JP2017064184A - 薬液揮散器及びこれに用いられる容器の製造方法 - Google Patents

薬液揮散器及びこれに用いられる容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液を容器内に迅速に戻すことができる薬液揮散器を提供する。【解決手段】薬液を揮散させる薬液揮散器が提供される。薬液揮散器は、容器と、中栓と、吸液芯とを備える。容器は、薬液が収容される液空間を有する胴部と、液空間に連通するように筒状に形成され、胴部から上方へ向かって延びる首部とを含む。中栓は、首部内に嵌入され、液空間と外部空間とを連通させる通路を画定する内壁面を有する筒状である。胴部は、外壁面を有し、外壁面が中栓の内壁面と接触する又は概ね接触するような態様で、薬液を吸い上げるべく通路を介して液空間に差し込まれる。吸液芯が通路を介して液空間に差し込まれた状態においては、吸液芯の外壁面と中栓の内壁面との間において、液空間と外部空間とを連通させる空気孔が形成される。中栓の下部は、通路が下方に向かうにつれて拡径するように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、薬液揮散器及びこれに用いられる容器の製造方法に関する。
従来、居室やトイレ、自動車の車内等の生活空間を快適空間とするために、芳香液等の薬液を揮散させる薬液揮散器が利用されている。その1つとして、容器内に薬液を収容するとともに、容器内に吸液芯を差し込み、吸液芯により吸い上げた薬液を揮散させるタイプのものがある。この種の薬液揮散器では、容器の揺れや転倒等により薬液がこぼれないように、吸液芯は容器の筒状の口部の内壁面に接触する又は概ね接触するように差し込まれる。しかしながら、完全に口部を吸液芯で塞いでしまうと、周囲環境の温度上昇により容器内の圧力過多が生じ、薬液が吸液芯を伝って多量に吸い上げられる。さらには、吸い上げられた薬液が吸液芯から外部へと浸み出して、薬液の浪費につながる。
特許文献1,2は、以上の点に鑑み、吸液芯が容器に差し込まれた状態においても容器内外が連通するように、容器の口部を形成する筒状の首部又は首部に嵌入される中栓に、スリット状の空気孔を形成することを提案している。これにより、容器内の圧力上昇、ひいては薬液が多量に噴出することが抑制される。
実開昭55−10700号公報 実開昭55−104435号公報
しかしながら、上述の空気孔は、薬液が多量に浸み出すことを完全に防止することができるとは限らない。空気孔が大きければ、一定以上の効果を確保できると考えられるが、その場合、今度は容器の揺れや転倒により、薬液がこぼれることも考えられる。従って、本発明者は、薬液の浪費を防止するためには、浸み出してしまった薬液を容器に戻すことが重要であること考えた。
この点、上述の空気孔は、容器内への薬液の戻りルートとしても機能し得る。しかしながら、上記のとおり、容器の揺れや転倒まで考慮すると、空気孔を一定以上のサイズとすることはできず、この戻りルートは細いルートとならざるを得ない。そうすると、薬液の表面張力により、薬液はこの戻りルート内に留まり易くなり、目詰まりを起こす。特に、空気が容器内から抜けない限りは、薬液は容器内へ戻ることができないため、この目詰まりにより益々薬液は容器へと戻りにくくなる。
本発明は、吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液を容器内に迅速に戻すことができる薬液揮散器を提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る薬液揮散器は、薬液を揮散させる薬液揮散器であって、容器と、中栓と、吸液芯とを備える。前記容器は、前記薬液が収容される液空間を有する胴部と、前記液空間に連通するように筒状に形成され、前記胴部から上方へ向かって延びる首部とを含む。前記中栓は、前記首部内に嵌入され、前記液空間と外部空間とを連通させる通路を画定する内壁面を有する筒状である。前記胴部は、外壁面を有し、前記外壁面が前記中栓の前記内壁面と接触する又は概ね接触するような態様で、前記薬液を吸い上げるべく前記通路を介して前記液空間に差し込まれる。前記吸液芯が前記通路を介して前記液空間に差し込まれた状態においては、前記吸液芯の前記外壁面と前記中栓の前記内壁面との間において、前記液空間と前記外部空間とを連通させる空気孔が形成される。前記中栓の下部は、前記通路が下方に向かうにつれて拡径するように構成されている。
ここでは、吸液芯が差し込まれる通路を画定する中栓の下部が、当該通路を下方に向かって拡径するように構成されている。その結果、吸液芯の外壁面と中栓の内壁面との間に形成されている空気孔も、通路の下部で拡径することになり、この拡径により薬液の表面張力の働きが弱められる。すなわち、吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液が、空気孔を通って通路の下部付近まで戻ってきたときに、目詰まりを起こしにくい。従って、吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液を容器内に迅速に戻すことができる。
