JP2017053550A - セラミックヒータおよびグロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミックヒータ作製時に、電極部近傍に空隙が生じることを抑制する。【解決手段】セラミックを含有する基体と、基体の内部に埋設され、セラミックを含有する抵抗体であって、互いに平行に延在された2つのリード部と、2つのリード部における一方の端部同士を連結する連結部と、2つのリード部のうちの少なくとも一方のリード部と一体形成され、リード部の軸線方向と交わる方向に延在する電極部であって、リード部に接続されている基端部と、基体の外表面に露出している先端部と、基端部と先端部との間に配置されて基端部と先端部とを接続する接続部と、を有する電極部と、を有する抵抗体と、を備えるセラミックヒータであって、基端部と先端部と接続部とのうちの少なくとも1つの電極部の延在方向と直交する仮想面による断面の形状は、流線形である。【選択図】図3

Description

本発明は、セラミックヒータおよびセラミックヒータを備えるグロープラグに関する。
従来から、内燃機関における点火補助に用いられるグロープラグとして、絶縁性セラミックからなる基体内部に導電性セラミックからなる抵抗体が配置されたセラミックヒータを備えたグロープラグが用いられている。抵抗体は、棒状の2つのリード部と、各リード部の端部を接合する略U字形状の連結部と、各リード部から基体の外表面に向けて突出して配置された電極部とを有し、電極部を介して通電することにより発熱する。上記セラミックヒータに用いられる抵抗体および基体は、いずれもセラミックおよびバインダ(樹脂等の結合剤)を含む材料により作製される。例えば、特許文献1に記載のように、セラミックおよびバインダを含む材料粉末を射出成形することによって後工程において抵抗体となる中間成形体を成形し、かかる中間成形体に対して脱脂および焼成を行なうことにより、抵抗体が作製される。
特開2007−240080号公報
未焼成の抵抗体を金型内に載置し、金型内にセラミック等の材料を射出することにより、未焼成の抵抗体を包むように未焼成の基体を形成する場合、各リード部の電極部近傍において、材料が行き渡らない部分が生じ得る。このような部分は、その後の脱脂および焼成工程を経て得られたセラミックヒータの完成品において空隙として現れる。このような空隙が存在すると、かかる空隙を起点として割れが生じてセラミックヒータが損傷するという問題があった。
このような問題は、射出成形に限らず、粉末状の材料を圧縮する粉末プレス成形や、シート状の材料を積層するシート積層成形や、鋳込み成形など、基体を形成可能な任意の成形方法を利用してセラミックヒータが作製される場合に共通する問題であった。また、グロープラグに限らず、着火用のヒータ装置や、各種センサに用いられるセラミックヒータに共通する問題であった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、セラミックを含有する基体と;前記基体の内部に埋設され、セラミックを含有する抵抗体であって、互いに平行に延在された2つのリード部と、前記2つのリード部における一方の端部同士を連結する連結部と、前記2つのリード部のうちの少なくとも一方のリード部と一体形成され、該リード部の軸線方向と交わる方向に延在する電極部であって、該リード部に接続されている基端部と、前記基体の外表面に露出している先端部と、前記基端部と前記先端部との間に配置されて前記基端部と前記先端部とを接続する接続部と、を有する電極部と、を有する抵抗体と;を備えるセラミックヒータが提供される。このセラミックヒータは、前記基端部と、前記先端部と、前記接続部と、のうちの少なくとも1つの、前記電極部の延在方向と直交する仮想面による断面の形状は、流線形であることを特徴とする。この形態のセラミックヒータによれば、基端部と先端部と接続部とのうちの少なくとも1つの、電極部の延在方向と直交する仮想面による断面の形状が流線形であるので、セラミックヒータの作製の際に、成形材料を電極部の近傍の領域に十分に行き渡らせることができ、かかる領域における空隙の発生を抑制できる。
(2)上記形態のセラミックヒータにおいて、前記断面の形状は、長手方向と前記長手方向と直交する短手方向とを有する細長形状であって、前記長手方向の両端部がいずれも曲線で構成され、該両端部のうちの一端部の曲率半径が他端部の曲率半径に比べて大きい形状であることを特徴としてもよい。この形態のセラミックヒータによれば、セラミックヒータの作製の際に、一端部から他端部に向かう方向にセラミックヒータの成形材料を滑らかに移動させて、電極部の近傍の領域に行き渡らせることができる。
(3)上記形態のセラミックヒータにおいて、前記断面の形状は、長手方向と前記長手方向と直交する短手方向とを有する細長形状であって、前記長手方向の長さが最大となる位置での前記長手方向の第1線分と、前記短手方向の長さが最大となる位置での前記短手方向の第2線分と、の交点である第1交点と;前記断面において前記短手方向の線分の中心を通る前記長手方向の第3線分と、前記断面において前記長手方向の線分の中心を通る前記短手方向の第4線分と、の交点である第2交点と;が互いに異なることを特徴としてもよい。この形態のセラミックヒータによれば、第1の交点と第2の交点とが異なっているので、セラミックヒータの作製の際に、第1の交点および第2の交点のうちの第1の交点により近い位置から成形材料が供給される場合に、成形材料の流れのより上流側において、すなわち、成形材料の流れの勢いがより大きな状態で、短手方向の長さが最大となる部分を越えることができる。したがって、第2の交点側(成形材料の流れの下流側)に成形材料を十分に行き渡らせることができる。
