JP2017062456A - 微細凹凸構造体および接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質があらかじめ決められた領域外に濡れ広がりにくい微細凹凸構造体および接合体を提供する。【解決手段】平均高さが可視光線の波長以下であり、隣接する凸部14間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部14と、複数の凸部14間に形成される凹部16とからなる微細凹凸構造18を、少なくとも1つの表面に有する微細凹凸構造体10であって、前記表面に、凸部14よりも高さが高く、前記表面を複数の領域に分割する堰部22をさらに有する、微細凹凸構造体10。【選択図】図1

Description

本発明は、微細凹凸構造を表面に有する微細凹凸構造体、および微細凹凸構造体と他の部材とが粘着剤を介して接合された接合体に関する。
微細凹凸構造を表面に有する微細凹凸構造体は、連続的な屈折率の変化によって反射防止性能を発現することが知られている。また、微細凹凸構造体は、ロータス効果によって超撥水性能を発現することも知られている。
しかし、微細凹凸構造体においては、微細凹凸構造を有する表面に液状の物質(指紋の油脂、粘着剤等)が付着しやすく、液状の物質が付着した部分で反射防止性能等が大きく損なわれる。
例えば、微細凹凸構造体を素手で取り扱った際には、微細凹凸構造を有する表面に指紋の油脂が付着する。
また、画像表示装置として、画像表示パネルと、微細凹凸構造を表面に有するタッチパネルとを、粘着剤を介して接合したタッチパネル付き画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。画像表示パネルとタッチパネルとを、粘着剤を介して接合する際には、タッチパネルの微細凹凸構造を有する表面に粘着剤が付着する。
画像表示装置には、各パネルの配線等を隠蔽するための遮光部(べゼル等)が画像表示部の周縁に形成されている。画像表示装置の製造時にタッチパネルを取り扱う際には、画像表示部に相当する部分に指紋の油脂が付着しないように、遮光部に相当する部分を把持することになる。また、画像表示パネルとタッチパネルとを、粘着剤を介して接合する際には、画像表示部に相当する部分に粘着剤が付着しないように、遮光部に相当する部分に粘着剤を設けることになる。
特開2013−125317号公報
しかし、微細凹凸構造体においては、微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質に含まれる低分子量成分が数分から数日かけて微細凹凸構造を濡れ広がり、液状の物質が最初に付着した部分よりも広い範囲で反射防止性能等が大きく損なわれることが新たに判明した。
そのため、画像表示装置の製造時にタッチパネルの微細凹凸構造を有する表面に付着した指紋の油脂や粘着剤に含まれる低分子量成分が、遮光部から画像表示部に濡れ広がってしまい、画像表示部における反射防止性能が大きく損なわれる。
本発明は、微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質があらかじめ決められた領域外に濡れ広がりにくい微細凹凸構造体および接合体を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>平均高さが可視光線の波長以下であり、隣接する凸部間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部と、前記複数の凸部間に形成される凹部とからなる微細凹凸構造を、少なくとも1つの表面に有する微細凹凸構造体であって、前記表面に、前記凸部よりも高さが高く、前記表面を複数の領域に分割する堰部をさらに有する微細凹凸構造体。
<2>前記堰部が、前記微細凹凸構造上に形成された塗膜である、前記<1>の微細凹凸構造体。
<3>前記堰部が、樹脂を含み、前記樹脂の融点またはガラス転移温度のいずれか高い方が、50℃以上である、前記<1>または<2>の微細凹凸構造体。
<4>前記堰部が、染料または顔料をさらに含む、前記<3>の微細凹凸構造体。
<5>前記堰部の幅が、10mm以下である、前記<1>〜<4>のいずれかの微細凹凸構造体。
<6>平均高さが可視光線の波長以下であり、隣接する凸部間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部と、前記複数の凸部間に形成される凹部とからなる微細凹凸構造を、少なくとも1つの表面に有する微細凹凸構造体であって、前記表面に、前記表面を複数の領域に分割する幅が0.1mm以上の溝部が形成されている、微細凹凸構造体。
<7>前記溝部の最底部が、前記凹部の最底部と同じ深さにある、または前記凹部の最底部よりも深い、前記<6>の微細凹凸構造体。
<8>前記溝部には、前記凸部が存在しない、前記<6>または<7>の微細凹凸構造体。
<9>前記溝部の幅が、10mm以下である、前記<6>〜<8>のいずれかの微細凹凸構造体。
<10>前記<1>〜<9>のいずれかの微細凹凸構造体と、他の部材と、前記微細凹凸構造体と前記他の部材とを接合する粘着剤とを有し、前記粘着剤が、前記微細凹凸構造体の表面の前記複数の領域のうちの一部の領域に設けられている、接合体。
<11>前記<1>〜<9>のいずれかの微細凹凸構造体と、他の部材と、前記他の部材上に設けられた粘着剤とを有し、前記粘着剤が、前記微細凹凸構造体の表面の前記複数の領域のうちの一部の領域と接触している、接合体。
<12>前記接合体が、画像表示パネルと、保護板と、前記画像表示パネルと前記保護板とを接合する粘着剤とを有する画像表示装置であり、前記画像表示パネルが、前記他の部材であり、前記保護板が、前記微細凹凸構造体である、前記<10>の接合体。
<13>前記接合体が、画像表示パネルと、タッチパネルと、前記画像表示パネルと前記タッチパネルとを接合する粘着剤とを有する画像表示装置であり、前記画像表示パネルが、前記他の部材であり、前記タッチパネルが、前記微細凹凸構造体である、前記<10>の接合体。
本発明の微細凹凸構造体においては、微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質があらかじめ決められた領域外に濡れ広がりにくい。
本発明の接合体においては、微細凹凸構造体と他の部材とを接合する粘着剤があらかじめ決められた領域外に濡れ広がりにくい。
本発明の第1の態様の微細凹凸構造体の一例を示す断面図である。 第1の態様の微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面に液状の物質が付着した様子を示す上面図である。 図2のIII−III断面図である。 第1の態様の微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質が濡れ広がった様子を示す上面図である。 図4のV−V断面図である。 本発明の第2の態様の微細凹凸構造体の一例を示す断面図である。 本発明の第2の態様の微細凹凸構造体の他の例を示す断面図である。 本発明の第2の態様の微細凹凸構造体の他の例を示す断面図である。 第2の態様の微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面に液状の物質が付着した様子を示す上面図である。 第2の態様の微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質が濡れ広がった様子を示す上面図である。 本発明の接合体の一例を示す断面図である。 モールドの作製の工程を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「液状の物質」とは、常温(25℃)において液体の状態にある物質を意味し、組成物等から徐放される成分(例えば、人の指紋中のオレイン酸、粘着剤中の低分子量成分等)等、組成物に含まれている物質も包含する。
