽選結果に関する演出の具体例としては、例えば、液晶表示器27に各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を表示したり、スピーカ31L,31Rにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を音声により報知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに設けられたランプを所定順序で点滅させることにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知したり、各リール13L,13M,13Rに設けられたバックライトを所定順序で点滅させて、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知するなどがある。
なお、演出内容決定手段201は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、次に説明する表示制御手段202および音声制御手段203に送信する。
(3)表示制御手段202
図5の表示制御手段202は、演出内容決定手段201により決定された演出内容に基づいて、液晶表示器27に動画を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を実行するものである。
(4)音声制御手段203
図5の音声制御手段203は、演出内容決定手段201により決定された演出内容に基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなどの演出を実行するものである。
(通常遊技の液晶表示器27の表示態様)
次に、通常遊技における液晶表示器27の表示態様について、図14および図17を参照して説明する。上述のように、この実施形態では通常遊技で90ポイントを獲得するとチャンスゾーンに移行するように構成されているが、累積獲得ポイントおよびチャンスゾーンに移行したときの継続ゲーム数が液晶表示器27にリアルタイムで表示される。例えば、図14(a)に示すように、横長矩形状の液晶表示器27の下部領域が、獲得ポイント27bおよびチャンスゾーンの継続ゲーム数27cを表示する領域として確保され、その他の領域27aは役抽選結果等を示唆する演出などの領域に使用される。
具体的には、下部領域は、横長矩形状に形成されており、全100ポイントのゲージ表示が行われる。このとき、右端の10ポイント分がチャンスゾーンをポイントで示した演出領域27c(以下、CZゲーム数表示領域27cという)に設定され、残りの90ポイント分がチャンスゾーンに入る前の通常遊技をポイントで示した演出領域27b(以下、獲得ポイント表示領域27bという)に設定されている。両領域27b,27cの境界には境界線27fが表示され、累計獲得ポイントとチャンスゲームのゲーム数を遊技者に報知できるようになっている。例えば、通常遊技がスタートしてから10ゲーム消化し、その間に短縮抽選の当選がなかった場合は、累積獲得ポイントが10ポイントになる。このとき、左端から10ポイント分のゲージの色が変化し、当該累積獲得ポイントの状況が遊技者に報知される(図14(b)の蓄積ポイント27d参照)。さらに80ゲームを消化し、その間に短縮抽選の当選がなかった場合は、累積獲得ポイントが90ポイントになる。このとき、90ポイント分のゲージの色が変化して(図14(c)の蓄積ポイント27d参照)、チャンスゾーンの移行に必要なポイントを獲得したことが遊技者に報知され、チャンスゾーンに移行する。
次に、短縮抽選に当選した場合について、図17を参照して説明する。例えば、通常遊技を開始してから10ゲーム目で、例えば「スイカ」に当選し、さらに短縮抽選にも当選して10ポイントを獲得したとする(図17(a))。このとき、この実施形態では、累積獲得ポイントを示すゲージをさらに10ポイント分の増やす代わりに、チャンスゾーンに移行するのに必要なポイント数を10ポイント減らすとともに、チャンスゾーンのゲーム数を示すゲージを10ポイント分増やす。このとき、図17(b)に示すように、境界線27fが、10ポイント分だけ左側にシフトすることで、獲得ポイント表示領域27bが80ポイントになり、チャンスゾーンへの移行に必要なポイントが90ポイントから80ポイントに減少する。一方、CZゲーム数表示領域27cは20ポイントになり、チャンスゾーンのゲーム数が20ポイントに増加する。
