JP2017053553A - 冷凍空調装置 - Google Patents

Abstract

【課題】送風機を上部に持つ冷凍空調装置の室外機において、架台設置状態においても脚部剛性を十分高めつつコスト抑制できる冷凍空調装置の室外機を提供する。【解決手段】上記課題を解決する手段として、筐体内に熱交換器を備え筐体上部に送風機を配した冷凍空調装置の室外機であって、筐体は、側面を覆う側面カバーと、底面を覆う底ベースと、底ベースの下部に設けられる脚部とを有し、脚部は、脚部下面端面が上方に折り曲げられている立ち上げ部を有する構成とする。これにより、同じ素材使用量に対して断面２次モーメントを増大できるため、コストを増さずに剛性向上効果を得ることができる。【選択図】図６Ａ

Description

本発明は、冷凍空調装置の室外機における強度・剛性改善に関するものである。

一般にビル用空調機器や小型冷凍機などの冷凍空調装置には、上部に送風機を配した上吹き型のやや大型な室外機が用いられる。

この形態の冷凍空調装置の室外機の背景技術として、例えば、特開２００７−３０９６３２号公報（特許文献１）がある。特許文献１には、底ベースと、この底ベースの上部に配置された熱交換器と、底ベースに対向して配置されたシュラウドと、このシュラウドに囲われるように配置されたプロペラファンとプロペラファンを駆動するモータを有する送風機とを備えた空気調和機の室外機が開示されている。

このような形態の室外機はビル屋上にて架台上に設置される場合が多い。この際、架台と室外機底ベースを締結する室外機脚部構造の背景技術として、例えば、特開２００７−３０３７８９号公報（特許文献２）がある。特許文献２には、室外機脚部として、横荷重に対する強度に関し、取付け脚の剛性を高めることを課題とし、底板に固定された上面板状部と、上面板状部に対向して設けられ設置面に固定される下面板状部と、下面板状部の内側縁部と対向する上面板状部の内側縁部とを連結する立ち上がり板状部で構成され、立ち上がり板状部は、上面板状部に連結された垂直板状部と、垂直板状部の下端から互いに遠ざかる方向に延在させて下面板状部に連結された傾斜板状部からなる取付け脚が開示されている。

特開２００７−３０９６３２号公報 特開２００７−３０３７８９号公報

上記特許文献１に記載の上吹き型の空気調和装置室外機では、熱交換器や主要冷凍機器を搭載する底ベースがあり、その底ベース下部に脚部があるが、脚部と架台の接触部位が少ない場合、脚部剛性が不足し、振動・騒音などにも影響を与え、見栄え面でも問題を生ずる。

また、特許文献２は、横荷重に対する取付け脚の剛性を高めることを開示しているが、室外機脚部は架台との接触部位が少なく、自重にてたわみが生じ見栄えが悪くなるという問題を生ずる点や、変形し易い為、振動・騒音が大きくなり得るという問題について考慮されていない。また、この改善の為に無闇に補強部材を追加した場合、筐体素材の使用量が増えコストアップの要因となる。よって素材使用量を抑えつつ剛性を高めることでコスト抑制する技術が求められている。また、熱交換器付近に補強部材がある場合、通風阻害要因となる為好ましくない。

本発明は、上記課題を鑑みて、コストアップ要因や通風阻害要因を抑えつつ、室外機の振動、騒音、信頼性を確保する為、既存部品の一部に強度部材としての機能を高め強度・剛性を高めることが可能な冷凍空調装置の室外機を提供することを目的とする。

本発明は、上記の課題を達成するために、その一例を挙げるならば、筐体内に熱交換器を備え筐体上部に送風機を配した冷凍空調装置の室外機であって、筐体は、側面を覆う側面カバーと、底面を覆う底ベースと、底ベースの下部に設けられる脚部とを有し、脚部は、脚部下面端面が上方に折り曲げられている立ち上げ部を有する構成とする。

本発明によれば、同じ素材使用量に対して断面２次モーメントを増大できるため、コストを増さずに脚部の剛性向上効果を得ることができる。

実施例１における空気調和装置の室外機の外観図である。 実施例１における室外機の内部構造図である。 実施例１における室外機の設置状態を説明するための図である。 従来の室外機の脚部を示す斜視図である。 図４の拡大図である。 実施例１における室外機脚部の斜視図である。 実施例１における室外機脚部の正面図である。 図６Ｂの部分断面図及び側面図である。 実施例２における室外機脚部の斜視図である。 実施例２における室外機脚部の正面図である。 図７Ｂの部分断面図及び側面図である。

