JP2017063758A - 米飯の製造方法、米飯、及び容器入り米飯製品 - Google Patents

米飯の製造方法、米飯、及び容器入り米飯製品 Download PDF

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Abstract

【課題】水分含有量が多く低カロリーであり、硬さと褐変化抑制程度のバランスに優れた米飯の製造方法、並びに、前記製造方法により製造された米飯及び容器入り米飯製品の提供。
【解決手段】原料米に対して、125℃以上の温度で180秒未満の間、熱処理を行う工程と、熱処理後の原料米に対して、炊飯後の水分含有量が66質量%以上となるように加水を行った後に炊飯する工程と、を含む。熱処理は、湿熱処理であることが好ましく、また、熱処理を、145℃以下の温度で、70秒以下の間行うことが好ましく、炊飯は100℃以上で12〜20分間行うことが好ましい、米飯及び、米飯の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、米飯の製造方法、米飯、及び容器入り米飯製品に関する。
近年の健康ブームにより、低カロリー食品についてのニーズが高まっており、米飯についても、低カロリーなものが従来より開発されている。
このような低カロリーな米飯は、通常の米飯より水分含有量が多くなるように米飯を製造することで得ることができる。
例えば、特許文献1には、原料米に対して所定の発酵処理を行った後に、100℃で10分間加熱し、その後、加水して炊飯した後に、容器に封入し、殺菌することで、低カロリーの米飯を製造する方法が開示されている。特許文献1には、このような方法で米飯を製造することで、水分含有量の高い米飯が製造できることが記載されている。
特開2004−298079号公報
ここで、お粥のようにやわらかい米飯でなく、適度なかたさを有し、やわらかすぎない米飯についてのニーズがある。しかしながら、水分含有量の高い米飯は、低カロリーである一方で、やわらかくなりやすい傾向がある。他方、米飯は、製造条件によっては褐変化してしまう場合がある。
上記特許文献1に記載された方法により製造された米飯は、低カロリーではあるものの、かたさと褐変化抑制程度のバランスという点では、未だに十分ではない。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、水分含有量が多く低カロリーであり、かつ、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れた米飯の製造方法、並びに、このような製造方法により製造された米飯及び容器入り米飯製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、原料米に対して、所定の温度で所定の時間を加熱した後に、加水して炊飯することで、水分含有量が多く低カロリーであり、かつ、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れた米飯を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 原料米に対して、125℃以上の温度で180秒未満の間、熱処理を行う工程と、
熱処理後の前記原料米に対して、炊飯後の水分含有量が66質量%以上となるように加水を行った後に炊飯する工程と、を含む、米飯の製造方法。
(2) 前記熱処理は、湿熱処理である、(1)に記載の米飯の製造方法。
(3) 前記熱処理を、145℃以下の温度で行う、(1)又は(2)に記載の米飯の製造方法。
(4) 前記熱処理を、70秒以下の間行う、(3)に記載の米飯の製造方法。
(5) 前記炊飯を、100℃以上の温度で12〜20分間行う、(1)から(4)のいずれかに記載の米飯の製造方法。
(6) 前記炊飯する工程は、
前記原料米を炊飯した後に、得られた米飯を容器に封入する工程と、
前記容器に封入後の前記米飯に対して殺菌処理を行う工程と、を含む、(1)から(5)のいずれかに記載の米飯の製造方法。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の米飯の製造方法により製造される、水分含有量が66質量%以上である米飯。
(8) (7)に記載の米飯が容器に封入された、容器入り米飯製品。
本発明によれば、水分含有量が多く低カロリーであり、かつ、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れた米飯の製造方法、並びに、このような製造方法により製造された米飯及び容器入り米飯製品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は特にこれに限定されない。
<米飯の製造方法>
