JP3314780B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3314780B2
JP3314780B2 JP2000344422A JP2000344422A JP3314780B2 JP 3314780 B2 JP3314780 B2 JP 3314780B2 JP 2000344422 A JP2000344422 A JP 2000344422A JP 2000344422 A JP2000344422 A JP 2000344422A JP 3314780 B2 JP3314780 B2 JP 3314780B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関
し、特に中間調の再現性を改善した液晶表示装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているツイストネマテ
ィック構造を用いた液晶表示装置の動作原理を図19を
用いて説明する。同図はこの種の液晶表示装置の構造の
模式的な断面図である。ここでは図の上側から下方に向
けて光が入射するとして、光の入射側から順に、入射光
を一定の方向の振動成分のみを透過させる第一偏光板
、表面が平坦となるように研磨された第一透明基板
、この第一透明基板22上に塗布されたITO(イン
ジウム・ティン・オキサイド)に代表される第一透明電
23、複屈折性を有する物質で作られた液晶層27
第一透明電極23と対向するように配置された第二透明
電極24、この第二透明電極24が塗布されている平坦
な第二透明基板25、さらに第二偏光板26が重ね合わ
されている構造を有する。液晶層27は、第一透明電極
23と第二透明電極24の間でギャップdの間に介在さ
れており、液晶層27を構成する液晶分子の層構造は、
第一透明電極23と第二透明電極24の間で捻じれた層
構造となっている。
【0003】この捻じれたネマティック構造の液晶表示
装置の動作原理は、第一透明電極23と第二透明電極
に電圧が印加されていない場合においては、外部から
光が入射される(第一偏光板21側から入射するものと
する)と入射した自然光は第一偏光板21により直線偏
光に変換され第一透明基板22、第一透明電極23を透
過して液晶層27に入射する。液晶層27に入射した光
は、液晶の持つ複屈折性により偏波面が変化しながら第
一透明電極23の対向にある第二透明電極24に到達す
る。その後、光は、第二透明電極24と第二透明基板
を透過し、第二偏光板26により任意の方向の光成分
が切り取られる事により第一の光学状態を作り出す。一
方、第一透明電極23と第二透明電極24に電圧が印加
されると、液晶層27を構成している液晶分子は、液晶
分子の持つ誘電率異方性により印加された電圧に従って
その配列を変化させる。そのため、液晶層27の持つ複
屈折率が変化し液晶層27を透過した光が第二透明電極
24に到達したときの光の偏波面が、第一透明電極23
と第二透明電極24へ電圧を印加しなかった場合と比較
して異なるため第2の光学状態を作り出す事が可能であ
る。したがって、第一透明電極23と第二透明電極24
へ印加する電圧の大きさにより、第一の光学状態と第二
の光学状態の間を変化させることが可能となるため光の
スイッチングが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の液晶
表示装置においては、液晶層のねじり角を増加させ27
0度より大きくした場合、外部から印加した電界により
液晶層中心の分子が取り得る傾き角は液晶層に印加する
電圧の大きさによりS字型の軌跡を取ることが知られて
いる。このように液晶分子の傾き角がS字型の軌跡を取
るようになると、電圧の昇圧時と降圧時にそれぞれ異な
る液晶分子の配列状態が生じ、2状態が入り交じる結果
フィンガーテクスチャーと呼ばれる配向欠陥が観察され
る。図20に配向欠陥が発生した様子を表す写真を示し
た。この配向欠陥は、十分に電圧が印加された場合及び
電圧が印加されない場合には観察されず、中間電圧を印
加した場合にのみ観察することが可能である。結果とし
て、全体としては図21に示したように光学応答に大き
なヒステリシスが生じる。このようなヒステリシスが存
在すると、同じ電圧でも2つ以上の安定点が生じてしま
うため、ある一定の電圧を液晶素子に印加したとしても
得られる液晶分子の配列状態は2状態以上存在すること
になり、印加電圧に対して透過率が一義的に決まらなく
なり、中間調表示を行う事ができないと言う問題が生じ
る。
【0005】この問題に対し、300度のツイスト角を
有するゲストホスト液晶でのヒステリシス効果の解消に
関しては、「1996年5月,エス・アイ・ディ‘96
ダイジェスト テクニカルペーパー,35頁(SID’
96 Digest ofTechnical Pap
er,P35,1996)」にアモルファスTNを用い
た方法の提案があるが、この方法では、液晶の配向をア
モルファス状態とするために、ラビング処理など液晶分
子に初期配向を与える処理を行わない。そのためにこの
