JP2014067618A - 電気回路の遮断装置 - Google Patents

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祥宜 中村
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Abstract

【課題】切断刃でバスバーを切断しようとする際の受容室内に向けた同バスバーのずれや伸びを抑制する。
【解決手段】バスバー1の切断時には、切断刃4の刃部4aがバスバー1に当たった状態で受容室6の開口部6aとすれ違う方向に移動しようとして、バスバー1における上記刃部4aと上記開口部6aとの間に位置する部分に剪断力が働き、同剪断力が働く際にバスバー1が受容室内に向けて引っ張られる。しかし、切断刃4が設けられたブロック5における受容室6の開口部6a周りに対応する部分であって刃部4a寄りの部分が、ブロック5によりハウジング2に対し拘束されているため、バスバー1における上記拘束がなされる部分が受容室6内に向けてずれることは抑制される。また、バスバー1における上記拘束がなされる部分と刃部4aが当たる部分との間の距離が短いため、その部分が受容室6内に向けて伸びにくくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気回路の遮断装置に関する。
各種の電気回路が設けられる自動車等においては、異常時に電気回路への通電が行われないようにするため、上記異常時に電気回路を構成するバスバーを切断する遮断装置が搭載される(特許文献1、2参照)。こうした遮断装置では、ハウジングに上記バスバーが延設されており、同ハウジングにおける上記バスバーの厚さ方向一方側に受容室が形成されるとともに同厚さ方向の他方側に切断刃が設けられる。そして、上記切断刃を受容室に向けて移動させると、その切断刃がバスバーに当たった状態で上記受容室の開口部とすれ違う方向に移動しようとして、バスバーにおける上記切断刃と上記受容室の開口部との間に位置する部分に剪断力が働き、その剪断力によってバスバーが切断される。
特許第4228063号公報 特許第4344255号公報
ところで、遮断装置において、切断刃によりバスバーを切断する際には、同バスバーにおける上記切断刃と上記受容室の開口部との間に位置する部分に働く上記剪断力により、バスバーが受容室内に引き込まれる方向にずれたり伸びたりするおそれがある。そして、このようにバスバーが受容室内に引き込まれる方向にずれたり伸びたりすると、切断刃の受容室内への移動によるバスバーの良好な切断を実現することが困難になる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、切断刃でバスバーを切断しようとする際の受容室内に向けた同バスバーのずれや伸びを抑制することができる電気回路の遮断装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、ハウジングに形成された収容部内に電気回路を構成するバスバーが延設されており、前記ハウジングにおける前記バスバーの厚さ方向一方側に受容室を形成するとともに同厚さ方向の他方側に切断刃を設け、前記切断刃を前記受容室に向けて移動させ、その際に前記切断刃と前記受容室の開口部との間に働く剪断力により、前記バスバーを切断する電気回路の遮断装置において、前記収容部内には、前記バスバーにおける前記受容室の開口部周りに対応する部分であって前記切断刃寄りの部分を前記ハウジングに対し拘束するブロックが設けられていることを要旨とした。
上記構成によれば、ハウジングの収容部内に延設されたバスバーを切断すべく切断刃を受容室内に向けて移動させると、その切断刃がバスバーに当たった状態で受容室の開口部とすれ違う方向に移動しようとする。その結果、バスバーにおける上記切断刃と上記受容室の開口部との間に位置する部分に剪断力が働き、同剪断力が働く際にバスバーが受容室内に向けて引っ張られる。しかし、バスバーにおける受容室の開口部周りに対応する部分であって切断刃寄りの部分は、収容部内に設けられたブロックによってハウジングに対し拘束されているため、バスバーにおける上記拘束された部分が受容室内に向けてずれることは抑制される。そして、バスバーにおける上記ブロックによってハウジングに対し拘束された部分が受容室に向けてずれにくくなる分、切断刃の受容室内への移動に伴うバスバーの良好な切断を実現しやすくなる。また、バスバーにおける上記ブロックによってハウジングに対し拘束された部分と切断刃が当たる部分との間の距離、すなわちバスバーが受容室側に引っ張られたときに伸びる部分の距離が短いため、その部分が受容室内に向けて伸びにくくなる。そして、バスバーにおける上記部分が受容室内に向けて伸びにくくなる分、切断刃の受容室内への移動に伴うバスバーの良好な切断を実現しやすくなる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記ブロックは、前記バスバーにおける前記受容室の開口部周りに対応する部分のうち、前記切断刃寄りの部分に対し前記開口部を挟んだ反対側の部分も、前記ハウジングに対し拘束することを要旨とした。
