JP2017054774A - 導通遮断装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の構成によれば、切断部材は、係止機構により、変形機構による分離片の変形が完了した位置に係止させられる。そのため、分離片の両切断端は、同分離片における両切断端間のうち、少なくとも同切断端に隣接する箇所よりも切断部材の移動方向前方に位置し続ける。被切断部のうち、分離片の切断端と、本体部の切断端との距離が、分離片の変形後も維持される。この場合には、分離片の切断端と本体部の切断端との距離が安定し、アークを減衰する効果が安定する。
以下、車両用の導通遮断装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
導電体20は、蓄電池12及びコンバータ14の間を導通させる導通経路を構成するものであり、バスバーとも呼ばれる。導電体20は、電気伝導率の高い金属材料によって形成されている。こうした金属材料としては、銅が代表的であるが、その他の材料、例えば真鍮、アルミニウム等が用いられてもよい。導電体20の両端部は、外部接続部20a,20bを構成している。これらの外部接続部20a,20bは、蓄電池12及びコンバータ14に接続される箇所である。すなわち、各外部接続部20a,20bには、貫通孔21があけられている。そして、上記貫通孔21を利用してねじ等によって、外部接続部20a,20bのうちの一方が、蓄電池12に導通する端子に接続されるとともに、他方が、コンバータ14に導通する端子に接続される。このようにして、導電体20が外部接続部20a,20bにおいて、電気回路11の上記端子にそれぞれ接続されることにより、蓄電池12及びコンバータ14の間が導電体20を通じて導通される。
図1及び図3に示すように、ケース30は、電気絶縁性を有し、かつ強度の高い材料、例えば樹脂材料によって形成されており、その内部には、上記導電体20を配置するための配置部31が形成されている。配置部31において、被切断部22の厚み方向の一方(後述する切断部材50の移動方向前側)の壁面は、同厚み方向に直交する配置面31aとなっている。
図1に示すように、ケース30内において、上記被切断部22の厚み方向であって、同被切断部22を挟んで消弧室32の反対側(図1の下側)には可動室41が形成されている。可動室41は、被切断部22の厚み方向に沿って延びる略円筒状をなしている。可動室41の内壁面の複数箇所には、上記厚み方向に沿って延びるガイド溝42が形成されている。
ガス発生器45は、導通遮断装置Cの駆動源として用いられている。ガス発生器45は、被切断部22の厚み方向であって、同被切断部22を挟んで消弧室32の反対側において、自身の一部を可動室41に露出させた状態でケース30内に配設されている。ガス発生器45は電子制御ユニット18に接続されており、同電子制御ユニット18からの作動信号に応じて内蔵の火薬を着火及び燃焼させてガスを発生させる。
図1、図4及び図5に示すように、切断部材50は、被切断部22をその長さ方向に互いに離間した2箇所で切断するためのものであり、電気絶縁性を有し、かつ強度が高い材料、例えば樹脂材料を用いて形成されている。切断部材50は、可動室41内のうち被切断部22とガス発生器45との間に配設されている。切断部材50は、被切断部22の厚み方向に沿って延びる略円柱状の基部51と、基部51から消弧室32側へ突出する刃部52とを備えている。基部51の外壁面の複数箇所には、被切断部22の厚み方向に沿って延びるガイド突部53が設けられている。基部51は、ガイド突部53において、可動室41のガイド溝42に対し、消弧室32側へ移動可能に係合されている。
さらに、第1実施形態では、切断部材50を、分離片23の変形が完了した位置に係止するための係止機構70が設けられている。
図2に示す車両10の衝突が衝突センサ17によって検知されないときには、電子制御ユニット18からガス発生器45に対し作動信号が出力されず、同ガス発生器45からガスが発生されない。このとき、図1及び図3に示すように、切断部材50は、消弧室32からガス発生器45側へ後退している。そのため、被切断部22は切断されず、蓄電池12及びコンバータ14の間は導電体20を介して導通された状態となる。
(1)第1実施形態では、被切断部22をその長さ方向に互いに離間した2箇所で切断することで、同被切断部22に分離片23と本体部24とを形成し、分離片23の切断端23a,23bと本体部24の切断端24a,24bとの間で生ずるアークを消弧室32で減衰されるタイプの導通遮断装置Cを対象としている(図6)。
そのため、分離片23を、規制部61との接触部分である中央部23cを支点(屈曲点)とし、被切断部22の長さ方向における上記接触部分の両側部分が消弧室32の内奥部側へ入り込むように屈曲させることができ、同分離片23を、上記(2)の条件を満たす形状に変形させることができる。
そのため、変形機構60による分離片23の変形後も、分離片23の切断端23a,23bと、本体部24の切断端24a,24bとの距離を長くした状態を維持し、アーク減衰効果を高い状態に維持することができる。
次に、車両用の導通遮断装置に具体化した第2実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。
第2実施形態では、ガス発生器45からのガスの圧力を受けた切断部材50は、消弧室32へ向けて移動する。被切断部22が、被係合部82から同被切断部22の長さ方向の両側に離間した2箇所で切断される。これらの切断により、被切断部22に分離片23と本体部24とが形成される。
(7)規制部61及び凹部62により変形させられた分離片23を同規制部61に接触させられた状態に保持する第1保持機構80が設けられている(図8)。
次に、車両用の導通遮断装置に具体化した第3実施形態について、図9〜図11を参照して説明する。