方式では、液晶注入時に流動配向が生じやすく、また、
注入時における温度管理が厳しいなど歩留まり良く生産
に適しないという問題点がある。
【0006】本発明の目的は、理論的に液晶層中心の分
子傾き角がS字型になるねじり角が270度よりも大き
い液晶層を有する液晶表示装置においても外部からの電
界印加に対してヒステリシスが無く中間調の再現性を改
善し、生産が容易なように常温で液晶注入においても配
向不良の生じる事のない液晶表示装置を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
方が透明に形成された第一電極と第二電極との間に27
0度以上ねじれた層構造の液晶層を介在させてなる液晶
表示装置において、第一電極と第二電極との間に印加さ
れる電圧により液晶層に生じる電界強度が1画素内で部
分的に相違されるように構成したことを特徴とする。例
えば、第一電極または第二電極の少なくとも一方は、1
画素内における表面に凹凸が形成され、この凹凸により
液晶層の層厚が部分的に相違された構成とする。あるい
は、第一電極または第二電極の少なくとも一方は、1画
素内においてその表面に凹凸が形成され、かつその凹部
には液晶層の誘電率と同等もしくは低い誘電率を有する
有機もしくは無機の物質が埋め込まれて、液晶層の層厚
が均一に形成された構成とする。この場合、表面に凹凸
が形成される電極は、表面が凹凸面に形成された基板の
表面上に成膜された構成とされ、あるいは、表面が平坦
な基板に無機または有機の膜を有し、この膜の膜厚を変
化させて形成された表面の凹凸面上に成膜された構成と
される。このような構成の液晶素子に対し第一電極と第
二電極の間に電圧が印加されると、液晶層の層厚が変化
しているために液晶層に印加される電界強度は、1画素
内において厚みの違いにより1画素内で部分的に異なる
ようになる。その結果、液晶のしきい電圧と飽和電圧が
1画素内において部分的に異なり、1画素として電圧対
透過率特性を測定するとヒステリシスが発生するツイス
ト角度にも関わらずヒステリシスが解消され、中間調の
表示が可能になる。
【0008】また、本発明は、少なくとも一方が透明に
形成された第一電極と第二電極との間に270度以上捻
れた層構造の液晶層を介在させてなる液晶表示装置にお
いて、第一電極と第二電極の片方もしくは両方の電極表
面における液晶の初期配向状態が画素内で不均一であり
電圧を印加した際に液晶分子の立ち上がり方向が一画素
内において異なることを特徴とする。たとえば、第一電
極または第二電極の一方の表面においてラビング方向が
1画素内において少なくとも2方向以上存在する構成と
する。あるいは、第一電極または第二電極のその一方は
その表面に微少凹凸が形成され、かつその凹凸上に形成
された配向膜をラビング処理することにより、微少凹凸
に沿って液晶を配向させ、これにより生じる液晶分子の
傾き角度が1画素内において異なる構成とする。この構
成においては、第一電極と第二電極の間に電界を印加し
た際には、初期配向状態の違いにより液晶分子の立ち上
がる方向が、1画素内において異なる部分(領域)が複
数存在するため、各領域の間にリバースティルトを原因
とする領域境界線が生じる。この領域の大きさは基板上
に作成した凹凸のピッチにほぼ等しくなる。すなわち、
隣同士の領域が電圧を印加した際に同じ方向に立ち上が
る場合には、双方が融合するために見かけ上の領域の大
きさは大きくなる。一つの領域で生じた液晶分子の配列
状態の変化は、領域境界線を越えて他の領域に影響を及
ぼすことができない。したがって、複数の領域が1画素
内に存在すると各々の領域ではヒステリシスが生じてい
ても画素全体では外部から印加する電圧に対してヒステ
リシス無しで透過率の増減が生じ、270度を越えた液
晶素子に特有のヒステリシス効果を解消することができ
る。
【0009】また、本発明の構成によれば、第一電極と
第二電極との間に充填される液晶分子に対して配向膜か
ら、初期配向状態を与えることになるため、液晶注入時
や液晶パネルを圧迫した際に生じる液晶の流動に起因す
る初期配向不良は生じない。従って、液晶注入後に液晶
の初期配向状態を安定させる目的で行われるアニール処
理を省略することも可能である。
【0010】本発明は、第一電極または第二電極が透明
電極として構成され、それぞれ第一透明基板、第2透明
基板の対向する表面に形成され、透過型の液晶表示装置
として構成され、あるいは、第一電極または第二電極の
一方は透明電極として構成され、他方は反射電極として
構成され、反射型の液晶表示装置として構成する事も可
能である。
【0011】前記のように、本発明においては、270
度を越えたツイスト角を有する液晶素子に特有のヒステ
リシス現象を解消するために、第一電極または第二電極
の少なくとも一方において、表面に微小な凹凸が形成さ
れてなることを特徴とするが、詳細な実験により、この
微小な凹凸の形状の微妙な違いにより、ヒステリシス解
消の効果の程度に差が生じることが明らかとされた。す
なわち、本発明において、第一電極または第二電極の少
なくとも一方に形成される微小な凹凸は、その凹凸形状
