図1は、本発明の一の実施の形態に係る機器台カバー1を示す斜視図である。図1では、滅菌袋等から取り出された直後の折り畳まれた状態の機器台カバー1を示す。図2および図3は、展開途上の機器台カバー1を示す斜視図である。図4は、展開された状態の機器台カバー1を示す斜視図である。図3および図4では、機器台9も併せて図示する。図1に示す機器台カバー1の状態を「初期状態」と呼ぶ。図2および図3に示す展開途上の機器台カバー1の状態をそれぞれ、「初期展開状態」および「半展開状態」と呼ぶ。図4に示す展開済みの機器台カバー1の状態を「展開状態」と呼ぶ。
図3および図4に示すように、機器台9は、略矩形板状の天板91と、天板91の下面に接続されて天板91を下方から支持する支持部92とを備える。機器台9の上面93(すなわち、天板91の上面)上には、医療処置の際に医療機器が載置される。機器台9は、例えば、天板91が上下方向に移動可能な昇降式の機器台である。換言すれば、機器台9では、上面93の上下方向の位置が変更可能である。天板91を上下方向に移動させるための昇降用のスイッチ97は、天板91の側面95に設けられる。スイッチ97は、天板91の側面95の下方に配置されてもよい。機器台9には、一般的に機械台と呼ばれる台や、メイヨ台が含まれる。
展開状態の機器台カバー1は、例えば、略矩形状である。機器台カバー1は、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂により形成されたシート、不織布、または、樹脂シートと不織布とが積層された積層シートにより形成される。機器台カバー1では、機器台9の上面93上に配置される部位に、不織布等で形成されたシート状の補強部材が設けられてもよい。
機器台カバー1は、図1に示す折り畳まれた初期状態にて、機器台9の上面93上に載置され、図2に示す初期展開状態および図3に示す半展開状態を経て、図4に示す展開状態へと展開されて機器台9の上面93および側方を覆う。
詳細には、機器台カバー1は、手術の準備室等における医療処置の準備の際に、図1に示す初期状態から図3に示す半展開状態まで展開される。機器台カバー1は、初期状態から展開状態へと移行する途上の半展開状態にて、機器台9の上面93を覆う。機器台カバー1上には、医療機器が載置される。半展開状態の機器台カバー1により覆われた機器台9は、手術室に搬入される。そして、機器台9の天板91が上下方向に移動して上面93の上下方向の位置が決定された後、半展開状態の機器台カバー1が展開され、図4に示す展開状態となる。図3および図4では、図の理解を容易にするために、機器台カバー1上の医療機器の図示を省略する。
図1に示すように、初期状態の機器台カバー1は、横方向(すなわち、幅方向)に延びる4つの折り返し線211〜214にて、横方向に垂直な縦方向(すなわち、長手方向)に折り畳まれている。4つの折り返し線211〜214は、機器台カバー1を縦方向におよそ5等分する位置に位置する。機器台カバー1は、折り返し線212と折り返し線213との間の部位である第3部位223(すなわち、縦方向の中央の部位)が最も下側に位置するように折り畳まれている。
具体的には、折り返し線211と折り返し線212との間の部位である第2部位222が、折り返し線212にて縦方向に折り返されて第3部位223上に配置され、縦方向の一方の端部231を含む第1部位221が、折り返し線211にて縦方向に折り返されて第2部位222上に配置される。また、折り返し線213と折り返し線214との間の部位である第4部位224が、折り返し線213にて縦方向に折り返されて第1部位221上に配置され、縦方向の他方の端部232を含む第5部位225が折り返し線214にて縦方向に折り返されて第4部位224上に配置される。
初期状態の機器台カバー1が機器台9上に載置される際には、第3部位223の下面(すなわち、不潔面)に設けられた粘着部49(図3および図4参照)が、機器台9の上面93に粘着する。これにより、機器台9の上面93上において、初期状態の機器台カバー1の位置ずれが抑制される。また、機器台カバー1を初期状態から展開状態まで展開する際に、機器台カバー1が機器台9からずれ落ちる心配がないため、機器台カバー1を容易に展開することができる。