このように、チャンスゾーンに移行するまでに要するゲーム数、および、チャンスゾーンのゲーム数の総和は100ゲームで一定であるが、短縮ポイントの大きさに応じて両ゲーム数の比率が変化し、液晶表示器27を一見すると、この比率が分かるようになっている。10ゲーム目以降で、チャンスゾーンに移行するまでに短縮抽選に当選した場合は、獲得した短縮ポイントと同じ数のゲーム数だけチャンスゾーンのゲーム数がさらに増える。なお、上述したような、液晶表示器27を用いて、チャンスゾーンに移行するまでに要するゲーム数、および、チャンスゾーンのゲーム数の比率を遊技者に報知する機能が、本発明の「報知手段」に相当する。
したがって、上記した実施形態によれば、短縮抽選に当選して1を超えるポイントを獲得すると、その分、チャンスゾーンに移行するまでのゲーム数が短縮されるだけでなく、AT遊技に移行し易いチャンスゾーンのゲーム数が増えるため、従来よりも遊技者の興趣を高めることができる。
また、短縮抽選に当選した場合は、チャンスゾーンのゲーム数が増加するため、当該チャンスゾーンでAT遊技に移行し易くなる。このように、チャンスゾーンのゲーム数を増やしてAT遊技への移行のし易さを増やすようにすると、チャンスゾーンでAT遊技に移行し易くするのにAT移行抽選テーブル674の種類を変える必要がない。
また、この実施形態では、通常遊技でチャンスゾーンに移行するまでに要するゲーム数と、チャンスゾーンの継続ゲーム数の合計が、一定のゲーム数(100ゲーム)となるように構成され、これらのゲーム数の比率が液晶表示器27に表示される。この構成によると、短縮抽選に当選してチャンスゾーンに移行するのに必要なゲーム数が減少したときには、その減少分がチャンスゾーンのゲーム数の増加分に変換されたことが遊技者に分かり易くなるため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、チャンスゾーンの払出率が、チャンスゾーンに移行するまでの遊技状態の払出率よりも高く設定されている。このようにすると、チャンスゾーンは、AT移行抽選に当選し易さが有利になっているだけでなく、メダルの増減量もチャンスゾーン前の遊技状態よりも有利となっているため、チャンスゾーンに移行するまでの遊技状態と、チャンスゾーンとの有利度の差が明確になり、遊技者の興趣を高めることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態にかかるスロットマシン1について、図18および図19を参照して説明する。
この実施形態のスロットマシン1が、図1〜図17を参照して説明した第1実施形態のスロットマシン1と異なるところは、CZ遊技数加算手段100gの構成が異なることである。その他の構成は、第1実施形態のスロットマシン1と同じであるため、同一符号を付すことにより説明を省略する。
第1実施形態のCZ遊技数加算手段100gは、短縮抽選手段100eによる短縮抽選に当選して短縮ポイントが選択されると、当該短縮ポイントと同じ数を、CZ期間遊技数カウンタ656のカウント値に加算するように構成されている。一方、この実施形態のCZ遊技数加算手段100gは、短縮抽選手段100eにより短縮ポイントが選択された場合に、当該短縮ポイントに応じて設定された乗数選択抽選テーブルを用いて、乗算する乗数を選択する。さらに、CZ遊技数加算手段100gは、当該短縮ポイントに対して選択した乗数を乗算した値を、CZ期間遊技数カウンタ656のカウント値に加算する。
例えば、図18(a)に示すように、短縮抽選手段100eにより5ポイントの短縮ポイントが選択された場合、CZ遊技数加算手段100gは、5ポイント用の乗数選択抽選テーブルを用いて乗数を選択する。この実施形態では、乗数「×0.6」が40%、乗数「×1」が40%、乗数「×2」が20%の確率で選択されるように、5ポイント用の乗数選択抽選テーブルが設計されている。したがって、短縮抽選手段100eにより5ポイントの短縮ポイントが選択された場合は、3ゲーム(=5×0.6)、5ゲーム(=5×1)、10ゲーム(=5×2)のうちのいずれかのゲーム数が、CZ期間遊技数カウンタ656のカウント値に加算されることになる。
また、図18(b)に示すように、短縮抽選手段100eにより10または20ポイントの短縮ポイントが選択された場合、CZ遊技数加算手段100gは、10および20ポイント共通の乗数選択抽選テーブルを用いて乗数を選択する。この実施形態では、乗数「×0.5」が40%、乗数「×1」が40%、乗数「×2」が20%の確率で選択されるように、10および20ポイント用の乗数選択抽選テーブルが設計されている。したがって、例えば、短縮抽選手段100eにより20ポイントの短縮ポイントが選択された場合は、4ゲーム(=20×0.5)、20ゲーム(=20×1)、40ゲーム(=20×2)のうちのいずれかのゲーム数が、CZ期間遊技数カウンタ656のカウント値に加算されることになる。
