JP2017046397A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電流引込制御からセンサレスベクトル制御へ切り替える際のショックを低減させたPMSMの制御装置を提供する。【解決手段】第1の運転モードから第2の運転モードへ切り替える時に、磁極位置推定誤差を演算する手段、第1の運転モードの第1の電流指令値と磁極位置推定誤差とを用いて第2の運転モードの第2の電流指令値の初期値を演算する手段、トルク指令値から第2の運転モードの第1の電流指令値を演算する手段、第2の運転モードの第2の電流指令値の初期値と第1の電流指令値との偏差を用いて電流補償値を初期化する手段、を備え、第2の運転モードにおいて、電流補償値を時間と共に零まで減少させる手段、第2の運転モードの第1の電流指令値と電流補償値とを加算して第2の電流指令値を演算する手段、電動機の電流を第2の電流指令値に制御する手段、備える。【選択図】図1

Description

本発明は、磁極位置検出器を持たない永久磁石形同期電動機の制御装置に関し、詳しくは、速度に応じて制御方法を切り替える際のトルクのショックを低減するための技術に関するものである。
永久磁石形同期電動機(以下、PMSMともいう)の制御装置のコストを低減するため、回転子の磁極位置検出器を使用せずに運転する、いわゆるセンサレスベクトル制御が実用化されている。周知のようにセンサレスベクトル制御は、電動機の端子電圧や電流の情報から回転子の磁極位置及び速度を推定し、これらに基づいて電流制御を行うことでトルク制御や速度制御を実現するものである。
しかしながら、センサレスベクトル制御は低速時の安定性に問題があるため、低速域においては、電流の振幅を一定として電流の角速度を速度指令値に制御することにより、PMSMの回転子を電流に引き込んで運転する技術が適用されることがある。このような制御方法を、以下では電流引込制御と呼ぶ。
PMSMの制御方法を電流引込制御からセンサレスベクトル制御へショックレスで切替える従来技術は、例えば特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されている技術では、電流引込制御からセンサレスベクトル制御へ切り替える際に、PMSMの電流、端子電圧、電流指令値の角速度から拡張誘起電圧を演算し、この拡張誘起電圧演算値の角度から磁極位置推定誤差を演算すると共に、PMSMの電流、拡張誘起電圧演算値、電流指令値の角速度からトルクを演算し、磁極位置推定値、速度推定値、端子電圧指令値、電流指令値、及びトルク指令値を初期化することにより、制御方法の切替時におけるトルクのショックを低減している。
特許第5277724号公報(請求項1、段落[0036]〜[0046]、図9等)
特許文献1に記載された技術では、電流引込制御からセンサレスベクトル制御へ切替えるときに、電流指令値が急変する。電流指令値は、トルク演算値や電気定数に誤差がなければ、制御方法の切替前後でトルクが等しくなるように演算することができるため、電流指令値が急変しても、切替時にトルクにショックが発生することはない。
しかし、トルク演算値や電気定数に誤差がある場合には、制御方法の切替時にショックが発生し、スムーズな可変速運転を行うことができないという問題がある。
そこで、本発明の解決課題は、制御方法を電流引込制御からセンサレスベクトル制御へ切り替える際のトルクのショックを従来よりも低減し、スムーズな可変速運転を可能にした永久磁石形同期電動機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、電力変換器により駆動され、かつ、磁極位置検出器を持たない永久磁石形同期電動機の電流、端子電圧、及び磁束をベクトルとしてとらえ、前記電動機の電流及び端子電圧を前記ベクトルの成分に分解して前記電力変換器を制御するようにした永久磁石形同期電動機の制御装置において、
前記電動機の制御モードとして、
前記電動機の電流指令値の角速度を速度指令値に制御する第1の運転モードと、前記電動機の電流及び端子電圧から演算した回転子の磁極位置推定値と速度推定値とを用いて前記電動機の角速度を速度指令値に制御する第2の運転モードと、を備え,
前記第1の運転モードから前記第2の運転モードへ切り替えるときに、
前記電動機の電流、端子電圧、及び前記電流指令値の角速度から磁極位置推定誤差を演算する手段と、
前記第1の運転モードにおける第1の電流指令値と前記磁極位置推定誤差とを用いて前記第2の運転モードにおける第2の電流指令値の初期値を演算する手段と、