において長く連なる谷線を有さず、個々の凹部および凸
部の内の特に凹部が、互いに尾根状の凸部により分離さ
れてなる形状が好ましいことが判明した。このような好
ましい凹凸形状とは異なり、その凹凸形状において長く
連なる谷線を有する場合には、前述のフィンガーテクス
チャーと呼ばれる配向欠陥が、この谷線に沿って出現
し、ヒステリシスが完全には解消されない。一方、本発
明における好ましい凹凸形状においては、個々の凹部が
互いに尾根状の凸部により分離されているため、配向欠
陥が長く連なって出現することがなく、よって、ヒステ
リシスを解消する事ができる。
【0012】さらに、前記のように、凹凸形状において
長く連なる谷線を有さず、個々の凹部が、互いに尾根状
の凸部により分離されてなる形状とした上で、1画素に
相当する領域内に含まれる個々の凹部の深さに関し、ラ
ンダムに広い分布を有するように構成した場合には、よ
り好ましい階調表示を行うことが判明した。個々の凹部
に相当する領域における液晶の配向状態の変化を誘起す
る閾値電圧は、その凹部の深さに応じて定まる。よっ
て、上述のように、個々の凹部の深さに関し、ランダム
に広い分布を有するように構成した場合には、個々の凹
部における閾値が広く分布するため、階調特性がなめら
かになり、よって表示可能な階調数を大きくすることが
できる。
【0013】本発明において、第一電極または第二電極
の一方を透明電極として、他方を反射電極として構成
し、反射型の液晶表示装置として構成する場合には、前
記の微小な凹凸を有する電極を反射電極として構成する
ことができる。反射型の液晶表示装置において、反射板
の表面形状、およびその表面形状に基づく反射特性(光
の入射角および検出角と反射率との関係)は、表示の明
るさに大きく影響することから特に重要であるが、本発
明においては、反射電極の表面形状を、前記のようなヒ
ステリシスの解消に好ましい形状とした上で、明るい表
示を実現できる形状とすることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]次に、本発明
の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明
の第1の実施形態の構成を示す模式的な断面構造図であ
る。この液晶表示装置は、第一偏光板1、第一透明基板
2、第一透明電極3、液晶層7、第二透明電極4、第二
透明基板5、第二偏光板6の順序に重ね合わされた構造
を有している。この構造において、第一偏光板1、第一
透明基板2、第一透明電極3、第二偏光板6は従来例と
同じ構造である。また、液晶層7は第一透明電極3と第
二透明電極4の間において270度以上450度未満の
ねじれ角を有している。これに対し、第二透明基板5
は、少なくとも液晶層7に接する面が粗面化された構造
を有しており、例えば第二透明基板5をエッチング、サ
ンドブラスト、研磨などの方法により加工する事により
粗面化を実現している。ここでは、表面が連続する波形
の凹凸断面となるように粗面化を行っている。そして、
この粗面化された表面上にITO等の透明電極を蒸着、
スパッタ、塗布などの方法により成膜して第二透明電極
4を得ている。しかる上で、この第二透明電極4および
第二透明基板5に対して凹凸の凸部においてギャップd
1となるように前記第一透明電極3を有する透明基板2
を対向させ、両者間に液晶層7を介在させた構成を作製
することで液晶表示装置を構成している。
【0015】この構成によれば、液晶層7は第二透明基
板の表面に形成された波形の凹凸に従い、第一、第二の
各透明電極3,4のギャップ、すなわち液晶層7の層厚
がd1からd2まで連続的に変化された構成とされる。
このため、例えば、第一偏光板1側から入射した光は、
第一偏光板1を透過した際にあらゆる偏光面を有する自
然光から直線偏光に変化され、さらに第一透明電極3を
透過し液晶層7に入射する。この液晶層7へ入射した光
は、液晶層7を構成している液晶分子が有する屈折率異
方性により偏波面が回転する。その後、光は第二透明電
極4と第二透明基板5を透過し第二偏光板6に到達す
る。そして、第二偏光板6においては、液晶層7におい
て回転した偏波面を任意の角度で切り取ることにより表
示を行うことができる。
【0016】ここで、液晶層7の膜厚は第二透明基板5
の表面に作成された1画素内に複数存在する凹凸によっ
て場所により膜厚がd1からd2まで変化する。そのた
め、液晶層7にかかる電界の強度が、凹凸に対応して部
分毎に異なるようになる。この結果、液晶層7の層厚の
相違に伴って液晶層7内の電界分布に分散が生じ、液晶
のしきい電圧と飽和電圧に部分的な変化が生じる。この
ため、各部分毎では従来と同様なヒステリシスが生じて
いるものの、このヒステリシスにより生じる前記したよ
うな現象は、1画素内に多数の異なるしきい電圧を有す
る部分が存在することにより平均化され、結果として1
画素全体でみれば、図2に示すようにヒステリシスが減
少されることになる。したがって、従来中間調を表示す
る事のできなかった270度を越えるねじれ角の液晶に
おいても、その状態が外部から印加する電圧により一意