初期状態の機器台カバー1が機器台9上に載置されると、機器台カバー1の縦方向の両端部231,232が把持されて縦方向に引っ張られる。これにより、初期状態の機器台カバー1が縦方向に展開され、図2に示す初期展開状態となる。初期展開状態の機器台カバー1は、縦方向に延びる2つの折り返し線311,312にて、横方向に折り畳まれている。2つの折り返し線311,312は、機器台カバー1を横方向におよそ3等分する位置に位置する。機器台カバー1は、折り返し線311と折り返し線312との間の部位である第2部位322(すなわち、横方向の中央の部位)が最も下側に位置するように折り畳まれている。
具体的には、横方向の一方の端部331を含む第1部位321が、折り返し線311にて横方向に折り返されて第2部位322上に配置される。また、横方向の他方の端部332を含む第3部位323が、折り返し線312にて横方向に折り返されて第1部位321上に配置される。
機器台カバー1が初期展開状態に展開されると、機器台カバー1の横方向の端部332が把持され、第3部位323が横方向に広げられる。また、機器台カバー1の横方向の端部331が把持され、第1部位321が横方向に広げられる。これにより、初期展開状態の機器台カバー1が横方向に展開され、図3に示す半展開状態となる。
図5および図6はそれぞれ、機器台カバー1および機器台9を図3中のV−Vの位置、および、VI−VIの位置にて切断した断面図である。図5に示す断面は、機器台カバー1の縦方向に垂直な断面である。図6に示す断面は、機器台カバー1の横方向に垂直な断面である。図6は、機器台カバー1の縦方向の一方の端部近傍の断面図である。
図3および図5に示すように、機器台カバー1は、半展開状態において、中央部41と、2つの折り畳み部42と、2つの垂下部43とを備える。各折り畳み部42は、機器台カバー1の一部が折り畳まれて上下方向に積層された部位である。中央部41および垂下部43では、機器台カバー1が折り畳まれていない。図5に示す例では、中央部41と折り畳み部42との境界は、後述する第2折り返し線462と上下方向に重なる。
中央部41は、平面視において略矩形状であり、下面である不潔面12が機器台9の上面93に接する。中央部41の不潔面12には、上述の粘着部49が設けられる。中央部41の上面である清潔面11上には、上述の医療機器が載置される。2つの折り畳み部42は、中央部41の横方向の両側に隣接する。2つの折り畳み部42はそれぞれ、平面視において略矩形状である。中央部41の横方向の幅は、例えば70cm〜120cmであり、各折り畳み部42の横方向の幅は、例えば10cm〜20cmである。中央部41の横方向の幅は、例えば、機器台9の横方向の幅の60%以上90%以下である。
2つの折り畳み部42はそれぞれ、第1部位421と、第2部位422と、第3部位423とを備える。第1部位421、第2部位422および第3部位423はそれぞれ、平面視において略矩形状である。第1部位421と第2部位422とは、縦方向に延びる第1折り返し線461にて連続する。第2部位422と第3部位423とは、縦方向に延びる第2折り返し線462にて連続する。
第1部位421は、中央部41から横方向に広がる。第2部位422は、第1部位421の下方にて第1部位421と上下方向に重なる。第2部位422は、第1部位421から横方向に広がる部位(すなわち、第1部位421から中央部41とは反対側に広がる機器台カバー1の一部)を、第1折り返し線461にて不潔面12同士を対向させつつ横方向に折り返すことにより形成される。
