JP2017056643A - 潜像印刷物 - Google Patents

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秀樹 堀河
Hideki Horikawa
秀樹 堀河
勇 中野
Isamu Nakano
勇 中野
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Abstract

【課題】
本発明は、インキと印刷機の制限がなく、公知の基材とインキを使用し、簡易な画線構成により潜像画像を形成することが可能な潜像印刷物を提供する。
【解決手段】
本発明は、第一の光沢度を有する基材上の少なくとも一部に、第一の印刷領域を有し、第一の印刷領域は、基材と等色、かつ、第一の光沢度より低い第二の光沢度を有する第一の背景領域と、第一の背景領域に囲まれて基材表面が露出して形成された第一の情報領域から成り、第一の光沢度と第二の光沢度の差が、60度光沢度(JIS 8741)において10%以上であって、拡散反射光下で観察した場合は、第一の背景領域と前記第一の情報領域は等色のため、区分けして視認することができず、正反射光下により観察した場合は、第一の背景領域と第一の情報領域の光沢度が異なるため反射光量に差異が生じ、第一の背景領域と第一の情報領域が区分けして視認されることを特徴とする潜像印刷物である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、銀行券、株券、有価証券、通行券、パスポート、商品券、カード等の貴重印刷物の分野において、傾けて観察したときに潜像を観察することができる潜像印刷物に関するものである。
銀行券、株券、有価証券、通行券、商品券、カード等の貴重印刷物は、その性質上、偽造や改ざんされないことが要求される。この防止策の中には、観察角度により潜像が表出する技術又は透過光下でのみ視認可能な潜像が表出する技術が用いられている。
その一例として、本出願人は、印刷物を同色で、図柄の一方と他方を光沢の異なるインキで印刷し、正面から見たときは1種のインキで印刷したように見えるが、印刷物を傾けると潜像が現れてくることを特徴とする印刷物を出願している(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人は、基材と同色又は透明色により凸部領域を形成し、印刷物を傾けると潜像が現れることを特徴とする印刷物を出願している(例えば、特許文献2参照)。
さらに、本出願人は、光を透過する被印刷体の表裏いずれか一方に万線、網点等によって各種模様を印刷し、他方には万線、網点等に潜像とすべき図柄を施した画線から成る各種模様を、互いの印刷位置を合わせて印刷し、この印刷物を光で透かしてみると表裏の模様が合成され、潜像が連続階調の画像として出現する印刷物を出願している(例えば、特許文献3参照)。
特許第3122755号公報 特開2005−219356号公報 特公平8−13568号公報
しかしながら、特許文献1及び2の発明は、観察角度により潜像が表出するため、真偽判別効果に優れ、改ざん及び複製防止効果も高いが、更なる技術の向上を目指すと、以下の課題がある。
特許文献1の発明は、光沢インキに濡れのよい微細な有機顔料を用い、無光沢インキを濡れが悪く粒子径の大きい無機顔料を主体的に配合して製造する必要があるため、使用する二種類のインキに制限があった。
また、特許文献2の発明は、潜像を形成する凸部領域を、基材と同色又は透明色のインキの盛り量により形成する必要があるため、製造方法が凸部領域を形成できる印刷機に限定されるという課題があった。
また、特許文献3の発明は、連続階調の顕像として潜像が表出するため、真偽判別効果に優れ、改ざん及び複製防止効果も高いが、更なる技術の向上を目指すと、潜像とする画像情報が施されていない部分の画線と、一方の万線模様の画線が表裏で印刷位置が対象的に合致するように印刷する必要があるため、画線構成が複雑になるという課題があった。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、インキと印刷機の制限がなく、公知の基材とインキを使用し、簡易な画線構成より潜像画像を形成することが可能な潜像印刷物を提供する。
