JP7042230B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、第1フロントピラと、第1フロントピラの車両後方に位置する第2フロントピラとを備えた車両前部構造に関する。
例えば、特許文献1に開示された車両前部構造では、フロントピラを、車両前方側に配置された前方フロントピラと、車両後方側に配置された後方フロントピラとによって構成している。
この特許文献1の車両前部構造では、カウルサイドメンバの車両後方端部を車両後方に伸長して後方フロントピラの下端に第1の固定点で固定している。これにより、特許文献1では、前面衝突時に車両前面から入力される衝突荷重を、第1の固定点を介して後方フロントピラに対して伝達することができる、としている。
特許第6056543号公報
ところで、特許文献1に開示された車両前部構造では、カウルサイドメンバの一部である車両後方端部を車両後方に伸ばしてフロントピラの車幅方向外側に固定している。これにより、特許文献1では、車両後方への荷重伝達効率が低下するおそれがある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、車両後方への荷重伝達効率を向上させることが可能な車両前部構造を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車両前部の左右両側にそれぞれ配置されて上下方向に沿って延設される左右一対のフロントピラと、前記各フロントピラの下方に接続されて車両前後方向に沿って延設される左右一対のアッパメンバとを備え、前記各フロントピラは、第1フロントピラと、前記第1フロントピラの車両後方に位置して上下方向に沿って延設される第2フロントピラとを有する車両前部構造において、前記第2フロントピラは、車両上部から車両前方に向かって傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の下端部から車両前方に向かって屈曲する屈曲部と、前記屈曲部を介して車両下方へ延びる下方延設部と、を有し、前記各アッパメンバは、車両後方端部において上下方向に延びる上下結合部が設けられ、前記上下結合部は、前記第1フロントピラの下端部よりも車両後方下部に位置して、前記アッパメンバの車両後方端部を前記フロントピラの車幅方向外側に結合し、前記屈曲部は、前記上下結合部の車両後方に配置されていることを特徴とする。
本発明では、車両後方への荷重伝達効率を向上させることが可能な車両前部構造を得ることができる。
本発明の実施形態に係る車両前部構造が適用された車両前部の右側部分を車両外側から見た側面図である。 図1に示す車両前部の部分拡大側面図である。 図2のIII-III線に沿った縦断面図である。 図2のIV-IV線に沿った横断面図である。 車両前部の右側に配置された第2フロントピラを車室内側から見た拡大側面図である。 図5のVI-VI線に沿った縦断面図である。 図2の矢印A方向から見た矢視図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各図中において、「前後」は、車両前後方向、「左右」は、左右方向(車幅方向)、「上下」は、車両上下方向(鉛直上下方向)を、それぞれ示している。
図1に示されるように、車両前部10は、車両前部10の左右両側にそれぞれ配置されて上下方向に沿って延設される左右一対のフロントピラ12、12と、各フロントピラ12の下方に接続されて車両前後方向に沿って延設される左右一対のアッパメンバ14、14とを備えて構成されている。なお、図1では、車両前部10の右側部分のみを示し、左側部分の図示を省略している。
各フロントピラ12は、第1フロントピラ16と第2フロントピラ18とを有する。第1フロントピラ16は、第2フロントピラ18よりも車両前方に位置し、上下方向に沿って延設されている。第2フロントピラ18は、第1フロントピラ16の車両後方に位置して上下方向に沿って延設されている。
第1フロントピラ16は、車幅方向外側に配置された第1フロントピラアウタと、車幅方向内側に配置された第1フロントピラインナとから構成されている。第1フロントピラ16の下端は、第2フロントピラ18の後記する屈曲部22の前端に連結されている。なお、第1フロントピラインナには、図示しない第1フロントピラスティフナが含まれる。
第2フロントピラ18は、車幅方向外側に配置された第2フロントピラアウタと、車幅方向内側に配置された第2フロントピラインナとから構成されている。なお、第2フロントピラインナには、第2フロントピラインナの車幅方向外側に配置されたフロントピラスティフナも含まれる。
