JP2017058065A - 熱交換器用偏平チューブの製造方法及びその方法による偏平チューブ - Google Patents
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Abstract
Description
そして、仕切の頂部に定間隔にろう材浸透用の欠切部を形成し、一対のプレートを重ね合わせた後にそれを炉内に搬入し、プレートの外面側のろう材を仕切部のスリットを介して浸透させ、仕切部とそれに対向する平坦面との間を一体的にろう付け固定するものである。
次に、特許文献2に記載の発明は、一対の皿状のプレートの平坦面に複数の仕切部をその幅方向に互いに離間して配置し、各プレートの両縁部どうしを巻き締めたものである。
そこで、本発明は一対の同形状のプレートどうしを炉内でろう付する際に、一対のプレートどうしを確実にろう付できる、信頼性の高い製造方法を提供することを課題とする。
前記一対のプレート(2)(2)の平坦面(3)の幅方向の中間に、一以上の仕切部(4)をその両プレート(2)(2)の長手方向へ一直線上に延在し、
両プレート(2)(2)の幅方向の両端縁どうしを互いに閉め巻き締めてなる熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
一方のプレート(2)の前記仕切部(4)を他方のプレート(2)の前記平坦面(3)に当接し、両プレート(2)の両縁部を巻締める工程と、
前記一直線上の位置で、部分的に一方のプレート(2)と他方のプレート(2)との間を仮溶接する工程と、
次いで一対のプレート(2)(2)を炉内で一体にろう付する工程と、
を具備する熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
前記他方のプレート(2)の当接位置の一直線上に、プレート(2)の厚み方向に貫通するろう材浸透用のスリット(5)を所定間隔ごとに形成しておくと共に、前記仕切部(4)上にフラックス(10)を予め塗布しておく工程を有する熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
前記スリット(5)の外面側の縁に、横断面が前記仕切部(4)側へ向け凹陥したろう材侵入用の微小な案内溝(5a)を形成しておく工程を有する熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
前記スリット(5)は、各プレート(2)の平坦面(3)に外面側から内面側に貫通して、隙間付きスリット(5c)を形成する工程と、
前記隙間付きスリット(5c)のプレート(2)の内面側を平坦に成形して、貫通部(5b)を形成するとともに、その外面側に前記微小な案内溝(5a)を形成する工程と、
を具備する熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
前記仕切部(4)は、平坦面の幅方向の中間を山形に折り曲げ、次いでその山形の両斜面どうしを重ね合わせて密着させる工程と、
その頂部(4a)を平坦面(3)側に平行に押し潰す工程と、
を具備する熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
各プレート(2)(2)は、その一端側に、端部外周が円弧状で、チューブ軸線に垂直な横断面がU字状の第1巻締め部(6)を形成し、
プレート(2)(2)の他端側に、前記第1巻締め部(6)の内周に整合する外周を有し、曲率半径が第1巻締め部(6)のそれよりプレート(2)の板厚分小径で内側に板厚分の段付き(8)を介して、第2巻締め部(9)を形成し、
一方のプレート(2)の第1巻締め部(6)と、他方のプレート(2)の第2巻締め部(9)とが、互いに抱持されるように、各プレート(2)の幅方向の両縁を逆向きに配置し、
各プレート(2)の両端どうしを互いに巻締めて、偏平チューブを形成したことを特徴とする熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
前記第2巻締め部(9)の前記段付き(8)に、整合するように第1巻締め部(6)の先端縁を横断面鋭角の鋭角縁(12)を形成した熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
前記一対のプレート(2)(2)が同一形状に形成されたものであることを特徴とする熱交換器用偏平チューブである。