第3実施形態では、ガス発生器45からのガスの圧力を受けた切断部材50は、消弧室32へ向けて移動する。固定刃37及び可動刃57により、被切断部22が2箇所で切断される。図10に示すように、被切断部22に、分離片23と本体部24とが形成される。
(9)規制部61及び凹部62によって変形させられた分離片23を、その凹部62の内壁面(傾斜面63)に接触させられた状態に保持する第2保持機構90がさらに設けられている(図11)。
そのため、変形させられた分離片23が凹部62から抜け出すのを一対の規制片91によって規制することで、分離片23を凹部62の内壁面(傾斜面63)に接触させられた状態に保持することができ、上記(9)の効果を得ることができる。
<可動刃57について>
・上記各実施形態では、一対の可動刃57が切断部材50の移動方向における同一の箇所に形成されたが、互いに異なる箇所に形成されてもよい。表現を変えると、一方の可動刃57が他方の可動刃57よりもガス発生器45に近い又は遠い箇所に形成されてもよい。このようにすると、被切断部22が2回にわたって、すなわち、タイミングをずらして、2箇所で切断されることとなる。そのため、被切断部22を1度に2箇所切断する場合と比べて、1回の切断に要する力が少なくてすむ。
・規制部61の形状が、上記各実施形態とは異なる形状に変更されてもよい。図12はその一例を示している。この変形例では、規制部61が、刃部52における凹部62に対応した形状、すなわち、被切断部22の長さ方向における寸法がガス発生器45に近づくに従い小さくなる形状(断面倒立三角形状)に形成されている。
なお、この変形例に、第2実施形態における第1保持機構80(係合突部81、被係合部82)が適用されてもよい。
・第2実施形態において、係合突部81が圧入される被係合部82は、被切断部22を厚み方向に貫通する孔に代えて、消弧室32側の面において開口する凹部によって構成されてもよい。
・第2実施形態においても、他の実施形態と同様に係止機構70が採用されてもよい。
・刃部52における一対の第2外側壁面55の一方のみが、両第2外側壁面55の間隔が切断部材50の移動方向の前側ほど狭くなるように、同方向に対し傾斜させられてもよい。
・第2実施形態と第3実施形態とが組合わせられて実施されてもよい。この変形例では、第1保持機構80(係合突部81、被係合部82)と、第2保持機構90(規制片91)とがともに実施される。
Claims (9)
- 電気回路を構成する機器間に介在され、かつ一部に長尺板状の被切断部を有する導電体と、
前記被切断部の厚み方向の一方に形成され、かつ一対の固定刃を有する消弧室と、
前記厚み方向であって、前記被切断部を挟んで前記消弧室の反対側に配設されたガス発生器と、
前記被切断部及び前記ガス発生器の間に配設され、同ガス発生器で発生されたガスにより前記消弧室に向けて移動させられる部材であり、前記固定刃と協働して前記被切断部を切断する一対の可動刃を有する切断部材と
を備え、前記被切断部には、2箇所での切断により分離された分離片と、分離されず残った本体部とが形成され、前記分離片の切断端と前記本体部の切断端との間で生ずるアークが前記消弧室で減衰される導通遮断装置であって、
前記切断部材により前記消弧室内に押し込まれた前記分離片を、同分離片の両切断端が、同分離片における両切断端間のうち、少なくとも同切断端に隣接する箇所よりも前記切断部材の移動方向前方に位置するように変形させる変形機構が設けられている導通遮断装置。 - 前記変形機構は、前記分離片を、同分離片の両切断端が前記ガス発生器から最も遠い箇所に位置し、かつ両切断端間の中央部が同ガス発生器に最も近い箇所に位置するように屈曲させるものである請求項1に記載の導通遮断装置。
- 前記変形機構は、
前記消弧室内であって前記被切断部の長さ方向における少なくとも中央部に設けられて、前記分離片の同方向における少なくとも中央部の前記消弧室内への移動を規制する規制部と、
前記切断部材の移動方向前側の外端壁面で開口し、かつ前記ガス発生器に向けて凹み、前記切断部材の移動に伴い前記規制部が入り込む凹部と
を備える請求項2に記載の導通遮断装置。 - 前記規制部及び前記凹部により変形させられた前記分離片を同規制部に接触させられた状態に保持する第1保持機構がさらに設けられている請求項3に記載の導通遮断装置。
- 前記第1保持機構は、前記規制部から前記ガス発生器側へ突出する係合突部と、前記被切断部のうち前記分離片となる予定の箇所に形成され、かつ前記係合突部が圧入される被係合部とを備える請求項4に記載の導通遮断装置。
- 前記規制部及び前記凹部により変形させられた前記分離片を、前記凹部の内壁面に接触させられた状態に保持する第2保持機構がさらに設けられている請求項3〜5のいずれか1項に記載の導通遮断装置。
- 前記第2保持機構は、前記切断部材であって、前記被切断部の長さ方向両側から前記凹部を挟む箇所に設けられて、前記分離片が前記凹部から抜け出すのを規制する一対の規制片を備える請求項6に記載の導通遮断装置。
- 前記切断部材を、前記変形機構による前記分離片の変形が完了した位置に係止する係止機構がさらに設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の導通遮断装置。
- 前記切断部材は、両可動刃を有し、かつ同切断部材の移動に伴い前記消弧室内に入り込むことで前記被切断部を切断する刃部を備えており、
前記消弧室の内側壁面のうち、前記被切断部の幅方向に対向する一対の内側壁面が互いに平行となり、かつ前記刃部の外側壁面のうち、前記幅方向に対向する一対の外側壁面の間隔が前記移動方向の前側ほど狭くなるように、前記消弧室及び前記刃部が形成されることで、前記係止機構が構成されている請求項8に記載の導通遮断装置。
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