上記構成によれば、切断時のバスバーが受容室内に向けて引っ張られるとしても、バスバーにおける受容室の開口部周りに対応する部分のうち切断刃寄りの部分、及び、その部分に対し上記開口部を挟んだ反対側の部分であって、ブロックによりハウジングに対し拘束された部分では、バスバーが受容室内に向けてずれることは抑制される。そして、それらバスバーにおける上記拘束がなされる部分が受容室に向けてずれにくくなる分、切断刃の受容室内への移動に伴うバスバーの良好な切断をより一層実現しやすくなる。また、上述したようにバスバーが受容室側に引っ張られたときに伸びる部分は、バスバーにおける上記拘束がなされる部分同士の間という短い部分となるため、同部分が受容室内に向けて伸びることが一層生じにくくなる。そして、バスバーにおける上記部分が受容室内に向けて伸びにくくなる分、切断刃の受容室内への移動に伴うバスバーの良好な切断を実現しやすくなる。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記ブロックは、そのブロック及び前記バスバーのうちの一方に形成された突起を他方に形成された嵌め込み部に嵌め込むことにより、前記バスバーに対し位置決めされることを要旨とした。
上記構成によれば、ブロック及びバスバーの一方に形成された突起を他方に形成された嵌め込み部に嵌め込むことにより、ブロックがバスバーに対し位置決めされるため、同ブロックのバスバーに対するずれを抑制して両者の相対位置を適切なものとすることができる。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、前記ブロックは、二つの分割体で前記バスバーを挟み込んだ状態のもと、それら分割体を互いに結合することにより、前記突起の前記嵌め込み部への嵌め込みを実現するものであることを要旨とした。
上記構成によれば、ブロックを形成すべく二つの分割体でバスバーを挟んだ状態で両分割体を互いに結合するとき、突起が嵌め込み部に嵌め込まれるため、その嵌め込みによるブロックのバスバーに対する位置決めを容易に行うことができる。
請求項5記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記ブロックは、樹脂製であって、インサート成形により前記バスバーに接触する部分全体が同バスバーに対し固着されていることを要旨とした。
上記構成によれば、ブロックをバスバーに対し固着させることにより、そのブロックによってバスバーをハウジングに対し拘束するとき、その拘束をより的確に行うことができる。
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記ブロックは、前記切断刃が一体形成されており、且つ、前記ハウジングに対し位置決めされるものであり、前記ブロックの前記ハウジングに対する位置決めは、前記ブロック及び前記ハウジングの一方に形成された突起と他方に形成された凹所に嵌め込むことによって実現されることを要旨とした。
上記構成によれば、切断刃が一体形成されたブロックのハウジングに対する位置決めが突起を凹所に嵌め込むことによって実現され、その位置決めにより切断刃と受容室の開口部とのクリアランスを適切な値に設定することができる。
本発明によれば、切断刃でバスバーを切断しようとする際の受容室内に向けた同バスバーのずれや伸びを抑制することができる。
本発明の遮断装置全体を示す断面図。 同遮断装置のブロックをバスバーに固定する構造を示す斜視図。 ブロック及びバスバーにおける切断刃周りの構造を示す略図。
