JP2017063650A - クチナシ青色素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸性域で安定に溶解した状態を維持できるクチナシ青色素の製造方法を提供する。【解決手段】シルク由来のタンパク質分解物の存在下でイリドイド配糖体をβ−グルコシダーゼ処理する工程を含むクチナシ青色素の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、クチナシ青色素の製造方法に関する。
従来、食品に対する青色着色料としてクチナシ青色素が広く使用されている。クチナシ青色素は、一般に、クチナシ果実抽出物等に含まれるイリドイド配糖体を、タンパク質分解物の存在下でβ−グルコシダーゼにより酵素処理することにより製造される。
クチナシ青色素に関する技術としては、クチナシのイリドイド配糖体もしくはその含有物質とβ−グルコシダーゼもしくはその含有物質とを、第一級アミノ基含有物質の存在下に好気的条件下で作用させて、クチナシのイリドイド配糖体のβ−グルコシダーゼ発色青色系色素を形成せしめるに際し、該配糖体もしくはその含有物質と該β−グルコシダーゼもしくはその含有物質とを、予め微好気的条件下に充分に作用させたのち、攪拌条件下に更に作用させることを特徴とする明色化された天然青色系色素の製法(特許文献1参照)、アカネ科クチナシの果実より抽出して得られたイリドイド配糖体を大豆タンパク分解物の存在下(但し、タウリン含有物質の共存を除く)でβ−グルコシダーゼ処理して調製されるクチナシ青色素に、酵素処理イソクエルシトリンを配合して得られる色調が改善されたクチナシ青色素の色素製剤(特許文献2参照)、イリドイド配糖体をタンパク質加水分解物の存在下でβ−グルコシダーゼ処理して得られる処理液に対して、分画分子量3000以上の膜を用いて低分子化合物を除去する膜分離処理を行うことを特徴とするクチナシ青色素の製造方法(特許文献3参照)、酸又はプロテアーゼで加水分解されたカゼインの存在下でイリドイド配糖体をβ−グルコシダーゼ処理することを特徴とするクチナシ青色素の製造方法(特許文献4参照)等が知られている。
しかし、クチナシ青色素は、酸性域において不溶化し易く、酸性の飲食品への使用が困難であった。このため、耐酸性に優れ、酸性域でも安定に溶解した状態を維持できるクチナシ青色素が求められていた。
特開昭56−92792号公報 特許第4374494号公報 特開2012−67241号公報 特開2014−57531号公報
本発明は、酸性域で安定に溶解した状態を維持できるクチナシ青色素の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、シルクの加水分解物をクチナシ青色素の製造に用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、シルク由来のタンパク質分解物の存在下でイリドイド配糖体をβ−グルコシダーゼ処理する工程を含むクチナシ青色素の製造方法、から成っている。
本発明の製造方法により得られるクチナシ青色素は、酸性域での安定性に優れている。
本発明の製造方法により得られるクチナシ青色素は、酸性の飲食品等に好ましく使用できる。
本発明に用いられるシルク由来のタンパク質分解物は、タンパク質フィブロインを主成分とする蚕の繭由来の動物繊維の分解物である。該分解物としては、酸、アルカリ、酵素等を用いた加水分解、微生物を用いた発酵法、熱分解、物理的分解等の任意の方法によりシルクを分解したものであれば特に制限はないが、シルクの加水分解物が好ましく用いられる。
本発明に用いられるイリドイド配糖体としては、アカネ科クチナシ(Gardenia augusta MERRIL var. grandiflora HORT.,Gardenia jasminoides ELLIS)の果実から抽出して得られるイリドイド配糖体であれば特に制限されないが、例えばゲニポシドが好ましく用いられる。
上記クチナシの果実からゲニポシドを抽出する方法に制限はなく、例えば、クチナシの乾燥果実を粉砕し、水、アルコール又はアルコール水溶液を用いて抽出する等の公知の方法が用いられる。抽出条件は、例えば50vol%アルコール水溶液を用いる場合、室温(0〜30℃)〜50℃で1〜18時間が好ましく、30〜40℃で2〜4時間がより好ましい。乾燥果実の粉砕物からのゲニポシドの抽出率をより高めるため、抽出操作は通常複数回繰り返される。ゲニポシドを含む抽出液は自体公知の方法により濃縮され、通常、濃縮液として冷蔵或いは冷凍保存される。
この濃縮液は、通常、黄色素成分であるクロシンその他のゲニポシド以外の成分を除去するため、吸着剤処理される。吸着樹脂処理は、例えば、下記の方法により行われる。
初めに、上記濃縮液を適当な濃度に希釈し、吸着樹脂を充填したカラムに希釈液を供給する。吸着樹脂としては、アンバーライトXAD−4、アンバーライトXAD−7(商品名;オルガノ社製)、ダイヤイオンHP−20、HP−21、HP−40(商品名;三菱化学社製)等の多孔性樹脂が挙げられ、アンバーライトXAD−7が好ましく用いられる。
