JP2003202552A - 液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子Info
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Abstract
ITO骨見え現象を回避し、また、白黒の無彩色性の向
上とITO骨見え現象の回避とを両立させる。 【解決手段】 所定の形状にパターニングされた透明電
極を有する一対の支持基板10,20を含み、少なくと
も一方の透明電極11の液晶側に絶縁膜12が形成され
ている液晶表示素子において、その絶縁膜12として、
透明電極11の屈折率に対して差が0.15以内の屈折
率であり、かつ、半径500μmの面積内における膜厚
分布が±500Å以上の分布を有している膜を用いる。
Description
し、さらに詳しく言えば、ITOよりなる透明電極が反
射状態で観察される現象を回避する技術に関するもので
ある。
は、一般的にITO(インジウム・錫酸化物)が用いら
れており、その電極パターンはITO導電膜をパターニ
ングすることにより作成される。ITOの屈折率は約
1.9程度であり、支持基板であるガラス基板の屈折率
1.5程度と比べると大きい。
ころとでは、外光による反射強度が異なるため、ITO
のパターンが見えてしまい、表示品位を著しく劣化させ
ることになる。この現象が、いわゆる「ITO骨見え」
というものである。
して、ITOの屈折率や膜厚、ITO上に形成される絶
縁膜や配向膜の屈折率や膜厚を最適に調整することが知
られており、その最適条件は理論計算によって導出する
ことができる。ITO骨見え現象は理論上、屈折率の異
なる多層膜の反射として扱うことが可能であるため、一
般的な多層膜の反射の計算により特性を理解することが
でき、計算結果と実験結果は相対的にほぼ一致すること
が確認されている。
晶分子を90゜ツイストさせるTN型液晶が使用されて
いる。このTN型液晶おいて、白黒の無彩色性の向上の
ためにMTN(modulated twisted
nematic)と言う液晶表示タイプがある。これ
は、液晶層のギャップに分布を持たせる方法である。
ては、ガラス基板に凹凸フロスト処理を施す方法が知ら
れている。例えば、HF(フッ化水素)によるエッチン
グ処理で、山谷のピッチが約100μm程度,山谷の深
さが約5.5μm程度の凹凸レベルを得ることができ
る。なお、山谷のピッチとは、凹凸形状の隣り合う山と
山との距離を言う。
は、ドライプロセスであるスパッター法と、溶剤塗布タ
イプのフレキソ印刷法やスピンコート法とに大別され
る。前者のスパッター法によれば、成膜された膜にほと
んど膜厚分布が生じないが、装置が高価であること、成
膜に時間がかかること、また、成膜物が無機材に限られ
ることなどから、あまり実用的ではない。
ピンコート法によると、装置が比較的安価で、短時間で
の成膜が可能であり、しかも有機材も成膜可能であるた
め、多くの生産工程で使用されているが、凹凸に沿って
膜厚分布ができることが知られている。
るため、各構成要素の最適膜厚を理論計算によって導出
することは可能である。しかしながら実際のところ、上
記MTNなる液晶表示タイプの凹凸基板上に、例えば絶
縁膜などを溶剤塗布方法にて成膜しようとすると、その
凹凸に沿って膜厚分布が生ずるため、理論計算どおりの
最適膜厚が得られず、ITOの骨見えを低減することが
困難であった。なお、スパッター法によれば、所望とす
る均一膜厚が得られるが、上記した理由によりスパッタ
ー法を採用することは好ましくない。
課題は、コストアップや生産性の低下を招くことなく、
ITO骨見え現象を回避するとともに、上記のようなM
TNなる液晶表示タイプの液晶表示素子にあっては、白
黒の無彩色性の向上とITO骨見え現象の回避とを両立
させることにある。
ため、本発明の液晶表示素子は、所定の形状にパターニ
ングされた透明電極を有する一対の支持基板を含み、少
なくとも一方の上記透明電極の液晶側に絶縁膜が形成さ