本発明は、第一の光沢度を有する基材上の少なくとも一部に、第一の印刷領域を有し、第一の印刷領域は、基材と等色、かつ、第一の光沢度より低い第二の光沢度を有する第一の背景領域と、第一の背景領域に囲まれて基材表面が露出して形成された第一の情報領域から成り、第一の光沢度と第二の光沢度の差が、60度光沢度(JIS 8741)において10%以上であって、拡散反射光下で観察した場合は、第一の背景領域と前記第一の情報領域は等色のため、区分けして視認することができず、正反射光下により観察した場合は、第一の背景領域と第一の情報領域の光沢度が異なるため反射光量に差異が生じ、第一の背景領域と第一の情報領域が区分けして視認されることを特徴とする潜像印刷物である。
また、本発明は、基材が光透過性を有する場合に、基材の一方の面に形成された第一の印刷領域と、基材の他方の面に、第一の印刷領域と表裏同じ箇所に設けられた第二の印刷領域を有し、第二の印刷領域は、基材と等色、かつ、第二の光沢度を有する第二の背景領域と、第二の背景領域に囲まれて基材表面が露出して形成された第二の情報領域から成り、第一の情報領域と第二の情報領域は、基材を挟んで表裏同じ箇所に設けられて合成模様を形成し、さらに、透過光下で観察した場合には、第一の印刷領域と第二の印刷領域による合成模様のみが視認されることを特徴とする潜像印刷物である。
また、本発明は、第一の光沢度が、60度光沢度(JIS 8741)において15%以上であることを特徴とする潜像印刷物である。
本発明は、公知の高光沢性の基材と基材より低光沢性の材料により潜像を形成することができる簡易な構成であるため、専用のインキと特殊な印刷機を必要とせず、低コストで生産可能な潜像印刷物である。
本発明の潜像印刷物の一例図。 本発明の潜像印刷物の作製を示す一例図。 本発明の潜像印刷物の効果を示す一例図。 本発明の潜像印刷物の一例図。 本発明の潜像印刷物の構成を示す一例図。 本発明の潜像印刷物の効果を示す一例図。 実施例1の潜像印刷物の構成を示す一例図。 実施例1の潜像印刷物の観察例を示す一例図。 実施例2の潜像印刷物の構成を示す一例図。 実施例2の潜像印刷物の観察例を示す一例図。 実施例2の潜像印刷物の観察例を示す一例図。 実施例2の潜像印刷物の観察例を示す一例図。
(第一の実施形態)
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の色々な実施の形態が含まれる。
図1に、第一の実施の形態における潜像印刷物(A1)を示す。図1(a)は、潜像印刷物(A1)の平面図と、少なくとも基材(1)上の一部に形成された第一の印刷領域(2)の一部拡大図であり、図1(b)は、潜像印刷物(A1)のAA´断面図である。図1(a)と図1(b)に示すように、第一の印刷領域(2)は、第一の背景領域(2a)と基材を露出(白抜き)した「太陽」の形状により形成された第一の情報領域(2b)から成る。図1では、第一の印刷領域(2)が基材(1)の一部に形成されているが、基材(1)全体に形成されていてもよい。また、本第一の実施の形態では、第一の印刷領域(2)の形状を「四角形」、第一の情報領域(2b)の形状を「太陽」により形成しているが、各領域の形状は特に限定されず、任意の形状により形成することができる。以降の実施の形態に記載する各印刷領域についても、形状は同様であるため説明は省略する。さらに、第一の印刷領域(2)以外には、料額、文字、番号等の印刷物に必要な情報(5)が記載されていてもよい。
なお、説明の便宜上、図1に示す第一の印刷領域(2)の中には、第一の情報領域(2b)を斜線で形成しているため視認できるが、第一の情報領域(2b)は、基材を露出(白抜き)して形成されているため、基材(1)自体の色彩であり、第一の背景領域(2a)は、基材(1)と等色な色彩で形成されることから、実際には、拡散反射光下の観察において、第一の印刷領域(2)は不可視である。一方、反射光下の観察において、第一の背景領域(2a)と第一の情報領域(2b)は、基材(1)と等色な色彩で形成されているが、第一の背景領域(2a)と第一の情報領域(2b)の光沢度が異なるため反射光量に差異が生じ、第一の背景領域(2a)と区分けされることにより、潜像として「太陽」の形状である第一の情報領域(2b)が視認される。
