JP2017043874A - 化粧板用オーバーレイ紙、化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙、化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙、化粧板およびその製造方法 - Google Patents

化粧板用オーバーレイ紙、化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙、化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙、化粧板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絵柄模様をインクジェット印刷により形成した場合でも、絵柄模様の鮮やかな化粧板が得られる化粧板用オーバーレイ紙、これを用いた化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙、化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙、化粧板およびその製造方法の提供。【解決手段】木材パルプで構成される化粧板用オーバーレイ紙であって、カチオン性樹脂を含むことを特徴とする化粧板用オーバーレイ紙。化粧板用オーバーレイ紙の一面および他面の少なくとも一方にインクジェット印刷層を有する化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙。化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませた化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧板用オーバーレイ紙、化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙、化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙、化粧板およびその製造方法に関する。
化粧板は一般に、表面に絵柄模様を有する化粧紙と、その裏面側に強度付与のために積層したコア紙とを備える。また、化粧紙の表面側には、絵柄模様の保護、耐摩耗性の向上のためにオーバーレイ紙が積層していることが多い。かかる化粧板は通常、コア紙、化粧紙、オーバーレイ紙それぞれに熱硬化性樹脂を含浸させ、それらを重ねて熱プレスすることにより製造されている。化粧紙としては、原紙(化粧板原紙)の表面に印刷を施したものが用いられている。
化粧板原紙への印刷方法としては、グラビア印刷やオフセット印刷が主流であるが、これらの印刷方法は、同一の絵柄模様を多量に印刷するには適しているものの、多品種小ロットの印刷の場合は、割高となり、製品在庫も増えるため好ましくない。そこで、近年、化粧板原紙への印刷にインクジェット印刷を用いることが提案されている。インクジェット印刷は、無版印刷であるため、多品種小ロット、可変情報の印刷が可能である。
しかし、従来の化粧板原紙は、インクジェット印刷適性が悪い問題があった。
このような問題に対し、化粧板原紙のインクジェット印刷適性を改善するために、表面にインク受理層を設けることが提案されている(たとえば特許文献1)。
しかし、化粧板原紙への印刷にインクジェット印刷を用いた場合、インク受理層を設けていても、化粧板における絵柄模様の鮮やかさは、グラビア印刷やオフセット印刷を用いた場合に比べて劣るものであった。
特許第5730823号公報
本発明の目的は、絵柄模様をインクジェット印刷により形成した場合でも、絵柄模様の鮮やかな化粧板が得られる化粧板用オーバーレイ紙、これを用いた化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙、化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙、化粧板およびその製造方法の提供である。
本発明者らは、インクジェット印刷を用いた場合に絵柄模様の鮮やかさが劣る原因の一つが、化粧紙に含まれている填料であることを見出した。すなわち、化粧板原紙には、下地の隠蔽のために、酸化チタン、炭酸カルシウム等の填料が多く配合され、白色にされている。インクジェット印刷の場合、それに適したインクが使用されるが、このインクが化粧板原紙の白のなかに沈んでしまい、鮮やかな画像とならない。
そこで本発明者らは、オーバーレイ紙に印刷することで、画像の鮮やかな化粧板が得られるのではないかと考えた。しかし、従来のオーバーレイ紙にインクジェット印刷を施したところ、インクジェット印刷適性が不十分であることがわかった。
オーバーレイ紙には、化粧板を作製した際の透明性、表面強度が求められており、かかる特性を得るために、熱硬化性樹脂を充分に含ませ得ること(樹脂含浸性)が求められる。オーバーレイ紙に前述のようなインク受理層を設けることは、透明性、樹脂含浸性等の観点から好ましくない。
本発明者らは、かかる知見に基づきさらに検討を重ねた結果、オーバーレイ紙にカチオン性樹脂を含浸させることで、樹脂含浸性とインクジェット適性とを両立できることを見出した。
本発明は、以下の態様を有する。
<1>木材パルプで構成される化粧板用オーバーレイ紙であって、カチオン性樹脂を含むことを特徴とする化粧板用オーバーレイ紙。