れており、上記絶縁膜が、上記透明電極の屈折率に対し
て差が0.15以内の屈折率であり、かつ、半径500
μmの面積内における膜厚分布が±500Å以上の分布
を有している膜であることを特徴としている。
極形成面側に凹凸を形成して、上記絶縁膜に上記膜厚分
布を与えるようにすることが好ましい。また、上記課題
をより効果的に解決するには、上記凹凸の山と谷の深さ
が3μm以上であることが好ましい。なお、絶縁膜を必
要としない機種の液晶表示素子においては、配向膜に上
記屈折率および上記膜厚分布を持たせればよい。
うにして生ずるかについてより詳しく説明し、その次に
本発明の実施形態について説明する。図3に、一般的な
液晶表示素子の各構成要素を分離して示す。
表示観察面側の透明基板10と、その裏面側の透明基板
20とを備えている。透明基板10,20ともに例えば
ガラス基板(合成樹脂基板であってもよい)からなり、
その対向する内面側にITOよりなる透明電極11,2
1が所定の電極パターンで形成されている。
22を介して配向膜13,23が形成され、配向膜1
3,23間にTNなどの液晶30が封入されている。な
お、図示されていないが、透明基板10,20の透明電
極形成面には、アンダーコート層としてのシリカ膜(S
iO2)が形成されている。
あり、表示観察面側と裏面側の透明基板10,20の各
々に偏光膜14,24が設けられ、また、裏面側の透明
基板20の背面側にバックライト40が配置されてい
る。
が液晶セル内に入ってきた場合、その光は上側の偏光膜
14から進入するが、層間で屈折率に差がある場合、光
はその界面で反射する。表示部全体が同じ状態であるな
らば、全体で反射するので部分的な違いが起こらないた
め問題は生じない。
ITOはパターニングされており、透明電極は部分的に
しか存在しない。よって、ITOの有るところと無いと
ころで外光の反射が異なる。この差が大きいとITO
(透明電極)のパターンが見えるという「ITO骨見
え」が発生し、表示品位を著しく低下させることにな
る。
膜の屈折率が1.700で厚み300Å,ITOの屈折
率が1.900で厚み450Å,アンダーコート層(S
iO 2)の屈折率が1.460で厚み300Å,ガラス
の屈折率が1.520,絶縁膜の屈折率が1.900で
厚み700Åとし、外光をC光源と考えた場合、ITO
の有るところと無いところの反射光の色差は約7程度と
なる。この条件では多少ITO骨見えが発生することに
なる。なお、上記の計算は光が垂直入射で垂直出射の場
合である。
合、膜厚を変化させたときの色差を図4に示す。膜厚が
500Å近傍での色差は小さいが、それ以外の膜厚では
大きいことが分かる。
で、絶縁膜に膜厚分布がある場合、ITO骨見えレベル
がどのようになるかを図5に示す。この図5は、膜厚分
布が中心に対して±0Å,±300Å,±400Å,±
500Å,±600Åとなる場合の色差を示している。
ここで、膜厚分布が例えば±300Åであるとは、半径
500μmの面積内で、最大膜厚と最小膜厚との差が6
00Åであることを意味している。
たがい、ITO骨見えレベルが小さくなることが理解で
きる。色差が9以下になるためには、膜厚分布が±45
0Å以上あればよいことが理解できる。また、色差が6
以下になるためには、膜厚分布が±600Å以上あれば
よいことが理解できる。
合、図7に絶縁膜の屈折率が1.700の場合につい
て、絶縁膜に膜厚分布がある場合のITO骨見えレベル
がどのようになるかを示す。図4〜図7をまとめると、
色差を小さくするための良好なポイントはそれぞれ存在
するが、絶縁膜の中心膜厚が変わったり、膜厚分布が変
化すると、色差が大きくなる。すなわち、ITO骨見え
レベルが悪化する。
としても、良好なレベルに保つためには、膜厚分布を大
きくすることが必要であることが分かる。また、図8に
絶縁膜の屈折率を1.9〜1.7にまで変化させ、か
つ、膜厚分布を100〜1000Åまでの範囲で変化さ
せたときの色差の最大値をまとめて示す。