前記電動機のトルク指令値から前記第2の運転モードにおける第1の電流指令値を演算する手段と、
前記第2の運転モードにおける第2の電流指令値の初期値と前記第2の運転モードにおける第1の電流指令値との偏差を用いて電流補償値を初期化する手段と、を備える。
ここで、上述した第1の運転モードにおける第1の電流指令値とは、後述する数式13におけるIapull ,0に相当し、磁極位置推定誤差とはδcomp(=δEex=−δΨex)に相当する。また、第2の運転モードにおける第2の電流指令値とは、i (iγ ),i (iδ )に相当し、第2の運転モードにおける第2の電流指令値の初期値とは、数式13,14におけるidpull ,iqpull に相当し、第2の運転モードにおける第1の電流指令値とは、数式14におけるidVector ,iqVector に相当し、電流補償値とは、idcomppull,iqcomppullに相当する。
そして、本発明では、前記第2の運転モードにおいて、
前記電流補償値を時間と共に零まで減少させる手段と、
前記第2の運転モードの第1の電流指令値と前記電流補償値とを加算して第2の電流指令値を演算する手段と、
前記電動機の電流を前記第2の電流指令値に制御する手段と、を有するものである。
ここで、請求項5に記載するように、例えば第1の運転モードは電流引込制御モードであり、第2の運転モードはセンサレスベクトル制御である。
本発明によれば、電流引込制御モードからセンサレスベクトル制御に切り替える際の電流指令値を連続させ、トルクのショックを従来よりも低減することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記第2の運転モードの第2の電流指令値の上限値を制限する手段を備えたものである。
本発明によれば、電流引込制御モードからセンサレスベクトル制御に切り替える際に拡張誘起電圧が小さくなるのを防止し、拡張誘起電圧を利用した磁極位置・速度推定を安定化することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置であって、前記第2の運転モードにおいて、前記電流補償値の上限値を制限する手段と、前記電流補償値の上限値を、第1の運転モードから第2の運転モードへ切替える時のトルク指令値の初期値と前記トルク指令値との偏差、及び、前記電流補償値の初期値から演算する手段と、を備えたものである。
本発明によれば、負荷変動時に電流補償値に起因するトルク制御誤差を低減することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置であって、前記第2の運転モードにおいて、前記電流補償値の上限値を制限する手段と、前記電流補償値の上限値を、前記速度推定値と前記電流補償値の初期値とから演算する手段と、を備えたものである。
本発明によれば、電動機の中高速運転時に、電流補償値によって端子電圧が飽和するのを防ぐことができる。
本発明によれば、制御方法を切替えるときのトルクのショックを従来よりも低減することができ、低速域から中高速域にわたりPMSMのスムーズな可変速運転を実現することが可能である。
本発明の実施形態を示す制御ブロック図である。 座標軸の定義を示す図である。 電流引込制御からセンサレスベクトル制御への切替処理の原理を説明するベクトル図である。 図1における電流指令演算部の構成を示すブロック図である。 電流補償値制限値の低減係数を説明するための図である。 電流補償値制限値の低減係数を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
まず、図1は本発明の実施形態を示す制御ブロック図である。この実施形態は、特許文献1の第2実施形態(図2)として記載された従来技術を改良したもので、PMSMの制御方法を、電流引込制御から拡張誘起電圧を利用したセンサレスベクトル制御に切り替える場合の制御技術に関するものである。
PMSMは、回転子に同期した直交回転座標軸であるd,q軸上で電流、電圧を制御することで、高性能なトルク制御や速度制御を実現することができる。ここで、d,q軸は、回転子の磁極のN極方向をd軸と定義し、d軸から90°進み方向をq軸と定義する。しかしながら、センサレス制御の場合、d,q軸の位置を直接検出することができないため、d,q軸の推定軸であるγ,δ軸を制御装置内に定義して制御演算を行う。
図2は、これらの座標軸の定義を示す図であり、d,q軸の角速度をωとし、γ,δ軸の角速度をωとし、d,q軸とγ,δ軸との角度差(位置推定誤差)をθerrとする。
