JP2017062385A - 画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
Description
電子写真感光体としては、導電性を有する基体上に、電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体、又は電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光体が知られている。こうした感光体の長寿命化のために、感光層の上に保護層を設けることが従来より検討されている。
本発明の課題は、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体に対し、波長(λ)の光を露光する露光手段を備える態様において、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が[(Rz1)<(λ)/(4×(n2))]を満たすとの要件、及び表面層の最外表面が感光層の最外表面と同じ表面形状を有するとの要件の少なくとも一方を満たす場合に比べ、画像濃度ムラの発生を抑制した画像形成装置用ユニットを提供することにある。
請求項1に係る発明は、
導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に波長(λ)(nm)の光を露光する露光手段と、を備え、
前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する画像形成装置用ユニット。
前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦(Rz1)/2]を満たす請求項1に記載の画像形成装置用ユニット。
前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦60nm]を満たす請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用ユニット。
前記表面層の屈折率(n2)と、前記感光層の最外表面を構成する層の屈折率(n1)と、が式[|(n2)−(n1)|≧0.2]を満たす請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
前記表面層が無機表面層であり、前記感光層が有機感光層である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
前記表面層が酸素及びガリウムを含む無機表面層である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットを備え、
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットと、
前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記露光手段からの露光によって前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
表面が帯電された状態で波長(λ)(nm)の光が露光されることで、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体であって、
導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有し、
前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する電子写真感光体。
本実施形態に係る画像形成装置用ユニットは、電子写真感光体と露光手段とを備える。
電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層と、前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層と、を有する。また、露光手段は電子写真感光体に対し波長(λ)(nm)の光を露光する。
そして、表面層の屈折率を(n2)としたとき、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たす。また、表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する。
そして、「表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する」とは、感光層の最外表面が有する表面形状と表面層の最外表面が有する表面形状とが、表面層厚さ方向において重ならないことを意味する。
したがって、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式を満たすのであれば、さらに表面層の最外表面が平滑に近い表面形状である場合は「異なる表面形状を有する」に該当する。また、表面層の最外表面が粗さを有していても、その粗さの形状が表面層厚さ方向において感光層の最外表面と重なっていない場合、換言すると、感光層及び表面層の断面において粗さを二次元的な波と捉えた際に、表面層と感光層とで最外表面の波の波形が異なっていたり、波長及び振幅の少なくとも一方が異なっている場合には「異なる表面形状を有する」に該当する。
また、図3に示すごとく、表面層5の最外表面が有する粗さの波長及び振幅が感光層6の最外表面が有する粗さと異なる場合、異なる表面形状を有することとなる。
さらに、図4に示すごとく、感光層6の最外表面が有する粗さの形状を、表面層5の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有するものの、該粗さの凸部における頂上部分が除去されていることで波形が異なっている場合、異なる表面形状を有することとなる。
これに対し本実施形態では、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、かつ表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有することで、画像における濃度ムラの発生が抑制される。
表面層に入射する露光光の中には、表面層側から入射し表面層内を通って感光層に透過していく光(以下「入射透過光」とも称す)と、感光層表面で反射し再び表面層内を通って最外表面で再度反射し表面層内を通って感光層に透過していく光(以下「反射透過光」とも称す)と、が存在する。なお、露光光は干渉を起こす波の性質を有するため、入射透過光と反射透過光との位相が重なり合う場合では両者が干渉によって強め合い(増幅し)、一方入射透過光と反射透過光との位相が180度ずれる場所では両者が干渉によって弱め合い(打ち消し合い)、つまり光干渉差が生じる。干渉によって強め合っている箇所はより多くの露光光が表面層を透過する領域となり、一方干渉によって弱め合っている箇所はより少ない露光光が表面層を透過する領域となる。