膜の膜厚分布が±500Å以上、かつ、絶縁膜の屈折率
と透明電極の屈折率との差が0.15以内であればよい
ことが理解できる。人間の目で識別できない色差は3以
下と言われているが、実際には6程度でも気にならな
い。したがって、ITO骨見えが許容できる範囲として
は、色差6以下とすることが好ましい。色差6以下を達
成するには、絶縁膜の屈折率が透明電極の屈折率にほぼ
等しく、かつ、膜厚分布が±600Å〜±700Åの範
囲である。
00Å以上で、かつ、絶縁膜の屈折率と透明電極の屈折
率との差が0.15以内であれば、どの膜厚に中心があ
ってもITO骨見えレベルが小さい。なお、絶縁膜を備
えない機種の場合には、配向膜の屈折率がITOの屈折
率に対して0.15以内の差であり、かつ、その膜厚分
布を±500Åとすればよい。
あるが、一例として図1に示すように、ガラス基板10
に凹凸を付けて、フレキソ印刷にて絶縁膜12を塗布し
焼成することにより、山の部分は薄く、谷の部分は厚く
することができる。凹凸面上に絶縁膜の液を塗布する
と、凹凸の山と谷とで平坦化するように流動し、これを
そのまま焼成すれば、膜厚分布がついた絶縁膜12が成
膜される。
ッチング,サンドブラストなどが適用可能である。ま
た、ガラス基板に樹脂層を形成し、その表面に凹凸を付
けてもよい。いずれにしても、その凹凸が人間の目で識
別できないようにするためには、山谷のピッチを小さく
する必要がある。
以下であることが好ましい。より好ましくは300μm
以下で、100μm以下であればほとんど認識不能とす
ることができる。また、規則的な繰り返しパターンで凹
凸を配置すると、干渉やモアレが発生することがあるた
め、ランダム配置とすることが好ましい。なお、山谷の
ピッチとは、図1にpで示すように、隣り合う山と山と
の間の距離である。
晶表示素子1Aの具体的な実施例について説明する。な
お、図2において、先に説明した図3の構成要素と同一
もしくは同一と見なされる部分には、それと同じ参照符
号を用いている。
の透明基板20として、ともに1.1mm厚のガラス基
板を用いた。表示観察面側のガラス基板10の内面をH
Fエッチングによりフロスト処理して、山谷のピッチが
約100μm程度,山谷の深さが約5.5μm程度の凹
凸を形成した。
SiO2を300Å厚に成膜し、その上にITO導電膜
をスパッタ法により約300Å厚に成膜した後、パター
ニングして所定形状の透明電極11を形成した。
液をフレキソ法により塗布し、仮乾燥後に300℃で焼
成して絶縁膜12を形成した。絶縁膜12の膜厚は、ガ
ラス基板10の凹凸を反映し、山部は約200Å厚程度
で、谷部は約3000Å厚程度となり、きわめて大きな
膜厚分布が得られた。なお、山と谷の間は中間の膜厚と
なった。
により印刷して成膜した。配向膜13の膜厚は、ガラス
基板10の凹凸による影響は少なく、山部で約200Å
厚,谷部で約400Å厚の膜厚分布となった。配向膜1
3にはラビングして配向機能を持たせた。
理せずにアンダーコート層としてSiO2を300Å厚
に成膜し、その上にITO導電膜をスパッタ法により約
300Å厚に成膜した後、パターニングして対向電極2
1を形成した。そして、対向電極21を含む面に絶縁膜
22を約700Å厚に成膜し、続いて配向膜23を約3
00Å厚に成膜した。配向膜23にもラビングして配向
機能を持たせた。
に対して、ITO約1.941,絶縁膜約1.945,
配向膜約1.746,ガラス基板約1.520,SiO
2約1.460である。液晶30には、長軸の屈折率が
約1.628で,短軸の屈折率が約1.498のものを
用いた。
5μmの面内スペーサを挟んで、ラビング方向が直交す
る配置にて重ね合わせ、周辺シール材を介して圧着して
液晶セルを作製した。そして、注入孔より液晶を真空注
入法にて注入した後、注入孔を封止材で封止した。液晶
層は90゜ツイストのTNで、Δndは約1.6μmと
した。
偏光膜14,24を配置した。その際、相近接する液晶
の長軸方向(屈折率が高い方向)と偏光膜の吸収軸が同
