以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
先ず、本発明の実施形態によるゲート装置1について説明する。ゲート装置1は、図1等に示されるように、高速道路や有料道路の料金所又は有料駐車場の出入口等のゲートにおいて、車路2の脇に車路2に沿うように形成されたコンクリート製のプラットフォームであるアイランド3上に設置されている。ゲート装置1は、車路2上を進行する車両(移動体)のゲートの通行を、後述するゲートバー16の開閉によって規制する。なお、ゲート装置1の車路2側の面とアイランド3の車路2側の縁石部とは、極力接近していることが望ましく、接近しているほどゲートバー16の長さを短くすることができる。
本実施形態では、説明の便宜上、車路2上においてゲート通過前の地点からゲートを見た場合に、手前側を「前」、向こう側(奥側)を「後」、右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」と定義する。以下、本実施形態において方向を説明する場合には、この定義に従うものとする。車路2上を進行する車両は、通常、ゲート装置1の前方からゲート装置1に接近し、その後、ゲート装置1の後方へ進む。即ち、ゲート装置1の前後方向は、車路2と平行な車両進行方向(移動体進行方向)である。
ゲート装置1は、本体部11と、垂直方向に軸方向を有する垂直回転フランジ12(垂直回動軸)を介して本体部11の上方に回動可能に設けられた回動部13と、垂直回転フランジ12の軸方向と直交する水平回動軸14を介して回動部13に回動可能に設けられたゲートバー基部15と、後述するリリース動作できるようにゲートバー基部15に着脱可能に取り付けられたゲートバー16とを備える。
なお、水平回動軸14が前後方向に伸長するように位置するときの回動部13の位置を「車路遮断可能位置」と称し(図1、図2(1)、図5(1)、図7(2)参照)、このときの回動部13の回動動作における位相が開始位相である。また、リリース動作したゲートバー16を復帰させる動作(リリース復帰動作)においてゲートバー16をゲートバー基部15に保持させるときの回動部13の位置(水平回動軸14が左右方向に伸長するように位置するときの回動部13の位置)を「ゲートバー迎え位置」と称し(図2(4)、図5(3)、図7(1)参照)、このときの回動部13の回動動作における位相が終了位相である。以下では、回動部13等の各部の説明における各方向は、特に指定のない限り、車路遮断可能位置を基準にして示している。
また、回動部13が車路遮断可能位置(通常時の位置、開始位相)にあるときに、水平回動軸14を回動してゲートバー基部15及びゲートバー16を横臥・起立させることにより車路2の遮断・開放を行う動作を「車路開閉動作」(又はゲート開閉動作)と称する。このとき、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥する位置を「横臥位置」と称し(図1、図2(1)参照)、ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立する位置を「起立位置」と称する(図7(2)実線参照)。以下では、ゲートバー基部15及びゲートバー16等の説明における各方向は、特に指定のない限り、横臥位置を基準にして示している。
先ず、本体部11について説明する。本体部11は、矩形柱状に形成された本体筐体21を備え、本体筐体21はアイランド3上に固定されている。また、本体筐体21の後面には開閉蓋17が開閉可能に取り付けられていて、この開閉蓋17を開いたときに本体筐体21の後面のほぼ全域に形成された後開口部21aが開口するようになっている(図3等参照)。
本体部11は、本体筐体21の上部に垂直回転フランジ12を備えると共に、本体筐体21の内部に垂直回転フランジ12を回動駆動させる回動駆動部22を備える。図3に示すように、本体筐体21の前側内壁には、回動駆動部22を取り付けるための本体ブラケット21bが設けられる。本体筐体21の後面の左側には、リリース動作したゲートバー16を支持するストッパ23が設けられ、ストッパ23は、本体筐体21から後方へと延出して構成されている。本体筐体21の上面のほぼ中央には、上開口部21cが形成される。上開口部21cは、例えば、左右方向に長い楕円形の開口である。本体筐体21では、この上開口部21cを上方から覆うように固定プレート24が取り付けられる。固定プレート24の下面にはベアリング25が取り付けられ、更に、ベアリング25の下面には回動レバー26が取り付けられる。なお、回動レバー26は、回動駆動部22の一部として構成されていてもよい。
垂直回転フランジ12は、固定プレート24の左部上側に回転可能に配置される。垂直回転フランジ12は、円環状に形成され、下端を有する内周部12aと、内周部12aよりも一段高い位置で内周部12aの周囲に形成され、上端を有する外周部12bとから構成される。垂直回転フランジ12は、内周部12aの下端が固定プレート24の接続孔24aを介してベアリング25の回転部25aに同軸に接続され、外周部12bの上端が回動部13に接続される。垂直回転フランジ12の内周部12aには複数のビス孔12cが形成されていて、垂直回転フランジ12は、複数のビス孔12cに通した複数のビス12dによって、上方からベアリング25の回転部25aに締結される。なお、垂直回転フランジ12の外周部12bには、回動部13を締結するための複数のビス孔12eが形成されている。
固定プレート24は、例えば、左右方向に長い楕円形の板状に形成され、左部に接続孔24aが形成されている。固定プレート24は、接続孔24aを本体筐体21の上開口部21cの左部に合わせて配置される。固定プレート24は、上方(垂直方向)に延びた円周壁24bを備え、円周壁24bは、その先端部が回動プレート44の下面から僅かに隙間を空けるように設けられる。円周壁24bは、接続孔24aの周囲、即ち、垂直回転フランジ12の周囲を囲う無端状の円形で形成され、垂直回転フランジ12の外周部12bよりも大きな外径を有し、接続孔24aと同芯状に配置される。固定プレート24の外周縁には複数のビス孔24cが形成されていて、固定プレート24は、複数のビス孔24cに通した複数のビス24dによって、上方から本体筐体21に締結される。
ベアリング25は、円環状に形成され、内周側で円環状の回転部25aと外周側で円環状の支持部25bとから構成される。ベアリング25は、例えば、内輪部としての回転部25aと、外輪部としての支持部25bの間に球形や円筒形の多数のボールベアリングやコロ(図示せず)を備えて、支持部25bに対して回転部25aが回転するように構成されるクロスローラベアリングである。クロスローラベアリングは、一つのベアリング部品だけで、ラジアル・アキシャルの動きに強いベアリングである。なお、ベアリング25は、クロスローラベアリングに限定されず、通常のラジアルベアリングを上下に2つ配置して構成してもよい。
ベアリング25は、回転部25aを固定プレート24の接続孔24aに合わせて固定プレート24の下面に取り付けられる。具体的には、ベアリング25の支持部25bには複数のビス孔25cが形成されていて、ベアリング25は、複数のビス孔25cに通した複数のビス25dによって、下方から固定プレート24の接続孔24aの外縁に締結される。ベアリング25は、固定プレート24に取り付けられた状態で、固定プレート24が本体筐体21に取り付けられる際に、上開口部21cに挿入されてもよいが、固定プレート24が本体筐体21に取り付けられた後で、後開口部21aを介して取り付けてもよい。
回動レバー26は、金属製のレバーであり、図3等に示すように、回転軸部26aと、係合部26bとから構成される。回転軸部26aは、垂直回転フランジ12及びベアリング25と同軸の円環状に形成され、回動レバー26は、回転軸部26aをベアリング25の回転部25aに合わせてベアリング25の下面に取り付けられる。具体的には、回動レバー26の回転軸部26aには複数のビス孔26cが形成されていて、回動レバー26は、複数のビス孔26cに通した複数のビス26dによって、下方からベアリング25の回転部25aに締結される。なお、回転軸部26aは、回動駆動部22の直動ナット33(図5参照)の開始位置と終了位置との間の中間位置よりも後方に回転軸を有し、この中間位置から回転軸までの距離が中間位置から開始位置(終了位置)までの距離と等しくなるように配置される。