第3部位423は、第2部位422の下方にて、第1部位421および第2部位422と上下方向に重なる。第3部位423は、第2部位422から横方向に広がる部位(すなわち、第2部位422から第1部位421とは反対側に広がる機器台カバー1の一部)を、第2折り返し線462にて清潔面11同士を対向させつつ横方向に折り返すことにより形成される。第3部位423の側端部(すなわち、折り畳み部42の側端部)は、第1折り返し線461から横方向に延出する。換言すれば、第3部位423の第2折り返し線462とは反対側にて縦方向に延びる側縁466と、中央部41との間に第1折り返し線461が位置する。さらに換言すれば、第1折り返し線461は、横方向において、第2折り返し線462と第3部位423の側縁466との間に位置する。
2つの垂下部43は、半展開状態において、2つの第3部位423の側縁466(すなわち、2つの折り畳み部42の横方向の側縁466)から下方に広がる。折り畳み部42の横方向の側縁466は、垂下部43の上端縁でもある。2つの垂下部43は、機器台9の天板91の横方向の両側面95を覆う。図3中の手前側の垂下部43は、機器台9の横方向の側部に設けられるスイッチ97を覆う。垂下部43の下端縁431は、機器台9の天板91の下面94よりも下方、または、下面94と上下方向のおよそ同じ位置に位置する。垂下部43の上下方向の高さは、例えば10cm〜20cmである。
図5に示すように、機器台カバー1が半展開状態にて機器台9の上面93を覆う状態において、機器台カバー1の不潔面12のみが機器台9の上面93に接する。また、機器台カバー1の不潔面12のみが、機器台9の天板91の側面95に接する。上面93は、機器台カバー1の中央部41および2つの折り畳み部42により、全面に亘って覆われる。2つの側面95は、2つの垂下部43により、全面に亘って覆われる。
図3および図6に示すように、機器台カバー1は、半展開状態において、2つの他の折り畳み部44と、2つの他の垂下部45とをさらに備える。以下の説明では、折り畳み部42,44の区別を容易とするために、折り畳み部42,44をそれぞれ、「横折り畳み部42」および「縦折り畳み部44」とも呼ぶ。また、垂下部43,45の区別を容易とするために、垂下部43,45をそれぞれ、「横垂下部43」および「縦垂下部45」とも呼ぶ。各縦折り畳み部44の縦方向の幅は、例えば40cm〜60cmである。各縦垂下部45の上下方向の高さは、例えば10cm〜20cmである。
2つの縦折り畳み部44は、半展開状態において、中央部41および2つの横折り畳み部42の縦方向の両側に隣接する。2つの縦折り畳み部44は、平面視において略矩形状である。2つの縦折り畳み部44はそれぞれ、第1部位441と、第2部位442と、第3部位443とを備える。第1部位441、第2部位442および第3部位443はそれぞれ、平面視において略矩形状である。第1部位441と第2部位442とは、横方向に延びる第1折り返し線471にて連続する。第2部位442と第3部位443とは、横方向に延びる第2折り返し線472にて連続する。
第1部位441は、中央部41および2つの横折り畳み部42の縦方向の端部でもある。第2部位442は、第1部位441の下方にて第1部位441と上下方向に重なる。第2部位442は、第1部位441から縦方向に広がる部位(すなわち、第1部位441から中央部41とは反対側に広がる部位)を、第1折り返し線471にて縦方向に折り返すことにより形成される。
第3部位443は、第2部位442の下方にて、第1部位441および第2部位442と上下方向に重なる。第3部位443は、第2部位442から縦方向に広がる部位を、第2折り返し線472にて縦方向に折り返すことにより形成される。第3部位443の側端部(すなわち、縦折り畳み部44の側端部)は、第1折り返し線471から縦方向に延出する。換言すれば、第3部位443の第2折り返し線472とは反対側にて横方向に延びる側縁476は、第1折り返し線471を挟んで、中央部41とは縦方向の反対側に位置する。さらに換言すれば、第1折り返し線471は、縦方向において、第2折り返し線472と第3部位443の側縁476との間に位置する。