じとなるように配置した。表示モードは、電圧が印加さ
れていない場合に黒となるネガモード(ノーマリーブラ
ックモード)とした。また、裏面側ガラス基板20の背
面にバックライト40を配置した。
TO骨見えはほとんど視認できなかった。比較例とし
て、絶縁膜の屈折率を約1.754としたほかは、上記
実施例と同様にして液晶セルを作製したところ、ITO
骨見えが観察された。また、絶縁膜の屈折率を約1.9
45とした場合でも、その膜厚分布が±100Å程度の
場合には、ITO骨見えが観察された。
定されるものでなく、必要に応じて種々の変更が可能で
ある。例えば、前述の実施形態においては、凹凸形成基
板を表示観察面側としたが、裏面側に凹凸形成基板を配
設してもよい。また、液晶材料中に2色性色素を含有さ
せてもよい。
所定の形状にパターニングされた透明電極を有する一対
の支持基板を含み、少なくとも一方の上記透明電極の液
晶側に絶縁膜が形成されている液晶表示素子において、
上記絶縁膜として、上記透明電極の屈折率に対して差が
0.15以内の屈折率であり、かつ、半径500μmの
面積内における膜厚分布が±500Å以上の分布を有し
ている膜を用いたことにより、コストアップや生産性の
低下を招くことなく、ITO骨見え現象を回避すること
ができ、また、白黒の無彩色性の向上とITO骨見え現
象の回避とを両立させることができる。
ロック,インジケータなどに用いた場合に、その良好な
視認性,表現力と合わせて高い機能性を発揮する。
基板を示す一部拡大断面図。
断面図。
的断面図。
更したときの色差を示すグラフ。
を変更したときの色差を示すグラフ。
を変更したときの色差を示すグラフ。
を変更したときの色差を示すグラフ。
化させ、かつ、膜厚分布を変更したときの色差を示すグ
ラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 所定の形状にパターニングされた透明電
極を有する一対の支持基板を含み、少なくとも一方の上
記透明電極の液晶側に絶縁膜が形成されており、上記絶
縁膜が、上記透明電極の屈折率に対して差が0.15以
内の屈折率であり、かつ、半径500μmの面積内にお
ける膜厚分布が±500Å以上の分布を有している膜で
あることを特徴とする液晶表示素子。 - 【請求項2】 上記絶縁膜を有する上記支持基板の透明
電極形成面側に、上記絶縁膜に上記膜厚分布を与えるた
めの凹凸が形成されている請求項1に記載の液晶表示素
子。 - 【請求項3】 上記凹凸の山と谷の深さが3μm以上で
ある請求項2に記載の液晶表示素子。 - 【請求項4】 上記絶縁膜に代わりとして配向膜が用い
られる請求項1,2または3に記載の液晶表示素子。
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JP2013205435A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-10-07 | Jsr Corp | アレイ基板、液晶表示素子、感放射線性樹脂組成物およびアレイ基板の製造方法 |
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JP2014502293A (ja) * | 2010-11-24 | 2014-01-30 | エルジー・ハウシス・リミテッド | タッチパネル用粘着剤組成物、粘着フィルム及びタッチパネル |
JP2017047685A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 積水化学工業株式会社 | 光透過性導電フィルム |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304417A patent/JP4187194B2/ja not_active Expired - Fee Related
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