本発明の第2観点に係る薬液揮散器は、第1観点に係る薬液揮散器であって、前記中栓の前記下部における前記内壁面は、前記通路を連続的に拡径させる拡径面を含む。
ここでは、吸液芯が差し込まれる通路の下部において、下方に向かって連続的に拡径する拡径面が形成される。従って、空気孔を通って通路の下部付近まで戻って薬液は、この拡径面に沿って滑るように流れ、下方の液空間へと迅速に戻ってゆくことができる。
本発明の第3観点に係る薬液揮散器は、第2観点に係る薬液揮散器であって、前記拡径面は、縦断面視において前記通路を直線的に拡径させる。
ここでは、拡径面が直線的に形成されているため、薬液がさらに流れ易くなる。
本発明の第4観点に係る薬液揮散器は、第3観点に係る薬液揮散器であって、縦断面視において前記拡径面と前記中栓の中心軸との為す角度をθとしたとき、5°≦θ≦75°である。
ここでは、拡径面の傾斜の角度が比較的急峻であるため、薬液がさらに流れ易くなる。
本発明の第5観点に係る薬液揮散器は、第1観点に係る薬液揮散器であって、前記中栓の前記下部における前記内壁面は、前記通路を階段状に拡径させる拡径面を含む。
ここでは、吸液芯が差し込まれる通路の下部において、薬液の戻りルートの空間の容積を大きく広げることができ、薬液の表面張力を弱め、目詰まりを起こしにくくすることができる。
本発明の第6観点に係る薬液揮散器は、薬液を揮散させる薬液揮散器であって、容器と、吸液芯とを備える。前記容器は、前記薬液が収容される液空間を有する胴部と、前記液空間と外部空間とを連通させる通路を画定する内壁面を有する筒状に形成され、前記胴部から上方へ向かって延びる首部とを含む。前記吸液芯は、外壁面を有し、前記外壁面が前記首部の前記内壁面と接触する又は概ね接触するような態様で、前記薬液を吸い上げるべく前記通路を介して前記液空間に差し込まれる。前記吸液芯が前記通路を介して前記液空間に差し込まれた状態においては、前記吸液芯の前記外壁面と前記首部の前記内壁面との間において、前記液空間と前記外部空間とを連通させる空気孔が形成される。前記首部の下部は、前記通路が下方に向かうにつれて拡径するように構成されている。
薬液揮散器。
ここでは、吸液芯が差し込まれる通路を画定する容器の首部の下部が、当該通路を下方に向かって拡径するように構成されている。その結果、吸液芯の外壁面と首部の内壁面との間に形成されている空気孔も、通路の下部で拡径することになり、この拡径により薬液の表面張力の働きが弱められる。すなわち、吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液が、空気孔を通って通路の下部付近まで戻ってきたときに、目詰まりを起こしにくい。従って、吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液を容器内に迅速に戻すことができる。
本発明の第7観点に係る薬液揮散器は、第1観点から第6観点のいずれかに係る薬液揮散器であって、前記胴部は、前記首部の下端縁に連続する肩部を有する。前記肩部の下面において、前記首部の下端縁近傍には、前記容器を構成する材料からなる肉溜まりが形成されている。
ここでは、容器の製造時に生成される肉溜まりが、容器の肩部の下面に形成されている。言い換えると、首部の内壁面に肉溜まりが形成されることが回避されている。その結果、首部又は中栓の内壁面に沿う薬液の戻りルートが、このような肉溜まりにより塞がれることがない。従って、薬液の戻りルートの目詰まりをさらに抑制することができる。
本発明の第8観点に係る薬液揮散器は、第1観点から第7観点のいずれかに係る薬液揮散器であって、前記吸液芯が前記通路を介して前記液空間に差し込まれた状態においては、前記首部の上部及び前記中栓の上部の少なくとも一方の近傍において、前記吸液芯の周囲に上方に向かって開口する皿部が形成される。
ここでは、首部の上部及び中栓の上部の少なくとも一方の近傍において、吸液芯の周囲に皿部が形成される。そして、この皿部は上方に向かって開口しているため、薬液をしばらくの間溜めおくことができる。その結果、薬液が吸液芯から多量に溢れ出した場合にも、薬液が容器の外壁面等を伝ってこぼれてしまう前に、薬液を戻りルートに戻すことができる。
本発明の第9観点に係る容器の製造方法は、第1観点から第8観点のいずれかに係る薬液揮散器に用いられる前記容器の製造方法であって、以下の(1)〜(4)のステップを含む。
(1)ダイから筒状のパリソンを押し出すステップ。
(2)前記パリソンを前記容器の成形型内で受け取るステップ。
(3)前記成形型内のパリソンの内部に、前記パリソンにおいて前記首部に対応する側からブローノズルを挿入するステップ。
(4)前記ブローノズルからエアーを吹き出して前記パリソンを前記成形型の内壁に押し付けることにより、前記容器を成形するステップ。
また、前記ブローノズルを挿入するステップでは、前記ブローノズルの先端は、前記成形型において前記首部の下端縁に対応する位置よりも深い位置まで挿入される。