以下、本発明を電気回路の遮断装置に具体化した一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示す遮断装置においては、電気回路を構成するバスバー1がハウジング2に形成された収容部3内に延設されている。上記バスバー1は、銅などの電気伝導率の高い材料によって薄板状に形成されており、ハウジング2の収容部3内で直線状に延びている。また、収容部3はバスバー1と同方向に延びており、収容部3におけるバスバー1の厚さ方向の距離は固定値となっている。このバスバー1における厚さ方向一方側の面には樹脂製のブロック5が取り付けられている。このようにブロック5をバスバー1に取り付けた状態で、それらバスバー1及びブロック5を収容部3内に押し込むことにより、ブロック5がバスバー1の厚さ方向に弾性変形し、上記ブロック5の弾性によってハウジング2に対しバスバー1がその厚さ方向に押し付けられる。その結果、バスバー1がブロック5によってハウジング2に対し拘束される。
ハウジング2には、収容部3におけるブロック5側の部分と繋がってバスバー1の厚さ方向に延びる穴7が形成されるとともに、収容部3におけるバスバー1側の部分であって上記穴7に対応する位置にて開口する受容室6が形成されている。ブロック5における穴7に対応する部分には切断刃4が設けられている。この切断刃4は、ブロック5と一体に形成されており、弾性変形を通じてバスバー1の厚さ方向に移動可能となっている。そして、ハウジング2において、バスバー1の厚さ方向の一方側(図中上側)には上記受容室6が位置し、バスバー1の厚さ方向の他方側には上記切断刃4が位置している。
上記穴7内はバスバー1の厚さ方向に移動可能なハンマ8によって区画されており、そのハンマ8によって区画された二つの部分のうちバスバー1から離れた方の部分には内蔵された火薬を着火燃焼させて燃焼ガスを発生させるガス発生器9が設けられている。そして、ガス発生器9にて燃焼ガスを発生させると、それに伴う穴7内の圧力上昇によってハンマ8がバスバー1側に移動し、更に同ハンマ8によって切断刃4がバスバー1側に押される。切断刃4が上記ハンマ8に押されてバスバー1に接近する方向に移動すると、その切断刃4に形成された刃部4aがバスバー1に当たった状態のもとで同刃部4aによるバスバー1の切断が行われる。
バスバー1は、上述したようにブロック5によってハウジング2に対し拘束されるため、バスバー1における受容室6の開口部周りに対応する部分であって切断刃4寄りの部分、及び、その部分に対し上記開口部を挟んだ反対側の部分もブロック5によりハウジング2に対し拘束される。また、ブロック5は、受容室6の開口部6a周りに対応する部分のうち、切断刃4の刃部4a寄りの部分においてバスバー1に対し位置決めされるとともに、その切断刃4の刃部4a寄りの部分に対し上記開口部6aを挟んだ反対側の部分においてもバスバー1に対し位置決めされている。以下、このようにブロック5をバスバー1に対して位置決めする構造について詳しく説明する。
図2に示すように、ブロック5は、バスバー1と同方向に延びる形状とされている。ブロック5において、バスバー1の延びる方向についての切断刃4の両側には、それぞれ突起10a,10bが形成されている。これらの突起10a,10bは、バスバー1側に突出するとともにバスバー1の幅方向に長くなる形状を有している。ブロック5における幅方向(バスバー1の幅方向に対応)の両縁にはそれぞれ、バスバー1に向かって突出し且つバスバー1と同方向に延びる突条11,12が形成されている。これら突条11,12の互いに対向する面であって突起10aよりも切断刃4から離れる位置には、互いに対向するように突出した突起13がそれぞれ形成されている。また、突条11,12の互いに対向する面であって突起10bよりも切断刃4から離れる位置には、互いに対向するように突出した突起14がそれぞれ形成されている。
一方、バスバー1には、その延びる方向に所定の距離をおいて長孔15a,15bが形成されている。これら長孔15a,15bは、バスバー1を厚さ方向に貫通した状態となっており、ブロック5の突起10a,10bを嵌め込むことが可能な嵌め込み部となっている。なお、長孔15aは突起10aに対応した位置に形成される一方、長孔15bは突起10bに対応した位置に形成されている。また、バスバー1の幅方向の両側部にはそれぞれ、ブロック5の突条11,12に形成された突起13、14を嵌め込むことが可能な嵌め込み部として窪み16,17が形成されている。そして、ブロック5の突起10a,10bをバスバーの長孔15a,15bに嵌め込むとともに、ブロック5の突起13,14をバスバー1の窪み16,17に嵌め込むことにより、ブロック5がバスバー1に対し上述したように位置決めされる。
なお、バスバー1における各長孔15a,15bの間であって、バスバー1に対し位置決めされたブロック5の切断刃4(刃部4a)に対応する部分は、同切断刃4による切断を行いやすくすることを意図して、他の部分よりも小さい幅となるように形成されている。