<2>填料の含有量が前記木材パルプに対して3質量%以下である<1>に記載の化粧板用オーバーレイ紙。
<3>前記カチオン性樹脂の重量平均分子量が5千以上15万以下である<1>または<2>に記載の化粧板用オーバーレイ紙。
<4>坪量が25g/m以上50g/m以下である<1>〜<3>のいずれかに記載の化粧板用オーバーレイ紙。
<5>前記カチオン性樹脂の含有量が、0.1g/m以上1.5g/m以下である<1>〜<4>のいずれかに記載の化粧板用オーバーレイ紙。
<6>前記木材パルプのカナディアン標準フリーネスが、400mL以上700mL以下である<1>〜<5>のいずれかに記載の化粧板用オーバーレイ紙。
<7>前記<1>〜<6>のいずれかに記載の化粧板用オーバーレイ紙の一面および他面の少なくとも一方にインクジェット印刷層を有する化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙。
<8>前記<7>に記載の化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませた化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙。
<9>前記<8>に記載の化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙の硬化物と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙の硬化物とが積層した化粧板。
<10>前記<1>〜<6>のいずれかに記載の化粧板用オーバーレイ紙の一面および他面の少なくとも一方に対してインクジェットプリンタにより印刷を施し、インクジェット印刷層を形成して化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙を得る工程と、
前記化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙に対して熱硬化性樹脂を含ませて化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙を得る工程と、
前記化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙とを積層し、熱硬化させる工程と、
を備える化粧板の製造方法。
本発明によれば、絵柄模様をインクジェット印刷により形成した場合でも、絵柄模様の鮮やかな化粧板が得られる化粧板用オーバーレイ紙、これを用いた化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙、化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙、化粧板およびその製造方法を提供できる。
本発明の化粧板の第一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の化粧板の第二実施形態を示す模式断面図である。
<化粧板用オーバーレイ紙>
本発明の化粧板用オーバーレイ紙(以下、「オーバーレイ紙」ともいう。)は、木材パルプで構成されるオーバーレイ紙であって、カチオン性樹脂を含むことを特徴とする。
本発明のオーバーレイ紙は、必要に応じて、木材パルプおよびカチオン性樹脂以外の他の成分をさらに含んでもよい。
(木材パルプ)
木材パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、機械パルプ(MP)、脱墨古紙パルプ等が挙げられる。機械パルプとしては、例えば、ストーングランドパルプ(GP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)およびサーモメカニカルパルプ(TMP)等の晒しパルプが挙げられる。
木材パルプの蒸解方法や漂白方法は特に限定されない。また、これらのパルプは単独で用いてもよいし、2種以上を配合してもよい。
木材パルプのカナディアン標準フリーネス(以下、単に「フリーネス」ともいう。)は、400mL以上700mL以下であることが好ましく、400mL以上600mL以下がより好ましい。
フリーネスは、叩解度の指標であり、JIS P 8121−2:2012に準じて測定される。
木材パルプのフリーネスが前記範囲の下限値以上であれば、オーバーレイ紙の樹脂含浸性が優れ、前記範囲の上限値以下であれば、オーバーレイ紙の均一性が良好で、印字が良好となりやすい。
(カチオン性樹脂)
カチオン性樹脂は、カチオン性ポリマーまたはカチオン性オリゴマーであり、一般的に使用されているものを用いることができ、その種類は特に限定されない。
カチオン性樹脂としては、1級〜3級アミノ基および4級アンモニウム塩構造からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン部を有するポリマーまたはオリゴマーが好ましい。かかるカチオン部は、プロトンが配位しやすく、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する。
カチオン性樹脂の具体例としては、たとえばポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンおよびこれらの塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと他の単量体(アクリルアミド等)との共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