ここでの方法によれば、容器のブロー成形時に生成される肉溜まりが、首部の内壁面ではなく、容器の肩部の下面に形成される。その結果、首部又は中栓の内壁面に沿う薬液の戻りルートが、このような肉溜まりにより塞がれることがない。従って、薬液の戻りルートの目詰まりをさらに抑制することができる。
本発明によれば、吸液芯が差し込まれる通路を画定する容器の首部又は中栓の下部が、当該通路を下方に向かって拡径するように構成されている。その結果、吸液芯の外壁面と首部又は中栓の内壁面との間に形成されている空気孔も、通路の下部で拡径することになり、この拡径により薬液の表面張力の働きが弱められる。すなわち、吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液が、空気孔を通って通路の下部付近まで戻ってきたときに、目詰まりを起こしにくい。従って、吸液芯を伝って容器外に溢れ出した薬液を容器内に迅速に戻すことができる。
本発明の一実施形態に係る薬液揮散器の正面図。 キャップの取り外された薬液揮散器の正面図。 図2のA−A線断面図。 吸液芯の斜視図。 吸液芯の断面図。 首部、吸液芯、及び中栓の取り付け構造を示す断面図。 容器の製造工程を説明する図。 容器の製造工程を説明する別の図。 容器の製造工程を説明するさらに別の図。 容器の製造工程を説明するさらに別の図。 変形例に係る首部、吸液芯、及び中栓の取り付け構造を示す断面図。 別の変形例に係る首部、吸液芯、及び中栓の取り付け構造を示す断面図。 さらに別の変形例に係る首部、吸液芯、及び中栓の取り付け構造を示す断面図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る薬液揮散器及びこれに用いられる容器の製造方法について説明する。
<1.薬液揮散器の全体構成>
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る薬液揮散器100は、薬液が収容された容器1と、この容器1の口部5を介して容器1内に差し込まれ、薬液を吸い上げる吸液芯2とを備える。また、薬液揮散器100は、容器1の口部5を、当該口部5から突出する吸液芯2とともに覆うキャップ3をさらに備える。キャップ3が装着された状態では、吸液芯2はキャップ3により概ね密閉され、外部空間から遮断される。従って、この状態では、吸液芯2からの薬液の連続的な揮散が生じない。そのため、キャップ3は、薬液揮散器100の非使用時において取り付けられ、使用時に取り外されることになる。キャップ3が取り外されると、薬液の含浸した吸液芯2から薬液が周囲空間に揮散し始め、薬液の効能を発揮することができる。
なお、本実施形態では、容器1の口部5は、厳密には容器1本体の首部12と、この首部12内に嵌入された筒状の中栓4とにより構成される。そして、吸液芯2は、この中栓4内に挿入される。このとき、中栓4は、吸液芯2を容器1内において上下方向に起立するように支持する。
以下の説明において、上下、左右及び前後とは、特に断らない限り、図2及び図3に示すとおりに定義されるものとする。図2及び図3は、キャップ3の取り外された薬液揮散器100の使用状態を示している。同図に示すとおり、薬液揮散器100は、使用時において、吸液芯2が容器1から上方へ突出するような態様で設置される。以下、薬液について説明した後、吸液芯2、容器1及び中栓4について詳細に説明する。また、その後、薬液揮散器100の使用方法及び容器1の製造方法について説明する。
<2.薬液>
薬液は、薬液揮散器100の設置される居室やトイレ、自動車の車内等の生活空間を快適空間とするため機能性成分を含む。このような機能性成分の例としては、香料、消臭剤成分、殺虫剤成分、防虫剤成分、忌避剤成分、抗菌剤成分等が挙げられ、これらの1つを単独で使用することもできるし、複数を組み合わせて使用することもできる。また、ここでの機能性成分は、揮散可能である限り、油性又は水性のいずれであってもよい。薬液は、香料を含む場合には芳香液として、消臭剤成分を含む場合には消臭液として、防虫剤成分を含む場合には防虫液として、抗菌剤成分を含む場合には抗菌液として使用される。典型的には、薬液として、香料を含む芳香液、或いは香料及び消臭剤成分を含む芳香消臭液が使用される。
薬液の粘度は、25℃環境下で、0.1〜30mPa.sであることが好ましく、0.1〜20mPa.sであることがより好ましく、0.1〜10mPa.sであることがさらに好ましい。ここでの粘度の数値は、振動式粘度計(VM−3OO−L セコニック社製)を用いて、25℃環境下で測定される値である。
<3.吸液芯>
吸液芯2は、容器1から薬液を吸い出して外部に揮散させるための部材である。図4に示すとおり、本実施形態に係る吸液芯2は、直線状に延びる棒状の部材であり、円柱状に形成されている。この吸液芯2は、上述したように、容器1の口部5から容器1内に差し込まれて使用される。このとき、図2及び図3に示すように、吸液芯2の外壁面2aは、容器1の口部5の内壁面(中栓4の内壁面4a)に接触した又は概ね接触した状態で、口部5(中栓4)内に挿入される。また、同図に示すように、吸液芯2の軸方向の長さは、吸液芯2の下端部21が容器1の底面111に接触したときに、吸液芯2の上端部22が口部5から突出する長さに設定されることが好ましい。使用時において、吸液芯2の下端部21が容器1の底面111に接触している場合には、薬液の残量が少なくなっても吸液芯2が薬液を吸い上げ易く、薬液を使い切ることができるからである。
