以下、本発明に係る実施形態の光源ユニット及び照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
実施形態1の照明器具100は、後述するように、天井板(天井仕上げ材)に設けられた埋込孔に埋め込まれるようにして天井板に取り付けられる照明器具(天井埋込型の照明器具)である。実施形態1の照明器具100(以下、照明器具100と略す)は、図1及び図2に示すように、実施形態1の光源ユニット200(以下、光源ユニット200と略す)と、器具本体6とを備える。ただし、以下の説明では、特に断りのない限り、図1に示す向きにおいて、照明器具100及び光源ユニット200の前後、上下、左右の各方向を規定する。すなわち、照明器具100及び光源ユニット200の長手方向を左右方向とし、照明器具100及び光源ユニット200の高さ方向を上下方向とし、照明器具100及び光源ユニット200の幅方向(短手方向)を前後方向とする。
器具本体6は、図1及び図2に示すように、天板ユニット60と反射板ユニット61と枠体62とを有する。天板ユニット60は、長尺の矩形平板状に形成された天板600と、天板600の前端及び後端から下向きに立ち下がる一対の側壁601とを有する。なお、天板ユニット60は、例えは、亜鉛鋼板などの金属板が曲げ加工されることによって、天板600と一対の側壁601とが一体に形成されることが好ましい。天板600には、電源線が引き込まれる丸孔602が左右方向におけるほぼ中央に設けられている。さらに、天板600には、吊りボルトが挿通される長孔603が左右方向における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている。また、天板600の下面における丸孔602の近くに端子台63が取り付けられている。端子台63は、丸孔602から引き込まれる電源線と電気的に接続される。なお、端子台63から接地線を含む3本の電線が引き出されることが好ましい。これら3本の電線の先端には、プラグコネクタが電気的に接続されることが好ましい。
反射板ユニット61は、図1に示すように、一対の第1反射板610と、一対の第2反射板611とを有する。一対の第1反射板610はそれぞれ、天板600の左右方向の長さ寸法とほぼ同寸法である、長尺の矩形平板状に形成されている。一方の第1反射板610は、前側の側壁601の下端から下向き、かつ、前向きに傾斜するように設けられている。また、他方の第1反射板610は、後側の側壁601の下端から下向き、かつ、後向きに傾斜するように設けられている。一対の第2反射板611はそれぞれ、概ね台形状に形成されている。一方の第2反射板611は、前端が前側の第1反射板610の左端に結合され、後端が後側の第1反射板610の左端に結合されている。他方の第2反射板611は、前端が前側の第1反射板610の右端に結合され、後端が後側の第1反射板610の右端に結合されている。つまり、反射板ユニット61は、上面及び下面が開放された長尺の四角錐台形状に形成されている。
枠体62は、長尺の矩形枠状に形成されている。枠体62は、反射板ユニット61の下端に結合されている(図1及び図2参照)。
上述のように構成される器具本体6は、天井板(天井仕上げ材)に設けられた矩形の埋込孔に天板ユニット60及び反射板ユニット61が挿入され、天井スラブから垂下されている吊りボルトに天板ユニット60の天板600が取り付けられる。なお、枠体62は、天井材の下面(天井面)に下から当たり、天井材の埋込孔の縁と反射板ユニット61との隙間を塞ぐように構成されている。
光源ユニット200は、図2及び図3に示すように、複数(図示例では2つ)のLEDモジュール1、取付部材2、カバー3、配光パネル4、電源ユニット5などを備える。
