JP2017062385A - 画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び電子写真感光体 - Google Patents

画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び電子写真感光体 Download PDF

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Abstract

【課題】画像濃度ムラの発生を抑制した画像形成装置用ユニットの提供。【解決手段】導電性基体、導電性基体上に設けられた感光層、及び感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有する電子写真感光体7と、電子写真感光体に波長(λ)(nm)の光を露光する露光手段9と、を備え、表面層の屈折率を(n2)としたとき、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、かつ表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する画像形成装置用ユニット。【選択図】図12

Description

本発明は、画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び電子写真感光体に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真感光体を用いて帯電、静電潜像形成、現像、転写、クリーニング等の工程を順次行う装置が広く知られている。
電子写真感光体としては、導電性を有する基体上に、電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体、又は電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光体が知られている。こうした感光体の長寿命化のために、感光層の上に保護層を設けることが従来より検討されている。
例えば、特許文献1には、導電性支持体上に有機感光層及び非晶質炭素膜からなる保護層を有する感光体とそれに対して、負電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加するコロナ放電器を備えた画像形成装置を用いる画像形成方法において、感光体を挾んで上記コロナ放電器と対向する位置の感光体支持体側に加熱装置を設置して感光体を加熱する画像形成方法が開示されている。
また、特許文献2には、導電性基体と、感光層と、表面層とを含み、前記導電性基体上に前記感光層と前記表面層とがこの順に積層された電子写真感光体において、前記表面層の少なくとも最表面が、酸素と、13族元素とを含み、前記最表面における前記酸素の含有量が15原子%を超える電子写真感光体が開示されている。
また、特許文献3には、導電性基体と、導電性基体上に設けられた有機感光層であって、シリカ粒子を含む有機感光層と、有機感光層上に設けられ、無機保護層と、を備えた電子写真感光体が開示されている。
特開平05−053487号公報 特開2006−267507号公報 特開2014−191179号公報
導電性基体上に感光層とこの感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体に対し、露光手段から光を露光することで静電潜像を形成して、最終的に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が用いられている。この画像形成装置では、表面層の厚さにムラが生じている場合や、画像形成を繰り返すことで感光体の表面に偏摩耗が生じた場合などに、表面層の厚さの差に応じて画像に濃度ムラが生じることがあった。
本発明の課題は、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体に対し、波長(λ)の光を露光する露光手段を備える態様において、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が[(Rz1)<(λ)/(4×(n2))]を満たすとの要件、及び表面層の最外表面が感光層の最外表面と同じ表面形状を有するとの要件の少なくとも一方を満たす場合に比べ、画像濃度ムラの発生を抑制した画像形成装置用ユニットを提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に波長(λ)(nm)の光を露光する露光手段と、を備え、
前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する画像形成装置用ユニット。
請求項2に係る発明は、
前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦(Rz1)/2]を満たす請求項1に記載の画像形成装置用ユニット。
請求項3に係る発明は、
前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦60nm]を満たす請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用ユニット。
請求項4に係る発明は、
前記表面層の屈折率(n2)と、前記感光層の最外表面を構成する層の屈折率(n1)と、が式[|(n2)−(n1)|≧0.2]を満たす請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
請求項5に係る発明は、
前記表面層が無機表面層であり、前記感光層が有機感光層である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
請求項6に係る発明は、
前記表面層が酸素及びガリウムを含む無機表面層である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットを備え、
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
請求項8に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットと、
前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記露光手段からの露光によって前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項9に係る発明は、
表面が帯電された状態で波長(λ)(nm)の光が露光されることで、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体であって、
導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有し、
前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する電子写真感光体。
請求項1、5、及び6に係る発明によれば、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体に対し、波長(λ)の光を露光する露光手段を備える態様において、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)<(λ)/(4×(n2))]を満たすとの要件、及び表面層の最外表面が感光層の最外表面と同じ表面形状を有するとの要件の少なくとも一方を満たす場合に比べ、画像濃度ムラの発生を抑制した画像形成装置用ユニットが提供される。
請求項2に係る発明によれば、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体に対し、波長(λ)の光を露光する露光手段を備え、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たす態様において、表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)が式[(Rz2)>(Rz1)/2]を満たす場合に比べ、画像濃度ムラの発生を抑制した画像形成装置用ユニットが提供される。
請求項3に係る発明によれば、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体に対し、波長(λ)の光を露光する露光手段を備え、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たす態様において、表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)が式[(Rz2)>60nm]を満たす場合に比べ、電子写真感光体表面でのクリーニングブレードによるクリーニング性に優れた画像形成装置用ユニットが提供される。
請求項4に係る発明によれば、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有し、表面層の屈折率(n2)と感光層の最外表面を構成する層の屈折率(n1)とが式[|(n2)−(n1)|≧0.2]を満たす電子写真感光体に対し、波長(λ)の光を露光する露光手段を備える態様において、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)<(λ)/(4×(n2))]を満たすとの要件、及び表面層の最外表面が感光層の最外表面と同じ表面形状を有するとの要件の少なくとも一方を満たす場合に比べ、画像濃度ムラの発生を抑制した画像形成装置用ユニットが提供される。
請求項7、及び8に係る発明によれば、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体に対し、波長(λ)の光を露光する露光手段を有する画像形成装置用ユニットを備える態様において、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)<(λ)/(4×(n2))]を満たすとの要件、及び表面層の最外表面が感光層の最外表面と同じ表面形状を有するとの要件の少なくとも一方を満たす場合に比べ、画像濃度ムラの発生を抑制したプロセスカートリッジ、及び画像形成装置が提供される。