カチオン性樹脂としては、カチオン性を高めるため、塩酸塩が好ましく、着色が少ないため、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドと他の単量体との共重合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
カチオン性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5千以上15万以下であることが好ましく、1万以上10万以下がより好ましい。
カチオン性樹脂の重量平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば、インクジェット印刷で印刷されるインクの発色性が優れ、形成される画像がより鮮やかなものとなる。カチオン性樹脂の重量平均分子量が前記範囲の上限値以下であれば、オーバーレイ紙の樹脂含浸性がより優れる。
カチオン性樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィ)により測定される。本発明においては、例えばプルランを標準ポリマーとして用いて重量平均分子量を算出することが可能である。
オーバーレイ紙中のカチオン性樹脂の濃度(オーバーレイ紙の厚さ方向における濃度)は均一でもよい。たとえばオーバーレイ紙の表面から内側に向かって濃度が低下していくような濃度勾配を有していてもよい。
(他の成分)
他の成分としては、例えば、填料、サイズ剤(例えばロジン系、スチレン−マレイン酸系、アルキルケテンダイマー系、アルケニルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系等)、紙力増強剤(例えば澱粉、酸化澱粉、カチオン化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アニオン性または両性ポリアクリルアミド系樹脂等)、濾水性向上剤、歩留り向上剤、湿潤紙力増強剤(例えばポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、消泡剤等が挙げられる。これらの成分は、必要に応じて1種または2種以上を組みあわせて使用することができる。
オーバーレイ紙は、後述するとおり、填料を含んでいてもよいが、含まないことが特に好ましい。
填料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、合成ゼオライト、シリカ、酸化チタン、タルク等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
(各成分の含有量)
本発明のオーバーレイ紙における木材パルプの含有量は、オーバーレイ紙の総質量に対して90.0〜99.9質量%が好ましく、95.0〜99.9質量%がより好ましい。
木材パルプの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、オーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませやすく、樹脂含浸性がより優れることにより、オーバーレイ紙に必要な透明性が得られやすい。
カチオン性樹脂の含有量は、オーバーレイ紙の単位面積当たりの質量として、0.1g/m以上1.5g/m以下であることが好ましく、0.5g/m以上1.0g/m以下がより好ましい。
カチオン性樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、インクジェット印刷のインクの定着性や発色性がより優れ、形成される画像がより鮮やかなものとなる。カチオン性樹脂の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、オーバーレイ紙に充分な量の熱硬化性樹脂を含ませることができる。
填料の含有量は、木材パルプに対して3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下が好ましく、0質量%が特に好ましい。すなわち填料を含まないことが特に好ましい。
填料の含有量が3質量%以下であれば、オーバーレイ紙に必要な透明性が得られやすい。また、インクジェット印刷により形成される画像が鮮やかなものとなる。
(坪量)
オーバーレイ紙の坪量は、25g/m以上50g/m以下であることが好ましく、35g/m以上45g/m以下がより好ましい。
オーバーレイ紙の坪量が前記範囲の下限値以上であれば、インクジェット印刷により印刷されるインクの吸収性に優れ、形成される画像がより鮮やかなものとなる。オーバーレイ紙の坪量が前記範囲の上限値以下であれば、オーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませやすく、樹脂含浸性がより優れることにより、オーバーレイ紙の透明性がより高くなる。
オーバーレイ紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
(オーバーレイ紙の製造方法)
本発明のオーバーレイ紙は、木材パルプで構成される基紙にカチオン性樹脂を含ませることにより製造できる。
