JP2017047685A - 光透過性導電フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】導電層のパターンが視認され難い、光透過性導電フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係る光透過性導電フィルム1は、光透過性を有し、かつ導電性を有するフィルムであって、第1の表面2aと、該第1の表面2aと対向している第2の表面2bとを有し、かつ光透過性を有する基材フィルム2と、基材フィルム2の第1の表面2a側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層3と、基材フィルム2の第2の表面2b側に配置されているハードコート層4とを備え、ハードコート層4の基材フィルム2側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率が、9GPa以上であり、ハードコート層4の基材フィルム2側とは反対側の表面を白色干渉計で観察したときに、平均段差が50nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、光透過性を有し、かつ導電性を有する光透過性導電フィルムに関する。
近年、スマートフォン、携帯電話、ノートパソコン、タブレットPC、複写機又はカーナビゲーションなどの電子機器において、タッチパネル式の液晶表示装置が、広く用いられている。このような液晶表示装置では、基材フィルム上に透明導電層が積層された光透過性導電フィルムが用いられている。上記透明導電層は、通常、熱処理されて用いられる。上記熱処理の際、基材フィルムが収縮することを防止するために、基材フィルムの表面上には、ハードコート層と呼ばれる硬化樹脂層が設けられている。
下記の特許文献1には、基材の一方側の表面にハードコート層が積層されており、他方側の表面に導電層が積層されてなる透明導電フィルムが開示されている。特許文献1では、上記ハードコート層の基材側とは反対側の表面に、防指紋性処理が施されている。特許文献1では、防指紋性処理が、ハードコート層を構成する樹脂に微粒子を添加してなる処理であることが記載されている。
また、下記の特許文献2には、透明なフィルム基材、透明導電性薄膜及びハードコート層を備える透明導電フィルムが記載されている。特許文献2には、ハードコート層が、平均粒径が200nm以下の無機酸化物粒子を含んでもよい旨が記載されている。
特許第4464449号公報 特許第5693066号公報
液晶表示装置に用いられる電極は、導電層をパターニングすることにより形成されており、導電層のある部分とない部分とで、外光による反射強度が異なる。そのため、導電層のパターンが視認されるという問題(骨見えの問題)がある。
特許文献1や特許文献2には、ハードコート層の基材側とは反対側の表面の状態については、具体的に記載されていない。特許文献1や特許文献2の透明導電フィルムを、液晶表示装置に用いた場合、導電層のパターンが視認される場合がある。
本発明の目的は、導電層のパターンが視認され難い、光透過性導電フィルムを提供することにある。
本発明に係る光透過性導電フィルムは、光透過性を有し、かつ導電性を有するフィルムであって、第1の表面と、該第1の表面と対向している第2の表面とを有し、かつ光透過性を有する基材フィルムと、前記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層と、前記基材フィルムの第2の表面側に配置されているハードコート層とを備え、前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率が、9GPa以上であり、前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面を白色干渉計で観察したときに、平均段差が50nm以下である。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率が、15GPa以上である。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面を白色干渉計で観察したときに、平均段差が、30nm以下である。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、前記ハードコート層が、樹脂部及びフィラーを有する。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、前記フィラーの平均粒子径の前記ハードコート層の厚みに対する比が、1/2を超え、1未満である。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、前記フィラーが、前記ハードコート層の表面において突出していない。
本発明に係る光透過性導電フィルムは、液晶表示装置に好適に用いられる。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、前記基材フィルムの厚み(μm)と前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率(GPa)との積の値が400以上である。
本発明に係る光透過性導電フィルムは、基材フィルムと、基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層と、基材フィルムの第2の表面側に配置されているハードコート層とを備える。
また、ハードコート層の基材フィルム側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率が、9GPa以上であり、ハードコート層の基材フィルム側とは反対側の表面を白色干渉計で観察したときに、平均段差が50nm以下であるので、導電層のパターンが視認され難い。従って、本発明の光透過性導電フィルムは、信頼性に優れている。