上述したようにバスバー1に対し位置決めされたブロック5は、図1に示すハウジング2の収容部3内に押し込まれたとき、バスバー1をハウジング2に対し拘束するとともに、次のようにハウジング2に対するバスバー1の延びる方向についての位置決めを行う。すなわち、バスバー1の長孔15a,15bに嵌め込まれたブロック5の突起10a,10bが、それら長孔15a,15bを貫通した状態となり、ハウジング2の受容室6の横で収容部3に開口するように形成された凹所18a,18bにそれぞれ嵌め込まれる。このように突起10a,10bが凹所18a,18bに嵌め込まれることにより、ブロック5がハウジング2に対しバスバー1の延びる方向について位置決めされる。
次に、このように構成された遮断装置の作用について説明する。
遮断装置においては、異常時に電気回路への通電が行われないようにするため、その電気回路を構成するバスバー1を切断する。詳しくは、同装置のガス発生器9にて燃焼ガスを発生させ、それに伴う穴7内の圧力上昇によってハンマ8をバスバー1側に移動させる。このようにハンマ8を移動させると、同ハンマ8により切断刃4もバスバー1側に押される。そして、図3に示されるように、切断刃4に形成された刃部4aがバスバー1に当たった状態で受容室6の開口部6aとすれ違う方向に移動しようとして、バスバー1における上記切断刃4の刃部4aと上記受容室6の開口部6aとの間(図中のクリアランスC)に位置する部分に剪断力が働き、その剪断力によってバスバー1が切断される。
ここで、切断刃4の刃部4aがバスバー1に当たった状態で受容室6の開口部6aとすれ違う方向に移動しようとして、バスバー1における上記切断刃4の刃部4aと上記受容室6の開口部6aとの間(クリアランスC)に位置する部分に剪断力が働くと、その際にバスバー1が受容室6内に向けて引っ張られる。
しかし、バスバー1における切断刃4の刃部4a寄りの部分、及び、その部分に対し上記開口部6aを挟んだ反対側の部分がブロック5によりハウジング2に対し拘束されている。このため、バスバー1における上記拘束がなされる部分が受容室6内に向けてずれることは抑制される。そして、バスバー1における上記拘束がなされる部分が受容室6に向けてずれにくくなる分、切断刃4の受容室6内への移動に伴うバスバー1の良好な切断を実現しやすくなる。
また、ブロック5によるバスバー1の上記拘束により、同バスバー1における上記拘束がなされる部分と切断刃4の刃部4aが当たる部分との間の距離、すなわちバスバー1が受容室6側に引っ張られたときに伸びる部分の距離が短くてすむ。言い換えれば、上述したようにバスバー1が受容室6側に引っ張られたときに伸びる部分が、バスバー1における上記拘束がなされる部分同士の間という短い部分(図中の距離La,Lbに対応する部分)となる。このため、バスバー1における距離Laに対応する部分及び距離Lbに対応する部分が受容室6内に向けて伸びにくくなり、その伸びにくくなる分だけ切断刃4の受容室6内への移動に伴うバスバー1の良好な切断を実現しやすくなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)切断刃4によるバスバー1の切断時には、切断刃4の刃部4aがバスバー1に当たった状態で受容室6の開口部6aとすれ違う方向に移動しようとして、バスバー1における上記切断刃4の刃部4aと上記受容室6の開口部6aとの間に位置する部分に剪断力が働き、同剪断力が働く際にバスバー1が受容室内に向けて引っ張られる。しかし、バスバー1における受容室6の開口部6a周りに対応する部分であって切断刃4の刃部4a寄りの部分(突起10b)が、ブロック5によりハウジング2に対し拘束されているため、バスバー1における上記拘束がなされる部分が受容室6内に向けてずれることは抑制される。そして、バスバー1における上記拘束がなされる部分が受容室6に向けてずれにくくなる分、切断刃4の受容室6内への移動に伴うバスバー1の良好な切断を実現しやすくなる。また、バスバー1における上記拘束がなされる部分と切断刃4の刃部4aが当たる部分との間の距離Lb、すなわちバスバー1が受容室6側に引っ張られたときに伸びる部分の距離が短いため、その部分が受容室6内に向けて伸びにくくなる。そして、バスバー1における上記部分が受容室6内に向けて伸びにくくなる分、切断刃4の受容室6内への移動に伴うバスバー1の良好な切断を実現しやすくなる。