本発明の実施例について以下、図面を用いて説明する。

本実施例の冷凍空調装置の室外機は、架台設置時の剛性確保を実現するものである。本実施例を明確にする為、まず、最初に、一般的な室外機の基本配置を示し構造を解説する。

図１は、冷凍空調装置の１つである空気調和装置の室外機の外観図である。室外機の筐体である室外機筐体２は、メンテナンス用のメンテナンスパネル１a、１bを有し、図示しない側面を覆う側面カバーと、底面を覆う底ベース９と、底ベース９の下部に設けられる脚部１０とを有している。側面カバーには、筐体の左右、背面など複数個所に空気吸い込み口が存在し、送風機３を上部に配し、上方から空気を吹き出す構造となっている。したがって、空気の流れは、図中の矢印で示すようになる。

このような室外機は、図２に示すような内部構造となっている。図２において、室外機筐体２は、熱交換器１５や圧縮機などの機器を有する機械室１２や図示しない冷凍サイクル機器を搭載するための底ベース９を有している。底ベース９の下部空間には、冷媒配管や電気配線、ドレンホースを取回すための空間を有することが好ましく、通常、底ベース９が直接地面と接触しないように、室外機筐体２は、底ベース９の下部に脚部１０を有する。

脚部１０の下面全面が地面と接触し固定される場合、底ベース９と地面の間に配管類引き回しの空間を確保し、脚部１０が地面に強固に固定されるため、振動・騒音などの問題はない。しかしながら、地面に設置される場合、雨量が極端に多い場合は室外機が冠水する恐れがあり、図３に示すように室外機筐体２をコンクリート製の架台８を介して底上げした状態で室外機が設置される場合が多い。この際、脚部１０は、架台８への固定部としてボルト締結点１０ａを有し、ボルトにより架台８への固定を行う。したがって、４か所程度のボルト締結点１０ａ付近のみで架台８と接触し、脚部中央がたわみやすい状況となる。

図４は従来の脚部を示す斜視図であって、室外機の自重による力Ｆを受けて、脚部１０では脚部下面端部１０ｃが１０ｄに示すような変形を生じる。

図５に図４の１０ｇ部分の拡大図を示す。図４に示した変形を抑える為に、図５に示すように、脚部下面端部１０ｃを１０ｅのようにヘミング加工（折り返し加工）し、底面板厚を２倍とし剛性を確保することも可能であるが、それでもなお、変形し易く剛性が不十分な場合がある。しかしながら、単純に脚部下部を増厚したり、追加部材を付加した場合、コストアップにつながる。

本実施例は、上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、架台設置時においても十分な剛性を確保しつつ、コスト抑制できる脚部を実現することである。

本実施例では、脚部を図６Ａに示す構造とし、脚部１０下面の端部中央付近に立ち上げ部１０ｂを設け、ボルト締結点１０ａ周辺のみ立ち上げを小さくする構造とする。こうすることで、端部立ち上げ効果により、脚部の断面二次モーメントが大きくなるため、架台設置時のたわみを効果的に抑制できる。また端部をヘミング加工する場合と比べ、同じ素材使用量に対して断面２次モーメントを増大できるため、コストを増やさずにたわみの抑制効果を得る。

本実施例における室外機脚部構造図の詳細について図６Ａ、図６Ｂ、図６Ｃを用いて説明する。

図６Ａは、本実施例における室外機脚部の斜視図である。図６Ａにおいて、脚部は、脚部下面端面１０ｃが上方に折り曲げられている立ち上げ部１０ｂを有している。また、立ち上げ部１０ｂの高さは、固定部間での中央部が最も高く、固定部の位置では低く形成される。すなわち、立ち上げ部１０ｂは、脚部１０の２つのボルト締結点１０ａ間の中間部に対してボルト締結点１０ａ周辺の立ち上げ高さを小さくする構造とする。図６Ｂは図６Ａの正面図であり、図６Ｃは、図６ＢでのＡ−Ａ点、Ｂ−Ｂ点での断面図及びＣ方向から見た側面図である。図６Ｃに示すように、ボルト締結点１０ａ間の中央部の立ち上げ部１０ｂの高さはＨであるのに対し、ボルト締結点１０ａ周辺のＢ−Ｂ点での立ち上げ高さはＨＬとなり、Ｈ＞ＨＬの関係となる。この理由は、ボルト締結点１０ａでのボルト締結作業を行う際に、工具での締め付け作業を行うが、ボルト締結点１０ａで中央部の立ち上げ部１０ｂと同様の立ち上げ高さがあると、立ち上げ部が締め付け作業時に邪魔になり作業性が悪くなるため、ボルト締結点１０ａ周辺の立ち上げ高さを小さくしている。１０ａ周辺の立ち上げ高さは、例えば、ボルト締結に用いるワッシャーの厚さとすればよい。なお、立ち上げ部１０ｂにより、その高さ方向で断面二次モーメントの大きさが効いてくるため、架台設置時のたわみを効果的に抑制できるが、ボルト締結点１０ａでは、架台８と接触しているので、ボルト締結点１０ａ近傍のたわみは少なく、ボルト締結点１０ａ周辺のみ立ち上げを小さくしても、全体のたわみ抑制に影響は少ない。