係合部26bは、回転軸部26aから径方向外側(離間する方向)へと伸長したヘラ状に形成され、係合部26bには、径方向(回転軸部26aから離間する方向)に沿って伸長する係合溝26eが形成されている。係合溝26eは、直動ナット33の直動ローラ33cに嵌合して直動ナット33に係合される。
回動レバー26は、回動駆動部22の直動ナット33の進退移動に追従して直動ナット33と係合溝26eとの係合位置を変えることで、回転軸部26aを軸にして水平方向に旋回可能に設けられている。回動レバー26は、回動部13が開始位相及び終了位相にあるときに、直動ローラ33cと係合溝26eとの嵌合位置(係合位置)が回転軸部26aから最も遠くなるように回動レバー26の開始回転角度及び終了回転角度が設定されて、回動レバー26が配置される。即ち、回動レバー26の開始回転角度及び終了回転角度は、回動部13の回動動作の開始位相及び終了位相に対応する。なお、回動レバー26は、本体部11の本体筐体21の上開口部21cよりも下方で上開口部21cを避けるように組み込まれているので、本体筐体21に回動駆動部22を取り付ける前では、回動レバー26は、本体筐体21の内部で360°回転可能となる。
回動レバー26は、ベアリング25と共に固定プレート24に取り付けられた状態で、固定プレート24が本体筐体21に取り付けられる際に、上開口部21cに挿入されてもよいが、固定プレート24が本体筐体21に取り付けられた後で、後開口部21aを介して取り付けてもよい。回動レバー26の取り付け時には、係合溝26eが右前方向(例えば、右方向に対して45°の方向)を向くように開始回転角度が調整される。
即ち、垂直回転フランジ12は、ベアリング25及び回動レバー26を介して回動駆動部22に接続されている。従って、ベアリング25及び回動レバー26が本体筐体21に取り付けられた後で、垂直回転フランジ12を操作することで回動レバー26を回転させることができる。
なお、垂直回転フランジ12の内周部12aと、ベアリング25の回転部25aと、回動レバーの回転軸部26aは、これらの円環形状の中心部に上下に流通する中心部孔が設けられていて、最終的には電気配線(図示せず)がこれらの中心部孔を通って上下に通線される。
回動駆動部22は、図3等に示すように、シャーシ31、直動ネジ32(ネジ軸)、直動ナット33(ナット部)、回動駆動モータ34(図8参照)、第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36等を備えている。回動駆動部22は、垂直回転フランジ12を水平方向に回動させることにより、垂直回転フランジ12に接続された回動部13を、水平回動軸14、ゲートバー基部15及びゲートバー16と共に水平方向に回動させることができる。例えば、回動駆動部22は、リリース動作したゲートバー16を、リリース動作する前の状態、即ち、車路開閉動作が可能な元の状態に復帰させる際に垂直回転フランジ12を回動させる。本実施形態の回動駆動部22は、回動部13が回動動作の開始位相及び終了位相に近いほど、回動部13を回動動作させる回転動作力を増加するように構成される。
シャーシ31は、ほぼ門型状に形成され、少なくとも前壁31aと、右側壁31bと、左側壁31cと、を備える。シャーシ31の前壁31aをビス等で本体ブラケット21bに締結することで、回動駆動部22が本体筐体21の内部に取り付けられる。シャーシ31の前壁31aの内面(後面)には、左右方向に沿ってガイド溝31dが形成されている。
直動ネジ32は、シャーシ31の右側壁31bから左側壁31cまでの全域に亘って螺旋ネジ部(雄ネジ)が形成されている。直動ネジ32は、シャーシ31の右側壁31b及び左側壁31cに軸受け支持されて回転可能に取り付けられる。直動ネジ32の右部は、右側壁31bよりも右側に突出していて、直動ネジ32の右端にはホイール32aが直動ネジ32と同軸に設けられ、ホイール32aの左側にベルトプーリ32bが直動ネジ32と同軸に設けられる。ホイール32aは、ベルトプーリ32bよりも大径の外形を有し、外周にはローレット加工が施されている。ベルトプーリ32bは、回動駆動モータ34のモータプーリ34b(図5(1)左図参照)よりも大径の外形を有し、ベルトプーリ32bとモータプーリ34bとの間にベルト37が張架されている。
ベルト37は、例えば、可撓性の素材の内部に細い金属ワイヤーが編み込まれた歯付きベルトで構成され、モータプーリ34bとベルトプーリ32bには歯付きベルトに合わせた凹凸の歯部が形成されている。あるいは、ベルト37は、ゴムベルトやVベルトでもよい。これにより、直動ネジ32は、回動駆動モータ34が回転すると、モータプーリ34bからベルト37を介してベルトプーリ32bに伝達された回転数と回転トルクで回転する。直動ネジ32は、例えば、右ネジと同じ方向に傾斜した螺旋ネジ部(雄ネジ)を備え、ホイール32aを右方視で左方(反時計回り方向)に回すと、直動ナット33が左方向に移動するように構成されている。
直動ナット33は、図5(1)左図等に示すように、内部に六角ナット33aを備え、六角ナット33aの外側をほぼ直方体状の枠体33bで覆うように構成される。直動ナット33の六角ナット33aは、シャーシ31の右側壁31b及び左側壁31cの間で直動ネジ32に螺合している。直動ナット33の枠体33bの上面には、上支軸が上方へと突出していて、この上支軸の外周に直動ローラ33cが回転可能に嵌合されている。また、直動ナット33の枠体33bの前面には、前支軸が前方へと突出していて、この前支軸の外周にガイドローラ33dが回転可能に嵌合されている。
直動ローラ33cは、回動レバー26の係合溝26eに嵌合し、ガイドローラ33dは、シャーシ31の前壁31aのガイド溝31dに嵌合する。これにより、直動ナット33は、直動ネジ32及びガイド溝31dに支持されながら、直動ネジ32の回転に伴ってガイド溝31dに沿って左右方向に移動可能である。また、直動ナット33と共に直動ローラ33cが左右方向に移動することで、直動ローラ33cと回動レバー26の係合溝26eとの嵌合位置(係合位置)が係合溝26eに沿って変化しながら、回動レバー26を旋回させる。
なお、直動ナット33の移動動作における開始位置は、その移動範囲内(シャーシ31の右側壁31bから左側壁31cまでの直動ネジ32上)で最も右側であり、直動ナット33の移動動作における終了位置は、その移動範囲内で最も左側である。直動ナット33の開始位置及び終了位置は、回動部13の回動動作の開始位相及び終了位相に対応する。
また、直動ナット33の枠体33bの後面には、第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36で検知される検知片33eが後方へと突出している。
回動駆動モータ34は、例えば、直流モータであり、直動ネジ32の下方でシャーシ31に固定され、図5(1)左図に示すように、直動ネジ32と平行な駆動軸34aを有する。回動駆動モータ34の駆動軸34aは、シャーシ31の右側壁31bよりも右側に突出していて、駆動軸34aの右端には、モータプーリ34bが取り付けられる。
第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36は、図5(1)右図、図5(2)、図5(3)に示すように、直動ネジ32並びに直動ナット33(検知片33e)よりも後方でシャーシ31の左右端部の内側近傍に固定される。例えば、第1のリミット検知スイッチ35は、直動ナット33が開始位置(その移動範囲内で最も右側)にあるときの検知片33eに対応した位置に設けられ、第2のリミット検知スイッチ36は、直動ナット33が終了位置(その移動範囲内で最も左側)にあるときの検知片33eに対応した位置に設けられる。第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36は、シャーシ31に対して左右方向に若干移動させながら固定できるように、調整可能に取り付けられてよい。