図1は、本発明の一実施形態に係る光透過性導電フィルムを示す模式的断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る光透過性導電フィルムの変形例を示す模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る光透過性導電フィルムを示す模式的断面図である。なお、図1において、各層の長さ、幅、厚み及び形状は、図示の便宜上、実際の大きさ及び形状から適宜変更している。
図1に示す光透過性導電フィルム1は、基材フィルム2と、導電層3と、第1及び第2のハードコート層4,5と、アンダーコート層6とを備える。光透過性導電フィルム1は、光透過性を有し、かつ導電性を有するフィルムである。
基材フィルム2は、光透過性の高い材料により構成されている。基材フィルム2は、第1の表面2a及び第2の表面2bを有する。第1の表面2aと、第2の表面2bとは、互いに対向している。第1の表面2a上に、第2のハードコート層5、アンダーコート層6及び導電層3がこの順に配置され、積層されている。第1の表面2aは、導電層3が配置される側の表面である。
基材フィルム2の第2の表面2b上に、第1のハードコート層4が配置され、積層されている。第2の表面2bは、第1のハードコート層4が配置される側の表面である。
導電層3は、光透過性が高く、かつ導電性の高い材料により構成されている。導電層3は、アンダーコート層6の表面上に部分的に積層されている。光透過性導電フィルム1は、アンダーコート層6の表面上において、導電層3がある部分と、導電層3がない部分とを有する。なお、導電層3は、基材フィルム2の第1の表面2a上に直接積層されていてもよい。
第1のハードコート層4は、第1の表面4a及び第2の表面4bを有する。第1の表面4aと、第2の表面4bとは、互いに対向している。第1の表面4aは、基材フィルム2に接している。第1の表面4aは、基材フィルム2が配置される表面である。第2の表面4bは、基材フィルム2とは、反対側の表面である。第2の表面4bは、液晶表示装置などに搭載される搭載面である。
第1のハードコート層4は、樹脂により構成されている。第1のハードコート層4は、樹脂部及びフィラーにより構成されていてもよい。樹脂部は、第1のハードコート層4において、フィラーを除く部分である。第1のハードコート層4がフィラーを含んでいる場合、フィラーは第1のハードコート層4の内部に配置されていることが望ましい。特に、光透過性導電フィルム1の白色散乱を抑制する観点から、フィラーは第1のハードコート層4の表面において突出していないことが好ましい。
第1のハードコート層4を設けることで、後述する製造方法の欄で説明する導電層3の熱処理により生じる基材フィルム2の反りを抑制することができる。また、第1のハードコート層4を設けることで、基材フィルム2の表面を保護することができる。
第1のハードコート層4の第2の表面4bは、25℃での複合弾性率が、9GPa以上である。また、第1のハードコート層4の第2の表面4bを、白色干渉計で観察したときの平均段差が50nm以下である。光透過性導電フィルム1では、第1のハードコート層4の第2の表面4bの複合弾性率が9GPa以上と大きく、白色干渉計で観察したときの平均段差が50nm以下と小さいので、導電層3のパターンによる凹凸が小さく、導電層3のパターンが視認され難い。
上記複合弾性率は、ナノインデンテーション(押し込み)法で求めることができる。ナノインデンテーション(押し込み)法とは、押し込み荷重をμNオーダーで制御し、圧子の押し込み深さをnmの精度で測定する方法である。ナノインデンテーション法により求められる上記複合弾性率は、圧子と第2の表面4bとの複合弾性率である。
上記平均段差は、面積:1.5mm×1.9mmの領域における任意の10点の山と谷の高さの平均値である。上記白色干渉計としては、Vert Scan2.0(菱化システム社製、型式:R5300GL−L−A100−AC)を用いることができる。
導電層3のパターンをより一層視認され難くする観点から、上記複合弾性率は、好ましくは、15GPa以上であり、より好ましくは、17GPa以上である。
導電層3のパターンをより一層生じ難くする観点から、上記平均段差は、好ましくは、50nm以下であり、より好ましくは、30nm以下である。
第2のハードコート層5は、樹脂により構成されている。第2のハードコート層5を設けることで、導電層3の熱処理により生じる基材フィルム2の反りを、より一層抑制することができる。また、第2のハードコート層5を設けることで、基材フィルム2の表面を保護することができる。
アンダーコート層6は、SiOにより構成されている。アンダーコート層6を設けることで、導電層3と、第2のハードコート層5との間の屈折率の差を小さくすることができる。そのため、光透過性導電フィルム1の光透過性をより一層高めることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る光透過性導電フィルムの変形例を示す模式的断面図である。
図2に示すように、変形例の光透過性導電フィルム1Aでは、第2のハードコート層が設けられていない。光透過性導電フィルム1Aでは、基材フィルム2Aの第1の表面2a上に、アンダーコート層6A及び導電層3Aがこの順に配置され、積層されている。
本発明の光透過性導電フィルムでは、本変形例のように、第2のハードコート層が設けられていなくてもよい。また、第2のハードコート層及びアンダーコート層の双方が設けられていなくてもよい。基材フィルムの第1の表面上には、アンダーコート層及び導電層がこの順に積層されていてもよく、導電層が直接積層されていてもよい。アンダーコート層は、単層であってもよく、多層であってもよい。
光透過性導電フィルム1や、光透過性導電フィルム1Aなどの本発明の光透過性導電フィルムは、上記の構成を備えているため、導電層のパターンが視認され難い。そのため、本発明の光透過性導電フィルムでは、骨見えの問題が生じ難い。従って、本発明の光透過性導電フィルムは、信頼性に優れている。
本発明の光透過性導電フィルムは、導電層のパターンが視認され難いので、液晶表示装置に用いた場合、表示光の視認性を高めることができる。よって、本発明の光透過性導電フィルムは、液晶表示装置に好適に用いることができる。