まず、図1に基づいて、第1実施形態における電流引込制御時の動作を制御装置の構成と共に説明する。
図1において、切替スイッチ23の入力を「S1」側に設定し、γ,δ軸の角速度ωを速度指令値ωに制御する。電気角演算器24は、角速度ωを積分してγ,δ軸の角度θを演算する。
また、切替スイッチ21a,21bの入力を「S1」側に設定した状態で、電流指令演算部41は、γ,δ軸電流指令値iγ ,iδ を数式1により演算する。なお、数式1において、iapull は電流引込制御時に与えられる電流指令値である。
Figure 2017046397
ローパスフィルタ22a,22bは、γ,δ軸電流指令値iγ ,iδ の低周波数成分を抽出してγ,δ軸電流指令値iγf ,iδf を出力する。
一方、座標変換器14は、u相電流検出器11u、w相電流検出器11wによりそれぞれ検出した相電流検出値i,iを、γ,δ軸の角度θに基づいてγ,δ軸電流検出値iγ,iδに座標変換する。
減算器19a,19bは、γ,δ軸電流指令値iγf ,iδf とγ,δ軸電流検出値iγ,iδとの偏差をそれぞれ演算する。電流調節器20は、これらの偏差をなくすようにγ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ をそれぞれ演算する。
γ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ は、座標変換器15により、γ,δ軸の角度θに基づいて相電圧指令値v ,v ,v に変換される。
整流回路60は、三相交流電源50の三相交流電圧を直流電圧に変換し、インバータ等の電力変換器70に供給する。PWM回路13は、入力電圧検出回路12により検出した電力変換器70の直流入力電圧Edcと前記相電圧指令値v ,v ,v とを用いて、電力変換器70に対するゲート信号を生成する。電力変換器70は、これらのゲート信号に基づいて内部の半導体スイッチング素子を制御することにより、PMSM80の端子電圧を相電圧指令値v ,v ,v に制御する。
上述した制御により、振幅がIapull (数式1を参照)に等しく、角速度が速度指令値ωに等しい電流ベクトルが発生し、この電流ベクトルにPMSM80の回転子が引き込まれることにより、回転子速度ωが速度指令値ωに制御されることになる。
次に、センサレスベクトル制御時の動作について説明する。ここでは、上述した電流引込制御と異なる部分を中心に述べ、重複する部分については説明を省略する。
図1において、センサレスベクトル制御時には、切替スイッチ21a,21b,23の入力をすべて「S2」側に設定する。
速度指令値ωと速度推定値ωとの偏差を減算器16により演算し、速度調節器17は、上記偏差をなくすようにトルク指令値τを演算する。
電流指令演算部18は、トルク指令値τと後述するトルク演算値τpull等に基づき、トルク/電流が最大になる条件でd,q軸電流指令値i ,i を演算する。なお、電流指令演算部18の構成、作用については後述する。
電流指令演算部18により演算されたd,q軸電流指令値i ,i は、切替スイッチ21a,21bを介し、γ,δ軸電流指令値iγ ,iδ としてローパスフィルタ22a,22bに入力される。
ローパスフィルタ22a,22b以後の減算器19a,19b、電流調節器20、座標変換器14,15の動作は電流引込制御の場合と同じであり、これらの動作によってγ,δ軸電流iγ,iδがγ,δ軸電流指令値iγ ,iδ に一致するように相電圧指令値v ,v ,v が演算される。
次に、図1における拡張誘起電圧演算器31は、γ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ 及びγ,δ軸電流iγ,iδ、速度推定値ω等を用いて、数式2によりγ,δ軸拡張誘起電圧演算値を求める。
Figure 2017046397
なお、拡張誘起電圧の演算は、数式2におけるγ軸電圧指令値vγ ,δ軸電圧指令値vδ の代わりに、図示されていない電圧検出回路を用いてPMSMの相電圧または線間電圧を測定し、これらの測定値と位置推定値θとを用いて演算したγ軸電圧vγ,δ軸電圧vδを使用しても良い。
角度演算器32は、γ,δ軸拡張誘起電圧演算値Ψexγ,Ψexδから、拡張誘起電圧の角度δEexを数式3により演算する。
Figure 2017046397
この拡張誘起電圧の角度δEexは、位置推定誤差θerrに等しくなるため、位置推定誤差演算値θerrestを数式4とする。
Figure 2017046397