第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36は、例えば、コの字型を有し、前後方向の光軸に赤外線が送受される透過型光センサで構成され、コの字型の隙間に対応して位置する検知片33eを検出する。第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36は、検知片33eによって光軸が遮られることでONとなり、検知片33eが光軸から離脱することでOFFとなる。なお、第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36は、透過型光センサに限定されず、検出アクチュエータを操作するマイクロスイッチ等でもよい。
なお、第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36の検知結果に基づいて、回動駆動モータ34が制御部60(図8参照)によって制御される。例えば、制御部60は、検知片33eが第1のリミット検知スイッチ35又は第2のリミット検知スイッチ36の光軸を遮ったときに瞬時に回動駆動モータ34を停止させてもよい。あるいは、制御部60は、回動駆動モータ34の回転エンコーダ等(図示せず)のパルス数をカウントして、所定の設定カウント値のパルス数分だけ回動駆動モータ34をオーバーランさせてから停止させてもよい。
上記の回動駆動部22は、固定プレート24が本体筐体21に取り付けられた後で、本体筐体21の後開口部21aを介して取り付けられる。回動駆動部22は、開始回転角度で配置された回動レバー26の係合溝26eに対して直動ナット33の直動ローラ33cが嵌合するように直動ナット33の位置を調整すると共に、シャーシ31をやや下側から本体筐体21の本体ブラケット21bに仮掛けするように挿入される。そして、直動ローラ33cが確かに係合溝26eに嵌合されたことを確認しながら、シャーシ31を本体ブラケット21bに対して締結することで、回動駆動部22が本体筐体21に固定される。なお、直動ローラ33cが係合溝26eに嵌合されるように、直動ネジ32のホイール32aを回転させて直動ナット33の位置を調整してもよい。
次に、回動部13について説明する。回動部13は、矩形柱状に形成された箱状の回動筐体41を備えている。ゲート装置1を上方から見た場合に、回動筐体41の矩形状の外形は、本体筐体21の矩形状の外形と概ね同一であることが望ましい。回動部13は、回動筐体41の下面の左部で垂直回転フランジ12と接続される。なお、回動筐体41の後面には開閉扉46(図4(1)、(2)参照)が開閉可能に取り付けられていて、この開閉扉46を開いたときに回動筐体41の後面のほぼ全域に形成された後開口部41aが開口するようになっている(図4(2)参照)。
回動部13は、回動筐体41の内部に水平回動軸14、及び水平回動軸14をゲートバー基部15及びゲートバー16と共に回動駆動させるゲートバー駆動部42を備える。水平回動軸14の先端は、回動筐体41の前面に形成された開口部を介して外部に露出し、ゲートバー基部15と接続可能になっている。水平回動軸14の先端には、ゲートバー基部15をネジ等により着脱可能に取り付けるためにフランジ43が固定されている。回動筐体41の下面の左部には、ほぼ円形の下開口部41bが形成される。下開口部41bは、本体筐体21に配置された垂直回転フランジ12と同芯状に設けられる。回動筐体41では、この下開口部41bを下方から覆うように回動プレート44が取り付けられる。
回動プレート44は、例えば、ほぼ矩形の板状に形成され、ほぼ中央に接続孔44aが形成されている。回動プレート44は、接続孔44aを回動筐体41の下開口部41bに合わせて配置される。
回動プレート44は、下方(垂直方向)に延びた円周壁44bを備え、円周壁44bは、その先端部が固定プレート24の上面から僅かに隙間を空けるように設けられる。円周壁44bは、接続孔44aの周囲、即ち、垂直回転フランジ12の周囲を囲う無端状の円形で形成され、固定プレート24の円周壁24bよりも大きな外径を有し、接続孔44aと同芯状に配置される。回動プレート44は、例えば、複数のビス(図示せず)によって下方から回動筐体41に締結され、あるいは、溶着等によって下方から回動筐体41に固定される。
また、回動部13には、回動プレート44の円周壁44bより内周側の接続孔44aの外縁に沿って、回動筐体41の下面及び回動プレート44を上下方向に貫通する複数のビス孔41cが形成されている。回動部13は、下開口部41bを垂直回転フランジ12に同芯状に合わせて本体部11の上方に載置された後、回動筐体41の後開口部41aを介して回動筐体41の内部から複数のビス孔41cに通した複数のビス41dを垂直回転フランジ12の複数のビス孔12eに締結することで、回動部13が垂直回転フランジ12に締結(固定)される。
ゲートバー駆動部42は、ゲートバー駆動モータ45(図8参照)等を備えている。ゲートバー駆動部42は、回動部13が車路遮断可能位置にあって水平回動軸14が前後方向に伸長するように位置している間、水平回動軸14をゲートバー基部15及びゲートバー16と共に回動駆動させることにより車路開閉動作を行うことができる。例えば、ゲートバー駆動部42は、車路2を遮断するときにはゲートバー基部15及びゲートバー16が「横臥位置」になるように、また、車路2を開放するときにはゲートバー基部15及びゲートバー16が「起立位置」になるように水平回動軸14を回動する。なお、ゲートバー基部15及びゲートバー16の「起立位置」は、車路2(ゲート)を十分に開放するような位置であればよく、例えば、ゲートバー基部15及びゲートバー16を鉛直に直立させた位置や、85度程度に起立させた位置でよい。
ゲートバー駆動モータ45は、例えば、ステッピングモータである。ステッピングモータは、出力軸と一体化したロータの周囲に多数個の固定子を配置し、この固定子毎に取り付けられたコイルを順次励磁させることで、ロータを回転させるものである。ステッピングモータは、回転速度の細かい制御や停止位置の正確性を実現することができる。ゲートバー駆動モータ45は、回動筐体41の内部に設けられ、回動筐体41の後開口部41aを介してメンテナンス可能になっている。なお、ゲートバー駆動モータ45は、ゲート装置1が後述する加振モードを備えない場合には、ステッピングモータに代えて、DCブラシモータ等の他の方式のモータで構成されてもよい。
次に、ゲートバー基部15及びゲートバー16について説明する。ゲートバー基部15は、前側が開口された断面コ字状に形成された長尺状の部材であり、ゲートバー16の一端側を嵌合する形状を有する。ゲートバー基部15は、長手方向一端側(右側)の後面が水平回動軸14に取り付けられていて、水平回動軸14の回動に応じて回動部13に対して回動可能になっている。一方、ゲートバー基部15の長手方向他端側(左側)は、水平回動軸14と交わる方向(本実施形態においては水平回動軸14と直交する方向)に伸長している。また、ゲートバー基部15の他端側には、短手方向(上下方向)に軸方向を有するリリース回動軸51が備えられている。ゲートバー基部15の底部には、保持部スプリング52が装着されている(図2(2)〜(4)参照)。
ゲートバー16は、長尺に形成され、1台のゲート装置1で車両の通行を規制する場合には、車路2を遮断できる程度の長さを有する。ゲートバー16は、長手方向一端側(右側)に設けられるゲートバー保持部53と、ゲートバー保持部53に装着されて長手方向他端側(左側)に延在するゲートバー本体54とを備える。ゲートバー本体54は、軽量な材料、例えば、アルミの中空パイプ等からなる芯部の他端側を、発泡ウレタン等からなる緩衝材で覆うことによって形成される。ゲートバー本体54を構成する緩衝材の外表部には、ドライバー等からの視認性を良くするために、赤白のストライプ等のラミネートが施されるとよい。ゲートバー本体54の長手方向他端は、他端側に向かうほど外径が小さい先端尖り部54aが形成されている。
ゲートバー16は、ゲートバー保持部53がゲートバー基部15に嵌合するように、ゲートバー基部15に取り付けられる。このとき、ゲートバー16の中間部に位置するゲートバー保持部53の長手方向他端側が、ゲートバー基部15のリリース回動軸51に回動可能に支持される。これにより、ゲートバー16は、ゲートバー保持部53に対してリリース回動軸51周りに回動可能になる。