的に決定されるため、安定な中間調を得ることができ、
中間調の表示を改善することが可能となる。これによ
り、多階調表示のディスプレイやカラーフィルタを組み
合わせる事によりフルカラー表示の液晶ディスプレイを
作成する事も可能となる。
【0017】[第2の実施形態]前記第1の実施形態で
は、液晶層7の層厚を変化させるために第二透明基板5
自身を研磨やエッチングなどの手法を用いて加工して凹
凸を形成しているが、図3に模式的な断面図を示すよう
に、平坦な第二透明基板5の表面に無機もしくは有機物
質(例えばポリイミドやアクリル樹脂)の膜を必要なだ
け成膜し、この膜に対して表面の凹凸加工を行って粗面
化膜8を形成し、この粗面化膜8の表面に第二透明電極
4を形成してもよい。この構成においても、第二透明電
極4の表面に凹凸が形成され、これにより液晶層7の層
厚がd1からd2の範囲で部分的に変化されるため、第
1の実施形態と同様にヒステリシスを実質的に無くして
中間調の表示を改善することが可能となる。
【0018】[第3の実施形態]図4は本発明の第3の
実施形態を示す模式的な断面図である。この実施形態で
は、第1の実施形態において第二透明電極4の表面に形
成されている凹凸の凹部分に液晶層7を構成する液晶分
子のもつ誘電率と同等もしくは液晶分子の有する誘電率
よりも低い誘電率を有する有機もしくは無機の物質を埋
め込んでレベリング膜9を形成している。この結果、こ
の構成では、第二透明電極4の表面の凹凸にかかわら
ず、液晶層7の層厚は均一なものとなる。したがって、
この構成では、レベリング膜9が厚く形成されている部
分においては、外部から印加された電圧がギャップd2
とd3により分割される事となり駆動電圧の実質的な低
下が見られ、液晶層7に印加される電界強度に変化を与
える事が可能になり、前記したように中間調の表示が改
善できる。またその一方で、液晶層7自体の層厚は一定
とされるため、液晶の配向に対してムラを生じさせるこ
とがなく、液晶の配向乱れに起因する表示への影響を無
くす事が可能である。
【0019】また、この第3の実施形態においても、図
5に模式断面図を示すように、第二透明基板5は平坦な
基板を用い、その上に粗面化膜8を形成して凹凸を設
け、その上に第二透明電極4を形成した上で、この凹凸
の凹部に液晶層7を構成する液晶分子のもつ誘電率と同
等もしくは液晶分子の有する誘電率よりも低い誘電率を
有する有機もしくは無機の物質を埋め込んでレベリング
膜9を形成した構成を採用することも可能である。こ
の、図5の実施形態においては、粗面化膜8の上に第二
透明電極4を形成しているが、第二透明電極4の上に液
晶分子の持つ誘電率と同等もしくは液晶分子の誘電率よ
りも低い誘電率を有する有機もしくは無機の物質で粗面
化膜8を形成するという構造も同様に可能である。この
場合、液晶層7に印可される電圧は、粗面化膜8の凹部
においてはギャップがd1となり、第一透明電極3と第
二透明電極4の間に印可されている電圧がそのまま液晶
層7に印可される。一方、粗面化膜8の凸部において
は、粗面化膜8の厚みと液晶層7において印可された電
圧がd2とd3で分圧されるため液晶層7に印可される
実効的な電圧は減少する。したがって、液晶層7に印可
される電界強度は、粗面化膜の凹部と凸部において異な
る結果となり、前記したように中間調の表示が改善でき
る。
【0020】なお、前記した説明では、第一偏光板1側
から光が入射された場合について説明したが、逆に第二
偏光板6の方から入射しても全く同様の作用効果を得る
ことができる。また、各実施形態においては、液晶層7
として捻じれたネマティック構造の液晶を用いている
が、液晶層7をネマティック液晶に2色性色素を混ぜる
ことにより得られるゲストホスト型の液晶を用いること
も可能である。この場合には、前記各実施形態における
第一偏光板1と第二偏光板6を省略する事が可能であ
り、構成を簡略化する一方で、偏光板を必要とする方式
に比べ明るい表示を得る事が可能であると言う効果もあ
る。
【0021】[第4の実施形態]図6は本発明の第4の
実施形態の模式的な断面図である。この実施形態では、
前記各実施形態における第二透明電極4をアルミニウム
などの金属などで作成した光反射板兼電極10に変える
ことにより反射型の液晶ディスプレイへ適用した実施の
形態である。ここでは、第二透明基板5の表面に微小な
凹凸を形成し、この凹凸の表面にアルミニウムを蒸着す
る等して成膜して光反射板兼電極10を形成している。
また、この光反射板兼電極10の凹部にレベリング膜9
を形成して液晶層7の層厚を均一にしている。この構成
では、第一偏光板1から入射した光は、位相差補償板1
1を通り第一透明基板2および第一透明電極3を介して
液晶層7に入射する。その後、反射板兼電極10によっ
反射された光は入射時と逆の経路を通り偏光板1から外
部に出射する。そして、この場合でも第一透明電極3と
光反射板兼電極10との間のギャップが部分的に相違さ
れ、これにより液晶層7の層厚が部分的に変化されるこ
とで、液晶層7に印加される電界強度に変化を与える事
が可能になり、前記したように中間調の表示が改善でき