LEDモジュール1は、図2に示すように、複数個の発光ダイオード(LED)10と、基板11とを有する。基板11は、左右方向を長手方向とする矩形の平板状に形成されている。LED10は、例えば、白色光を放射する白色発光ダイオードであり、基板11の下面における前後方向(短手方向)の中央に、左右方向(長手方向)に沿って等間隔かつ1列に並べて実装されている。また、一方のLEDモジュール1の端部に、電源ユニット5との間を電気的に接続するためのコネクタが実装されている。また、2つのLEDモジュール1において隣接するLEDモジュール1と対向する端部には、電源供給用のコネクタがそれぞれ実装されている。そして、2つのLEDモジュール1のコネクタ同士が電気的に接続されることで、一方のLEDモジュール1から他方のLEDモジュール1に点灯電力(電源ユニット5から供給される直流電力)が送られる。
取付部材2は、長尺の矩形平板状に形成されている底板20と、長尺の矩形平板状に形成されて底板20の左右方向に沿った両端から上向きに突出する一対の側板21とを有する。なお、取付部材2は、亜鉛鋼板などの金属板が曲げ加工されることにより、底板20と一対の側板21のそれぞれとが一体に形成されることが好ましい。また、一対の側板21のそれぞれの上端には、概ね円筒形状の被引掛部22が設けられている(図3参照)。
底板20は、前後方向の中央部分が上向きに凹んでおり、その中央部分にLEDモジュール1が配置されている。また、底板20の中央部分における前後両端には、複数の固定片23が左右方向に間隔を空けて切り起こされている(図3参照)。これら複数の固定片23は、先端部分が内向きに曲げられることにより、LEDモジュール1の基板11を支持するように構成されている。
また、取付部材2は、一対の引掛金具24と、一対の引掛ばね25とを備えることが好ましい。一対の引掛金具24のそれぞれの先端が鈎形に形成されている。また、一対の引掛金具24のそれぞれの先端部分が後側の側板21の上を乗り越えるように、底板20の左右両端の近傍に設けられている(図3参照)。これら一対の引掛金具24はそれぞれ、器具本体6に設けられている一対の引掛孔64のうちの対応する引掛孔64に引っ掛けられる(図2参照)。また、一対の引掛ばね25はそれぞれ、ねじりコイルばねで構成されている。一対の引掛ばね25のうちの1つの引掛ばね25は、底板20の前端における左端の近傍に設けられている。一対の引掛ばね25のうちの残り1つの引掛ばね25は、底板20の前端における右端の近傍に設けられている(図3参照)。これら一対の引掛ばね25はそれぞれ、器具本体6に設けられている一対のばね受け金具のうちの対応するばね受け金具に一方の端が引っ掛けられる。つまり、取付部材2は、一対の引掛金具24と一対の引掛ばね25とによって、器具本体6に着脱可能に取り付けられる。
電源ユニット5は、電源基板と、電源基板を収容するケース50とを有する(図3参照)。電源基板は、左右方向に長い矩形板状に形成されたプリント配線板からなり、このプリント配線板には、少なくともLEDモジュール1の点灯電力を生成するために必要な回路部品(例えば、トランスやダイオード、コンデンサなど)が実装されている。また、電源基板の左端にはレセプタクルコネクタ51が実装されている。このレセプタクルコネクタ51には、端子台63から引き出されている3本の電線の先端に設けられているプラグコネクタが挿抜可能に接続される。ケース50は、金属材料によって矩形箱状に形成されている。また、ケース50は、例えば、ねじなどを用いて取付部材2の底板20の上面に取り付けられることが好ましい(図3参照)。
カバー3は、図2に示すように、カバー本体30と一対のエンド部材31とを有する。カバー本体30は、前板部300、拡散部301、一対の側板部302、一対の第1突板部303、一対の第2突板部304、一対の引掛部305などを有する(図3参照)。前板部300は、左右方向を長手方向とする長尺の矩形板状に形成されている。拡散部301は、長手方向(左右方向)からみた形状が下に凸となる曲面を有した長尺の半筒状に形成されている。一対の第1突板部303はそれぞれ、長尺の矩形板状に形成されている。一方の第1突板部303は、拡散部301の長手方向に沿った前端から前方へ突出している。他方の第1突板部303は、拡散部301の長手方向に沿った後端から後方へ突出している。一対の側板部302はそれぞれ、長手方向(左右方向)からみた形状がおおよそV字状となる長尺の矩形板状に形成されている。一方の側板部302は、前板部300の前端と前側の第1突板部303の前端とを連結するように形成されている。他方の側板部302は、前板部300の後端と後側の第1突板部303の後端とを連結するように形成されている。ここで、前側の側板部302には、下部の後面から前板部300の上面と平行に突出する幅細の突起3060が左右方向の全長に渡って設けられている。同じく、後側の側板部302には、下部の前面から前板部300の上面と平行に突出する幅細の突起3060が左右方向の全長に渡って設けられている。なお、これら一対の突起3060のそれぞれと前板部300との間に形成される長尺の空間(隙間)を保持溝306と呼ぶ。