ゲートバー16の一端側は、ゲートバー基部15の一端側に着脱可能に保持される。具体的には、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側には、係止機構55が設けられていて、係止機構55により、ゲートバー基部15の一端側とゲートバー16の一端側とが互いに着脱可能に係止される。ゲートバー基部15及びゲートバー16は、係止機構55によって係止されることで一直線状に伸長して一体化固定され、車路開閉動作が可能な状態になる。また、ゲートバー基部15及びゲートバー16は、係止機構55による係止が外れると、一体化固定が解除され、ゲートバー16はゲートバー基部15に対してリリース回動軸51周りに回動する。本実施形態では、この回動動作を「リリース動作」と称し、リリース動作によってゲートバー16がリリース回動軸51周りに回動する方向(車路2の右側のアイランド3に配置したゲート装置1の場合には、ゲートバー16の長手方向他端部が車両進行方向へと向かう方向であって、上面視で時計回り方向)を「リリース方向」と称する(図2(2)矢印参照)。
なお、係止機構55は、車路開閉動作による振動や風圧等の力が加えられても、ゲートバー基部15とゲートバー16(ゲートバー保持部53)との係止を維持する程度の保持力を有する。一方、係止機構55は、上記保持力以上の力、例えば、車両がゲートバー16に衝突する際に加わる外力によって、ゲートバー基部15とゲートバー16(ゲートバー保持部53)との係止が外れるように構成される。なお、係止機構55は、リリース動作したゲートバー16が、非リリース方向に回動して、所定の押圧力によってゲートバー基部15に嵌合されるとき、ゲートバー基部15及びゲートバー16を係止する構成を有する。
また、図示しないが、ゲートバー基部15においてリリース回動軸51の近傍にはリリース付勢部としてのトーションスプリングが設けられている。トーションスプリングは、リリース動作時にゲートバー16のリリース方向の回動を助長するようにゲートバー16に付勢力を与える。
次に、ゲート装置1におけるリリース動作及びリリース復帰動作について図2及び図7を参照しながら説明する。図2及び図7はゲート装置1のリリース動作とリリース復帰動作を示している。ここで、「リリース復帰動作」とは、リリース動作したゲートバー16を、リリース動作前の状態、すなわち、車路開閉動作が可能な元の状態に復帰させる動作である。
先ず、ゲート装置1のリリース動作について説明する。ゲート装置1において、通常時は、図2(1)に示すように、回動部13は車路遮断可能位置にあって、水平回動軸14が前後方向に伸長するように配置されていて、ゲートバー基部15及びゲートバー16の車路開閉動作が可能な状態になっている。
正常な状態では、車路2を遮断しているゲートバー16に車両が衝突することはない。しかし、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器にETCカードを装着し忘れた車両がETCのゲートを通過する場合等の正常でない状態では、車路2を遮断しているゲートバー16に車両が衝突することがある。
車路2を遮断しているゲートバー16に、車路2を進行する車両が衝突する場合、車両はゲートバー16の他端側(ゲートバー本体54の他端側)に衝突する。このように車両がゲートバー16に衝突すると、その衝突によってゲートバー16の他端側に加わる外力により、係止機構55の係止が解かれ、ゲートバー基部15の一端側からゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部53の一端側)が離脱する。そして、図2(2)に示すように、ゲートバー16がリリース回動軸51を中心に、車両進行方向(リリース方向)に回動する(図2(2)矢印参照)。
このとき、衝突によりゲートバー16の他端側に加わる力が小さい場合には、ゲートバー16は、衝突による力と、リリース回動軸51の近傍に設けられたトーションスプリング(リリース付勢部、図示せず)の付勢力とにより回動し、比較的弱い力でストッパ23に当たって停止する。このように、トーションスプリングによれば、リリース動作するゲートバー16をストッパ23に確実にかつ迅速に到達させることができると共に、ゲートバー16がストッパ23に当たって停止した状態を維持することができる。一方、衝突によりゲートバー16の他端側に加わる力が大きい場合には、ゲートバー16は、衝突による力により勢いよく回動し、比較的強い力でストッパ23に当たるが、これによりストッパ23が受ける衝撃は、ストッパ23の緩衝材によって吸収される。このようにして、ゲートバー16は、例えば、時計回り(リリース方向)におよそ90度回動して停止し、ゲートバー16の向きが車路2とほぼ平行になって、リリース完了の状態になる。
次に、ゲート装置1のリリース復帰動作について説明する。上記のようなゲートバー16のリリース動作は、後述するリリース検知スイッチ65(図8参照)により検知され、これに応じて、制御部60(図8参照)により、直ちにリリース復帰動作が自動的に開始される。リリース復帰動作において、先ず、回動駆動部22の回動駆動モータ34が駆動して直動ネジ32を右方視で反時計回り方向に回転し、直動ネジ32の回転に伴って直動ナット33が開始位置(その移動範囲内の最も右側)から左方向へと移動する。すると、直動ナット33の移動に従動して回動レバー26が旋回し、ベアリング25を介して回動レバー26に接続された垂直回転フランジ12が回動する。このようにして、図2(3)に示すように、回動駆動部22が垂直回転フランジ12を回動して、回動部13がゲートバー16のリリース動作の回動に追随又は後追いするように回動させる。例えば、回動駆動部22は、回動部13を車路遮断可能位置からゲートバー迎え位置まで、時計回り(リリース方向)におよそ90度回動させる。
このとき、ゲートバー16も、回動部13の回動に伴って時計回り方向に回動する。ゲートバー16は、ストッパ23に当接しているので、回動部13が時計回り方向に回動する間、ゲートバー16は、ストッパ23との当接が維持されたまま後方にスライドすることになる。そして、ゲートバー16は、ストッパ23との当接部分を支点にしてリリース回動軸51周りを非リリース方向に回動し、ゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部53の一端側)がゲートバー基部15の一端側に徐々に接近する。
なお、図2(3)に示すように、回動部13が回動する間、ゲートバー16の他端側は車路2から離れる方向に若干移動し、ゲートバー16の向きが車路2と平行でない状態となることがあるが、このときに、ゲートバー16の他端がアイランド3上に設置された他の装置に干渉する場合には、ストッパ23の本体部11からの距離をより長くして、ゲートバー16の他端に近い部分がストッパ23に当接するように構成する。これにより、ゲートバー16の他端側が車路2から離れる方向に移動する量を小さくすることができるので、ゲートバー16の他端が他の装置へ干渉するのを防止することができる。
そして、図2(4)に示すように、回動部13が回動してゲートバー迎え位置に到達すると、ゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部53の一端側)がゲートバー基部15の一端側に当接し、その後、回動駆動部22が回動部13を回動する力によって、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側が時計回り方向に押圧される。また、ゲートバー16の一端側は、ゲートバー基部15の底部の保持部スプリング52から弾発力を受ける。このとき、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側には、互いに向きが反対である回動駆動部22の力と保持部スプリング52の力が作用するので、互いに接近又は接触する方向に強く押される。これにより、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側に設けられた係止機構55が互いに確実に係止される。この係止によって、ゲートバー基部15とゲートバー16とは両者が同一方向を向くように一体化固定される。