請求項9に係る発明によれば、導電性基体上に感光層と該感光層に接するよう設けられた表面層とを有し、かつ波長(λ)の光が露光される態様において、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)<(λ)/(4×(n2))]を満たすとの要件、及び表面層の最外表面が感光層の最外表面と同じ表面形状を有するとの要件の少なくとも一方を満たす場合に比べ、画像濃度ムラの発生を抑制した電子写真感光体が提供される。
本実施形態における電子写真感光体の感光層及び表面層部分の一例を拡大して示す模式断面図である。 本実施形態における電子写真感光体の偏摩耗が生じた後の感光層及び表面層部分の一例を拡大して示す模式断面図である。 本実施形態における電子写真感光体の感光層及び表面層部分の他の一例を拡大して示す模式断面図である。 本実施形態における電子写真感光体の感光層及び表面層部分の他の一例を拡大して示す模式断面図である。 従来の電子写真感光体の感光層及び表面層部分の一例を拡大して示す模式断面図である。 従来の電子写真感光体の偏摩耗が生じた後の感光層及び表面層部分の一例を拡大して示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の表面層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態の電子写真感光体の表面層の形成に用いるプラズマ発生装置の例を示す概略模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。を示す図である。 実施例の評価試験でプリントするA4チャートを示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
[画像形成装置用ユニット]
本実施形態に係る画像形成装置用ユニットは、電子写真感光体と露光手段とを備える。
電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層と、前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層と、を有する。また、露光手段は電子写真感光体に対し波長(λ)(nm)の光を露光する。
そして、表面層の屈折率を(n2)としたとき、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たす。また、表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する。
ここで、表面層及び感光層の最外表面における「表面形状」とは、表面における三次元的な粗さの形状を指し、粗さが認識されない態様つまり平滑に近い態様も含む。
そして、「表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する」とは、感光層の最外表面が有する表面形状と表面層の最外表面が有する表面形状とが、表面層厚さ方向において重ならないことを意味する。
したがって、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式を満たすのであれば、さらに表面層の最外表面が平滑に近い表面形状である場合は「異なる表面形状を有する」に該当する。また、表面層の最外表面が粗さを有していても、その粗さの形状が表面層厚さ方向において感光層の最外表面と重なっていない場合、換言すると、感光層及び表面層の断面において粗さを二次元的な波と捉えた際に、表面層と感光層とで最外表面の波の波形が異なっていたり、波長及び振幅の少なくとも一方が異なっている場合には「異なる表面形状を有する」に該当する。
例を挙げると、図1に示すごとく、感光層6の最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式を満たしかつ表面層5の最外表面が平滑に近い表面形状である場合は、感光層6の最外表面と異なる表面形状を有することとなる。
また、図3に示すごとく、表面層5の最外表面が有する粗さの波長及び振幅が感光層6の最外表面が有する粗さと異なる場合、異なる表面形状を有することとなる。
さらに、図4に示すごとく、感光層6の最外表面が有する粗さの形状を、表面層5の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有するものの、該粗さの凸部における頂上部分が除去されていることで波形が異なっている場合、異なる表面形状を有することとなる。
従来、導電性基体上に感光層とこの感光層に接するよう設けられた表面層とを有する電子写真感光体(以下単に「感光体」とも称す)を用い、この感光体に露光手段から光を露光することで静電潜像を形成して、最終的に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置では、形成される画像において濃度ムラが生じることがあった。特に、感光体には接触して配置される部材が存在し、例えば帯電部材(帯電ロール等)、中間転写体(中間転写ベルト等)、クリーニング部材(クリーニングブレード等)等が感光体に接触して駆動するため、画像形成を繰り返した後においてはこれらの部材との接触具合の影響により、感光体表面に偏摩耗が生じることがある。この場合、偏摩耗が生じた箇所とその他の箇所との間で濃度ムラが生じることがあった。
これに対し本実施形態では、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、かつ表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有することで、画像における濃度ムラの発生が抑制される。
この効果が奏される理由は、明確ではないものの以下のように推察される。
表面層に入射する露光光の中には、表面層側から入射し表面層内を通って感光層に透過していく光(以下「入射透過光」とも称す)と、感光層表面で反射し再び表面層内を通って最外表面で再度反射し表面層内を通って感光層に透過していく光(以下「反射透過光」とも称す)と、が存在する。なお、露光光は干渉を起こす波の性質を有するため、入射透過光と反射透過光との位相が重なり合う場合では両者が干渉によって強め合い(増幅し)、一方入射透過光と反射透過光との位相が180度ずれる場所では両者が干渉によって弱め合い(打ち消し合い)、つまり光干渉差が生じる。干渉によって強め合っている箇所はより多くの露光光が表面層を透過する領域となり、一方干渉によって弱め合っている箇所はより少ない露光光が表面層を透過する領域となる。
ここで、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たさない場合の例として、図5に示すごとく感光層106の最外表面に粗さが認識されず平滑に近い表面形状である態様について考える。仮に、表面層105の最外表面も平滑に近い表面形状である態様とすると、表面層に対して垂直方向に入射する露光光は、表面層105側から入射して感光層106の最外表面で反射する光の光路長は[2×(T)]となる。ただし、表面層105は厚さにムラの無い状態で形成することが容易でないため、この厚さのムラに応じて前記光路長には差が生じることがある。また、画像形成を繰り返した後においては、図6に示すごとく感光体の表面に偏摩耗が生じることがあり、この偏摩耗が生じた箇所での光路長[2×(T)]とその他の箇所での光路長[2×(T)]とには差が生じる。
光路長に差がある箇所では、殆どの場合(光路長の差が露光光の波長(λ)に対しちょうど[(λ)/(2×(n2))]の整数倍となるとき、以外の全ての場合)、入射透過光と反射透過光との位相の重なり度合いにずれが生じる。そのため、入射透過光と反射透過光との干渉の度合いにも差が生じる。したがって、表面層105が厚さにムラを有する場合には、この厚さのムラに応じて入射透過光と反射透過光との干渉の度合いに差が生じ、相対的に干渉によって強め合う箇所と弱め合う箇所とに分かれる。その結果、より多くの露光光が表面層を透過する領域とより少ない露光光が表面層を透過する領域とに分かれ、表面層105の厚さのムラに応じた画像の濃度ムラが生じる。
また、図6に示すごとく偏摩耗が生じた場合には、偏摩耗が生じた箇所とその他の箇所で、厚さの差に応じて入射透過光と反射透過光との干渉の度合いに差が生じ、相対的により多くの露光光が表面層を透過する領域とより少ない露光光が表面層を透過する領域とに分かれ、偏摩耗の発生箇所とその他の箇所とにおいて画像に濃度ムラが生じる。
これに対し、本実施形態は感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たす。仮に、図1に示すごとく表面層5の最外表面が平滑に近い表面形状である態様とすると、表面層側から垂直方向に入射し感光層表面で反射する露光光のうち、感光層が最外表面に有する粗さの頂上部(凸部の頂点、表面層の厚さが(Ts)で示される部分)で反射する光の光路長は[2×(Ts)]となり、一方感光層の最外表面の谷底部(凹部の頂点、表面層の厚さが(Tl)で示される部分)で反射する光の光路長は[2×(Tl)]となる。そして、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)は前記式を満たすため、光路長[2×(Ts)]と光路長[2×(Tl)]との差は、[(λ)/(2×(n2))]以上となる。頂上部と谷底部とで光路長に[(λ)/(2×(n2))]以上の差があれば、頂上部から谷底部までの領域内には、少なくとも入射した露光光における入射透過光と反射透過光との位相が180度以上ずれる箇所が混在することとなり、つまり頂上部から谷底部までの間に入射透過光と反射透過光とが干渉によって強め合う(増幅する)箇所と弱め合う(打ち消し合う)箇所とが混在することとなる。感光層の最外表面における粗さの頂上部から谷底部までの領域という狭い領域内に、干渉によって強め合う箇所と弱め合う箇所とが混在することで、感光体全体としては入射透過光と反射透過光との干渉により増幅する箇所と打ち消し合う箇所とが細かく分散して共存した状態となる。そのため、頂上部から谷底部までの領域よりもさらに広い領域で見た場合に、露光光が表面層を透過する量が平均化される。