「融点」は、JIS K 7121:1987に準じ、示差走査熱量測定(DSC)で求めた融解ピーク温度である。
「ガラス転移温度」は、JIS K 7121:1987に準じ、DSCで求めた中間点ガラス転移温度である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
「活性エネルギー線」は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
図1〜図12における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。また、図2〜図11においては、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
<微細凹凸構造体>
(第1の態様)
本発明の第1の態様の微細凹凸構造体は、少なくとも1つの表面に、複数の凸部および複数の凸部間に形成される凹部とからなる微細凹凸構造と、前記表面を複数の領域に分割するように前記表面に沿って延びる堰部とを有するものである。
図1は、本発明の第1の態様の微細凹凸構造体の一例を示す断面図である。
微細凹凸構造体10は、基材12と;基材12の表面に形成された、複数の凸部14および複数の凸部14間に形成される凹部16とからなるからなる微細凹凸構造18を表面に有する硬化樹脂層20と;硬化樹脂層20の微細凹凸構造18の上に形成された、硬化樹脂層20の表面を領域Iおよび領域IIに分割するように硬化樹脂層20の表面に沿って延びる堰部22とを有する。
(基材)
基材の材料としては、アクリル系樹脂(メチルメタクリレート(共)重合体等)、ポリカーボネート、スチレン系樹脂(スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等)、セルロース系樹脂(セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等)、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等)、脂環式ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル等)、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ガラス等が挙げられる。
基材の材料としては、微細凹凸構造体の用途の点から、光を透過する材料が好ましい。
基材の形態としては、フィルム、シート、板、任意形状の成形品等が挙げられ、微細凹凸構造体の生産性、取扱性の点から、フィルムまたはシートが好ましい。
基材は、射出成形法、押出成形法、キャスト成形法等の公知の製造方法によって製造できる。
基材の表面には、密着性、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性等の特性の改良を目的として、コーティング処理、コロナ処理等が施されていてもよい。
(硬化樹脂層)
硬化樹脂層は、後述の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなる膜であり、複数の凸部および複数の凸部間に形成される凹部とからなる微細凹凸構造を表面に有する。
複数の凸部が並んだ微細凹凸構造(いわゆるモスアイ構造)は、空気の屈折率から材料の屈折率に連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
硬化樹脂層の微細凹凸構造としては、微細凹凸構造体の反射防止性能等がさらに優れる点、および低コストで大面積の微細凹凸構造体を製造しやすい点から、陽極酸化ポーラスアルミナの複数の細孔を転写して形成された複数の凸部からなる微細凹凸構造が好ましい。
隣接する凸部間の平均間隔は、可視光線の波長以下、すなわち400nm以下であり、380nm以下が好ましい。隣接する凸部間の平均間隔が可視光線の波長以下であれば、良好な反射防止性能を発現する。隣接する凸部間の平均間隔が380nm以下であれば、可視光線の散乱を十分に抑制できる。
陽極酸化ポーラスアルミナの複数の細孔を転写して凸部を形成する場合、細孔間隔を大きくするには電圧を高くする必要があり、陽極酸化ポーラスアルミナを工業的に製造しづらくなることから、隣接する凸部間の平均間隔は、200nm以下が特に好ましい。
隣接する凸部間の平均間隔は、凸部を形成しやすい点から、20nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましい。
隣接する凸部間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって、隣接する凸部間の間隔P(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を無作為に10点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部の平均高さは、可視光線の波長以下、すなわち400nm以下であり、350nm以下が好ましい。凸部の平均高さが可視光線の波長以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好になる。また、凸部を形成しやすい。
凸部の平均高さは、60nm以上が好ましく、90nm以上がより好ましい。凸部の平均高さが60nm以上であれば、最低反射率や特定波長の反射率の上昇を抑制でき、十分な反射防止性能が得られる。
凸部の平均高さは、電子顕微鏡観察によって、凸部の最頂部と、これに隣接する凹部の最底部との間の垂直距離Hを無作為に10点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部のアスペクト比(凸部の平均高さ/凸部間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0がさらに好ましい。凸部のアスペクト比が0.8以上であれば、微細凹凸構造体の反射防止性能がさらに優れる。凸部のアスペクト比が5.0以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。また、凸部を形成しやすい。
凸部の形状としては、円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、円柱形状等が挙げられる。空気から微細凹凸構造を形成する材料表面まで連続的に屈折率を増大させて低反射率と低波長依存性を両立させた反射防止性能を発現させるためには、円錐形状、角錐形状、釣鐘形状等のように、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が最頂部から深さ方向に連続的に増加する形状が好ましい。
凸部は、微細な複数の凸部が合一して1つの凸部となったものであってもよい。
(微細凹凸構造の形成方法)
微細凹凸構造は、例えば、下記の方法等によって形成できる。
(方法1)微細凹凸構造の反転構造を表面に有するモールドを用いて射出成形またはプレス成形を行い、基材の表面に直接微細凹凸構造を形成する方法。