このようにして、回動部13が、ゲートバー迎え位置まで回動して、リリース動作したゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に係止(保持)させると、回動駆動部22は回動部13の回動を停止する。
続いて、図7(1)に示すように、ゲートバー駆動部42が水平回動軸14を回動して、ゲートバー基部15及びゲートバー16を上方へと回動させる(図7(1)破線矢印参照)。このとき、一体化固定されたゲートバー基部15及びゲートバー16の向きは車路2に平行のままである。そして、上方に回動するゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置となった時点で、ゲートバー駆動部42は水平回動軸14の回動を停止する。
その後、図7(2)に示すように、回動駆動部22は、回動部13を車両の進行方向(リリース方向)と逆の方向(非リリース方向)に回動する(図7(2)破線矢印参照)。そして、回動部13が車路遮断可能位置に到達した時点で、回動駆動部22は回動部13の回動を停止する。例えば、回動部13は、反時計回り(非リリース方向)におよそ90度回動して車路遮断可能位置に到達する。このようにして回動部13が車路遮断可能位置に到達したとき、ゲートバー16の位置は、車路開閉動作において車路2を開放したときの位置と同じになるので、このままリリース復帰動作を完了させてもよいし、更にゲートバー16を横臥位置へと回動させてからリリース復帰動作を完了させてもよい。なお、ゲートバー16を横臥位置に回動させてからリリース復帰動作を完了させる場合には、ゲートバー16を回動させる前に、安全のため、ゲートを通過する車両がないか否かを判断し、ゲートを通過する車両がない場合に限り、ゲートバー16を横臥位置に回動させる。
次に、ゲート装置1の電気的な構成について、図8を参照しながら説明する。図8は、ゲート装置1の動作を電気的に制御するための構成を示している。
ゲート装置1は、図8に示すように、ゲート装置1を統括制御するための制御部60を備える。制御部60は、本体筐体21内に設けられ、CPU(Central Processing Unit)60a及びメモリ60bからなり、CPU60a及びメモリ60bはバス61を介して接続される。メモリ60bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリ等からなり、ゲート装置1を制御するためのプログラムやデータが格納される。CPU60aは、メモリ60bに格納されたプログラムやデータを読み取り、このプログラムを実行することにより、ゲート装置1の車路開閉動作やリリース復帰動作等を制御する。バス61は、更にインタフェイス62に接続される。
制御部60は、バス61及びインタフェイス62を介して、上記の回動駆動モータ34、ゲートバー駆動モータ45、第1のリミット検知スイッチ35及び第2のリミット検知スイッチ36に接続される。更に、制御部60は、バス61及びインタフェイス62を介して、ゲートバー基部15又はゲートバー16が横臥位置に到達したことを検知する第3のリミット検知スイッチ63と、ゲートバー基部15又はゲートバー16が起立位置に到達したことを検知する第4のリミット検知スイッチ64と、ゲートバー基部15及びゲートバー16の一体化固定の成立・解除を検知するリリース検知スイッチ65と、設定操作部66と、外部の車路制御装置69等と通信を行う通信部67と、入出力部68とを備えている。
リリース検知スイッチ65は、例えば、水平回動軸14の軸孔内に取り付けられ、ゲートバー基部15とゲートバー保持部53とが十分に接近又は接触したときにOFFとなり、両者が離れたときにONとなる。設定操作部66は、例えばディップスイッチであり、本体筐体21内に設けられている。通信部67は、本体筐体21内に設けられ、例えばゲート装置1がETCゲートに設置される場合に、ETCアンテナから車路制御装置69へ送られた車両データを車路制御装置69から受信する。
次に、ゲート装置1において、上記したようにリリース動作したゲートバー16のリリース復帰動作における制御部51による各部の制御を、図9のフローチャートに沿って説明する。以下では、車路2の右側に設置されたゲート装置1において、制御部60が右設置用の制御プログラムによってリリース復帰動作を制御する例を説明する。
先ず、ゲート装置1において、回動部13を車路遮断可能位置(開始位相)で維持している回動駆動部22では、直動ナット33が開始位置(その移動範囲内の最も右側)に配置されているので、第1のリミット検知スイッチ35は、直動ナット33の検知片33eに遮蔽されてONになっている。そして、ゲートバー16が、車路開閉動作中に、又は横臥位置にあり車路2を遮断しているときに、車両がゲートバー16の他端側に衝突すると、ゲートバー基部15とゲートバー16との一体化固定が解除されてゲートバー16がリリース方向に回動するリリース動作をする。ゲートバー基部15とゲートバー16との一体化固定が解除されると、リリース検知スイッチ65がONになる(ステップS1:YES)。
リリース検知スイッチ65がONになると、制御部60は、第1のリミット検知スイッチ35のON状態に拘らず、上記したように回動駆動部22の回動駆動モータ34を駆動して垂直回転フランジ12を上面視で時計回り方向に回転させる(ステップS2)。このように垂直回転フランジ12を回転させることで、車路遮断可能位置(開始位相)にある回動部13が上面視で時計回り方向に回転して、即ち車両の進行方向(ゲートバー16のリリース方向)に回動する。
例えば、図5(2)では、リリース復帰動作を開始した後、回動部13がほぼ45°回動した状態を示している。リリース復帰動作を開始した後では、直動ナット33が開始位置(その移動範囲内の最も右側)から移動しているため、直動ナット33の検知片33eが第1のリミット検知スイッチ35の光軸から離脱して、第1のリミット検知スイッチ35は、OFFになる。
そして、回動部13が90°回動してゲートバー迎え位置(終了位相)に到達すると、直動ナット33の検知片33eは第2のリミット検知スイッチ36の光軸を遮る終了位置(その移動範囲内の最も左側)に達していて、第2のリミット検知スイッチ36がONになる(ステップS3:YES)。このように回動部13がゲートバー迎え位置に到達することによって、上記したようにゲートバー16がゲートバー基部15に係止されて両者間に一体化固定が成立し、リリース検知スイッチ65がOFFになる(ステップS4:YES)。この直後、制御部60は、回動駆動モータ34を停止させる(ステップS5)。
続いて、制御部60は、ゲートバー駆動モータ45を水平回動軸14の先端側から見て時計回り方向に回転させる(ステップS6)。ゲートバー駆動モータ45の時計回り方向への回転により、横臥位置にあるゲートバー基部15及びゲートバー16が水平回動軸14の先端側から見て時計回り方向に回転して、即ち起立位置に向かって回動する。ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置に到達すると、第4のリミット検知スイッチ64がONになる(ステップS7:YES)。この直後、制御部60は、ゲートバー駆動モータ45を停止させる(ステップS8)。
続いて、制御部60は、回動駆動部22の回動駆動モータ34を駆動して垂直回転フランジ12を上面視で反時計回り方向に回転させる(ステップS9)。垂直回転フランジ12の反時計回り方向への回転により、ゲートバー迎え位置にある回動部13が、上面視で反時計回り方向に回転して、即ち車両の進行方向(ゲートバー16のリリース方向)と逆方向に回転する。そして、回動部13が車路遮断可能位置に到達すると、第1のリミット検知スイッチ35がONになる(ステップS10:YES)。この直後、制御部60は、回動駆動モータ34を停止させる(ステップS11)。
続いて、制御部60は、車路2の遮断の可否を判定する(ステップS12)。例えば、制御部60は、車路制御装置69から遮断不可若しくは車両進入中を示す信号を受信した場合には、遮断不可と判定し、このような信号を受信していない場合には、遮断可能と判定する。