その結果、仮に表面層5が厚さのムラを有する場合であっても、干渉に起因する画像の濃度ムラが抑制される。
また、画像形成を繰り返した後において、図2に示すごとく感光体の表面に偏摩耗が生じた場合であっても、この偏摩耗が生じた箇所では、感光層が最外表面に有する粗さの頂上部(表面層の厚さが(Ts)で示される部分)で反射する光の光路長は[2×(Ts)]となり、一方感光層の最外表面の谷底部(表面層の厚さが(Tl)で示される部分)で反射する光の光路長は[2×(Tl)]となる。また、その他の箇所では、感光層の最外表面の頂上部(表面層の厚さが(Ts)で示される部分)で反射する光の光路長は[2×(Ts)]となり、一方感光層の最外表面の谷底部(表面層の厚さが(Tl)で示される部分)で反射する光の光路長は[2×(Tl)]となる。本実施形態では、光路長[2×(Ts)]と光路長[2×(Tl)]との差も、光路長[2×(Ts)]と光路長[2×(Tl)]との差も、いずれも[(λ)/(2×(n2))]以上であるため、感光層6が最外表面に有する粗さの頂上部から谷底部までの狭い領域内において、入射透過光と反射透過光とが干渉によって強め合う箇所と弱め合う箇所とが混在する。
その結果、偏摩耗が生じた箇所においてもその他の箇所においても、全体として干渉による強弱(増幅及び打消し)が平均化され、干渉に起因する画像の濃度ムラが抑制される。
なお、上記の説明では、図1に示すごとく表面層5の最外表面が平滑に近い表面形状である態様を例に説明したが、例えば図3や図4に示すように表面層5の最外表面が感光層6とは異なる表面形状の粗さを有する態様であっても、感光層6の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たすことで、入射透過光と反射透過光とが干渉によって強め合う(増幅する)箇所と弱め合う(打ち消し合う)箇所とが感光体全体に細かく分散して共存した状態となる。その結果、感光体全体として干渉による強弱(増幅及び打消し)が平均化され、干渉に起因する画像の濃度ムラが抑制される。
また、上記の説明では、表面層5に対して垂直方向に入射する露光光のみを考慮したが、表面層5に対して傾いた方向から入射する露光光は垂直方向に入射する露光光よりも光路長がより長くなり、感光層6が最外表面に有する粗さの頂上部で反射する光の光路長と谷底部で反射する光の光路長との差も、垂直方向に入射する露光光より大きくなる。そのため、感光層6の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たすことで、入射透過光と反射透過光とが干渉によって強め合う(増幅する)箇所と弱め合う(打ち消し合う)箇所とが感光体全体に細かく分散して共存し、干渉に起因する画像の濃度ムラが抑制される。
なお、表面層の最外表面が感光層の最外表面と同じ表面形状を有する場合、すなわち感光層の最外表面が有する粗さの形状を表面層の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有する場合、仮に感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たしていても、垂直方向に入射する露光光は、感光層が最外表面に有する粗さの頂上部と谷底部とで光路差が変わらない。そのため、干渉に起因する画像の濃度ムラの抑制効果が得られないものと考えられる。
(表面粗さ(Rz1)、(Rz2))
本実施形態における、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)、及び表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)は、JIS B0601(2001年)に規定される最大高さ粗さRzを意味する。
最大高さ粗さRzの測定はJIS B0601(2001年)準じて行われ、具体的には、原子間力顕微鏡(AFM、日本ビーコ社製Dimension3100型AFM)を用いて求められる。
なお、表面層が形成されている状態から感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)を測定する場合には、まず表面層を剥離し、測定対象となる感光層の最外表面層を露出させ、その層の一部をカッター等で切り出して測定試料を取得した上で、前記の方法により測定する。なお、感光体の断面のSEM観察、または断面のTEM観察を行い、得られた画像から表面形状を解析することによっても、最大高さ粗さRzが求められる。
・感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)
感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)は、下記式1−aを満たす。表面粗さ(Rz1)が下記式1−aを満たさない場合、画像の濃度ムラの抑制効果が良好に発揮されない。
式1−a:(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))
・感光層の最外表面における粗さの平均間隔(Sm)
感光層の最外表面の粗さにおける凸部及び凹部(凹凸)はより細かく分布していることが好ましく、つまり粗さにおける凹凸の間隔が小さいことが好ましい。
具体的には、粗さの凹凸の平均間隔(Sm)が100μm以下であることが好ましく、さらに50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。通常、画像の網点は100μm程度の間隔で形成されるため、平均間隔(Sm)が上記範囲であると、ひとつの画像の網点(画像構造領域)内に、干渉によって強め合いより多くの露光光が表面層を透過する部分と干渉によって弱め合いより少ない露光光が表面層を透過する部分とが混在する。その結果、ひとつの画像の網点内で濃度ムラが平均化され、画像における濃度ムラがより抑制される。また、ドットの大きさのばらつきも抑制し得る。
凹凸の平均間隔(Sm)は、表面粗さ(Rz1)を原子間力顕微鏡(AFM、日本ビーコ社製Dimension3100型AFM)を用いて測定する際、原子間力顕微鏡で観察した表面の3次元形状から粗さ曲線を求め、該粗さ曲線が平均線と交差する交点から求めた山谷一周期の間隔の平均値を求めることで算出される。
感光層の最外表面を上記の表面粗さ(Rz1)及び上記の平均間隔(Sm)の範囲に制御する方法としては、特に限定されることなく一般的に公知な方法によって制御し得る。例えば、感光層の最外表面層中に表面に粗さを与える成分を含有させる方法、感光層の最外表面層を形成した後に粗面化処理を施す方法等が挙げられる。
感光層の最外表面層中に表面に粗さを与える成分を含有させる方法としては、例えば最外表面層中に粒子を含有させ最外表面側における粒子の存在により表面に粗さを与える方法が挙げられ、粒子の粒径や添加量等の調整によって表面粗さ(Rz1)及び平均間隔(Sm)を調整し得る。また、感光層の最外表面層を形成した後に粗面化処理を施す方法における該粗面化処理としては、例えばサンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シート(ラッピングフィルム等)による研磨などの機械的な粗面化処理などが用いられる。
なお、感光層の最外表面層に求められる性質を付与する観点で、最外表面層中に粒子を含有させて表面に粗さを与える方法が好ましく、特に最外表面層の変形を抑制して表面層の割れを低減する観点で、感光層の最外表面層に補強材となる無機粒子(例えばシリカ粒子)を含有させて表面に粗さを与える方法がより好ましい。具体的な態様については、後に詳述する。
・表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)
表面層の最外表面は感光層の最外表面とは異なる表面形状を有し、さらには表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が下記式2−aを満たすことが好ましい。なお、表面粗さ(Rz2)は下記式2−bを満たすことがより好ましい。
式2−a:(Rz2)≦(Rz1)/2
式2−b:(Rz2)≦(Rz1)/4
表面粗さ(Rz2)が上記式を満たすことで、感光層の最外表面における粗さの頂上部で反射する露光光と谷底部で反射する露光光との光路差がより確実に得られ、干渉に起因する画像の濃度ムラがより抑制される。
また、表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)は下記式3−aを満たすことが好ましく、下記式3−bを満たすことがより好ましい。
式3−a:(Rz2)≦60nm
式3−b:(Rz2)≦30nm
表面粗さ(Rz2)が上記式を満たすことで、感光体の表面のトナーや放電生成物等の異物をクリーニングするクリーニング装置としてクリーニングブレードを備えた装置を適用する場合であっても、良好なクリーニング性能が発揮される。その結果、クリーニング不良に起因する画質欠陥(横帯状の画質欠陥等)が抑制される。
なお、クリーニングブレードによるクリーニング性能の観点からは、表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)は小さい程好ましく、つまり0nmに近い程好ましい。
ここで、感光層の最外表面に接するように表面層を形成する方法としては、特に限定されることなく一般的に公知な方法によって行い得る。例えば、表面層形成用の塗布液を調液し塗布し乾燥して形成する方法、気相成長法等の蒸着法により感光層表面に表面層を製膜する方法等が挙げられる。
表面層形成用の塗布液を塗布し乾燥して形成する方法の場合、通常であれば下層である感光層の最外表面の粗さがそのまま表面層の最外表面に反映されることはなく、つまり感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する表面層が形成される。なお、表面層形成用の塗布液を用いる方法において表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)を前記式の範囲に制御する方法としては、塗布液中の成分やその組成比を調整する方法、塗布液の粘度や塗布方法を制御する方法、乾燥条件を調整する方法、さらに必要であれば乾燥後に加熱処理を行いその際の条件を調整する方法等が挙げられる。