基紙は、木材パルプを含むパルプスラリーを含む抄紙原料を抄紙することで得られる。
パルプスラリーは、パルプを水の存在下で叩解することにより得られる。パルプの叩解方法、叩解装置は特に限定されるものではないが、叩解効率が高いダブルディスクリファイナー(DDR)が好適に使用される。
叩解により得られたパルプスラリーは、そのまま、または必要に応じて前述の填料、他の成分が添加され、抄紙原料とされる。
このように調成した抄紙原料を抄紙することで、基紙が得られる。抄紙機としては、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機、およびこれらの2以上を組み合わせたコンビネーション抄紙機等を利用することができる。これらの抄紙機のなかでは、長網抄紙機、円網抄紙機が、木材パルプの抄紙に適しており好ましい。
このように抄紙されたシートは、熱風ドライヤー、多筒ドライヤー、シリンダードライヤー等により乾燥されて、基紙を得ることができる。
基紙の坪量は、オーバーレイ紙の坪量およびカチオン性樹脂の含有量に応じて設定される。
基紙にカチオン性樹脂を含ませる方法としては、例えばカチオン性樹脂と溶媒とを含むカチオン性樹脂溶液を基紙に塗布または含浸して、乾燥する方法等が挙げられる。
溶媒としては、カチオン性樹脂を溶解するものであれば特に限定されないが、水、または水と有機溶剤との混合溶媒が好ましい。前記有機溶剤としては、水に均一に溶解又は分散するものが好ましく、たとえばメタノール、エタノール等のアルコール等が挙げられる。
カチオン性樹脂溶液を塗布または含浸する方法としては、特に限定されず、各種公知の方法を利用して行うことができる。例えば、カチオン性樹脂溶液を含浸する方法としては、抄紙機のオンマシンサイズプレス装置を用いる方法が挙げられ、塗布する方法としては、抄紙機のオンマシントランスファーロールコーター(シムサイザー、ゲートロールコーター等)、スプレー装置、オフマシン塗工装置(ロールコーター、シムサイザー、ゲートロールコーター、バーコーター等)等を用いる方法が挙げられる。
カチオン性樹脂溶液の塗布または含浸後の基紙は、熱風ドライヤー、多筒ドライヤー、シリンダードライヤー等により乾燥されて、オーバーレイ紙を得ることができる。
(作用効果)
本発明のオーバーレイ紙にあっては、カチオン性樹脂を含むため、画像(絵柄模様)をインクジェット印刷により形成した場合でも、画像の鮮やかな化粧板が得られる。
すなわち、オーバーレイ紙にあっては、化粧紙(チタン紙ともいう)とは異なり、酸化チタンなどの白色填料を含有していないか、含有してもわずかである。そのため、インクジェット印刷により印刷されたインクが、白色填料のなかに沈み込むことで画像が不鮮明になる問題が生じにくい。また、オーバーレイ紙にカチオン性樹脂が含まれていることで、印刷したインクの定着性や発色性が良好である。そのため、形成された画像が鮮明となる。
また、印刷後、オーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませたときのオーバーレイ紙の透明性が高い。そのため、オーバーレイ紙の裏面(化粧紙との積層面)にインクジェット印刷を施した場合でも、印刷された画像を表面側から良好に視認できる。
したがって、オーバーレイ紙の表面および裏面のどちらの面にインクジェット印刷を施した場合でも、得られる化粧板の画像が鮮やかなものとなる。
よって本発明のオーバーレイ紙は、インクジェット印刷用として有用である。ただし、本発明のオーバーレイ紙への印刷方法はインクジェット印刷に限定されるものではなく、グラビア印刷、オフセット印刷等を用いてもよい。また、これらの印刷を2種類以上組み合わせて使用してもかまわない。
<化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙>
本発明の化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙(以下、「印刷層付きオーバーレイ紙」ともいう。)は、前述の本発明のオーバーレイ紙の一面および他面の少なくとも一方にイン
クジェット印刷層を有するものである。
インクジェット印刷層とは、オーバーレイ紙にインクジェット印刷された印刷層を意味し、オーバーレイ紙の一部である。インクジェット印刷層は、オーバーレイ紙のどちらの面に設けられてもよいが、オーバーレイ紙が基紙にカチオン性樹脂を塗布したものである場合は、インクジェット印刷層は塗布面に設けられるのが好ましい。オーバーレイ紙が基紙にカチオン性樹脂を含浸したものである場合は、インクジェット印刷層はどちらの面に設けられてもかまわない。
インクジェット印刷とは、インクジェット方式による印刷を意味する。インクジェット印刷では、インクの微小液滴を噴霧し、印刷対象面に付着させて画像を形成する。そのため、インクジェット印刷層は、インクのドットの集合群からなる。
以下、オーバーレイ紙のインクジェット印刷層を有する面を「印刷面」ともいう。
印刷面が、オーバーレイ紙の一面および他面のいずれか一方である場合、印刷面は、化粧板の表面側となる面であってもよく、裏面側(化粧紙側)となる面であってもよい。
(印刷層付きオーバーレイ紙の製造方法)
本発明の印刷層付きオーバーレイ紙は、本発明のオーバーレイ紙の一面および他面の少なくとも一方にインクジェット印刷を施すことにより製造できる。
インクジェット印刷は、インクジェットプリンタを用いて行うことができる。