図4に示すとおり、本実施形態に係る吸液芯2の外壁面2aには、軸方向に延びるスリット25が形成されている。このスリット25は、吸液芯2が容器1内に差し込まれた状態で、吸液芯2の外壁面2aと口部5の内壁面との間において、容器1の内外を連通させる空気孔として機能する。すなわち、このスリット25を介して空気が容器1内を出入りすることができるため、吸液芯2が容器1内に差し込まれた状態においても、容器1内外に著しい圧力差が生じにくくなっている。これにより、周囲環境の温度上昇によっても容器1内に圧力過多が生じにくく、薬液が吸液芯2を伝って過剰に吸い上げられ、時に噴出することが防止される。
また、以上のスリット25は、容器1内への薬液の戻りルートとしても機能する。すなわち、スリット25の有する上述の圧力調整機能により、薬液の吸い上げ量は抑制されているものの、吸液芯2を伝って上昇した薬液は、少なからず吸液芯2から浸み出すことがある。しかしながら、容器1外で溢れ出たこのような薬液は、容器1内外を結ぶスリット25を通って容器1内へと再び戻ることができる。
本実施形態に係るスリット25は、図4に示すとおり、吸液芯2の軸方向全体に亘って形成されている。その結果、スリット25内に入り込んだ薬液は、スリット25に沿って吸液芯2の下端部21まで容易に戻ってくることができる。特に、吸液芯2の下端部21が容器1の底面111に接触している場合には、容器1の底面111まで容易に戻ることができる。ただし、スリット25は、吸液芯2の軸方向全体に亘って形成されている必要は必ずしもない。しかしながら、薬液の戻りルート機能を効率的に発揮する観点からは、吸液芯2が容器1内に差し込まれた使用状態において、スリット25の下端は、容器1の口部5の下端縁まで延びていることが好ましい。言い換えると、スリット25の下端は、中栓4の下端縁まで延びていることが好ましく、さらにその下の首部12の下端縁まで延びていることがより好ましい。また、同状態において、スリット25の上端は、容器1の口部5の上端縁まで延びていることが好ましい。言い換えると、スリット25の上端は、後述する中栓4の上端縁まで延びていることが好ましい。
また、スリット25は、容器1が揺れたり転倒したりした場合においても、スリット25を介して薬液がこぼれることのない程度の小さなサイズであることが好ましい。具体的には、以上の圧力調整機能、薬液の戻りルート機能、転倒時等の薬液のこぼれ防止機能等を考慮したとき、スリット25のサイズw1は、0.5mm≦w1≦3.0mmであることが好ましく、0.8mm≦w1≦2.0mmであることがより好ましく、1.0mm≦w1≦1.7mmであることがさらに好ましい。なお、ここでいうサイズw1は、吸液芯2の横断面視において、(スリット25を形成する前の)外壁面2aの法線方向に沿って(スリット25を形成する前の)外壁面2aからスリット25の最深部までの距離である(図5参照)。
図5に示すように、本実施形態では、スリット25は、複数本形成されている。この場合、少なくとも1本のスリット25が薬液の戻りルートとして機能し、別の少なくとも1本のスリット25が空気の通路として機能することができる。薬液は、空気が容器1内から抜けない限りは、容器1内へ戻ることが困難である。しかしながら、本実施形態では、複数本のスリット25が形成されていることで、薬液の戻りルートと、空気抜きのルートとが別個に確立され、薬液が迅速に容器1内へ戻ることができる。なお、このようなスリット25の役割分担をより効果的に実現するべく、図5に示すとおり、本実施形態では、スリット25が各々異なるサイズとなるように形成されている。また、これらのスリット25は、吸液芯2の周方向に沿って等間隔に配置されることが好ましい。スリット25が2本形成されている本実施形態では、これらのスリット25は、吸液芯2の周方向に180°離れた位置に配置されている。
吸液芯2を構成する材料は、薬液を吸い上げることができ、かつ、吸い上げた薬液を外部空間に揮散させることができる材料である限り、特に限定されない。例えば、吸液芯2の材料として、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、イソパラフィン、ラタン、セルロース等、種々の材料を使用することができる。また、吸液芯2は、変形によりスリット25が埋まらないよう、薬液が含浸したときに膨潤しない材料で構成されることが好ましい。
特に好ましい例を挙げると、吸液芯2の材料として、ポリエステル及び/又はナイロンを含む素材で形成されたものを使用することができる。このようにポリエステル及び/又はナイロンを含む素材で形成された吸液芯2を使用する場合には、高温下で吸液芯2の変形を抑制し、その形状を安定に維持することが可能になる。