気相成長法等の蒸着法により感光層表面に表面層を製膜する方法の場合、表面層の最外表面には感光層の最外表面と同じ表面形状が形成されること(つまり感光層の最外表面が有する粗さの形状を、表面層の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有すること)がある。この場合、例えば、表面層に対し研磨、粗面化等の粗さの形状を異ならせる表面処理を施すことにより、本実施形態における「表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する」との構成を達成し得る。また、気相成長法等の蒸着法による方法において表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)を前記式の範囲に制御する方法としても、表面層に対し研磨、粗面化等の表面処理を施す方法が挙げられる。
前記表面処理としては、特に限定されることなく公知の方法が採用され、例えばサンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シート(ラッピングフィルム等)による研磨などの機械研磨等が挙げられる。
(屈折率)
感光層の最外表面層の屈折率(n1)及び表面層の屈折率(n2)はそれぞれの組成によって異なり、感光層の最外表面層及び表面層の組成の組合せによって屈折率(n1)と屈折率(n2)との差も変化して、下記式4−aを満たす範囲となることがある。なお、特に有機感光層の表面に無機表面層を設けた態様の場合、有機材料と無機材料との屈折率は差が大きくなり、その差が下記式4−aを満たす範囲となる傾向にある。
ここで、感光層の最外表面層と表面層との界面では両者の屈折率の差が大きいほど該界面で生じる露光光の反射も増えるため入射透過光と反射透過光との干渉に起因した画像の濃度ムラもより発生し易くなる。特に、感光層の最外表面層と表面層との屈折率が下記式4−aを満たす場合、画像の濃度ムラの発生がより増加する傾向にある。
しかし本実施形態では、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たし、かつ表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する構成である為、感光層の最外表面層と表面層との屈折率が下記式4−aを満たす態様であっても、画像の濃度ムラの発生が抑制される。
式4−a:|(n2)−(n1)|≧0.2
以下、本実施形態に係る画像形成装置用ユニットを備えた画像形成装置の構成について説明するにあたり、まず電子写真感光体の構成を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図7は、本実施形態に係る電子写真用感光体の一例を示す模式断面図である。図8乃至図9はそれぞれ本実施形態における電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。
図7に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、電荷輸送層3、及び表面層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層6が構成されている。
そして、電荷輸送層3が感光層6の最外表面層に相当し、この電荷輸送層3の最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たす。また、表面層5の最外表面が電荷輸送層3とは異なる表面形状を有する。
図8に示す電子写真感光体7Bは、図7に示す電子写真感光体7Aと同様に電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離され、さらに電荷輸送層3が機能分離された機能分離型感光体である。また、図9に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型有機感光層6A(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
図8に示す電子写真感光体7Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷発生層2、電荷輸送層3B、電荷輸送層3A及び表面層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Bにおいては、電荷輸送層3A、電荷輸送層3B及び電荷発生層2により感光層6が構成されている。
そして、電荷輸送層3Aが感光層6の最外表面層に相当し、この電荷輸送層3Aの最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たす。また、表面層5の最外表面が電荷輸送層3Aとは異なる表面形状を有する。
図9に示す電子写真感光体7Cにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型有機感光層6A、表面層5が順次形成された構造を有するものである。
そして、単層型有機感光層6Aが感光層の最外表面層に相当し、この単層型有機感光層6Aの最外表面の表面粗さ(Rz1)が前記式1−aを満たす。また、表面層5の最外表面が単層型有機感光層6Aとは異なる表面形状を有する。
なお、図7乃至図9に示す電子写真感光体において、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。
以下、代表例として図7に示す電子写真感光体7Aに基づいて、各要素について説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から(1/2)λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
−電荷輸送層−
図7に示す態様では、感光層の最外表面層として電荷輸送層を有する。感光層の最外表面層である電荷輸送層の表面粗さ(Rz1)(nm)は、下記式1−aを満たす。
式1−a:(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))
なお、電荷輸送層(感光層の最外表面層)を上記の表面粗さ(Rz1)の範囲に制御する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば感光層の最外表面層中に表面に粗さを与える成分(例えばシリカ粒子等の粒子)を含有させる方法、感光層の最外表面層を形成した後に粗面化処理(例えばサンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シート(ラッピングフィルム等))を施す方法等が挙げられる。
以下、電荷輸送層の組成について説明する。
電荷輸送層は、電荷輸送材料を含み、さらに必要に応じて結着樹脂を含んで構成される。また、感光層の最外表面に粗さを与える成分(例えばシリカ粒子等の粒子)を含でもよい。
・粗さを与える成分
電荷輸送層に添加することで感光層の最外表面に粗さを与える成分としては、特に限定されるものではないが、粒子が好ましい。粒子の粒径や添加量等の調整によって感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)や平均間隔(Sm)等を調整し得る。
用いる粒子は、特に限定されず無機粒子、有機粒子のいずれであってもよい。なお、電荷輸送層(最外表面層)の変形を抑制して表面層の割れを低減する観点では、電荷輸送層(最外表面層)の補強材となる無機粒子が好ましい。
無機粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、金属酸化物粒子、カーボン粉末等が挙げられ、これらの中でも補強材としての機能の観点でシリカ粒子がより好ましい。
シリカ粒子としては、例えば、乾式シリカ粒子、湿式シリカ粒子が挙げられる。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカが挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、表面のシラノール基が少なく、低い空隙構造を持つ燃焼法シリカ粒子が望ましい。
シリカ粒子は、その表面が疎水化処理剤で表面処理されていることがよい。これにより、シリカ粒子の表面のシラノール基が低減する。
疎水化処理剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン等の周知のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、疎水化処理剤としては、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を持つシラン化合物が望ましい。つまり、シリカ粒子の表面には、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を有することがよい。
トリメチルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
デシルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、デシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フェニル基を持つシラン化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
疎水化処理されたシリカ粒子の縮合率(シリカ粒子中のSiO-の結合におけるSi-O−Siの率:以下「疎水化処理剤の縮合率」という)は、例えば、シリカ粒子の表面のシラノール基に対して90%以上がよく、望ましくは91%以上、より望ましくは95%以上である。