本発明の米飯の製造方法は、原料米に対して、125℃以上の温度で180秒未満の間、熱処理を行う工程と、熱処理後の原料米に対して、炊飯後の水分含有量が66質量%以上となるように加水を行った後に炊飯する工程と、を含む。本発明の米飯の製造方法は、これにより、水分含有量が多く低カロリーであり、かつ、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れた米飯を製造することができる。本発明の米飯の製造方法により得られた米飯は、通常の米飯よりカロリーをカットすることができる。
水分含有量の多い米飯は低カロリーである一方で、やわらかくなりやすい。しかし、本発明の米飯の製造方法では、加水して炊飯を行う前に、125℃以上の高温で熱処理を行うことにより、原料米の澱粉構造が変化し、かたく強固になる。特に原料米の外側の部分が最もかたい状態のまま、この原料米に対して加水して炊飯することで、米粒全体かたい状態のまま内側に水分を保持可能となる。他方、原料米の外側の部分の澱粉構造が変化してかたくなることに起因して、原料米に対する熱処理を長時間行うことで、炊飯後の米飯は褐変化しやすくなると考えられるが、本発明の米飯の製造方法では、熱処理時間を180秒未満と短くしているため、炊飯後の米飯は褐変化が抑制される。本発明の米飯の製造方法により、水分含有量が多いにもかかわらず、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れた米飯を製造することができるのは、以上の理由によるものと推測される。
(熱処理)
本発明の米飯の製造方法における熱処理は、125℃以上の温度で180秒未満の間行う。
熱処理の温度は、特に限定されず、熱処理時間や熱処理の方法等の他の条件に応じて適宜設定することができるが、より原料米の外側をかたくすることで、最終的に適度なかたさの米飯を得ることができることから、130℃以上であることが好ましく、133℃以上であることが好ましく、135℃以上であることが更に好ましく、140℃以上であることが最も好ましい。熱処理温度の上限は、特に限定されず、例えば、200℃以下であってもよいが、熱処理の温度が高すぎると、原料米の外側のかたい部分の体積が多くなり、炊飯後の米飯において、内側に多量の水分を保持しにくくなる。この観点から、熱処理の温度は、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、160℃以下であることが更に好ましく、145℃以下であることが最も好ましい。別の観点で、熱処理の温度が高すぎると、炊飯後の米飯において、過度に褐変化しやすくなる。よって、過度な米飯の褐変化を抑制することから、熱処理の温度は、170℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることが更に好ましく、145℃以下であることが最も好ましい。
本明細書において、原料米とは、米飯の原料である米のことを指し、従来の公知のいずれの米も使用することができる。具体的には、例えば、精米されたものであってもよく、精米されていないものであってもよい。
本発明の米飯の製造方法では、熱処理の時間が180秒未満である。熱処理時間が長くなりすぎると、炊飯後の米飯において、褐変化しやすくなるが、本発明の米飯の製造方法によると、熱処理の時間を180秒未満としているため、過度な褐変化を抑制しつつ、炊飯後、適度なかたさを有する米飯を得ることができる。熱処理の時間は、180秒未満であれば、特に限定されず、熱処理温度や熱処理の方法等の他の条件に応じて適宜設定することができるが、炊飯後の米飯において、過度な褐変化を抑制する観点から、熱処理の時間は、90秒以下であることが好ましく、70秒以下であることがより好ましく、40秒以下であることが更に好ましく、20秒以下であることがより一層好ましく、10秒以下であることが最も好ましい。別の観点で、熱処理の時間が長くなりすぎると、原料米の外側のかたい部分の体積が多くなり、炊飯後の米飯において、内側に多量の水分を保持しにくくなる。よって、炊飯後の米飯において水分を保持しやすくし、より低カロリーの米飯を得る観点から、熱処理の時間は、120秒以下であることが好ましく、70秒以下であることがより好ましく、30秒以下であることが更に好ましく、15秒以下であることが最も好ましい。他方で、熱処理の時間が短すぎると、原料米の外側のかたくなる部分が少なくなり、炊飯後の米飯がやわらかくなりやすい。このことから、熱処理の時間は、2秒以上であることが好ましく、4秒以上であることがより好ましく、6秒以上であることが最も好ましい。
熱処理の時間は、特に、炊飯後の米飯のかたさと褐変化抑制程度のバランスに優れることから、125℃以上、127.5℃未満の温度の場合、30〜120秒が好ましく、40〜80秒がより好ましい。127.5℃以上、132.5℃未満の温度の場合、15〜90秒が好ましく、20〜60秒がより好ましい。132.5℃以上、137.5℃未満の温度の場合、10〜80秒が好ましく、20〜50秒がより好ましい。137.5℃以上、142.5℃未満の温度の場合、3〜70秒が好ましく、4〜40秒がより好ましく、10〜30秒が更に好ましい。142.5℃以上、147.5℃未満の温度の場合、2〜60秒が好ましく、3〜30秒がより好ましく、5〜15秒が更に好ましい。