(4)上記形態のセラミックヒータにおいて、前記基端部における前記断面である第1断面と、前記接続部における前記断面である第2断面と、前記先端部における前記断面である第3断面と、のうち、前記第1断面の面積が最も大きく、前記第2断面の面積が第2番目に大きく、前記第3断面の面積が第3番目に大きいことを特徴としてもよい。この形態のセラミックヒータによれば、第1断面の面積が最も大きく、第2断面の面積が第2番目に大きく、第3断面の面積が第3番目に大きいので、セラミックヒータの作製の際に、セラミックヒータの成形材料が回りこみ難い基体の外表面に近い部位である先端部の近傍に、成形材料を容易に回り込ませることができる。
(5)上記形態のセラミックヒータにおいて、前記接続部において、前記仮想面による断面の面積は、前記延在方向に沿って前記基端部から前記先端部に向かうにつれて小さくなることを特徴としてもよい。この形態のセラミックヒータによれば、接続部において、仮想面による断面の面積は、延在方向に沿って基端部から先端部に向かうにつれて小さくなるので、セラミックヒータの作製の際に、セラミックヒータの成形材料が回りこみ難い基端部の近傍に、成形材料をより容易に回り込ませることができる。
(6)上記形態のセラミックヒータにおいて、前記基端部における前記断面である第1断面の重心と前記先端部における前記断面である第3断面の重心とは、前記延在方向に見て互いにずれていることを特徴としてもよい。この形態のセラミックヒータによれば、第1断面の重心と第3断面の重心とが延在方向に見て互いにずれているので、電極部の側面(延在方向に伸びる面)を比較的なだらかに構成できる。このため、セラミックヒータの作製の際に、かかる側面に沿って成形材料を移動させ易くでき、電極部近傍に成形材料を十分に行き渡らせることができる。
(7)上記形態のセラミックヒータにおいて、前記第3断面の重心は、前記延在方向に見て、前記第1断面の重心に比べて前記連結部から遠いことを特徴としてもよい。この形態のセラミックヒータによれば、セラミックヒータの作製の際に、延在方向に見て第3断面の重心に近い位置から成形材料が供給される場合に、電極部の側面のうち、延在方向に見て第1断面の重心に近い側における成形材料の移動を容易にし、かかる側に成形材料を十分に行き渡らせることができる。
本発明は、セラミックヒータ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、グロープラグ、セラミックヒータの製造方法、グロープラグの製造方法、セラミックヒータ用の抵抗体、およびその抵抗体の製造方法、セラミックヒータ用の基体、およびその基体の製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのセラミックヒータを適用したグロープラグの構成を示す説明図である。 図1に示すヒータを中心としたグロープラグの部分拡大断面図である。 電極部27の詳細構成を示す説明図である。 延在方向と直交する仮想面による基端部271の断面を示す説明図である。 グロープラグ100の製造手順を示すフローチャートである。 ステップS120の処理内容を模式的に示す説明図である。 ステップS125の処理内容を模式的に示す説明図である。 電極対応部327の近傍における成形材料の流れを模式的に示す説明図である。 変形例1における電極部の断面形状を示す説明図である。 変形例2における電極部を示す説明図である。
A.実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本発明の一実施形態としてのセラミックヒータを適用したグロープラグの構成を示す説明図である。グロープラグ100は、棒状の外観形状を有し、主体金具2と、中軸3と、絶縁部材5と、絶縁部材6と、かしめ部材8と、外筒7と、ヒータ4と、電極リング18と、リード線19とを備えている。なお、図1では、グロープラグ100の中心軸C1と平行にX軸が設定されている。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する。以下では、グロープラグ100において中心軸C1に沿ってヒータ4が設けられている側(−X方向側)を、「先端側」と呼び、中心軸C1に沿って中軸3が配置されている側(+X方向側)を、「後端側」と呼ぶ。
主体金具2は、軸孔9を備えた略円筒状の外観形状を有する金属製の部材である。主体金具2の外周面において、後端に工具係合部12が、中央部分に雄ねじ部11が、それぞれ形成されている。工具係合部12は、所定の工具と係合可能な外観形状(例えば、断面六角形状)を有しており、グロープラグ100が図示しないエンジンのシリンダヘッド等に取り付けられる際に、所定の工具と係合される。雄ねじ部11は、グロープラグ100を図示しないエンジンのシリンダヘッドに取り付けるために用いられる。
中軸3は、金属製の丸棒状の部材であり、後端側の一部が主体金具2の後端から突出するように、主体金具2の軸孔9に収容されている。中軸3は、他の部分に比べて径が小さい小径部17を先端に備えている。小径部17には、金属製のリード線19の一端が接合されており、かかるリード線19を介して電極リング18と電気的に接続されている。
絶縁部材5は、中軸3を囲むリング状の外観を有し、主体金具2の軸孔9に配置されている。絶縁部材5は、主体金具2の中心軸及び中軸3の中心軸がいずれもグロープラグ100の中心軸C1と一致するように中軸3を固定する。また、絶縁部材5は、主体金具2と中軸3との間を電気的に絶縁すると共に両者の間を気密封止する。絶縁部材6は、筒状部13及びフランジ部14を備えている。筒状部13は、絶縁部材5と同様に、リング状の外観形状を有し、軸孔9の後端において中軸3を囲んで配置されている。フランジ部14は、筒状部13の外周径よりも大きな径を有するリング状の外観形状を有し、筒状部13よりも中軸3の後端側において中軸3を囲んで配置され、主体金具2と中軸3との間、および主体金具2とかしめ部材8との間を電気的に絶縁する。