特に、タッチパネルにおいては、導電層のパターンが視認されると、表示品質及び使用性に大きな悪影響が生じる。導電層のパターンが視認され難いため、本発明の光透過性導電フィルムは、液晶表示装置に好適に用いることができ、タッチパネルにより好適に用いることができる。
以下、本発明に係る光透過性導電フィルムの他の詳細を説明する。
(基材フィルム)
基材フィルムは、高い光透過性を有することが好ましい。従って、基材フィルムの材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリスルホン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、セルロースナノファイバー等が挙げられる。基材フィルムは、樹脂により形成されていることが好ましい。上記基材フィルムの材料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
基材フィルムの厚みは、特に限定されないが、5μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、188μm以下であることが好ましく、125μm以下であることがより好ましい。基材フィルムの厚みが、上記下限以上である場合、導電層のパターンを、より一層視認され難くすることができる。
また、基材フィルムの光透過率は、波長380〜780nmの可視光領域における平均透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、基材フィルムは、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤又は着色剤を含んでいてもよい。
基材フィルムが厚く、かつ、上記第1のハードコート層の基材フィルム側とは反対の表面の、25℃での複合弾性率が大きいほど、導電層のパターンがより一層視認され難い。このため、下記式(1)で示される値が400以上あることが好ましい。下記式(1)で示される値はより好ましくは475以上であり、更に好ましくは750以上である。
基材フィルムの厚み(μm)×ハードコート層の基材フィルム側とは反対の表面の25℃での複合弾性率(GPa) ・・・式(1)
(導電層)
導電層は、光透過性を有する導電性材料により形成されている。上記導電性材料としては、特に限定されないが、例えば、IZO(インジウム亜鉛酸化物)や、ITO(インジウムスズ酸化物)などのIn系酸化物、SnO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などのSn系酸化物、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)などのZn系酸化物、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI、Agナノワイヤー(AgNW)、カーボンナノチューブ(CNT)又は導電性透明ポリマーなどが挙げられる。上記導電性材料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
導電性をより一層高め、光透過性をより一層高める観点から、上記導電性材料は、IZO(インジウム亜鉛酸化物)や、ITO(インジウムスズ酸化物)などのIn系酸化物、SnO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などのSn系酸化物、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)などのZn系酸化物であることが好ましく、ITO(インジウムスズ酸化物)であることがより好ましい。
導電層の厚みは、特に限定されないが、12nm以上であることが好ましく、17nm以上であることがより好ましく、50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが更に好ましい。
導電層の厚みが上記下限以上である場合、光透過性導電フィルムの導電性をより一層高めることができる。導電層の厚みが上記上限以下である場合、導電層のパターンをより一層視認され難くすることができ、より一層薄型化を図ることができる。
また、導電層の光透過率は、可視光領域における平均透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
(第1及び第2のハードコート層)
第1及び第2のハードコート層はそれぞれ、バインダー樹脂により構成されていることが好ましい。上記バインダー樹脂は、硬化樹脂であることが好ましい。上記硬化樹脂としては、熱硬化樹脂や、活性エネルギー線硬化樹脂などを用いることができる。生産性及び経済性を良好にする観点から、上記硬化樹脂は、紫外線硬化樹脂であることが好ましい。
上記紫外線硬化樹脂を形成するための光硬化性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリイソプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及びビスフェノールAジメタクリレートのようなジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールモノヒドロキシトリアクリレート及びトリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレートのようなトリアクリレート化合物;ペンタエリトリトールテトラアクリレート及びジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレートのようなテトラアクリレート化合物;並びにジペンタエリトリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレートのようなペンタアクリレート化合物などを挙げることができる。上記紫外線硬化樹脂としては、5官能以上の多官能アクリレートも用いてもよい。上記多官能アクリレートは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。また、上記多官能アクリレート化合物に、光開始剤、光増感剤、レベリング剤、希釈剤などを添加してもよい。
