JP2017056787A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピラーインナに補強部材を用いることなく簡単な構成で、アッパメンバからフロントピラーに入力する衝撃荷重を支えることができる車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前部構造10は、右フロントピラー16の前部16bに右アッパメンバ17の後端部17bが連結される。右フロントピラー16は、車幅方向外側に設けられるピラーアウタ36と、ピラーアウタ36の車幅方向内側に設けられるピラーインナ37とを備える。ピラーインナ37に複数のビード64が形成される。複数のビード64が車体前後方向へ延出されることにより、ピラーインナ37の剛性が確保される。
【選択図】図5

Description

本発明は、車幅方向外側に左右のフロントピラーが備えられ、各フロントピラーの前部からアッパメンバが車体前方へ向けて延出される車体前部構造に関する。
車体前部構造のなかには、ダンパハウジングの車体後方にロアダッシュパネルが設けられ、ロアダッシュパネルとフロントピラーのピラーインナとのコーナ部に面取り部が形成され、面取り部の上端部近傍に複数のビードが形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
面取り部の上端部近傍に複数のビードを形成することにより補強部材を個別に設けることなく、コーナ部の剛性を高めることができる。また、コーナ部の車体前方にダンパハウジングが設けられる。よって、ダンパハウジングから入力する衝撃荷重をコーナ部で支えることが可能になる。
ところで、車体前部構造は、フロントピラーにアッパメンバが連結されている。アッパメンバはコーナ部の上方に配置される。よって、車両の前部が物体にオフセット衝突した場合、衝撃荷重がアッパメンバを経て面取り部の上方に作用する。このため、衝撃荷重を面取り部で支えることが難しい。
特に、車両が物体にオフセット衝突した場合、アッパメンバの前端部を支点にして車両が回転し、アッパメンバのアッパインナが車幅方向内側に移動することが考えられる。よって、アッパメンバのアッパインナや、フロントピラーのピラーインナに比較的大きな衝撃荷重が入力して、ピラーインナが変形する虞がある。
このため、ピラーインナに伝えられる比較的大きな衝撃荷重をフロントピラーからルーフに伝え、衝撃荷重を車体前部構造で支えることが難しく、この観点から改良の余地が残されている。
特開2014−162417号公報
本発明は、ピラーインナに補強部材を用いることなく、アッパメンバからフロントピラーに入力する衝撃荷重を支えることができる車体前部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、フロントピラーの前部にアッパメンバが連結される車体前部構造において、前記フロントピラーは、車幅方向外側に設けられるピラーアウタと、該ピラーアウタの車幅方向内側に設けられるピラーインナと、を備え、該ピラーインナに、車体前後方向へ延びるビードが形成される車体前部構造を提供する。
このように、フロントピラーのピラーインナにビードを形成し、ビードを車体前後方向へ延ばした。よって、ピラーインナに補強部材を用いることなく、ピラーインナの前後方向の剛性を確保できる。ピラーインナの剛性を確保することにより、アッパメンバからインナパネルに入力する衝撃荷重をルーフへ効率よく伝えることができる。
これにより、ピラーインナに補強部材を用いることなく簡単な構成で、インナパネルに入力する衝撃荷重を車体前部構造で支えることができる。
請求項2に係る発明では、好ましくは、前記ピラーインナは、車幅方向内側に膨出され、かつ、車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなる膨出部と、該膨出部の前端部から車体前方へ張り出され、前記ピラーアウタに接合される前フランジと、前記膨出部の後端部から車体後方へ張り出され、前記ピラーアウタに接合される後フランジと、を有し、前記膨出部は、車体前方側に配置される前壁と、該前壁の車体後方に配置される後壁と、前記前壁および前記後壁を連結する膨出壁と、を有し、前記ビードは、前記膨出壁のうち、該膨出壁および前記前壁が交差する稜線に前端部が近接する状態で上下方向に複数個整列される。
このように、ピラーインナの膨出部の前後幅寸法を下方へ向けて連続的に小さくした。この膨出部を前壁、後壁および膨出壁で形成し、膨出壁および前壁が交差する箇所に稜線を形成した。この稜線にビードの前端部を近接させた状態で、ビードを上下方向に複数整列させた。
よって、アッパメンバからインナパネルに入力する衝撃荷重を、稜線を経て複数のビードに伝えることができる。すなわち、衝撃荷重をピラーインナの下方に効率よく伝えることができる。これにより、アッパメンバからインナパネルに入力する衝撃荷重を、インナパネルの下部に連結されるサイドシルに伝えることができる。
このように、インナパネルに入力する衝撃荷重をサイドシルに伝えることにより、衝撃荷重を車体前部構造で一層良好に支えることができる。
