JP2017056787A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体前部構造10は、右フロントピラー16の前部16bに右アッパメンバ17の後端部17bが連結される。右フロントピラー16は、車幅方向外側に設けられるピラーアウタ36と、ピラーアウタ36の車幅方向内側に設けられるピラーインナ37とを備える。ピラーインナ37に複数のビード64が形成される。複数のビード64が車体前後方向へ延出されることにより、ピラーインナ37の剛性が確保される。
【選択図】図5
Description
面取り部の上端部近傍に複数のビードを形成することにより補強部材を個別に設けることなく、コーナ部の剛性を高めることができる。また、コーナ部の車体前方にダンパハウジングが設けられる。よって、ダンパハウジングから入力する衝撃荷重をコーナ部で支えることが可能になる。
このため、ピラーインナに伝えられる比較的大きな衝撃荷重をフロントピラーからルーフに伝え、衝撃荷重を車体前部構造で支えることが難しく、この観点から改良の余地が残されている。
これにより、ピラーインナに補強部材を用いることなく簡単な構成で、インナパネルに入力する衝撃荷重を車体前部構造で支えることができる。
このように、インナパネルに入力する衝撃荷重をサイドシルに伝えることにより、衝撃荷重を車体前部構造で一層良好に支えることができる。
そこで、請求項3において、フロントピラーに閉断面部を備えた。さらに、閉断面部の前後幅寸法を下方へ向けて連続的に小さくし、かつ、左右幅寸法を下方へ向けて連続的に大きくした。
よって、フロントピラーを上下方向において均一な曲げ強度に形成できる。これにより、オフセット衝突により前輪がフロントピラーの下部に干渉した場合、下部に入力した衝撃荷重をフロントピラーで支えることができ、車室の変形を抑えることができる。
これにより、ロアダッシュパネルを車体前方へ配置でき、車室を広く確保できる。
さらに、オフセット衝突により前輪が車体後方へ移動した場合、前輪が前フランジに干渉して前フランジを変形させることができる。これにより、前輪から入力した衝撃荷重を前フランジで吸収できる。
さらに、アッパメンバの後端部の車体後方で、かつ、ピラー後枠の下方にビードを複数形成した。
図1、図2に示すように、車体前部構造10は、車両Veの前部を構成する部位である。車体前部構造10は、車両Veの前部の左右外側に設けられる左フロントサイドフレーム12および右フロントサイドフレーム12と、各フロントサイドフレーム12の後端部12aから車幅方向外側に延びるアウトリガー13(左側のアウトリガー13は図示せず)と、各アウトリガー13の外端部に連結されるサイドシル14とを備える。
右アウトリガー13の外端部から右サイドシル14が車体後方へ向けて延出される。右サイドシル14は断面略矩形状の閉断面に形成される。
右サイドシル14および右サイドシル14間にフロントフロアパネル21が設けられる。
右ルーフレール23は、閉断面に形成され、右フロントピラー16の上後端部16aから車体後方へ向けて延出される。
具体的には、右アウタパネル24のサイドシル部24aが右サイドシル14に車幅方向外側から設けられる。また、アウタパネル24のピラー部24bが右フロントピラー16に車幅方向外側から設けられる。さらに、アウタパネル24のレール部24cが右ルーフレール23に車幅方向外側から設けられる。
さらに、右フロントピラー16から右アッパメンバ17が車体前下方へ向けて延出される。右アッパメンバ17の前端部17aおよび右フロントサイドフレーム12の前端部12bが右連結フレーム27で連結される。
ロアピラー31は、車幅方向外側に設けられるピラーアウタ36と、ピラーアウタ36の車幅方向内側に設けられるピラーインナ37とを備える。ピラーインナ37およびピラーアウタ36は、引張強度が少なくとも980MPaの鋼板で形成される。
すなわち、前インナフランジ42は、インナ膨出部41の前端部41aから車体前方へ向けて比較的大きく張り出される前延長部である。