ここで、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たさない場合の例として、図5に示すごとく感光層106の最外表面に粗さが認識されず平滑に近い表面形状である態様について考える。仮に、表面層105の最外表面も平滑に近い表面形状である態様とすると、表面層に対して垂直方向に入射する露光光は、表面層105側から入射して感光層106の最外表面で反射する光の光路長は[2×(T)]となる。ただし、表面層105は厚さにムラの無い状態で形成することが容易でないため、この厚さのムラに応じて前記光路長には差が生じることがある。また、画像形成を繰り返した後においては、図6に示すごとく感光体の表面に偏摩耗が生じることがあり、この偏摩耗が生じた箇所での光路長[2×(T2)]とその他の箇所での光路長[2×(T1)]とには差が生じる。
光路長に差がある箇所では、殆どの場合(光路長の差が露光光の波長(λ)に対しちょうど[(λ)/(2×(n2))]の整数倍となるとき、以外の全ての場合)、入射透過光と反射透過光との位相の重なり度合いにずれが生じる。そのため、入射透過光と反射透過光との干渉の度合いにも差が生じる。したがって、表面層105が厚さにムラを有する場合には、この厚さのムラに応じて入射透過光と反射透過光との干渉の度合いに差が生じ、相対的に干渉によって強め合う箇所と弱め合う箇所とに分かれる。その結果、より多くの露光光が表面層を透過する領域とより少ない露光光が表面層を透過する領域とに分かれ、表面層105の厚さのムラに応じた画像の濃度ムラが生じる。
また、図6に示すごとく偏摩耗が生じた場合には、偏摩耗が生じた箇所とその他の箇所で、厚さの差に応じて入射透過光と反射透過光との干渉の度合いに差が生じ、相対的により多くの露光光が表面層を透過する領域とより少ない露光光が表面層を透過する領域とに分かれ、偏摩耗の発生箇所とその他の箇所とにおいて画像に濃度ムラが生じる。
その結果、仮に表面層5が厚さのムラを有する場合であっても、干渉に起因する画像の濃度ムラが抑制される。
その結果、偏摩耗が生じた箇所においてもその他の箇所においても、全体として干渉による強弱(増幅及び打消し)が平均化され、干渉に起因する画像の濃度ムラが抑制される。
また、上記の説明では、表面層5に対して垂直方向に入射する露光光のみを考慮したが、表面層5に対して傾いた方向から入射する露光光は垂直方向に入射する露光光よりも光路長がより長くなり、感光層6が最外表面に有する粗さの頂上部で反射する光の光路長と谷底部で反射する光の光路長との差も、垂直方向に入射する露光光より大きくなる。そのため、感光層6の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たすことで、入射透過光と反射透過光とが干渉によって強め合う(増幅する)箇所と弱め合う(打ち消し合う)箇所とが感光体全体に細かく分散して共存し、干渉に起因する画像の濃度ムラが抑制される。
本実施形態における、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)、及び表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)は、JIS B0601(2001年)に規定される最大高さ粗さRzを意味する。
なお、表面層が形成されている状態から感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)を測定する場合には、まず表面層を剥離し、測定対象となる感光層の最外表面層を露出させ、その層の一部をカッター等で切り出して測定試料を取得した上で、前記の方法により測定する。なお、感光体の断面のSEM観察、または断面のTEM観察を行い、得られた画像から表面形状を解析することによっても、最大高さ粗さRzが求められる。
感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)は、下記式1−aを満たす。表面粗さ(Rz1)が下記式1−aを満たさない場合、画像の濃度ムラの抑制効果が良好に発揮されない。
式1−a:(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))
感光層の最外表面の粗さにおける凸部及び凹部(凹凸)はより細かく分布していることが好ましく、つまり粗さにおける凹凸の間隔が小さいことが好ましい。
具体的には、粗さの凹凸の平均間隔(Sm)が100μm以下であることが好ましく、さらに50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。通常、画像の網点は100μm程度の間隔で形成されるため、平均間隔(Sm)が上記範囲であると、ひとつの画像の網点(画像構造領域)内に、干渉によって強め合いより多くの露光光が表面層を透過する部分と干渉によって弱め合いより少ない露光光が表面層を透過する部分とが混在する。その結果、ひとつの画像の網点内で濃度ムラが平均化され、画像における濃度ムラがより抑制される。また、ドットの大きさのばらつきも抑制し得る。
感光層の最外表面層中に表面に粗さを与える成分を含有させる方法としては、例えば最外表面層中に粒子を含有させ最外表面側における粒子の存在により表面に粗さを与える方法が挙げられ、粒子の粒径や添加量等の調整によって表面粗さ(Rz1)及び平均間隔(Sm)を調整し得る。また、感光層の最外表面層を形成した後に粗面化処理を施す方法における該粗面化処理としては、例えばサンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シート(ラッピングフィルム等)による研磨などの機械的な粗面化処理などが用いられる。
なお、感光層の最外表面層に求められる性質を付与する観点で、最外表面層中に粒子を含有させて表面に粗さを与える方法が好ましく、特に最外表面層の変形を抑制して表面層の割れを低減する観点で、感光層の最外表面層に補強材となる無機粒子(例えばシリカ粒子)を含有させて表面に粗さを与える方法がより好ましい。具体的な態様については、後に詳述する。
表面層の最外表面は感光層の最外表面とは異なる表面形状を有し、さらには表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が下記式2−aを満たすことが好ましい。なお、表面粗さ(Rz2)は下記式2−bを満たすことがより好ましい。
式2−a:(Rz2)≦(Rz1)/2
式2−b:(Rz2)≦(Rz1)/4
表面粗さ(Rz2)が上記式を満たすことで、感光層の最外表面における粗さの頂上部で反射する露光光と谷底部で反射する露光光との光路差がより確実に得られ、干渉に起因する画像の濃度ムラがより抑制される。
式3−a:(Rz2)≦60nm
式3−b:(Rz2)≦30nm
表面粗さ(Rz2)が上記式を満たすことで、感光体の表面のトナーや放電生成物等の異物をクリーニングするクリーニング装置としてクリーニングブレードを備えた装置を適用する場合であっても、良好なクリーニング性能が発揮される。その結果、クリーニング不良に起因する画質欠陥(横帯状の画質欠陥等)が抑制される。
なお、クリーニングブレードによるクリーニング性能の観点からは、表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)は小さい程好ましく、つまり0nmに近い程好ましい。