次に、水又は低濃度のアルコール(例えば、エタノール等)と水の混合液をカラムに通液し、その非吸着及び溶出画分を回収することにより、ゲニポシドを含む画分が得られる。この画分は自体公知の方法により濃縮され、通常、濃縮液として冷蔵或いは冷凍保存される。
本発明に用いられるβ−グルコシダーゼは、β−グルコシダーゼ活性を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば、Aspergillus niger、Trichoderma reesei、Trichoderma viride、アーモンド等に由来するものが挙げられる。例えばβ−グルコシダーゼとして、スミチームC6000、スミチームAC、スミチームC、スミチームX、スミチームBGT、スミチームBGA(商品名;新日本化学工業社製)、セルロシンAC40、セルロシンT3、セルロシンAL(商品名;エイチビイアイ社製)、オノズカ3S、Y−NC(商品名;ヤクルト薬品工業社製)、セルラーゼA「アマノ」3、セルラーゼT「アマノ」4(商品名;天野エンザイム社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
β−グルコシダーゼ処理は、クチナシ青色素を生成可能な処理方法であれば特に制限されないが、例えばシルク由来のタンパク質分解物、イリドイド配糖体、及び水を混合して得た水溶液に、β−グルコシダーゼを添加して、撹拌若しくは振盪処理する方法を挙げることができる。
また、上記処理は、温度条件が通常20〜70℃、好ましくは40〜60℃であり、pH条件が通常pH4〜6、好ましくはpH4.5〜5.5であり、反応時間が通常30分〜100時間、好ましくは15〜80時間の範囲内で行うことができる。
また、上記処理におけるpH条件の調整のため、上記水溶液にβ−グルコシダーゼを添加する前に、該水溶液に適量の酸剤(例えば、塩酸等の無機酸又はクエン酸等の有機酸等)を加えることが好ましく行われる。
また、上記処理は好気条件で行うことが好ましく、該好気条件は、例えば撹拌や振盪等の機械的方法のほか、空気等の分子状酸素含有ガスを吹き込むことによって設定することができる。
β−グルコシダーゼの添加方法に特に制限はないが、β−グルコシダーゼをそのまま一度に添加する方法、或いはβ−グルコシダーゼの水溶液を調製し、該水溶液を一度に又は2〜50回に分けて添加する方法が挙げられる。
上記処理の行われる水溶液100質量%中、シルク由来のタンパク質分解物が0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、イリドイド配糖体が1〜20質量%、好ましくは4〜15質量%となるように調整するのが好ましい。β−グルコシダーゼの添加量は、イリドイド配糖体1gに対し、0.01〜1.0gとすることが好ましい。
更に、上記処理の行われる水溶液は、タンパク質分解物のアミノ基量(g/mmol)に基づき、イリドイド配糖体の1.09倍molのアミノ基を含むタンパク質分解物を使用することを目安としてタンパク質分解物の使用量が調整されていることがイリドイド配糖体とタンパク質分解物との反応を十分に進行させるという観点から好ましい。
上記アミノ基量(g/mmol)は、以下の[アミノ基量測定方法]により測定される。
[アミノ基量測定方法]
1)0.1、0.25、0.5、0.75、1.0、1.5mmol/Lのグリシン水溶液を調製する。
2)1.5g/Lのタンパク質分解物水溶液を調製する。
3)1mlのOPA溶液〔オルトフタルアルデヒド40mg、0.1M四ほう酸ナトリウム緩衝液(pH9.3)50mL、2−(ジメチルアミノ)エタンチオール塩酸塩100mg〕と10μLのグリシン水溶液又はタンパク質分解物水溶液とを混合し、2分間静置する。
4)OPA溶液を対照として、液層の長さ1cmで340nmにおける吸光度を測定する。
5)グリシン水溶液から得られる検量線を基に、タンパク質分解物中のアミノ基をグリシン量に換算し、下記式によりアミノ基量(g/mmol)を求める。
アミノ基量(g/mmol)=試料の採取量(g)/換算グリシン量(mmol)
このようにして得られるクチナシ青色素は、水溶液の形態のまま色素製剤として提供することもできるが、該製剤を自体公知の方法により乾燥し、粉末状の色素製剤としても良い。乾燥方法としては、例えば真空凍結乾燥、通風乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、ベルト乾燥、棚乾燥、ドラム乾燥等が挙げられるが、真空凍結乾燥が好ましく行われる。得られる粉末状の色素製剤の乾燥減量は通常5質量%以下、好ましくは1〜3質量%である。