後インナフランジ43は、ピラーアウタ36の後アウタフランジ55に接合される。
さらに、インナ膨出部41、前インナフランジ42および後インナフランジ43でピラーインナ37が断面略ハット状に形成される。
アウタ膨出部56は、車体前後方向の前後幅寸法がインナ膨出部41の前後幅寸法W1より僅かに小さく形成される。このアウタ膨出部56は、インナ膨出部41と同様に、車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなるように形成される(図3参照)。
前インナフランジ42および前アウタフランジ54が接合され、後インナフランジ43および後アウタフランジ55が接合される。これにより、インナ膨出部41およびアウタ膨出部56で閉断面部61が断面略矩形状の閉断面に形成される。
インナ膨出壁49には複数のビード64が車室51側に膨出するように形成される(図7参照)。複数のビード64は、車体前後方向(すなわち、矢印Fr−Rr方向)へ略水平に延びるように形成される。さらに、複数のビード64は、稜線52に前端部64aが近接する状態で上下方向に間隔をおいて整列される。
すなわち、図1に示すように、車両Veの右前側部がオフセット衝突し、右アッパメンバ17の前端部17aに衝撃荷重F1が入力した場合、車両Veが矢印Aの如く回転する。このため、図3に示すように、衝撃荷重F1が右アッパメンバ17のアッパインナ72を経てピラーインナ37に大きな荷重F2として入力する。
そこで、図6に示すように、インナ膨出壁49に複数のビード64を形成するようにした。
これにより、ピラーインナ37に補強部材を用いることなく簡単な構成で、ピラーインナ37に入力する荷重F2を車体前部構造10で支えることができる。
このように、ピラーインナ37に入力する荷重F2を右サイドシル14に伝えることにより、荷重F2を車体前部構造10で一層良好に支えることができる。
すなわち、図7に示す前後幅寸法W1が、図8に示す前後幅寸法W1より大きい。
さらに、閉断面部61は、左右幅寸法W2が下方へ向けて連続的に大きくなるように形成される。すなわち、図7に示す左右幅寸法W2が、図8に示す左右幅寸法W2より大きい。
また、左右幅寸法W2は、車幅方向(すなわち、矢印L−R方向)の幅寸法である。
これにより、例えば、確保した空間66を利用してロアピラー31(すなわち、フロントピラー16)を車体前方に配置でき、車室51を広く確保することが可能になる。
これにより、オフセット衝突により前輪39がロアピラー31の下部31cに干渉した場合、下部 に入力した衝撃荷重 をロアピラー31で支えることができ、車室51の変形を抑えることができる。
よって、ピラーインナ37およびピラーアウタ36の強度を確保した状態で、ピラーインナ37の板厚寸法やピラーアウタ36の板厚寸法を小さく抑えることができる。これにより、ロアピラー31(すなわち、フロントピラー16)を軽量にできる。
よって、オフセット衝突により右前輪39が車体後方へ矢印Bの如く移動した場合、右前輪39を前インナフランジ42に干渉させることができる。これにより、前インナフランジ42を右前輪39で変形させることができ、右前輪39から入力する衝撃荷重を前インナフランジ42で吸収できる。
また、ロアピラー31の後上端部31bからピラー後枠33が車体後方へ向けてピラー前枠32の上端部32aおよび右ルーフレール23の前端部23aまで上り勾配に延出される。すなわち、ピラー後枠33は、ピラー前枠32の車体後方に設けられ、右ルーフレール23に連通されている。
アッパアウタ71およびアッパインナ72でアッパメンバ17が断面略矩形状の閉断面に形成される。
よって、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を、後端部17bのアッパ上部17gからピラー前枠32に効率よく伝えることができる。さらに、ピラー前枠32に伝えられた荷重を右ルーフレール23に効率よく伝えることができる。