吸液芯2の素材として使用されるポリエステルの種類については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのポリエステルの中でも、高温下で吸液芯2の変形をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
また、吸液芯2の素材として使用されるナイロンの種類については、特に制限されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6等が挙げられる。これらのナイロンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
吸液芯2は、ポリエステル及びナイロンの中から1種を選択して単独で使用してもよく、またこれらの中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。
吸液芯2を形成する素材におけるポリエステル及び/又はナイロンの含有量としては、例えば10重量%以上、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは80〜100重量%、最も好ましくは90〜100重量%が挙げられる。
吸液芯2は、その構成素材として、ポリエステル及び/又はナイロンに加え、必要に応じて、ポリエチレン、ポリプリピレン等のポリオレフィン;アクリル;ビニロン;ポリウレタン等の他の樹脂素材を含んでいてもよい。但し、ポリオレフィンは高温下で吸液芯2を変形させる要因となり得るため、吸液芯2には、ポリオレフィンの含有量が少ないことが好ましく、ポリオレフィンが実質的に含まれていないことが更に好ましい。具体的には、吸液芯2を形成する素材におけるポリオレフィンの含有量としては、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは0重量%が挙げられる。
吸液芯2は、容器1内の薬液を吸い上げることができるよう、例えば、繊維状のポリエステル及び/又はナイロンを溶着又は接着させて所定形状に成形したもの、繊維状のポリエステル及び/又はナイロンを編んで所定形状にしたもの、不織布のポリエステル及び/又はナイロンを所定形状にしたもの、ポリエステル及び/又はナイロンをスポンジ状で所定形状に成形したもの等とすることができる。
<4.容器>
図2及び図3に示すように、容器1は、胴部11と、この胴部11の上部に連結された首部12とを備えており、これらは一体的に形成されている。胴部11は、底面111と、底面111から起立する側面112と、側面112の上端縁に連続し、底面111と対向するように広がる上面113とを有する。胴部11内には、これらの底面111、側面112及び上面113により囲まれた空間S1が形成されており、ここに薬液が収容される。以下、当該空間S1を液空間S1と呼ぶ。
首部12は、筒状に形成されており、特に本実施形態では、円筒状に形成されている。首部12の内壁面12aは、液空間S1と外部空間とを連通させる通路を画定している。首部12は、胴部11の上面113の中央付近から上方へ向かって延びており、胴部11よりも縮径している。その結果、胴部11の上面113は肩部を形成している。従って、以下では、胴部11の上面113を、肩部113と呼ぶことがある。なお、本実施形態に係る胴部11は、図示のとおり、左右方向に幅広で、前後方向に幅狭の略直方体形状である。肩部113は、首部12の下端縁に連続している。
首部12の外壁面12bには、螺旋状の雄ねじ14が形成されている。この雄ねじ14は、キャップ3の雌ねじ(図示されない)と螺合し、これらのねじにより、キャップ3が首部12に着脱自在に固定される。
容器1を構成する材料は、本実施形態では樹脂であるが、この例に限定されず、例えば、ガラス等とすることができる。薬液の残量を視認できるようにする観点からは、透明または半透明の材料を選択することが好ましい。本実施形態では、容器1は、後述するブロー成形による製造方法を用いて製造される。そのため、肩部113の下面113aにおいて、首部12の下端縁近傍には、容器1を構成する材料からなる肉溜まり15が形成されている。この肉溜まり15は、首部12の下端縁を囲むように環状に形成されている。ただし、この肉溜まり15は、周方向に亘って高さや厚みにばらつきのある凸凹した表面形状を有する。一方、首部12の内壁面12aには、容器1を構成する材料による肉溜まりが形成されておらず、内壁面12aは、滑らかな湾曲面を形成している。
<5.中栓>
中栓4は、容器1の首部12内に嵌入される筒状の部材であり、本実施形態では、円筒状の部材である。中栓4の内壁面4aは、液空間S1と外部空間とを連通させる通路S2を画定しており、液空間S1から薬液を吸い上げるべく、この通路S2内に吸液芯2が挿入される。