速度推定器33は、位置推定誤差演算値θerrestを入力とするPI調節器によって構成されており、この速度推定器33は、数式5により速度推定値ω(γ,δ軸の角速度に等しい)を演算する。また、電気角演算器24は、速度推定値ωを積分して磁極位置推定値θ(γ,δ軸の角度に等しい)を演算する。
Figure 2017046397
上述した拡張誘起電圧演算器31、角度演算器32、速度推定器33、及び電気角演算器24の作用により、γ,δ軸とd,q軸との角度差θerrを零に収束させることができる。すなわち、PMSM80の磁極位置及び速度を正確に演算することができ、これによってトルク及び速度を正確に制御することができる。
次いで、電流引込制御からセンサレスベクトル制御への切替処理の原理について、図3のベクトル図を用いて説明する。
図3(a)に示す電流引込制御の場合、d,q軸とγ,δ軸との角度差θerr(δEexに等しい)は負荷トルクの増加関数である。一方、図3(b)に示すセンサレスベクトル制御の場合、上記の角度差θerrは、ほぼ零に制御される。
そこで、電流引込制御からセンサレスベクトル制御へ切替えるときに、磁極位置推定値θをd軸の角度に初期化し、このときに電圧指令ベクトルv、電流指令ベクトルiが切替前後で連続するように初期化する。更に、トルク指令値τは切替前のトルクにより初期化する。
電流指令ベクトルiは、図3(b)に示すように、センサレスベクトル制御時の電流指令ベクトルiVector と電流補償値ベクトルicomppullとを加算して演算する。電流補償値ベクトルicomppullの初期値は、電流引込制御時の電流指令ベクトルiとセンサレスベクトル制御時の電流指令ベクトルiVector との偏差により初期化し、電流補償値ベクトルicomppullを、時間とともに零まで減少させる。
これにより、電流指令ベクトルiは、電流引込制御からセンサレスベクトル制御への切替前後で等しくなり、時間と共にセンサレスベクトル制御時の電流指令ベクトルiVector に移行する。この結果、切替時の電流指令ベクトルiが連続し、トルクのショックを低減することができる。
次に、この実施形態において、電流引込制御からセンサレスベクトル制御へ切替えるときの演算処理について説明する。
電流引込制御を行っている状態で、拡張誘起電圧演算器31はγ,δ軸拡張誘起電圧Eexγ,Eexδを演算している。
拡張磁束演算器34は、γ,δ軸拡張誘起電圧演算値Eexγ,Eexδから、数式6によりγ,δ軸拡張磁束Ψexγ,Ψexδを演算する。
Figure 2017046397
また、角度演算器35は、γ,δ軸拡張磁束Ψexγ,Ψexδから、数式7により拡張磁束の角度δΨexを演算する。そして、数式8により、拡張磁束の角度δΨexから電気角補償値δcompを求める。
Figure 2017046397
Figure 2017046397
なお、数式8の代わりに、前述した特許文献1に示されているごとく、数式3により求めたγ,δ軸拡張誘起電圧Eexγ,Eexδの角度δEexから電気角補償値δcompを演算してもよい。
一方、図1におけるトルク演算器36は、γ,δ拡張磁束演算値Ψexγ,Ψexδ及びγ,δ軸電流iγ,iδから、数式9によりトルク演算値τpullを求め、速度調節器17から出力されるトルク指令値τをこのトルク演算値τpullにより初期化する。
Figure 2017046397
なお、数式9の代わりに、特許文献1に示されているように、数式2により求めたγ,δ軸拡張誘起電圧演算値Eexγ,EEXδ、γ,δ軸電流iγ,iδ、及びγ,δ軸の角速度ωからトルク演算値τpullを求めても良い。
また、速度推定器33を構成する積分器の出力をγ,δ軸の角速度ωとし、電気角演算器24の出力θを、数式10により初期化する。
Figure 2017046397
γ,δ軸の角度θを電気角補償値δcompだけ補正したことに伴い、ローパスフィルタ22a,22bの出力であるγ,δ軸電流指令値iγf ,iδf 、及び、電流調節器20の出力であるγ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ を、それぞれ数式11,12により初期化する。
Figure 2017046397
Figure 2017046397
数式11,12により、制御方法の切替前後で電流と端子電圧とが急変しないように、γ,δ軸電流指令値iγf ,iδf 及びγ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ を初期化することができる。