本発明において、米飯の水分含有量は、熱風循環式定温恒温器そよかぜ(SSF−113S、いすゞ製作所)を用いて、温度135℃で2〜3時間乾燥させることにより測定する。
熱処理の方法は、特に限定されないが、適度なかたさを有する米飯を製造することから、湿熱処理が好ましい。本明細書において、「湿熱処理」とは、水蒸気により原料米を熱処理することを指す。湿熱処理を行う際、原料米を浸漬した後水切りした状態で行ってもよく、浸漬する前の状態で行ってもよい。湿熱処理は、糊化しない水分量で行われることが好ましい。このような糊化しにくい水分量で行われる条件は、具体的には、雰囲気温度が125℃以上になるように飽和水蒸気を供給することにより湿熱処理を行うことができる。湿熱処理は、例えば、50g程度の米に対して行ってもよい。なお、熱処理は、湿熱処理でなく、乾熱処理であってもよい。
また、熱処理は、0.1MPaより高い条件下で行ってもよい。このように、高圧条件下で水蒸気によって、より高温の熱処理を行うことで、原料米の澱粉構造がより強固になり、熱処理後の炊飯により、多くの水分を保持しやすくなる。この高圧条件は、0.23MPa以上であることが好ましく、0.27MPa以上であることがより好ましく、0.36MPa以上であることが更に好ましい。また、気圧の上限も特に限定されず、例えば、0.48MPa以下であってもよい。なお、熱処理は、大気圧で行ってもよく、あるいは、減圧で行ってもよい。また、特に、原料米の澱粉構造がより強固になり、かつ、適度なかたさの米飯を得ることができることから、圧力が0.23MPa以上、0.27MPa未満である時は、熱処理の温度は、125℃以上、130℃未満であることが好ましく、圧力が0.27MPa以上、0.31MPa未満である時は、熱処理の温度は、130℃以上、135℃未満であることが好ましく、圧力が0.31MPa以上、0.36MPa未満である時は、熱処理の温度は、135℃以上、140℃未満であることが好ましく、圧力が0.36MPa以上、0.48MPa未満である時は、熱処理の温度は、140℃以上、150℃以下であることが好ましい。
(炊飯する工程)
本発明の米飯の製造方法における、炊飯する工程は、熱処理後の原料米に対して、炊飯後の水分含有量が66質量%以上となるように加水を行った後に炊飯することによって行う。
加水は、炊飯後の水分含有量が66質量%以上となるような量を加えれば特に限定されず、原料米の量、炊飯の条件等に応じて、適宜設定することができるが、例えば、100〜105℃で炊飯を行う場合、米63gに対して、100〜130gの水を加えることによって、行うことができる。
加水は、より低カロリー米飯を得るために、原料米に対して、炊飯後の水分含有量が67質量%以上となるように行うことが好ましく、68質量%以上となるように行うことがより好ましく、69質量%以上となるように行うことが更に好ましく、70質量%以上となるように行うことが最も好ましい。このように、水分含有量の多い低カロリーな米飯を得るにもかかわらず、本発明の米飯の製造方法によると、上述のとおり、得られた米飯が適度なかたさを有する。他方で、加水する量が多くなりすぎると、水分含有量が多くなりすぎ、炊飯した際に、原料米の外側のかたくなった部分が糊化して、やわらかくなりやすい。そのため、加水は、原料米に対して、炊飯後の水分含有量が80質量%以下となるように行うことが好ましく、77質量%以下となるように行うことがより好ましく、75質量%以下となるように行うことが更に好ましい。
本発明の米飯の製造方法において、炊飯は、加水後に行うものである。炊飯の条件は、特に限定されず、加水の量、原料米の量、目標とする米飯の水分含有量等に応じて、適宜設定することができるが、代表的な炊飯の条件としては、100℃〜120℃の温度で6〜130分間等の炊飯条件が挙げられる。炊飯の時間は、短すぎると、原料米の内部に十分に水分が吸収されずに、米の粒表面に水分が残り、べたつきやすくなり、十分なかたさを得にくい。このことから、炊飯の時間は、100〜130℃の温度で行う場合、6分以上行うことが好ましく、8分以上行うことがより好ましく、10分以上行うことが更に好ましく、12分以上行うことが最も好ましい。他方で、炊飯の時間が長すぎると、原料米の外側がかたくなった澱粉構造が、炊飯により糊化しやすくなり、得られる米飯がやわらかくなりやすい。このことから、炊飯の時間は、100〜130℃の温度で行う場合、120分以下であることが好ましく、60分以下であることがより好ましく、40分以下であることが更に好ましく、30分以下であることが最も好ましい。特に、炊飯の時間は、炊飯後のかたさと褐変化抑制程度のバランスに優れることから、100℃以上、105℃未満の温度で炊飯を行う場合、120分以下であることが好ましく、60分以下であることがより好ましく、40分以下であることが更に好ましく、30分以下であることがより一層好ましく、20分以下であることが最も好ましい。105℃以上、110℃未満の温度で炊飯を行う場合、90分以下であることが好ましく、45分以下であることがより好ましく、30分以下であることが更に好ましく、20分以下であることがより一層好ましく、15分以下であることが最も好ましい。110℃以上、115℃未満の温度で炊飯を行う場合、60分以下であることが好ましく、30分以下であることがより好ましく、20分以下であることが更に好ましく、15分以下であることがより一層好ましく、12分以下であることが最も好ましい。