かしめ部材8は、略円筒状の外観形状を有し、フランジ部14と接した状態で、主体金具2の後端から突出した中軸3を囲むようにかしめられている。このようにかしめ部材8がかしめられることにより、中軸3と主体金具2との間に嵌合された絶縁部材6が固定され、中軸3からの絶縁部材6の抜けが防止される。
外筒7は、軸孔10を有する略筒状の外観形状の金属製部材であり、主体金具2の先端に接合されている。外筒7の後端側には、厚肉部15及び係合部16が形成されている。係合部16は、厚肉部15よりも後端側に配置され、その外周径が厚肉部15の外周径よりも小さい。外筒7は、係合部16が主体金具2の軸孔9に嵌められ、厚肉部15が主体金具2の先端に接するように配置されている。外筒7は、ヒータ4の中心軸がグロープラグ100の中心軸C1と一致するように、軸孔10においてヒータ4を保持する。
ヒータ4は、先端が曲面である円柱状の外観形状を有し、外筒7の軸孔10に嵌め込まれている。ヒータ4の先端側の一部は、外筒7から突出して図示しない燃焼室内に露出される。ヒータ4の後端側の一部は、外筒7から突出して主体金具2の軸孔9に収容されている。ヒータ4の詳細構成については後述する。ヒータ4は、セラミック系材料により形成された、いわゆるセラミックヒータである。電極リング18は、金属製の部材であり、ヒータ4の後端に嵌め込まれている。電極リング18には、前述のリード線19の一端が接続されている。
図2は、図1に示すヒータを中心としたグロープラグの部分拡大断面図である。なお、図2において図1と同じ構成部には、同じ符号を付して説明を省略する。図2に示すように、ヒータ4は、基体21及び抵抗体22を備えている。基体21は、絶縁性セラミックから成り、先端が曲面である略円柱状の外観形状を有し、内部に抵抗体22が埋設されている。基体21は、表面に開口する2つの孔を備えており、これら2つの孔において、抵抗体22が有する後述の2つの電極部を収容する。
抵抗体22は、導電性セラミックにより形成されている。本実施形態の導電性セラミックは、絶縁材料として窒化珪素を主成分とし、導電性材料としてタングステンカーバイトを含有した導電性セラミック材料を焼成等して得られる。その結果、抵抗体22は、56体積%以上且つ70体積%以下の窒化珪素と、20体積%以上且つ35体積%以下のタングステンカーバイドとを含有する。抵抗体22は、連結部32と一対のリード部31a,31bとを備えている。連結部32は、U字状の外観形状を有し、2つのリード部31a,31bの−X方向の端部同士を接合する。連結部32は通電により発熱する部位である。連結部32の湾曲部分に電流を集中させることによって高温を実現させるために、かかる湾曲部分の径は、連結部32における他の部分の径や、各リード部31a,31bの径よりも小さい。
一対のリード部31a,31bは、それぞれ導電性セラミックからなる棒状の部材であり、基体21内部に配置されている。一対のリード部31a,31bは、互いに長手方向が平行となるように、また、それぞれの中心軸(軸線)C11,C12がグロープラグ100の中心軸C1と平行となるように配置されている。また、一対のリード部31a,31bは、3つの中心軸C1,C11,C12が、1つの仮想平面上に位置するように配置されている。一方のリード部31aの後端寄りの位置には、電極部27が配置されている。電極部27は、リード部31aと一体に形成され、自身の一端がリード部31aに連なり、他端が外周方向に位置するように延在している。この延在方向は、図2に示すように、Y軸と平行な方向であり、中心軸C11と交わる方向である。電極部27において、リード部31aと連なる側とは反対側の端部は、基体21の外表面に露出して電極リング18の内周面に接している。このようにして、電極リング18とリード部31aとが電気的に接続される。また、他方のリード部31bの後端寄りの位置にも、電極部28が外周方向に向けて延在されている。電極部28において、リード部31bと連なる側とは反対側の端部は、基体21の外表面に露出して外筒7の内周面に接している。このようにして、外筒7とリード部31bとが電気的に接続される。一対のリード部31a,31bは、いずれも連結部32に連なり、連結部32に電流を導く。したがって、電極リング18にリード線19を介して電気的に接続された中軸3と、外筒7に係合し電気的に接続された主体金具2とは、グロープラグ100において、連結部32に通電するための電極(陽極及び陰極)として機能する。
図3は、電極部27の詳細構成を示す説明図である。図3(a)は、−Y方向に見た抵抗体22の側面図である。図3(b)は、3つの中心軸C1,C11,C12を通る仮想面によるリード部31aの断面において、電極部27近傍部分を拡大して示す部分拡大断面図である。図3(c)は、図3(a)に示す電極部27を拡大して示す部分拡大図である。
図3に示すように、電極部27は、延在方向と直交する仮想面による断面が流線形である柱状の外観形状を有する。図3(b)に示すように、電極部27は、延在方向(Y軸方向)に沿って区分される3つの部位により構成されている。具体的には、電極部27は、基端部271と、先端部273と、接続部272とを有する。基端部271は、電極部27において最も−Y方向に位置し、リード部31aに接続されている(換言すると、リード部31aと連なっている)。先端部273は、電極部27において最も+Y方向に位置し、基体21の外表面に露出している。接続部272は、基端部271と先端部273との間に配置されて基端部271と先端部273とを接続する。本実施形態では、基端部271は、電極部27を延在方向に十等分したうちの最内周に位置する部位を意味する。また、先端部273は、電極部27を延在方向に十等分したうちの最外周に位置する部位を意味する。接続部272は、電極部27を延在方向に十等分したうちの最内周の部位及び最外周の部位の除いた他の部位を意味する。なお、十等分に限らず任意の数で電極部27を延在方向に等分した場合において、最内周の部位を基端部271とし、最外周の部位を先端部273とし、その他の部位を接続部272としてもよい。