図6は、首部12、吸液芯2及び中栓4の取り付け構造の断面図である。同図に示すとおり、中栓4は、上下中央の本体部41と、本体部41の上端に連続する上部42と、本体部41の下端に連続する下部43とを有する。本体部41の外径は、首部12の内径と略等しく、これにより中栓4は、首部12内に圧入され、強固に固定される。また、中栓4の上部42は、本体部41から径方向外方に突出するフランジ部を含んでいる。そのため、このフランジ部が首部12の上端縁に当接するまで、下部43側から中栓4を首部12内に挿入することができる。なお、下部43の外径は、首部12の内径よりもやや小さく、下部43の外壁面は、首部12の内壁面12aとの間に空間を形成している。
中栓4の下部43は、通路S2が下方に向かうにつれて拡径するように構成されている。本実施形態では、下部43における内壁面4aは、通路S2を連続的に拡径させる拡径面B1として形成されている。特に、この拡径面B1は、縦断面視において直線状であり、通路S2を直線的に拡径させる。なお、縦断面視において拡径面B1と中栓4の中心軸との為す角度をθ1とするとき、θ1は鋭角であることが好ましく、5°≦θ1≦75°であることがより好ましく、10°≦θ1≦45°であることがさらに好ましい。本実施形態では、この拡径面B1は、周方向全体に亘って形成されている。
一方、中栓4の上部42は、通路S2が上方に向かうにつれて拡径するように構成されている。本実施形態では、上部42における内壁面4aは、通路S2を連続的に拡径させる拡径面B2を含む。特に、この拡径面B2は、縦断面視において直線状であり、通路S2を直線的に拡径させる。なお、縦断面視において拡径面B2と中栓4の中心軸との為す角度をθ2とするとき、θ2は鋭角であることが好ましく、5°≦θ2≦75°であることがより好ましく、10°≦θ2≦45°であることがさらに好ましい。本実施形態では、この拡径面B2は、周方向全体に亘って形成されている。
以上のように構成された中栓4の上部42は、吸液芯2が通路S2内に差し込まれた状態で、吸液芯2の周囲に上方に向かって開口する皿部45を形成する。この皿部45は、吸液芯2により液空間S1から吸い上げられ、容器1の外部において吸液芯2から浸み出した薬液の受け皿となる。これにより、薬液が容器1の外壁等を伝ってこぼれることが防止される。また、皿部45が下方に向けて狭まる逆円錐台状の空間を画定しているため、吸液芯2を中栓4内に挿入する際に、吸液芯2の位置決めが容易となる。
本実施形態では、本体部41の位置での通路S2の断面径は、吸液芯2の断面径に略等しい。従って、吸液芯2は、中栓4内に圧入され、強固に支持されることになる。吸液芯2が中栓4内に圧入された状態では、吸液芯2の外壁面2aと中栓4の内壁面4aとは、接触した又は概ね接触した状態となる。従って、吸液芯2の外壁面2aと中栓4の内壁面4aとの間には、周方向に沿った隙間が実質的に形成されない。しかしながら、上記のとおり、吸液芯2の外壁面2aにはスリット25が形成されている。従って、これらのスリット25により、吸液芯2の外壁面2aと中栓4の内壁面4aとの間において、液空間S1と外部空間とを連通させる空気孔が形成される。
また、本実施形態では、中栓4の内壁面4aに、上下方向に沿って延びる溝46が形成されている。溝46も、吸液芯2が通路S2内に挿入されたときに、吸液芯2の外壁面2aと中栓4の内壁面4aとの間に空気孔を形成する。ただし、溝46は、中栓4の下部43に達しておらず、スリット25のように薬液の戻りルートとして機能することは困難である。しかしながら、この溝46は、吸液芯2内を通り抜けることが可能な空気の通路として、効果的に機能することができる。なお、このような溝46は、本実施形態では1本形成されているが、複数本形成することも可能である。
容器1を構成する材料は、本実施形態では樹脂であり、より具体的には、ポリエチレンテレフタレートである。しかしながら、中栓4の上述したような機能を果たすことができる限り、任意の材料を選択することができる。
<6.薬液揮散器の使用方法>
以下、薬液揮散器100の使用方法について説明する。まず、使用開始前においては、容器1の口部5にはキャップ3が装着されており、吸液芯2、ひいては薬液が外部空間から概ね密閉されている。そのため、多くの場合、吸液芯2を介して容器1外に漏れ出した薬液は外部空間に揮散することができず、このキャップ3内の密閉空間に溜まっている。
従って、このキャップ3内に溜まった薬液がこぼれることのないよう、使用開始時には、容器1の底面111を下に、キャップ3を上に向けた状態で、キャップ3を取り外す。これにより、キャップ3内の薬液は、吸液芯2の周囲に形成されている上述した皿部45内に受け取られる。
キャップ3の開栓後も、引き続き底面111を下、吸液芯2を上に向けた状態に保って、薬液揮散器100を設置する。設置の方法としては、例えば、台の上に底面111を載置する方法も考えられるし、或いは、吊り下げる方法も考えられる。