また、炊飯を行う際に、米飯の水分含有量、かたさ、及び褐変化抑制程度を損なわない程度に、水以外の成分を加えてもよく、加えなくてもよい。水以外の成分としては、特に限定されないが、乳化剤、pH調整剤、油脂、香料等が挙げられる。
本発明における炊飯する工程は、原料米を炊飯した後に、得られた米飯を容器に封入する工程を含んでもよく、含まなくてもよい。
米飯を容器に封入する工程は、常法により行うことができ、具体的な方法は、米飯を封入する容器の種類や、米飯の用途に応じて、適宜選択することができる。
容器の種類は、特に限定されず、米飯の用途に応じて、適切な材質(紙、プラスチック、金属、ガラス、木等)、形状(パウチ、トレー、カップ等の形状)のものを選択することができる。例えば、後述の殺菌処理工程により容器に対して加熱を行う場合、加熱に耐えうる材質を選択すればよい。
封入は、人の手で直接行ってもよく、機械により行ってもよい。また、封入は、容器の種類に応じて、従来の公知の方法を用いて適切に行うことができるが、封入後の容器に対して、熱圧着により容器が密封されるようにシールを行うことで、封入を行うことが好ましい。
本発明における炊飯する工程は、容器に封入後の米飯に対して殺菌処理を行う工程を更に含んでもよく、含まなくてもよい。
殺菌処理は、特に限定されず、従来の公知の方法により行うことができるが、例えば、80〜100℃の温度で、10〜60分間、蒸気殺菌を行ってもよい。
本発明における炊飯する工程は、殺菌処理後の米飯を冷却する工程を更に有してもよく、有さなくてもよい。
(その他)
本発明の米飯の製造方法は、上記で述べた工程の他、従来の公知の工程を有してもよく、有さなくてもよい。
そのような工程としては、例えば、熱処理工程の前に行われる、洗米工程、水切り工程、浸漬工程、米計量工程等が挙げられる。
浸漬工程においては、発酵処理を行ってもよく、行わなくてもよい。ただし、例えば、乳酸菌のように、増粘多糖類を生成する菌により発酵処理を行うと、最終的に得られる米が、べたつき気味でやわらかくなりやすい。この観点で、本発明の米飯の製造方法は、増粘多糖類を生成する菌による発酵処理は行わない方が好ましい。
<米飯>
本発明は、上記の米飯の製造方法により製造される、水分含有量が66質量%以上である米飯を包含する。本発明の米飯は、水分含有量が多く低カロリーであり、かつ、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れる。
米飯中の水分含有量は、66質量%以上であれば特に限定されないが、67質量%以上であることが好ましく、68質量%以上であることがより好ましく、69質量%以上であることが更に好ましく、70質量%以上であることが最も好ましい。このように、上記の米飯の製造方法により製造された米飯は、水分含有量の多い低カロリーな米飯を得るにもかかわらず、やわらかくなりすぎず、適度なかたさを有する。他方で、水分含有量が多くなりすぎると、原料米のかたくなった部分が糊化して、やわらかくなりすぎる。そのため、米飯中の水分含有量は、水分含有量が80質量%以下であることが好ましく、77質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることが更に好ましい。
<容器入り米飯製品>
本発明は、上記の米飯の製造方法により製造される、水分含有量が66質量%以上である米飯が容器に封入された、容器入り米飯製品を包含する。
容器の種類は、上記の米飯の製造方法における容器を同様のものを用いることができる。
<米飯の製造>
(実施例1)
63gの原料米(コシヒカリ)を洗米し、水に浸漬し、水切りを行った後、130℃で30秒間、少量型高温高圧試験器(RIC−15T、株式会社日阪製作所製)を用いて0.27MPaの条件で湿熱処理を行った。湿熱処理後の原料米に対し、水分含有量が70質量%となるように、107gの水を加水した後、103℃で15分間、少量型高温高圧試験器(RIC−15T、株式会社日阪製作所製)を用いて炊飯を行った。
炊飯後に得られた米飯をトレーに充填した後にシールすることで封入し、その後、100℃、12分間の条件で蒸気殺菌を行い、実施例1に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。なお、米飯中の水分含有量は、熱風循環式定温恒温器そよかぜ(SSF−113S、いすゞ製作所)により測定した。後述する実施例2〜9及び比較例1、2に係る米飯についても、同様の方法で水分含有量を測定した。