第2フロントピラ18の軸直方向に沿った断面積は、第1フロントピラ16の軸直方向に沿った断面積よりも大きくなっている。これにより、第2フロントピラ18の剛性・強度は、第1フロントピラ16の剛性・強度よりも高くなっている。
図1に示されるように、第2フロントピラ18は、傾斜部20と、屈曲部22と、下方延設部24とを有する。傾斜部20は、車両上部のルーフ部26から車両前方に向かって立ち下がるように傾斜している。屈曲部22は、この傾斜部20の下端部20aから車両前方に向かって略水平に屈曲するように延出している。下方延設部24は、屈曲部22の下端部に連結されていると共に、屈曲部22を介して車両下方のサイドシル28まで延びている。
なお、本実施形態では、屈曲部22と下方延設部24とを別部材で構成し、屈曲部22の下端と下方延設部24の上端とを一体的に接合しているが、これに限定されるものではなく、屈曲部22と下方延設部24とを一体的に構成してもよい。
図2に示されるように、下方延設部24は、略平坦な平面部24aと、平面部24aの車両前方側に連続して車内側に窪む前方側部24bと、平面部24aの車両後方側に連続して車内側に窪む後方側部24cとを有する。
図2に示されるように、車両後方部位において、各アッパメンバ14は、略平坦な横壁15aと、横壁15aの下端に連続し車内側に向かって窪む下壁15bとを有している。また、図1及び図2に示されるように、各アッパメンバ14は、該アッパメンバ14の車両後方端部において、上下方向に延びる上下結合部30が設けられている。この上下結合部30は、屈曲部22の下端部に結合される上側結合部32aと、下方延設部24の車両前方側の上端部に結合される下側結合部32bとを有する。各アッパメンバ14の車両前方端部は、フロントサブフレーム34(図1参照)に連結されている。
図2に示されるように、上下結合部30は、第1フロントピラ16の下端部16aよりも車両後方下部に位置して、アッパメンバ14の車両後方端部を第2フロントピラ18の車幅方向外側に結合している。第2フロントピラ18の屈曲部22は、アッパメンバ14の上下結合部30の車両後方位置に配置されている。
各フロントピラ12の屈曲部22には、外側ビード部36が設けられている。この外側ビード部36は、フロントピラ12の外側(車室外側)に向かって突出する凸部からなり(図3参照)、車室外側から側面視して略直線状に延出している。また、外側ビード部36は、アッパメンバ14の車両後方側の上端部14aから車両後方へ傾斜部20の下端部20aに向けて若干立ち上がるように傾斜している(図2の太破線参照)。
図5に示されるように、各フロントピラ12の傾斜部20と屈曲部22との境界近傍部位には、内側ビード部38が設けられている。この内側ビード部38は、フロントピラ12の内側(車室内側)に向かって突出する凸部からなり(図6参照)、車室内側から側面視して略円弧状を呈している。また、内側ビード部38は、アッパメンバ14の上端部から車両後方へ第2フロントピラ18に向かって延びている。
アッパメンバ14の車両後方端部(上下結合部30)は、各フロントピラ12との車両前後方向において、空間部を有している。この空間部は、上下結合部30の上側に位置する上部空間部40と、上下結合部30の下側に位置する下部空間部42とを有する。
図4に示されるように、上部空間部40は、アッパメンバ14の車両後方端部14bに近接した上下結合部30の上部角部を側面視して略円弧状に切り欠いて形成された円弧状切欠部44と、第2フロントピラ18の屈曲部22の窪み部46との間で形成されている。
図7に示されるように、下部空間部42は、アッパメンバ14の車両後方端部14cに近接した上下結合部30の下部角部を側面視して略L字状に切り欠いて形成されたL字状切欠部48と、第2フロントピラ18の下方延設部24の上部との間で形成されている。
本実施形態に係る車両前部構造が適用された車両の車両前部10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
本実施形態では、各アッパメンバ14が、車両後方端部において上下方向に延びる上下結合部30を有している。この上下結合部30は、第1フロントピラ16の下端部16aよりも車両後方下部に位置して、アッパメンバ14の車両後方端部を第2フロントピラ18の車幅方向外側に結合されている。