次に、この実施形態の特徴である電流指令演算部18の構成及び動作の詳細を、図4のブロック図に基づいて説明する。
図4において、電流指令演算器121は、トルク指令値τと速度ω(速度推定値ωを設定する)とから、所望のトルクを出力して端子電圧を電力変換器70の最大出力電圧以下に制御するためのd,q軸電流指令値idVector ,iqVector を演算する。ここで、d,q軸電流指令値idVector ,iqVector は、端子電圧が電力変換器70の最大出力電圧以下となる低速時は、トルク/電流が最大になるように演算する。
また、座標変換器122は、電流引込制御時の電流指令値Iapull と電気角補償値δcompとから、電流引込制御時のγ,δ軸における電流指令値をセンサレスベクトル制御時におけるd,q軸に座標変換した電流指令値Idpull ,Iqpull を数式13により演算する。
Figure 2017046397
電流引込制御からセンサレスベクトル制御への切替時には、d軸電流指令値Idpull とd軸電流指令値idVector との偏差を減算器123aにより演算し、この偏差によりローパスフィルタ124aの出力であるd軸電流補償値idcomppullを初期化する。同様に、q軸電流指令値Iqpull とq軸電流指令値iqVector との偏差を減算器123bにより演算し、この偏差によりローパスフィルタ124bの出力であるq軸電流補償値iqcomppullを初期化する。これらの動作を数式により表すと、数式14となる。
Figure 2017046397
なお、ローパスフィルタ124a,124bの入力は零とし、d,q軸電流補償値idcomppull,iqcomppullを時間と共に零まで減少させる。
制限器125aは、d軸電流補償値idcomppullの上下限値を、d軸電流補償値制限値idcomppulllimを用いて制限する。制限器125aの上限値はidcomppulllimとし、下限値は(−idcomppulllim)とする。また、制限器125bは、q軸電流補償値iqcomppullの上下限値を、q軸電流補償値制限値iqcomppulllimを用いて制限する。制限器125bの上限値はiqcomppulllimとし、下限値は(−iqcomppulllim)とする。
ここで、d,q軸電流補償値制限値idcomppulllim,iqcomppulllimは、後述する電流補償値制限値演算器127により演算する。
加算器126aは、d軸電流指令値idVector とd軸電流補償値idcomppullとを加算してd軸電流指令値i を演算する。加算器126bは、q軸電流指令値iqVector とq軸電流補償値iqcomppullとを加算してq軸電流指令値i を演算する。
これらの演算処理により、センサレスベクトル制御開始時のd,q軸電流指令値i ,i は、電流引込制御時のd,q軸電流指令値idpull ,iqpull を初期値として、時間と共にセンサレスベクトル制御時のd,q軸電流指令値idVector ,iqVector に移行する。
ところで、d軸電流が大きい場合には、拡張誘起電圧の振幅が小さくなり、拡張誘起電圧を利用した磁極位置・速度推定の安定性が低下する。そこで、拡張誘起電圧の振幅が小さくなるのを防ぐため、d軸電流指令値Idpull が上限値IdlimEExよりも大きい場合は、d,q軸電流補償値idcomppull,iqcomppullの初期値を、数式14の代わりに数式15により演算する。
Figure 2017046397
次いで、図4における電流補償値制限値演算器127について説明する。
負荷変動時には、d,q軸電流補償値idcomppull,iqcomppullは却ってトルク制御誤差の要因になる。そこで、センサレスベクトル制御時のトルク指令値τと電流引込制御時のトルクτpullとの偏差の絶対値に応じて、d,q軸電流補償値制限値Idcomppulllim,Iqcomppulllimを減少させる。具体的には、図5に示すように、トルク指令値τとトルクτpullとの偏差の絶対値に応じて、電流補償値制限値の低減係数Kidqcomplim1を演算する。なお、図5において、Δτ thLは、低減係数Kidqcomplim1が1.0から減少し始める時の|τ−τpull|を示し、Δτ thHは、低減係数Kidqcomplim1が0になった時の|τ−τpull|を示す。