ここで、通常遊技が開始してから10ゲームで10ポイントの短縮抽選に当選し、乗数「×2」が選択された場合を例として、液晶表示器27の表示態様について具体的に説明する。例えば、図19(a)に示すように、通常遊技を開始してから10ゲーム目で初めて短縮抽選の対象となる「スイカ」に当選した場合、当該ゲームのリールの回転中は、液晶表示器27における獲得ポイント表示領域27bのうちの10ポイント分の色が変化し(図19(a)の蓄積ポイント27d参照)、その旨が遊技者に報知される。
ここで、短縮抽選手段100eによる短縮抽選に当選し、10ポイントが選択されると、CZ移行遊技数カウンタ減算手段110fによりCZ移行遊技数カウンタ655のカウント値がさらに「10」減算される。また、この場合(10ポイントが選択された場合)、CZ遊技数加算手段100gは、10および20ポイント共通の乗数選択抽選テーブルを用いて乗数を選択する。ここで、乗数「×2」を選択した場合、CZ遊技数加算手段100は、CZ期間遊技数カウンタ656の初期的なカウント値「10」に、カウント値「20(=10×2)」を加算する。そして、全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止したときに、液晶表示器27の獲得ポイント表示領域27bとCZゲーム数表示領域27cの境界線27fが左側にシフトして、チャンスゾーンに移行するのに必要なポイント数が10ポイント減ったことを報知するとともに、チャンスゾーンのゲーム数が30ポイント(30ゲーム)になったことを報知する(図19(b)参照)。このとき、液晶表示器27の役抽選結果等を報知する演出領域27aには、例えば、「短縮当選!+10、+20ゲームのチャンスゾーン獲得」などの画像が表示される。
この実施形態によれば、選択される乗数が1以上の場合と1未満の場合があるため、短縮ポイントと同じ数のポイントがチャンスゾーンの増加ゲーム数として付与される場合と比較して、増加ゲーム数の多様化を図ることができ、これにより遊技者の興趣を高めることができる。また、CZ遊技数加算手段100gが選択する乗数の中に1未満の乗数を採用することで、短縮抽選の当選確率を高く設定しても、チャンスゾーンのゲーム数の増加に関して、過度に遊技者に有利にならないようにすることができる。また、CZ遊技数加算手段100gが選択する乗数の中に1以上の乗数を採用することで、短縮ゲーム数以上にチャンスゾーンのゲーム数を獲得できるという喜びを遊技者に与えることができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態にかかるスロットマシン1について、図20を参照して説明する。
この実施形態のスロットマシン1が、図1〜図17を参照して説明した第1実施形態のスロットマシン1と異なるところは、チャンスゾーンの構成が異なることである。その他の構成は、第1実施形態のスロットマシン1と同じであるため、同一符号を付すことにより説明を省略する。
この場合、チャンスゾーンは、所定ゲーム数(10ゲーム)を消化すると終了するのではなく、基本的に、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに3回当選すると終了するように構成されている。この場合、CZ遊技数加算手段100gおよびCZ期間遊技数カウンタ656に代えて、例えば、終了にかかるリプレイ当選回数を加算するリプレイ回数加算手段と、チャンスゾーンの終了にかかるリプレイ当選回数を記憶する終了リプレイ当選回数記憶手段とが設けられる。リプレイ回数加算手段は、短縮抽選手段100eにより選択された短縮ポイントの大きさに応じて、チャンスゾーンの終了にかかるリプレイ当選回数の増加数を決定し、当該増加数の分だけ終了リプレイ当選回数記憶手段に記憶されたリプレイ当選回数に加算する。
なお、この実施形態では、リプレイ回数加算手段は、選択された短縮ポイントを1/10倍した値をリプレイ回数の増加数に決定する。ただし、短縮ポイントが5ポイントの場合、リプレイ回数加算手段は、0.5回を記憶しておき、例えば、チャンスゾーン到達までにさらに5ポイントの短縮ポイントを獲得したときに、0.5+0.5=1回というように、リプレイ回数の増加数に反映させる。また、チャンスゾーンに到達したときに、半端な0.5回が記憶されている場合は、例えば、切り捨ててリプレイ回数の増加数にカウントしないようにする。
次に、通常遊技が開始してから10ゲームで10ポイントの短縮抽選に当選した場合を例として、この実施形態の液晶表示器27の表示態様について説明する。なお、この場合、上記した他の実施形態のCZゲーム数表示領域27cに代わりに、チャンスゾーンをリプレイ当選回数で示した演出領域27e(以下、リプレイ回数表示領域27eという。)が設けられる。
