JP2017061473A - 生物学的物質の固定化のための生体適合性三次元マトリクス - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、モノクローナル抗体またはその他の分子の全身性適用は、腫瘍患者、代謝異常、免疫疾患またはその他の疾患の治療のための、重要で成長しつつある分野である。しかしながら、これらの分子の全身性適用は、極めて高価であり、そしてしばしば重度の副作用および死亡率の増加と関連している。さらに、注射された生物学的製剤の運命は、しばしば曖昧であり、そして重度の副作用は、個々の患者において予見することができない。
治療が、当該技術分野において記載されている。しかしながら、そのような抗体を患者に対して単純に投与することは、重度で致死的でさえある副作用(盲目、ショック、アレルギー反応など)と関連することが知られている。さらに、完全な抗体またはそのフラグメントまたは誘導体の投与は、抗体に対するヒト患者の免疫反応による抗体の不活性化を減少させまたは回避するため、抗体のヒト化および/またはその他の修飾を必要とする。
(Miltenyi Biotech GmbH, Bergisch-Gladbach, Germany)の名の下に知られている;R. Bambauer et al., Ther Apher Dial. 2003, 7(4):382-90およびG. Wallukat et al., International Journal of Cardiology, 1996, 54 (2):191-195を参照。TheraSorb(登録商
標)を使用して、LDL-コレステロール、免疫グロブリン、免疫複合体、抗体フラグメント、またはフィブリノーゲンを除去する。この方法において使用されるアフェレーシスカラムは、ポリクローナル抗体を結合させたセファロースを含有する。手順には、血漿をカラムに送達するための細胞分離が必要である。これは非常に高価な出費であるため、これは、このシステムの主要な欠点である。流速は遅く、そして従って非常にわずかな量の血漿しか処理されない。このシステムはまた、その複雑性のために非常に高価である。
(a)固相担体を0.1〜10%(w/w)または0.1〜10%(v/v)の少なくとも1つのシランまたは別の適切なカップラーを含む溶液とともにインキュベーションし、その後溶液を除去する工程;
(b)担体を生体物質を含有する好ましく緩衝化された水溶液とともにインキュベーシ
ョンすることにより生体物質を担体に対して結合させ、その後水溶液を除去する工程;そして
(c)(i)(ポリ)ペプチド、アミノ酸、スターチ、糖、ホスフェート、ポリアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)またはそれらの混合物から選択される1またはそれ以上の物質を含む水溶液、(ii)イオン液体、または(iii)適合性溶質、またはそれらの
混合物、中で担体をインキュベーションして、それにより生体物質を部分的にまたは完全に1またはそれ以上の物質により被覆する工程;
を含む、生体物質を保持する固相コーティング担体を製造する方法を、第一の態様において提供する。
は、小型構造または多孔性構造のいずれであってもよい。本明細書中の以下に記載するように、担体は、ガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、PMMA、フリース詰め綿(fleece wadding)、開放性多孔質発泡性(open porous foam)プラスチック、またはガラスおよび網状のプラスチックまたはガラス、および海綿(海綿動物)由来の構造物、からなる群から選択される材料のものであることが好ましい。
本発明の文脈において、用語“生体物質”は、生きている生物または死んでしまった生物またはそれらの部分から単離される材料、または人工生物学的システムにおいて産生可能な材料、および化学的に修飾されたその誘導体、を記述する。人工生物学的システムについての例は、核酸分子または(ポリ)ペプチドのin vitro合成のための手段、または組換えDNA技術による産生のための手段を含む。本明細書中の以下において詳細に記載され
るように、そのような生体物質についての例は、真核細胞、真核細胞のフラグメント、原核生物、原核生物のフラグメント、古細菌、古細菌のフラグメント、ウイルス、およびウイルスフラグメントを含む。記載される真核細胞のフラグメント、原核生物のフラグメント、古細菌のフラグメントおよびウイルスフラグメントは、1またはそれ以上の(ポリ)
ペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、および多糖、またはいずれかの組合せを含む。それらが天然に対応物を見いだせず、そして例えば、(半)合成的にまたは組換え的に産生される(以下を参照)場合、(ポリ)ペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよび多糖は、あるいは、生体物質という用語によっても包含される。
のアミノ酸分子の鎖(結合アミノ酸の鎖)からなるポリペプチドをさらに含む。本明細書中で上述したように、タンパク質が真核細胞、原核生物、古細菌およびウイルスから単離される場合、タンパク質は、真核細胞のフラグメント、原核生物のフラグメント、古細菌のフラグメント、およびウイルスのフラグメントとしても理解される。この用語はまた、組換えDNA技術、または例えば記載される化合物の産生のための細胞を使用するその他の
技術、により産生される(ポリ)ペプチドにも適用される。
に包含される分子群は、完全な遺伝子または染色体、そしてそれらのフラグメントも含む。クローニングベクターおよび発現ベクターなどのベクターも、その定義により包含される。
もよい。
ion of Pure and Applied Chemistry、IUPAC)の定義にしたがって使用され、そしてシリコンマトリクスおよび水素からなる化合物群を記述する。この定義に従ったシランは、分岐型(イソ-シランおよびネオ-シラン)または非-分岐型(n-シラン)であってもよい。
ミノヘキサン)、ジカルボン酸(例えば、1,6ヘキサン二酸)、または例えば、シアノ基
、アミノ基またはカルボキシル(carbogyl)基により官能化されたポリエチレングリコールなどの、2官能化有機分子または多官能化有機分子である。
体は、50℃までインキュベーションできる。温度範囲は、工程およびインキュベーション時間に依存して、4℃〜50℃であってもよく、好ましくは20〜37℃である。工程(a)において室温で20分間の期間、工程(b)においては37℃にて1時間、そして工程(c)におい
ては室温で1時間、インキュベーションを行うことが好ましい。手順を促進しまたは結果
を向上させるため、インキュベーション時間および温度をインキュベーション中に使用する物質にしたがって変化させることができることが理解される。例えば、メタノールを工程(a)における溶媒として使用する場合、温度をメタノールが蒸発しないようにおよそ20℃付近の低さ(例えば、約15〜約25℃)に維持しなければならない。
とを、当業者は理解する。通常は、室温は、17〜23℃の範囲である。
本発明の方法の工程(a)において記載される溶液は、水溶液または非-水溶液のいずれであってもよい。本発明の方法にしたがって、工程(a)中の水溶液は、シランに加えて
、希釈されたタンパク質を含んでもよく、そして希釈された構成成分(糖またはアルコールなど)をさらに含んでもよい。この文脈において好ましいタンパク質は、アルブミンである。本発明に従うアルブミンは、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト由来のアルブミン、および植物種子由来のアルブミンを含む。アルブミンは、哺乳動物において、血清の主要な構成成分を形成する。本発明に従うアルブミンのさらなる例は、動物におけるα-ラクトアルブミンおよびオボアルブミン、エンドウ由来のレギュメリン(legumelin)、コムギ、ライムギまたはオオムギ由来のロイコシン(leucosin)、またはマメ科植物由来のレギュメリン(legumelin)である。潜在的なアレルゲンの場合、アルブミン
は加水分解され、特にヒトまたはその他の動物の身体との適合性を向上することが好ましい。同一のことが工程(a)の選択的な態様における非-水溶液についても当てはまる。
が)、しかし水と混合可能な、したがって均一相を形成することができる、親水性溶媒にまで拡張される。
それらの混合物を含むが、これらには限定されない。非-水性溶媒の例は、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンを含み、またはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、またはこれらの組合せなどの脂肪族溶媒を含むが、これらには限定されない。
がって、溶液は、溶媒を含む溶液を意味し、そして水溶液は、親水性溶媒を含む溶液を意味する。
、0.1〜10%(w/w)または(v/v)の範囲であり、ここで、この範囲は、溶液中のすべて
のシラン類の濃度を同時に規定する。言い換えると、1つ以上のシランを使用する場合、
すべてのシランの寄与を一緒にすると、0.1〜10%(w/w)または(v/v)の範囲である。
好ましくは、濃度は、0.5〜5%(w/w)または(v/v)の範囲である。