また、ピラーインナの膨出部の前後幅寸法を下方へ向けて連続的に小さくした。これにより、ピラーインナの下部近傍に空間を形成でき、確保した空間を利用して車室を広く確保できる。
請求項3に係る発明では、好ましくは、前記フロントピラーは、前記ピラーアウタおよび前記ピラーインナが接合されることにより形成される閉断面部を備え、該閉断面部は、車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなり、かつ、車幅方向の左右幅寸法が下方へ向けて連続的に大きくなるように形成される。
ここで、車両の前部がオフセット衝突した場合、前輪が車体後方に移動してフロントピラーの下部に干渉することが考えられる。
そこで、請求項3において、フロントピラーに閉断面部を備えた。さらに、閉断面部の前後幅寸法を下方へ向けて連続的に小さくし、かつ、左右幅寸法を下方へ向けて連続的に大きくした。
よって、フロントピラーを上下方向において均一な曲げ強度に形成できる。これにより、オフセット衝突により前輪がフロントピラーの下部に干渉した場合、下部に入力した衝撃荷重をフロントピラーで支えることができ、車室の変形を抑えることができる。
請求項4に係る発明では、好ましくは、前記ピラーインナおよび前記ピラーアウタは、引張強度が少なくとも980MPaの鋼板で形成される。
このように、ピラーインナおよびピラーアウタを、少なくとも980MPaの引張強度の鋼板で形成した。980MPaの鋼板は、引張強度の高い、いわゆる超効力鋼板である。これにより、ピラーインナおよびピラーアウタの板厚寸法を小さく抑えることができ、フロントピラーを軽量にできる。
請求項5に係る発明では、好ましくは、前記車体前部構造は、前記フロントピラーの車幅方向内側において車幅方向へ向けて配置されるロアダッシュパネルを備え、該ロアダッシュパネルは、前記ピラーインナに対向する側縁に側縁フランジを有し、該側縁フランジが前記前フランジに接合される。
ここで、ピラーインナに膨出部が形成され、膨出部から前フランジが車体前方へ張り出されている。この前フランジ(すなわち、前延長部)にロアダッシュパネルの側縁フランジを接合した。
これにより、ロアダッシュパネルを車体前方へ配置でき、車室を広く確保できる。
さらに、オフセット衝突により前輪が車体後方へ移動した場合、前輪が前フランジに干渉して前フランジを変形させることができる。これにより、前輪から入力した衝撃荷重を前フランジで吸収できる。
請求項6に係る発明では、好ましくは、前記フロントピラーは、車体前方側に設けられ、ルーフレールに連通されるピラー前枠と、該ピラー前枠の車体後方に設けられ、前記ルーフレールに連通されるピラー後枠と、前記ピラー前枠および前記ピラー後枠間に形成される小窓開口と、を備え、前記アッパメンバは、後端部の上下方向の高さ寸法が前端部より大きく形成され、前記後端部が前記ピラー前枠の下端部に連結され、かつ、前記後端部の車体後方に前記ビードが複数形成される。
このように、フロントピラーのピラー前枠およびピラー後枠間に小窓開口を形成した。ピラー前枠およびピラー後枠をルーフレールに連結した。また、アッパメンバの後端部の上下方向の高さ寸法を大きく形成し、後端部をピラー前枠の下端部に連結させた。
さらに、アッパメンバの後端部の車体後方で、かつ、ピラー後枠の下方にビードを複数形成した。
よって、車両のオフセット衝突によりアッパメンバに入力した衝撃荷重を、アッパメンバの後端部からピラー前枠に伝え、かつ、アッパメンバの後端部から複数のビードを経てピラー後枠に伝えることができる。これにより、アッパメンバに入力した衝撃荷重を、ピラー前枠およびピラー後枠を経てルーフレールに効率よく伝えることができ、衝撃荷重を好適に支えることができる。
請求項7に係る発明では、好ましくは、前記車体前部構造は、さらに、前記ロアダッシュパネルの車体前方に設けられるダンパハウジングと、該ダンパハウジングを補強する補強部材と、を備え、前記アッパメンバは、車幅方向外側に設けられるアッパアウタと、該アッパアウタの車幅方向内側に設けられるアッパインナと、を備え、前記アッパアウタおよびアッパインナで前記アッパメンバが閉断面に形成され、前記アッパアウタの後端部、前記ピラーアウタおよび前記ピラーインナで上下方向に2つの閉断面が形成され、前記アッパインナおよび前記ピラーインナに前記補強部材が接合される。
このように、ダンパハウジングを補強部材で補強し、補強部材をアッパインナおよびピラーインナに接合させた。また、アッパアウタの後端部、ピラーアウタおよびピラーインナで上下方向に2つの閉断面を形成した。よって、アッパメンバの後端部およびフロントピラーの接合部の剛性を確保できる。
これにより、車両のオフセット衝突によりアッパメンバに入力した衝撃荷重を、補強部材や接合部を経てフロントピラーに効率よく伝えることができる。フロントピラーに衝撃荷重が効率よく伝えられることにより、衝撃荷重をルーフレールへ効率よく伝えることができる。
本発明によれば、ピラーインナの前後方向の剛性を補強部材を用いることなく確保することにより、アッパメンバからフロントピラーに入力する衝撃荷重を支えることができる。