疎水化処理剤の縮合率を上記範囲にすると、シリカ粒子のシラノール基が低減される。
疎水化処理剤の縮合率は、NMRで検出した縮合部のケイ素の全結合可能サイトに対して、縮合したケイ素の割合を示しており、次のようにして測定する。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。分離したシリカ粒子に対して、Bruker製AVANCEIII 400でSi CP/MAS NMR分析を行い、SiOの置換数に応じたピーク面積を求め、それぞれ、2置換(Si(OH)(0−Si)−)、3置換(Si(OH)(0−Si)−)、4置換(Si(0−Si)−)の値をQ2,Q3,Q4とし、疎水化処理剤の縮合率は式:(Q2×2+Q3×3+Q4×4)/4×(Q2+Q3+Q4)により算出する。
シリカ粒子等の無機粒子の体積抵抗率は、例えば、1011Ω・cm以上がよく、望ましくは1012Ω・cm以上、より望ましくは1013Ω・cm以上である。
無機粒子の体積抵抗率を上記範囲にすると、細線再現性の悪化が抑制される。
無機粒子の体積抵抗率は、次のようにして測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
まず、層中から無機粒子を分離する。そして、20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離した無機粒子を1mm以上3mm以下の厚さになるように載せ、無機粒子層を形成する。この上に前記同様の20cmの電極板を載せ無機粒子層を挟み込む。無機粒子間の空隙をなくすため、無機粒子層上に配置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから無機粒子層の厚み(cm)を測定する。疎水性無機粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、無機粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。無機粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρは疎水性無機粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、Iは印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは疎水性無機粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I)/L
シリカ粒子等の粒子の体積平均粒径は、例えば、20nm以上200nm以下であることがよく、望ましくは30nm以上200nm以下、より望ましくは40nm以上150nm以下である。
この体積平均粒径は、層中から粒子を分離し、この粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により40000倍の倍率で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を求め、これを粒子の体積平均粒径として測定する。
本実施形態において感光層の最外表面層となる電荷輸送層は、シリカ粒子等の粒子を、電荷輸送層全体に対して、30質量%以上70質量%以下含有することが好ましい。粒子の含有量が前記範囲であることで、感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)や平均間隔(Sm)の前述の範囲への調整が容易になる。
・電荷輸送材料
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a−1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C−C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a−2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。
なお、電荷輸送層に前記粒子を含有する場合には、電荷輸送層中における電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層の全成分の質量から粒子の質量を引いた質量に対して、40質量%以上がよく、望ましくは40質量%以上70質量%以下、より望ましくは40質量%以上60質量%以下である。
また、電荷輸送材料の含有量は、シリカ粒子よりも少ないことがよい。
電荷輸送材料の含有量を上記範囲とすると、残留電位の発生が抑制され易くなる。
・結着樹脂
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
・電荷輸送層の特性
電荷輸送層の弾性率は、例えば、5GPa以上がよく、望ましくは6GPa以上、より望ましくは6.5GPa以上である。
電荷輸送層の弾性率を上記範囲とすると、表面層の割れが抑制され易くなる。
なお、電荷輸送層の弾性率を上記範囲とするには、例えば、シリカ粒子等の無機粒子の粒径及び含有量を調整する方法、電荷輸送材料の種類及び含有量を調整する方法が挙げられる。
電荷輸送層の弾性率は、次のように測定する。
まず、表面層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いて測定する。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、10μm以上40μm以下がより望ましく、10μm以上35μm以下がさらに望ましく、15μm以上30μm以下が特に望ましい。
電荷輸送層の膜厚を上記範囲にすると、表面層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
・電荷輸送層の形成
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
なお、電荷輸送層形成用塗布液中に粒子(例えばシリカ粒子)を分散させる場合、その分散方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
また、感光層の最外表面層である電荷輸送層に対し、最外表面の表面粗さ(Rz1)を前述の範囲とするための後処理として表面処理を施してもよい。例えば、粗面化処理を施す方法が挙げられ、該粗面化処理としては、サンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シート(ラッピングフィルム等)による研磨などの機械的な粗面化処理などが用いられる。
−表面層−
表面層の最外表面は、感光層の最外表面(図7に示す態様では電荷輸送層の最外表面)とは異なる表面形状を有する。
なお、表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)は、前述の式2−a[(Rz2)≦(Rz1)/2]や、式3−a[(Rz2)≦60nm]を満たすことが好ましい。
感光層の最外表面に接するように表面層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、表面層形成用の塗布液を調液し塗布し乾燥して形成する方法、気相成長法等の蒸着法により感光層表面に表面層を製膜する方法等が挙げられる。
塗布液を用いる方法の場合、通常であれば下層である感光層の最外表面の粗さがそのまま表面層の最外表面に反映されることはなく、つまり感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する表面層が形成される。
一方、気相成長法等の蒸着法による方法の場合、表面層の最外表面には感光層の最外表面と同じ表面形状が形成されること(つまり感光層の最外表面が有する粗さの形状を、表面層の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有すること)がある。この場合、例えば、表面層に対し研磨、粗面化等の粗さの形状を異ならせる表面処理を施すことにより、表面層の最外表面を感光層の最外表面とは異なる表面形状とし得る。
なお、表面層としては、感光体の摩耗を抑制し長寿命化を図る観点で無機表面層が好ましく、中でも気相成長法等の蒸着法による蒸着無機表面層がより好ましい。
以下においては、無機表面層を例に挙げて、表面層ついて説明する。
・無機表面層の組成
無機表面層は、無機材料を含んで構成された層である。
無機材料としては、表面層としての機械的強度、透光性を有するという観点から、例えば、酸化物系、窒化物系、炭素系、珪素系の無機材料が挙げられる。
酸化物系の無機材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
窒化物系の無機材料としては、例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化亜鉛、窒化チタン、窒化インジウム、窒化錫、窒化ホウ素等の金属窒化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
炭素系及び珪素系の無機材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン(a−C)、水素化アモルファスカーボン(a−C:H)、水素・フッ素化アモルファスカーボン(a−C:H)、アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC)、水素化アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC:H)アモルファスシリコン(a−Si)、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)等が挙げられる。
なお、無機材料は、酸化物系及び窒化物系の無機材料の混晶であってもよい。
これらの中でも、無機材料としては、金属酸化物は、機械的強度、透光性に優れ、特にn型導電性を有し、その導電制御性に優れるという観点から、金属酸化物、特に、第13族元素の酸化物(望ましくは酸化ガリウム)が望ましい。