の固定として理解される。固定は、生体物質の固相担体への直接的結合を介して行われてもよい。あるいは、固定は、固相担体を覆う1またはそれ以上のシランの層などの第3の化合物を介した間接的結合を介して行われてもよい。本発明にしたがって用語“覆う”は、固相担体を完全に被覆すること、および固相担体を部分的に被覆することを含む。両方の選択肢において、結合は、共有結合を介した結合であっても、非共有結合を介した結合であってもよい。本発明にしたがって、共有結合は、例えば、生体物質と担体材料とのあいだの化学反応またはシラン(被覆担体材料)と生体物質とのあいだの化学反応により、達成することができる。後者の場合、シランは、分子架橋の様に作用する。非共有結合についての例は、ファン-デル-ワールス結合またはその他の極性結合などの弱い結合を含む。そのような非共有結合は、例えば、(ポリ)ペプチドとポリエチレン表面を有する固相担体とのあいだで生じる。
物質を完全に覆っている分子は、非特異的に結合する。したがって、部分的に覆われている場合、接触可能な表面の特異的結合部位または非特異的結合部位の一部のみが、覆われる。部分的な被覆または完全な被覆の結果として、生体物質は、その他物質に対してならびに放射線などの非-物質的影響に対して、それ以上は接触可能ではなく、または両方へ
の接触可能性は少なくとも低下する。
よっては、それは緩衝化されていてもよい。
本発明の方法の工程は、それぞれの溶液を交換するバッチ中で行うことができる。
そのような治療は、ダイオキシン、ボツリヌス毒素、破傷風毒素、LPS、腐敗毒などの
毒素から、体液の解毒をすることを含む。担体はまた、細菌性疾患またはウィルス性疾患の治療において有用であってもよい。本発明の方法により製造される担体の想定される代わりの用途の一つは、患者の特定の細胞の刺激、排出、または除去を必要とする治療における用途である。特定の細胞集団の排出は、例えば、増殖性疾患の治療(例えば、一般的には癌の治療、そして具体的には微小残存癌の治療)において、自己免疫疾患の治療において、または器官移植後の疾患の治療において、意図される場合がある。特定の細胞集団の刺激は、例えば、刺激後に特定の疾患細胞集団を排出するために適している免疫系の細胞の活性化により行われる疾患の治療において、想定される可能性がある。さらなる治療アプローチは、遺伝子的に操作されたか、またはその他の方法で操作された(例えば、サイトカイン、酪酸、ホルボールミリスチン酸アセテート、またはすべてトランスのレチノイン酸などの合成化合物または天然化合物と一緒のインキュベーションにより、または熱ショック、冷凍保存、遠心分離などの物理的操作により、識別された)組換えドナー細胞または非操作ドナー細胞を包埋した固相コーティング担体を使用する。包埋された細胞は、内分泌性障害または代謝的障害を低減しまたは治療する、ホルモンなどの化合物を分泌することができる。上述した治療のための例は、本明細書の以下に詳細に記載する。したがって、(医療)機器の文脈において、固相コーティング担体を含む装置を、in vivo用
途のために患者体内に移植することができる。ex vivoの用途のためには、固相コーティ
ング担体を含む装置を処置すべき体液の循環と接続することができる。患者の動脈または
静脈に由来する血液を、例えば、そのような装置を介して導き、そしてその後患者体内に導管から戻すことができる(血流との接続)。あるいは、体液サンプルは、in vitroで担体と共にインキュベーションすることができる。後者の処置の次の工程において、体液を患者の体内に再導入することができる。
コーティングした抗体の分解または変質を、遅らせまたは阻害する。
対して効力を有するという事実である。したがって、本発明は、一般的には同等に不安定でありそして変化しやすい生体物質によりコーティングされた固体コーティング担体を作製する方法を初めて開示する。このコーティング担体を滅菌し、そしてしたがって患者の治療において、または無菌の環境が必要である方法において、適用することができる。第2層またはコーティングマトリクスは、上述したようにそして添付の実施例において示さ
れるようにその安定性を向上させることに加えて、担体にコーティングした生体物質がβ
線照射、γ線照射、またはX線照射により分解することを防ぐだろう。
(d) 残留水分含量が<20%(w/w)になるまで担体を乾燥させる工程。
本発明のこの好ましい態様にしたがって、木材の水分含量を決定するために既知である方法にて、残留水分含量を算出することができる。木材の場合、木材の水分含量%(x)
を、サンプル中の水分量(mw)と水含有木材サンプル量(mu)とのあいだの比率に100を
掛けることで算出することにより、決定する。サンプル中の水分量(mw)を、水分含有木材サンプル量(mu)からその乾燥後のサンプル量を差し引くことにより、決定することができる。したがって、木材の水分含量%は、以下の式により算出される:
含む:
(a') 残留溶液含量がもともと適用した溶液の10%未満、好ましくは5%未満、より
好ましくは2%未満、例えば1%未満、0.5%未満、または0.2%未満、になるまで担体を乾燥させる工程。好ましい乾燥方法は、上述されるとおりである。風乾により乾燥させることが最も好ましい。
(b') ブロッキング剤を含有する緩衝化水溶液中で担体をインキュベートし、そして水溶液を除去する工程。
物質の立体配座安定性に対する積極的な作用を有する可能性もある。
水素ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム)、両親媒性物質(好ましくはポリソルベート
やTriton X-100、バッファー(好ましくはTRIS、HEPES)など)を含むことができる。
間、好ましくは室温で行う。
(b'') (ポリ)ペプチド(例えば、アルブミン、ゼラチン、またはコラーゲン)、
ヒドロキシエチルスターチ(HES)、マンニトール、ソルビトールおよびポリエチレング
リコール(PEG)、ミルク、ダイズ、コムギまたは卵由来タンパク質からなる群から選択
される物質、0.5〜10%(w/w)を含有する水溶液を使用して、非結合の結合部位をブロッキングする工程。
定される、水溶液を用いた1またはそれ以上の洗浄工程を、ブロッキングの後に行うこと
を、工程(b')または工程(b'')がさらに含む。この態様において適切な水溶液は、例
えば、1%ヒトアルブミンを含むPBSである。この1またはそれ以上の洗浄工程は、過剰な
ブロッキング剤を除去するために行われる。洗浄は、通常は、10秒間〜10分間、好ましくは室温で、担体の表面に依存して、行われる。
チルスターチ(HES)、マンニトール、ソルビトール、およびポリエチレングリコール(PEG)、およびシャペロンからなる群から選択される、1またはそれ以上の物質を含む水溶
液中でインキュベートされる。シャペロンは、タンパク質の折り畳みプロセス、輸送、または転位を補助するタンパク質として、またはその他のタンパク質と接触した場合に防御特性を示すタンパク質として、当該技術分野において一般的に知られている。それらは、原核生物においても、真核細胞においても、見出される。シャペロンの有名な例は、Hsp 60およびHsp 10、Hsp 70、Hsp 90およびHsp 100などの、熱ショックタンパク質のファミ
リーに属するタンパク質である。その他のシャペロンは、細菌GroES/GroEL複合体または
哺乳動物DnaKタンパク質である。
いて、それらの天然状態において、タンパク質および核酸を安定化することが報告されている。適合性の溶質は、タンパク質表面から除かれるべきそれらの性質により、特徴づけられる。この性質により、細胞は、高濃度のこれらの化合物をそれらのタンパク質の構造および機能に同時に影響を与えることなく蓄積することができる。さらに、細胞内での適合性の溶質の結果的に生じる非-均等分布は、タンパク質の構造に対して安定化作用を有
する。現在まで、これらのシャペロンの合成誘導体が設計されてきた。天然の適合性の溶質ならびにその合成誘導体も、本発明において予想される。例示的な適合性の溶質は、エクトイン((4S)-2-メチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-4-カルボン酸)、ヒドロ
キシエクトイン、ベタイン、グリシン-ベタイン、プロリン-ベタイン、およびこれらの誘導体である。
オン液体は、イオンがあまり協調されない塩であり、結果として液体であるこれらの溶媒を生じる。少なくとも一つのイオンは、非局在化電荷を有し、そして一つの構成成分は有
機物質であり、それが安定な結晶格子の形成を阻害する。開始物質およびその他の溶媒の融点、粘度、および溶解度等の性質は、有機物構成成分上の置換基により、そして対イオンにより、決定される。
%以上が分子種ではなくイオン種で構成される、動的平衡の状態である。広い意味では、この用語には、本発明の文脈において、例えば、800℃以上の温度での塩化ナトリウムな
どの全ての溶融塩が含まれる一方、用語“イオン液体”は、融点が相対的に低い(100℃
以下)液体塩を定義する。特に、室温で液体である塩は、室温イオン液体、または本発明において特に好ましいRTILと呼ばれる。RTILは、メチルイミダゾリウム(mim)、1-アル
キル-3-メチルイミダゾリウム(例えば、エチル-mim(emim)、ブチル-mim)、ピリジニ
ウム(py)、1-アルキルピリジニウム(例えば、(ブチル-py、ブタール(butal)-メチ
ル-py)、N-メチル-N-アルキルピロリジニウム、またはアンモニウムイオン、などの嵩高くそして非対称性の有機カチオンからなる。一般的に高い融点を有する単純なハロゲン化物から、テトラフルオロボレートおよびヘキサフルオロホスフェート(PF6)等の無機ア
ニオンまで、そしてbis-トリフルオロスルホンアミド、トリフラート、またはトシラートなどの大型の有機アニオンまでの、幅広いアニオンが使用される。ホルメート、アルキルスルフェート、アルキルホスフェート、またはグリコレートなどの単純な非-ハロゲン化
有機アニオンによるイオン液体を使用することもできる。例として、1-ブチル-3-メチル