表面層形成用の塗布液を塗布し乾燥して形成する方法の場合、通常であれば下層である感光層の最外表面の粗さがそのまま表面層の最外表面に反映されることはなく、つまり感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する表面層が形成される。なお、表面層形成用の塗布液を用いる方法において表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)を前記式の範囲に制御する方法としては、塗布液中の成分やその組成比を調整する方法、塗布液の粘度や塗布方法を制御する方法、乾燥条件を調整する方法、さらに必要であれば乾燥後に加熱処理を行いその際の条件を調整する方法等が挙げられる。
前記表面処理としては、特に限定されることなく公知の方法が採用され、例えばサンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シート(ラッピングフィルム等)による研磨などの機械研磨等が挙げられる。
感光層の最外表面層の屈折率(n1)及び表面層の屈折率(n2)はそれぞれの組成によって異なり、感光層の最外表面層及び表面層の組成の組合せによって屈折率(n1)と屈折率(n2)との差も変化して、下記式4−aを満たす範囲となることがある。なお、特に有機感光層の表面に無機表面層を設けた態様の場合、有機材料と無機材料との屈折率は差が大きくなり、その差が下記式4−aを満たす範囲となる傾向にある。
ここで、感光層の最外表面層と表面層との界面では両者の屈折率の差が大きいほど該界面で生じる露光光の反射も増えるため入射透過光と反射透過光との干渉に起因した画像の濃度ムラもより発生し易くなる。特に、感光層の最外表面層と表面層との屈折率が下記式4−aを満たす場合、画像の濃度ムラの発生がより増加する傾向にある。
しかし本実施形態では、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たし、かつ表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する構成である為、感光層の最外表面層と表面層との屈折率が下記式4−aを満たす態様であっても、画像の濃度ムラの発生が抑制される。
式4−a:|(n2)−(n1)|≧0.2
図7は、本実施形態に係る電子写真用感光体の一例を示す模式断面図である。図8乃至図9はそれぞれ本実施形態における電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。
そして、電荷輸送層3が感光層6の最外表面層に相当し、この電荷輸送層3の最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たす。また、表面層5の最外表面が電荷輸送層3とは異なる表面形状を有する。
そして、電荷輸送層3Aが感光層6の最外表面層に相当し、この電荷輸送層3Aの最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たす。また、表面層5の最外表面が電荷輸送層3Aとは異なる表面形状を有する。
そして、単層型有機感光層6Aが感光層の最外表面層に相当し、この単層型有機感光層6Aの最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たす。また、表面層5の最外表面が単層型有機感光層6Aとは異なる表面形状を有する。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から(1/2)λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
図7に示す態様では、感光層の最外表面層として電荷輸送層を有する。感光層の最外表面層である電荷輸送層の表面粗さ(Rz1)(nm)は、下記式1−aを満たす。
式1−a:(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))
電荷輸送層は、電荷輸送材料を含み、さらに必要に応じて結着樹脂を含んで構成される。また、感光層の最外表面に粗さを与える成分(例えばシリカ粒子等の粒子)を含でもよい。
電荷輸送層に添加することで感光層の最外表面に粗さを与える成分としては、特に限定されるものではないが、粒子が好ましい。粒子の粒径や添加量等の調整によって感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)や平均間隔(Sm)等を調整し得る。
用いる粒子は、特に限定されず無機粒子、有機粒子のいずれであってもよい。なお、電荷輸送層(最外表面層)の変形を抑制して表面層の割れを低減する観点では、電荷輸送層(最外表面層)の補強材となる無機粒子が好ましい。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカが挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、表面のシラノール基が少なく、低い空隙構造を持つ燃焼法シリカ粒子が望ましい。
疎水化処理剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン等の周知のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、疎水化処理剤としては、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を持つシラン化合物が望ましい。つまり、シリカ粒子の表面には、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を有することがよい。
トリメチルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
デシルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、デシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フェニル基を持つシラン化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の縮合率を上記範囲にすると、シリカ粒子のシラノール基が低減される。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。分離したシリカ粒子に対して、Bruker製AVANCEIII 400でSi CP/MAS NMR分析を行い、SiOの置換数に応じたピーク面積を求め、それぞれ、2置換(Si(OH)2(0−Si)2−)、3置換(Si(OH)(0−Si)3−)、4置換(Si(0−Si)4−)の値をQ2,Q3,Q4とし、疎水化処理剤の縮合率は式:(Q2×2+Q3×3+Q4×4)/4×(Q2+Q3+Q4)により算出する。
無機粒子の体積抵抗率を上記範囲にすると、細線再現性の悪化が抑制される。