2つの縦垂下部45は、半展開状態において、2つの第3部位443の側縁476(すなわち、2つの縦折り畳み部44の縦方向の側縁476)から下方に広がる。縦折り畳み部44の縦方向の側縁476は、縦垂下部45の上端縁でもある。2つの縦垂下部45は、機器台9の天板91の縦方向の両側面96を覆う。縦垂下部45の下端縁451は、機器台9の天板91の下面94よりも下方、または、下面94と上下方向のおよそ同じ位置に位置する。2つの側面96は、2つの縦垂下部45により、全面に亘って覆われる。
半展開状態の機器台カバー1は、機器台9の上面93を覆う。これにより、清潔状態の看護士等が、不潔領域である機器台9の上面93に誤って接触することを防止することができる。また、半展開状態の機器台カバー1は、機器台9の側面95,96を覆う。これにより、清潔状態の看護士等が、不潔領域である機器台9の側面95,96に誤って接触することを防止することができる。
半展開状態の機器台カバー1により覆われた機器台9は、上述のように、手術室に搬入される。そして、スイッチ97が操作され、機器台9の上面93の上下方向の位置が決定される。上述のように、スイッチ97は機器台カバー1の横垂下部43により覆われているため、清潔状態の看護士等が、スイッチ97に直接的に触れて不潔状態となることなく、横垂下部43上からスイッチ97を操作することができる。その後、各横折り畳み部42の第3部位423のうち、第1折り返し線461から横方向に延出している部位(すなわち、横折り畳み部42の側端部)が看護士等により摘ままれ、横方向に引っ張り出される。これにより、各横折り畳み部42が横方向に展開される。
機器台カバー1では、2つの縦折り畳み部44は、機器台カバー1の一部が折り畳まれて2つの横折り畳み部42が形成された状態で、中央部41および2つの横折り畳み部42の縦方向の両端部を含む部位が折り畳まれることにより形成されている。このため、2つの横折り畳み部42を上述のように横方向に展開する際に、各縦折り畳み部44が、2つの横折り畳み部42に横方向から引っ張られる。これにより、各縦折り畳み部44が自然に(すなわち、看護士が摘まんで引っ張ることなく)縦方向に展開される。したがって、縦折り畳み部44の展開を容易とすることができる。
機器台カバー1では、2つの横折り畳み部42が横方向に展開され、2つの縦折り畳み部44が縦方向に展開されることにより、図3に示す半展開状態から、図4に示す展開状態となる。展開状態の機器台カバー1は、上述のように、機器台9の上面93および側方を覆う。これにより、機器台9の上面93の上下方向の位置が決定された後に、機器台9の側方に広い清潔部位(すなわち、清潔面11)を出現させることができる。なお、上述のように、機器台9上の医療機器は、半展開状態の医療用カバ−1の中央部41上に主に載置されているため、横折り畳み部42および縦折り畳み部44を展開する際に、当該医療機器の位置ずれはほとんど生じない。
以上に説明したように、機器台カバー1は、折り畳まれた初期状態にて機器台9の上面93上に載置され、展開状態へと展開されて機器台9の上面93および側方を覆う。医療処置の準備の際には、機器台カバー1は、初期状態から展開状態へと移行する途上の半展開状態にて機器台9の上面93を覆う。機器台カバー1は、半展開状態において、中央部41と、2つの折り畳み部42(すなわち、横折り畳み部42)とを備える。中央部41は、矩形状であり、不潔面12が機器台9の上面93と接する。2つの折り畳み部42は、中央部41の横方向の両側に隣接する。
これにより、機器台カバー1のうち機器台9の側方を覆う部位が、機器台9の準備段階で不潔状態となることを抑制することができる。その結果、機器台カバー1の不潔状態となった部位に、看護士等が触れることを抑制することができる。また、機器台カバー1の不潔状態となった部位が、手術室内の清潔領域に近づくことを抑制することができる。
機器台カバー1は、上述のように、折り畳み部42を展開した時点で機器台9の側方に広い清潔部位を初めて出現させることができるため、上面93の上下方向の位置が変更可能である昇降式の機器台9を覆う場合に特に適している。