つまり、無機表面層は、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成されることがよく、必要応じて、水素を含んで構成されていてもよい。水素を含むことで、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成された無機表面層の諸物性が容易に制御され易くなる。
なお、無機表面層を構成する全元素に対する、第13族元素、酸素、及び水素の元素構成比率の和は、90原子%以上であることが好ましい。
また、酸素及び第13族元素の元素組成比(酸素/第13族元素)は1.1以上1.5以下であることが好ましい。
例えば、ガリウム、酸素、及び水素を含む無機表面層(例えば、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機表面層)において、組成比[O]/[Ga]を1.0から1.5と変化させることで、10Ω・cm以上1014Ω・cmの範囲で体積抵抗率の制御が実現され易くなる。
無機表面層には、上記無機材料の他、導電型の制御のために、例えば、n型の場合、C、Si、Ge、Snから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。また、例えば、p型の場合、N、Be、Mg、Ca、Srから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。
ここで、無機表面層が、ガリウムと酸素と必要に応じて水素とを含んで構成された場合、機械的強度、透光性、柔軟性に優れ、その導電制御性に優れるという観点から、好適な元素構成比率は以下の通りである。
ガリウムの元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、15原子%以上50原子%以下であることがよく、望ましくは20原子%以上40原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
酸素の元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、30原子%以上70原子%以下であることがよく、望ましくは40原子%以上60原子%以下、より望ましくは45原子%以上55原子%以下である。
水素の元素構成比率は、例えば、無機表面層の全構成元素に対して、10原子%以上40原子%以下であることがよく、望ましくは15原子%以上35原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
一方で、原子数比〔酸素/ガリウム〕は、1.50を超え2.20以下であることがよく、望ましくは1.6以上2.0以下である。
ここで、無機表面層における各元素の元素構成比率、原子数比等は、厚み方向の分布も含めてラザフォードバックスキャタリング(以下、「RBS」と称する)により求められる
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは109°とする。
RBS測定は、具体的には以下のように行う
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
なお、水素の元素構成比率は、ハイドロジェンフォワードスキャタリング(以下、「HFS」と称する)により求められる。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
HFS測定は、He++イオンビームに対して検出器が30°に、試料が法線から75°になるようにセットすることにより、試料の前方に散乱する水素のシグナルを拾う。この時検出器をアルミ箔で覆い、水素とともに散乱するHe原子を取り除くことがよい。定量は参照用試料と被測定試料との水素のカウントを阻止能で規格化した後に比較することによって行う。参照用試料としてSi中にHをイオン注入した試料と白雲母を使用する。
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
・無機表面層の特性
無機表面層は、目的に応じて、厚み方向に組成比に分布を有していてもよいし、多層構成からなるものであってもよい。
無機表面層は、微結晶膜、多結晶膜、非晶質膜などの非単結晶膜であることが望ましい。これらの中でも、非晶質は表面の平滑性で特に望ましいが、微結晶膜は硬度の点でより望ましい。
無機表面層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が望ましく、非晶質が望ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
無機表面層の体積抵抗率は、10Ω・cm以上であることがよく、望ましくは10Ω・cm以上である。
この体積抵抗率を上記範囲とすると、電荷が面内方向に流れることが抑制され、良好な静電潜像形成が実現され易くなる。
この体積抵抗率は、nF社製LCRメーターZM2371を用いて、周波数1kHz、電圧1Vの条件にて測定した抵抗値から、電極面積、試料厚みに基づき算出して求められる。
なお、測定試料は、測定対象となる無機表面層の成膜時の同条件でアルミ基材上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機表面層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
無機表面層の弾性率は30GPa以上80GPa以下であることがよく、望ましくは40GPa以上65GPa以下である。
この弾性率を上記範囲とすると、無機表面層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
この弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる無機表面層の成膜時の同条件で基材上に成膜した試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機表面層を剥離し、一部エッチングした試料であってもよい。
無機表面層の膜厚は、例えば、0.2μm以上10.0μm以下であることがよく、望ましくは0.4μm以上5.0μm以下である。
この膜厚を上記範囲とすると、無機表面層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
・無機表面層の形成
表面層の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
以下、無機表面層の形成について、成膜装置の一例を図面に示しつつ具体例を挙げて説明する。なお、以下の説明は、ガリウム、酸素、及び水素を含んで構成された無機表面層の形成方法について示すが、これに限られず、目的とする無機表面層の組成に応じて、周知の形成方法を適用すればよい。
図10は、本実施形態における電子写真感光体の無機表面層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図であり、図10(A)は、成膜装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図10(B)は、図10(A)に示す成膜装置のA1−A2間における模式断面図を表す。図10中、210は成膜室、211は排気口、212は基体回転部、213は基体支持部材、214は基体、215はガス導入管、216はガス導入管215から導入したガスを噴射する開口を有するシャワーノズル、217はプラズマ拡散部、218は高周波電力供給部、219は平板電極、220はガス導入管、221は高周波放電管部である。
図10に示す成膜装置において、成膜室210の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口211が設けられており、成膜室210の排気口211が設けられた側と反対側に、高周波電力供給部218、平板電極219及び高周波放電管部221からなるプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
なお、図10に示す成膜装置に設けられたプラズマ発生装置の代わりに、図11に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図11は、図10に示す成膜装置において利用されるプラズマ発生装置の他の例を示す概略模式図であり、プラズマ発生装置の側面図である。図11中、222が高周波コイル、223が石英管を表し、220は、図10中に示すものと同様である。このプラズマ発生装置は、石英管223と、石英管223の外周面沿って設けられた高周波コイル222とからなり、石英管223の一方の端は成膜室210(図11中、不図示)と接続されている。また、石英管223のもう一方の端には、石英管223内にガスを導入するためのガス導入管220が接続されている。
図10において、平板電極219の放電面側には、放電面に沿って延びる棒状のシャワーノズル216が接続されており、シャワーノズル216の一端は、ガス導入管215と接続されており、このガス導入管215は成膜室210外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め有機感光層まで積層された感光体等が用いられる。
無機表面層の形成は、例えば、以下のように実施する。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、トリメチルガリウムガスをガス導入管215、活性化手段である平板電極219の下流側に位置するシャワーノズル216を介して成膜室210に導入することによって、基体214表面にガリウムと酸素と水素とを含む非単結晶膜を成膜する。
基体214としては、例えば、有機感光層が形成された基体を用いる。
無機表面層の成膜時の基体214表面の温度は、有機感光層を有する有機感光体を用いるので、150℃以下が望ましく、100℃以下がより望ましく、30℃以上100℃以下が特に望ましい。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが望ましい。