本発明に係る車体前部構造を示す斜視図である。 図1の車体前部構造からアウタパネルを外した状態を示す分解斜視図である。 図2の車体前部構造からアッパメンバのアッパアウタを外した状態を示す分解斜視図である。 図3のフロントピラー を示す斜視図である。 図1の車体前部構造を車室側から見た状態を示す側面図である。 図5の要部を示す側面図である。 図1の7−7線断面図である。 図1の8−8線断面図である。 図6の要部を車室後方から見た状態を示す斜視図である。 図1の10−10線断面図である。 本発明に係る車両のオフセット衝突により右フロントピラーに入力する荷重について説明する図である。 本発明に係る車両のオフセット衝突により右アッパメンバに入力する衝撃荷重を支える例を説明する図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。
実施例に係る車体前部構造10について説明する。
図1、図2に示すように、車体前部構造10は、車両Veの前部を構成する部位である。車体前部構造10は、車両Veの前部の左右外側に設けられる左フロントサイドフレーム12および右フロントサイドフレーム12と、各フロントサイドフレーム12の後端部12aから車幅方向外側に延びるアウトリガー13(左側のアウトリガー13は図示せず)と、各アウトリガー13の外端部に連結されるサイドシル14とを備える。
また、車体前部構造10は、左サイドシル14に設けられる左フロントピラー16と、右サイドシル14に設けられる右フロントピラー16と、各フロントピラー16に連結されるアッパメンバ17と、左アッパメンバ17および左フロントサイドフレーム12間に設けられる左ダンパハウジング18と、右アッパメンバ17および右フロントサイドフレーム12間に設けられる右ダンパハウジング18と、各ダンパハウジング18を補強する補強部材19(図9参照)とを備える。
なお、車体前部構造10は左右略対称の構造である。よって、車体前部構造10の左側部材および右側部材に同じ符号を付して右側部材について詳説し、左側部材の説明を省略する。
車両Veの前部の車幅方向右外側において、右フロントサイドフレーム12が車体前後方向へ向けて設けられる。右フロントサイドフレーム12は断面略矩形状の閉断面に形成される。右フロントサイドフレーム12の後端部12aから車幅方向外側に向けて右アウトリガー13が張り出される。
右アウトリガー13の外端部から右サイドシル14が車体後方へ向けて延出される。右サイドシル14は断面略矩形状の閉断面に形成される。
右サイドシル14および右サイドシル14間にフロントフロアパネル21が設けられる。
右サイドシル14の前端部14aおよび右アウトリガー13の外端部から右フロントピラー16が立ち上げられる。右フロントピラー16の上後端部16aが右ルーフレール23に連結される。
右ルーフレール23は、閉断面に形成され、右フロントピラー16の上後端部16aから車体後方へ向けて延出される。
右サイドシル14、右フロントピラー16および右ルーフレール23が車幅方向外側から右アウタパネル24で覆われる。
具体的には、右アウタパネル24のサイドシル部24aが右サイドシル14に車幅方向外側から設けられる。また、アウタパネル24のピラー部24bが右フロントピラー16に車幅方向外側から設けられる。さらに、アウタパネル24のレール部24cが右ルーフレール23に車幅方向外側から設けられる。
右フロントピラー16および左フロントピラー16間にロアダッシュパネル25が設けられる。また、ロアダッシュパネル25の上端部にアッパダッシュパネル26が設けられる。
さらに、右フロントピラー16から右アッパメンバ17が車体前下方へ向けて延出される。右アッパメンバ17の前端部17aおよび右フロントサイドフレーム12の前端部12bが右連結フレーム27で連結される。
図3、図4に示すように、右フロントピラー16は、右フロントピラー16の下半部を形成するロアピラー31と、ロアピラー31の前上端部31aに連結されるピラー前枠32と、ロアピラー31の後上端部31bに連結されるピラー後枠33と、ピラー前枠32およびピラー後枠33間に形成される小窓開口34とを備える。
ロアピラー31は、車幅方向外側に設けられるピラーアウタ36と、ピラーアウタ36の車幅方向内側に設けられるピラーインナ37とを備える。ピラーインナ37およびピラーアウタ36は、引張強度が少なくとも980MPaの鋼板で形成される。
図5、図6に示すように、ロアピラー31は、右前輪39の車体後方に間隔をおいて配置される。このロアピラー31は、車幅方向内側に膨出されるインナ膨出部(膨出部)41と、インナ膨出部41の前端部41aから車体前方へ張り出される前インナフランジ(前フランジ)42と、インナ膨出部41の後端部41bから車体後方へ張り出される後インナフランジ(後フランジ)43とを有する。
インナ膨出部41は、車幅方向内側に膨出され(図7も参照)、車体前後方向の前後幅寸法W1が下方へ向けて連続的に小さくなるように形成される。前後幅寸法W1は、車体前後方向(すなわち、矢印Fr−Rr方向)の幅寸法である。