一対の第2突板部304はそれぞれ、長尺の矩形板状に形成されている。一方の第2突板部304は、前側の第1突板部303の上面における前後方向のほぼ中央から上向きに起立するように形成されている。他方の第2突板部304は、後側の第1突板部303の上面における前後方向のほぼ中央から上向きに起立するように形成されている。また、一対の第2突板部304はそれぞれ、一対のねじ挿通孔が設けられている。これら一対のねじ挿通孔はそれぞれ、長手方向を左右方向とする長孔からなり、第2突板部304における左右方向の中央に対してほぼ等距離となる位置に設けられている。一対の引掛部305はそれぞれ、長手方向(左右方向)からみた形状がおおよそC字状となる長尺の半筒状に形成されている。一方の引掛部305は、前側の第2突板部304の上端から上向きに突出し、かつ、開口を後方に向けるように形成されている。他方の引掛部305は、後側の第2突板部304の上端から上向きに突出し、かつ、開口を前方に向けるように形成されている。
ところで、前板部300、拡散部301、一対の側板部302、一対の第1突板部303、一対の第2突板部304、一対の引掛部305及び一対の突起3060は、合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート樹脂)で一体に形成されている。ただし、前板部300を除く拡散部301、一対の側板部302、一対の第1突板部303、一対の第2突板部304、一対の引掛部305及び一対の突起3060はそれぞれ、例えば、アクリル樹脂やシリコーン樹脂の微粒子を原料とする拡散材が混入されている。一方、前板部300は、拡散材が混入されていないために無色透明(透過率がほぼ100%)である。さらに、拡散部301と一対の側板部302はそれぞれ、例えば、透過率が60%〜90%程度となる分量の拡散材が混入されている。これに対して、一対の第1突板部303、一対の第2突板部304及び一対の引掛部305のそれぞれは、透過率がほぼ0%、つまり、不透過となる分量の拡散材が混入されている。なお、このようなカバー本体30は、多色の押出成形によって形成されることが好ましい。
一対のエンド部材31はそれぞれ、カバー本体30の前板部300、拡散部301、一対の側板部302、一対の第1突板部303を長手方向(左右方向)からみたときの外形とおおよそ同じ形状の板状に形成されている(図4及び図5参照)。そして、一対のエンド部材31はそれぞれ、カバー本体30の保持溝306に配光パネル4が保持されている状態でカバー本体30の左端及び右端に装着される。なお、これら一対のエンド部材31はそれぞれ、接着や超音波溶着などの適宜の方法でカバー本体30と接合されることが好ましい。
配光パネル4は、例えば、アクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材料によって、長尺の矩形板状に形成されている(図2参照)。また、配光パネル4は、片面(上面)が平坦に形成され、もう片面に多数のプリズム40が形成されている。これらのプリズム40は、図4及び図5に示すように、長手方向を前後方向とする長尺の三角柱状であって、配光パネル4の長手方向(左右方向)に沿って互いに平行かつ等間隔に並ぶように設けられている。配光パネル4は、図3に示すように、プリズム40が設けられている面(以下、プリズム面と呼ぶ)を前板部300に向けた状態で、前端部分及び後端部分がそれぞれカバー本体30の一対の保持溝306に保持されている。ただし、配光パネル4は、図4及び図5に示すように、カバー本体30の長手方向(左右方向)の一端側から保持溝306に挿入されることが好ましい。この配光パネル4は、拡散部301で拡散されたLEDモジュール1の光(照明光)を集光することにより、長手方向(左右方向)からみたときの不快グレアの抑制を図ることができる。