基体214表面の温度は加熱手段、冷却手段(図中、不図示)等によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
また、トリメチルガリウムガスの代わりにアルミニウムを含む有機金属化合物やジボラン等の水素化物を用いることもでき、これらを2種類以上混合してもよい。
例えば、無機表面層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、有機感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による有機感光層へのダメージが抑制される。
また、成膜時におけるドーパントのドーピングの方法としては、n型用としてはSiH,SnHを、p型用としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、などをガス状態で使用する。また、ドーパント元素を表面層中にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用してもよい。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機表面層を得る。
図10及び図11を用いて説明した成膜装置では、放電エネルギーにより形成される活性窒素又は活性水素を、活性装置を複数設けて独立に制御してもよいし、NHなど、窒素原子と水素原子を同時に含むガスを用いてもよい。さらにHを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いてもよい。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機表面層)が形成される。
図10及び図11に示す成膜装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いたり、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
さらに、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起されるようにすることが望ましい。また、放電する領域と、成膜する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図10に示す成膜装置を例に上げれば、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用される。この場合、例えば、ガス導入管215を介して、シャワーノズル216に高周波電圧を印加して、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる。あるいは、シャワーノズル216を電極として利用する代わりに、成膜室210内の基体214と平板電極219との間に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して、成膜室210内に放電を起こさせる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
無機表面層の形成は、例えば、成膜室210に基体上に有機感光層を形成した基体214を設置し、各々組成の異なる混合ガスを導入して、無機表面層を形成する。
また、成膜条件としては、例えば高周波放電により放電する場合、低温で良質な成膜を行うには、周波数として10kHz以上50MHz以下の範囲とすることが望ましい。また、出力は基体214の大きさに依存するが、基体の表面積に対して0.01W/cm以上0.2W/cm以下の範囲とすることが望ましい。基体214の回転速度は0.1rpm以上500rpm以下の範囲が望ましい。
・表面処理
なお、表面層を形成する際、前述のごとくプラズマCVD等の気相成長法を用いて表面層を成膜すると、この表面層の最外表面には感光層の最外表面と同じ表面形状が形成される(つまり感光層の最外表面が有する粗さの形状を、表面層の最外表面が表面層厚さ方向において重なる位置に有する)ことがある。この場合、例えば、表面層に対し研磨、粗面化等の粗さの形状を異ならせる表面処理を施すことにより、本実施形態における「表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する」との構成を達成し得る。
前記表面処理としては、特に限定されることなく公知の方法が採用され、例えばサンドブラスト処理、液体ホーニング処理、バフ研磨、研磨シート(ラッピングフィルム等)による研磨などの機械研磨等が挙げられる。
ここで、研磨シートを用いた研磨による表面処理方法について、一例を挙げて具体的に説明する。表面層を形成した後の感光体に水をかけながら研磨シートを押し当て研磨を行う。具体的には砥粒の大きさが異なる複数のラッピングフィルムを複数回に分けて押し当てて研磨を行うことが好ましい。こうすることで、例えば表面層の最外表面が平滑に近い表面形状を有する構成、つまり表面層の最外表面が感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する構成とし得る。
以上、電子写真感光体として感光層が機能分離型で、電荷輸送層が単層型の例を説明したが、図8に示される電子写真感光体(感光層が機能分離型で、電荷輸送層が複層型の例)の場合、表面層5と接する電荷輸送層3Aは図7に示す電子写真感光体の電荷輸送層3と同じ構成とする一方で、表面層5と接しない電荷輸送層3Bは周知の電荷輸送層と同じ構成とすることがよい。
ただし、電荷輸送層3Aの膜厚は、1μm以上15μm以下とすることがよい。また、電荷輸送層3Bの膜厚は、15μm以上29μmとすることがよい。
一方、図9に示される電子写真感光体(感光層が単層型の例)の場合、単層側有機感光層6A(電荷発生/電荷輸送層)は、電子写真感光体の電荷輸送層3と電荷発生材料を含む以外は同じ構成とすることがよい。
ただし、単層側有機感光層6A中の電荷発生材料の含有量は、単層側有機感光層全体に対して、25質量%以上50質量%以下とすることがよい。
また、単層側有機感光層6Aの膜厚は、15μm以上30μmとすることがよい。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
ついで、本実施形態に係る画像形成装置用ユニットを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成について説明する。本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジでは、画像形成装置用ユニットに備えられる電子写真感光体及び露光手段を、少なくとも有する。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図12は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図12に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(露光手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図12におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図12には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9(露光手段の一例)としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図13は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図13に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
−シリカ粒子(11)作製−
未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50(製造元:アエロジル社製、粒径d=40nm)」100質量部に、疎水化処理剤としてトリメトキシシラン(「商品名:1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(製造元 東京化成社製)」)30質量部を添加し、24時間反応させ、その後、濾取し疎水化処理されたシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子(11)とした。
−下引層の形成−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン:25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径60mm、長さ357mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ19μmの下引層を得た。
−電荷発生層の形成−
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層の形成−
シリカ粒子(11)20質量部にテトラヒドロフラン95質量部を入れ、20℃の液温に保ちながら(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ジフェニル)−4,4’−ジアミン10質量部、結着樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:50,000)10質量部、を加え12時間攪拌混合し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。なお、シリカ粒子の固形分中での含有量は50質量%である。
この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布して135℃で40分間乾燥し、膜厚が30μmの電荷輸送層を形成した。以上の工程を経て、アルミニウム基材上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成したノンコート感光体(1)を得た。