(実施例2)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、135℃、0.31MPaで12秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、実施例2に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例3)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、135℃、0.31MPaで30秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、実施例3に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例4)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、140℃、0.36MPaで6秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、実施例4に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例5)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、140℃、0.36MPaで12秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、実施例5に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例6)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、140℃、0.36MPaで30秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、実施例6に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例7)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、140℃、0.36MPaで60秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、実施例7に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例8)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、140℃、0.36MPaで30秒間、湿熱処理を行った点と、103℃で13分間炊飯を行った点以外は、同様の手順により、実施例8に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例9)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、140℃、0.36MPaで30秒間、湿熱処理を行った点と、103℃で17分間炊飯を行った点以外は、同様の手順により、実施例9に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(実施例10)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、140℃、0.36MPaで30秒間、湿熱処理を行った点と、103℃で20分間炊飯を行った点以外は、同様の手順により、実施例10に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(比較例1)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、120℃、0.20MPaで30秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、比較例1に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
(比較例2)
実施例1に係る米飯の製造方法とは、120℃、0.20MPaで600秒間、湿熱処理を行った点以外は、同様の手順により、比較例2に係る米飯を製造した。得られた米飯の水分含有量は、70質量%であった。
<米飯の評価>
実施例1〜10及び比較例1、2に係る米飯について、かたさ、及びかたさと褐変化抑制程度の総合的なバランスについて、評価を行った。
硬さの評価基準は、粒感があり、良好である場合を「〇」とし、少しやわらかいが、許容できる場合を「△」とし、やわらかく、許容できない場合を「×」とした。
かたさと褐変化抑制程度の総合的なバランスは、総合的に良好であるものを、「〇」とし、総合的に許容できるものを「△」とし、総合的に許容できないものを「×」とした。
その結果を、表1に示す。
Figure 2017063758