以上のように設置されると、皿部45内に溜まった薬液は、吸液芯2の少なくとも1本のスリット25に沿って、重力により液空間S1に向かって落下してゆく。そして、中栓4の下部43まで達すると、中栓4の内壁面4aが拡径しているため、薬液の戻りルートも拡径する。従って、この拡径により、狭い空間を移動してきた薬液の表面張力の働きが弱められ、吸液芯2の周囲に形成されている、中栓4や首部12に囲まれた狭い空間において、薬液による目詰まりが生じにくい。従って、薬液が迅速に液空間S1内へ戻ってゆくことができる。特に、本実施形態では、拡径面B1が下方に向かう傾斜面を構成しているため、薬液がこの傾斜面に沿って滑るように流れることができる。また、以上の薬液の戻りルートの拡径により、中栓4の下部43付近で薬液の流速が増し、薬液が迅速に液空間S1内へと戻ってゆくことになる。そして、このとき、主として残りのスリット25や溝46を介して、液空間S1内の空気が外部へと流れ出すことができる。従って、空気が抜け出せないことにより薬液の戻りが阻害されることもない。以上により、薬液の浪費が防止される。
皿部45内に溜まった薬液が液空間S1内に戻った後の定常時においては、上述のスリット25及び溝46は、容器1の内外の圧力を調整するための空気の通路として機能する。なお、使用開始時に限らず、周囲環境の温度上昇等により容器1内の圧力が上昇して、薬液が吸液芯2に多量に吸い上げられることがある。このような場合にも、上述の薬液の戻りルートは、同様にその機能を発揮することができる。
キャップ3の開栓後は、吸液芯2から外部空間へと、薬液に含まれる機能性成分が連続的に揮散する。これにより、薬液揮散器100の設置された空間を快適空間をとすることができる。
<7.容器の製造方法>
以下、容器1の製造方法について説明する。なお、ここでの容器1の製造方法は、好ましい一例であって、その他の方法を採用することも可能である。
本実施形態では、容器1は、ブロー成形により製造される。図7A〜図7Dは、その製造工程を説明する図である。まず、図7Aに示すように、ダイ70から筒状のパリソン71が下方へと押し出される。そして、一対の容器の成形型72,73が、左右からこのパリソン71を挟み込むように受け取る(図7B参照)。このとき、成形型72,73の下部72a,73aどうしが接触し、開口のない平板状となるが、上部72b,73bどうしは中央に開口が形成された平板を構成するように対面する。そして、この中央の開口に、パリソン71が挿入された状態となる。その後、成形型72,73内に位置するパリソン71の内部へと、ブローノズル74が進入する。このとき、ブローノズル74は、上部72b,73bが組み合わされてなる平板の中央の開口を介して、成形型72,73内に上方から挿入される(図7C参照)。ブローノズル74の外径は円柱形である。また、このとき、ブローノズル74の先端74aは、成形型72,73において容器1の首部12の下端縁に対応する位置、言い換えると、成形型72,73の上部72b,73bの下端縁よりも深い位置まで挿入される。
そして、図7Cの状態で、ブローノズル74のエアー噴出口から高圧のエアーが吹き出される。これにより、パリソン71は成形型72,73の内壁に押し付けられ、容器1の形状へと成形される(図7D参照)。このとき、ブローノズル74の先端74aは、容器1の首部12の下端縁よりも下方に存在する、言い換えると、首部12の内壁面12aの全体がブローノズル74の外周面に対面しているため、首部12の内壁面12aにおいて肉溜まりが形成されることがない。一方で、容器1の肩部113の下面113aであって首部12の近傍には、環状の肉溜まり15が形成されることになる。
その後、成形型72,73内の容器1が冷却されるのを待って、成形型72,73から容器1がリリースされる。これにより、容器1が製造される。
<8.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は適宜組み合わせることができる。
<8−1>
スリット25等により、液空間S1と外部空間とを連通させる空気孔が別途確保されている場合には、溝46を省略することができる。或いは、溝46を、中栓4の下部43まで達するように構成することもできる。ただし、この場合、溝46とスリット25との周方向の位置が合致したときに、両開口のサイズによっては、両開口の結合により比較的大きな開口が形成されることになり、容器1の揺れや転倒時に予期せぬ液漏れが生じ得る。従って、スリット25及び中栓4の下部43まで達する溝46の両方を形成する場合には、両開口のサイズを調整することが好ましい。或いは、溝46を中栓4の下部43まで達するように構成した上で、スリット25を省略することもできる。
<8−2>
上記実施形態では、通路S2は下方に向かうにつれて連続的かつ直線的に拡径したが、拡径面B1が下方に向かうにつれて階段状に拡径してもよいし(図8A参照)、拡径面B1が縦断面視において湾曲していてもよい。また、下方に向かうにつれて拡径する面と、拡径しない面とを組み合わせることもできる(図8B参照)。上方の拡径面B2についても同様である。
<8−3>
中栓4を省略し、首部12の内壁面12aにより画定される通路内に、吸液芯2を挿入するようにすることができる。この場合、吸液芯2の外壁面2aが、首部12の内壁面12aに接触する又は概ね接触するように構成する。そして、吸液芯2の外壁面2aと首部12の内壁面12aとの間において、液空間S1と外部空間とを連通させる空気孔を確保する。また、中栓4の下部43と同様に、首部12の下端部を、首部12内の通路が下方に向かうにつれて拡径するように構成する。以上のように構成した場合も、上記実施形態と同様に、薬液を迅速に液空間S1に戻すことができる。