その仮溶接により、一対のプレート2、2を仕切部4の位置で確実に接触させた状態で、一対のプレート間をろう付できるので、一方のプレート2の仕切部4と、他方のプレート2の平坦面3との間のろう付を確実に実効することができ、信頼性の高い偏平チューブを提供できる。
当接した仕切部4と平坦面3との間を、ろう材1がスリット5を介して浸透するので、確実なろう付を行うことができる。
外面のろう材1を、案内溝5aを介してスリット5内に浸透させて、仕切部4の頂部4aと平坦面3との間のろう付の信頼性を確保できる。
図1(A)は、その偏平チューブのろう付前の分解斜視図であり、同図(B)は、同組立て状態の斜視図である。
同図に示す如く、この偏平チューブは一対の同一形状のプレート2を成形し、次いで、その一対のプレート2の仕切部4の頂部4aにフラックス10を配置した状態で、一対のプレート2を互いに逆向きに重ね合わせ、その幅方向の両端縁を巻き締めて、偏平チューブ15を形成するものである。
本発明を説明するに当たり、プレート2に形成される仕切部4が一直線上に延在する方向を長手方向とする。つまり、図1(B)に示す如く、プレート2どうしを仮組みした際のチューブ軸線の方向である。
先ず、図5(A)に示す如く、プレート2を形成するアルミニウム製の金属板16を用意する。好ましくは、図3及び図4に示す如く、その金属板16としてクラッド材(芯材としてA3003材、ろう材1(芯材外面側)としてX4343、犠牲陽極材14(芯材内面側)としてA7072材)を用いる。芯材、ろう材1、犠牲陽極材14の材質は、任意である。なお、プレート2をステンレス板で構成する場合には、バインダを介して、粉末のろう材をプレートの外面側に被着させる。
次いで、同図(B)の如く、その金属板16の幅方向の中間部を、この例では3か所、互いに離間して山形に折り曲げる。さらに、同図(C)、(E)の如く、その山形の両斜面を互いに突き合わせて仕切部4を成形する。次いで、同図(D)、(F)の如く、その仕切部4の頂部4aを平坦面3に平行になるように押し潰す。この仕切部4は、プレート2の長手方向に一直線上に延在する。
次いで、図7の(A)、(B)に示す如く、金属板16の内面側を基準として、反返った隙間付きスリット5cの縁部を押し込み、閉塞することによって、それぞれ幅の狭小なスリット5が形成される。スリット5の内面側は、平坦な貫通孔5bが形成される。
そして、その外面側には、前記貫通後の閉塞工程の際、その貫通孔5bの縁にプレート2の長手方向に垂直な横断面が僅かに凹陥する案内溝5aが形成される。即ち、図6において、外面側から内面側に隙間付きスリット5cを形成することにより生じたそのスリット5cの縁部が、図7(B)において、外側に僅かな断面V字状部を形成することにより、案内溝5aは成形される。
この鋭角縁12は、図7(D)に示す如く、金属板16の左端の第2巻締め部9の根元部に設けられた段付き8に整合する。そして、図7(D)に示す如く、プレート2の左端及び右端は、金属板16の平坦面3に対して一旦、直角に折り曲げられた後に、図9に示す偏平チューブが形成されるように、その偏平チューブの軸線に垂直な横断面がU字状になるよう曲折される。
なお、同図(B)、図2(D)、図3(A)、図4(A)に示す如く、各仕切部4の頂部4aの上面にはフラックス10が付着される。
図4(A)は、スリット5の形成位置を示す図1(B)のIV-IV矢視断面図である。一方のプレート2のスリット5の位置は、相対する他方のプレート2の仕切部4の平坦な頂部4aのセンター位置に来るよう、プレート成型工程で調整される。
この仮固定の構造により、一対の対向するプレート2間が浮き上がらないように保持され、チューブプレートへの偏平チューブの挿通時のプレートずれ、端部の潰れ、巻き締め部のずれにおけるろう漏れ等を防止することができ、結果として、その偏平チューブを用いた熱交換器の信頼性が向上する。
そして、各プレート2の表面に被覆されたろう材1が溶融し、その溶融ろう材がスリット5の案内溝5aから貫通部5bを通り偏平チューブ15の内部に浸透し、図3(B)、図4(B)に示す如く、フラックス10を介して仕切部4とそれに対向する平坦面3との間がろう付けされる。図4(B)は、スリット5の位置で、ろう付後の仕切部4と平坦面3との状態を示す。
また、スリット5の形状は、図1等に図示された細長いものに限定されず、ミシン目(連続した小穴)状のものであってもよい。
2 プレート
3 平坦面
4 仕切部
4a 頂部
5 スリット
5a 案内溝
5b 貫通部
5c 隙間付きスリット
6 第1巻締め部
8 段付き
9 第2巻締め部
11 ディンプル
12 鋭角縁