ここで、カバー3は、上述した配光パネル4の代わりに、別の配光パネルを保持溝306に保持することができる。例えば、別の配光パネル7は、図6に示すように、四角錐台形状の凹みからなる多数のプリズム70が片面(下面)に縦横に並べて設けられてもよい。この配光パネル7は、長手方向の寸法がカバー本体30の長手方向の寸法よりも短い矩形板状に形成されている。また、配光パネル7の短手方向(前後方向)に沿った一対の短辺のうちの一方の短辺における両端(前後両端)に、台形状の突部71がそれぞれ設けられている。さらに、配光パネル7の短手方向(前後方向)に沿った一対の短辺のうちの他方の短辺における両端(前後両端)に、台形状の凹部72がそれぞれ設けられている。すなわち、2枚の配光パネル7は、図7及び図8に示すように、一方の配光パネル7(7A)の一対の突部71がそれぞれ、他方の配光パネル7(7B)の一対の凹部72のうちの対応する凹部72に嵌まり合うことにより、長手方向に沿って連結される。ただし、図7では2枚の配光パネル7を連結した状態を図示しているが、配光パネル7は長手方向の一端に一対の突部71を有し、長手方向の他端に一対の凹部72を有しているので、3枚以上の配光パネル7を連結することも可能である。ここで、配光パネル7は、配光パネル4の厚み(高さ)に揃えるため、プリズム70が設けられている面(プリズム面と呼ぶ)と反対側の面の短手方向の両端に、長手方向に沿った突条部73が設けられている。ただし、配光パネル7の反りを抑制するため、これらの突条部73は、長手方向において、隙間を空けて設けられることが好ましい(図7参照)。さらに、配光パネル7は、プリズム面と反対側の面において、一対の突部71及び一対の凹部72と長手方向に沿って並ぶ位置に、それぞれリブ74が設けられている。これらのリブ74は、配光パネル7がプリズム面を逆(LEDモジュール1側)に向けて保持溝306に挿入されようとした場合、カバー本体30の前板部300に干渉して配光パネル7が保持溝306に挿入されないように構成されている。これらのリブ74により、配光パネル7が誤った向きでカバー本体30の保持溝306に保持されることが回避される。この配光パネル7もまた、拡散部301で拡散されたLEDモジュール1の照明光を集光することにより、長手方向(左右方向)からみたときの不快グレアの抑制を図ることができる。
次に、光源ユニット200の組立手順を説明する。組立作業を行う作業者は、電源ユニット5を取付部材2の底板20の上面側に取り付け、さらに、LEDモジュール1を取付部材2の底板20の上面に固定する。続いて、作業者は、電源ユニット5の出力線を取付部材2の底板20に設けられた孔に挿通し、出力線の先端に設けられているプラグコネクタを、LEDモジュール1の端部に設けられているコネクタ(レセプタクルコネクタ)に差込接続する。
また、作業者は、配光パネル4(又は7)をカバー本体30の一端側から保持溝306に挿入した後、カバー本体30の両端にそれぞれエンド部材31を装着し接合することでカバー3を組み立てる。そして、作業者は、カバー3の一対の第2突板部304の間に取付部材2を挿入し、一対の第2突板部304の上端の引掛部305を取付部材2の一対の側板21の被引掛部22にそれぞれ引っ掛ける。さらに、作業者は、カバー3の一対の第2突板部304のそれぞれに設けられている複数のねじ挿通孔にそれぞれ段付きねじ32を挿通し、これらの段付きねじ32をそれぞれ、一対の側板21のうちの対応する側板21に設けられているねじ孔にねじ込む(図3参照)。以上のような手順で光源ユニット200が組み立てられる。