また、第1のハードコート層は、樹脂部及びフィラーにより構成されていてもよい。第1のハードコート層がフィラーを含んでいる場合、導電層のパターンをより一層視認され難くすることができる。なお、第1のハードコート層がフィラーを含んでいる場合、白色散乱が生じることがあり、液晶表示装置に用いると表示光が見えにくくなることがある。従って、白色散乱を生じ難くする観点からは、第1のハードコート層が、フィラーを含まず、樹脂部のみによって構成されていることが望ましい。また、フィラーの平均粒子径が、第1のハードコート層の厚みより小さく、第1のハードコート層の表面において突出していないことも好ましい。
上記フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、シリカ、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化セリウム、インジウム−錫酸化物などの金属酸化物粒子;または、シリコーン、(メタ)アクリル、スチレン、メラミン等を主成分とする樹脂微粒子などを用いることができる。より具体的には、架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどの樹脂微粒子を用いることができる。上記フィラーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、第1及び第2のハードコート層はそれぞれ、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤又は着色剤を含んでいてもよい。
第1及び第2のハードコート層の厚みはそれぞれ、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、4μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。第1及び第2のハードコート層の厚みをそれぞれ、上記下限以上及び上記上限以下とすることにより、導電層のパターンをより一層視認され難くすることができる。
アンダーコート層;
アンダーコート層は、例えば、屈折率調整層である。アンダーコート層を設けることで、導電層と、第2のハードコート層又は基材フィルムとの間の屈折率の差を小さくすることができるので、光透過性導電フィルムの光透過性をより一層高めることができる。
アンダーコート層を構成する材料としては、屈折率調整機能を有する限り特に限定されず、SiO、MgF、Alなどの無機材料や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサンポリマーなどの有機材料が挙げられる。
アンダーコート層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は塗工法により形成することができる。
(製造方法)
光透過性導電フィルムの製造方法は、特に限定されない。光透過性導電フィルムの製造方法として、例えば、以下のような方法が挙げられる。
まず、基材フィルムの一方側の表面側に、第1のハードコート層を形成する。具体的には、樹脂に紫外線硬化樹脂を用いる場合は、まず、光硬化性モノマー、光開始剤及び必要に応じてフィラーを希釈溶剤中で撹拌して塗工液を作製する。得られた塗工液を基材フィルム上に塗布し、紫外線を照射して樹脂を硬化させ第1のハードコート層を作製する。
次に、第2のハードコート層を設ける場合は、基材フィルムの他方側の表面上に、第2のハードコート層を形成する。具体的には、樹脂に紫外線硬化樹脂を用いる場合は、まず、光硬化性モノマー、光開始剤を希釈溶剤中で撹拌して塗工液を作製する。得られた塗工液を基材フィルム上に塗布し、紫外線を照射して樹脂を硬化させ第2のハードコート層を形成する。
続いて、アンダーコート層を設ける場合は、第2のハードコート層上にアンダーコート層を形成する。具体的に、SiOを用いる場合は、蒸着又はスパッタリングにより第2のハードコート層上にアンダーコート層を形成することができる。
次に、アンダーコート層上に、導電層を形成する。上記導電層の形成方法としては、特に限定されない。例えば、蒸着又はスパッタリングにより形成した金属膜をエッチングする方法や、スクリーン印刷又はインクジェット印刷などの各種印刷方法、並びにレジストを用いたフォトリソグラフィー法等の公知のパターニング方法等を用いることができる。形成した導電層は、熱処理により結晶性を高めて用いることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
第1のハードコート層の形成;
光硬化性モノマーとしてのウレタンアクリレートオリゴマー100重量部と、希釈溶剤としてのトルエン及びメチルイソブチルケトン(MIBK)の混合溶剤140重量部と、光開始剤としてのイルガキュア194(チバスペシャルティケミカル社製)7重量部とを混合撹拌して、第1の塗工液を調製した。
厚み50μmのPETフィルムの一方側の表面上に上記第1の塗工液を塗布し、乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプにより200mJ/cmの紫外線を照射することにより樹脂を硬化させ、厚み2.0μmの第1のハードコート層を形成した。
第2のハードコート層の形成;
光硬化性モノマーとしてのウレタンアクリレートオリゴマー100重量部と、希釈溶剤としてのトルエン及びメチルイソブチルケトン(MIBK)の混合溶剤140重量部と、光開始剤としてのイルガキュア194(チバスペシャルティケミカル社製)7重量部とを混合撹拌して、第2の塗工液を調製した。
PETフィルムの上記第1のハードコート層側とは反対側の表面上に上記第2の塗工液を塗布し、乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプにより200mJ/cmの紫外線を照射することにより樹脂を硬化させ、厚み1.0μmの第2のハードコート層を形成した。
アンダーコート層の形成;
上記第2のハードコート層上に、SiOを堆積させ、厚み20nmのアンダーコート層を形成した。