インクジェット印刷に用いるインクの種類は特に限定されず、公知のものを用いることができる。顔料インクは、染料インクに比べて、耐水性や耐光性に優れるため好ましく用いられる。
インクジェット印刷に用いるインクジェットプリンタの種類も特に限定されず、公知のものを用いることができる。顔料インクジェットプリンターは、染料インクジェットプリンターに比べて、画像の耐水性や耐光性に優れるため好ましい。
<化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙>
本発明の化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙(以下、「樹脂含有オーバーレイ紙」ともいう。)は、前述の本発明の印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませたものである。
熱硬化性樹脂は、印刷層を含むオーバーレイ紙全体に含ませる。熱硬化性樹脂としては、たとえばメラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。オーバーレイ紙には、透明性および耐摩耗性に優れるため、メラミン樹脂が好ましく使用される。
樹脂含有オーバーレイ紙における熱硬化性樹脂の含有量は、印刷層付きオーバーレイ紙の総質量に対して、50〜300質量%が好ましく、100〜250質量%がより好ましく、150〜250質量%がさらに好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物の透明性、表面強度がより優れる。熱硬化性樹脂の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、過剰に熱硬化性樹脂を使用せずに済むのでコスト的に有利である。
(樹脂含有オーバーレイ紙の製造方法)
本発明の樹脂含有オーバーレイ紙は、本発明の印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませることにより製造できる。
印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませる方法としては、たとえば、熱硬化性樹脂とその溶媒とを含む熱硬化性樹脂溶液を印刷層付きオーバーレイ紙に塗布または含浸し、乾燥する方法等が挙げられる。熱硬化性樹脂溶液を塗布または含浸する方法としては、前述のカチオン性樹脂溶液を塗布または含浸する方法と同様の方法が挙げられる。
溶媒としては、熱硬化性樹脂を溶解するものであれば特に限定されず、水、及び各種有機溶媒が挙げられる。
<化粧板>
(第一実施形態)
図1は、本発明の化粧板の第一実施形態を示す模式断面図である。
本実施形態の化粧板10は、樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物3と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙の硬化物5と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙の硬化物7とがこの順に積層したものである。
硬化物3における樹脂含有オーバーレイ紙は、木材パルプで構成され、カチオン性樹脂を含むオーバーレイ紙1と、オーバーレイ紙1の裏面側(硬化物5側)に設けられたインクジェット印刷層2とを有する印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませたものであり、前述の本発明の樹脂含有オーバーレイ紙に相当する。
硬化物5における化粧紙は、下地を隠蔽するために用いられる。
熱硬化性樹脂を含ませる化粧紙としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。たとえば、木材パルプで構成され、填料の含有量が5質量%以上である白色の化粧紙等が挙げられる。
化粧紙に含ませる熱硬化性樹脂としては、樹脂含有オーバーレイ紙における熱硬化性樹脂と同様のものが挙げられ、耐磨耗性の点でメラミン樹脂が好ましい。
硬化物7におけるコア紙は、化粧板に充分な強度を付与するために用いられる。
熱硬化性樹脂を含ませるコア紙としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。例えば、クラスト紙等の紙や、ガラス繊維で製造された不織布等が挙げられる。
コア紙に含ませる熱硬化性樹脂としては、樹脂含有オーバーレイ紙における熱硬化性樹脂と同様のものが挙げられ、強度と不燃性の点でフェノール樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂を含ませたコア紙は、1枚を単独で用いてもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。
「化粧板の製造方法」
化粧板10は、たとえば以下の工程(α1)〜(α3)を備える製造方法により製造できる。
(α1)本発明のオーバーレイ紙の一面に対してインクジェットプリンタにより印刷を施し、インクジェット印刷層2を形成して印刷層付きオーバーレイ紙を得る工程。
(α2)前記印刷層付きオーバーレイ紙に対して熱硬化性樹脂を含ませて樹脂含有オーバーレイ紙を得る工程。
(α3)前記樹脂含有オーバーレイ紙と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙とを積層し、熱硬化させる工程。