本実施形態では、電極部27は、基端部271、接続部272、および先端部273のいずれの部位においても、また、各部位における延在方向に沿ったいずれの位置においても、延在方向と直交する仮想面による断面の形状は、流線形である。
また、本実施形態では、延在方向と直交する仮想面による電極部27の断面の面積は、リード部31aと連なる部分(接続部分)が最も大きく、電極部27の延在方向に沿って基体21の外表面に向かうにつれて小さくなる。したがって、基端部271の断面積と、接続部272の断面積と、先端部273の断面積とのうち、基端部271の断面積が最も大きく、接続部272の断面積が第2番目に大きく、先端部273の断面積が第3番目に大きい。ここで、上述の「基端部271の断面積」とは、基端部271における延在方向の中点を通り、且つ、リード部31a(中心軸C11)と平行で延在方向と直交する仮想面で切断した断面(以下、「第1断面」とも呼ぶ)の面積を意味する。同様に、上述の「接続部272の断面積」とは、接続部272における延在方向の中点を通り、且つ、リード部31a(中心軸C11)と平行で延在方向と直交する仮想面で切断した断面(以下、「第2断面」とも呼ぶ)の面積を意味する。また、上述の「先端部273の断面積」とは、先端部273における延在方向の中点を通り、且つ、リード部31a(中心軸C11)と平行で延在方向と直交する仮想面で切断した断面(以下、「第3断面」とも呼ぶ)の面積を意味する。
また、本実施形態では、図3(b)に示すように、基端部271の重心g1と、接続部272の重心g2と、先端部273の重心g3とは、直線状に並んでおり、延在方向に見て互いにずれている。より具体的には、重心g1は、延在方向に見て重心g2よりも−X方向にずれている。換言すると、重心g2は、延在方向に見て重心g1よりも連結部32から遠い。また、重心g2は、延在方向に見て重心g3よりも−X方向にずれている。換言すると、重心g3は、延在方向に見て重心g2よりも連結部32から遠い。また、重心g1は、延在方向に見て重心g3よりも−X方向にずれている。換言すると、重心g3は、延在方向に見て重心g1よりも連結部32から遠い。このような構成により、電極部27の−X方向側の側面(斜面)は、図3(b)に示すように、電極部27の−X方向側の側面(斜面)に比べてなだらかに形成されている。なお、上述の「基端部271の重心g1」とは、上述の第1断面における重心を意味する。同様に、上述の「接続部272の重心g2」とは上述の第2断面における重心を、上述の「先端部273の重心g3」とは上述の第3断面における重心を、それぞれ意味する。
図4は、延在方向と直交する仮想面による基端部271の断面を示す説明図である。この断面S1の形状は、X軸と平行な長手方向と、長手方向と直交する短手方向とを有する細長形状である。また、断面S1の形状は、いわゆるオーバル形状ともいえる。断面S1の長手方向の両方の端部271a,271bは、いずれも曲線で構成され、一方の端部271aの曲率半径が、他方の端部271bの曲率半径に比べて大きい。図4には、断面S1において長手方向の長さが最大となる位置での長手方向の線分(以下、「第1線分」と呼ぶ)C71と、断面S1において短手方向の長さが最大となる位置での短手方向の線分(以下、「第2線分」と呼ぶ)C72との交点p1を示している。なお、本実施形態では、第1線分C71は、断面S1において短手方向の線分(長手方向における任意の位置の短手方向の線分)の中心を通る長手方向の線分(以下、「第3線分」と呼ぶ)C73と一致している。また、図4には、断面S1において長手方向の線分(短手方向における任意の位置の長手方向の線分)の中心を通る短手方向の線分(以下、「第4線分」と呼ぶ)C74と、上述の第3線分C73との交点p2を示している。本実施形態では、上述の2つの交点p1,p2は、互いに異なっている。図4では、延在方向に沿った任意の位置での基端部271の断面S1を示しているが、接続部272および先端部273においても、それぞれ任意の位置の断面の形状は、図4に示す断面S1の形状と略相似である。なお、上記交点p1は、請求項における第1交点の下位概念に相当する。交点p2は、請求項における第2交点の下位概念に相当する。
このように、本実施形態のヒータ4では、電極部27の延在方向と直交する仮想面による電極部27の断面の形状は流線形であるため、後述するヒータ作製において、基体21の材料を射出成形する際に、電極部27の近傍(より正確には、焼成前における電極部27に相当する部位の近傍)における材料の流れを滑らかにし、電極部27の近傍において材料をまんべんなく配置できる。なお、電極部28の構成は、図2に示すように、上述の電極部27の構成と中心軸C1を含むX−Z平面を中心として面対称の構成を有しており、その詳細な構成は、電極部27の構成と同様である。したがって、電極部28の近傍(より正確には、焼成前における電極部28に相当する部位の近傍)における材料の流れを滑らかにし、電極部28の近傍において材料をまんべんなく配置できる。
A2.グロープラグの製造:
図5は、グロープラグ100の製造手順を示すフローチャートである。まず、抵抗体22の成形材料が作製され(ステップS105)、基体21の成形材料が作製される(ステップS110)。本実施形態において、抵抗体22の成形材料は、絶縁性セラミック及びタングステンカーバイドを主成分とする粉状体であり、例えば、絶縁性セラミック原料およびタングステンカーバイド等のセラミック原料を混合粉砕し、この混合物とバインダ等とをニーダー(混練機)を用いて混練し、その後ペレット化することによって造粒して作製することができる。本実施形態では、絶縁性セラミック原料として窒化珪素を用いるが、窒化珪素に代えて、又は、窒化珪素に加えて、サイアロンなどを用いることもできる。また、本実施形態では、バインダは、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン等のバインダや可塑剤、ワックス及び分散剤等を、1種又は2種以上を混合して用いることができる。本実施態様において、基体21の成形材料は、絶縁性セラミックを主成分とする粉状体であり、例えば、絶縁性セラミック原料を混合粉砕し、この混合物とバインダ等をニーダーを用いて混練し、その後ペレット化することによって造粒して作製することができる。セラミック原料およびバインダの種類としては、抵抗体22の成形材料と同様な種類を用いてもよい。
抵抗体22の中間成形体を、ステップS105で得られた成形材料を用いて射出成形にて作製する(ステップS115)。本実施形態において、「抵抗体22の中間成形体」とは、後述する脱脂や焼成等の加熱工程を経て抵抗体22となる部材を意味する。
ステップS115で得られた抵抗体22の中間成形体の片面側に、半割り状の基体21の中間成形体を成形する(ステップS120)。抵抗体22の中間成形体の他方の面側に、基体21の中間成形体の残部を形成して、ヒータ4の中間成形体を得る(ステップS125)。ステップS120,S125では、いずれもステップS110で得られた成形材料を用いた射出成形により実行される。
図6は、ステップS120の処理内容を模式的に示す説明図である。図7は、ステップS125の処理内容を模式的に示す説明図である。ステップS120では、まず、抵抗体22の中間成形体300を下金型400に形成されたキャビティ420内に配置し、中間成形体300の上半分を覆うように上金型500を配置する。抵抗体22の中間成形体300は、抵抗体22とほぼ相似形の外観形状を有する。すなわち、リード部31aに対応するリード対応部310と、リード部31bに対応するリード対応部311と、発熱部32に対応する発熱対応部332と、2つの電極部27,28に対応する2つの電極対応部327,328とを備えている。また、中間成形体300は、後端連結部350を備えている。後端連結部350は、中間成形体300において、発熱対応部332とは反対側において、2つのリード対応部310,311の端部同士を連結する。後端連結部350は、2つのリード対応部310,311の相対的な位置がずれることを抑制して、中間成形体300の取扱いを容易にするために設けられている。
下金型400に形成されたキャビティ420は、抵抗体22の中間成形体300の下半分が収容可能な形状に形成されている。上金型500は、下金型400との合わせ面側が開口した中空の直方体状の外観形状を有する。上金型500の長手方向の一方の端面S500には、成形材料を上金型500の内部に充填するための射出孔が設けられている。上述のように中間成形体300、下金型400、および上金型500を配置した後、上金型500内にステップS110で得られた成形材料を射出して、半割り状の基体21の中間成形体を、抵抗体22の中間成形体の片側面側(図6における上方面側)に成形する。このようにして、図7に示す中間成形体700が得られる。
ステップS125では、ステップS120で得られた中間成形体700を上下反転させて図7に示す姿勢とし、新たな下金型600に形成されたキャビティ620内に配置する。次に、中間成形体700の上半分を覆うように上金型500を配置する。下金型600に形成されたキャビティ620は、中間成形体700における基体の中間成形体の部分がちょうど収容可能な形状に形成されている。上金型500は、図6に示す上金型500と同じである。上述のように中間成形体700、下金型600、および上金型500を配置した後、上金型500内にステップS110で得られた成形材料を射出して、中間成形体700の上半分に基体21の中間成形体の残部を形成する。このようにして、ヒータ4の中間成形体が得られる。本実施形態において、「ヒータ4の中間成形体」とは、後述する脱脂、焼成、研磨および切断等の工程を経てヒータ4となる部材を意味する。
図8は、電極対応部327の近傍における成形材料の流れを模式的に示す説明図である。図8では、ステップS125における中間成形体700を−Y方向に見た状態を示している。図8では、上金型500および下金型600は省略されている。本実施形態において、上金型500と中間成形体700との境界面750は、3つの中心軸C1,C11,C12を通る仮想平面と一致する。
上述のように、ステップS125における上金型500内への成形材料の射出は、上金型500の端面S500から行なわれるため、上金型500内において、成形材料は、かかる端面S500から反対側の面に向かう方向に流動する。図8において太い実線の矢印FLで示すように、電極対応部327の近傍において、端面S500から略−X方向に向かって流れてきた材料は、電極対応部327に到達する。ここで、電極対応部327の延在方向(+Y方向)と直交する仮想面による電極対応部327の断面形状は流線形であるので、電極対応部327に至った成形材料は、電極対応部327の側面(延在方向に延びる外表面)に沿って移動して、電極対応部327の−X方向側の領域AR1に回り込む。このため、かかる領域AR1に成形材料が充填され、空隙が生じることが抑制される。
なお、上述のステップS120,125において、射出成形に代えて、粉末状の成形材料を圧縮する粉末プレス成形により、ヒータ4の中間成形体を形成してもよい。また、射出成形、粉末プレス成形に代えて、成形材料をシート状に成形した上でかかるシート状の材料を積層するシート積層成形を用いてもよい。