13 仮溶接
14 犠牲陽極材
15 偏平チューブ
16 金属板
17 第1ローラ
18 第2ローラ
Claims (8)
- それぞれ外面側と内面の少なくとも一方にろう材(1)が被覆または配置される金属板により一対のプレート(2)(2)を成形し、
前記一対のプレート(2)(2)の平坦面(3)の幅方向の中間に、一以上の仕切部(4)をその両プレート(2)(2)の長手方向へ一直線上に延在し、
両プレート(2)(2)の幅方向の両端縁どうしを互いに閉め巻き締めてなる熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
一方のプレート(2)の前記仕切部(4)を他方のプレート(2)の前記平坦面(3)に当接し、両プレート(2)の両縁部を巻締める工程と、
前記一直線上の位置で、部分的に一方のプレート(2)と他方のプレート(2)との間を仮溶接する工程と、
次いで一対のプレート(2)(2)を炉内で一体にろう付する工程と、
を具備する熱交換器用偏平チューブの製造方法。 - 請求項1に記載の熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
前記他方のプレート(2)の当接位置の一直線上に、プレート(2)の厚み方向に貫通するろう材浸透用のスリット(5)を所定間隔ごとに形成しておくと共に、前記仕切部(4)上にフラックス(10)を予め塗布しておく工程を有する熱交換器用偏平チューブの製造方法。 - 請求項2に記載の熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
前記スリット(5)の外面側の縁に、横断面が前記仕切部(4)側へ向け凹陥したろう材侵入用の微小な案内溝(5a)を形成しておく工程を有する熱交換器用偏平チューブの製造方法。 - 請求項3に記載の熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
前記スリット(5)は、各プレート(2)の平坦面(3)に外面側から内面側に貫通して、隙間付きスリット(5c)を形成する工程と、
前記隙間付きスリット(5c)のプレート(2)の内面側を平坦に成形して、貫通部(5b)を形成するとともに、その外面側に前記微小な案内溝(5a)を形成する工程と、
を具備する熱交換器用偏平チューブの製造方法。 - 請求項3または請求項4のいずれかに記載の熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
前記仕切部(4)は、平坦面の幅方向の中間を山形に折り曲げ、次いでその山形の両斜面どうしを重ね合わせて密着させる工程と、
その頂部(4a)を平坦面(3)側に平行に押し潰す工程と、
を具備する熱交換器用偏平チューブの製造方法。 - 請求項1〜請求項5に記載のいずれかの熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
各プレート(2)(2)は、その一端側に、端部外周が円弧状で、チューブ軸線に垂直な横断面がU字状の第1巻締め部(6)を形成し、
プレート(2)(2)の他端側に、前記第1巻締め部(6)の内周に整合する外周を有し、曲率半径が第1巻締め部(6)のそれよりプレート(2)の板厚分小径で内側に板厚分の段付き(8)を介して、第2巻締め部(9)を形成し、
一方のプレート(2)の第1巻締め部(6)と、他方のプレート(2)の第2巻締め部(9)とが、互いに抱持されるように、各プレート(2)の幅方向の両縁を逆向きに配置し、
各プレート(2)の両端どうしを互いに巻締めて、偏平チューブを形成したことを特徴とする熱交換器用偏平チューブの製造方法。 - 請求項6に記載の熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
前記第2巻締め部(9)の前記段付き(8)に整合するように、第1巻締め部(6)の先端縁を横断面鋭角の鋭角縁(12)を形成した熱交換器用偏平チューブの製造方法。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の熱交換器用偏平チューブの製造方法により製造された熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記一対のプレート(2)(2)が同一形状に形成されたものであることを特徴とする熱交換器用偏平チューブ。
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