(2)バスバー1における受容室6の開口部6a周りに対応する部分であって、切断刃4の刃部4a寄りの部分に対し上記開口部6aを挟んだ反対側の部分も、ブロック5によりハウジング2に対し拘束されている。このため、切断時のバスバー1が受容室6内に向けて引っ張られる際、バスバー1における受容室6の開口部6a周りに対応する部分のうち、切断刃4の刃部4a寄りの部分だけでなく、その部分に対し上記開口部6aを挟んだ反対側の部分でも、受容室6内に向けてずれることは抑制される。そして、それらバスバー1における上記拘束がなされる部分が受容室6に向けてずれにくくなる分、切断刃4の受容室6内への移動に伴うバスバー1の良好な切断をより一層実現しやすくなる。また、上述したようにバスバー1が受容室6側に引っ張られたときに伸びる部分は、バスバー1における上記拘束がなされる部分同士の間という短い部分(距離La,Lbに対応する部分)となるため、同部分が受容室6内に向けて伸びることが一層生じにくくなる。そして、バスバー1における上記部分が受容室6内に向けて伸びにくくなる分、切断刃4の受容室6内への移動に伴うバスバー1の良好な切断を実現しやすくなる。
(3)ブロック5に形成された突起10a,10bをバスバー1に形成された長孔15a,15bに嵌め込むことにより、ブロック5がバスバー1に対し位置決めされるため、同ブロック5のバスバー1に対するずれを抑制して両者の相対位置を適切なものとすることができる。
(4)ブロック5は、切断刃4が一体形成されており、且つ、ハウジング2に対し位置決めされるものである。そして、ブロック5のハウジング2に対する位置決めは、ブロック5に形成された突起10a,10bをハウジング2に形成された凹所18a,18bに嵌め込むことによって実現される。ここで、ブロック5のハウジング2に対する位置は、バスバー1の切断時における切断刃4の刃部4aと受容室6の開口部6aとのクリアランスCに影響を及ぼす。このため、上述したブロック5のハウジング2に対する位置決めにより上記クリアランスCを適切な値、例えばバスバー1の切断にとって最適な値に設定することができる。すなわち、こうしたクリアランスCの設定がなされるよう凹所18a,18bのバスバー1の延びる方向についての位置を定めることで、上記クリアランスCの最適値となる設定を実現することができる。
(5)ブロック5における突起10aと突起13とはバスバー1の延びる方向について互いにずれて位置しており、それに伴いバスバー1における長孔15aと窪み16とが同じくバスバー1の延びる方向に互いにずれて位置している。仮に、バスバー1における長孔15aと窪み16とがバスバー1の延びる方向について同一の位置に形成されていたとすると、その位置ではバスバー1の幅方向についての断面積が小さくなり過ぎて同バスバー1での通電に支障を来すおそれがある。しかし、長孔15aと窪み16とがバスバー1の延びる方向に互いにずれて位置しているため、バスバー1での通電に支障を来すという上記問題の発生を回避することができる。なお、ブロック5における突起10bと突起14ともバスバー1の延びる方向について互いにずれて位置しており、それに伴いバスバー1における長孔15bと窪み17とも同じくバスバー1の延びる方向に互いにずれて位置しているため、ここでもバスバー1での通電に関する上記と同様の効果が得られる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・切断刃4は、ブロック5と一体ではなく別体であってもよい。
・ブロック5は、バスバー1における受容室6の開口部周りに対応する部分であって切断刃4寄りの部分のみをハウジング2に対し拘束するものであってもよい。
・ブロック5の突起10a,10bは、バスバー1に対する位置決め用としてだけでなく、ハウジング2に対する位置決め用としても機能するが、同ハウジング2に対する位置決め用としての機能については必ずしも持たせる必要はない。例えば、ブロック5にハウジング2に対する位置決め用の突起を別に設け、その突起をハウジング2に形成された凹所に嵌め込むことにより、ブロック5をハウジング2に対し位置決めするようにしてもよい。この場合、ブロック5及びハウジング2における突起と凹所との位置関係を逆にすることも可能である。また、一つの突起と一つの凹所とを一つの組として、それら突起と凹所との組を一組だけ設けてもよいし、複数組設けてもよい。
・ブロック5の突起10a,10bとバスバー1の長孔15a,15bとの位置関係を逆としてもよい。すなわち、バスバー1側に上記突起10a,10bに対応する固定用の突起を形成する一方、ブロック5側に上記長孔15a,15bに対応する長孔を形成するようにしてもよい。
・突起10a及び長孔15aと突起10b及び長孔15bとのうち、突起10b及び長孔15bのみを設けたり、突起10b及び長孔15bのみを設けたりすることも可能である。
・ブロック5の突起13及びバスバー1の窪み16を省略したり、ブロック5の突起14及びバスバー1の窪み17を省略したりしてもよい。