図5に示すように、ステップS125においてヒータ4の中間成形体が得られると、ヒータ4の中間成形体の脱脂が実行される(ステップS130)。ヒータ4の中間成形体には、バインダが含まれているので、加熱(仮焼成)することにより、かかるバインダが取り除かれる。例えば、ヒータ4の中間形成体を、窒素雰囲気中にて800℃で60分加熱してもよい。ステップS130の後、本焼成が実行される(ステップS135)。かかる本焼成では、ステップS130のいわゆる仮焼成に比べて、高温で加熱が行なわれる。例えば、1750℃で加熱してもよい。このとき、ヒータ4の中間成形体が加圧される、いわゆるホットプレス焼成を行なってもよい。
研磨加工及び切断加工が実行される(ステップS140)。この工程では、ステップS135により得られた焼成体の外周の研磨および先端部の曲面加工が行なわれる。研磨により、電極部27,28が基体21の表面から露出する。また、切断により、ステップS135により得られた焼成体の後端部、すなわち、後端連結部350に相当する部分が取り除かれる。上述したステップS105〜S140により、ヒータ4が完成する。その後、図1に示すグロープラグ100の各構成部が組みつけられ(ステップS145)、グロープラグ100が完成する。なお、主体金具2等の各構成部の製造方法としては、公知の方法を採用できる。上述のステップS105〜S140は、ヒータ4の製造方法に相当する。
以上説明した実施形態のグロープラグ100では、電極部27,28の延在方向に沿ったいずれの位置においても、延在方向と直交する仮想面による断面の形状は流線形であるので、ヒータ作製過程におけるステップS130において基体21の成形材料を射出した際に、電極対応部327,328の近傍の領域、特に電極対応部327,328に対して成形材料の流れの下流側の領域である領域AR1に成形材料を十分に行き渡らせることができる。このため、その後の脱脂および焼成等の工程を経て得られたヒータ4の完成品において、領域AR1における空隙の発生を抑制できる。したがって、ヒータ4の完成品において、かかる空隙に起因する強度の低下を抑制できる。
また、電極部27,28の延在方向に沿ったいずれの位置においても、延在方向と直交する仮想面による断面の形状は、長手方向の両方の端部がいずれも曲線で構成され、一方の端部の曲率半径が他方の端部の曲率半径に比べて大きい形状である。このため、一方の端から他方の端に向かう方向に成形材料を滑らかに移動させることができ、領域AR1に成形材料を十分に充填できる。
また、電極部27,28の延在方向に沿ったいずれの位置においても、延在方向と直交する仮想面による断面は、第1線分と第2線分との交点p1と、第3線分と第4線分との交点p2とが、互いに異なる形状、すなわち、各交点p1、p2が一致していない形状となっている。このとき、交点p1により近い位置から形成材料が供給される場合、成形材料の流れの勢いがより大きな状態で、短手方向の長さが最大となる部位を越えることができる。したがって、電極対応部327,328に対して交点p2側、すなわち、成形材料の流れの下流側の領域である領域AR1に成形材料を十分に行き渡らせることができる。
また、電極部27の断面の面積は、リード部31aと連なる部分が最も大きく、電極部27の延在方向に沿って基体21の表面に向かうにつれて次第に小さくなる。このため、ステップS130において成形材料が回り込み難い基端部271の近傍の領域に、成形材料を容易に回り込ませることができる。
B.実施例:
上述した実施形態のヒータ4を複数製造し、それぞれについて強度の測定試験を行なった。また、比較例のヒータを複数製造し、これらについてもそれぞれ強度の測定試験を行なった。下記表1に試験結果を示す。サンプル1,3は、実施例のヒータ4に該当する。したがって、サンプル1,3における電極部27,28の断面形状(延在方向と直交する仮想面による断面の形状)は、流線形であった。サンプル1の作製の際のステップS130では、ヒータ4の中間成形体を粉末プレス成形により形成した。これに対して、サンプル3の作製の際のステップS130では、ヒータ4の中間成形体を射出成形により形成した。サンプル2,4は、比較例のヒータに該当する。サンプル2,4における電極部の断面形状は長方形であった。サンプル2の作製の際には、ヒータの中間成形体を粉末プレス成形により形成した。これに対して、サンプル4の作製の際には、ヒータの中間成形体を射出成形により形成した。本実施例では、各サンプル1〜4として、それぞれ同じ製造方法および同じ形状のヒータを10本ずつ作製した。
作製した各ヒータの強度として、電極部28の先端部が配置されている面を引っ張り面としてスパン12mmで、3点曲げ強度を測定した。表1に示す各サンプルの強度は、各サンプルを構成する10本のヒータのそれぞれについて測定した強度のうちの最低の強度を示す。また、表1では、強度の評価結果として、1000MPa以上を「○」(高評価)と示し、1000MPa未満を「×」(低評価)と示している。
Figure 2017053550
表1に示すように、比較例のサンプル2,4は、いずれも強度が920MPa以下であり、低い評価「×」であった。比較例のサンプル2,4においては、電極部の断面形状が長方形であるので、ヒータの中間成形体を形成する際に、電極対応部近傍において成形材料が充填され難い部分が生じ、かかる部分がヒータの完成品において空隙として現われたため、強度が比較的低かったものと推測される。
これに対して、実施例のサンプル1,3は、いずれも強度が1000MPa以上であり、高い評価「○」であった。実施例のサンプル1,3においては、電極部27,28の断面形状が流線形であるので、上述したとおり、ヒータ4の中間成形体を形成する際に電極対応部近傍において成形材料を十分に充填できる。このため、ヒータ4の完成品の電極部27,28の近傍において空隙の発生が抑制されたため、強度が高くなったものと推測される。
C.変形例:
C1.変形例1:
上記実施形態および実施例において、電極部27,28の断面形状は、図4に示すようなオーバル形状であったが、本発明はこれに限定されない。