工程(α1)は、前述の印刷層付きオーバーレイ紙の製造方法と同様である。
工程(α2)は、前述の樹脂含有オーバーレイ紙の製造方法と同様である。
工程(α3)において、樹脂含有オーバーレイ紙は、インクジェット印刷層2側の面を化粧紙側に向けて積層される。
熱硬化は、公知の方法により行うことができる。たとえば前記樹脂含有オーバーレイ紙と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙との積層体を熱プレスする方法が挙げられる。
「作用効果」
本実施形態の化粧板10にあっては、インクジェット印刷層2がオーバーレイ紙1に設けられているため、化粧板10の表面側から観察される画像(インクジェット印刷層2)の鮮やかさが優れる。また、インクジェット印刷層2がオーバーレイ紙1の裏面側に設けられているため、インクジェット印刷層2が摩耗しにくい。
(第二実施形態)
図2は、本発明の化粧板の第二実施形態を示す模式断面図である。なお、以下において、前出の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の化粧板20は、樹脂含有オーバーレイ紙9と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙5と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙7とがこの順に積層した積層体の硬化物からなる。
樹脂含有オーバーレイ紙9は、木材パルプで構成され、カチオン性樹脂を含むオーバーレイ紙1と、オーバーレイ紙1の表面側(硬化物5側とは反対側)に設けられたインクジェット印刷層2とを有する印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませたものであり、前述の本発明の樹脂含有オーバーレイ紙に相当する。
「化粧板の製造方法」
化粧板20は、前述の工程(α3)において、樹脂含有オーバーレイ紙が、インクジェット印刷層2側と反対側の面を化粧紙側に向けて積層される以外は、第一実施形態の化粧板10と同様の方法で製造できる。
「作用効果」
本実施形態の化粧板20にあっては、インクジェット印刷層2がオーバーレイ紙1に設けられているため、化粧板20の表面側から観察される画像(インクジェット印刷層2)の鮮やかさが優れる。インクジェット印刷層2がオーバーレイ紙1の表面側に設けられているため、画像の鮮やかさは第一実施形態よりも優れる。
以上、本発明の化粧板およびその製造方法について、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、樹脂含有オーバーレイ紙として、一方の面にインクジェット印刷層を有するものを用いる例を示したが、両方の面にインクジェット印刷層を有するものを用いてもよい。
インクジェット印刷層は、オーバーレイ紙の印刷面の全面に設けられてもよく、部分的に設けられてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。ただし本発明はこれに限定されるものではなく、以下の実施例に示す材料、使用量、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨に逸脱しない限り適宜変更することができる。
以下の各例に記載される割合%は全て質量%を示すものとする。
(実施例1)
「原料の調製」
木材パルプとして、LBKP(広葉樹漂白クラフトパルプ)を使用した。この木材パルプを水で分散後、叩解機で処理して、カナディアン標準フリーネスを430mLに調製して、パルプスラリーを得た。
「オーバーレイ紙の製造」
上記パルプスラリー(パルプ濃度0.5%)を攪拌しながら、湿潤紙力増強剤をパルプ質量に対して0.29%添加し、抄紙機で抄紙して、坪量41.2g/mのシート(基紙)を作製した。
次いで、これに重量平均分子量が5万のカチオン性樹脂(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)の水溶液を、上記カチオン性樹脂正味の含有量が0.8g/mとなるようにバーで塗布し、乾燥して、坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
「オーバーレイ紙の品質評価」
得られたオーバーレイ紙のカチオン樹脂塗布面に、EPSON社製の顔料インクジェットプリンタ(PX−205)の普通紙/きれいモードで黒色ベタ部を印刷し、印刷層付きオーバーレイ紙を得た。得られた印刷層付きオーバーレイ紙について、反射濃度計(グレタグマクベス RD−19)で黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.48であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙に、水溶性メラミン樹脂(ニカレヂン(登録商標)S−176)の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して210%であった。この樹脂含有オーバーレイ紙を80℃で15分間乾燥させて、樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物を得た。