上述のように、2つ折り畳み部42はそれぞれ、第1部位421と、第2部位422と、第3部位423とを備える。第1部位421は、中央部41から横方向に広がる。第2部位422は、第1部位421から横方向に広がる部位を、縦方向に延びる第1折り返し線461にて不潔面12同士を対向させつつ折り返すことにより、第1部位421の下方にて第1部位421と重なる。第3部位423は、第2部位422から横方向に広がる部位を、縦方向に延びる第2折り返し線462にて清潔面11同士を対向させつつ折り返すことにより、第2部位422の下方にて第2部位422と重なる。
折り畳み部42を展開して機器台カバー1を展開状態とする際に、第3部位423のうち第2部位422に覆われている部位を看護士等が摘まむことにより、折り畳み部42の他の部位を摘まむ場合に比べて、より清潔な状態で機器台カバー1の展開作業を行うことができる。
上述のように、各折り畳み部42の側端部は、第1折り返し線461から横方向に延出する。折り畳み部42を展開して機器台カバー1を展開状態とする際に、第3部位423のうち第1折り返し線461から延出している部位を看護士等が摘まむことにより、折り畳み部42の他の部位を摘まむ場合に比べて、機器台カバー1の展開作業を容易に行うことができる。
機器台カバー1が半展開状態にて機器台9の上面93を覆う状態においては、機器台カバー1の不潔面12のみが機器台9の上面93に接する。これにより、機器台カバー1の清潔面11が、不潔状態の機器台9と接触することを防止することができる。
機器台カバー1は、半展開状態において、2つの折り畳み部42の横方向の側縁466から下方に広がる2つの垂下部43をさらに備える。これにより、機器台9の天板91の横方向の側面95を覆うことができる。その結果、不潔状態の機器台9の天板91の横方向の側面95に、看護士等が触れることを抑制することができる。また、垂下部43の下端縁431は、機器台9の天板91の下面94よりも下方、または、下面94と上下方向のおよそ同じ位置に位置する。このため、天板91の横方向の側面95を全面に亘って機器台カバー1により覆うことができる。その結果、不潔状態の機器台9の天板91の横方向の側面95に、看護士等が触れることを防止することができる。
上述のように、機器台カバー1は、半展開状態において、中央部41および2つの折り畳み部42(すなわち、横折り畳み部42)の縦方向の両側に隣接する2つの縦折り畳み部44をさらに備える。これにより、機器台カバー1のうち機器台9の縦方向の側方を覆う部位が、機器台9の準備段階で不潔状態となることを抑制することができる。その結果、機器台カバー1の不潔状態となった部位に、看護士等が触れることを抑制することができる。また、機器台カバー1の不潔状態となった部位が、手術室内の清潔領域に近づくことを抑制することができる。
機器台カバー1は、半展開状態において、2つの縦折り畳み部44の縦方向の側縁476から下方に広がる2つの縦垂下部45をさらに備える。これにより、機器台9の天板91の縦方向の側面96を覆うことができる。その結果、不潔状態の機器台9の天板91の縦方向の側面96に、看護士等が触れることを抑制することができる。また、垂下部43の下端縁431は、機器台9の天板91の下面94よりも下方、または、下面94と上下方向のおよそ同じ位置に位置する。このため、天板91の縦方向の側面96を全面に亘って機器台カバー1により覆うことができる。その結果、不潔状態の機器台9の天板91の縦方向の側面96に、看護士等が触れることを防止することができる。
上述のように、半展開状態における機器台カバー1の中央部41の不潔面12には、機器台9の上面93に粘着する粘着部49が設けられる。これにより、機器台9を覆う半展開状態の機器台カバー1のずれを防止することができる。また、機器台カバー1を半展開状態から展開状態に展開する際に、機器台カバー1が機器台9からずれ落ちる心配がないため、機器台カバー1を容易に展開することができる。