イミダゾリウムテトラフルオロボレートの融点またはイミダゾール骨格を有する[bmim][BF4]の融点は、約-80℃であり、そしてそれは室温では高粘度を有する無色液体である。最初のRTILの一つは、[emim]ClとAlCl3との混合物であり、[emim][AlCl4]、[emim][Al2Cl7]、および[emim][Al3Cl10]の間の一連の平衡を形成した。このRTILは
、水に安定ではない。例示的な水-不溶性RTILは、[bmim][PF6]である。例示的なイオン液体は、(1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリウム-ヘキサフルオロホスフェート(BMIM[PF6])、BMIMbis(トリフルオメタンスルホン)-イミド(BMIM[Tf2N])、メチルトリ
オクチルアンモニウム-[Tf2N](OMA[Tf2N])または1,3-di-メチル-イミダゾールメチルスルフェート[MMIM][MeSO4]である。
(医療用)製品として使用されるべきコーティングされた担体のコンパクト設計を実現するため、その全体の寸法と比較して、担体が総体的に大きな表面を示すことが好ましい。このことは、例えば、開放多孔性構造、フリース(ワディング)、または多数の並列する微少チューブまたは繊維を使用する設定、例えば血液透析において現在死傷されている多孔質中空繊維デザインに類似するもの(例えば、http://www.fmc-ag.com/internet/fmc/fmcag/agintpub.nsf/ Content/Modern_hemodialysis_+the_first_hollow-fiber_dialyzers_2004))を伴う発泡体を使用することにより、実現することができる。このデザイン
は、好ましくは、全血液または上述したその他の体液の自由な流れを可能にし、そして担体は、好ましくは、流入と流出とのあいだの圧力差を最小にし、そして装置中のどの部位においても血液流量を<1 m/secとすることにより、流動学的に最適化される。それは、
好ましくは“行き止まり”がなく、そして血液構成成分をマトリクスの活性表面と接触させるために最適化される。多孔性構造を有する担体の特異的な利点は、生体物質を結合させることができる担体表面を増加させることである。すなわち、担体容積あたりの担体表面を増加させることにより、担体に結合/包埋させることができる生体物質量を増加させる。
ことを特徴とする。担体の表面は、すべての小柱(trabeculae)の表面の合計として理解される。気体体積は、多孔性構造を有する担体のすべての小柱中の気体体積の合計として理解される。
、特異的な表面(xx cm2/cm3、これはcm-1であり、そして規定体積の材料の内部表面を記述する)を数学的に得ることができる(小柱が丸い形状をしていることを前提とする)。
比であることを特徴とする。
本発明の文脈において、用語“材料体積比”は、固体成分と気体成分とを含む非圧縮多孔性材料と圧縮多孔性材料との比として理解される。
的には以下の様に決定することができる。20 mlの体積を有する円筒形の発泡体小片(非
圧縮)を、20 mlの体積を有するシリンジ中に入れ、そしてプランジャーを完全に押し込
んだ後、圧縮された体積をシリンジのマーク上で読みとることができる。材料を圧縮するために使用される力(PU多孔性フォームの場合)は、少なくとも20 kg/cm2と規定される
。体積減少の終点は、圧縮圧を2倍にすることにより(PU多孔性フォームの場合、圧力が
それぞれ40 kg/cm2となる)10%までのさらなる体積減少が結果として生じないような体
積として規定される。この手順(圧力を二倍にする)を、材料が10%までのさらなる体積減少を起こさなくなるまで、繰り返すことができる。
Technology Industries Co.LTDにより流通されてものなど、白血球除去フィルター(Leukocyte Removal Filter)をセットされた輸血用のバイオフィルター膜が含まれる。適切
な海綿の例は、例えば、D. Green et al., Tissue Engineering. (2003) Vol. 9, No. 6:
1159-1166中に記載される。
とおよび/または200 cm-1〜2000 cm-1の範囲の表面/気体体積比であることを特徴とす
る。
る。本発明の方法の別の好ましい態様において、工程(a)における溶液は非-水溶液である。対応する溶液についての例および好ましい溶液についての例は、本明細書中で上述した。
能シラン類、水素化シラン、水素化シロキサン、シロキサン、およびその他の官能基を有するシリル化合物を含む有機シラン類、からなる群から選択されることが好ましい。
N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
N-シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシラン
N-シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン
N-フェニルアミノメチルトリメトキシシラン
(メタクリルオキシメチル)メチルジメトキシシラン
メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン
(メタクリルオキシメチル)メチルジエトキシシラン
メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン
(イソシアナートメチル)メチルジメトキシシラン
N-トリメトキシシリルメチル-O-メチルカルバメート
N-ジメトキシ(メチル)シリルメチル-
O-メチル-カルバメート
N-シクロヘキシル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
3-アミノプロピルトリエトキシシラン
N-(2-アミノethyl)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン
3-アミノプロピルトリメトキシシラン
3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
3-メタクリルオキシプロピルトリアセトキシシラン
3-イソシアナートプロピルトリメトキシシラン
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
3-(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物(bernsteinsaureanhydrid)
3-アミノプロピル)tris[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]シラン
(3-アミノプロピル)tris(トリメチルシロキシ)シラン
(4-メトキシフェニル)トリ(O-トリル)シラン
(4-フェノキシフェニル)(フェニル)(O-トリル)シラン
ジシクロヘキシル-メチル-シラン
ジメチル(3-フェニルプロピル)シラン
ジメチルbis(2,3,4,5-テトラメチル-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)シラン
ジフェニル(3-フェニルプロピル)シラン
ジフェニル(4-メトキシフェニル)シラン
ジフェニル(4-フェノキシフェニル)シラン
ジフェニル(ジフェニルメトキシ)(ジフェニルメチル)シラン
ジフェニル(ジフェニルメチル)シラン
ジフェニル(M-トリル)シラン
ジフェニル(O-トリル)(4-トリメチルシリル)フェニル)シラン
ジフェニル(P-トリル)シラン
ジフェニルジ(M-トリル)シラン
ジフェニルジ(O-トリル)シラン
ジフェニルメチル(O-トリル)シラン
ジフェニルフェネチル(O-トリル)シラン
ドデシルtris(2-ビフェニリル)シラン
ドデシルtris(2-シクロヘキシルエチル)シラン
ドデシルtris(3-フルオロフェニル)シラン
ドデシルtris(M-トリル)シラン
エトキシトリ(O-トリル)シラン
エトキシtris(2-メトキシフェニル)シラン(1)
エチル-bis-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-シラン(1)
エチレンbis(tris(デシル)シラン)(1)
ヘキサデシルスルファニルエチニル-トリメチル-シラン
イソブチル(トリメトキシ)シラン(2)
メチル-tris(トリメチルシロキシ)シラン(1)
メチルフェニル(4-(トリメチルシリルメチル)フェニル)シラン(1)
メチルフェニル(M-トリル)シラン(1)
メチルtris(2-メトキシエトキシ)シラン
フェニル(O-トリル)シラン(1)
フェニル-tris(トリメチルシロキシ)シラン(1)
フェニルトリ(M-トリル)シラン(1)
フェニルトリ(O-トリル)シラン(1)
フェニルトリ(P-トリル)シラン
フェニルtris(2-シクロヘキシルエチル)シラン
フェニルtris(2-エチルヘキシル)シラン
フェニルtris(2-メトキシエトキシ)シラン
フェニルtris(4-(トリメチルシリル)フェニル)シラン
フェニルtris(9-エチル-3-カルバゾリル)シラン
トリ(O-トリル)シラン
トリアセトキシ(エチル)シラン
トリアセトキシ(メチル)シラン
トリアセトキシ(ビニル)シラン
トリエトキシ(1-フェニルエテニル)シラン
トリエトキシ(3-イソシアナートプロピル)シラン
トリエトキシ(3-チオシアナートプロピル)シラン
トリエトキシ(4-メトキシフェニル)シラン
トリエトキシ[4-(トリフルオロメチル)フェニル]シラン
トリエトキシ(エチル)シラン
トリエトキシ(イソブチル)シラン
トリエトキシ(オクチル)シラン
トリエチル(シラン-d)
トリヘキサデシル(4-(トリメチルシリル)フェニル)シラン
トリメトキシ[2-(7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト-3-イル)エチル]シラン