・突起10a及び長孔15aを省略して突起13及び窪み16でブロック5をバスバー1に対し位置決めするようにしたり、突起10b及び長孔15bを省略して突起14及び窪み17でブロック5をバスバー1に対し位置決めするようにしたりしてもよい。これらの場合、突起13及び窪み16を図2における突起10a及び長孔15aに相当する位置に形成したり、突起14を窪み16を図2における突起10b及び長孔15bに相当する位置に形成したりすることが好ましい。
・ブロック5については、二つの分割体でバスバー1を挟み込んだ状態のもとで両分割体を互いに結合することにより形成されるものでもよい。この場合、両分割体を互いに結合したとき、ブロック5の突起10a,10bがバスバー1の長孔15a,15bに嵌め込まれるようにすることが好ましい。こうした構造を採用すれば、ブロック5を形成すべく二つの分割体でバスバー1を挟んだ状態で両分割体を互いに結合するとき、ブロック5の突起10a,10bがバスバー1の長孔15a,15bに嵌め込まれるため、その嵌め込みによるブロック5のバスバー1に対する位置決めを容易に行うことができる。なお、こうした構造を採用したときには、両分割体を互いに結合した状態のもとで上記突起10a,10bが一方の分割体を貫通し、それら貫通した部分がハウジング2の凹所18a,18bに嵌め込まれるようにすることが考えられる。
・ブロック5は、インサート成形によりバスバー1に接触する部分全体が同バスバー1に対し固着されるものであってもよい。この場合、ブロック5をバスバー1に対し固着させることにより、そのブロック5によってバスバー1をハウジング2に対し拘束するとき、その拘束をより的確に行うことができる。このため、切断時のバスバー1が受容室6内に向けて引っ張られるとしても、それによってバスバー1が伸びたりずれたりすることを抑制でき、その分だけバスバー1の適切な切断を実現しやすくなる。なお、このときの切断刃4としては、ブロック5と別体であって同ブロック5に対しインサート成形後に後付けされるものとすることが好ましい。
1…バスバー、2…ハウジング、3…収容部、4…切断刃、4a…刃部、5…ブロック、6…受容室、6a…開口部、7…穴、8…ハンマ、9…ガス発生器、10a,10b…突起、11,12…突条、13,14…突起、15a,15b…長孔、16,17…窪み、18a,18b…凹所。

Claims (6)

  1. ハウジングに形成された収容部内に電気回路を構成するバスバーが延設されており、前記ハウジングにおける前記バスバーの厚さ方向一方側に受容室を形成するとともに同厚さ方向の他方側に切断刃を設け、前記切断刃を前記受容室に向けて移動させ、その際に前記切断刃と前記受容室の開口部との間に働く剪断力により、前記バスバーを切断する電気回路の遮断装置において、
    前記収容部内には、前記バスバーにおける前記受容室の開口部周りに対応する部分であって前記切断刃寄りの部分を前記ハウジングに対し拘束するブロックが設けられている
    ことを特徴とする電気回路の遮断装置。
  2. 前記ブロックは、前記バスバーにおける前記受容室の開口部周りに対応する部分のうち、前記切断刃寄りの部分に対し前記開口部を挟んだ反対側の部分も、前記ハウジングに対し拘束する
    請求項1記載の電気回路の遮断装置。
  3. 前記ブロックは、そのブロック及び前記バスバーのうちの一方に形成された突起を他方に形成された嵌め込み部に嵌め込むことにより、前記バスバーに対し位置決めされる
    請求項1又は2記載の電気回路の遮断装置。
  4. 前記ブロックは、二つの分割体で前記バスバーを挟み込んだ状態のもと、それら分割体を互いに結合することにより、前記突起の前記嵌め込み部への嵌め込みを実現するものである
    請求項3記載の電気回路の遮断装置。
  5. 前記ブロックは、樹脂製であって、インサート成形により前記バスバーに接触する部分全体が同バスバーに対し固着されている
    請求項1又は2記載の電気回路の遮断装置。
  6. 前記ブロックは、前記切断刃が一体形成されており、且つ、前記ハウジングに対し位置決めされるものであり、
    前記ブロックの前記ハウジングに対する位置決めは、前記ブロック及び前記ハウジングのうちの一方に形成された突起を他方に形成された凹所に嵌め込むことによって実現される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気回路の遮断装置。
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