まず、層中から無機粒子を分離する。そして、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離した無機粒子を1mm以上3mm以下の厚さになるように載せ、無機粒子層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ無機粒子層を挟み込む。無機粒子間の空隙をなくすため、無機粒子層上に配置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから無機粒子層の厚み(cm)を測定する。疎水性無機粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、無機粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。無機粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρは疎水性無機粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは疎水性無機粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I0)/L
この体積平均粒径は、層中から粒子を分離し、この粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により40000倍の倍率で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を求め、これを粒子の体積平均粒径として測定する。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
また、電荷輸送材料の含有量は、シリカ粒子よりも少ないことがよい。
電荷輸送材料の含有量を上記範囲とすると、残留電位の発生が抑制され易くなる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層の弾性率は、例えば、5GPa以上がよく、望ましくは6GPa以上、より望ましくは6.5GPa以上である。
電荷輸送層の弾性率を上記範囲とすると、表面層の割れが抑制され易くなる。
なお、電荷輸送層の弾性率を上記範囲とするには、例えば、シリカ粒子等の無機粒子の粒径及び含有量を調整する方法、電荷輸送材料の種類及び含有量を調整する方法が挙げられる。
まず、表面層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いて測定する。
電荷輸送層の膜厚を上記範囲にすると、表面層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
表面層の最外表面は、感光層の最外表面(図7に示す態様では電荷輸送層の最外表面)とは異なる表面形状を有する。
塗布液を用いる方法の場合、通常であれば下層である感光層の最外表面の粗さがそのまま表面層の最外表面に反映されることはなく、つまり感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する表面層が形成される。
一方、気相成長法等の蒸着法による方法の場合、表面層の最外表面には感光層の最外表面と同じ表面形状が形成されること(つまり感光層の最外表面が有する粗さの形状を、表面層の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有すること)がある。この場合、例えば、表面層に対し研磨、粗面化等の粗さの形状を異ならせる表面処理を施すことにより、表面層の最外表面を感光層の最外表面とは異なる表面形状とし得る。
以下においては、無機表面層を例に挙げて、表面層ついて説明する。
無機表面層は、無機材料を含んで構成された層である。
無機材料としては、表面層としての機械的強度、透光性を有するという観点から、例えば、酸化物系、窒化物系、炭素系、珪素系の無機材料が挙げられる。
酸化物系の無機材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
窒化物系の無機材料としては、例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化亜鉛、窒化チタン、窒化インジウム、窒化錫、窒化ホウ素等の金属窒化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
炭素系及び珪素系の無機材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン(a−C)、水素化アモルファスカーボン(a−C:H)、水素・フッ素化アモルファスカーボン(a−C:H)、アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC)、水素化アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC:H)アモルファスシリコン(a−Si)、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)等が挙げられる。
なお、無機材料は、酸化物系及び窒化物系の無機材料の混晶であってもよい。
つまり、無機表面層は、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成されることがよく、必要応じて、水素を含んで構成されていてもよい。水素を含むことで、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成された無機表面層の諸物性が容易に制御され易くなる。
また、酸素及び第13族元素の元素組成比(酸素/第13族元素)は1.1以上1.5以下であることが好ましい。
ガリウムの元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、15原子%以上50原子%以下であることがよく、望ましくは20原子%以上40原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
酸素の元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、30原子%以上70原子%以下であることがよく、望ましくは40原子%以上60原子%以下、より望ましくは45原子%以上55原子%以下である。
水素の元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、10原子%以上40原子%以下であることがよく、望ましくは15原子%以上35原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
一方で、原子数比〔酸素/ガリウム〕は、1.50を超え2.20以下であることがよく、望ましくは1.6以上2.0以下である。
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは109°とする。
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
無機表面層は、目的に応じて、厚み方向に組成比に分布を有していてもよいし、多層構成からなるものであってもよい。
無機表面層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が望ましく、非晶質が望ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