本実施例の具体的な例について説明する。従来の脚部構造の図５の場合において、脚部の底面長手寸法Ｗを１２００ｍｍ、底面短軸方向の寸法Ｄ１を７０ｍｍ、折り返し寸法Ｄ２を３５ｍｍ、脚部鋼板の板厚を１．６ｍｍとし、室外機質量が３５０ｋｇの場合、１０ｄの脚部下面端部中央付近での変形は、約３ｍｍのたわみ量となる。また脚部１０の下面ではＤ1＋Ｄ２寸法の１０５ｍｍ程度の素材を使用する。これに対し、本実施例における図６Ａの脚部構造図の場合、底面長手寸法Ｗを１２００ｍｍ、底面短軸方向の寸法Ｄ１を７０ｍｍ、立ち上げ高さ寸法Ｈを２３ｍｍとし、上記同様、脚部鋼板板厚１．６ｍｍ、室外機質量３５０ｋｇの場合、同様に脚部下面端部中央付近でのたわみ量は１．８ｍｍとなり、４０％の改善効果を得る。また脚部１０のＤ１＋Ｈ寸法は、９３ｍｍ程度とすることができ、図５での計算事例のＤ１＋Ｄ２寸法の１０５ｍｍに対し、素材使用量を抑制し、コストダウンにつなげることができる。

また、図６Ａの場合は、底面短軸方向の寸法Ｄ１に対し、立ち上げ高さ寸法Ｈが、２３／７０＝約３３％となる。よって、現実的には、この立ち上げ高さ寸法比率は３０％程度あれば、ある程度の剛性改善を図りながら、素材量を抑制できる。また、一方で、図５の場合の素材量に対応するＤ1＋Ｄ２＝１０５ｍｍを基準に、素材量を減らさず同じ素材量で良い場合を考えると、Ｈ＝３５ｍｍ、Ｄ1＝７０ｍｍとなり、Ｄ１に対するＨの割合は３５／７０＝５０％となる。これにより、素材量は変わらないまま剛性を増す構成と出来る。なお、より剛性重視すると、例えば、Ｈ＝３５ｍｍ、Ｄ1＝５８ｍｍとすれば、Ｄ１に対するＨの割合は、３５／５８＝約６０％となり、素材量を抑制しながら、より剛性を確保できる。さらに立ち上げ高さ寸法比率を６０％以上とすることも可能であるが、立ち上げ高さ寸法Ｈを高くすれば素材量も増加するので素材量抑制効果を考慮すると極端に大きくできない。また底面短軸方向の寸法Ｄ１も、ボルト穴寸法と工具作業スペース等の施工上の都合からむやみに小さくすることに限界が有る。したがって、両方のバランスを考えたうえで、効果的な数値限定として、立ち上げ高さ寸法Ｈは底面短軸方向の寸法Ｄ１に対し６０％以下とすることが望ましい。

以上のように、本実施例は、筐体内に熱交換器を備え筐体上部に送風機を配した冷凍空調装置の室外機であって、筐体は、側面を覆う側面カバーと、底面を覆う底ベースと、底ベースの下部に設けられる脚部とを有し、脚部は、脚部下面端面が上方に折り曲げられている立ち上げ部を有する構成とする。

また、脚部は、架台への固定部を複数有し、立ち上げ部の高さは固定部の間の中央部が高く、固定部の位置で低く形成されている構成とする。

これにより、室外機筐体に殆ど付加部品を追加することなく、筐体の剛性・強度を改善でき、強度・剛性を改善できる。また、殆ど付加部品を要しないことから、コスト面でも優れる。すなわち、同じ素材使用量に対して断面２次モーメントを増大できるため、コストを増さずに脚部の剛性向上効果を得ることができる。

本実施例は、脚部構造の他の例について説明する。本実施例における室外機脚部構造を図７Ａ、図７Ｂ、図７Ｃに示す。

図７Ａは、本実施例における室外機脚部の斜視図である。図７Ａにおいて、脚部１０の２つのボルト締結点１０ａ間の中央部に立ち上げ部１０ｂを設ける。また、ボルト締結点１０ａ周辺は立ち上げ部１０ｂがない構造とする。すなわち、ボルト締結点１０ａ間の中央部は、脚部下面端部１０ｃを折り曲げて立ち上げ部１０ｂを形成し、ボルト締結点１０ａ周辺は、脚部下面端部１０ｃを折り曲げずにそのままの形状とする。