トリメトキシ(2-フェニルエチル)シラン
トリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン
トリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シラン
トリメトキシ(7-オクテン-1-イル)シラン
トリメトキシ(オクタデシル)シラン
トリメトキシ(オクチル)シラン
トリメトキシ(プロピル)シラン
トリメトキシ(ビニル)シラン
トリメチル(1,2,3,4,5-ペンタメチル-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)シラン
トリメチル-(1-メチル-1-フェニル-プロポキシ)-シラン
トリメチル(1-プロペニル)シラン
トリメチル(2,3,4,5-テトラメチル-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)シラン
トリメチル(2-フェニル-1,1-bis(トリメチルシリル)エチル)シラン
トリメチル-(4'-ナフタレン-1-イル-ビフェニル-4-イル)-シラン
トリメチル-(4-ニトロ-フェニルエチニル)-シラン
トリメチル(4-(トリメチルシリル)ブトキシ)シラン
トリメチル(メチルチオ)シラン
トリメチル(フェノキシ)シラン
トリメチル(フェニル)シラン
トリメチル(フェニルセラノメチル)シラン
トリメチル(フェニルチオ)シラン
トリメチル(フェニルチオメチル)シラン
トリメチル(プロパルギル)シラン
トリメチル(プロポキシ)シラン
トリメチル(ビニル)シラン
トリフェニル(1,2,2-トリフェニルエチル)シラン
トリフェニル(3-(トリフェニルゲルミル)プロピル)シラン
トリフェニル(トリフェニルメチル)シラン
トリフェニル(ビニル)シラン
Tris(1-ナフチル)シラン
Tris(2-ビフェニル)シラン
Tris(4-(トリメチルシリル)フェニル)シラン
Tris(デシル)シラン
Tris(ヘキサデシル)シラン
Tris(イソプロピルチオ)シラン
Tris(フェネチル)シラン
Tris(トリメチルシロキシ)シラン
Tris(トリメチルシリル)シラン
トリエチルシラン
1-(ジメチルシリル)-2-フェニルアセチレン
3-(トリエトキシシリル)プロピルイソシアナート
3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート
3-[Tris(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート
アリル(4-メトキシフェニル)ジメチルシラン
ジメトキシ-メチル-オクタデシルシラン
メトキシポリエチレングリコール5,000トリメチルシリルエーテル
N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン
プロパルギルトリメチルシラン
シリコン2,3-ナフタロシアニンbis(トリヘキシルシリルオキシド
tert-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンメタンスルホネート
テトラアリルオルトシリケート
テトラアリルシラン
テトラキス(ジメチルシリル)オルトシリケート
テトラメチル-d12オルトシリケート
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
Tris(ジメチルシロキシ)フェニルシラン
ビニルトリメトキシシラン
ビニルトリメチルシラン
ビニルトリメチルシラン
3-(2-アミノエチルアミノ)プロピル-ジメトキシメチルシラン
[3-(2-アミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン
アリルトリメチルシランおよび
メチル2-(トリメチルシリル)プロピオネート。
物、原核生物のフラグメント、古細菌、古細菌のフラグメント、ウィルスおよびウィルスのフラグメントからなる群から選択されることが、さらに好ましい。記載される真核細胞のフラグメント、原核生物、古細菌およびウィルスは、(ポリ)ペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、多糖類、およびこれらの組合せを含む。
成成分の調製物を含むと理解される。真核細胞のフラグメント、原核生物のフラグメントおよび古細菌のフラグメントの群は、線毛、プロテアーゼ、ヒートショックタンパク質、ホルミル-メチオニルペプチド、および毒素などの抗原タンパク質、Toll-様受容体(TLR
)、ヌクレオチド-結合オリゴマー化ドメインタンパク質(Nod)、およびG-タンパク質結合型受容体、ホルミル-メチオニルペプチド受容体、プロテアーゼ-活性化受容体、そして糖タンパク質などの(ポリ)ペプチドもまた含まれてもよい。糖タンパク質の群には、免疫受容体およびリガンドが含まれる。免疫受容体およびリガンドは、MHC複合体(抗原ペ
プチドで負荷されたものまたはMHC分子のみ)および共刺激分子を含む。
ル伝達性受容体)とそのリガンドとの相互作用は、シグナル伝達カスケードの初期化をもたらすことができる。そのような機能的受容体の例は、T細胞受容体(TCR)およびB細胞
受容体(BCR)、または免疫システム細胞の活性化に関与する共刺激受容体(例えば、CD28)を含む。機能的受容体とそのリガンドとの相互作用は、アポトーシスなどの異なる細
胞シグナルの開始、伝達、例えば、Fas(CD95)またはTNF-α受容体ファミリー、TRAIL、Death Receptors、Toll様受容体およびFc-受容体を含むその他のTNF-スーパーファミリーの受容体を結果として生じてもよい。さらに、本発明にしたがって、リガンドと機能的受容体との相互作用は、CTLA-4を介したシグナルなどの阻害性シグナルの開始も結果として生じることができる。
本発明の文脈において記載される抗体は、エピトープと特異的に結合/相互作用することができる。エピトープは、ポリペプチド構造であってもアミノ酸を含まない化合物であってもよい。本発明にしたがって使用される場合、用語“〜と特異的に結合/相互作用する”は、抗体または抗体フラグメントが同様の構造のエピトープとは交差反応しないかまたは本質的に交差反応しないことを意味する。研究中の抗体パネルの交差反応性は、例えば、従来条件下でのその抗体パネルの、目的とするエピトープに対する結合や、多かれ少なかれ(構造的におよび/または機能的に)非常に類似するエピトープに対する結合を評価することにより、試験することができる。エピトープの関連する文脈(例えば、タンパク質の構造中の特異的モチーフ)中の目的とするエピトープに対して結合するが、その他のエピトープのいずれに対しても結合しないかまたは本質的には結合しないそのような抗体のみが、目的とするエピトープに対して特異的であると考えられる。対応する方法は、例えば、以下の文献中に記載される(Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988またはHarlow and Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999)。
基の存在により、ポリペプチド抗原として特徴づけられる(Sela, (1969) Science 166, 1365およびLaver, (1990) Cell 61, 553-6)。エピトープに寄与するこの2またはそれ以
上の別個のアミノ酸残基は、1またはそれ以上の(ポリ)ペプチド鎖の別個の部分上に存
在する。これらの残基は、(1または複数の)(ポリ)ペプチド鎖が三次元構造に畳み込
まれて、エピトープを構成する場合、分子の表面で一緒になる。対照的に、直鎖エピトープまたは連続的エピトープは、(ポリ)ペプチド鎖の一本鎖直鎖部分に存在する2または
それ以上の別個のアミノ酸残基からなる。
用語“抗体”は、結合特異性を依然として保持するそれらの誘導体またはフラグメントをも含む。本発明の抗体には、合成抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、およびヒト化抗体、および抗体フラグメント等の態様もまた含まれる。
スペーサーとして機能し、そしてそのN-末端側およびC-末端側に伸長し、そしてCDRによ
る抗原結合部位の形成を可能にする構造を提供するアミノ酸配列である。例えば、分子生物学的方法により結合親和性を向上するためのフレームワーク配列またはCDR配列の修飾
は、当該技術分野において知られている従来技術を使用して、例えば、当該技術分野において既知の、アミノ酸の(1または複数の)欠失、(1または複数の)挿入、(1または複
数の)置換、(1または複数の)付加、および/または(1または複数の)組換えおよび/または何らかの他の(1または複数の)修飾(例えば、糖鎖付加やリン酸化などの翻訳後
修飾および化学的修飾)を単独でまたは組み合わせて使用することにより、(ポリ)ペプチドを修飾することを含んでもよい。そのような修飾を免疫グロブリン鎖のアミノ酸配列を裏付けるDNA配列中に導入するための方法は、当業者には周知である;(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd edition 1989および3rd edition 2001;Gerhardt et al., Methods for General and Molecular Bacteriology, ASM Press, 1994;Lefkovits, Immunology Methods
Manual: The Comprehensive Sourcebook of Techniques, Academic Press, 1997;また