−無機表面層の形成−
次に、ノンコート感光体(1)の表面へ、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機表面層を形成した。この無機表面層の形成は、図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、ノンコート感光体(1)を、成膜装置の成膜室210内の基体支持部材213に載せ、排気口211を介して成膜室210内を、圧力が0.1Paになるまで真空排気した。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量4.0sccm)、及び水素ガス(流量50sccm)を、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量5.0sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は5.3Paであった。
この状態で、ノンコート感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら180分間成膜し、ノンコート感光体(1)の電荷輸送層表面に膜厚3.0μmの無機表面層を形成した。
−無機表面層への表面処理−
無機表面層を形成した感光体に対し、水をかけながら研磨シートを押し当て研磨を行った。まず、砥粒1μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、均一に近い状態で全体に傷が入るまで研磨した。次に方向を変えて、砥粒0.5μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、均一に近い状態で全体に傷が入るまで研磨した。さらに方向を変えて、砥粒0.3μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、均一に近い状態で全体に傷が入るまで研磨した。さらに方向を変えて、砥粒0.1μmのダイヤモンドラッピングフィルム(3M社製)を押し当て、表面が平滑に近い表面形状になるまで(目視でいわゆる鏡面状態になるまで)研磨して、無機表面層への表面処理を行った。
以上の工程を経て、導電性基体上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、無機表面層が順次形成された電子写真感光体を得た。
感光層の最外表面の表面粗さRz1及び無機表面層の最外表面の表面粗さRz2を、原子間力顕微鏡を用いた前述の方法により測定した。
また、感光層の最外表面における粗さの平均間隔(Sm)を前述の方法により測定した。
[評価]
得られた感光体を、画像形成装置700Digital Color Press(富士ゼロックス社、露光波長λ=780nm)にセットした。気温28℃、湿度85%の環境で、図14に示したA4チャートを500枚プリントし、その後電源をオフにして12時間放置した。12時間後にCin30%のハーフトーン画像を出力し、「初期画像」として、得られた画像の評価を目視で行った。
次いで上記と同じ条件で、図14に示したA4チャートをさらに4万9500枚(計5万枚)プリントし、その後電源をオフにして12時間放置した。12時間後にCin30%のハーフトーン画像を出力し、「5万枚後画像」として、得られた画像の評価を目視で行った。
また上記と同じ条件で、図14に示したA4チャートをさらに5万枚(計10万枚)プリントし、その後電源をオフにして12時間放置した。12時間後にCin30%のハーフトーン画像を出力し、「10万枚後画像」として、得られた画像の評価を目視で行った。
なお、評価基準は以下の通りである。
A(○):縦帯、横帯ともに確認されなかった
B(△):横帯の画像欠陥が確認された
C(×):縦帯の画像濃度ムラが確認された
〔実施例2〕
実施例1において、電荷輸送層の作製に用いたシリカ粒子(11)を、「商品名:RX−40S(製造元:アエロジル社製、粒径d=80nm)」に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
〔実施例3〕
実施例2において、無機表面層への表面処理の条件を変更して、無機表面層の最外表面の表面粗さRz2が下記表1に記載の範囲となるよう調整したこと以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
〔実施例4〕
実施例1において、無機表面層への表面処理の条件を変更して、無機表面層の最外表面の表面粗さRz2が下記表1に記載の範囲となるよう調整したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
〔比較例1〕
実施例2において、電荷輸送層を形成した後、無機表面層を形成する前に、電荷輸送層表面に水をかけながら研磨シート(ダイヤモンドラッピングフィルム、3M社製)を押し当てて研磨し、感光層の最外表面の表面粗さRz1が下記表1に記載の範囲となるよう調整し、かつ無機表面層への表面処理の条件も変更し無機表面層の最外表面の表面粗さRz2が下記表1に記載の範囲となるよう調整したこと以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
〔比較例2〕
実施例1において、電荷輸送層の形成の際にシリカ粒子を含有させず、また無機表面層の形成の際に前記の方法によって無機表面層を形成した後、表面処理(表面研磨)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得、評価を実施した。
(※1)実施例4では、初期画像、5万枚後画像、及び10万枚後画像のいずれにおいても、クリーニングブレードでのクリーニング不良に伴う「横帯」の画像欠陥が生じていた。しかし、画像形成装置におけるクリーニングブレードの感光体駆動方向下流側に更にブラシクリーニング装置を設置することで、「横帯」の画像欠陥の発生は確認されなくなり、初期画像、5万枚後画像、及び10万枚後画像のいずれにおいても「A(○)」評価となった。
(※2)比較例1及び比較例2では、評価試験の「5万枚後画像」形成後及び「10万枚後画像」形成後に感光体の表面に偏摩耗が生じていることが確認された。また、「縦帯」の画像濃度ムラは、この偏摩耗に対応する位置において発生していた。
1 下引層、2 電荷発生層、3、3A、3B 電荷輸送層、4 導電性基体、5、105 無機表面層、6、106 感光層、6A 単層型有機感光層、7、7A、7B、7C 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、210 成膜室、211 排気口、212 基体回転部、213 基体支持部材、214 基体、215、220 ガス導入管、216 シャワーノズル、217 プラズマ拡散部、218 高周波電力供給部、219 平板電極、221 高周波放電管部、222 高周波コイル、223 石英管、300 プロセスカートリッジ

Claims (9)

  1. 導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体に波長(λ)(nm)の光を露光して、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、を備え、
    前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
    かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する画像形成装置用ユニット。
  2. 前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦(Rz1)/2]を満たす請求項1に記載の画像形成装置用ユニット。
  3. 前記表面層の最外表面の表面粗さ(Rz2)(nm)が式[(Rz2)≦60nm]を満たす請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用ユニット。
  4. 前記表面層の屈折率(n2)と、前記感光層の最外表面を構成する層の屈折率(n1)と、が式[|(n2)−(n1)|≧0.2]を満たす請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
  5. 前記表面層が無機表面層であり、前記感光層が有機感光層である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
  6. 前記表面層が酸素及びガリウムを含む無機表面層である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットを備え、
    画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置用ユニットと、
    前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
    前記画像形成装置用ユニットに備えられる前記露光手段からの露光によって前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  9. 表面が帯電された状態で波長(λ)(nm)の光が露光されることで、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体であって、
    導電性基体、前記導電性基体上に設けられた感光層、及び前記感光層の最外表面に接するよう設けられた表面層を有し、
    前記表面層の屈折率を(n2)としたとき、前記感光層の最外表面の表面粗さ(Rz1)(nm)が式[(Rz1)≧(λ)/(4×(n2))]を満たし、
    かつ前記表面層の最外表面が前記感光層の最外表面とは異なる表面形状を有する電子写真感光体。
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