(基材)
基材(1)は、第一の光沢度が15%以上、好ましくは20%以上であるコート紙、写真用紙、光沢紙、プラスチック、フィルム等である。第一の光沢度と、後述する第二の光沢度は、「JISZ8741:1997 鏡面光沢度‐測定方法」(60度光沢度)に記載の方法に従って求められる値である。第一の光沢度が15%未満である場合、光沢度が不足して、後述する第一の背景領域(2a)との光沢差による潜像を視認することができない。また、基材(1)の色彩は、第一の光沢度を15%以上有すればよく、特段限定されることはない。
(印刷領域)
図2に示すように、第一の印刷領域(2)は、基材(1)と等色、かつ、第二の光沢度を有する第一の背景領域(2a)と、前述した基材(1)自体の第一の光沢度を有する基材を露出(白抜き)した第一の情報領域(2b)により形成される。第二の光沢度は、5%以下であり、第一の光沢度との光沢差が、10%以上である。第二の光沢度と第一の光沢度との光沢差が、10%未満の場合は、第一の光沢度との光沢差が狭く、潜像の確認が困難となる。本実施の形態では、第一の背景領域(2a)をベタ刷り(面積率が100%)により形成しているが、画線や画素により第一の背景領域(2a)を形成する場合には、面積率を60%以上、基材(1)と等色、かつ、第一の光沢度との光沢差が10%以上であればよい。面積率を60%未満の場合は、画線や画素の粗密により潜像の確認が困難となる。
なお、本明細書で言う「画線」とは、印刷画像を形成する最小単位である印刷網点を特定の方向に一定の距離連続して配置したものであり、点線や破線の分断線、直線、曲線及び波線を言う。一方、「画素」とは、印刷網点を一塊にしたものであり、円や三角形、四角形を含む多角形、星型等の各種図形、又は文字や記号、数字等も含まれる。
第一の背景領域(2a)を形成するインキは、基材(1)に印刷した際に、第二の光沢度は、5%以下であり、第一の光沢度との光沢差が10%以上であればよく、ニス系インキ、マット調インキ、メジウムインキ等の公知の低光沢のインキ、あるいは、光遮断性の効果のある炭酸カルシウム、二酸化チタン等の顔料を含有するインキを使用することができる。光遮断性のある顔料を使用した場合は、基材(1)の光沢度を低下させることで、潜像の視認性が良好となる。
(印刷方法)
第一の印刷領域(2)の印刷方法は、基材(1)上に、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷方法により形成することができる。
次に、図3を参照して、本発明における効果について、「拡散反射光下」と「正反射光下」の観察条件について説明する。
本発明における「拡散反射光下」とは、潜像印刷物(A1)、光源(6)及び観察者の視点(7)が図3(a)に示すような位置関係にあり、光源(6)から潜像印刷物(A1)へ入射する光の入射角度(α)と、潜像印刷物(A1)を反射した光の反射角度とが大きく異なる、正反射光がほとんど存在しない領域のことである。図3(a)に示すように、拡散反射光下では、第一の背景領域(2a)と第一の情報領域(2b)は等色であるため、区分けして視認することができない。
「正反射光下」とは、潜像印刷物(A1)、光源(6)及び観察者の視点(7)が図3(b)に示すような位置関係にあり、光源(6)から潜像印刷物(A1)へ入射する光の入射角度(α)と、潜像印刷物(A1)を反射した光の角度が略等しい、いわゆる正反射光が生じている観察角度領域のうち、反射角度(β)が比較的大きな値、例えば、反射角度(β)が70度〜90度近傍である観察角度領域のことである。図3(b)に示すように、正反射光下により観察した場合は、第一の背景領域(2a)と第一の情報領域(2b)の光沢度が異なるため反射光量に差異が生じ、第一の背景領域(2a)と区分けされることにより第二の情報領域(2b)が視認される。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明するが、第一の印刷領域(2−1)を形成する第一の背景領域(2a−1)と基材を露出(白抜き)した「太陽」の形状により形成された第一の情報領域(2b−1)については、第一の実施形態と同様であるため説明を省略し、異なる箇所のみ説明する。