はGolemis, Protein-Protein Interactions: A Molecular Cloning Manual, Cold Spring
Harbor Laboratory Press, 2002を参照)。
含む。さらにより好ましい態様において、サイトカインは、BMP-2またはBMP-7である。
うな成長因子は、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)、VEGF(血管内皮成長因子)、PLGF(胎盤成長因子)、アンジオポイエチン、FGF、Dll4(デルタ-様リガンド4)、およびPDGF(血小板由来成長因子)を含む。血管形成作用を有する適切な炎症性メディエータは、例えば、IL-1、IL-6およびMCP-1である。さらにより好ましい態様において、血管新生-刺激成長因子は、PDGFである。
(モノクローナル)抗体がIgGクラス、IgMクラスまたはIgYクラスのものであることが
最も好ましい。
物質は、前記担体に対して共有結合される。生体物質が担体に対して共有結合を介して接着することをどのようにして行うかの方法は、本明細書中で上述した。
さらに、本発明の方法のさらに好ましい態様にしたがって、溶液は、ポンプを介してチューブのシステム中を回転する。
たはそれ以上の追加の材料を用いて充填することにより、担体中で機能させることができる。好ましくは、前記少なくとも一つのさらなる材料は、炭素、SiO2、ヒドロキシエチル
スターチ(HES)およびビオチンからなる群から選択される。1種のさらなる材料を含む多孔性担体についての例には、例えば、Kinetic Concepts Inc.(KCI, Texas, USA)から入手した、炭素充填された(carbonfilled)ポリウレタン、およびポリエーテルフォームが含まれる。
る。工程(a)〜(c)における水溶液は、0.6〜3%アルブミン(v/v)を含むことが、本
発明にしたがって特に好ましい。水溶液は、好ましくは、0.6〜3%の糖(例えば、マンニトール)(v/v)を含む。
アルコールであり、工程(b)におけるものは、生体物質(例えば抗体)を含む水溶液で
あり、そして工程(c)におけるものは、0.5〜10%アルブミン(v/v)および0.5〜5%マ
ンニトール(v/v)を含む水溶液である。工程(a)〜工程(c)における水溶液は、0.6〜3%アルブミン(v/v)を含むことが、本発明にしたがって特に好ましい。そのような水溶液は、好ましくは、0.6〜3%の糖(例えば、マンニトール)(v/v)を含む。
本発明の方法により作製した固相コーティング担体を滅菌する能力は、とりわけ、非-滅
菌条件または半-滅菌条件下での固相コーティング担体の作製を可能にする。この場合、
そのようにして作製された担体は、固相コーティング担体を体液とin vivoまたはex vivoで接触させることに関する本発明の方法において依然として使用することができる。このことは、この方法のそしてそのようにして作製された本発明の担体のさらに優れた特徴を表す。というのも、その特徴により、滅菌されていない場合がある担体の作製のコストと比較して、固相担体を作製するためのコストを、低減することができるためである。これは、作製プロセスにおいて、滅菌条件を必要としないためである。周知であるように、従来法により調製された担体は、滅菌に適しておらず、そして完全滅菌条件下で作製しなければならない。さらに、コストに関連する特徴は、この担体が、滅菌によりそれらを使用した後にリサイクルすることができる、ということである。リサイクルされた担体は、それに引き続いて、同一の患者または異なる患者のさらなる処理において、または再び担体と体液とをin vivoまたはex vivoで接触させることに関する診断のためのさらなる方法または同一の方法において、使用することができる。
う。担体が、β線またはγ線により滅菌されることが最も好ましい。この態様において、10 MeVを有する電子加速器を使用した、25 kグレイの線量のβ線が適している。ある程度は、エチレンオキシドを用いた滅菌を、本発明の担体に対して適用することができる。一般的には、コーティングされた生体物質の所望の活性に悪影響を与えないために、滅菌方法が選択されなければならない。このことは、細胞のフラグメント、(ポリ)ペプチド、特に抗体または受容体、ポリヌクレオチドまたは多糖類、または上述した様なこれらの複合体を用いて行うことができる。どのような種の細胞に対しても、滅菌の適切な手段は現段階で知られていない。従って、生細胞を生体物質として使用しそして担体を滅菌する態様は、本発明の一部ではない。
上述した洗浄工程は、工程(c)において適用されたコーティング層、すなわち、第2のコーティング層、を部分的にまたは完全に除去するために機能する。コーティング層が完
全にまたは部分的に生体物質を覆うかどうかに関わらず、洗浄工程を適用することができる。このように、生体物質、好ましくは例えば、抗体の抗原結合部位、酵素の触媒部位、または(ポリ)ペプチド上のタンパク質相互作用部位などの生体物質の機能性部分、を、一般に、本発明の担体の表面に部分的にまたは完全に再び接触可能にし、そしてそれらの機能を実現することができる。第2の被覆層からの生体物質の剥離の程度は、使用される
生体物質の生物学的機能に基づく試験を使用して、定量的に測定することができる。生体物質として使用される抗体の場合、機能性部分の接触可能性、すなわち、この場合には抗原結合部位、は、例えば、当業者に周知である検出可能マーカーに結合された特異的抗原を使用して、測定することができる。同様に、酵素の触媒部位の接触可能性または(ポリ)ペプチドのタンパク質相互作用部位の接触可能性は、一般に、それぞれの酵素の基質または標識相互作用パートナー分子またはその相互作用性フラグメントと、担体とを接触させることにより、そして基質または相互作用性パートナー分子のターンオーバーを検出することにより、評価することができる。本願明細書のその他の部分に記載した目的のために適用される本発明の担体が、洗浄工程後そして生体物質の機能性部分の接触可能性の決定後にも依然として無菌であることを保証するため、一つの担体上で試験を行う一方、同一バッチ由来の異なる担体をその目的のために適用する。
れ、そして適切な塩および/または酵素を含むことができる溶液を使用して行われる。添加される酵素は、例えば、タンパク質またはでんぷん誘導体などの第2の層の特定の構成
成分を分解する様に機能することができる。洗浄溶液中に含有される酵素を用いたとしても、工程(f)は、依然として、第2のコーティング層の部分または全てを除去するための洗浄工程とみなされる。洗浄溶液の温度およびpH値は、使用される第2のコーティング層
の(1または複数の)構成成分から生じる、特異的必要条件に等しく適合される。最も簡
単な洗浄溶液は、例えば、等張性塩溶液であろう。特定の用途のため、溶液は、血漿代替物(plasma surrogate)を含んでもよい。コーティングした担体の適用に依存して、例えば、透析、人工心肺のあいだに、または創傷の圧迫時に、担体を血流または血漿流に対して曝露することによりex vivoで、洗浄工程を体液を用いて行うこともできる。
さらなる代替の態様において、本発明は、生体物質が接着される固相コーティング担体を提供する。この場合、生体物質は、被覆マトリクス中に包埋されており、この被覆マトリクスは、担体と直接的に接触する少なくとも一つのシランの第1層、および少なくとも
一つの(ポリ)ペプチド、少なくとも一つのアミノ酸、スターチ、少なくとも一つの糖、少なくとも一つのホスフェート、少なくとも一つのポリアルコールおよびポリエチレングリコール(PEG)またはこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも一つの物
質からなる第1層を部分的にまたは完全に覆う第2層、とからなる。より好ましくは、第2
層の少なくとも一つの物質が、とりわけ、ヒトまたは動物の血清およびそのような血清のタンパク質(例えば、アルブミン)、シャペロン、ミルク、卵タンパク質、植物由来タンパク質(例えば、ダイズ、コムギ)、そのようなタンパク質の加水分解物(例えば、ゼラチン、コラーゲン)を含む群、アミノ酸の群(好ましくはグリシン、アスパラギン酸およ
び/またはグルタミン酸、プロリン、アルギニン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、カルニチン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、システイン、ホモシステイン、シトルリン、イヌリン、フェニルアラニン、リジン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、メチオニン、セリン、バリン、チロシン、トレオニン、トリプトファン)、またはアミノ酸の誘導体(例えば、n-アセチル-トリプトファン、β-アラニン、メラニン、DOPA)、糖類の群(好ましくはグルコース、サッカロース、スクロース)、ポリアルコール類(好ましくはソルビトール、マンニトール、グリセロール、キシリトール)、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルスターチ(HES)、ホスフェートの群(例えば、リン酸2水素ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム)またはこれらの混合物、からなる群から選択される。あるいは、第2層は、イオン液体または適合性溶
液からなる。
本発明の方法にしたがって提供される担体、生体物質、生体物質の接着、そしてコーティングマトリクスの材料の定義および説明は、とりわけ、必要に応じて、本発明の固相コーティング担体に対して適用される。