上述のように光源ユニット200は、複数の発光ダイオード(LED10)を有する光源(LEDモジュール1)と、LEDモジュール1を支持して照明器具100の器具本体6に取り付けられる取付部材2と、取付部材2に取り付けられるカバー3とを備える。カバー3は、LEDモジュール1を覆うように配置されてLEDモジュール1から放射される光を拡散する拡散部301を有する。また、カバー3は、拡散部301を挟んでLEDモジュール1と対向するように配置されて拡散部301で拡散された光の配光を制御する配光制御部(配光パネル4又は7)を有する。さらに、カバー3は、拡散部301と配光パネル4(又は7)とを連結する連結部(側板部302及び前板部300)を有する。
光源ユニット200が上述のように構成されれば、カバー3が有する配光制御部(配光パネル4、7)により、簡単な構成で様々な配光特性が実現可能となる。例えば、直管形の蛍光ランプや直管形のLEDランプを光源とする照明器具において、不快グレアを抑制するために器具本体に多数のルーバが取り付けられていた。これに対して、本実施形態に係る光源ユニット200は、カバー3に設けられる配光パネル4(又は7)によって配光制御を行い、不快グレアの抑制などを行うことができる。つまり、光源ユニット200は、ルーバを用いる場合と異なり、器具本体6や取付部材2に配光パネル4(又は7)を保持させるための構造を追加する必要が無いので、簡単な構成で様々な配光特性を実現することができる。ただし、配光パネル4(又は7)の代わりに、プリズムが形成された前板部300が配光制御部とされてもよい。
また、光源ユニット200において、配光パネル4(又は7)は、板状に形成されることが好ましい。一対の側板部302及び前板部300はそれぞれ、配光パネル4(又は7)を抜き差し可能に保持する保持溝306を有することが好ましい。
光源ユニット200が上述のように構成されれば、配光パネル4(又は7)のみを入れ替えることで様々な配光特性を有するカバー3を実現することができる。つまり、配光パネル4(又は7)以外のカバー本体30を、様々な配光特性のカバー3において共用することができるので、光源ユニット200の製造コストの低減を図ることができる。
さらに、光源ユニット200において、カバー3は、透光性を有して配光パネル4(又は7)の前面(下面)を覆う透光部(前板部300)を有することが好ましい。
光源ユニット200が上述のように構成されれば、前板部300によって配光パネル4(又は7)を保護することができる。例えば、配光パネル4(又は7)の下面に形成されているプリズム40(又は70)が前板部300で保護されていない場合、物が当たってプリズム40(又は70)が欠けてしまうといった不具合が発生するおそれがある。
またさらに、光源ユニット200において、拡散部301は、LEDモジュール1から離れる向き(下向き)に凸となる曲面形状に形成されていることが好ましい。
光源ユニット200が上述のように構成されれば、LEDモジュール1から放射される光を広い範囲に拡散させることができる。
次に、照明器具100の施工手順を説明する。まず、施工作業を行う作業者は、天井裏の躯体に設けられている複数の吊りボルトを器具本体6の複数の長孔603にそれぞれ挿通し、これら複数の吊りボルトにナットをねじ込むことで器具本体6を吊りボルトに固定する。続いて、作業者は、天板600の丸孔602から引き込んだ電源線を端子台63に電気的に接続する。それから、作業者は、取付部材2に設けられた一対の引掛金具24のそれぞれを器具本体6の一対の引掛孔64のうちの対応する引掛孔64に引っ掛けた後、端子台63から引き出されている3本の電線の先端に設けられているプラグコネクタを電源ユニット5のレセプタクルコネクタ51に接続する。それから、作業者は、取付部材2に設けられている一対の引掛ばね25のそれぞれの先端を、器具本体6に設けられている一対のばね受け金具のうちの対応するばね受け金具に引っ掛けた後、一対の引掛金具24を支点に光源ユニット200を回転させる。すると、一対の引掛ばね25がそれぞればね受け金具に引っ掛かったままで元の状態に戻ることにより、一対の引掛ばね25のばね力で光源ユニット200が器具本体6に保持される(図1参照)。以上のような手順で照明器具100が天井に施工される。
上述のように照明器具100は、光源ユニット200と、光源ユニット200を支持する器具本体6とを備える。
照明器具100が上述のように構成されれば、簡単な構成で様々な配光特性を実現することができる。