図9は、変形例1における電極部の断面形状を示す説明図である。図9(a)は、変形例1における電極部の断面形状の第1の態様を示し、図9(b)は、変形例1における電極部の断面形状の第2の態様を示す。図9(a)および図9(b)では、いずれも、図4と同様に、電極部の延伸方向と直交する仮想面による電極部の断面の形状を示す。
図9(a)に示す変形例1の第1の態様では、電極部の断面S1aの形状は、長手方向がX方向に沿った、いわゆるティアドロップ形状である。断面S1aにおける長手方向の両端部の曲率半径の差は、図4に示す断面S1における両端部271a,271bの曲率半径の差よりも大きい。断面S1aでは、図4に示す断面S1と同様に、第1線分C71aと第3線分C73aとは一致している。また、第1線分C71aと第2線分C72aとの交点p1aと、第3線分C73aと第4線分C74aとの交点p2aとは、断面S1と同様に、互いに異なっている。
図9(b)に示す変形例1の第2の態様では、電極部の断面S1bの形状は、長手方向がX方向に沿った、面取りされた菱形に近似する形状である。断面S1bでは、図4に示す断面S1と同様に、第1線分C71bと第3線分C73bとは一致している。また、第2線分C72bと第4線分C74bとは一致している。したがって、第1線分C71bと第2線分C72bとの交点p1bと、第3線分C73bと第4線分C74bとの交点p2bとは、図4に示す断面S1とは異なり一致している。以上の図9(a)および図9(b)に示す断面形状を有する電極部を備えるヒータ及びグロープラグは、上記実施形態および実施例のヒータ4およびグロープラグ100と同様の効果を有する。
C2.変形例2:
上記実施形態および実施例では、電極部27の延在方向の任意の位置における断面の形状は、互いに略相似であったが、本発明はこれに限定されない。
図10は、変形例2における電極部を示す説明図である。図10では、図3(c)と同様に、−Y方向に見た抵抗体の側面における電極部を拡大して示している。
変形例2における電極部27cは、先端部273に代えて先端部273cを備える点と、接続部272に代えて接続部272cを備える点とにおいて、上記実施形態および実施例の電極部と異なる。なお、変形例2における図示しない他方の電極部も電極部27cと同様な構成を有する。変形例2におけるヒータおよびグロープラグの構成は、上述の電極部の構成を除き、実施形態および実施例のヒータ4およびグロープラグ100の構成と同様である。
変形例2では、先端部273cは円柱形の外観形状を有し、延在方向(+Y方向)に沿った任意の位置での先端部273cの断面の形状は、略真円形状である。接続部272cにおいて、先端部273cと連なる(接続する)部分の断面の形状は、略真円形状である。接続部272cにおいて、基端部271と連なる(接続する)部分の断面の形状は、実施形態と同様に流線形(オーバル形状)である。このような構成を有する電極を備える変形例2のヒータおよびグロープラグは、実施形態および実施例のヒータ4およびグロープラグ100の構成と同様の効果を有する。なお、上述した変形例2の構成において、先端部273cに代えて又は先端部273cに加えて、基端部271の断面形状を真円形状としてもよい。また、上述の変形例2の構成において、真円形状に代えて、流線形とは異なる他の任意の形状としてもよい。上述の実施形態、実施例、及び変形例1,2からも理解できるように、基端部と、先端部と、接続部と、のうちの少なくとも1つの、電極部の延在方向と直交する仮想面による断面の形状が流線形である構成を、本発明を適用することができる。ここで、「基端部と、先端部と、接続部と、のうちの少なくとも1つの、電極部の延在方向と直交する仮想面による断面」とは、上記実施形態における第1断面と、第2断面と、第3断面と、のうちの少なくとも1つを意味する。
また、上述の変形例2の構成からも理解できるように、基端部と先端部とのうちの少なくとも1つにおいて、延在方向と直交する仮想面による断面の面積が、延在方向に沿って基体21の表面に向かうにつれて次第に小さくなっていなくてもよい。変形例2では、先端部273cの断面積は延在方向に沿った任意の位置において等しかったが、これと同様に、接続部272,272cまたは基端部271においても同様に、延在方向に沿った任意の位置において断面積が等しくてもよい。また、例えば、接続部272の断面積が、接続部272の延在方向の中心位置において最も大きく、かかる中心位置から基端部271に向かうにつれて、また、先端部273に向かうにつれて、小さくなる構成としてもよい。但し、接続部272,272cについては、延在方向と直交する仮想面による断面の面積が、延在方向に沿って基体21の表面に向かうにつれて次第に小さくなっていることにより、ステップS130において成形材料を基端271側から先端部273,273c側に回り込みやすくできる。
C3.変形例3:
上記実施形態および実施例では、基端部271の重心g1と、接続部272の重心g2と、先端部273の重心g3とは、いずれも延在方向に見て互いにずれていたが、本発明は、これに限定されない。これら3つの重心g1,g2,g3のうちの2つの重心g1,g3が図3(b)と同様に延在方向に見て互いにずれており、残りの重心g2が2つの重心g1,g3のうちの一方の重心と延在方向に見て一致する構成であってもよい。すなわち、一般には、重心g3が、延在方向に見て、重心g1に比べて連結部32から遠い構成を、本発明に適用してもよい。また、延在方向に見た2つの重心g1,g3の位置関係は、反対であってもよい。具体的には、延在方向に見て重心g1が重心g3に比べて連結部32から遠い構成であってもよい。この構成においても、ステップS130における成形材料の射出方向が、上記実施形態および実施例と反対である場合には、上述した実施形態および実施例と同様な効果を奏する。すなわち、一般には、重心g1と重心g3とが、延在方向に見て互いにずれている構成を、本発明に適用してもよい。