<8−4>
皿部45は、図9に示すように、中栓4と首部12とにより構成することができる。また、変形例8−3のように中栓4が省略される場合には、中栓4に形成したものと同様の形状の皿部45を、首部12の上部に形成することができる。
<8−5>
上記実施形態では、拡径面B1は、周方向全体に亘って形成されていたが、周方向に部分的に形成することもできる。拡径面B1は、少なくとも、液空間S1と外部空間とを連通させる空気孔(スリット25)と周方向に同じ位置に形成されていれば、上述の薬液の戻りルートを拡径させることができる。同様に皿部45も、周方向全体ではなく、周方向に部分的に形成することもできる。
100 薬液揮散器
1 容器
11 胴部
113 肩部
113a 肩部の下面
12 首部
12a 内壁面
2 吸液芯
2a 外壁面
25 スリット(空気孔)
4 中栓
4a 内壁面
42 上部
43 下部
45 皿部
70 ダイ
71 パリソン
72,73 成形型
74 ブローノズル
B1 拡径面
S1 液空間
S2 通路

Claims (9)

  1. 薬液を揮散させる薬液揮散器であって、
    前記薬液が収容される液空間を有する胴部と、前記液空間に連通するように筒状に形成され、前記胴部から上方へ向かって延びる首部とを含む容器と、
    前記首部内に嵌入され、前記液空間と外部空間とを連通させる通路を画定する内壁面を有する筒状の中栓と、
    外壁面を有し、前記外壁面が前記中栓の前記内壁面と接触する又は概ね接触するような態様で、前記薬液を吸い上げるべく前記通路を介して前記液空間に差し込まれる吸液芯と
    を備え、
    前記吸液芯が前記通路を介して前記液空間に差し込まれた状態においては、前記吸液芯の前記外壁面と前記中栓の前記内壁面との間において、前記液空間と前記外部空間とを連通させる空気孔が形成され、
    前記中栓の下部は、前記通路が下方に向かうにつれて拡径するように構成されている、
    薬液揮散器。
  2. 前記中栓の前記下部における前記内壁面は、前記通路を連続的に拡径させる拡径面を含む、
    請求項1に記載の薬液揮散器。
  3. 前記拡径面は、縦断面視において前記通路を直線的に拡径させる、
    請求項2に記載の薬液揮散器。
  4. 縦断面視において前記拡径面と前記中栓の中心軸との為す角度をθとしたとき、5°≦θ≦75°である、
    請求項3に記載の薬液揮散器。
  5. 前記中栓の前記下部における前記内壁面は、前記通路を階段状に拡径させる拡径面を含む、
    請求項1に記載の薬液揮散器。
  6. 薬液を揮散させる薬液揮散器であって、
    前記薬液が収容される液空間を有する胴部と、前記液空間と外部空間とを連通させる通路を画定する内壁面を有する筒状に形成され、前記胴部から上方へ向かって延びる首部とを含む容器と、
    外壁面を有し、前記外壁面が前記首部の前記内壁面と接触する又は概ね接触するような態様で、前記薬液を吸い上げるべく前記通路を介して前記液空間に差し込まれる吸液芯と
    を備え、
    前記吸液芯が前記通路を介して前記液空間に差し込まれた状態においては、前記吸液芯の前記外壁面と前記首部の前記内壁面との間において、前記液空間と前記外部空間とを連通させる空気孔が形成され、
    前記首部の下部は、前記通路が下方に向かうにつれて拡径するように構成されている、
    薬液揮散器。
  7. 前記胴部は、前記首部の下端縁に連続する肩部を有し、
    前記肩部の下面において、前記首部の下端縁近傍には、前記容器を構成する材料からなる肉溜まりが形成されている、
    請求項1から6のいずれかに記載の薬液揮散器。
  8. 前記吸液芯が前記通路を介して前記液空間に差し込まれた状態においては、前記首部の上部及び前記中栓の上部の少なくとも一方の近傍において、前記吸液芯の周囲に上方に向かって開口する皿部が形成される、
    請求項1から7のいずれかに記載の薬液揮散器。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の薬液揮散器に用いられる前記容器の製造方法であって、
    ダイから筒状のパリソンを押し出すステップと、
    前記パリソンを前記容器の成形型内で受け取るステップと、
    前記成形型内のパリソンの内部に、前記パリソンにおいて前記首部に対応する側からブローノズルを挿入するステップと、
    前記ブローノズルからエアーを吹き出して前記パリソンを前記成形型の内壁に押し付けることにより、前記容器を成形するステップと
    を含み、
    前記ブローノズルを挿入するステップでは、前記ブローノズルの先端は、前記成形型において前記首部の下端縁に対応する位置よりも深い位置まで挿入される、
    容器の製造方法。
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