同様に本発明の固相コーティング担体を製造する方法の文脈において記載されるように、担体の材料が、ガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、PMMA、フリースワディング(fleece wadding)、開放多孔質フォームプラスチック、網状プラスチックおよび海綿(海綿動物)由来の構造からなる群から選択されることも、好ましい。
チドはアルブミンであり、第2層のスターチはヒドロキシエチルスターチ(HES)であり、および/または第2層の少なくとも一つの糖はマンニトールまたはソルビトールである。
ることにより特徴づけられることが好ましい。
多孔性構造を有する担体の材料が、4〜40の範囲の非圧縮/圧縮材料体積比であること
により特徴づけられることもまた好ましい。
シランまたは水素化シロキサン、シロキサン類、その他の官能基を有するシリル化合物を含む有機シラン類からなる群から選択されることはさらに好ましい。適切なシラン類の例は、上述したとおりである。
む乾燥混合物であってもよい。好ましくは、この混合物は、ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む。具体的には、本発明にしたがって、この混合物を液体形状の担体に対
して適用し、そしてそれに引き続き本発明の担体の表面上で乾燥させる。乾燥は、好ましくは風乾により行われる。別の好ましい態様において、本発明の方法と結びつけて上述したように、第2層は、シャペロンを含むか、またはイオン液体または適合性の溶質からな
る。
ィングマトリクス中に包埋されているが、受容体であることがさらに好ましい。より好ましくは、前記受容体は、抗体または抗体フラグメントである。本発明のさらに好ましい態様にしたがって、抗体がモノクローナル抗体であることが特に想定される。
れる場合、1またはそれ以上のその他の材料を添加して、異なる化学的成分を提供するこ
とができ、または担体の特性を変更することができる。担体が2、3またはそれ以上の材料から構成される場合にも、同様のことが当てはまる。言い換えると、上述した物質に加えて、本発明に従うコーティングのために使用される担体は、少なくとも一つのさらなる材料を含む。この材料を、有効成分を混合することにより、または担体を1またはそれ以上
の追加の材料により充填することにより、その生成に際して、担体中で機能させることができる。好ましくは、この少なくとも一つのさらなる材料は、炭素、SiO2、HESおよびビ
オチンからなる群から選択される。
さらなる代替の態様において、本発明は、本発明に従う固相コーティング担体を、患者の血液、リンパ液、または脳脊髄液と接触し、それを濾過し、または清浄化するための、(医療)機器の調製のために使用することを提供する。
ための方法の文脈において)、装置を患者の体液の循環系に接続する工程、そしてそれにより上述したように患者を治療する工程により、患者の血液、リンパ液、または脳脊髄液を接触させ、それを濾過し、または清浄化することを可能にするために適している。さらに、(医療)機器は、化合物の定量的または定性的検出のために適していてもよく、そして本明細書中で一部を上述した、患者の体液サンプル中の特定の細胞(例えば幹細胞)を捕捉するために適していてもよい。幹細胞は、多能性幹細胞、多分化能幹細胞、または全能性幹細胞を含む。体液サンプル中にて、特定の細胞または1またはそれ以上の細胞集団
の一部と接触させることにより、これらの細胞または(1または複数の)細胞集団に対し
て特異的に結合する、1またはそれ以上の上述の生体物質を用いて適切にコーティングさ
れた本発明の担体を用いて、特定の細胞または1またはそれ以上の細胞集団を捕捉するこ
とにより、少なくともこれらの特定の細胞または(1またはそれ以上の)細胞集団の一部
をサンプルから取り出すことができる。一般的には、異なる細胞株、細胞種、または細胞の分化段階を、細胞表面上に異なる抗原が存在することにより識別することができる。このことにより、本発明の担体を、例えば、抗原に対する対応する受容体またはその抗原に対する抗体によりコーティングすることにより、所望の細胞の選択的捕捉が可能になる。
、用語“接触する”は、濾過および清浄化の最初の工程であってもよい。
、腐敗毒などの毒素からの体液の解毒を含む治療において有用である。これは、細菌性疾患またはウィルス性疾患の治療において有用であり、特に血液中またはその他の体液中に負荷された主要なウィルスによる疾患(例えば、出血熱、a型、b型、c型、d型、e型の肝
炎、HIV、デング熱)または血液または代替性体液中に負荷された主要な細菌による疾患
(例えば、メニンゴ細菌またはニューモコッカス細菌による敗血症)の治療において有用である。開示された医学的装置のさらに想定される代わりの用途は、患者の特定の細胞の活性化または排除を必要とする治療における用途である。特定の細胞集団の排除は、例えば、増殖性疾患(例えば、微小残存癌)の治療、自己免疫疾患の治療、または臓器移植により引き起こされる疾患の治療において意図される。特定の細胞集団の刺激は、例えば、細胞免疫系の活性化により治癒されるかまたは軽減される疾患の治療において意図される。活性化された細胞集団は、疾患細胞の特異的な集団を排除するために適している。
用して幹細胞を捕捉することが、装置の有用な応用である。捕捉の後、酵素的放出、冷えた液体、機械的な力(振動など)、またはこれらの技術の組合せにより、細胞を回収する。
(医療)機器の一態様には、それ自体が固相コーティング担体である表面または本発明に従う固相コーティング担体または本発明の方法に従って製造された固相コーティング担体が接着された表面により特徴づけられる、一過性インプラントまたは永久的インプラントが含まれる。これには、骨接合術装置、再建術などのために使用される材料、並びに新規のクラスのステントが含まれる。そのような新規のクラスのステントは、免疫によりサポートされる特徴(上述したような活性化の特徴、阻害性の特徴、または排除性の特徴)を有していてもよい。
ocyte Inhibition Module;LIM)、白血球活性化モジュール(Leukocyte Stimulation Module;LSM)、耐性誘導モジュール(Tolerance Induction Module)または固相コーティ
ング担体を含むか、または本発明に従う固相コーティング担体または本発明の方法に従って作成される固相コーティング担体を接着する人工リンパ節が含まれる。そのようなモジュールは、例えば、以下の文献により記載された(Scholz M et al. ASAIO J 2005;51:144-7;Scholz M, Cinatl J Med Res Rev 2005;25:331-42;Scholz M et al. J Thorac Cardiovasc Surg 2004; 127:1735-42;Moreno JB et al. Perfusion 2004;19:11-6)。
ン接種用容器、アフェレーシス装置、幹細胞単離装置、パージ装置、シリンジ、および一過性または永続的な血液保存のための装置(例えば、血液バンクにおけるもの、そして日常的な施設または研究施設における研究装置におけるもの)を含むものである。診断用(医療)機器の例は、ELISAプレートであり、ここでプレートの表面(または少なくとも反
応ウェルの表面)は固相コーティング担体であるか、または固相コーティング担体が接着されたものである。
質(a)上昇、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、混合結合組織病、拡張型心筋症(DCM)、凝固因子阻害剤と関連する疾患、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性溶血性貧血、高ガンマグロブリン血
症における過粘稠度症候群、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、血漿タンパク異常症多発性神経炎(dysproteinemic polyneuropathies)、骨髄移植、内分泌性眼窩疾患(endocrine orbitopathy)、I型糖尿病(IDDM)、
グッドパスチャー症候群、イムノグロブリンまたは免疫複合体沈着による腎症、クリオグロブリン血症、天疱瘡、アトピー性皮膚炎、移植片-対-宿主(GvH)疾患、宿主-対-移植
片(HvG)疾患、および様々な形態の脈管炎を含む。
は、好ましくは上述した生理学的条件下で行われる。同様に、この定義には、サンプル中に含まれる細胞の活性化状態の変化を誘導すること、並びに1またはそれ以上の特異的な
細胞集団を除去することも含まれる。
患者の血液、リンパ液、または脳脊髄液の組成物の操作のための方法のex vivoまたはin vitro態様のそれに続く工程において、血液、リンパ、または溶液を固相コーティング
担体と接触させた後、それらを担体から取り出す。
の際に有効な物質である。そのようなアプローチにより治療することができる疾患は、例えば、糖尿病(膵島細胞またはインスリンを分泌するその他の細胞を使用すること)、内分泌疾患(例えば、甲状腺または松果体または疾患の治療に役に立つホルモンを分泌するその他の細胞を使用すること)を含む。従って、本明細書中で記載される患者の血液、リンパ液、または脳脊髄液の組成物の操作のための方法により、副作用のリスクを最小化しつつ、患者の治療を可能にする。このことは、ドナーまたは遺伝子操作した細胞/組換え細胞をin vitro/ex vivoの状況で適用した場合、それらの細胞が患者に入らないためで
ある。in vivoで適用された場合であっても、上述したように、本発明にしたがう態様を
形成するが、これらの細胞は、固相担体への記載された接着様式により、血流またはその他の体液中には放出されない。
(a) 病原体または疾患についての指標であるマーカータンパク質が包埋された受容
体へ特異的に結合するための適切な条件下、患者の体液を、受容体が包埋されている本発明に従う固相コーティング担体と接触させる工程;そして