(方法2)微細凹凸構造の反転構造を有するモールドと、基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を挟持した状態にて、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて硬化樹脂層を形成した後、硬化樹脂層とモールドとを分離する方法。
(方法3)微細凹凸構造の反転構造を有するモールドと、基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を挟持し、活性エネルギー線硬化性組成物にモールドの微細凹凸構造を転写してからモールドを分離した後、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて硬化樹脂層を形成する方法。
微細凹凸構造の形成方法としては、微細凹凸構造の転写性、表面組成の自由度の点から、方法2または方法3が好ましく、方法2が特に好ましい。
モールドとしては、例えば、下記のモールド等が挙げられる。
・リソグラフィ法によって表面に微細凹凸構造の反転構造を設けたモールド。
・レーザー加工によって表面に微細凹凸構造の反転構造を設けたモールド。
・複数の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールド。
・微細凹凸構造を有するマザーモールドから電鋳法等で複製されたレプリカモールド。
リソグラフィ法としては、電子ビームリソグラフィ法、レーザ干渉リソグラフィ法等が挙げられる。リソグラフィ法によるモールドの製造方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・基板の表面にフォトレジスト膜を塗布し、紫外線レーザ、電子線、X線等で露光し、現像することによってレジストパターンからなる微細凹凸構造を表面に有するモールドを得る方法。
・前記レジストパターンを介して基板をドライエッチング等によって選択的にエッチングし、レジストパターンを除去して、微細凹凸構造が基板の表面に直接形成されたモールドを得る方法。
陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドの製造方法としては、例えば、アルミニウムをシュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧にて陽極酸化する方法が挙げられる。この方法によれば、高純度アルミニウムを定電圧で長時間陽極酸化した後、酸化皮膜の全部または一部を一旦除去し、再び陽極酸化することによって、非常に高規則性の細孔が自己組織化的に形成された陽極酸化ポーラスアルミナを形成できる。さらに、2回目に陽極酸化する工程で陽極酸化処理と孔径拡大処理を組み合わせることによって、断面が矩形でなく三角形や釣鐘型である細孔も形成可能となる。また、陽極酸化処理および孔径拡大処理の時間、回数、条件等を適宜調節することによって、細孔最奥部の角度を鋭くすることも可能である。
モールドとしては、低コストで大面積のモールドを製造しやすい点から、陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドが好ましい。
陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドの具体的な製造方法については、例えば、特許文献1等に記載されている。
モールドの形状としては、例えば、平板状、ベルト状、ロール状等が挙げられる。モールドの形状としては、連続的に微細凹凸構造を転写でき、生産性をより高めることができる点から、ベルト状またはロール状が好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射することで重合反応が進行し、硬化する組成物である。
活性エネルギー線硬化性組成物は、重合性化合物と、重合開始剤と、必要に応じて他の添加剤とを含む。
重合性化合物としては、例えば、分子中にラジカル重合性結合およびカチオン重合性結合のいずれか一方または両方を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等を有する単官能モノマーや多官能モノマーが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリレート、その誘導体等が挙げられる。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられる。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
重合開始剤としては、公知の光重合開始剤、電子線重合開始剤、熱重合開始剤等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて非反応性のポリマーを含んでいてもよい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて酸化防止剤、離型剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤、着色剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤等の他の添加剤を含んでいてもよい。
微細凹凸構造の表面に、撥水性(具体的には水の接触角が90°以上であること)が求められる場合には、疎水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
微細凹凸構造の表面に、親水性(具体的には水の接触角が25°以下であること)が求められる場合には、親水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性組成物として、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート、2官能以上の親水性(メタ)アクリレート、必要に応じて単官能モノマーを含む組成物を用いることが好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物の具体的な組成等については、例えば、特許文献1等に記載されている。
活性エネルギー線硬化性組成物としては、硬化したときに基材との屈折率差が小さくなるようなものが好ましい。具体的には、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物、すなわち硬化樹脂層と基材との屈折率差が0.3以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。屈折率差が小さいほど、硬化樹脂層と基材との界面における光の反射が小さくなり、反射防止性能がさらに優れる微細凹凸構造体が得られる。
モールドと基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を挟持する方法としては、モールドと基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を配置した状態でモールドと基材とを押圧することによって、モールドの微細凹凸構造に活性エネルギー線硬化性組成物を注入する方法等が挙げられる。
陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドを備えた装置、および該装置および活性エネルギー線硬化性組成物を用いた微細凹凸構造の具体的な形成方法については、例えば、特許文献1等に記載されている。