評価の結果、表1に示すとおり、熱処理温度を130〜140℃の範囲とし、熱処理時間を6〜60秒の範囲として熱処理を行った実施例1〜10に係る米飯は、全て、かたさが許容できるものか、良好なものであり、かたさと褐変化抑制程度のバランスにおいても優れていた。これに対し、比較例1、2は、120℃で30秒の条件で熱処理を行った比較例1に係る米飯、及び120℃で60秒の条件で熱処理を行った比較例2に係る米飯は、やわらかいか、かたさと褐変化抑制程度のバランスが許容できないものであった。また、上述のとおり、実施例1〜10に係る米飯は、水分含有量が70質量%のものである。この結果から、熱処理温度を130〜140℃、熱処理時間を6〜60秒の範囲で熱処理を行い、その後加水して炊飯を行うことで、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れ、かつ、水分含有量が70質量%である低カロリーな米飯を得られることがわかった。
このように、本発明の製造方法により製造された米飯が、高い水分含有量を有しつつ、適度なかたさを有する理由は、130〜140℃という高温で短い時間加熱することで、原料米の澱粉構造が変化してかたく強固となり、特に原料米の外側の部分が最もかたい状態で加水して炊飯することで、外側がかたい状態のまま内側に水分を保持可能となるためであると推測される。
他方、原料米の外側の部分の澱粉構造が変化してかたくなることに起因して、熱処理を長時間行うことで、その後の炊飯工程後の米飯は褐変化しやすくなっていると推測される。そうであれば、本発明の製造方法により製造された米飯が、過度な褐変化が抑制される理由は、原料米に対する熱処理時間を6〜60秒の範囲と短くしているためであると推測される。
以上が、熱処理温度を130〜140℃、熱処理時間を6〜60秒の範囲で熱処理を行い、その後加水して炊飯を行うことで、かたさと褐変化抑制程度のバランスに優れ、かつ、水分含有量が70質量%である低カロリーな米飯を得られる理由であると推測される。
また、130℃で熱処理を行った実施例1と、135℃で熱処理を行った実施例3及び140℃で熱処理を行った実施例6に係る米飯とを比較すると、実施例3に係る米飯より、実施例3及び実施例6に係る米飯の方が、かたさの評価が高かった。実施例1、3、6は、熱処理の温度以外は、全て同じ条件で製造されたものである。この結果から、130℃より、135〜140℃で熱処理を行った方が、よりかたさが良好で粒感のある米飯を得られることがわかった。なお、実施例2においては、135℃で12秒間しか熱処理を行わなかったが、かたさが良好な、粒感のある米飯を得られた。
実施例4〜7を比較すると、熱処理の時間が6秒である実施例4より、熱処理の時間が12〜60秒の範囲である実施例5〜7の方が、かたさの評価が高かった。かたさの評価が高かった実施例5〜7に係る米飯は、熱処理の時間を12〜60秒の範囲とした以外は、実施例4に係る米飯と全て同様の条件で米飯を製造したものである。この結果より、6秒で熱処理を行うより、12〜60秒の熱処理を行った方が、よりかたさが良好で粒感のある米飯を得られることがわかった。また、実施例7に係る米飯は、米が黄色に少し褐変化したことから、米の褐変化を防止するためには、熱処理時間は短い方がよいことがわかった。
実施例6、8〜10を比較すると、炊飯時間が13〜17分の範囲である実施例6、8及び9に係る米飯は、炊飯時間が20分である実施例10に係る米飯より、かたさの評価が高かった。かたさの評価が高かった実施例6、8及び9に係る米飯は、炊飯時間を13〜17分とした以外は、実施例10に係る米飯と全て同様の条件で米飯を製造したものである。この結果より、本発明の製造方法により製造された米飯は、炊飯時間が長すぎない方が、よりかたさが良好で粒感のある米飯を得られることがわかった。このように、実施例6、8〜9に係る米飯の評価が高かった理由は、実施例6、8及び9に係る米飯は、炊飯時間が比較的短かったため、外側がかたい状態を長く維持可能となり、糊化の進行が少なかったためであると推測される。

Claims (8)

  1. 原料米に対して、125℃以上の温度で180秒未満の間、熱処理を行う工程と、
    熱処理後の前記原料米に対して、炊飯後の水分含有量が66質量%以上となるように加水を行った後に炊飯する工程と、を含む、米飯の製造方法。
  2. 前記熱処理は、湿熱処理である、請求項1に記載の米飯の製造方法。
  3. 前記熱処理を、145℃以下の温度で行う、請求項1又は2に記載の米飯の製造方法。
  4. 前記熱処理を、70秒以下の間行う、請求項3に記載の米飯の製造方法。
  5. 前記炊飯を、100℃以上の温度で12〜20分間行う、請求項1から4のいずれかに記載の米飯の製造方法。
  6. 前記炊飯する工程は、
    前記原料米を炊飯した後に、得られた米飯を容器に封入する工程と、
    前記容器に封入後の前記米飯に対して殺菌処理を行う工程と、を含む、請求項1から5のいずれかに記載の米飯の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の米飯の製造方法により製造される、水分含有量が66質量%以上である米飯。
  8. 請求項7に記載の米飯が容器に封入された、容器入り米飯製品。
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