(b) 病原体または疾患についての指標であるマーカータンパク質が包埋された受容
体に対して結合しているかどうかを検出する工程;
を含む。
るかまたは含む。
Syndr 2005;40:250-6.を参照)または抗-gB(HCMV)(例えば、Just-Nubling G et al. Infection 2003;31:318-23を参照)の様な抗体を使用することにより、検出することができる。
。本発明の診断用組成物は、好ましくは、疾患の診断のために使用することができる。
本発明の診断用組成物を用いて診断される疾患の例は、本明細書中で上述したとおりである。
実施例1:本発明の固相コーティング担体を使用した、細胞集団におけるアポトーシス
の誘導
実験アプローチの目的は、エチレンオキシドまたはβ-線による滅菌後、固定化抗-Fas
(CD95;APO-1)IgM-抗体の機能的活性に関して、コーティング手順の保護的効果を調べ
ることであった。
2つの8-ウェルチャンバースライドを、コーティングのために使用した。各ウェルを、4%(2〜5%)N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンを含むメタノール250μlにより、室温にて30分間処理した。逆遠心およびラミナフロー中での10分間の乾燥の後、ウェルの一部を、200μlの抗体含有バッファ(1:100は、0,64 cm2のウェル当たり1μgの抗体を示す)とともに、37℃で1時間、90%湿度の下、インキュベーションした
。非処理ウェルは、対照として機能する。次に、ウェルをブロッキング溶液(5%血清お
よび5%マンニトールを含むPBS)を用いて30分間処理し、ブロッキング溶液を用いて3回
洗浄し、そして上述したように乾燥させた。コーティングしたウェルは、4℃にて数週間
保存することができる。滅菌を、1,7 bar、45℃、180分、6%EO、94%CO2で、最高温度47℃で行った。
分割してから3〜5日後、調製したウェル(上述に従ったもの)のそれぞれに対して、2
%血清の存在下、1×105のJurkat細胞を添加し、そして一晩インキュベーションした。48時間後、8μlのヨウ化プロピジウム(PI)および1μlアネキシンVを、各ウェルに添加し
た。アポトーシス細胞はアネキシンVに結合し、そして壊死細胞はPIを取り込む。15分後
、細胞をウェルから穏やかに取り出し、そして蛍光をフローサイトメトリーにより測定し
た(アポトーシス:FL1;壊死:FL2)。
結果:
図2において代表的に示すように、自発的アポトーシスを起こすJurkat細胞の割合(A)は、6.9%であった(範囲:6〜8%)。固定化抗体の非存在下にて滅菌を行ったコーティ
ングウェルにチャレンジさせたJurkat細胞(B)は、アポトーシスがわずかに上昇するこ
とが示された(17.9%;範囲:16〜20%)。上述のコーティング手順にしたがって固定化された抗-Fas(C)は、細胞の54.7%(範囲:54〜58%)にアポトーシスを誘導した。エ
チレンオキシド(EO)での滅菌の後、Jurkat細胞での抗体-媒介性アポトーシス誘導(D)は、43.1%であった(範囲:40〜44%)。このように、抗体機能のEO-媒介性減少は、非
滅菌対照(EOガスなしの手順)と比較した場合、およそ25%であった。ドットブロット解析(図2)は、それぞれの細胞集団についての蛍光分布分布を示す(FL1=アポトーシス;FL2=壊死)。
LIMを産生するため、泡状物を、98%メタノールおよび2%(3-グリシジル-オキシプロ
ピル)トリメトキシシラン(Sigma)の混合物中に20分間浸漬し、その後乾燥させ、そし
て水中15mMの炭酸ナトリウムおよび35mMの炭酸水素ナトリウムからなるバッファー(ph 9)中、37℃で2時間、100μg抗体のインキュベーションを行った。あるいは、PBSを、抗体用のバッファとして使用することができる。その後、2%ヒトアルブミンタンパク質濃度
を含む等張性NaCl溶液の添加を、別の1時間のインキュベーションとともに行う。1%ヒトアルブミンを含有する等張性塩化ナトリウム-溶液を使用する10回の洗浄サイクルが、好
ましい。少なくとも、5%のヒトアルブミンおよび5%マンニトールを含有する等張性ナトリウム-溶液を用いて、30分インキュベーションをした後、乾燥させる。エチレンオキシ
ド-滅菌は、約60%が、抗体活性を失った(Jurkat細胞を用いて試験した)。25 kGrayの
線量を有する10 MeVを用いて電子加速器を使用するβ-照射の後、抗体活性が、滅菌なし
での活性と比較して、約70%に保存された。あるいは、滅菌は、γ-線(例えば、Co60源
)を使用することにより行うことができる。
Claims (66)
- 以下の工程:
(a)固相担体を0.1〜10%(w/w)または0.1〜10%(v/v)の少なくとも1つのシランまたは別の適切なカップラーを含む溶液とともにインキュベーションし、その後溶液を除去する工程;
(b)担体を生体物質を含有する好ましく緩衝化された水溶液とともにインキュベーシ
ョンすることにより生体物質を担体に対して結合させ、その後水溶液を除去する工程;そして
(c)(i)(ポリ)ペプチド、アミノ酸、スターチ、糖、ホスフェート、ポリアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)またはこれらの混合物から選択される1またはそれ以上の物質を含む水溶液、(ii)イオン液体、または(iii)適合性溶質、またはそれらの
混合物、中で担体をインキュベーションして、それにより生体物質を部分的にまたは完全に1またはそれ以上の物質により被覆する工程;
を含む、生体物質を保持する固相コーティング担体を製造する方法。 - 工程(d):
(d)残留水分含量が<20%(w/w)になるまで担体を乾燥させる工程;
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 工程(a'):
(a')残留溶液含量が最初に適用した溶液の10%未満になるまで担体を乾燥させる工程;
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。 - 工程(b)の後でかつ工程(c)の前に、工程(b'):
(b')ブロッキング剤を含有する緩衝化水溶液中で担体をインキュベーションし、そして水溶液を取り除く工程;
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。 - 工程(b)の後でかつ工程(c)の前に、工程(b”):
(b”)(ポリ)ペプチド、ヒドロキシエチルスターチ(HES)、マンニトール、ソルビトールおよびポリエチレングリコール(PEG)から選択される物質、牛乳、豆乳、コムギ
由来タンパク質または卵由来タンパク質を0.5〜10%(w/w)含有する水溶液を使用して、結合されていない結合部位をブロッキングする工程、そして場合によりブロッキング後にその水溶液を用いて1回またはそれ以上の洗浄工程を行う工程;
をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 工程(c)における担体を、アルブミン、ヒドロキシエチルスターチ(HES)、マンニトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール(PEG)、およびシャペロンからなる群か
ら選択される1またはそれ以上の物質を含む水溶液中でインキュベーションする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 - 工程(c)における担体を、イオン液体中でインキュベーションする、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の方法。 - 担体の材料が、多孔性構造のものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 担体の材料が、30 cm-1〜300 cm-1の範囲の表面/気体容量比により特徴づけられる、
請求項8に記載の方法。 - 担体の材料が、4〜40の範囲の非圧縮/圧縮物質容量比により特徴づけられる、請求項8または9に記載の方法。
- 担体の材料が、中空繊維の構造を有し、好ましくは1〜10の範囲の非圧縮/圧縮物質容
量比および/または200 cm-1〜2000 cm-1の範囲の表面/気体容量比により特徴づけられ
る、中空繊維の構造を有する、請求項9に記載の方法。 - 担体の材料が、ガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、PMMA、フリース詰め綿(fleece wadding)、開放性多孔質発泡性(open porous foam)のプラスチックまたはガラス、および網状のプラスチックまたはガラス、および海綿(海綿動物)由来の構造物からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)における溶液が水溶液である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)における溶液が非-水溶液である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 少なくとも1つのシランが、アルコキシシラン、有機官能性シラン、水素シラン、水素