制御部60は、車路2を遮断可能と判定した場合には(ステップS12:YES)、ゲートバー駆動モータ45を水平回動軸14の先端側から見て反時計回り方向に回転させる(ステップS13)。ゲートバー駆動モータ45の反時計回り方向への回転により、起立位置にあるゲートバー基部15及びゲートバー16が水平回動軸14の先端側から見て反時計回り方向に回転して、即ち横臥位置に向かって回動する。続いて、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥位置に到達すると、第3のリミット検知スイッチ63がONになる(ステップS14:YES)。この直後、制御部60は、ゲートバー駆動モータ45を停止させる(ステップS15)。これにより、リリース復帰動作は完了する。
上述のように、本実施形態によれば、車路2上の車両(移動体)の通行を規制するゲート装置1は、本体部11と、回動部13と、ゲートバー基部15と、ゲートバー16と、ゲートバー駆動部42と、回動駆動部22と、を備えている。そして、回動部13は、垂直方向に軸方向を有する垂直回転フランジ12(垂直回動軸)周りを回動可能となるように本体部11の上方に支持される。ゲートバー基部15は、垂直回転フランジ12と交わる方向に軸方向を有する水平回動軸14周りを回動可能となるように回動部13に支持される。ゲートバー16は、水平回動軸14と交わる方向に軸方向を有するリリース回動軸51周りを回動可能となるようにゲートバー基部15に支持され、一端側がゲートバー基部15に着脱可能に保持され、他端側が伸長している。ゲートバー駆動部42は、ゲートバー基部15を、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥する位置である横臥位置と、ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立する位置である起立位置との間で水平回動軸14周りを回動させる。回動駆動部22は、車両の通行を規制するときには、横臥位置にあるゲートバー16が車路2を遮るように回動部13の回動動作の開始位相を定め、また、ゲートバー16がゲートバー基部15から離脱してゲートバー16がリリース回動軸51周りを車両の移動方向に回動するリリース動作をしたときには、回動部13をゲートバー16の回動に追随するように回動させて、ゲートバー16をゲートバー基部15に保持させるように回動部13の回動動作の終了位相を定める。また、回動駆動部22は、回動部13が少なくとも開始位相に近いほど、回動部13を回動動作させる回転動作力を増加するように構成される。
このような構成により、本発明の本実施形態に係るゲート装置1では、回動部13が開始位相にあって通常のゲート開閉動作を可能としている状態のように、最も凍結が起こり易い状態において、簡単な構成で、最大の動作力を発揮する様に構成されているので、凍結状態での動作不能を容易に解消することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1において、回動駆動部22は、水平方向に伸長した形状を有し、回転可能に設けられた直動ネジ32(ネジ軸)と、直動ネジ32に螺合して設けられ、直動ネジ32の回転に伴って直動ネジ32に沿って進退移動する直動ナット33(ナット部)と、垂直回転フランジ12と同軸の回転軸部26aと、回転軸部26aから離間する方向に伸長していて直動ナット33に係合する係合溝26eと、を有し、直動ナット33の進退移動に追従して直動ナット33と係合溝26eとの係合位置を変えることで水平方向に旋回可能に設けられた回動レバー26と、を備える。そして、回動駆動部22は、直動ナット33と係合溝26eとの係合位置が回転軸部26aから遠くなるほど、直動ナット33の進退移動によって回動レバー26を介して伝達される回動部13の回転動作力が増加するように構成される。また、回動駆動部22では、回動部13が開始位相及び終了位相にあるときに、直動ナット33と係合溝26eとの係合位置が回転軸部26aから最も遠くなるように回動レバー26の回転角度が設定される。
例えば、図5(1)及び(3)に示すように、回動レバー26が開始回転角度及び終了回転角度にあるとき(回動部13が開始位相及び終了位相にあるとき)、直動ローラ33cが嵌合している回動レバー26の係合溝26eの伸長方向は、直動ネジ32の軸方向に対して45°傾斜している。このとき、直動ローラ33cは、係合溝26eの最も先端側に位置している。これに対して、図5(2)に示すように、回動レバー26がその回動動作の中間にあるとき(回動部13がその回動動作の中間にあるとき)、係合溝26eの伸長方向は、直動ネジ32の軸方向に対して直交している。このとき、直動ローラ33cは、係合溝26eの最も内側に位置している。
即ち、上記したような構成において、回動駆動モータ34の回転トルクは、一旦モータプーリ34bからベルトプーリ32bへのベルト37による回転伝達によって減速されるため、直動ネジ32の回転トルクは、元のモータトルクよりも増加している。更に、直動ネジ32の螺旋の角度が緩やかであるために、直動ナット33の左右方向の移動動作にはかなりの移動力(動作力)が発生する。また、直動ナット33の移動力(動作力)は、直動ローラ33cから回動レバー26の係合溝26eに作用して、更に回動レバー26の回転に変換される。
図5(1)に示すように、回動レバー26が開始回転角度にあるとき(回動部13が開始位相にあるとき)、直動ナット33からの移動力は、回動レバー26の係合溝26eの最も先端側(遠い位置)で直動ローラ33cから作用するため、回動レバー26に掛かる回転トルクは極めて増大し、回動部13に最も大きな回転動作力(回転トルク)を与えることができる。
なお、図5(1)に示すように、直動ネジ32と係合溝26eとが45°傾斜している場合、直動ナット33の移動力によって直動ナット33から係合溝26eに作用する回転トルクは、理論的にはルート2倍(1.414倍)大きくなる。これに対して、図5(2)に示すように、直動ネジ32と係合溝26eとが直交している場合、直動ナット33の移動力は係合溝26eに対して直角に作用するので、係合溝26eの内側(径方向内側)に伝達されるため、回動レバー26に作用する回転トルクは、上記に比べてかなり小さくなる。
このような構成により、直動ネジ32に対する直動ナット33の移動を直動ローラ33cを介して回動レバー26の係合溝26eに作用させるという簡素な構成によって、回動部13が開始位相にある通常状態において、回動レバー26の回動トルクを増大し、この回動トルクによって回動部13を回動させることができる。このように、最も凍結が起こり易い状態でも、簡単な構成で、最大の動作力を発揮する様に構成されているので、凍結状態での動作不能を容易に解消することができる。また、回動部13の回動動作において大きなトルクが必要でない位相では、直動ナット33からの移動力を、回動レバー26の係合溝26eの内側(近い位置)で作用させることにより、回動レバー26に掛かる回転トルクは小さくなる一方で回動レバーの回転速度を速くすることもできる。
また、本実施形態に係るゲート装置1において、本体部11と回動部13とを接続する接続部として、固定プレート24や回動プレート44を更に備える。この接続部は、垂直回転フランジ12(垂直回動軸)の周囲で垂直方向に延びた2つ以上の円周壁24b、44bを有する。
このような構成により、横殴りの風雨や雪などが、垂直回転フランジ12の外側から、ベアリング25のボールベアリング部等に達することを防止している。円周壁24b、44bの先端部は、固定プレート24、回動プレート44から僅かに離間するだけの隙間を空けて設けられるため、これらの隙間を通じて外部から雨雪が内部に侵入しないように、上下異なる方向から互い違いに延出した二重の円壁で阻止するように構成されている。なお、これら二重の円壁(円周壁24b、44b)に、更に他の円壁を追加したり、円壁の隙間にグリス等を充填させたりして、雨水等の浸入の更なる防止を図ることができる。