この体積抵抗率を上記範囲とすると、電荷が面内方向に流れることが抑制され、良好な静電潜像形成が実現され易くなる。
この体積抵抗率は、nF社製LCRメーターZM2371を用いて、周波数1kHz、電圧1Vの条件にて測定した抵抗値から、電極面積、試料厚みに基づき算出して求められる。
なお、測定試料は、測定対象となる無機表面層の成膜時の同条件でアルミ基材上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機表面層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
この弾性率を上記範囲とすると、無機表面層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
この弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる無機表面層の成膜時の同条件で基材上に成膜した試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機表面層を剥離し、一部エッチングした試料であってもよい。
この膜厚を上記範囲とすると、無機表面層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
表面層の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め有機感光層まで積層された感光体等が用いられる。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H2)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
基体214としては、例えば、有機感光層が形成された基体を用いる。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが望ましい。
基体214表面の温度は加熱手段、冷却手段(図中、不図示)等によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
例えば、無機表面層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、有機感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による有機感光層へのダメージが抑制される。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機表面層を得る。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機表面層)が形成される。
さらに、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
なお、表面層を形成する際、前述のごとくプラズマCVD等の気相成長法を用いて表面層を成膜すると、この表面層の最外表面には感光層の最外表面と同じ表面形状が形成される(つまり感光層の最外表面が有する粗さの形状を、表面層の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有する)ことがある。この場合、例えば、表面層に対し研磨、粗面化等の粗さの形状を異ならせる表面処理を施すことにより、本実施形態における「表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する」との構成を達成し得る。
ここで、研磨シートを用いた研磨による表面処理方法について、一例を挙げて具体的に説明する。表面層を形成した後の感光体に水をかけながら研磨シートを押し当て研磨を行う。具体的には砥粒の大きさが異なる複数のラッピングフィルムを複数回に分けて押し当てて研磨を行うことが好ましい。こうすることで、例えば表面層の最外表面が平滑に近い表面形状を有する構成、つまり表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する構成とし得る。
ただし、電荷輸送層3Aの膜厚は、1μm以上15μm以下とすることがよい。また、電荷輸送層3Bの膜厚は、15μm以上29μmとすることがよい。
ただし、単層側有機感光層6A中の電荷発生材料の含有量は、単層側有機感光層全体に対して、25質量%以上50質量%以下とすることがよい。
また、単層側有機感光層6Aの膜厚は、15μm以上30μmとすることがよい。
ついで、本実施形態に係る画像形成装置用ユニットを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成について説明する。本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジでは、画像形成装置用ユニットに備えられる電子写真感光体及び露光手段を、少なくとも有する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図12に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(露光手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9(露光手段の一例)としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図13に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
−シリカ粒子(11)作製−
未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50(製造元:アエロジル社製、粒径d=40nm)」100質量部に、疎水化処理剤としてトリメトキシシラン(「商品名:1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(製造元 東京化成社製)」)30質量部を添加し、24時間反応させ、その後、濾取し疎水化処理されたシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子(11)とした。
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン:25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径60mm、長さ357mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ19μmの下引層を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