前インナフランジ42は、ピラーアウタ36の前アウタフランジ54に接合されるベース接合部45(図8も参照)と、ベース接合部45から車体前方へ張り出される張出接合部46(図8も参照)とを有する。
すなわち、前インナフランジ42は、インナ膨出部41の前端部41aから車体前方へ向けて比較的大きく張り出される前延長部である。
後インナフランジ43は、ピラーアウタ36の後アウタフランジ55に接合される。
図7、図8に示すように、インナ膨出部41は、車体前方側に配置されるインナ前壁(前壁)47と、インナ前壁47の車体後方に配置されるインナ後壁(前壁)48と、インナ前壁47およびインナ後壁48を連結するインナ膨出壁(膨出壁)49とを有する。
インナ膨出壁49、インナ前壁47およびインナ後壁48でインナ膨出部41が断面略U字状に形成される。また、インナ膨出壁49およびインナ前壁47が交差する箇所に稜線(すなわち、コーナ部)52が(図6も参照)形成される。稜線52は、インナ膨出壁49およびインナ前壁47で断面略V字状に折り曲げられることにより剛性が確保される。
さらに、インナ膨出部41、前インナフランジ42および後インナフランジ43でピラーインナ37が断面略ハット状に形成される。
ピラーアウタ36は、前インナフランジ42に接合される前アウタフランジ54と、後インナフランジ43に接合される後アウタフランジ55と、前アウタフランジ54および後アウタフランジ55を連結するアウタ膨出部56とを有する。
アウタ膨出部56は、車体前方側に配置されるアウタ前壁57と、アウタ前壁57の車体後方に配置されるアウタ後壁58と、アウタ前壁57(図4も参照)およびアウタ後壁58を連結するアウタ膨出壁59とを有する。
アウタ膨出部56は、車体前後方向の前後幅寸法がインナ膨出部41の前後幅寸法W1より僅かに小さく形成される。このアウタ膨出部56は、インナ膨出部41と同様に、車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなるように形成される(図3参照)。
アウタ膨出壁59、アウタ前壁57およびアウタ後壁58でアウタ膨出部56が断面略U字状に形成される。さらに、アウタ膨出部56、前アウタフランジ54および後アウタフランジ55でピラーアウタ36が断面略ハット状に形成される。
前インナフランジ42および前アウタフランジ54が接合され、後インナフランジ43および後アウタフランジ55が接合される。これにより、インナ膨出部41およびアウタ膨出部56で閉断面部61が断面略矩形状の閉断面に形成される。
図6に示すように、稜線52が下方へ向けて下降するとともに、車体後方側へ傾斜するように延出される。よって、インナ膨出部41の前後幅寸法W1が下方へ向けて連続的に小さくなる。
インナ膨出壁49には複数のビード64が車室51側に膨出するように形成される(図7参照)。複数のビード64は、車体前後方向(すなわち、矢印Fr−Rr方向)へ略水平に延びるように形成される。さらに、複数のビード64は、稜線52に前端部64aが近接する状態で上下方向に間隔をおいて整列される。
インナ膨出壁49に複数のビード64を形成する理由はつぎの通りである。
すなわち、図1に示すように、車両Veの右前側部がオフセット衝突し、右アッパメンバ17の前端部17aに衝撃荷重F1が入力した場合、車両Veが矢印Aの如く回転する。このため、図3に示すように、衝撃荷重F1が右アッパメンバ17のアッパインナ72を経てピラーインナ37に大きな荷重F2として入力する。
そこで、図6に示すように、インナ膨出壁49に複数のビード64を形成するようにした。
インナ膨出壁49に複数のビード64が形成されることにより、ピラーインナ37に補強部材を用いることなく、ピラーインナ37の前後方向の剛性を確保できる。ピラーインナ37の剛性を確保することにより、右アッパメンバ17からピラーインナ37に入力する荷重F2を右ルーフレール23(図2参照)へ効率よく伝えることができる。
これにより、ピラーインナ37に補強部材を用いることなく簡単な構成で、ピラーインナ37に入力する荷重F2を車体前部構造10で支えることができる。
さらに、複数のビード64の前端部64aが稜線52に近接する状態で上下方向に整列される。ここで、稜線52は、インナ膨出壁49およびインナ前壁47で断面略V字状に折り曲げられることにより剛性が確保されている(図7、図8も参照)。よって、右アッパメンバ17からピラーインナ37に入力する荷重F2を、稜線52を経て複数のビード64に伝えることができる。
すなわち、荷重F2をピラーインナ37の下方に効率よく伝えることができる。これにより、右アッパメンバ17からピラーインナ37に入力する荷重F2を、ピラーインナ37の下部37aを経て右サイドシル14に伝えることができる。
このように、ピラーインナ37に入力する荷重F2を右サイドシル14に伝えることにより、荷重F2を車体前部構造10で一層良好に支えることができる。
図7、図8に戻って、ロアピラー31には閉断面部61がインナ膨出部41およびアウタ膨出部56で形成されている。閉断面部61は、前後幅寸法W1が下方へ向けて連続的に小さくなるように形成される(図6も参照)。