図1に示す初期状態の機器台カバー1は、上述の展開状態から半展開状態および初期展開状態を経て折り畳まれることにより形成される。半展開状態から初期展開状態へと折り畳まれる際には、図7に示すように、横垂下部43は、上端縁(すなわち、折り畳み部42の側縁466)にて不潔面12同士を対向させつつ横方向に折り返され、折り畳み部42の第3部位423の下方にて第3部位423と重なる。そして、図7に示す状態から、機器台カバー1の横方向の両側の部位(折り畳み部42および垂下部43)が、清潔面11同士を対向させつつ中央部41上へと横方向に折り返される。これにより、機器台カバー1は、図2に示す初期展開状態となる。
次に、折り畳み部の構造の他の好ましい例について説明する。図8は、2つの折り畳み部42aを備える半展開状態の機器台カバー1の縦方向に垂直な断面を示す図であり、図5に対応する。図8では、機器台9の断面も併せて示す。後述する図9においても同様である。図8および図9においては、上述の横折り畳み部42に対応する折り畳み部について説明するが、これらの構造は、上述の縦折り畳み部44に適用されてもよい。
図8に示すように、2つの折り畳み部42aはそれぞれ、上述の第1部位421、第2部位422および第3部位423に加えて、第4部位424と、第5部位425とをさらに備える。第4部位424および第5部位425はそれぞれ、平面視において略矩形状である。第4部位424は、縦方向に延びる第3折り返し線463にて第3部位423と連続する。第4部位424と第5部位425とは、縦方向に延びる第4折り返し線464にて連続する。
第4部位424は、第3部位423の下方にて、第1部位421、第2部位422および第3部位423と上下方向に重なる。第4部位424は、第3部位423から横方向に広がる部位(すなわち、第3部位423から第2部位422とは反対側に広がる機器台カバー1の一部)を、第3折り返し線463にて不潔面12同士を対向させつつ横方向に折り返すことにより形成される。
第5部位425は、第4部位424の下方にて、第1部位421、第2部位422、第3部位423および第4部位424と上下方向に重なる。第5部位425は、第4部位424から横方向に広がる部位(すなわち、第4部位424から第3部位423とは反対側に広がる機器台カバー1の一部)を、第4折り返し線464にて清潔面11同士を対向させつつ横方向に折り返すことにより形成される。第5部位425の縦方向に延びる側縁466(すなわち、折り畳み部42aの側縁466)から、垂下部43が下方に広がる。
図8に示す例では、折り畳み部42aを展開して機器台カバー1を展開状態とする際に、看護士等が第3部位423および第4部位424を第3折り返し線463を挟んで摘まむことにより、機器台カバー1の展開作業を容易に行うことができる。
図8に示すように、折り畳み部42aの側端部は、第1折り返し線461から横方向に延出している。これにより、看護士等が、第3部位423および第4部位424を第3折り返し線463を挟んで、さらに容易に摘まむことができる。その結果、機器台カバー1の展開作業を、より一層容易に行うことができる。
また、機器台カバー1が半展開状態にて機器台9の上面93を覆う状態においては、機器台カバー1の不潔面12のみが機器台9の上面93に接する。これにより、機器台カバー1の清潔面11が、不潔状態の機器台9と接触することを防止することができる。
さらに、折り畳み部42aでは、機器台カバー1が5層に積層されるため、半展開状態における折り畳み部42aの幅が増大することを抑制しつつ、展開状態の機器台カバー1において機器台9の側方を覆う部位の面積を大きくすることができる。
図8に示す例では、第2折り返し線462は、第4折り返し線464と上下方向に重なる。また、第3折り返し線463は、第5部位425の側縁466と上下方向に重なる。なお、第2折り返し線462は、第4折り返し線464と第1折り返し線461との間に位置してもよい。あるいは、第4折り返し線464が、第2折り返し線462と第1折り返し線461との間に位置してもよい。また、第3折り返し線463は、第1折り返し線461と側縁466との間に位置してもよく、第1折り返し線461と上下方向に重なってもよい。また、側縁466も、第1折り返し線461および第3折り返し線463と上下方向に重なってもよい。