(堰部)
堰部は、微細凹凸構造体の少なくとも1つの表面を複数の領域に分割するように前記表面に沿って延びる。
堰部で分割される図示例の領域Iおよび領域IIは、例えば、それぞれ低反射領域および汚染許容領域である。
汚染許容領域は、粘着剤を塗布する領域であり、または、接合体の製造の際に手で触れざるを得ない領域である。汚染許容領域は、最終製品の状態で製品使用者が目視できない領域である。具体的には、画像表示装置の画像表示部の周縁の遮光部(ベゼル)によって覆われる部分等である。
低反射領域は、最終製品の状態で製品使用者が視認できる領域である。具体的には、画像表示装置の画像表示部等である。低反射領域に汚染許容領域からの液状の物質が濡れ広がると、反射防止性能が損なわれ、最終製品の外観が損なわれる。
堰部は、あらかじめ決められた領域(汚染許容領域)からこれに隣接する領域(低反射領域)に濡れ広がろうとする液状の物質の侵入経路を遮るように設ければよい。すなわち、汚染許容領域と低反射領域との境界の少なくとも一部に設ければよく、低反射領域を完全に囲むように設ける必要はない。
また、領域の境界(堰部の位置)は、最終製品の形態に応じて任意に設定すればよい。例えば、画像表示装置の場合、汚染許容領域と低反射領域の境界は、画像表示装置の画像表示部の周縁の遮光部(ベゼル等)によって覆われる部分に設定される。
堰部の高さは、全体にわたって凸部の高さよりも高い。堰部の高さが凸部の高さよりも高ければ、あらかじめ決められた領域外に濡れ広がろうとする液状の物質の塗れ拡がりを遮ることができる。堰部の高さは、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。
堰部の高さは、堰部を形成しやすい点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、25μm以下がさらに好ましい。
堰部の高さは、堰部の最頂部と、堰部が形成された部分の凹部の最底部との間の垂直距離hである。
堰部の幅は、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、3mm以下がさらに好ましい。堰部の幅が10mm以下であれば、堰部自体があまり邪魔にならない。また、堰部を形成しやすい。
堰部の幅は、あらかじめ決められた領域外に濡れ広がろうとする液状の物質の塗れ拡がりを十分に遮ることができる点、および堰部を形成しやすい点から、0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましい。
堰部は、堰部を形成しやすい点および堰部の形状を維持しやすい点から、樹脂を含むことが好ましい。樹脂としては、アクリル系樹脂(メチルメタクリレート(共)重合体等)、ポリカーボネート、スチレン系樹脂(スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等)、セルロース系樹脂(セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等)、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等)、脂環式ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル等)、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン等が挙げられる。樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
堰部に含まれる樹脂の融点は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。堰部に含まれる樹脂の融点が50℃以上であれば、堰部から樹脂自体が濡れ広がることが抑えられる。なお、非結晶性のポリマー材料を用いて堰部を構成する場合、このような材料には明確な融点が存在しない。この場合、堰部に含まれる樹脂のガラス転移温度は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。堰部に含まれる樹脂のガラス転移温度が50℃以上であれば、堰部から樹脂自体が濡れ広がることが抑えられる。なお、ガラス転移温度と融点との双方を有する材料から堰部を構成する場合、融点またはガラス転移温度のいずれか高い方が、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。
堰部は、堰部が着色されることによって領域の境界を視認しやすくなる点から、染料または顔料をさらに含むことが好ましい。染料としては、天然染料、合成染料、蛍光染料等が挙げられ、具体的にはアニオン性アゾ染料、アゾ系金属錯塩等が挙げられる。顔料としては、無機顔料、有機顔料等が挙げられ、具体的には酸化チタン、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
堰部に含まれるすべての成分は、融点またはガラス転移温度のいずれか高い方が50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。堰部に含まれるすべての成分が、融点またはガラス転移温度のいずれか高い方が50℃以上であれば、堰部の形状を維持しやすく、かつ堰部から成分が濡れ広がることが抑えられる。
堰部は、(α)図示例のように硬化樹脂層の微細凹凸構造の上に別途形成されたものであってもよく;(β)硬化樹脂層または基材の一部を堰部の形状に成形したものであってもよい。
堰部としては、(β)の堰部の場合は、堰部を形成するために専用のモールドが必要となり、堰部のパターンを変更しにくく、汎用性が低い点、および(α)の堰部の場合は、任意のパターンの堰部を容易に形成でき、汎用性が高い点から、(α)の堰部が好ましい。
(α)の堰部としては、任意のパターンの堰部を容易に形成できる点から、微細凹凸構造上に形成された塗膜が好ましい。
塗膜からなる堰部は、例えば、公知の描画手段を用いて硬化樹脂層の微細凹凸構造の上に堰部形成組成物からなる任意のパターンを形成し、堰部形成組成物を固化または硬化することによって形成される。この際、塗膜からなる堰部は、堰部形成組成物の固化物または硬化物が硬化樹脂層の微細凹凸構造の凹部に充填され、かつ微細凹凸構造の凸部よりも高く盛り上げられることによって、硬化樹脂層の微細凹凸構造の表面に隙間なく、かつ凸部よりも高く形成される。
堰部形成組成物は、樹脂と、必要に応じて染料または顔料と、必要に応じて他の添加剤等とを、溶媒に溶解または分散させたものである。なお、堰部形成組成物は、任意のパターン形成後に気化・蒸発する材料を含んでいても構わない。堰部形成組成物としては、市販の油性ペンの油性インク、市販のプリンタ用のインク、公知の紫外線硬化型インク、公知の電子線硬化型インク等が挙げられる。
描画手段としては、油性ペン、スタンパ、プリンタ等が挙げられる。
(用途)
本発明の微細凹凸構造体の用途としては、透明保護部材(計器類のカバー、照明の前面板、額縁の前面板)、透明ケース(美術品のケース、商品のショーケース)、光学部材(眼鏡、鏡、光学レンズ等)、輸送機器(自動車、電車、船舶等)の窓、建築部材(窓、壁、屋根等)、画像表示装置(液晶表示装置、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置等)を構成する部材(画像表示パネル、タッチパネル等)が挙げられる。
(他の形態)