すなわち、図7に示す前後幅寸法W1が、図8に示す前後幅寸法W1より大きい。
さらに、閉断面部61は、左右幅寸法W2が下方へ向けて連続的に大きくなるように形成される。すなわち、図7に示す左右幅寸法W2が、図8に示す左右幅寸法W2より大きい。
ここで、前後幅寸法W1は、インナ膨出部41の前後幅寸法W1と同一寸法であり、車体前後方向(すなわち、矢印Fr−Rr方向)の幅寸法である。具体的には、インナ膨出部41の稜線52が下方へ向けて車体後方側へ傾斜することにより、閉断面部61の前後幅寸法W1が下方へ向けて連続的に小さくなる。
また、左右幅寸法W2は、車幅方向(すなわち、矢印L−R方向)の幅寸法である。
図6に示すように、閉断面部61の前後幅寸法W1を下方へ向けて連続的に小さくすることにより、ロアピラー31の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなる。よって、ロアピラー31の下部31c近傍(特に、下部31cのうち車体前方側の近傍)に空間66を形成できる。
これにより、例えば、確保した空間66を利用してロアピラー31(すなわち、フロントピラー16)を車体前方に配置でき、車室51を広く確保することが可能になる。
また、閉断面部61の前後幅寸法W1が下方へ向けて連続的に小さくなり、かつ、閉断面部61の左右幅寸法W2が下方へ向けて連続的に大きくなる(図7、図8参照)。よって、ロアピラー31を上下方向において均一な曲げ強度に形成できる。
これにより、オフセット衝突により前輪39がロアピラー31の下部31cに干渉した場合、下部 に入力した衝撃荷重 をロアピラー31で支えることができ、車室51の変形を抑えることができる。
さらに、ピラーインナ37およびピラーアウタ36が、少なくとも980MPaの引張強度の鋼板で形成される。980MPaの鋼板は、引張強度の高い、いわゆる超効力鋼板である。
よって、ピラーインナ37およびピラーアウタ36の強度を確保した状態で、ピラーインナ37の板厚寸法やピラーアウタ36の板厚寸法を小さく抑えることができる。これにより、ロアピラー31(すなわち、フロントピラー16)を軽量にできる。
また、図8に示すように、右フロントピラー16および左フロントピラー16(図1参照)間にロアダッシュパネル25が設けられる。すなわち、右フロントピラー16(具体的には、ロアピラー31)の車幅方向内側にロアダッシュパネル25が車幅方向へ向いて設けられる。
ロアダッシュパネル25は、ロアピラー31に対向する側縁25aに側縁フランジ25bを有する。この側縁フランジ25bが前インナフランジ42の張出接合部46に車幅方向内側から接合される。張出接合部46はベース接合部45より車体前方に配置されている。これにより、ロアダッシュパネル25を車体前方へ配置でき、車室51を広く確保できる。
さらに、前インナフランジ42にベース接合部45および張出接合部46を形成することにより、前インナフランジ42がインナ膨出部41の前端部41aから車体前方へ向けて比較的大きく張り出される。
よって、オフセット衝突により右前輪39が車体後方へ矢印Bの如く移動した場合、右前輪39を前インナフランジ42に干渉させることができる。これにより、前インナフランジ42を右前輪39で変形させることができ、右前輪39から入力する衝撃荷重を前インナフランジ42で吸収できる。
ここで、前インナフランジ42(すなわち、張出接合部46)の先端部46aが車幅方向外側に折り曲げられる。よって、先端部46aで右前輪39を好適に受けることができる。これにより、右前輪39から入力した衝撃荷重を前インナフランジ42で一層効率よく吸収できる。
図3、図4に示すように、ロアピラー31の前上端部31aからピラー前枠32が車体後方へ向けて右ルーフレール23の前端部23aまで上り勾配に延出される。すなわち、ピラー前枠32は、ピラー後枠33より車体前方側に設けられ、右ルーフレール23に連通されている。
また、ロアピラー31の後上端部31bからピラー後枠33が車体後方へ向けてピラー前枠32の上端部32aおよび右ルーフレール23の前端部23aまで上り勾配に延出される。すなわち、ピラー後枠33は、ピラー前枠32の車体後方に設けられ、右ルーフレール23に連通されている。
さらに、ピラー前枠32およびピラー後枠33間に小窓開口34が形成される。具体的には、小窓開口34は、ロアピラー31の上端部31d、ピラー前枠32およびピラー後枠33で略三角形に形成される。この小窓開口34にはフロントクォータガラスが設けられる。
図2、図3に示すように、右フロントピラー16の前部16bにアッパメンバ17が連結される。アッパメンバ17は、車幅方向外側に設けられるアッパアウタ71と、アッパアウタ71の車幅方向内側に設けられるアッパインナ72とを備える。
アッパアウタ71およびアッパインナ72でアッパメンバ17が断面略矩形状の閉断面に形成される。
また、アッパメンバ17は、後端部17bの上下方向の高さ寸法H1が前端部17aの高さ寸法H2より大きく形成される。具体的には、アッパメンバ17は、アッパ前半部17cが略一定の高さ寸法H2に形成され、アッパ後半部17dが車体後方へ向けて徐々に大きくなるように高さ寸法H1が形成される。