図4に示すように、潜像印刷物(A2)は、図4(a)に示すように、光透過性を有する基材(1−1)上に合成模様(4)を有している。図4(b)に示すように、合成模様(4)は、一方の面に背景部(2a−1)と、基材を露出(白抜き)した「太陽」の形状により形成された情報部(2b−1)から成る第一の印刷領域(2−1)が形成され、他方の面には、基材(1−1)を挟んで、第一の印刷領域(2−1)と表裏同じ箇所に設けられた第二の背景領域(3a)と、基材を露出(白抜き)した「顔」の形状により形成された第二の情報領域(3b)から成る第二の印刷領域(3)を有する。
本例では、第二の背景領域(3a)をベタ刷り(面積率100%)により形成しているが、第二の背景領域(3a)は、画線や画素により第二の背景領域(3a)を形成する場合には、面積率を60%以上、基材(1−1)と等色、かつ、第二の光沢度が5%以下であり、第一の光沢度との光沢差が10%以上であればよく、第二の背景領域(3a)の形状は、第一の背景領域(2a−1)と同じでもよい。また、第二の背景領域(3a)を形成するインキは、コスト的に第一の背景領域(2a)と同一のインキを使用することが好ましいが、基材(1−1)に印刷した際に、第二の光沢度が、5%以下であり、第一の光沢度との光沢差が10%以上であれば、同一でなくともよい。また、使用するインキは、前述した第一の背景領域(2a)を形成するインキと同様に、ニス系インキ、マット調インキ、メジウムインキ等の公知の低光沢のインキ、あるいは、光遮断性の効果のある炭酸カルシウム、二酸化チタン等の顔料を含有するインキを使用することができる。
(合成模様)
図5は、合成模様(4)の構成図である。本発明における合成模様(4)とは、基材(1)を挟んで、第一の情報領域(2b−1)と第二の情報領域(3b)は表裏同じ箇所に設けられて成る。第一の印刷領域(2−1)は、前述した第一の実施形態と同じ構成であるため、省略する。第二の印刷領域(3)は、第二の背景領域(3a)と第二の情報領域(3b)から成る。第二の背景領域(3a)は、前述した第一の実施形態の第一の背景領域(2a)と同様に、基材(1)と等色、かつ、第二の光沢度が5%以下であればよい。第二の情報領域(3b)は、第一の情報領域(2b−1)と同じ、基材(1)自体の第一の光沢度を有する基材を露出(白抜き)した構成である。なお、本明細書における「合成模様」とは、第一の情報領域(2b−1)と第二の情報領域(3b)が合成されることにより形成された形状であり、文字、図形、記号又はこれらの組合せ、あるいはこれらの結合により形成された形状を含む意味である。
なお、基材(1)は、前述した光沢度の要件を具備し、かつ、光透過性を有する紙、プラスチック等であればよい。
効果については、図3に示す効果に加え、潜像印刷物(A2)、光源(6)及び観察者の視点(7)が、図6(b)に示すような透過光の位置関係にある場合に、第一の印刷領域(2−1)と第二の印刷領域(3)が合成され、透過光下で観察した場合、第一の情報領域(2b−1)の「太陽」の形状と第二の情報領域(3b)の「顔」の形状が合成された合成模様(4)が視認されるが、第一の情報領域(2b−1)と第二の情報領域(3b)が重なる部分(共通領域)は、基材が表裏で露出した部分となるため、合成模様(4)の他の部分よりも明るく視認される。
以下に、本発明の実施例を示すが、これらの実施例によって本発明の実施形態が制限されるものではない。
(実施例1)
本実施例1は、基材(1´)に第一の印刷領域(2´)を形成した潜像印刷物(A1´)の一例である。