本発明により得られるクチナシ青色素の用途に特に制限はなく、例えば飲食品又は医薬品の着色に用いることができる。着色の対象となる飲食品に特に制限はなく、例えばアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類、乳飲料、乳酸菌飲料、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、スポーツ飲料、粉末飲料、ドリンクゼリー、アルコール飲料、コーヒー飲料、茶飲料等の飲料類、プリン、ゼリー、ヨーグルト等のデザート類、チューインガム、チョコレート、ドロップ、キャンディ、クッキー、せんべい、グミ、ゼリービーンズ等の菓子類、イチゴジャム、ブルーベリージャム等のジャム類、果実フレーバーソース等のソース類、スープ類、漬物類、ドレッシング、たれ等の調味料、ハム、ソーセージ等の畜肉加工品、魚肉ソーセージ、かまぼこ等の水産練り製品等が挙げられる。また、着色の対象となる医薬品に特に限定はなく、例えば解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、交感神経興奮剤、副交感神経遮断剤、中枢興奮薬、H2ブロッカー、制酸剤、消炎酵素剤、抗炎症剤、気管支拡張剤、抗菌剤、鎮咳剤、去痰剤、抗コリン剤、止しゃ剤、催眠鎮静薬、利胆薬、血圧降下剤、骨格筋弛緩薬、乗り物酔い予防・治療薬等、ビタミン類、生薬類等が挙げられる。
本発明により得られるクチナシ青色素は、酸性域での安定性に優れていることから、上記の飲食品の中でも酸性飲食品の着色に好ましく用いられる。ここで、酸性飲食品とは、酸剤を含有し、酸味及び/又は酸臭を有する飲食品であり、そのpHは、通常2.0〜5.0である。酸性飲食品のpH測定方法としては、酸性飲食品が液体又はペースト状の場合はそのままの状態でpHを測定することができ、酸性飲食品が固体の場合は水を加えて10(w/w)%水溶液として測定することができる。pHの測定機器としては、例えばガラス電極法によるpHメーターを用いることができる。
上記酸性飲食品としては、例えば、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類、乳酸菌飲料、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果実飲料、野菜飲料、スポーツ飲料、粉末飲料、ドリンクゼリー、アルコール飲料等の飲料類、ゼリー、ヨーグルト等のデザート類、ドロップ、キャンディ、グミ、ゼリービーンズ等の菓子類、イチゴジャムやブルーベリージャム等のジャム類、果実フレーバーソース等のソース類等、漬物類、ドレッシング等の調味料等が挙げられる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例]
[ゲニポシド濃縮液の調製]
粉砕したクチナシの乾燥果実3600gに40vol%エタノール・水混合液14400mLを加え、室温で3時間撹拌した後吸引ろ過した。抽出残に40vol%エタノール水溶液を6600mL加え、室温で30分間撹拌した後吸引ろ過する工程を2回繰り返し、ろ液として21000mLの抽出液を得た。この抽出液を、ロータリーエバポレーターを用いて60℃、4kPaの条件で濃縮し、ゲニポシドを含む濃縮液約1000mLを得た。
得られた濃縮液に水を加えて2000mLとし、アンバーライトXAD−7(製品名;オルガノ社製)6000mLを充填したカラムに流速SV=0.5で通液した。その後、カラムに流速SV=0.5で48000mLの水を通液し、排出液を回収した。回収した液をロータリーエバポレーターを用いて、60℃、4kPaの条件で濃縮し、ゲニポシドを43.9%含む濃縮液180gを得た。
[実施例]
シルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g、製造例で得たゲニポシド濃縮液10.84g及び水31.97gを混合して得た水溶液を、クエン酸でpH4.5に調整した。得られた水溶液にβ−グルコシダーゼ(商品名:スミチームC6000;新日本化学工業社製)0.29gを添加して、総液量を50.00gに調整した。得られた水溶液を50℃で72時間β−グルコシダーゼ処理した後、90℃で15分間加熱して酵素を失活させ、ろ過により不溶物を除去し、クチナシ青色素(実施例品)40.12gを得た。
[比較例1]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、ジャガイモ由来のタンパク質分解物〔商品名:ポテミック;アミノ基量:0.1082(g/mmol);コスモ食品社製〕1.44g及び水31.30gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例1品)39.26gを得た。
[比較例2]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、トウモロコシ由来のタンパク質分解物〔商品名:プロエキスG2;アミノ基量:0.1179(g/mmol);播州調味料社製〕1.57g及び水31.17gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品2)39.83gを得た。