上記メラミン樹脂正味の含有率(%)は以下の式により算出した。以下においても同様である。
メラミン樹脂正味の含有率=((B−A)×0.6)/A×100
ここで、Aは、水溶性メラミン樹脂の60%水溶液を含ませる前のオーバーレイ紙の質量(g)であり、Bは、該60%メラミン水溶液を含ませた後(80℃での乾燥前)のオーバーレイ紙の質量(g)である。
次に、酸化チタンを含有する坪量80g/mの化粧紙に、水溶性メラミン樹脂(ニカレヂン(登録商標)S−176)の60%水溶液を含浸させ、80℃で15分間乾燥させて、樹脂含有化粧紙の硬化物を得た。このときの上記メラミン樹脂の含有率は、上記化粧紙の質量に対して100%であった。なお、化粧紙におけるメラミン樹脂の含有率は、オーバーレイ紙の場合と同様に測定した。
次に、坪量190g/mのコア紙(クラフト紙)にフェノール樹脂水溶液(水溶液の濃度C%とする)を含浸させ、樹脂含有コア紙の硬化物を得た。このときの上記フェノール樹脂の含有率は、上記コア紙の質量に対して50%であった。なお、フェノール樹脂の含有率は、フェノール樹脂水溶液を含ませる前のコア紙の質量A’(g)と、フェノール樹脂水溶液を含ませた後(乾燥前)のコア紙の質量B’(g)とから、以下の式により算出した。
フェノール樹脂の含有率=((B’−A’)×C/100)/A’×100
前記樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物、前記樹脂含有化粧紙の硬化物、前記樹脂含有コア紙の硬化物を順次積層し、150℃、300kg/cmで熱プレスして化粧板を得た。なお、樹脂含有オーバーレイ紙は、印刷面が樹脂含有化粧紙側となるように積層した。
(実施例2)
重量平均分子量が5万のカチオン性樹脂に代えて、重量平均分子量が15万のカチオン性樹脂(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.48であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙に、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して170%であった。
(実施例3)
坪量41.2g/mのシートに代えて、坪量27.2g/mのシートを作製したこと以外は、実施例1と同様にして坪量28g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.45であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙に、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して250%であった。
(実施例4)
LBKPに代えてNBKP(針葉樹漂白クラフトパルプ)を使用し、カナディアン標準フリーネスを430mLに代えて660mLに調製したこと以外は、実施例1と同様にして坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.47であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙に、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して230%であった。
(実施例5)
重量平均分子量が5万のカチオン性樹脂に代えて、重量平均分子量が20万のカチオン性樹脂(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.48であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙に、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して130%であった。
(実施例6)
坪量41.2g/mのシートに代えて、坪量59.2g/mのシートを作製したこと以外は、実施例1と同様にして坪量60g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.48であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙を、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して110%であった。
(実施例7)
カチオン性樹脂正味の含有量を、0.8g/mに代えて0.1g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.46であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙を、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して230%であった。
(実施例8)
カチオン性樹脂正味の含有量を、0.8g/mに代えて1.5g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.48であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙を、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して110%であった。