る。またその一方で、液晶層7自体の層厚は一定とされ
るため、液晶の配向に対してムラを生じさせることがな
く、液晶の配向乱れに起因する表示への影響を無くす事
が可能である。
【0022】なお、本実施形態の場合においては、第二
透明基板5としては特に透明である必要はなく、金属や
高分子板、セラミックなどの不透明な基板を用いても何
等問題にはならない。また、この実施形態では、バック
ライトを要しない反射型として構成されるため、低消費
電力型の液晶ディスプレイを作成する事が可能であると
言う効果もある。また、この図6の構成は、液晶層7を
ネマティック液晶に2色性色素を混ぜることにより得ら
れるゲストホスト型の液晶を用いることも可能である。
この場合には、第一偏光板1、位相差補償板11をも省
略する事が可能であり、構成をさらに簡略化する一方
で、偏光板を必要とする方式に比べ明るい表示を得る事
が可能であり、これに加えてバックライトを要すること
もない。
【0023】[第5の実施形態]図7は、本発明におけ
る第5の実施形態の構成を示す模式的な断面構造図であ
る。この液晶表示装置は、第一偏光板1、第一透明基板
2、第一透明電極3、第一配向膜12、液晶層7、第二
配向膜13、第二透明電極4、第2透明基板5、第二偏
光板6の順序に重ね合わされた構造を有している。この
構造において、第一偏光板1、第一透明基板2、第一透
明電極3、第一配向膜12、第二偏光板6は従来例と同
じ構造である。また、液晶層7は第一透明電極3、第二
透明電極4の間において270度以上450度未満のね
じれ角を有している。第二透明基板5は、少なくとも液
晶層7に面する側面が粗面化された構造を有しており、
たとえば第二透明基板5を直接エッチング処理などの方
法により加工する、あるいは、あらかじめポリッシング
された第二透明基板5を弗酸などにより溶かして目的と
する粗面化表面を実現している。そして、この粗面化さ
れた表面上にITO等の透明電極をスパッタ、あるい
は、塗布や蒸着などの方法により成膜することにより第
二透明電極4を得ている。しかる後に、この第二透明電
極4の表面に液晶分子に対して初期配向を与える目的で
第二配向膜13を作成する。第一配向膜12と第二配向
膜13はラビング法等の手段により配向処理を行い、こ
の第二配向膜13が凹凸部の凸部においてギャップd1
となるように、また、第一配向膜12の初期配向方向と
第二配向膜の初期配向方向が液晶層7の固有ピッチとギ
ャップd1から算出されるツイスト角度にほぼ等しくな
るように、第一配向膜12と向き合うように組み合わ
せ、両者間に液晶層7を介在させた構成を作成すること
で液晶表示装置を構成している。この構造では、第一配
向膜12と第二配向膜13は、ラビングなどの方法によ
り初期配向規制力を液晶層7に対して与えることが可能
であるため、重ね合わせた第一透明基板2と第二透明基
板5の間隙に液晶を注入して液晶層7を作成する際にも
液晶が配向膜上を流動することにより発生する流動配向
を抑制することが可能である。
【0024】このように作成された液晶素子に対して外
部から光が入射した場合、例えば第一偏光板1側から入
射した光は、第一偏光板1を透過した際にあらゆる偏光
面を有する自然光から直線偏光に変換され、さらに第一
透明電極3、第一配向膜12を透過し液晶層7に入射す
る。この液晶層7へ入射した光は液晶層7を構成してい
る液晶分子が有する屈折率異方性により偏波面が回転す
る。その後、光は第二配向膜13、第二透明電極4、第
二透明基板5を透過して第二偏光板6に到達する。そし
て第二偏光板6においては、液晶層7において回転した
偏波面を任意の角度で切り取ることにより表示を行うこ
とが可能になる。このとき第一透明電極3と第二透明電
極4の間に電界を印加すると液晶層7の屈折率異方性が
変化する。その結果、第一透明電極3と第二透明電極4
の間に電圧を印加した部分と印加しない部分では、液晶
層7の屈折率異方性が異なるため、電圧を印加した部分
と電圧を印加しない部分における表示の差が生じてON
状態とOFF状態を表せる。
【0025】ここで、第二透明基板5の表面において液
晶層7を構成する液晶分子は、第二透明基板5の表面と
平行に配列するため、図7におけるθ1とθ2のような
凹凸形状に依存したプレティルト角を有する領域1と領
域2に分かれる(ただし、θ1とθ2は説明のための便
宜的な物であり、すべての場所で同一の角度である必要
はない)。液晶に電圧を印加しない場合においては、液
晶層7内部は安定状態にあるため、液晶層7は、均一な
配向状態を保つが、第一透明電極3と第二透明電極4の
間に電界を印加すると領域1と領域2においてプレティ
ルト角が異なることから液晶分子の立ち上がる方向が異
なり、その結果、領域1と領域2の間に液晶分子の傾き
角における不連続部分である領域境界線が発生する。こ
の領域境界線は、領域1と領域2の間に生じるためその
一つ一つの大きさは第2透明基板5に作成された凹凸の
ピッチにほぼ等しくなる(領域1の隣に存在する領域が
領域1であった場合には、双方が融合するために見かけ
上の領域の大きさは大きくなる場合もある)。この結