本発明の第1の態様の微細凹凸構造体は、少なくとも1つの最表面に、複数の凸部および複数の凸部間に形成される凹部とからなる特定の微細凹凸構造と、前記表面を複数の領域に分割するように前記表面に沿って延びる特定の堰部とを有するものであればよく、図示例のものに限定はされない。
例えば、第1の態様の微細凹凸構造体は、硬化樹脂層のみからなるものであってもよく、微細凹凸構造が基材の表面に直接形成されたものであってもよい。ただし、効率よく微細凹凸構造を形成できる点から、図示例のように微細凹凸構造が硬化樹脂層に形成されたものが好ましい。
第1の態様の微細凹凸構造体は、基材と硬化樹脂層との間に、基材および硬化樹脂層以外の他の層を有していてもよく;基材の裏面側に、基材および硬化樹脂層以外の他の層や他の部材を有していてもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明の第1の態様の微細凹凸構造体にあっては、特定の微細凹凸構造を有する表面を複数の領域に分割するように前記表面に沿って延びる堰部を有し、かつ堰部が全体にわたって凸部よりも高くされているため、微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質があらかじめ決められた領域外に濡れ広がりにくい。この理由は、以下のとおりである。
図1に示す本発明の第1の態様の微細凹凸構造体10は、平均高さが可視光線の波長以下であり、隣接する凸部14間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部14と、複数の凸部14間に形成される凹部16とからなる微細凹凸構造18を有する。この微細凹凸構造18においては、図2および図3に示すように微細凹凸構造18を有する表面の領域IIに付着した液状の物質30に含まれる低分子量成分32は、図4および図5に示すように微細凹凸構造18を伝って濡れ広がりやすい。本発明の第1の態様の微細凹凸構造体10においては、領域Iと領域IIとの境界に設けられた、凸部14よりも高い堰部22によって、濡れ広がろうとしている液状の物質30の低分子量成分32が遮られるため、微細凹凸構造18を有する表面に付着した液状の物質30の低分子量成分32が領域IIの外に濡れ広がりにくい。
ここで、液状の物質としては、指紋等に含まれる油脂(オレイン酸、ミリスチン酸、スクアレン、コレステロール等の遊離脂肪酸)、粘着剤やシリコンオイル等に含まれる低分子量成分(低分子シロキサン等)等が挙げられる。
(第2の態様)
本発明の第2の態様の微細凹凸構造体は、少なくとも1つの表面に、複数の凸部および複数の凸部間に形成される凹部とからなる微細凹凸構造を有し、前記表面に、前記表面を複数の領域に分割する溝部が面方向に延びるように形成されたものである。
図6は、本発明の第2の態様の微細凹凸構造体の一例を示す断面図である。
微細凹凸構造体10は、基材12と;基材12の表面に形成された、複数の凸部14および複数の凸部14間に形成される凹部16とからなるからなる微細凹凸構造18を表面に有する硬化樹脂層20とを有する。
微細凹凸構造体10の微細凹凸構造18側の表面には、硬化樹脂層20の表面を領域Iおよび領域IIに分割するように硬化樹脂層20を分断する溝部24が形成されている。
図6の第2の態様の微細凹凸構造体は、堰部22を溝部24に置き換えた以外は、図1の第1の態様の微細凹凸構造体と同じ構成を有する。
以下、第1の態様と同じ構成のものについては、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
(溝部)
溝部は、微細凹凸構造体の少なくとも1つの表面を複数の領域に分割するように面方向に延びる。
溝部で分割される図示例の領域Iおよび領域IIは、例えば、それぞれ低反射領域および汚染許容領域である。低反射領域および汚染許容領域は、第1の態様における低反射領域および汚染許容領域と同様である。
溝部は、あらかじめ決められた領域(汚染許容領域)からこれに隣接する領域(低反射領域)に濡れ広がろうとする液状の物質の侵入経路を遮るように設ければよい。すなわち、汚染許容領域と低反射領域との境界の少なくとも一部に設ければよく、低反射領域を完全に囲むように設ける必要はない。
また、領域の境界(溝部の位置)は、最終製品の形態に応じて任意に設定すればよい。例えば、画像表示装置の場合、汚染許容領域と低反射領域の境界は、画像表示装置の画像表示部の周縁の遮光部(ベゼル等)によって覆われる部分に設定される。
溝部の最底部は、全体にわたって微細凹凸構造の凹部の最底部と同じ深さにある、または凹部の最底部よりも深いことが好ましい。したがって、溝部24は、図6に示すように、硬化樹脂層20を取り除くことによって形成されたものであってもよく、図7に示すように、硬化樹脂層20および基材12の一部を取り除くことによって形成されたものであってもよく、図8に示すように、凸部14のみを取り除くことによって形成されたものであってもよい。溝部の最底部が凹部の最底部と同じ深さにある、または凹部の最底部よりも深ければ、あらかじめ決められた領域外に濡れ広がろうとする液状の物質の塗れ拡がりを十分に遮ることができる。
溝部の深さは、0μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。
溝部の深さは、溝部の最底部と、溝部が形成された近傍の凹部の最底部との間の垂直距離hである。
溝部に、隣接する凸部間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部が形成されていると、溝部内の凸部に沿って液状の物質が塗れ拡がってしまう可能性がある。そのため、溝部には、凸部が存在しないことが好ましい。
溝部の幅は、0.1mm以上であり、0.3mm以上が好ましい。溝部の幅は、1mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。
溝部の幅が0.1mm以上であれば、あらかじめ決められた領域外に濡れ広がろうとする液状の物質の塗れ拡がりを遮ることができる。また、溝部を形成しやすい。溝部の幅が1mm以下であれば、溝部自体があまり邪魔にならない。また、溝部を形成しやすい。
溝部は、溝部のない微細凹凸構造体を製造した後、任意の位置の硬化樹脂層を削り取る方法、硬化樹脂層を圧縮する方法、硬化樹脂層を加熱する方法により形成することができる。溝部の形成しやすさの点から、カッター等で硬化樹脂層を削り取る方法が好ましい。溝部形成用のカッターとしては、一般の文具用カッターまたは工作用カッターを使用することができる。カッターの種類としては、例えば、PカッターS型(オルファ社製、刃厚:0.55mm)、PカッターL型(オルファ社製、刃厚:0.6mm)、作業用デザインナイフ(NTカッター社製、刃厚:0.3mm)等が挙げられる。
(用途)
本発明の第2の態様の微細凹凸構造体の用途としては、本発明の第1の態様の微細凹凸構造体と同様の用途が挙げられる。
(他の形態)
本発明の第2の態様の微細凹凸構造体は、少なくとも1つの最表面に、複数の凸部および複数の凸部間に形成される凹部とからなる特定の微細凹凸構造を有し、前記表面に、前記表面を複数の領域に分割する幅が0.1mm以上の溝部が形成されているものであればよく、図示例のものに限定はされない。
例えば、第2の態様の微細凹凸構造体は、硬化樹脂層のみからなるものであってもよく、微細凹凸構造が基材の表面に直接形成されたものであってもよい。ただし、効率よく微細凹凸構造を形成できる点から、図示例のように微細凹凸構造が硬化樹脂層に形成されたものが好ましい。