ここで、アッパ後半部17dの後上面部17fが、アッパ前半部17cの前上面部17e、ピラー前枠32や右ルーフレール23と略同じ上り勾配に形成される。すなわち、アッパメンバ17の後端部17bのうちアッパ上部17gがピラー前枠32の下端部32bに連結される。
よって、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を、後端部17bのアッパ上部17gからピラー前枠32に効率よく伝えることができる。さらに、ピラー前枠32に伝えられた荷重を右ルーフレール23に効率よく伝えることができる。
また、アッパ後半部17dの後下面部17hが、車体後方へ向かうにつれて後上面部17fから徐々に下方へ大きく離れるように形成される。よって、アッパメンバ17の後端部17bのうちアッパ下部17iが、ロアピラー31の前上部31eで、かつ、稜線52(図6参照)の車体前方に連結される。
ここで、稜線52の車体後方に近接した状態で複数のビード64が上下方向に整列されている(図6も参照)。よって、アッパ下部17iの車体後方に複数のビード64が形成される。
これにより、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を、後端部17bのアッパ下部17iから複数のビード64を経てピラー後枠33に伝えることができる。さらに、ピラー後枠33に伝えられた荷重を右ルーフレール23に効率よく伝えることができる。
このように、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を、アッパメンバ17の後端部17bからピラー前枠32およびピラー後枠33を経て右ルーフレール23に効率よく伝えることができる。
これにより、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を車体前部構造10で好適に支えることができる。
図7、図9に示すように、右アッパメンバ17および右フロントサイドフレーム12(図2参照)間において、ロアダッシュパネル25の車体前方に右ダンパハウジング18が設けられる。右ダンパハウジング18は、右アッパメンバ17から車幅方向内側に湾曲状に膨出するダンパ壁部75と、ダンパ壁部75の上端部75aに設けられるダンパベース76とを備える。
右ダンパハウジング18は、右アッパメンバ17のアッパ後半部17d、右フロントサイドフレーム12の後半部12c(図2参照)およびロアダッシュパネル25の右端部25cに接合される。
右ダンパハウジング18の内部に車幅方向外側からフロントサスペンションのダンパが収納され、ダンパの上端部がダンパベース76に支持される。すなわち、右ダンパハウジング18は、ダンパから入力する荷重を支える剛性の高い部材である。
右ダンパハウジング18が補強部材19で補強される。補強部材19は、右ダンパハウジング18のダンパベース76に上方から接合される右ベース支持部81と、左ダンパハウジング18のダンパベース76に上方から接合される左ベース支持部81(図1参照)と、右ベース支持部81および左ベース支持部81を連結する連結部82とを有する。
右ベース支持部81は、右側部に形成される外折曲片81aと、後端部に形成される後張出片81bとを有する。外折曲片81aは、アッパメンバ17のアッパインナ72、およびピラーインナ37の前インナフランジ42(具体的には、張出接合部46)に沿って上向きに折り曲げられる。後張出片81bは、ロアダッシュパネル25の右上フランジ25dに沿って車体後方へ張り出される。
外折曲片81aがアッパインナ72および張出接合部46に接合される。また、後張出片81bがロアダッシュパネル25の右上フランジ25dに接合される。
また、連結部82は後端部に後張出片82aを有する。後張出片82aは後張出片81bに連通する部材であり、ロアダッシュパネル25の中央上フランジ25eに沿って車体後方へ張り出される。
後張出片82aが、後張出片81bと同様に、ロアダッシュパネル25の中央上フランジ25eに接合される。
これにより、右ダンパハウジング18が補強部材19で補強される。
ここで、右ベース支持部81の右側部、外折曲片81a、および前インナフランジ42の張出接合部46がアッパインナ72の後上端部73で車幅方向内側から覆われる。この状態で、後上端部83が右ベース支持部81の右側部、外折曲片81a、および張出接合部46に接合される。
図4、図10に示すように、ピラーアウタ36のアウタ膨出部56にアウタ前壁57が形成される。アウタ前壁57は、アウタ膨出壁59の前辺59aから前アウタフランジ54まで車幅方向内側に折り曲げられる。前アウタフランジ54がピラーインナ37の前インナフランジ42(具体的には、ベース接合部45)に接合される。
また、アウタ膨出壁59の前辺近傍59bに、アッパメンバ17(具体的には、アッパアウタ71)の後端部71a(図3も参照)が車幅方向外側から接合される。
この状態において、ピラーアウタ36およびピラーインナ37で上閉断面部85が形成される。また、アッパアウタ71の後部71b(図3も参照)、ピラーアウタ36のアウタ前壁57、およびピラーインナ37の張出接合部46で下閉断面部86が形成される。