本実施形態では、上下結合部30を、第1フロントピラ16の下端部16aよりも車両後方下部に配置することで、例えば、前面衝突時に入力される衝突荷重をアッパメンバ14及び上下結合部30を介して第2フロントピラ18へ効率的に伝達することができる。この結果、本実施形態では、車両後方への荷重伝達効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、上下方向に延在する上下結合部30の車両後方に、第2フロントピラ18の屈曲部22を配置している。これにより、本実施形態では、第2フロントピラ18への衝突荷重の伝達効率を向上させると共に、上下結合部30を介して、衝突荷重を第2フロントピラの18下方側に位置する下方延設部24へ伝達することで荷重伝達効率をより一層向上させることができる。
さらに、本実施形態では、第2フロントピラ18に対し、アッパメンバ14の上端部14aから車両後方に向かって延びる外側ビード部36を設けている。これにより、本実施形態では、外側ビード部36を介して衝突荷重を第2フロントピラ18へ効率的に伝達することができると共に、衝突荷重が第1フロントピラ16へ伝達されることを抑制することができる。
さらにまた、本実施形態では、第2フロントピラ18に対し、アッパメンバ14の上端部14aから車両後方に向かって延びる内側ビード部38を設けている。これにより、本実施形態では、内側ビード部38を介して、衝突荷重を第2フロントピラ18へ効率的に伝達することができる。
さらにまた、本実施形態では、フロントピラ12の車両前後方向において、アッパメンバ14の車両後方端部14b、14cに空間部(上部空間部40及び下部空間部42)をそれぞれ設けている(図4、図7参照)。アッパメンバ14の車両後方端部14b、14cに空間部を設けることで、本実施形態では、前面衝突時にアッパメンバ14の潰れ残りを抑制することができ、第2フロントピラ18に対して意図しない衝突荷重が入力されることを抑制することができる。
さらにまた、本実施形態では、上下結合部30の上側に上部空間部40が設けられている。この上部空間部40を設けることで、第1フロントピラ16へ伝達される衝突荷重を抑制することができる。
10 車体前部
12 フロントピラ
14 アッパメンバ
14a (アッパメンバの)上端部
14b、14c(アッパメンバの)車両後方端部
16 第1フロントピラ
16a (第1フロントピラの)下端部
18 第2フロントピラ
20 傾斜部
20a (傾斜部の)下端部
22 屈曲部
24 下方延設部
30 上下結合部
36 外側ビード部
38 内側ビード部
40 上部空間部(空間部)
42 下部空間部(空間部)

Claims (3)

  1. 車両前部の左右両側にそれぞれ配置されて上下方向に沿って延設される左右一対のフロントピラと、前記各フロントピラの下方に接続されて車両前後方向に沿って延設される左右一対のアッパメンバとを備え、
    前記各フロントピラは、第1フロントピラと、前記第1フロントピラの車両後方に位置して上下方向に沿って延設される第2フロントピラとを有する車両前部構造において、
    前記第2フロントピラは、
    車両上部から車両前方に向かって傾斜する傾斜部と、
    前記傾斜部の下端部から車両前方に向かって屈曲する屈曲部と、
    前記屈曲部を介して車両下方へ延びる前記下方延設部と、
    を有し、
    前記各アッパメンバは、車両後方端部において上下方向に延びる上下結合部が設けられ、
    前記上下結合部は、前記第1フロントピラの下端部よりも車両後方下部に位置して、前記アッパメンバの車両後方端部を前記フロントピラの車幅方向外側に結合し、
    前記屈曲部は、前記上下結合部の車両後方に配置され、
    前記アッパメンバの車両後方端部は、前記各フロントピラとの車両前後方向において空間部を有し、
    前記空間部は、前記上下結合部の上部角部を切り欠いて形成された切欠部により形成された上部空間部と、前記上下結合部の下部角部を切り欠いて形成された切欠部により形成される下部空間部と、を有する
    ことを特徴とする車両前部構造。
  2. 請求項1記載の車両前部構造において、
    前記各フロントピラは、該フロントピラの外側に、前記アッパメンバの上端部から車両後方へ前記傾斜部に向かって延びる外側ビード部を有することを特徴とする車両前部構造。
  3. 請求項1又は請求項2記載の車両前部構造において、
    前記各フロントピラは、該フロントピラの内側に、前記屈曲部から前記傾斜部に亘って湾曲して延びる内側ビード部を有することを特徴とする車両前部構造。
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