第2の態様の微細凹凸構造体は、基材と硬化樹脂層との間に、基材および硬化樹脂層以外の他の層を有していてもよく;基材の裏面側に、基材および硬化樹脂層以外の他の層や他の部材を有していてもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明の第2の態様の微細凹凸構造体にあっては、特定の微細凹凸構造を有する表面を複数の領域に分割するように面方向に沿って延びる幅が0.1mm以上の溝部が形成されているため、微細凹凸構造を有する表面に付着した液状の物質があらかじめ決められた領域外に濡れ広がりにくい。この理由は、以下のとおりである。
図6〜8に示す本発明の第2の態様の微細凹凸構造体10は、平均高さが可視光線の波長以下であり、隣接する凸部14間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部14と、複数の凸部14間に形成される凹部16とからなる微細凹凸構造18を有する。この微細凹凸構造18においては、図9に示すように微細凹凸構造18を有する表面の領域IIに付着した液状の物質30に含まれる低分子量成分32は、図10に示すように微細凹凸構造18を伝って濡れ広がりやすい。本発明の第2の態様の微細凹凸構造体10においては、領域Iと領域IIとの境界に形成された、幅が0.1mm以上の溝部24によって、濡れ広がろうとしている液状の物質30の低分子量成分32が遮られるため、微細凹凸構造18を有する表面に付着した液状の物質30の低分子量成分32が領域IIの外に濡れ広がりにくい。
ここで、液状の物質としては、第1の態様で例示されたものと同様のものが挙げられる。
<接合体>
本発明の接合体は、本発明の微細凹凸構造体と、他の部材と、微細凹凸構造体と他の部材とを接合する粘着剤とを有する。
(微細凹凸構造体)
接合体が画像表示装置である場合、微細凹凸構造体としては、保護板、タッチパネル、画像表示パネル等が挙げられ、保護板またはタッチパネルと空気との界面における液晶表示パネルからの光(画像)の反射を防止して画像表示装置の視認性を向上させる点から、保護板またはタッチパネルが好ましい。
(他の部材)
他の部材は、微細凹凸構造を表面に有しない部材であってもよく、微細凹凸構造を表面に有する微細凹凸構造体であってもよい。微細凹凸構造体である場合、前記堰部を有するまたは前記溝部が形成された本発明の微細凹凸構造体であることが好ましい。
接合体が画像表示装置であり、かつ他の部材が微細凹凸構造を表面に有しない部材である場合、他の部材としては、保護板、タッチパネル、画像表示パネル等が挙げられ、液晶表示パネルと空気との界面における光の反射が画像表示装置の視認性にあまり影響を与えない点から、画像表示パネルが好ましい。
(粘着剤)
粘着剤は、本発明の微細凹凸構造体の表面の複数の領域のうちの一部の領域に設けられており、他の領域には設けられていない。
粘着剤が設けられる領域としては、例えば、上述した領域II(汚染許容領域)が挙げられ、粘着剤が設けられない領域としては、例えば、上述した領域I(低反射領域)が挙げられる。
粘着剤としては、市販の粘着剤が挙げられる。
粘着剤としては、シリコーン系粘着剤、シリル化ウレタン樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、塩素化ポリオレフィン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シアノアクリレート系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリイミド系粘着剤、フェノール系粘着剤等が挙げられる。
粘着剤としては、電気絶縁性、耐熱性、耐寒性の点から、オルガノポリシロキサンを含むシリコーン系粘着剤が好ましく、ジメチルポリシロキサンを含むシリコーン系粘着剤がより好ましい。
粘着剤の形態としては、液状に限定されず、ホットメルト粘着剤、両面粘着テープ等であってもよい。
(接合体の実施形態例)
図11は、本発明の接合体である画像表示装置の一例を示す断面図である。
画像表示装置1は、画像表示装置本体としての液晶表示パネル40(他の部材)と;液晶表示パネル40の画像が表示される側に隙間を介して対向配置されたタッチパネル11(微細凹凸構造体)と;液晶表示パネル40とタッチパネル11と接合する接合用部材34(接着剤)と;液晶表示パネル40の、タッチパネル11が配置された側とは反対側に配置されたバックライト80とを有する。
液晶表示パネル40とタッチパネル11とは、タッチパネル11の低反射フィルム70が、隙間を介して液晶表示パネル40に対向するように接合される。
低反射フィルム70をタッチパネル11の液晶表示パネル40に対向する表面に設けることによって、タッチパネル11と空気との界面における液晶表示パネル40からの光(画像)の反射を防止して画像表示装置1の視認性を向上させる。
(液晶表示パネル)
液晶表示パネル40は、カラーフィルタ(図示略)、透明電極(図示略)、配向膜(図示略)等が形成された第1のガラス基板41と;透明電極(図示略)、配向膜(図示略)等が形成された第2のガラス基板42と;第1のガラス基板41と第2のガラス基板42とに挟まれた液晶層43と;液晶層43とは反対側の第1のガラス基板41の表面に接着剤層(図示略)を介して貼り合わされた第1の偏光フィルム44と;液晶層43とは反対側の第2のガラス基板42の表面に接着剤層(図示略)を介して貼り合わされた第2の偏光フィルム45とを有する。
接着剤層の接着剤としては、光学用途に用いられる公知の透明接着剤、透明粘着剤等が挙げられる。
(タッチパネル)
タッチパネル11は、入力面Sに接近または接触した導電体(指、金属等)の位置を静電容量の変化として検出する静電容量方式のタッチパネルである。
タッチパネル11は、入力面Sを有するカバーガラス50と;カバーガラス50を挟んで入力面Sの反対側に、接着剤層54を介して貼り合わされた電極基板60と;電極基板60の透明電極に電気的に接続し、入力面Sに導電体が接近または接触した際の静電容量の変化を検出する検出部(図示略)と;電極基板60の表面に接着剤層56を介して貼り合わされた低反射フィルム70とを有する。
電極基板:
電極基板60は、基板本体62と;基板本体62の一方の表面に形成された、第1の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第1の透明電極64と;基板本体62の他方の表面に形成された、第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第2の透明電極66とを有する。
基板本体62は、透明な板、フィルム、シート等からなる。基板本体62の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
第1の透明電極64および第2の透明電極66は、光を透過でき、かつ導電性を有する薄膜である。
第1の透明電極64および第2の透明電極66としては、導電性金属酸化物薄膜等が挙げられる。導電性金属酸化物としては、スズがドープされた酸化インジウム(以下、ITOと記す。)等が挙げられる。
検出部:
検出部は、例えば、透明電極に所定の電圧を印加しつつ、入力面に導電体が接近または接触した際の導電体と電極との間の静電容量の変化を検出し、いずれの箇所に導電体が接近または接触したかを検出するものである。
低反射フィルム:
低反射フィルム70は、基材12と;基材12の表面に形成された、複数の凸部14および複数の凸部14間に形成される凹部16とからなるからなる微細凹凸構造18を表面に有する硬化樹脂層20と;硬化樹脂層20の微細凹凸構造18の上に形成された、硬化樹脂層20の表面を領域Iおよび領域IIに分割するように硬化樹脂層20の表面に沿って枠状に延びる堰部22とを有する。