図７Ｂは図７Ａの正面図であり、図７ＢでのＡ−Ａ点、Ｂ−Ｂ点での断面図及びＣ方向から見た側面図を図７Ｃに示す。図７Ｃに示すように、ボルト締結点１０ａ間の中央部の立ち上げ部１０ｂの高さはＨであり、ボルト締結点１０ａ周辺のＢ−Ｂ点での立ち上げ高さは０であり、Ｄ３＋Ｈ＝Ｄ１の関係がなりたつ。すなわち、ボルト締結点１０ａ間の中央部では、脚部下面端部１０ｃの幅Ｄ１のうち、Ｈ分を折り曲げて脚部下面の幅をＤ３とし、ボルト締結点１０ａ周辺では、脚部下面の幅はＤ１のままとする。言い換えれば、脚部１０は、立ち上げ部１０ｂをボルト締結点１０ａの位置では形成しておらず、ボルト締結点１０ａ付近では、立ち上げ部１０ｂの高さ寸法Ｈと同じ寸法で水平方向に突出するＤ１-Ｄ３＝Ｈの突出部を有する。

これにより、実施例１と同じ立ち上げ部１０ｂの高さＨを得るために、折り曲げる前の脚部の素材幅寸法はＤ１でよく、実施例１ではＤ１＋Ｈで必要であったのに比べて素材使用量を抑制することができる。なお、断面二次モーメントの大きさは立ち上げ高さで効いてくるため、架台設置時のたわみの抑制効果は実施例１と変わらない。ボルト締結点１０ａ周辺は、脚部下面端部１０ｃを折り曲げずにそのままの形状とする理由は、実施例１と同様に、ボルト締結点１０ａでのボルト締め付け作業の作業性を良くするためである。

本実施例の具体的な例について説明する。図７Ａでは、脚部１０ａ近傍は折り曲げず、中央のみ脚部下面端部１０ｃの素材寸法をもって１０ｂを折り曲げた場合、より素材使用量を低減する効果を得る。具体的に、室外機質量は、前記と同じ３５０ｋｇ、脚部鋼板板厚１．６ｍｍ、長手寸法Ｗを１２００ｍｍ、Ｄ１寸法を７０ｍｍとしＨ寸法を１６ｍｍ、Ｄ３寸法は７０−１６＝５４ｍｍとした際、Ｄ３＋Ｈ寸法はＤ１と同じ７０ｍｍとなり、素材量を小さくしつつ、中央のたわみ量は２．２ｍｍとなり、従来の図５の事例より２７％の改善効果を得る。

以上のように、本実施例は、筐体内に熱交換器を備え筐体上部に送風機を配した冷凍空調装置の室外機であって、筐体は、側面を覆う側面カバーと、底面を覆う底ベースと、底ベースの下部に設けられる脚部とを有し、脚部は、脚部下面端面が上方に折り曲げられている立ち上げ部を有し、さらに、脚部は、架台への固定部を複数有し、立ち上げ部を固定部の位置では形成しておらず、固定部の位置では立ち上げ部の高さ寸法とほぼ同等の寸法で水平方向に突出する突出部を有する構成とする。これにより、より素材量を抑制しながら、剛性を確保できる脚部を提供できる。

以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。

１ａ、１b…メンテナンスパネル、２…室外機筐体、３…送風機、８…架台、９…底ベース、１０…脚部、１０ａ…ボルト締結点、１０ｂ…立ち上げ部、１０ｃ…脚部下面端部、１０ｄ…変形部、１０e…ヘミング加工、１２…機械室、１５…熱交換器

Claims (5)

1. 筐体内に熱交換器を備え筐体上部に送風機を配した冷凍空調装置の室外機であって、
   前記筐体は、側面を覆う側面カバーと、底面を覆う底ベースと、該底ベースの下部に設けられる脚部とを有し、
   前記脚部は、脚部下面端面が上方に折り曲げられている立ち上げ部を有することを特徴とする冷凍空調装置。
2. 請求項１に記載の冷凍空調装置であって、
   前記脚部は、架台への固定部を複数有し、前記立ち上げ部の高さは前記固定部の間の中央部が高く、前記固定部の位置で低く形成されていることを特徴とする冷凍空調装置。
3. 請求項１に記載の冷凍空調装置であって、
   前記脚部は前記立ち上げ部の高さ寸法が前記脚部の底面短軸方向の寸法に対し６０％以下であることを特徴とする冷凍空調装置。
4. 請求項２に記載の冷凍空調装置であって、
   前記脚部は前記中央部の高さ寸法が前記脚部の底面短軸方向の寸法に対し６０％以下であることを特徴とする冷凍空調装置。
5. 請求項１に記載の冷凍空調装置であって、
   前記脚部は、架台への固定部を複数有し、前記立ち上げ部を前記固定部の位置では形成しておらず、前記固定部の位置では前記立ち上げ部の高さ寸法とほぼ同等の寸法で水平方向に突出する突出部を有することを特徴とする冷凍空調装置。

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