(実施形態2)
実施形態2の照明器具110及び光源ユニット210は、例えば、建物の避難経路となる階段の踊り場の壁面に設置される、いわゆる階段通路誘導灯である。ただし、実施形態2の照明器具110及び光源ユニット210の説明において、形状等が多少異なっていても、実施形態1の照明器具100及び光源ユニット200と機能的に共通の構成要素には同一の符号を付して適宜説明を省略する。また、以下の説明では、特に断りのない限り、図9において、照明器具110及び光源ユニット210の前後、上下、左右の各方向を規定する。
実施形態2の照明器具110は、図9〜図11に示すように光源ユニット(常用光源ユニット210)と、2つの非常用光源ユニット8と、器具本体9と、非常用電源ユニットと、電池ユニット98と、制御ユニット97と、人検知ユニット99とを備えることが好ましい。
器具本体9は、長尺の矩形平板状に形成される背板90と、長尺の矩形平板状であり、かつ、背板90よりも短い上板91及び下板92とを有する(図9参照)。ただし、背板90と上板91及び下板92とは、金属板が曲げ加工されることで一体に形成されることが好ましい。
背板90の前面に、複数(図示例では2つ)の端子台93が取り付けられている(図11参照)。これらの端子台93には、給電線や、建物に設置されている自動火災報知設備から火災信号を受信するための信号線などが電気的に接続される。背板90は、常用光源ユニット210の縦寸法(上下方向の幅寸法)よりも縦寸法が大きく形成されている(図11参照)。また、上板91の前端から矩形平板状の第1前板94が下向きに突出し、下板92の前端から矩形平板状の第2前板95が上向きに突出している(図11参照)。
電池ユニット98は、ニッケル水素電池などの2次電池を複数有し、これら複数の2次電池が合成樹脂成形体のケースに収容されて構成される。なお、電池ユニット98は、第1前板94に隠れるようにして背板90の前面に取り付けられている(図11参照)。
非常用電源ユニットは、常用電源から給電される交流電力を直流電力に変換して電池ユニット98を充電する充電回路と、常用電源が停電したときに電池ユニット98から非常用光源ユニット8に供給される直流電流を調整する点灯回路とを有する。さらに、非常用電源ユニットは、点検スイッチが押操作されたとき、充電回路を強制的に停止し、かつ、電池ユニット98から給電される直流電力で点灯回路に非常用光源ユニット8を点灯させるように構成される。なお、非常用電源ユニットは、第1前板94に隠れるようにして背板90の前面に取り付けられることが好ましい。
点検スイッチは、合成樹脂製の箱体96に収容され、下板92の右端近傍に取り付けられることが好ましい(図10B参照)。なお、箱体96内には、押釦スイッチからなる点検スイッチの他に、赤外線を媒体とするワイヤレス信号を受信する受光素子などが収容されている。そして、箱体96の下面には、複数の孔960が設けられ、これらの孔960を通して点検スイッチの押釦の押操作や、受光素子によるワイヤレス信号の受信が可能となっている。なお、非常用電源ユニットは、受光素子でワイヤレス信号を受信した場合も、点検スイッチが押操作されたときと同じく、充電回路を強制的に停止し、かつ、電池ユニット98から給電される直流電力で点灯回路に非常用光源ユニット8を点灯させる。
人検知ユニット99は、電波センサ990と、センサ取付台991とを有する。電波センサ990は、ミリ波帯の電波を媒体として人(移動体)を検知し、人を検知したときに人検知信号を制御ユニット97に出力するように構成される。センサ取付台991は、電波センサ990を保持し、背板90の長手方向における中央下部の前面に取り付けられている(図11参照)。ただし、電波センサ990は、第2前板95の長手方向における中央に設けられた孔に挿通されて、第2前板95よりも前へ突出している(図9参照)。そして、常用光源ユニット210は、第1前板94と第2前板95との間に収まるように、器具本体9に取り付けられる(図9参照)。