(実施例9)
シートの製造工程において、軽質炭酸カルシウムをパルプ質量に対して3%添加したこと以外は、実施例1と同様にして坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.45であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙を、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して210%であった。
なお、実施例2〜9についても、実施例1と同様にして化粧板を作成した。
(比較例1)
カチオン性樹脂を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして坪量42g/mのオーバーレイ紙を得た。
得られたオーバーレイ紙に、実施例1と同様に黒色ベタ部を印刷して印刷層付きオーバーレイ紙を得た。この黒色ベタ部の印字濃度を測定したところ、1.39であった。
また、この印刷層付きオーバーレイ紙を、実施例1と同様にメラミン樹脂の60%水溶液を含浸させたところ、上記メラミン樹脂正味の含有率は、上記印刷層付きオーバーレイ紙の質量に対して250%であった。
Figure 2017043874
上記結果に示すとおり、実施例1〜9のオーバーレイ紙においては、インクジェットプリンタによる印字濃度が1.45以上であり、画像が鮮やかなものであった。また、メラミン樹脂(熱硬化性樹脂)の含有率が100%以上であり、充分な樹脂含浸性を有していた。
一方、カチオン性樹脂を含まない比較例1のオーバーレイ紙においては、インクジェットプリンタによる印字濃度が低く、画像が鮮やかさに欠けるものであった。
1 オーバーレイ紙
2 インクジェット印刷層
3 樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物
5 熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙の硬化物
7 熱硬化性樹脂を含ませたコア紙の硬化物
9 樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物
10 化粧板
20 化粧板

Claims (10)

  1. 木材パルプで構成される化粧板用オーバーレイ紙であって、カチオン性樹脂を含むことを特徴とする化粧板用オーバーレイ紙。
  2. 填料の含有量が前記木材パルプに対して3質量%以下である請求項1に記載の化粧板用オーバーレイ紙。
  3. 前記カチオン性樹脂の重量平均分子量が5千以上15万以下である請求項1または2に記載の化粧板用オーバーレイ紙。
  4. 坪量が25g/m以上50g/m以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧板用オーバーレイ紙。
  5. 前記カチオン性樹脂の含有量が、0.1g/m以上1.5g/m以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧板用オーバーレイ紙。
  6. 前記木材パルプのカナディアン標準フリーネスが、400mL以上700mL以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧板用オーバーレイ紙。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧板用オーバーレイ紙の一面および他面の少なくとも一方にインクジェット印刷層を有する化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙。
  8. 請求項7に記載の化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙に熱硬化性樹脂を含ませた化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙。
  9. 請求項8に記載の化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙の硬化物と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙の硬化物と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙の硬化物とが積層した化粧板。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧板用オーバーレイ紙の一面および他面の少なくとも一方に対してインクジェットプリンタにより印刷を施し、インクジェット印刷層を形成して化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙を得る工程と、
    前記化粧板用印刷層付きオーバーレイ紙に対して熱硬化性樹脂を含ませて化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙を得る工程と、
    前記化粧板用樹脂含有オーバーレイ紙と、熱硬化性樹脂を含ませた化粧紙と、熱硬化性樹脂を含ませたコア紙とを積層し、熱硬化させる工程と、
    を備える化粧板の製造方法。
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