図7に潜像印刷物(A1´)を示す。図7(a)に示すように、基材(1´)の全面上に、第一の印刷領域(2´)を印刷した潜像印刷物(A1´)を形成した。図7(b)に示すのは、潜像印刷物(A1´)の正面図であり、図7(c)に示すのは、潜像印刷物(A1´)のAA´ラインにおける断面図である。基材(1´)は、平滑度291sec(測定方法:JIS P8119:1998「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」、測定機:株式会社東洋精機製作所製 デジベック平滑度試験機「DB−2型」)、坪量104g/mである市販の白色の両面コート紙(富士ゼロックス社製 JDコート104)を用いた。潜像印刷物(A1´)の第一の印刷領域(2´)は、白色トナー(Quick Art社製)を使用し、カラーレーザプリンタ(RICOH社製 IPSiO SP C230L)によりベタ刷りの第一の背景領域(2´a)と「星形」の基材を露出(白抜き)した第一の情報領域(2´b)を形成した。
次に、デジタル光沢度計micro−TRI−gloss(BYK Gardner社製)を使用し、ベタ刷りの第一の背景領域(2´a)と、基材を露出(白抜き)した第一の情報領域(2´b)の60度光沢度を測定した。第一の背景領域(2´a)の60度光沢度は、4.5%であり、基材を露出(白抜き)した第一の情報領域(2´b)の60度光沢度は、17.8%であった。
図8は、本実施例1における潜像印刷物(A1´)を観察した場合の効果を表したものである。実施例1で形成した潜像印刷物(A1´)を「拡散反射光下」観察した場合は、第一の背景領域(2´a)と第一の情報領域(2´b)は等色であるため、区分けして確認することができなかった。正反射光下で観察した場合は、第一の情報領域(2´b)は高光沢で観察され、第一の背景領域(2´a)は第一の情報領域(2´b)より低光沢で観察され、星の模様が区分けして視認できた。
(実施例2)
本実施例2は、基材(1´−1)を挟んで、第一の印刷領域(2´−1)と表裏同じ箇所に設けられた第二の背景領域(3´a)と第二の情報領域(3´b)から成る第二の印刷領域(3´)を形成した潜像印刷物(A2´)の一例である。
本実施例2の潜像印刷物(A2´)は、図9(a)に示すように、光透過性を有する基材(1´−1)の表面全体に第一の印刷領域(2´−1)を印刷し、他方の面全体に第二の印刷領域(3´)を印刷した潜像印刷物(A2´)を形成した。図9(b)に示すように、基材(1´−1)上に合成模様(4´)を有している。図9(c)に示すように、合成模様(4´)は、一方の面に背景部(2´a−1)と情報部(2´b−1)から成る第一の印刷領域(2´−1)を形成した。他方の面には、基材(1´−1)を挟んで、第一の印刷領域(2´−1)と表裏同じ箇所に第二の背景領域(3´a)と第二の情報領域(3´b)から成る第二の印刷領域(3´)を形成した。
基材(1´−1)は、平滑度291sec(測定方法:JIS P8119:1998「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」、測定機:株式会社東洋精機製作所製 デジベック平滑度試験機「DB−2型」)、坪量104g/mである市販の白色の両面コート紙(富士ゼロックス社製 JDコート104)を用いた。潜像印刷物(A2´)の第一の印刷領域(2´−1)は、白色トナー(Quick Art社製)を使用し、カラーレーザプリンタ(RICOH社製 IPSiO SP C230L)によりベタ刷りの第一の背景領域(2´a−1)と基材を露出(白抜き)した「星形」の第一の情報領域(2´b−1)を形成した。
第二の印刷領域(3´)は、基材(1´−1)を挟んで、第一の印刷領域(2´−1)と表裏同じ箇所に、カラーレーザプリンタ(RICOH社製 IPSiO SP C230L)によりベタ刷りの第二の背景領域(3´a)と基材を露出(白抜き)した「丸形」の第二の情報領域(3´b)から成る第二の印刷領域(3´)を形成した。
次に、デジタル光沢度計micro−TRI−gloss(BYK Gardner社製)を使用し、第一の印刷領域(2´−1)と第二の印刷領域(3´)の60度光沢度を測定した。第一の印刷領域(2´−1)の第一の背景領域(2´a−1)の60度光沢度は、3.7%であり、基材を露出(白抜き)した第一の情報領域(2´b−1)の60度光沢度は、22.3%であった。第二の印刷領域(3´)の第二の背景領域(3´a)の60度光沢度は、3.7%であり、基材を露出(白抜き)した第二の情報領域(3´b)の60度光沢度は、22.3%であった。