果、図8に示すように領域境界線で囲まれた部分(ドメ
イン)内で生じた変化(ON状態からOFF状態、ある
いは、OFF状態からON状態)は領域境界線を越えて
他の領域に影響を及ぼすことができないため、ミクロ的
に見れば各ドメインでは従来と同様なヒステリシスが生
じているものの、マクロ的に見れば変化する領域が外部
から印加する電圧に依存して増減するために図2に示す
ようなヒステリシスを生じない光学応答を得ることが可
能になる。したがって、従来用いられている液晶素子全
体を単一の領域とする方法では避けることができなかっ
た270度を越えるねじれ角を有する液晶においても、
その状態が外部から印加する電圧により一意的に決定さ
れるようになり、安定な中間調を得ることが可能とな
る。
【0026】[第6の実施形態]図9は、本発明による
第6の実施形態を示す図である。前記第5の実施形態で
は、液晶層7にプレティルトを与えるために第二基板上
に設ける凹凸を第二基板5自身を研磨やエッチングなど
の手法を用いて加工を行うことで凹凸を形成したが、図
9に示すように、平坦な第二透明基板5の表面に対して
無機もしくは有機質の膜を必用なだけ成膜し、この膜に
対して表面の凹凸加工を行ったり、無機もしくは有機質
の膜を所用の凹凸を作成するように印刷法などの手段に
よって転写することで粗面化膜8を形成し、この粗面化
膜8の表面に第二透明電極4を形成しても何ら問題がな
い。この構成においても、第二透明電極4の表面に凹凸
が形成され、第二配向膜13を介して液晶層7に対して
凹凸形状に依存したプレティルト角を与えることができ
る。したがって、図9に示した構成においても前記第5
の実施の形態と同様な効果を与えることが可能となる。
【0027】[第7の実施形態]図10は、本発明の第
7の実施形態を示す模式的な断面図である。この実施形
態では、前記第5の実施形態において、液晶層7にプレ
ティルトを与えるために第二基板上に設ける凹凸を第二
基板5自身を研磨やエッチングなどの手法を用いて加工
を行うことで凹凸を形成し液晶層7に対して部分的に異
なるプレティルトを与えていたのに対して、本実施形態
においては、第二配向膜13を異なる方向にラビングす
ることで画素内におけるプレティルト角度の方向を変え
て領域1と領域2を分離する。このような構造にするた
めには、第二配向膜13の表面を一定の方向にラビング
を行い、図10のθ1となる方向とプレティルト角度を
有する配向膜を作成する。その後、第二配向膜13上に
領域2の部分に穴をあけたメタルマスクやレジスト膜な
どを重ねて再びラビング処理を行う。このようにするこ
とにより、領域2は2度目のラビング方向に向かってθ
2のプレティルト角度を液晶に与えることが可能な配向
膜が可能となる。このような配向処理を行った、第二透
明基板5と第一等明記板2を重ね合わせて間隙に液晶を
注入することにより液晶層7を有する液晶素子を作成す
ることが可能となる。
【0028】本実施形態の構造においては、第一透明電
極3と第二透明電極4の間に電界を印加した際に、領域
1と領域2においてプレティルト角がθ1とθ2となっ
ているため、液晶分子の立ち上がる方向がそれぞれ異な
り、領域1と領域2の間に不連続部分が生じ、ここが境
域境界14となる。本発明によれば液晶層7のツイスト
角は270度以上であるために領域1と領域2の各々の
部分をミクロ的に見ると図21の従来例に示したような
ヒステリシス特性を有するため、ある電圧を越えるとO
N状態とOFF状態が入れ替わる。しかしながら、本発
明のように1画素内を領域1と領域2に分離すると、そ
の間に生じる領域境界14のために、ある領域でON状
態とOFF状態が入れ替わってもその影響は領域境界1
4によって隣接した領域に及ぼされない。したがって、
本実施の形態においても第5の実施形態と同様に1画素
全体ではヒステリシスの効果を実質的になくして中間調
表示を改善することが可能となる。また、本実施形態に
おいても第一配向膜12と第二配向膜13はラビング処
理がなされているため、液晶注入時においても流動配向
などの不要な配向欠陥を抑止することができる。
【0029】[第8の実施形態]図11は、本発明の第
8の実施形態を示す模式的な断面図である。本発明の第
5の実施形態から第7の実施形態までは、第二透明基板
5の表面もしくは配向膜13を加工することにより基板
表面におけるプレティルト角を画素内の部分部分で異な
らせ、領域1と領域2を得ていたが、本実施形態におい
ては、液晶層内に高分子成分を分散させることにより液
晶層内のバルク部分において電界を印加した際に液晶分
子が立ち上がる方向を変えさせて領域1と領域2を分け
る手法を取る。具体的には、第一透明電極3と第二透明
電極4の表面に作成されている第一配向膜12と第二配
向膜13にプレティルトがほぼ0度である配向膜を採用
し、ラビング処理を行う。その後、所定のツイスト角度
を取るように第一透明基板2と第二透明基板5を重ね合
わせる。液晶層7は、ネマティック液晶に紫外線や熱を
加えることにより高分子となるモノマーと重合開始材で
あるオリゴマーをわずかに(液晶に対する重量比で0.