すなわち、アッパアウタ71の後部71b、ピラーアウタ36およびピラーインナ37で上下方向に2つの閉断面が形成される。
よって、図2に示すように、右アッパメンバ17の後端部17bが右フロントピラー16の前部16bに接合された状態において、後端部17bおよび前部16bの接合部88の剛性が確保される。
さらに、右ダンパハウジング18が補強部材19補強されている。
これにより、右アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を、補強部材19や接合部88を経て右フロントピラー16に効率よく伝えることができる。右フロントピラー16に衝撃荷重F1が効率よく伝えられることにより、衝撃荷重F1を右ルーフレール23へ一層効率よく伝えることができる。
つぎに、車両Veのオフセット衝突により右アッパメンバ17に入力した衝撃荷重F3を支える例を図11、図12に基づいて説明する。
図11(a)に示すように、車両Veの右前側部がオフセット衝突することにより、車両Veが矢印Cの如く回転する。この状態において、右アッパメンバ17の前端部17aに衝撃荷重F3が入力する。
図11(b)に示すように、右アッパメンバ17の前端部17aに衝撃荷重F3が入力することにより、右アッパメンバ17のアッパアウタ71に荷重F4が入力し、アッパインナ72に荷重F5が入力する。
アッパアウタ71に入力した荷重F4がピラーアウタ36に荷重F6として伝えられる。また、アッパインナ72に入力した荷重F5がピラーインナ37に荷重F7として伝えられる。
ここで、車両Veが矢印Cの如く回転することにより、アッパアウタ71に入力する荷重F4に比べてアッパインナ72に入力する荷重F5がより大きくなる。よって、ピラーアウタ36に伝えられる荷重F6に比べてピラーインナ37に伝えられる荷重F7がより大きくなる。
ところで、ピラーインナ37に複数のビード64が形成されている。複数のビード64は、車体前後方向へ延びるように形成され、かつ、稜線52に沿って上下方向に整列されている。よって、ピラーインナ37の剛性が複数のビード64で確保されている。
これにより、ピラーインナ37に伝えられる荷重F7をピラーインナ37からピラー後枠33や右サイドシル14(図12参照)に効率よく伝えることができる。
なお、図12においては、衝撃荷重F3による伝達の理解を容易にするために、アッパアウタ71に入力する荷重F4とアッパインナ72に入力する荷重F5をまとめてアッパメンバ17に入力する荷重F8(図12参照)として説明する。
また、ピラーアウタ36に入力する荷重F6とピラーインナ37に入力する荷重F7をまとめて右フロントピラー16に入力する荷重F9(図12参照)として説明する。
図12に示すように、車両Veの右前側部がオフセット衝突することにより、右アッパメンバ17の前端部17aに衝撃荷重F3が入力する。衝撃荷重F3が前端部17aに入力することにより、右アッパメンバ17に荷重8が伝えられる。
ここで、右アッパメンバ17は、アッパ後半部17dの後上面部17fやアッパ前半部17cの前上面部17eがピラー前枠32、右ルーフレール23と略同じ上り勾配に形成されている。
よって、アッパメンバ17に入力した荷重f8の一部が、アッパメンバ17の後端部17bのアッパ上部17gからピラー前枠32に荷重F1Oとして効率よく伝えられる。ピラー前枠32に入力した荷重F10が右ルーフレール23に伝えられる。
また、アッパメンバ17に入力した荷重F8の一部が、アッパメンバ17の後端部17bのアッパ下部17iからロアピラー31の前上部31eに荷重F9として伝えられる。
ここで、ピラーインナ37に複数のビード64が形成されている。よって、ロアピラー31の前上部31eに伝えられた荷重F9が複数のビード64を経て車体後方のピラー後枠33に荷重F11として効率よく伝えられる。ピラー後枠33に入力した荷重F11が右ルーフレール23に伝えられる。
さらに、ロアピラー31の前上部31eに伝えられた荷重F9の一部が、複数のビード64を経て下方へ荷重F12として効率よく伝えられる。さらに、下方へ伝えられた荷重F12が右サイドシル14に荷重F13として伝えられる。
このように、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F3を車体前部構造10で右ルーフレール23や右サイドシル14に効率よく分散させることができる。これにより、衝撃荷重F3を車体前部構造10(詳しくは、車両Ve)で良好に支えることができる。
なお、本発明に係る車体前部構造は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例で示した車両、車体前部構造、左右のフロントピラー、左右のアッパメンバ、左右のダンパハウジング、補強部材、左右のルーフレール、ロアダッシュパネル、ピラー前枠、ピラー後枠、小窓開口、ピラーアウタ、ピラーインナ、インナ膨出部、前インナフランジ、後インナフランジ、インナ前壁、インナ後壁、インナ膨出壁、稜線、閉断面部、ビード、アッパアウタおよびアッパインナなどの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、車幅方向外側に左右のフロントピラーを備え、各フロントピラーの前部にアッパメンバが連結される車体前部構造を備えた自動車への適用に好適である。