[比較例3]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、小麦由来のタンパク質分解物〔商品名:プロエキスHVP−G;アミノ基量:0.1254(g/mmol);播州調味料社製〕1.67g及び水31.07gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品3)40.06gを得た。
[比較例4]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、大豆由来のタンパク質分解物〔商品名:プロエキスMF−N;アミノ基量:0.2532(g/mmol);播州調味料社製〕3.38g及び水29.36gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品4)38.96gを得た。
[比較例5]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、トウモロコシ、小麦及び大豆由来のタンパク質分解物〔商品名:プロエキスP;アミノ基量:0.1328(g/mmol);播州調味料社製〕1.77g及び水30.97gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品5)39.59gを得た。
[比較例6]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、小麦由来のタンパク質分解物〔商品名:ニッタージュBP−633;アミノ基量:0.1279(g/mmol);大日本明治製糖社製〕1.71g及び水31.03gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品6)40.20gを得た。
[比較例7]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、魚(あかまつだい、いずみだい等)由来のタンパク質分解物〔商品名:ニッタージュさかなHFP;アミノ基量:0.1419(g/mmol);大日本明治製糖社製〕1.89g及び水30.85gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品7)40.11gを得た。
[比較例8]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、豚皮由来のタンパク質分解物〔商品名:ニッタージュHAP−T;アミノ基量:0.1739(g/mmol);大日本明治製糖社製〕2.32g及び水30.42gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品8)38.76gを得た。
[比較例9]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、小麦由来のタンパク質分解物〔商品名:ニッタージュHVP−200;アミノ基量:0.1875(g/mmol);大日本明治製糖社製〕2.50g及び水30.24gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品9)40.00gを得た。
[比較例10]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、魚(カツオ)由来のタンパク質分解物〔商品名:HFP−L;アミノ基量:0.5042(g/mmol);理研ビタミン社製〕6.73g及び水26.01gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品10)39.22gを得た。
[比較例11]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、小麦由来のタンパク質分解物〔商品名:アミシンGN−3;アミノ基量:0.5939(g/mmol);新進社製〕7.93g及び水24.81gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品11)41.01gを得た。
[比較例12]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、トウモロコシ及び小麦由来のタンパク質分解物〔商品名:アミシン淡口;アミノ基量:0.6974(g/mmol);新進社製〕9.31g及び水23.43gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品12)39.64gを得た。
[比較例13]