制御ユニット97は、常用電源から給電されて動作し、人検知ユニット99(の電波センサ990)から出力される人検知信号に応じて、常用光源ユニット210を制御するように構成される。制御ユニット97は、人検知ユニット99から人検知信号が出力されているとき、常用光源ユニット210に定格点灯するように指示するための制御信号を出力する。また、制御ユニット97は、人検知信号が出力されなくなってから所定の待機時間(例えば、数十秒から数分)が経過したとき、常用光源ユニット210に消灯又は定格点灯時よりも少ない光量で点灯するように指示するための制御信号を出力する。ただし、制御ユニット97は、常用電源が停電したときは全ての動作を停止する。
非常用光源ユニット8は、非常用LEDモジュール80と、取付台81と、ユニットカバー82とを備える(図9及び図10参照)。非常用LEDモジュール80は、LEDと、レンズ801と、ホルダとを有する。LEDは、例えば、COB(チップ・オン・ボード)型の白色発光ダイオードである。レンズ801は、例えば、ガラス製であって、LEDの前方を被っている。
取付台81は、一対の側壁810を有する。取付台81は、アルミダイカストによって形成されることが好ましい。ユニットカバー82は、板金製であって、天板820、上前板822、下前板823などを有する(図9参照)。下前板223は、上前板822に対して下向きに傾くように形成されている。また、下前板823の中央に設けられている円形の窓孔に、非常用光源ユニット8のレンズ801が挿通されている。
常用光源ユニット210は、実施形態1の光源ユニット200のカバー3と異なる形状のカバー3を有している。すなわち、実施形態2におけるカバー3は、カバー本体30の一対の側板部302がそれぞれ長尺の平坦な矩形板状に形成されている点、及び、一対のエンド部材31のそれぞれが矩形板状に形成されている点で実施形態1におけるカバー3と異なっている。
ここで、拡散部301は、LED10との距離が相対的に近い中央部301Aの透過率(光線透過率)を、中央部301Aの上側の上部301B及び中央部301Aの下側の下部301Cの透過率よりも低くなっていることが好ましい。例えば、拡散部301は、透過率が50〜60%程度の拡散材入り合成樹脂材料で形成される中央部301Aと、透過率が70〜80%程度の拡散材入り合成樹脂材料で形成される上部301B及び下部301Cとで構成されることが好ましい(図11参照)。拡散部301が上述のように構成されれば、中央部301Aを透過する際に拡散されずに直進する光(光束)を減少させ、前板部300の輝度の均斉度の向上を図ることができる。
また、実施形態2における配光パネル4は、両面(前面及び背面)ともに平坦に形成されている。ただし、実施形態2における配光パネル4は、多数の円形の模様(ドット)が前面に印刷されてもよい。さらに、実施形態2における配光パネル4の前面において、配光パネル4の短手方向(上下方向)における中央部41の模様の密度(単位面積当たりの模様の個数)が、配光パネル4の中央部41よりも上の部分42及び下の部分43の模様の密度よりも高いことが好ましい。配光パネル4が上述のように構成されれば、配光パネル4の中央部41を通過して直進する光(光束)を減少させ、前板部300の輝度の均斉度の向上を図ることができる。
ところで、実施形態2の光源ユニット210は、図12に示す変形例1のように、拡散部301の中央部301Aの前面に複数のプリズム3010が形成されてもよい。これらのプリズム3010はそれぞれ、三角柱状に形成されることが好ましい。そして、複数のプリズム3010はそれぞれ、上下方向に沿って平行に並ぶように配置されることが好ましい(図12参照)。拡散部301が上述のように構成されれば、中央部301Aを透過する光(光束)を複数のプリズム3010で拡散させ、前板部300の輝度の均斉度の向上を図ることができる。
あるいは、実施形態2の光源ユニット210は、図13に示す変形例2のように、拡散部301の中央部301Aに、断面形状がV字形の突起3011を有することが好ましい。突起3011は、拡散部301の長手方向(左右方向)の全長に渡って形成されることが好ましい。拡散部301が上述のように構成されれば、中央部301Aを透過して直進する光(光束)を減少させ、前板部300の輝度の均斉度の向上を図ることができる。