例えば、図20(a)に示すように、通常遊技を開始してから10ゲーム目で初めて短縮抽選の対象となる「スイカ」に当選した場合、当該ゲームのリールの回転中は、液晶表示器27の獲得ポイント表示領域27bのうちの10ポイント分の色が変化し、その旨が遊技者に報知される(図20(a)の蓄積ポイント27d参照)。ここで、短縮抽選手段100eによる短縮抽選に当選し、10ポイントが選択されると、CZ移行遊技数カウンタ減算手段110fによりCZ移行遊技数カウンタ655のカウント値がさらに「10」減算される。また、このときに、リプレイ回数加算手段によりチャンスゾーンの終了にかかるリプレイ当選回数の増加数が「1回」に決定される。この場合、図20(b)に示すように、液晶表示器27の獲得ポイント表示領域27bとリプレイ回数表示領域27eの境界線27fが左側にシフトし、チャンスゾーンに移行するのに必要なポイント数が10ポイント減ったことを報知するとともに、チャンスゾーンの終了にかかるリプレイ当選の回数が4回となったことを報知する。なお、チャンスゾーンの終了にかかるリプレイの当選回数の増加数の決定については、例えば、短縮抽選に当選したときの当選役グループの種類に応じて、個別に増加数を決定するなど、適宜変更できる。
この構成によると、リプレイに当選するまでは、チャンスゾーンが終了しないため、チャンスゾーンが終了するまでのゲーム数がランダムとなり、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
例えば、上記実施形態では、「AT期間」をゲーム数で管理したが、「AT期間」の管理方法としてはゲーム数に限定されるものではない。例えば、特定役の当選回数により「AT期間」を管理してもよいし、時間で「AT期間」を管理してもよい。
また、上記した各実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技用価値としての遊技球(パチンコ玉)を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。
また、上記した実施形態のスロットマシン1における各リール13L,13M,13Rに代えて、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用い、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させるように構成してもよい。また、回転リールの数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数に設定すればよい。
そして、スロットマシンなどの遊技機に対して、本発明を広く適用することが可能である。
上記した目的を達成するために、本発明の遊技機は、複数種類の図柄を可変表示する可変表示列を複数備え、前記可変表示列の可変表示が開始してから停止するまでを1ゲームとして繰り返しゲームを行うことが可能であり、前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じた特典を付与する遊技機において、第1所定遊技状態と、該第1所定遊技状態から移行する第2所定遊技状態とを含む所定遊技状態と、前記第1所定遊技状態および前記第2所定遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態とを含む複数の遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、複数の役のいずれに当選したか否かを決定する役抽選を行う役抽選手段と、前記第1所定遊技状態の1ゲーム毎に、前記第2所定遊技状態への移行の決定に用いられる移行量を決定する移行量決定手段と、前記第2所定遊技状態での前記有利遊技状態への移行のしやすさを設定する設定手段とを備え、前記第2所定遊技状態は、前記第1所定遊技状態よりも前記有利遊技状態に移行しやすい遊技状態であり、前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態への移行は、前記移行量の累積が、所定の移行基準量に達した場合に行われるように構成され、前記移行量決定手段により決定される1ゲーム当たりの前記移行量は、特定量以上であり、前記設定手段は、前記移行量決定手段により前記特定量よりも大きい特殊量が決定された場合は、当該特殊量の大きさに基づいて当該特殊量が決定される前に比べて前記第2所定遊技状態の期間が延びるように設定することで前記有利遊技状態に移行しやすくすることを特徴としている。