実施例1で使用したシルク由来のタンパク質分解物〔商品名:丹後産シルクパウダー100%;アミノ基量:0.0575(g/mmol);リバソン社製〕0.77g及び水31.97gに替えて、大豆由来のタンパク質分解物〔商品名:アミシン濃口;アミノ基量:0.5529(g/mmol);新進社製〕7.38g及び水25.36gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、クチナシ青色素(比較例品13)38.19gを得た。
尚、上記実施例及び比較例1〜13では、タンパク質分解物のアミノ基量(g/mmol)に基づき、ゲニポシドの1.09倍molのアミノ基を含むタンパク質分解物を使用するように、ゲニポシドに対するタンパク質分解物の使用量が調整されている。
ここで、上記実施例及び比較例1〜13で使用したタンパク質分解物の由来を表1に示す。また、これらタンパク質分解物について、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、システイン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、リシン及びアルギニンの含有量の合計を100質量%としたときの各々のアミノ酸の含有率(質量%)(以下、全アミノ酸組成という)を表2及び表3に示す。
Figure 2017063650
Figure 2017063650
Figure 2017063650
表2及び表3の全アミノ酸組成は、下記(1)及び(2)に示す方法により測定した。
(1)前処理
粉末の試料又は任意の方法で乾燥及び粉末化した試料100mg並びに6N−塩酸4mLを加水分解管に入れ封管し、110℃、24時間の加水分解を行う。放冷及び開管後、加水分解管の溶液をビーカーに移して、湯煎で煮沸し塩酸を留去する。これをクエン酸リチウム緩衝液(P−21;日本電子社製)で50.0mLに定容し、ろ紙(NO.131)及びメンブレンフィルター(孔径:0.45μm)の順にろ過したものを分析用検体とする。
(2)全アミノ酸組成の測定
以下の装置、器具、試薬を用い、以下の条件で測定する。
装置:JLC−500/V全自動アミノ酸分析機(日本電子社製)
プレカラム:LCR−7
分析カラム:LCR−6
流速:0.46mL/min
注入量:10μL
カラム温度:32℃→60℃→39℃→45℃→73℃
検出器:吸光度検出器(測定波長:440nm、570nm、690nm)
移動相:クエン酸リチウム緩衝液(P−21、P−12〜P−15;日本電子社製)
反応液:ニンヒドリン試薬(日本電子社製ニンヒドリン試薬キットを用いて調整)
標準アミノ酸溶液:標準アミノ酸混合液ANII型(和光純薬工業社製)、標準アミノ酸混合液B型(和光純薬工業社製)、L−アスパラギン溶液(1.25mM)、L−グルタミン溶液(2.5mM)、L−トリプトファン溶液(2.5mM)を各1mL秤量し、これをクエン酸リチウム緩衝液(P−21;日本電子社製)で25倍希釈した溶液。
尚、上記(1)及び(2)に示す方法において、アスパラギンは、アスパラギン酸として、グルタミンは、グルタミン酸として測定される。
[試験例]
[耐酸性評価試験]
実施例及び比較例1〜13で得たクチナシ青色素(実施例品及び比較例品1〜13)を色価(E10% 1cm)=0.1になるようにpH2.8のMcIlvaine緩衝液に各々溶解し、各50mLの試験液を調製した。該試験液を90℃で15分間加熱殺菌し、30℃で15時間静置した。静置後、メンブレンフィルター(商品名:DISMIC−25CS;孔径:0.8μm;ADVANTEC社製)を用いて該試験液の一部をろ過し、不溶化したクチナシ青色素を除去した。次いで、未ろ過液及びろ過液の極大吸収波長における吸光度を測定した。未ろ過液の極大吸収波長での吸光度をA、ろ過液の極大吸収波長での吸光度をBとし、次式により吸光度低下率(%)を求めた。結果を表4に示す。
吸光度低下率(%)=100−(B/A×100)
Figure 2017063650
表4の結果から明らかなように、本発明の製造方法により得られたクチナシ青色素(実施例品)は、pH2.8の酸性溶液中であっても加熱殺菌による吸光度低下率が最も小さく、耐酸性が最も優れていた。これに対し、比較例の製造方法により得られたクチナシ青色素(比較例品1〜13)では、いずれも本発明のものに比べて吸光度低下率が大きく、本発明のものに比べて耐酸性が劣っていた。

Claims (1)

  1. シルク由来のタンパク質分解物の存在下でイリドイド配糖体をβ−グルコシダーゼ処理する工程を含むクチナシ青色素の製造方法。
JP2015190851A 2015-09-29 2015-09-29 クチナシ青色素の製造方法 Pending JP2017063650A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020213448A1 (ja) 2019-04-16 2020-10-22 グリコ栄養食品株式会社 クチナシ青色素及びその製造方法

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