シロキサン、シロキサン、およびその他の官能基を有するシリル化合物を含む有機シラン、からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。 - 生体物質が、真核細胞、真核細胞のフラグメント、原核生物、原核生物のフラグメント、古細菌、古細菌のフラグメント、ウィルス、およびウィルスフラグメント、からなる群から選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 真核細胞のフラグメント、原核生物のフラグメント、古細菌のフラグメントまたはウィルスフラグメントが、(ポリ)ペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよび多糖からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
- 生体物質が、合成的、半合成的、または組換え的に産生される(ポリ)ペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよび多糖からなる群から選択される、請求項1〜15
のいずれか1項に記載の方法。 - (ポリ)ペプチドが受容体である、請求項17または18に記載の方法。
- 受容体が、抗体、抗体フラグメントまたは抗体誘導体である、請求項19に記載の方法。
- 抗体がモノクローナル抗体である、請求項20に記載の方法。
- 抗体が、IgGクラス、IgYクラス、またはIgMクラスの抗体である、請求項20または21に
記載の方法。 - (ポリ)ペプチドが、サイトカインまたは血管新生増殖因子である、請求項17または18に記載の方法。
- サイトカインが、BMP-2またはBMP-7である、請求項23に記載の方法。
- 血管新生増殖因子がPDGFである、請求項23に記載の方法。
- 生体物質が、共有結合を介して、工程(b)において担体に結合される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)〜工程(c)が、担体を含有する回転チューブのシステム中で行われる、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
- 溶液が、ポンプを介してチューブのシステム中で回転される、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 多孔性構造を有する材料から構成される担体が、少なくとも1つのさらなる材料を含む
、請求項8〜28のいずれか1項に記載の方法。 - 少なくとも1つのさらなる材料が、炭素、SiO2、HESおよびビオチンからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
- 工程(a)〜工程(c)における溶液が、0.5〜10%のアルブミン(v/v)および0.5〜5%のマンニトール(v/v)を含む水溶液である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)における溶液がシラン0.1〜10%(v/v)を有するアルコールであり、工程(b)における溶液が生体物質を含む水溶液であり、そして工程(c)における溶液が0.5〜10%のアルブミン(v/v)および0.5〜5%のマンニトール(v/v)を含む水溶液である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
- 固相コーティング担体を滅菌する工程(e)をさらに含む、請求項1〜32のいずれか1項
に記載の方法。 - 担体の滅菌が、エチレンオキサイド(EO)、β線照射、γ線照射、X-線、加熱不活性化、オートクレーブ、またはプラズマ滅菌により行われる、請求項33に記載の方法。
- 工程(e)の後にコーティング担体を洗浄する工程(f)をさらに含む、請求項33に記載の方法。
- 請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法により製造可能であるか製造される、固相コーティング担体。
- 生体物質が、担体と直接的に接触する少なくとも1つのシランの第1層、および少なくとも1つの(ポリ)ペプチド、少なくとも1つのアミノ酸、スターチ、少なくとも1つの糖、
少なくとも1つのホスフェート、少なくとも1つのポリアルコールおよびポリエチレングリコール(PEG)またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの物質からなる、第1層を部分的にまたは完全に被覆する第2層、からなるコーティングマトリクス中に包埋される、生体物質を結合させる固相コーティング担体。 - 担体の材料が、多孔性構造のものである、請求項37に記載の担体。
- 担体の材料が、ガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、PMMA、フリース詰め綿(fleece wadding)、開放性多孔質発泡性(open porous foam)のプラスチック、網状のプラスチック、および海綿(海綿動物)由来の構造物からなる群から選択される、請求項37または38に記載の担体。
- 生体物質が、真核細胞、真核細胞のフラグメント、原核生物、原核生物のフラグメント、古細菌、古細菌のフラグメント、ウィルス、およびウィルスのフラグメントからなる群から選択される、請求項37〜39のいずれか1項に記載の担体。
- 真核細胞のフラグメント、原核生物のフラグメント、古細菌のフラグメント、またはウィルスのフラグメントが、(ポリ)ペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよび多糖からなる群から選択される、請求項40に記載の担体。
- 生体物質が、合成的、または半合成的、または組換え的に産生される(ポリ)ペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、および多糖からなる群から選択される、請求項37〜39のいずれか1項に記載の担体。
- 第2層の少なくとも1つの(ポリ)ペプチドがアルブミンであり、第2層のスターチがヒ
ドロキシエチルスターチ(HES)であり、および/または第2層の少なくとも1つの糖がマ
ンニトールまたはソルビトールである、請求項37〜42のいずれか1項に記載の担体。 - 多孔性構造を有する担体の材料が、30 cm-1〜300 cm-1の範囲の表面/気体容量比によ
り特徴づけられる、請求項37〜43のいずれか1項に記載の担体。 - 多孔性構造を有する担体の材料が、4〜40の範囲の非圧縮/圧縮物質容量比により特徴
づけられる、請求項38〜44のいずれか1項に記載の担体。 - 担体の材料が、中空繊維であり、好ましくは1〜10の範囲の非圧縮/圧縮物質容量比 および/または200 cm-1〜2000 cm-1の範囲の表面/気体容量比により特徴づけられる中空
繊維である、請求項38〜44のいずれか1項に記載の担体。 - 第1層の少なくとも1つのシランが、アルコキシシラン、有機官能性シラン、水素シラン、水素シロキサン、シロキサン、他の官能基を有するシリル化合物を含む有機シラン、からなる群から選択される、請求項37〜46のいずれか1項に記載の担体。
- 第2層が、アルブミンおよびマンニトールを含む好ましく乾燥された混合物である、請
求項37〜47のいずれか1項に記載の担体。 - 第2層が、ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む、請求項48に記載の担体。
- 生体物質が、共有結合を介して、担体に結合される、請求項37〜49のいずれか1項に記
載の担体。 - (ポリ)ペプチドが受容体である、請求項41〜50のいずれか1項に記載の担体。
- 受容体が、抗体、抗体フラグメントまたは抗体誘導体である、請求項51に記載の担体。
- 抗体がモノクローナル抗体である、請求項52に記載の担体。
- 抗体が、IgGクラス、IgYクラスまたはIgMクラスの抗体である、請求項47または48に記
載の担体。 - (ポリ)ペプチドが、サイトカインまたは血管新生増殖因子である、請求項41〜50のいずれか1項に記載の担体。
- 担体が、少なくとも1つのさらなる材料を含む、請求項37〜55のいずれか1項に記載の担体。
- 少なくとも1つのさらなる材料が、炭素、SiO2、HESおよびビオチンからなる群から選択される、請求項56に記載の担体。
- 担体をβ線照射またはγ線照射により滅菌する、請求項37〜57のいずれか1項に記載の
担体。 - 患者の血液、リンパ、または脳脊髄液を接触させ、濾過し、または清浄化するための医薬品の調製のための、請求項37〜58のいずれか1項に記載の固相コーティング担体の使用
。 - 血液、リンパ、または脳脊髄液を、請求項37〜58のいずれか1項に記載の固相コーティ
ング担体と接触させることを含む、患者の血液、リンパ、または脳脊髄液の組成物の操作のための方法。 - 患者の血液、リンパ、または脳脊髄液の組成物の操作を、固相コーティング担体を含有するバッチ容器中で行う、請求項59に記載の使用または請求項60に記載の方法。
- 患者の血液、リンパ、または脳脊髄液の組成物の操作を、固相コーティング担体を含有するフロースルー容器中で行う、請求項59に記載の使用または請求項60に記載の方法。
- 以下の工程:
(a)病原体または疾患についての指標となるマーカータンパク質の、包埋された受容
体に対する特異的結合のために適切な条件下、患者の体液を、請求項51〜58のいずれか1
項に記載の固相コーティング担体と接触させる工程;そして
(b)病原体または疾患についての指標となるマーカータンパク質が、包埋された受容
体に結合したかどうかを検出する工程;
を含む、疾患の診断のための方法。 - 受容体が、抗体、抗体フラグメントまたは抗体誘導体である、請求項63に記載の方法。
- 請求項37〜58のいずれか1項に記載の固相コーティング担体を含む、診断用組成物。
- 精製されるべき化合物を含む混合物を、請求項37〜58のいずれか1項に記載の固相コー
ティング担体に対して接触させることを含む、化合物を精製する方法。
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