Ve 車両
10 車体前部構造
16 左右のフロントピラー(フロントピラー)
16b 右フロントピラーの前部
17 左右のアッパメンバ(アッパメンバ)
17a 右アッパメンバの前端部
17b 右アッパメンバの後端部
18 左右のダンパハウジング(ダンパハウジング)
19 補強部材
23 左右のルーフレール(ルーフレール)
25 ロアダッシュパネル
25a ロアダッシュパネルの側縁
25b 側縁フランジ
32 ピラー前枠
32b ピラー前枠の下端部
33 ピラー後枠
34 小窓開口
36 ピラーアウタ
37 ピラーインナ
41 インナ膨出部(膨出部)
41a インナ膨出部の前端部
41b インナ膨出部41の後端部
42 前インナフランジ(前フランジ)
43 後インナフランジ(後フランジ)
47 インナ前壁(前壁)
48 インナ後壁(前壁)
49 インナ膨出壁(膨出壁)
52 稜線
61 閉断面部
64 ビード
71 アッパアウタ
71a アッパアウタの後端部
72 アッパインナ
H1 高さ寸法
W1 前後幅寸法
W2 左右幅寸法

Claims (7)

  1. フロントピラーの前部にアッパメンバが連結される車体前部構造において、
    前記フロントピラーは、
    車幅方向外側に設けられるピラーアウタと、
    該ピラーアウタの車幅方向内側に設けられるピラーインナと、を備え、
    該ピラーインナに、車体前後方向へ延びるビードが形成されることを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記ピラーインナは、
    車幅方向内側に膨出され、かつ、車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなる膨出部と、
    該膨出部の前端部から車体前方へ張り出され、前記ピラーアウタに接合される前フランジと、
    前記膨出部の後端部から車体後方へ張り出され、前記ピラーアウタに接合される後フランジと、を有し、
    前記膨出部は、
    車体前方側に配置される前壁と、
    該前壁の車体後方に配置される後壁と、
    前記前壁および前記後壁を連結する膨出壁と、を有し、
    前記ビードは、
    前記膨出壁のうち、該膨出壁および前記前壁が交差する稜線に前端部が近接する状態で上下方向に複数個整列される請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記フロントピラーは、
    前記ピラーアウタおよび前記ピラーインナが接合されることにより形成される閉断面部を備え、
    該閉断面部は、
    車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなり、かつ、車幅方向の左右幅寸法が下方へ向けて連続的に大きくなるように形成される請求項1記載の車体前部構造。
  4. 前記ピラーインナおよび前記ピラーアウタは、引張強度が少なくとも980MPaの鋼板で形成される請求項1記載の車体前部構造。
  5. 前記車体前部構造は、
    前記フロントピラーの車幅方向内側において車幅方向へ向けて配置されるロアダッシュパネルを備え、
    該ロアダッシュパネルは、
    前記ピラーインナに対向する側縁に側縁フランジを有し、
    該側縁フランジが前記前フランジに接合される請求項2記載の車体前部構造。
  6. 前記フロントピラーは、
    車体前方側に設けられ、ルーフレールに連通されるピラー前枠と、
    該ピラー前枠の車体後方に設けられ、前記ルーフレールに連通されるピラー後枠と、
    前記ピラー前枠および前記ピラー後枠間に形成される小窓開口と、を備え、
    前記アッパメンバは、
    後端部の上下方向の高さ寸法が前端部より大きく形成され、
    前記後端部が前記ピラー前枠の下端部に連結され、かつ、前記後端部の車体後方に前記ビードが複数形成される請求項1記載の車体前部構造。
  7. 前記車体前部構造は、さらに、
    前記ロアダッシュパネルの車体前方に設けられるダンパハウジングと、
    該ダンパハウジングを補強する補強部材と、を備え、
    前記アッパメンバは、
    車幅方向外側に設けられるアッパアウタと、
    該アッパアウタの車幅方向内側に設けられるアッパインナと、を備え、
    前記アッパアウタおよびアッパインナで前記アッパメンバが閉断面に形成され、
    前記アッパアウタの後端部、前記ピラーアウタおよび前記ピラーインナで上下方向に2つの閉断面が形成され、
    前記アッパインナおよび前記ピラーインナに前記補強部材が接合される請求項5の車体前部構造。
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