ここで、稜線52の車体後方に近接した状態で複数のビード64が上下方向に整列されている(図6も参照)。よって、アッパ下部17iの車体後方に複数のビード64が形成される。
これにより、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を車体前部構造10で好適に支えることができる。
右ダンパハウジング18の内部に車幅方向外側からフロントサスペンションのダンパが収納され、ダンパの上端部がダンパベース76に支持される。すなわち、右ダンパハウジング18は、ダンパから入力する荷重を支える剛性の高い部材である。
外折曲片81aがアッパインナ72および張出接合部46に接合される。また、後張出片81bがロアダッシュパネル25の右上フランジ25dに接合される。
後張出片82aが、後張出片81bと同様に、ロアダッシュパネル25の中央上フランジ25eに接合される。
これにより、右ダンパハウジング18が補強部材19で補強される。
また、アウタ膨出壁59の前辺近傍59bに、アッパメンバ17(具体的には、アッパアウタ71)の後端部71a(図3も参照)が車幅方向外側から接合される。
すなわち、アッパアウタ71の後部71b、ピラーアウタ36およびピラーインナ37で上下方向に2つの閉断面が形成される。
さらに、右ダンパハウジング18が補強部材19補強されている。
これにより、右アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F1を、補強部材19や接合部88を経て右フロントピラー16に効率よく伝えることができる。右フロントピラー16に衝撃荷重F1が効率よく伝えられることにより、衝撃荷重F1を右ルーフレール23へ一層効率よく伝えることができる。
図11(a)に示すように、車両Veの右前側部がオフセット衝突することにより、車両Veが矢印Cの如く回転する。この状態において、右アッパメンバ17の前端部17aに衝撃荷重F3が入力する。
アッパアウタ71に入力した荷重F4がピラーアウタ36に荷重F6として伝えられる。また、アッパインナ72に入力した荷重F5がピラーインナ37に荷重F7として伝えられる。
これにより、ピラーインナ37に伝えられる荷重F7をピラーインナ37からピラー後枠33や右サイドシル14(図12参照)に効率よく伝えることができる。
また、ピラーアウタ36に入力する荷重F6とピラーインナ37に入力する荷重F7をまとめて右フロントピラー16に入力する荷重F9(図12参照)として説明する。
よって、アッパメンバ17に入力した荷重f8の一部が、アッパメンバ17の後端部17bのアッパ上部17gからピラー前枠32に荷重F1Oとして効率よく伝えられる。ピラー前枠32に入力した荷重F10が右ルーフレール23に伝えられる。
ここで、ピラーインナ37に複数のビード64が形成されている。よって、ロアピラー31の前上部31eに伝えられた荷重F9が複数のビード64を経て車体後方のピラー後枠33に荷重F11として効率よく伝えられる。ピラー後枠33に入力した荷重F11が右ルーフレール23に伝えられる。
このように、アッパメンバ17の前端部17aに入力した衝撃荷重F3を車体前部構造10で右ルーフレール23や右サイドシル14に効率よく分散させることができる。これにより、衝撃荷重F3を車体前部構造10(詳しくは、車両Ve)で良好に支えることができる。
例えば、前記実施例で示した車両、車体前部構造、左右のフロントピラー、左右のアッパメンバ、左右のダンパハウジング、補強部材、左右のルーフレール、ロアダッシュパネル、ピラー前枠、ピラー後枠、小窓開口、ピラーアウタ、ピラーインナ、インナ膨出部、前インナフランジ、後インナフランジ、インナ前壁、インナ後壁、インナ膨出壁、稜線、閉断面部、ビード、アッパアウタおよびアッパインナなどの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
10 車体前部構造
16 左右のフロントピラー(フロントピラー)
16b 右フロントピラーの前部
17 左右のアッパメンバ(アッパメンバ)