また、PMSM80の中高速運転時に電圧が飽和するのを防ぐため、速度ω(速度推定値ωを設定する)の絶対値に応じて、d,q軸電流補償値制限値Idcomppulllim,Iqcomppulllimを減少させる。具体的には、図6に示すように、速度ωの絶対値に応じて電流補償値制限値の低減係数Kidqcomplim2を演算する。なお、図6において、ω thLは、低減係数Kidqcomplim2が1.0から減少し始める時の|ω|を示し、ω thHは、低減係数Kidqcomplim2が0になった時の|ω|を示す。
そして、数式16により、d,q軸電流補償値制限値Idcomppulllim,Iqcomppulllimを演算する。
Figure 2017046397
11u:u相電流検出器
11w:w相電流検出器
12:入力電圧検出回路
13:PWM回路
14,15:座標変換器
16,19a,19b:減算器
17:速度調節器
18,41:電流指令演算部
20:電流調節器
21a,21b,23:切替スイッチ
22a,22b:ローパスフィルタ
24:電気角演算器
31:拡張誘起電圧演算器
32,35:角度演算器
33:速度推定器
34:拡張磁束演算器
36:トルク演算器
50:三相交流電源
60:整流回路
70:電力変換器(インバータ)
80:永久磁石形同期電動機(PMSM)
121:電流指令演算器
122:座標変換器
123a,123b:減算器
124a,124b:ローパスフィルタ
125a,125b:制限器
126a,126b:加算器
127:電流補償値制限値演算器

Claims (5)

  1. 電力変換器により駆動され、かつ、磁極位置検出器を持たない永久磁石形同期電動機の電流、端子電圧、及び磁束をベクトルとしてとらえ、前記電動機の電流及び端子電圧を前記ベクトルの成分に分解して前記電力変換器を制御するようにした永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記電動機の制御モードとして、
    前記電動機の電流指令値の角速度を速度指令値に制御する第1の運転モードと、前記電動機の電流及び端子電圧から演算した回転子の磁極位置推定値と速度推定値とを用いて前記電動機の角速度を速度指令値に制御する第2の運転モードと、を備え、
    前記第1の運転モードから前記第2の運転モードへ切り替えるときに、
    前記電動機の電流、端子電圧、及び前記電流指令値の角速度から磁極位置推定誤差を演算する手段と、
    前記第1の運転モードにおける第1の電流指令値と前記磁極位置推定誤差とを用いて前記第2の運転モードにおける第2の電流指令値の初期値を演算する手段と、
    前記電動機のトルク指令値から前記第2の運転モードにおける第1の電流指令値を演算する手段と、
    前記第2の運転モードにおける第2の電流指令値の初期値と前記第2の運転モードにおける第1の電流指令値との偏差を用いて電流補償値を初期化する手段と、を備え、
    前記第2の運転モードにおいて、
    前記電流補償値を時間と共に零まで減少させる手段と、
    前記第2の運転モードの第1の電流指令値と前記電流補償値とを加算して第2の電流指令値を演算する手段と、
    前記電動機の電流を前記第2の電流指令値に制御する手段と、
    を有することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記第2の運転モードの第2の電流指令値の上限値を制限する手段を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置であって、
    前記第2の運転モードにおいて、
    前記電流補償値の上限値を制限する手段と、
    前記電流補償値の上限値を、第1の運転モードから第2の運転モードへ切替える時のトルク指令値の初期値と前記トルク指令値との偏差、及び、前記電流補償値の初期値から演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置であって、
    前記第2の運転モードにおいて、
    前記電流補償値の上限値を制限する手段と、
    前記電流補償値の上限値を、前記速度推定値と前記電流補償値の初期値とから演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記第1の運転モードが電流引込制御モードであり、前記第2の運転モードがセンサレスベクトル制御モードであることを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
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