導電層の形成;
上記アンダーコート層上に厚み18nmのITO層(導電層)を堆積させた。ITO層を堆積したPETフィルムをオーブンにて150℃で60分加熱した。得られたフィルムにドライフィルムレジストを貼り、露光、現像を行った。続いて、エッチング、剥離、洗浄、乾燥の各工程をこの順に行い、ITO層のパターニングを行ない、光透過性導電フィルムを得た。
(実施例2,3及び比較例1,2)
第1のハードコート層を表1に記載した複合弾性率の第1のハードコート層に変えたこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを作製した。
(実施例4,5及び比較例3)
PETフィルムの厚みを125μmに変更し、第1のハードコート層を表1に記載した複合弾性率の第1のハードコート層に変えたこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを作製した。
<評価>
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた光透過性導電フィルムについて、下記の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
(1)複合弾性率
複合弾性率は、ナノインデンター(TI 950、Hysitron社製)を用いて、23℃、50%RHの環境下で、押し込みモードで、押し込み量50nm、押し込み速度10nm/秒の条件で、探針(Berkovich probe TI−0039、Hysitron社製)を用いて、実施例及び比較例で得られた光透過性導電フィルムの第1のハードコート層(基材フィルム側とは反対側の表面)の複合弾性率を測定した。結果を表1に示した。なお、具体的には、一度表面に針を触れさせ距離を認識させ、5秒かけ表面から50nm持ち上げた。その後10秒かけ装置上100nm押し込み、押し込んだまま2秒保持しその後10nm/secの速度で針を抜いた。一連の操作により得た測定値を、第1のハードコート層の複合弾性率とした。
(2)平均段差
平均段差は、白色干渉計(菱化システム社製、品名:Vert Scan2.0、型式:R5300GL−L−A100−AC)を用いて、面積:1.5mm×1.9mmの領域における平均段差を測定した。上記平均段差は、任意の10点の山と谷の高さの平均値である。
(3)パターン見え(骨見え)の評価
得られた光透過性導電フィルムについて、以下の基準でパターン見えの評価を行った。なお、LED光よりも、蛍光灯及び白色灯の方が、導電層のパターンが視認されやすい傾向にある。
○○○…LED光、蛍光灯及び白色灯のいずれを照射した場合においても、目視で導電層のパターンが視認されない。
○○…LED光を照射した場合には、目視で導電層パターンが視認されるが、蛍光灯及び白色灯のいずれかを照射した場合には、目視で導電層のパターンが視認されない。
○…LED光及び蛍光灯のいずれかを照射した場合には、目視で導電層パターンが視認されるが、白色灯を照射した場合には、目視で導電層のパターンが視認されない。
×…LED光、蛍光灯及び白色灯のいずれを照射した場合においても、目視で導電層パターンが視認される。
Figure 2017047685
1,1A…光透過性導電フィルム
2,2A…基材フィルム
2a,2b…第1,第2の表面
3,3A…導電層
4a,4b…第1,第2の表面
4…第1のハードコート層
5…第2のハードコート層
6,6A…アンダーコート層

Claims (8)

  1. 光透過性を有し、かつ導電性を有するフィルムであって、
    第1の表面と、該第1の表面と対向している第2の表面とを有し、かつ光透過性を有する基材フィルムと、
    前記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層と、
    前記基材フィルムの第2の表面側に配置されているハードコート層とを備え、
    前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率が、9GPa以上であり、
    前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面を白色干渉計で観察したときに、平均段差が50nm以下である、光透過性導電フィルム。
  2. 前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率が、15GPa以上である、請求項1に記載の光透過性導電フィルム。
  3. 前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面を白色干渉計で観察したときに、平均段差が、30nm以下である、請求項1又は2に記載の光透過性導電フィルム。
  4. 前記ハードコート層が、樹脂部及びフィラーを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光透過性導電フィルム。
  5. 前記フィラーの平均粒子径の前記ハードコート層の厚みに対する比が、1/2を超え、1未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光透過性導電フィルム。
  6. 前記フィラーが、前記ハードコート層の表面において突出していない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光透過性導電フィルム。
  7. 液晶表示装置に用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光透過性導電フィルム。
  8. 前記基材フィルムの厚み(μm)と前記ハードコート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の25℃での複合弾性率(GPa)との積の値が400以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光透過性導電フィルム。
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