領域Iは、低反射領域、すなわち画像表示装置1の画像表示部である。
領域IIは、汚染許容領域、すなわち画像表示装置1の画像表示部の周縁の遮光部(ベゼル)(図示略)によって覆われる部分である。
堰部22は、画像表示装置1の遮光部によって覆われる部分に設けられる。
接着剤層:
接着剤層54、接着剤層56の接着剤としては、光学用途に用いられる公知の透明接着剤、透明粘着剤等が挙げられる。
(接合用部材)
接合用部材34は、液晶表示パネル40の第1の偏光フィルム44側と、タッチパネル11の低反射フィルム70側とを接合するものである。
接合用部材34は、タッチパネル11の微細凹凸構造18を有する表面の複数の領域のうちの領域II(汚染許容領域)に枠状に設けられており、領域I(低反射領域)には設けられていない。
接合用部材34は、粘着剤のみからなるものであってもよく、テープ基材の両面に粘着剤が配置された両面粘着テープであってもよい。
(他の形態)
本発明の接合体は、本発明の微細凹凸構造体と、他の部材と、微細凹凸構造体と他の部材とを接合する粘着剤とを有し、粘着剤が、微細凹凸構造体の表面の複数の領域のうちの一部の領域に設けられているものであればよく、図示例のものに限定はされない。
例えば、画像表示装置としては、タッチパネルの代わりに保護板を設けたものであってもよい。
画像表示パネルは、液晶表示パネルに限定はされず、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル、CRT等であってもよい。
タッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルに限定されず、抵抗膜方式のタッチパネル等であってもよい。
微細凹凸構造は、タッチパネルの表面のみに形成することに限定されず、画像表示パネルの表面に形成してもよく、タッチパネルの表面および画像表示パネルの表面の両方に形成してもよい。
また、接合体は、画像表示装置に限定されず、本発明の微細凹凸構造体が設けられた計器類、照明、額縁、各種ケース、眼鏡、鏡、光学機器、窓、建築部材等であってもよい。
さらに、本発明の接合体は、微細凹凸構造体と、他の部材とが直接粘着剤によって接合されているものに限定されない。例えば、他の部材同士を接着固定する粘着剤や他の部材の表面の一部を保護するために設けられた粘着剤に、微細凹凸構造体が接触している場合であっても、粘着剤に含まれる成分の一部が微細凹凸構造体の表面に濡れ広がってしまう場合がある。このような場合においても、粘着剤と接触する部分と、他の部分とを分割するように堰部または溝部を設けることで、粘着剤に含まれる一部の成分が所定の領域外に濡れ広がることを抑制することができる。
(作用機序)
以上説明した本発明の接合体にあっては、微細凹凸構造体の表面に、微細凹凸構造を有する表面を複数の領域に分割するように前記表面に沿って延びる堰部を有するまたは溝部が形成され、かつ粘着剤が、複数の領域のうちの一部の領域に設けられているため、微細凹凸構造体と他の部材とを接合する粘着剤があらかじめ決められた領域外に濡れ広がりにくい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(モールドの細孔の平均間隔および平均深さ)
陽極酸化ポーラスアルミナからなるモールドの一部の縦断面に白金を1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて加速電圧3.00kVで観察し、隣接する細孔間の間隔および細孔の深さを測定した。それぞれ10点ずつ測定し、その平均値を測定値とした。
(微細凹凸構造体の凸部の平均間隔および平均高さ)
微細凹凸構造体の縦断面に白金を10分間蒸着し、モールドの場合と同じ装置および条件にて、隣接する凸部間の間隔および凸部の高さを測定した。それぞれ10点ずつ測定し、その平均値を測定値とした。
(オレイン酸の領域II外への塗れ拡がり)
微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面の領域IIに、1滴のオレイン酸を滴下した。2時間後、蛍光灯(1000ルクス)の下で観察し、領域IIから領域Iへのオレイン酸の塗れ拡がりの有無を目視で確認した。
(モールドの作製)
図12に示す工程にしたがい、モールドを以下のように作製した。
まず、純度99.99%のアルミニウム板100を、羽布研磨し、さらに過塩素酸/エタノール混合溶液(1/4体積比)中で電解研磨し鏡面化した。
工程(a):
鏡面化したアルミニウム板100について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30分間陽極酸化を行い、細孔101を有する酸化皮膜102を形成した。
工程(b):
酸化皮膜102を形成したアルミニウム板100を、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜102を除去し、細孔101に対応する周期的な窪み103を露出させた。
工程(c):
窪み103を露出させたアルミニウム板100について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒陽極酸化を行い、細孔105を有する酸化皮膜104を形成した。
工程(d):
酸化皮膜104を形成したアルミニウム板100を、32℃の5質量%リン酸に8分間浸漬して、細孔105の径拡大処理を行った。
工程(e):
径拡大処理を行ったアルミニウム板100について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒陽極酸化を行い、細孔105の下方に小径の細孔が延びる酸化皮膜104を形成した。
工程(f):
工程(d)および工程(e)を合計で4回繰り返し、最後に工程(d)を行い、平均間隔100nm、平均深さ180nmの略円錐形状の細孔105を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナを脱イオン水で洗浄し、表面の水分をエアーブローで除去し、表面防汚コーティング剤(ダイキン工業社製、オプツール(登録商標)DSX)を固形分0.1質量%になるように希釈剤(ハーベス社製、HD−ZV)で希釈した溶液に10分間浸漬し、20時間風乾してモールド106を得た。
(活性エネルギー線硬化性組成物の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物の20質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物の19質量部、ポリエチレングリコールジアクリレートの40質量部、およびジメチルアクリルアミドの20質量部を混合し、さらに第1の光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア(登録商標)184)の1質量部、第2の光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア(登録商標)819)の0.5質量部、および内部離型剤(日光ケミカルズ社製、TDP−2)の0.1質量部を加えて混合し、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
(実施例1)