なお、本実施形態に係るゲート装置1では、ゲートバー16は、ゲートバー本体54の先端に先端尖り部54aを設けている。これにより、図2(3)〜(4)に示すように、ゲートバー16の通常の開閉動作やリリース動作では、ゲートバー16の移動範囲外であって、リリース復帰動作においてゲートバー16が移動するエリアにおいて、積雪や吹き溜まりが生じた場合でも、平坦な先端形状に比べて、先端尖り部54aを設けることによって、ゲートバー16が吹き溜まりに刺さって停止してしまう可能性を少なくすることができる。
また、他の実施形態では、ゲート装置1は、図10に示すように、側方からの異物の侵入を抑制する可撓性の保護部材71を備え、保護部材71は、本体部11と回動部13とを接続する接続部としての固定プレート24の外周に沿って取り付けられる。
保護部材71は、長尺状の可撓性カバーであり、例えば、可撓性を有するゴム等で構成される。保護部材71は、先端部71a(上端部)を薄くすることで撓み易くしていて、更に、先端部71aの長手方向の全長に亘って一定間隔の位置に、多数のスリット71bが形成される。保護部材71は、固定プレート24から上方に延びるように固定プレート24の外周に巻き付けられ、更にその外側からカバー帯72で保護されると共に、外側の複数個所でネジ73によって固定される。保護部材71を備える固定プレート24は、回動プレート44よりも小径の円形で形成されるとよい。保護部材71は、固定プレート24から回動プレート44までに至る上下幅よりも若干広い上下幅を有し、先端部71aが回動プレート44に接触して常時撓んで、例えば、外側に向けて曲げられている。保護部材71の先端部71aは、回動部13の回動動作に伴って、回動プレート44に対して摺動動作する。
なお、図10に示す例では、保護部材71が固定プレート24に設けられる構成を説明したが、保護部材71は、本体部11と回動部13との接続部としての回動プレート44に設けられてもよい。この場合、回動プレート44に設けられた保護部材71の下端部が先端部71aとなって薄く(撓み易く)形成され、下端部にスリット71bが形成される。また、回動プレート44に設けられた保護部材71の先端部71a(下端部)は、固定プレート24に対して摺動動作する。
上述のように、他の実施形態によれば、ゲート装置1は、固定プレート24や回動プレート44等の本体部11と回動部13との接続部の外周に沿って、本体部11及び回動部13の一方側に固定された可撓性の保護部材71を更に備える。保護部材71は、回動部13の回動動作に伴って本体部11及び回動部13の他方側に対して摺動動作する先端部71aを有する。
このような構成により、保護部材71によって、雪や雨の機械内部への侵入や、回動部13の凍結を、更に生じ難くすることができる。また、回動部13がリリース復帰動作のために回動するときには、保護部材71の先端部71aが、回動プレート44の下面又は固定プレート24の上面を摺動しながら移動するので、固定プレート24や回動プレート44の周辺に雪の吹き溜まりなどで氷が付着しているような場合も、これを掻き落としながら回動することができる。更に、保護部材71よりも内側で、円周壁24b、44bや垂直回転フランジ12との間に空気層が確保されて断熱効果が期待できるので、外気がかなり低温であっても、垂直回転フランジ12周辺の凍結を極力防止することができる。なお、このように保護部材71を装着する場合には、円周壁24b、44bを設けずに構成してもよい。
また、先端部71aに多数のスリット71bを設けて先端部71aが多数に分断されているため、固定プレート24や回動プレート44に対する保護部材71の接触部分が凍結して固着した場合でも、分断された各先端部71aが固着するに過ぎないので、回動部13の回動トルクに対する負荷を小さくすることができ、回動駆動部22の回動駆動モータ34がロックするような負荷にはならず、回動部13の回動を開始すれば、すぐさま保護部材71の先端部71aを固着状態から離脱することができる。
また、他の実施形態では、ゲート装置1は、制御部60によってゲートバー16の駆動を通常モードと加振モードとで切換可能に構成されている。そして、ゲート装置1は、図8に示すように、制御部60に対して、バス61及びインタフェイス62を介して、加振制御部81、温度センサ82及びタイマー83が接続されている。なお、ゲートバー16の通常モードの駆動は、上記したため、以下では説明を省略する。
加振制御部81は、加振モードが設定されている場合に、ゲートバー基部15をゲートバー16と共に選択的に振動するようにゲートバー駆動部42のゲートバー駆動モータ45を制御する。ゲートバー駆動モータ45としてステッピングモータが採用されているため、加振制御部81は、ステッピングモータの振動制御を利用してゲートバー駆動モータ45を適切に制御することで、ゲートバー16をほぼ一定の位置で振動させることができる。例えば、加振制御部81は、ゲートバー駆動モータ45としてのステッピングモータについて、隣り合った少ないステップの固定子の間の往復動作を高速で繰り返すことで、ゲートバー16を振動させることができる。
温度センサ82は、ゲート装置1の外気温を計測するセンサであり、本体筐体11の外側等に取り付けられる。
次に、ゲート装置1におけるゲートバー16の加振制御について、図11のフローチャートに沿って説明する。
ゲート装置1の制御部60は、温度センサ82で計測された外気温が、所定の設定温度より低いか否かを監視している(ステップS21)。そして、温度センサ82で計測された外気温が所定の設定温度より低い場合には(ステップS21:YES)、加振間隔の判定(ステップS22)に移行する。一方、温度センサ82で計測された外気温が所定の設定温度以上の場合には(ステップS21:NO)、外気温の監視(ステップS21)を繰り返す。
加振間隔の判定(ステップS22)では、制御部60は、タイマー83を用いて、前回の加振動作からの時間が所定の設定間隔t1(例えば、3分)を経過したか否かを判定する。そして、所定の設定間隔t1を経過した場合には(ステップS22:YES)、ゲートバー駆動モータ42の加振動作(ステップS23)へと移行する。一方、所定の設定間隔t1を経過していない場合には(ステップS22:NO)、所定の設定間隔t1を経過するまで加振間隔待機状態となり、加振間隔の判定(ステップS23)が繰り返される。
なお、加振間隔待機状態では、通常通りに、ゲート装置1への車両の進入の検出(ステップS24)が行われる。そして、車両進入時(ステップS24:YES)には上記したようなゲート開閉動作(ステップS25)が行われ、ゲート開閉動作の終了後に加振間隔の判定(ステップS22)が繰り返される。一方、車両が進入しなければ(ステップS24:NO)、そのまま加振間隔の判定(ステップS22)が繰り返される。なお、上記の外気温の監視(ステップS21)でも、外気温が所定の設定温度以上の場合(ステップS21:NO)には、ステップS24、S25と同様に、車両進入の検出やゲート開閉動作が行われる。
ゲートバー駆動モータ45の加振動作(ステップS23)では、上記したように、加振制御部81がゲートバー駆動モータ45としてのステッピングモータを振動させつつ、ゲートバー16の位置をほぼそのままに維持する。このゲートバー駆動モータ45の加振動作は、所定の加振時間t2(例えば、5秒)の間だけ実行され、制御部60は、タイマー83を用いて、ゲートバー駆動モータ45の加振動作を開始してから所定の加振時間t2を経過したか否かを判定する(ステップS26)。例えば、ゲートバー駆動モータ45を5秒間だけ加振動作する程度であれば、ゲートバー駆動モータ45が発熱することもなく、所定の設定間隔t1(3分)の間にゲート装置1の上やゲートバー16に降り積もった雪などを払い落としたり、垂直回転フランジ12や回動駆動部22の回動レバー26等の可動部の氷結等に起因する固着を解くことができる。
そして、所定の加振時間t2を経過した場合には(ステップS26:YES)、ゲートバー駆動モータ45の停止(ステップS27)へと移行し、更にゲートバー駆動モータ45を停止した後、回動駆動モータ34の加振動作(ステップS28)に移行する。一方、所定の加振時間t2を経過していない場合には(ステップS26:NO)、ゲートバー駆動モータ45の加振動作(ステップS23)が継続する。