図10は、本実施例2における潜像印刷物(A2´)を観察した場合の効果を表したものである。本実施例2で形成した潜像印刷物(A2´)を、第一の印刷領域(2´−1)を形成した面から「拡散反射光下」で観察した場合は、第一の背景領域(2´a−1)と第一の情報領域(2´b−1)は等色であるため、区分けして確認することができなかった。正反射光下で観察した場合は、第一の情報領域(2´b−1)は高光沢で観察され、第一の背景領域(2´a−1)は第一の情報領域(2´b−1)より低光沢で観察され、「星型」の模様が区分けして視認できた。
図11は、本実施例2における潜像印刷物(A2´)を、第二の印刷領域(3´)を形成した面から、反射光下で観察した場合の効果を表したものである。本実施例2で形成した潜像印刷物(A2´)を、第二の印刷領域(3´)を形成した面から「拡散反射光下」で観察した場合は、第二の背景領域(3´a)と第二の情報領域(3´b)は等色であるため、区分けして確認することができなかった。正反射光下で観察した場合は、第二の情報領域(3´b)は高光沢で観察され、第二の背景領域(3´a)は第二の情報領域(3´b)より低光沢で観察され、丸の模様が区分けして視認できた。
また、図12に示すように、透過光下で観察した場合は、第一の情報領域(2´b−1)と第二の情報領域(3´b)が合成された合成模様(4´)が視認されるが、第一の情報領域(2´b−1)と第二の情報領域(3´b)が重なる部分(共通領域)は、基材が表裏で露出した部分になるので、合成模様(4´)の他の部分よりも明るく視認された。
A1、A1´、A2、A2´ 潜像印刷物
1、1´、1−1、1´−1 基材
2、2´、2−1、2´−1 第一の印刷領域
2a、2´a、2´−1、2´a−1 第一の背景領域
2b、2´b、2´−1、2´b−1 第一の情報領域
3、3´ 第二の印刷領域
3a、3´a 第二の背景領域
3b、3´b 第二の情報領域
4、4´ 合成模様
5 情報
9 光源
10 観察者の視点

Claims (3)

  1. 第一の光沢度を有する基材上の少なくとも一部に、第一の印刷領域を有し、
    前記第一の印刷領域は、前記基材と等色、かつ、前記第一の光沢度より光沢度が低い第二の光沢度を有する第一の背景領域と、前記第一の背景領域に囲まれて前記基材表面が露出して形成された第一の情報領域から成り、前記第一の光沢度と前記第二の光沢度の差が、60度光沢度(JIS 8741)において10%以上であって、
    拡散反射光下で観察した場合は、前記第一の背景領域と前記第一の情報領域は等色のため、区分けして視認することができず、正反射光下により観察した場合は、前記第一の背景領域と前記第一の情報領域の光沢度が異なるため反射光量に差異が生じ、前記第一の背景領域と前記第一の情報領域が区分され、前記第一の情報領域が潜像として視認されることを特徴とする潜像印刷物。
  2. 前記基材が光透過性を有する場合に、前記基材の一方の面に形成された前記第一の印刷領域と、前記基材の他方の面に、前記第一の印刷領域と表裏同じ箇所に設けられた第二の印刷領域を有し、
    前記第二の印刷領域は、前記基材と等色、かつ、前記第二の光沢度を有する第二の背景領域と、前記第二の背景領域に囲まれて前記基材表面が露出して形成された第二の情報領域から成り、
    前記第一の情報領域と前記第二の情報領域により合成模様が形成され、
    さらに、透過光下で観察した場合には、前記合成模様のみが視認されることを特徴とする請求項1記載の潜像印刷物。
  3. 前記第一の光沢度が、60度光沢度(JIS 8741)において15%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の潜像印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111311815A (zh) * 2020-03-16 2020-06-19 深圳怡化电脑股份有限公司 冠字号码的识别方法、装置、服务器及存储介质

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