17a 右アッパメンバの前端部
17b 右アッパメンバの後端部
18 左右のダンパハウジング(ダンパハウジング)
19 補強部材
23 左右のルーフレール(ルーフレール)
25 ロアダッシュパネル
25a ロアダッシュパネルの側縁
25b 側縁フランジ
32 ピラー前枠
32b ピラー前枠の下端部
33 ピラー後枠
34 小窓開口
36 ピラーアウタ
37 ピラーインナ
41 インナ膨出部(膨出部)
41a インナ膨出部の前端部
41b インナ膨出部41の後端部
42 前インナフランジ(前フランジ)
43 後インナフランジ(後フランジ)
47 インナ前壁(前壁)
48 インナ後壁(前壁)
49 インナ膨出壁(膨出壁)
52 稜線
61 閉断面部
64 ビード
71 アッパアウタ
71a アッパアウタの後端部
72 アッパインナ
H1 高さ寸法
W1 前後幅寸法
W2 左右幅寸法
Claims (7)
- フロントピラーの前部にアッパメンバが連結される車体前部構造において、
前記フロントピラーは、
車幅方向外側に設けられるピラーアウタと、
該ピラーアウタの車幅方向内側に設けられるピラーインナと、を備え、
該ピラーインナに、車体前後方向へ延びるビードが形成されることを特徴とする車体前部構造。 - 前記ピラーインナは、
車幅方向内側に膨出され、かつ、車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなる膨出部と、
該膨出部の前端部から車体前方へ張り出され、前記ピラーアウタに接合される前フランジと、
前記膨出部の後端部から車体後方へ張り出され、前記ピラーアウタに接合される後フランジと、を有し、
前記膨出部は、
車体前方側に配置される前壁と、
該前壁の車体後方に配置される後壁と、
前記前壁および前記後壁を連結する膨出壁と、を有し、
前記ビードは、
前記膨出壁のうち、該膨出壁および前記前壁が交差する稜線に前端部が近接する状態で上下方向に複数個整列される請求項1記載の車体前部構造。 - 前記フロントピラーは、
前記ピラーアウタおよび前記ピラーインナが接合されることにより形成される閉断面部を備え、
該閉断面部は、
車体前後方向の前後幅寸法が下方へ向けて連続的に小さくなり、かつ、車幅方向の左右幅寸法が下方へ向けて連続的に大きくなるように形成される請求項1記載の車体前部構造。 - 前記ピラーインナおよび前記ピラーアウタは、引張強度が少なくとも980MPaの鋼板で形成される請求項1記載の車体前部構造。
- 前記車体前部構造は、
前記フロントピラーの車幅方向内側において車幅方向へ向けて配置されるロアダッシュパネルを備え、
該ロアダッシュパネルは、
前記ピラーインナに対向する側縁に側縁フランジを有し、
該側縁フランジが前記前フランジに接合される請求項2記載の車体前部構造。 - 前記フロントピラーは、
車体前方側に設けられ、ルーフレールに連通されるピラー前枠と、
該ピラー前枠の車体後方に設けられ、前記ルーフレールに連通されるピラー後枠と、
前記ピラー前枠および前記ピラー後枠間に形成される小窓開口と、を備え、
前記アッパメンバは、
後端部の上下方向の高さ寸法が前端部より大きく形成され、
前記後端部が前記ピラー前枠の下端部に連結され、かつ、前記後端部の車体後方に前記ビードが複数形成される請求項1記載の車体前部構造。 - 前記車体前部構造は、さらに、
前記ロアダッシュパネルの車体前方に設けられるダンパハウジングと、
該ダンパハウジングを補強する補強部材と、を備え、
前記アッパメンバは、
車幅方向外側に設けられるアッパアウタと、
該アッパアウタの車幅方向内側に設けられるアッパインナと、を備え、
前記アッパアウタおよびアッパインナで前記アッパメンバが閉断面に形成され、
前記アッパアウタの後端部、前記ピラーアウタおよび前記ピラーインナで上下方向に2つの閉断面が形成され、
前記アッパインナおよび前記ピラーインナに前記補強部材が接合される請求項5の車体前部構造。
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