図9は、2つの折り畳み部42bを備える半展開状態の機器台カバー1の縦方向に垂直な断面を示す図であり、図5に対応する。図9に示すように、2つの折り畳み部42bはそれぞれ、第1部位421aと、第2部位422aと、第3部位423aとを備える。第1部位421a、第2部位422aおよび第3部位423aはそれぞれ、平面視において略矩形状である。第1部位421aと第2部位422aとは、縦方向に延びる第1折り返し線461aにて連続する。第2部位422aと第3部位423aとは、縦方向に延びる第2折り返し線462aにて連続する。
第1部位421aは、中央部41から横方向に広がる。第2部位422aは、第1部位421aの上方にて第1部位421aと上下方向に重なる。第2部位422aは、第1部位421aから横方向に広がる部位(すなわち、第1部位421aから中央部41とは反対側に広がる機器台カバー1の一部)を、第1折り返し線461aにて清潔面11同士を対向させつつ横方向に折り返すことにより形成される。
第3部位423aは、第2部位422aの上方にて、第1部位421aおよび第2部位422aと上下方向に重なる。第3部位423aは、第2部位422aから横方向に広がる部位(すなわち、第2部位422aから第1部位421aとは反対側に広がる機器台カバー1の一部)を、第2折り返し線462aにて不潔面12同士を対向させつつ横方向に折り返すことにより形成される。
これにより、上記と同様に、機器台カバー1のうち機器台9の側方を覆う部位が、機器台9の準備段階で不潔状態となることを抑制することができる。また、折り畳み部42bを展開して機器台カバー1を展開状態とする際に、第1部位421aおよび第2部位422aよりも上側に位置する第3部位423aを、看護士等が容易に摘まむことができる。その結果、機器台カバー1の展開作業を容易に行うことができる。
図9に示す例では、第3部位423aの側縁466a(すなわち、折り畳み部42bの側縁466a)から、垂下部43が下方に広がる。第3部位423aの側縁466aは、第1折り返し線461aと上下方向に重なる。第1折り返し線461aは、第3部位423aの側縁466aと第2折り返し線462aとの間に位置してもよい。
上述の機器台カバー1は、様々な変更が可能である。
図5、図8および図9に示す医療用カバ−1では、例えば、折り畳み部42の第3部位423の清潔面11に、看護士等が摘まむタブが設けられてもよい。当該タブとして、例えば、帯状の不織布の一端が第3部位423の清潔面11に接合される。折り畳み部42が展開される際には、看護士等が当該タブを摘まんで引っ張ることにより、折り畳み部42を容易に展開することができる。図8に示す医療用カバ−1では、当該タブが、折り畳み部42の第4部位424または第5部位425の清潔面11に設けられてもよい。この場合、当該タブの自由端部は、好ましくは、第3折り返し線463から側方に突出する。
例えば、折り畳み部42または垂下部43の清潔面11に、機器台カバー1に覆われた機器台9のスイッチ97の場所を示す目印が設けられてもよい。
機器台カバー1では、中央部41、折り畳み部42,42a,42b、垂下部43、縦折り畳み部44および縦垂下部45の幅や高さは、適宜変更されてよい。例えば、垂下部43は、機器台9の天板91の側面95のうち上部のみを覆う高さであってもよい。縦垂下部45においても同様である。機器台カバー1では、機器台9の形状に合わせて、縦折り畳み部44および縦垂下部45は、省略されてもよい。また、垂下部43も省略されてもよい。
機器台カバー1の初期状態および初期展開状態は、図1および図2に示すものには限定されず、様々な折り畳み構造が採用されてよい。
機器台カバー1は、昇降式以外の機器台9を覆うために利用されてよい。また、機器台カバー1は、医療処置の際に医療機器が載置される機器台に相当するものであれば、機器台以外の名称で呼ばれるものを覆うために利用されてよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。