1wt%〜5wt%)混合し、第一配向膜12と第二配
向膜13によって挟まれた間隙に注入することで作成す
る。注入後、液晶素子を液晶層7が液体相になるまで加
熱し、電圧もしくは磁界を印加しながら冷却を行い、液
晶に依存した特定の温度において液晶素子に紫外線など
の外部からの刺激を与えることにより液晶層7中に混合
されたモノマーが反応し高分子16のネットワークを形
成する。このようにして作成した場合には、液晶分子に
電界がかかっている状態においてモノマーの高分子化を
行うため、高分子が液晶のティルト角に従って配列す
る。そのため高分子16も液晶にティルトを与えるよう
な角度を有してネットワークを形成する。したがって、
液晶層7に印加する電界を0にしても液晶層7の中央部
分において、液晶分子は領域1と領域2でそれぞれ異な
るティルト角を有しており、再度液晶層7へ電界を印加
すると領域1と領域2で液晶分子の立ち上がる方向が異
なり領域境界14が生じる。その結果、第5の実施形態
から第7の実施形態と同様の理由によりそれぞれの領域
においては、ヒステリシスが生じているが、1画素全体
では図2のようなヒステリシスのない光学応答特性を得
ることが可能となる。また、本実施の形態においても第
一配向膜12と第二配向膜13はラビング処理がなされ
ているため、液晶注入時においても流動配向などの不要
な配向欠陥を抑止することが可能である。
【0030】なお、前記第5の実施形態から第8の実施
形態においては、第一偏光板1側から光が入射された場
合について説明を行ったが、逆に第二偏光板6の方から
光を入射させてもまったく同様の作用効果を得ることが
可能である。また、各実施形態において液晶層7として
捻じれたネマティック構造の液晶を用いているが、この
ネマティック液晶に2色性色素を混ぜることにより得ら
れるゲストホスト型の液晶を用いることも可能である。
また、液晶層7としてゲストホスト型の液晶を用いた場
合においては、前記各実施形態における第一偏光板1と
第二偏光板6を省略することも可能である。この場合に
は、液晶素子の構成を簡略化すると同時に、偏光板を必
要とする方式に比較して偏光板による光のロスが無いた
めに明るい表示を得ることが可能であるという効果もあ
る。さらに、前記第5の実施形態から第8の実施形態に
おいて、第一偏光板もしくは第二偏光板の片方を偏向反
射板とすることにより他方から入射する光を反射するこ
とが可能となり反射型の液晶素子を形成することが可能
である。
【0031】[第9の実施の形態]図12は、本発明に
よる第9の実施形態を示す図である。この実施形態にお
いては、前記第5の実施形態から第8の実施形態におけ
る、第二透明電極4をアルミニウムなどの金属や誘電体
多層膜構造とすることで光反射板兼電極10に変えるこ
とにより一体型の反射型液晶ディスプレイへ適用した実
施形態である。また、本実施形態においては液晶層7と
してゲストホスト型の液晶を用いることで第二偏光板6
だけでなく第一偏光板1も省略することが可能である。
ここでは、第二透明基板5の表面に微小な凹凸を形成
し、この表面にアルミニウムや銀等を蒸着するなどの方
法により成膜することにより光反射板兼電極10を形成
し、この光反射板兼電極10の上に第二配向膜13を作
成することで画素内部を微小領域の領域1と領域2に分
割して図2のようなヒステリシスの無い光学応答特性を
得ることが可能となる。
【0032】[第10の実施の形態]図13は、本発明
による第10の実施形態を示す図である。本実施形態に
おいては第9の実施形態と同様に第二透明電極4をアル
ミニウムなどの金属や誘電体多層膜構造とすることで光
反射板兼電極10とし、液晶層7としては、第5の実施
形態から第8の実施形態までと同様に捻じれたネマティ
ック構造を採用した場合である。本実施形態の場合にお
いては、偏光板が一枚であるために、光学的な補償を行
なう位相差補償板を組み合わせることで白黒表示を行な
うことを可能としている。
【0033】なお、前記第9と第10の実施形態におい
ては、光反射板10を形成する第二透明基板5としては
特に透明な基板を用いる必要は無く、金属、高分子板、
セラミックなどの不透明な基板を用いてもその動作には
何等問題にはならない。
【0034】[第11の実施の形態]図14ないし図1
6は、本発明による第11の実施形態を示す図であり、
前記各実施形態において用いることができる粗面化され
た電極の表面形状について説明する図である。まず、図
14に示した例では、第二透明基板5の表面を#100
0の研磨材により研磨した後、濃度25%のフッ酸で3
分間処理し、波状の凹凸を形成した上にITO等の透明
電極をスパッタ法により成膜し、第二透明電極6を形成
した。同図に示した例における表面形状においては、全
体として波状のランダムな凹凸を有しており、個々の凹
部は尾根状の凸部により分離されており、よって、長く
辿ることのできる谷線を有さない。
【0035】次に、図15に示した例では、図15
(a)に示されるように、第二透明基板5上に複数の柱
状のベース構造81をランダムに形成し、続いて図15
(b)に示されるように、ベース構造81を覆うように
層間膜82を形成することにより粗面化膜8を形成し、
しかる後にITO等の透明電極をスパッタ法により成膜
し、第二透明電極6を形成した。同図に示した例におけ
る表面形状においては、全体としてランダムな山地状の
凹凸を有しており、個々の凸部の間を辿るように谷線を
有している。
【0036】また、図16に示した例では、図16
(a)に示されるように、第二透明基板5上に、複数の
ランダムな穴を特徴とするベース構造81を形成し、続
いて図16(b)に示されるように、ベース構造81を
覆うように層間膜82を形成することにより粗面化膜8
を形成し、しかる後に、ITO等の透明電極をスパッタ
法により成膜し、第二透明電極6を形成した。同図に示
した例における表面形状においては、ランダムな凹部を
特徴としており、個々の凹部は、尾根状の凸部により分