C4.変形例4:
上記実施形態および実施例では、抵抗体22の成形材料における導電性材料は、タングステンカーバイドであったが、これに代えて、珪化モリブデンや珪化タングステン等の、任意の導電性材料を用いることができる。
C5.変形例5:
上記実施形態では、ヒータ4は、グロープラグ100に用いられるセラミックヒータであったが、グロープラグ100に代えて、バーナーの着火用のヒータ、ガスセンサの加熱用ヒータ、DPF(Diesel particulate filter)に使用されるセラミックヒータであってもよい。
C6.変形例6:
本発明は、上記実施形態、実施例および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する本実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
2…主体金具
3…中軸
4…ヒータ
5…絶縁部材
6…絶縁部材
7…外筒
8…部材
9…軸孔
10…軸孔
11…雄ねじ部
12…工具係合部
13…筒状部
14…フランジ部
15…厚肉部
16…係合部
17…小径部
18…電極リング
19…リード線
21…基体
22…抵抗体
27,27c,27d,28…電極部
31a,31b…リード部
32…連結部
100…グロープラグ
271,271d…基端部
271a…端部
271b…端部
272,272c,272d…接続部
273,273c,273d…先端部
300…中間成形体
310,311…リード対応部
327,328…電極対応部
332…発熱対応部
350…後端連結部
400…中間成形体
420…キャビティ
500…上金型
600…下金型
620…キャビティ
700…中間成形体
750…境界面
AR1…領域
C1,C11,C12…中心軸
C71,C71a,C71b…第1線分
C72,C72a,C72b…第2線分
C73,C73a,C73b…第3線分
C74,C74a,C74b…第4線分
FL…材料
S500…端面
S1,S1a,S1b…断面
g1…重心
g2…重心
g3…重心
p1,p1a,p1b…交点
p2,p2a,p2b…交点

Claims (8)

  1. セラミックを含有する基体と、
    前記基体の内部に埋設され、セラミックを含有する抵抗体であって、
    互いに平行に延在された2つのリード部と、
    前記2つのリード部における一方の端部同士を連結する連結部と、
    前記2つのリード部のうちの少なくとも一方のリード部と一体形成され、該リード部の軸線方向と交わる方向に延在する電極部であって、該リード部に接続されている基端部と、前記基体の外表面に露出している先端部と、前記基端部と前記先端部との間に配置されて前記基端部と前記先端部とを接続する接続部と、を有する電極部と、を有する抵抗体と、
    を備えるセラミックヒータであって、
    前記基端部と、前記先端部と、前記接続部と、のうちの少なくとも1つの、前記電極部の延在方向と直交する仮想面による断面の形状は、流線形であることを特徴とする、セラミックヒータ。
  2. 請求項1に記載のセラミックヒータにおいて、
    前記断面の形状は、長手方向と前記長手方向と直交する短手方向とを有する細長形状であって、前記長手方向の両端部がいずれも曲線で構成され、該両端部のうちの一端部の曲率半径が他端部の曲率半径に比べて大きい形状であることを特徴とする、セラミックヒータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセラミックヒータにおいて、
    前記断面の形状は、長手方向と前記長手方向と直交する短手方向とを有する細長形状であって、前記長手方向の長さが最大となる位置での前記長手方向の第1線分と、前記短手方向の長さが最大となる位置での前記短手方向の第2線分と、の交点である第1交点と、
    前記断面において前記短手方向の線分の中心を通る前記長手方向の第3線分と、前記断面において前記長手方向の線分の中心を通る前記短手方向の第4線分と、の交点である第2交点と、
    が互いに異なることを特徴とする、セラミックヒータ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のセラミックヒータにおいて、
    前記基端部における前記断面である第1断面と、前記接続部における前記断面である第2断面と、前記先端部における前記断面である第3断面と、のうち、前記第1断面の面積が最も大きく、前記第2断面の面積が第2番目に大きく、前記第3断面の面積が第3番目に大きいことを特徴とする、セラミックヒータ。
  5. 請求項4に記載のセラミックヒータにおいて、
    前記接続部において、前記仮想面による断面の面積は、前記延在方向に沿って前記基端部から前記先端部に向かうにつれて小さくなることを特徴とする、セラミックヒータ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のセラミックヒータにおいて、
    前記基端部における前記断面である第1断面の重心と前記先端部における前記断面である第3断面の重心とは、前記延在方向に見て互いにずれていることを特徴とする、セラミックヒータ。
  7. 請求項6に記載のセラミックヒータにおいて、
    前記第3断面の重心は、前記延在方向に見て、前記第1断面の重心に比べて前記連結部から遠いことを特徴とする、セラミックヒータ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のセラミックヒータを備えることを特徴とする、グロープラグ。
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