モールドの細孔が形成された表面に活性エネルギー線硬化性組成物を流し込み、その上に基材として厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A4300)を押し広げながら被覆した。フィルム側からフュージョンUV照射装置を用いて1000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化した。フィルムからモールドを剥離して、微細凹凸構造体を得た。
微細凹凸構造体の表面には、モールドの細孔が転写されており、図1に示すような、隣接する凸部の平均間隔が100nm、凸部の平均高さが180nmである略円錐形状の複数の凸部と、凸部間の凹部とからなる微細凹凸構造が形成されていた。
アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、アクリペット(登録商標)、ガラス転移温度:100℃)を10質量%となるようアセトンに溶解させ、堰部形成組成物を得た。
微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面に、堰部形成組成物を用いて直線を引き、堰部形成組成物の塗膜(厚さ:およそ15μm)からなる堰部を形成し、前記表面を堰部によって領域Iと領域IIとに分割した。オレイン酸の領域II外への塗れ拡がりについて評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして微細凹凸構造体を得た。
堰部を形成することなく、領域IIに相当する領域に、1滴のオレイン酸を滴下した。2時間後、領域IIに相当する領域から領域Iに相当する領域へのオレイン酸の塗れ拡がりの有無を目視で確認した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして微細凹凸構造体を得た。
ポリエチレングリコール(和光純薬工業社製、PEG−600、融点:20℃)を10質量%となるようアセトンに溶解させ、堰部形成組成物を得た。
微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面に、堰部形成組成物を用いて直線を引き、堰部形成組成物の塗膜からなる堰部を形成した。しかし、堰部を形成できず、堰部そのものが濡れ拡がった。領域IIに相当する領域に、1滴のオレイン酸を滴下した。2時間後、領域IIに相当する領域から領域Iに相当する領域へのオレイン酸の塗れ拡がりの有無を目視で確認した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして微細凹凸構造体を得た。
微細凹凸構造体の微細凹凸構造を有する表面に、Pカッター(オルファ社製、刃厚:0.6mm)を用いて溝部を形成し、前記表面を溝部によって領域Iと領域IIとに分割した。形成された溝部の幅は0.145mmであった。また、溝部に隣接する凸部の最頂部と溝部の最底部との間の垂直距離は0.12mmであり、凸部の平均高さ180nmよりも十分に深かった(すなわち、溝部の深さは、凹部の最底部から0.102mmであった)。領域IIに相当する領域に、1滴のオレイン酸を滴下した。2時間後、領域IIに相当する領域から領域Iに相当する領域へのオレイン酸の塗れ拡がりの有無を目視で確認した。結果を表2に示す。
Figure 2017062456
Figure 2017062456
本発明の微細凹凸構造体は、透明保護部材、透明ケース、光学部材、輸送機器の窓、建築部材、画像表示装置を構成する部材等として有用である。
1 画像表示装置
10 微細凹凸構造体
11 タッチパネル
12 基材
14 凸部
16 凹部
18 微細凹凸構造
20 硬化樹脂層
22 堰部
24 溝部
30 液状の物質
32 低分子量成分
34 接合用部材
40 液晶表示パネル
41 第1のガラス基板
42 第2のガラス基板
43 液晶層
44 第1の偏光フィルム
45 第2の偏光フィルム
50 カバーガラス
54 接着剤層
56 接着剤層
60 電極基板
62 基板本体
64 第1の透明電極
66 第2の透明電極
70 低反射フィルム
80 バックライト
100 アルミニウム板
101 細孔
102 酸化皮膜
103 窪み
104 酸化皮膜
105 細孔
106 モールド

Claims (13)

  1. 平均高さが可視光線の波長以下であり、隣接する凸部間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部と、前記複数の凸部間に形成される凹部とからなる微細凹凸構造を、少なくとも1つの表面に有する微細凹凸構造体であって、
    前記表面に、前記凸部よりも高さが高く、前記表面を複数の領域に分割する堰部をさらに有する、微細凹凸構造体。
  2. 前記堰部が、前記微細凹凸構造上に形成された塗膜である、請求項1に記載の微細凹凸構造体。
  3. 前記堰部が、樹脂を含み、
    前記樹脂の融点またはガラス転移温度のいずれか高い方が、50℃以上である、請求項1または2に記載の微細凹凸構造体。
  4. 前記堰部が、染料または顔料をさらに含む、請求項3に記載の微細凹凸構造体。
  5. 前記堰部の幅が、10mm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細凹凸構造体。
  6. 平均高さが可視光線の波長以下であり、隣接する凸部間の平均間隔が可視光線の波長以下である複数の凸部と、前記複数の凸部間に形成される凹部とからなる微細凹凸構造を、少なくとも1つの表面に有する微細凹凸構造体であって、
    前記表面に、前記表面を複数の領域に分割する幅が0.1mm以上の溝部が形成されている、微細凹凸構造体。
  7. 前記溝部の最底部が、前記凹部の最底部と同じ深さにある、または前記凹部の最底部よりも深い、請求項6に記載の微細凹凸構造体。
  8. 前記溝部には、前記凸部が存在しない、請求項6または7に記載の微細凹凸構造体。
  9. 前記溝部の幅が、10mm以下である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の微細凹凸構造体。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の微細凹凸構造体と、
    他の部材と、
    前記微細凹凸構造体と前記他の部材とを接合する粘着剤と
    を有し、
    前記粘着剤が、前記微細凹凸構造体の表面の前記複数の領域のうちの一部の領域に設けられている、接合体。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の微細凹凸構造体と、
    他の部材と、
    前記他の部材上に設けられた粘着剤と
    を有し、
    前記粘着剤が、前記微細凹凸構造体の表面の前記複数の領域のうちの一部の領域と接触している、接合体。
  12. 前記接合体が、画像表示パネルと、保護板と、前記画像表示パネルと前記保護板とを接合する粘着剤とを有する画像表示装置であり、
    前記画像表示パネルが、前記他の部材であり、
    前記保護板が、前記微細凹凸構造体である、請求項10に記載の接合体。
  13. 前記接合体が、画像表示パネルと、タッチパネルと、前記画像表示パネルと前記タッチパネルとを接合する粘着剤とを有する画像表示装置であり、
    前記画像表示パネルが、前記他の部材であり、
    前記タッチパネルが、前記微細凹凸構造体である、請求項10に記載の接合体。
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