離されており、よって、長く辿ることのできる谷線を有
さない。
【0037】以上、図14ないし図16に示した表面形
状の電極を用いて液晶表示装置を作成したところ、いず
れの場合にもヒステリシスが低減され、階調表示特性の
改善が見られた。特に、図14あるいは図16に示した
表面形状の場合において、フィンガーテクスチャーと呼
ばれる配向欠陥の発生が完全に抑制され、非常に良好な
階調表示特性が得られた。これに対し、図15に示した
表面形状の場合においては、その凹凸形状における谷線
を辿るように配向欠陥が発生し、ヒステリシス低減の効
果は図14あるいは図16の表面形状の場合ほど顕著で
はなかった。
【0038】図17は、図14に示した表面形状の場合
の中間調表示の様子を表す写真を示し、図18には、図
15に示した表面形状の場合の中間調表示の様子を表す
写真を示す。ただし、図17及び図18おいては、図1
4及び図15における透明電極6のかわりに、アルミニ
ウムを材料として光反射板兼電極を形成してあり、液晶
層にはネマティック液晶に二色性色素を混ぜることによ
り得られるゲストホスト型の液晶を用いている。図18
においては、配向欠陥の発生は見られず、オン状態の領
域とオフ状態の領域とが混在している。これらの領域の
面積比の、印加電圧に応じた変化により、非常に良好な
多階調表示が可能であった。
【0039】なお、前記各実施形態においては、液晶層
7を駆動する方法として能動素子を用いないスタティッ
ク駆動もしくは単純マトリクス駆動を行っている液晶表
示装置として説明を行ってきたが、液晶層7を駆動する
方法として液晶駆動素子を小さなピクセル単位に分割
し、各々の素子に少なくとも1つの2端子もしくは3端
子の能動素子をつけることによりアクティブマトリクス
駆動を採用しても本発明による効果は変わりがない。特
に、この方式では各画素を独立して駆動することが可能
となるため印加電圧を細かく制御することができ、より
鮮明な中間調表示を得ることが可能である。また、前記
各実施の形態においては、カラーフィルターを持たない
モノカラー型の液晶表示素子に関して述べてきたが、前
記各実施の形態に示したようなモノカラー型の液晶表示
素子にカラーフィルターを付加することによりカラー表
示を行うことが可能であることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、270度
以上のねじれ角の液晶層に加えられる電界強度が部分的
に相違するように構成しているので、本来ならばヒステ
リシスが発生し中間調表示ができない場合においても、
液晶表示装置を全体としてみた場合でのヒステリシスを
解消でき、滑らかな中間調表示を可能とし、ひいてはフ
ルカラー表示の可能な液晶表示装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の模式的な断面図で
ある。
【図2】 第1の実施形態におけるヒステリシス特性を
示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態の模式的な断面図で
ある。
【図4】 本発明の第3の実施形態の模式的な断面図で
ある。
【図5】 本発明の第3の実施形態の別の実現形態にお
ける模式的な断面図である。
【図6】 本発明の第4の実施形態の模式的な断面図で
ある。
【図7】 本発明の第5の実施形態の模式的な断面図で
ある。
【図8】 本発明の第5の実施形態の別の実現形態にお
ける模式的な断面図である。
【図9】 本発明の第6の実施形態の模式的な断面図で
ある。
【図10】 本発明の第7の実施形態の模式的な断面図
である。
【図11】 本発明の第8の実施形態の模式的な断面図
である。
【図12】 本発明の第9の実施形態の模式的な断面図
である。
【図13】 本発明の第10の実施形態の模式的な断面
図である。
【図14】 本発明の第11の実施形態の模式的な斜視
図である。
【図15】 本発明の第11の実施形態の別の実施形態
の模式的な斜視図である。
【図16】 本発明の第11の実施形態のさらに別の実
施形態の模式的な斜視図である。
【図17】 本発明の第11の実施形態の液晶表示装置
における、中間調表示時の様子を表す写真である。
【図18】 本発明の第11の実施形態の別の液晶表示
装置における、中間調表示時の様子を表す写真である。
【図19】 従来の液晶表示装置の模式的な断面図であ
る。
【図20】 従来の液晶表示装置における配向欠陥の様
子を表す写真である。
【図21】 従来の液晶表示装置におけるヒステリシス
特性を示す図である。
【符号の説明】
1 第一偏光板 2 第一透明基板 3 第一透明電極 4 第二透明 電極 5 第二透明基板 6 第二偏光板 7 液晶層 8 粗面化膜 9 レベリング膜 10 光反射板兼電極 11 位相差補償板 12 第一配向膜 13 第二配向膜 14 領域境界 15 液晶分子 81 ベース構造 82 層間膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−126227(JP,A) 特開 昭59−15279(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/1337

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明の2枚の基板の間
    に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であり、前記
    2枚の基板の一方の基板上にベース構造体を形成する工
    程と、前記ベース構造体にランダムな開口部を形成する
    工程と、前記ランダムな開口部形成した前記ベース構造
    体上に層間膜を形成する工程と、前記層間膜上に電極を
    形成する工程を有することを特徴とする液晶表示装置の
    製造方法。
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