シリカ粒子(11)20質量部にテトラヒドロフラン95質量部を入れ、20℃の液温に保ちながら(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ジフェニル)−4,4’−ジアミン10質量部、結着樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:50,000)10質量部、を加え12時間攪拌混合し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。なお、シリカ粒子の固形分中での含有量は50質量%である。
次に、ノンコート感光体(1)の表面へ、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機表面層を形成した。この無機表面層の形成は、図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量4.0sccm)、及び水素ガス(流量50sccm)を、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量5.0sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は5.3Paであった。
この状態で、ノンコート感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら180分間成膜し、ノンコート感光体(1)の電荷輸送層表面に膜厚3.0μmの無機表面層を形成した。
無機表面層を形成した感光体に対し、水をかけながら研磨シートを押し当て研磨を行った。まず、砥粒1μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、均一に近い状態で全体に傷が入るまで研磨した。次に方向を変えて、砥粒0.5μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、均一に近い状態で全体に傷が入るまで研磨した。さらに方向を変えて、砥粒0.3μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、均一に近い状態で全体に傷が入るまで研磨した。さらに方向を変えて、砥粒0.1μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、表面が平滑に近い表面形状になるまで(目視でいわゆる鏡面状態になるまで)研磨して、無機表面層への表面処理を行った。
また、感光層の最外表面における粗さの平均間隔(Sm)を前述の方法により測定した。
得られた感光体を、画像形成装置700Digital Color Press(富士ゼロックス社、露光波長λ=780nm)にセットした。気温28℃、湿度85%の環境で、図14に示したA4チャートを500枚プリントし、その後電源をオフにして12時間放置した。12時間後にCin30%のハーフトーン画像を出力し、「初期画像」として、得られた画像の評価を目視で行った。
A(○):縦帯、横帯ともに確認されなかった
B(△):横帯の画像欠陥が確認された
C(×):縦帯の画像濃度ムラが確認された
実施例1において、電荷輸送層の作製に用いたシリカ粒子(11)を、「商品名:RX−40S(製造元:アエロジル社製、粒径d=80nm)」に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
実施例2において、無機表面層への表面処理の条件を変更して、無機表面層の最外表面の表面粗さRz2が下記表1に記載の範囲となるよう調整したこと以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
実施例1において、無機表面層への表面処理の条件を変更して、無機表面層の最外表面の表面粗さRz2が下記表1に記載の範囲となるよう調整したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
実施例2において、電荷輸送層を形成した後、無機表面層を形成する前に、電荷輸送層表面に水をかけながら研磨シート(ダイヤモンドラッピングフィルム、3M社製)を押し当てて研磨し、感光層の最外表面の表面粗さRz1が下記表1に記載の範囲となるよう調整し、かつ無機表面層への表面処理の条件も変更し無機表面層の最外表面の表面粗さRz2が下記表1に記載の範囲となるよう調整したこと以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
実施例1において、電荷輸送層の形成の際にシリカ粒子を含有させず、また無機表面層の形成の際に前記の方法によって無機表面層を形成した後、表面処理(表面研磨)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
Claims (9)
- 導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に波長(λ)(nm)の光を露光して、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、を備え、
前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する画像形成装置用ユニット。 - 前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦(Rz1)/2]を満たす請求項1に記載の画像形成装置用ユニット。
- 前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦60nm]を満たす請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用ユニット。
- 前記表面層の屈折率(n2)と、前記感光層の最外表面を構成する層の屈折率(n1)と、が式[|(n2)−(n1)|≧0.2]を満たす請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
- 前記表面層が無機表面層であり、前記感光層が有機感光層である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
- 前記表面層が酸素及びガリウムを含む無機表面層である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットを備え、
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットと、
前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記露光手段からの露光によって前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 表面が帯電された状態で波長(λ)(nm)の光が露光されることで、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体であって、
導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有し、
前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する電子写真感光体。
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