なお、ゲートバー駆動モータ45の加振動作(ステップS23)によって、ゲートバー16の停止位置が若干でもずれた場合には、ゲートバー駆動モータ45の停止(ステップS27)の後で、ゲートバー16の位置を補正する動作を入れてもよい。この補正動作は、例えば、第3のリミット検知スイッチ63の状態を監視して、正常なONではなくOFFになっている場合に、ゲートバー16が正常な横臥状態となるように補正するような動作でよい。
回動駆動モータ34の加振動作(ステップS28)では、回動駆動モータ34を一旦正転で駆動させると共に第1のリミット検知スイッチ35を監視する(ステップS29)。そして、正転後の第1のリミット検知スイッチ35のOFFを検出すると(ステップS29:YES)、直ぐに回動駆動モータ34を逆転で駆動させると共に(ステップS30)、第1のリミット検知スイッチ35を監視する(ステップS31)。そして、逆転後の第1のリミット検知スイッチ35のOFFを検出すると(ステップS31:YES)、回動駆動モータ34を停止させて(ステップS32)、回動駆動モータ34の加振動作を終了する。
これにより、回動駆動部22の直動ネジ32が一旦回転開始してから、さらに直動ナット33が移動開始したことで、第1のリミット検知スイッチ35がOFFになるので、回動部13がリリース方向に若干回動するが、すぐさま戻るので、全体としては支障が生じることなく、回動駆動部22の各機構の氷結等に起因する固着や不動を防止することができる。
なお、回動駆動モータ34の正転後に第1のリミット検知スイッチ35がOFFになるまでは(ステップS29:NO)、制御部60は、タイマー83を用いて、所定のタイマー値t3(例えば30秒)が経過したか否かを判定する(ステップS33)。そして、所定のタイマー値t3が経過するまでは(ステップS33:NO)、第1のリミット検知スイッチ35がOFFか否かの監視(ステップS29)を継続する。一方、所定のタイマー値t3を経過した場合には(ステップS33:YES)、直動ナット33が移動できない不具合があり、回動駆動部22の何れかの機構が氷結して固着している可能性があるので、制御部60は、凍結エラーの報知(ステップS34)を行い、回動駆動モータ34を停止させて回動駆動モータ34の加振動作を終了する
凍結エラーの報知(ステップS34)は、通信部67によって、車路制御装置69や他のゲート装置1のメンテナンス部門へのアラームの通知等により行われる。なお、凍結エラーの報知(ステップS34)を行っても、ゲート装置1の全体の動作を停止する必要はなく、少なくともゲート開閉動作が正常に動作していれば、ゲート装置1の運用を継続してもよい。もちろん、凍結の可能性を考慮して、そのゲート装置1を停止させて、その車路2を通過不可に運用してもよい。
上述のように、他の実施形態によれば、ゲート装置1は、ゲートバー基部15をゲートバー16と共に選択的に振動するようにゲートバー駆動部42を制御する加振制御部81を更に備える。
このような構成により、ゲートバー16、本体筐体11及び回動筐体41に積もった雪を払い落として、凍結状態を解除させ易くすることができる。その際、ゲートバー駆動モータ45のステッピングモータの制御や、回動駆動モータ34の制御において、コストや部材を追加することなく、加振制御を実現することができる。
上記した実施形態では、ゲート装置1において、回動部13が開始位相及び終了位相にあるときに、直動ナット33の直動ローラ33cと回動レバー26の係合溝26eとの嵌合位置(係合位置)が回転軸部26aから最も遠くなるように回動レバー26の開始回転角度及び終了回転角度が設定されて、回動レバー26が配置される構成を説明したが、回動レバー26の配置はこの構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、図12に示すように、回動部13が開始位相にあるときに、直動ローラ33cと係合溝26eとの係合位置が回転軸部26aから最も遠くなるように回動レバー26の開始回転角度が設定されて、回動レバー26が配置されてもよい。なお、この場合、回動部13が終了位相にあるときの上記係合位置と回転軸部26aとの距離は、回動部13が開始位相にあるときの上記係合位置と回転軸部26aとの距離Lよりも短く設定される。このような他の実施形態では、回動レバー26は、例えば、係合部26が、回転軸部26aの中心よりも径方向外側に間隔d1だけずれた位置から、上面視で反時計回りの接線方向A1へと伸長するように形成され、係合溝26eは、係合部26の伸長方向に沿って形成される。
即ち、上述の他の実施形態によれば、ゲート装置1は、回動駆動部22は、水平方向に伸長した形状を有し、回転可能に設けられた直動ネジ32(ネジ軸)と、直動ネジ32に螺合して設けられ、直動ネジ32の回転に伴って直動ネジ32に沿って進退移動する直動ナット33(ナット部)と、垂直回転フランジ12と同軸の回転軸部26aと、回転軸部26aから離間する方向に伸長していて直動ナット33に係合する係合溝26eと、を有し、直動ナット33の進退移動に追従して直動ナット33と係合溝26eとの係合位置を変えることで水平方向に旋回可能に設けられた回動レバー26と、を備える。そして、回動駆動部22は、直動ナット33と係合溝26eとの係合位置が回転軸部26aから遠くなるほど、直動ナット33の進退移動によって回動レバー26を介して伝達される回動部13の回転動作力が増加するように構成される。また、回動駆動部22では、回動部13が開始位相にあるときに、直動ナット33と係合溝26eとの係合位置が回転軸部26aから最も遠くなるように回動レバー26の回転角度が設定される。
このような構成により、直動ナット33が開始位置にあって回動レバー26が開始回転角度にあるとき(回動部13が開始位相にあるとき)、係合溝26eの伸長方向の軸線と直動ナット33の移動方向の軸線との成す角度を45°よりも小さくすることができる。従って、直動ナット33が係合溝26eに作用するときの角度が滑らかになるので、直動ナット33の移動によって回動レバー26に与えるトルクをかなり増大することができる。
また、回動レバー26が開始回転角度にあるとき、直動ナット33の直動ローラ33cと回動レバー26の係合溝26eとの係合位置を、回転軸部26aの中心からより遠く設定しているので、トルクの元となる回転半径がより大きくなり、回動レバー26の回動トルクをより増大することができる。
一方、回動レバー26が終了回転角度にあるとき(図12の二点鎖線参照)、回動レバー26の係合溝26eの伸長方向の軸線と直動ナット33の移動方向の軸線との成す角度は直交に近くなっている。また、直動ナット33の直動ローラ33cと係合溝26eとの係合位置が、回転軸部26aの中心に近くなっているので、トルクの元となる回転半径が小さくなる。従って、回動レバー26が終了回転角度にあるときには、回動レバー26の回動トルクはさほど増大しなくなる。これにより、回動レバー26が開始回転角度にあるときに、回動レバー26の回動トルクを最も増大させると共に、回動レバー26が終了回転角度に近づくと共に、回動レバー26の回動トルクは徐々に減少させて小さくなる一方で、回動レバー26の回転速度を徐々に速くすることができる。即ち、回動部13が開始位相から回動動作を開始するときに、回動レバー26の回転速度は最も遅くなる一方で、トルクの増大を強化させることにより、氷結等に起因して最も動作し難くなる回動起動時の回動部13の動作の確実性を向上することができる。
なお、本実施形態では、ゲート装置1が、回動部13やゲートバー基部15及びゲートバー16の位相を検知するために、第1のリミット検知スイッチ35、第2のリミット検知スイッチ36、第3のリミット検知スイッチ63及び第4のリミット検知スイッチ64を備える構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、ゲートバー基部15及びゲートバー16の位相(ゲートバー駆動モータ42の位相)を360度検知できるエンコーダと、起立位置を検知するセンサとを備えれば、ゲートバー基部15及びゲートバー16(ゲートバー駆動モータ42)のほぼ180度に亘る動作の詳細な速度制御まで可能となる。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うゲート装置もまた本発明の技術思想に含まれる。