JP2003001781A - 化粧板 - Google Patents

化粧板

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JP2003001781A
JP2003001781A JP2001187054A JP2001187054A JP2003001781A JP 2003001781 A JP2003001781 A JP 2003001781A JP 2001187054 A JP2001187054 A JP 2001187054A JP 2001187054 A JP2001187054 A JP 2001187054A JP 2003001781 A JP2003001781 A JP 2003001781A
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layer
decorative
resin
pattern
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JP2001187054A
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English (en)
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Keiji Ogawa
啓至 小川
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷模様の見栄えがよく色調再現性が優れ,
簡易に低コストで作製することができる化粧板を提供す
ること。 【解決手段】 化粧シート7と基材5とからなり,化粧
シート7は,透明紙3と,透明紙3における基材5を配
置している側と反対側に形成された印刷層2とからな
り,印刷層2は,インクジェット印刷により形成されて
おり,かつ,化粧シート6と基材5との間には,隠蔽材
4を介設していることを特徴とする。透明紙3にインク
のドット20の集合群からなる印刷層2が形成されてな
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,印刷模様の色調再現性に優れた
化粧板に関する。
【0002】
【従来技術】家具,建築材の表面材には,樹脂含浸紙に
木目模様などの模様を印刷した化粧シートや,化粧シー
トの裏面を基材により補強した化粧板が用いられてい
る。かかる化粧板の具体例としては,従来,後述するよ
うに図5に示すものがある。すなわち,従来の化粧板9
6としては,基材95の上に,所望の模様の印刷層92
を形成したパターン層93を形成し,その表面をオーバ
ーレイ91により被覆したものがある。基材95は,フ
ェノール樹脂をクラフト紙に含浸させたものである。パ
ターン層93は,酸化チタンを含み遮蔽性をもつ樹脂含
浸紙である。オーバーレイ91は,メラミン樹脂を紙に
含浸させた透明な層である。パターン層93は遮蔽性を
持つため,基材95が隠れ,印刷層92の色を外観視で
きる。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の化
粧板においては,遮蔽性を持つパターン層93に印刷層
92を形成している。このため,パターン層93表面付
近の印刷層92の表面部921は視覚認識することがで
きるが,パターン層93の中に入り込んだ印刷層92の
浸透部922はパターン層93中の酸化チタンにより隠
蔽されてしまい外観視できない。このため,印刷層92
の色があたかも退色したようなくすんだ色になってしま
い,色調再現性が悪い。
【0004】そこで,パターン層93を透明にすること
が考えられる。しかし,パターン層93を透明にする
と,その下の基材95が見えてしまう。このため,印刷
層92が構成する模様の見栄えを損なうことがある。
【0005】また,印刷層92の形成方法として,従
来,オフセット印刷などが検討されている。しかし,オ
フセット印刷は,原版を作成する必要があるため,注文
に応じて一品ずつ異なった模様を印刷するには,コスト
が高くなるなどの問題がある。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,印刷
模様の見栄えがよく色調再現性に優れ,且つ簡易に低コ
ストで作製することができる化粧板を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題の解決手段】第一の発明は,化粧シートと基材と
からなり,該化粧シートは,透明紙と,該透明紙におけ
る上記基材を配置している側と反対側に形成された印刷
層とからなり,該印刷層は,インクジェット印刷により
形成されており,かつ,上記化粧シートと上記基材との
間には,隠蔽材を介設していることを特徴とする化粧板
である(請求項1)。
【0008】第一発明の化粧シートにおいては,透明紙
に印刷層を形成している。このため,透明紙の表面に残
った印刷層の表面部だけでなく,透明紙の中に浸透した
印刷層の浸透部も外観認識できる。したがって,印刷層
の全体を外観視でき,色調再現性がよい。しかも,イン
クジェット印刷では,任意の部分だけインクの厚さを加
減することができるため,色と階調も連続階調に近い再
現性を得ることができる。
【0009】インクジェット印刷は,インクの噴出を制
御してインクのドットからなる模様を形成する。このた
め,インクの噴出を制御することによって,模様を任意
に変更できる。ゆえに,オフセット印刷で必要とされて
いた原版が不要となり,一品ごとに異なる模様を容易に
安価に形成することができる。また,複数色のインクを
噴射するとともに適当な割合で混合することにより,フ
ルカラー印刷ができる。そのため,複数の原版を必要と
せず,簡易に多色印刷を行うことができる。また,イン
クジェット印刷では,連続して絵柄の印刷が可能であ
る。そのため,オフセット印刷の枚葉印刷ではできない
連続作業での樹脂含浸作業が可能となり,作業性が格段
に向上する。しかも,印刷ヘッドの移動幅を変えること
により,大形の化粧板(例えば,幅1500mm)製造
に必要とされる幅を充分に確保することができる。
【0010】また,インクジェット印刷によりほぼ同じ
大きさのインクのドットからなる印刷層を形成すること
ができる。そのため,透明紙が樹脂含浸紙からなる場合
に,ドット間から紙に樹脂が均一に浸透し,樹脂含浸ム
ラを防止できる。
【0011】透明紙と基材との間には,基材を見えなく
するための隠蔽材が介設されている。このため,隠蔽材
により,基材が見えなくなり,印刷層の見栄えがよくな
り,より鮮明に見える。隠蔽材に赤,青などの色や模様
を積極的につけると,隠蔽材は,その上の印刷層と相俟
って,立体的な模様として認識される。
【0012】更に,第一発明の化粧板は,耐熱性などの
物性も実用上十分満足するものである。
【0013】以上のように第一発明によれば,印刷模様
の見栄えがよく色調再現性に優れ,且つ簡易に低コスト
で作製することができる化粧板を提供することができ
る。
【0014】第二の発明は,化粧シートと基材とからな
り,該化粧シートは,透明紙と,該透明紙における上記
基材を配置している側と反対側に形成された印刷層とか
らなり,該印刷層は,インクのドットの集合群からな
り,かつ,上記化粧シートと上記基材との間には,隠蔽
材を介設していることを特徴とする化粧板である(請求
項2)。
【0015】第二発明においては,印刷層がインクのド
ットの集合群からなるため,第一発明と同様に,透明紙
が樹脂含浸紙である場合に,ドット間から樹脂が均一に
含浸し,樹脂含浸ムラを防止できる。
【0016】第二発明においては透明紙に印刷層を形成
しているため,第一発明と同様に印刷模様の色調再現性
がよい。また,化粧シートと基材との間に隠蔽材を介設
しているため,第一発明と同様に,印刷模様の見栄えが
よくなり,より鮮明に見える。また,立体的な模様を形
成する。更に,第二発明の化粧板は,耐熱性などの物性
も実用上十分満足するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】第一発明において,インクジェッ
ト印刷により形成されるドットの解像度は1500dp
i以下であることが好ましい。1500dpiを超える
場合にはインクが障壁となって印刷された紙への樹脂含
浸性が低下し,印刷層が剥離するおそれがある。
【0018】インクジェット印刷では,インクの噴出量
を自在に制御できる。このため,ほぼ同じ大きさのドッ
トを印刷でき,またドットの大きさを積極的に変えるこ
ともできる。後者の場合には,滑らかなグラデーション
模様を作成できる。印刷層は,ドットの密度が小さい場
合には淡い模様となり,密度が大きい場合には濃い模様
となる。印刷層は,一色のみのドットの集合群から構成
されていてもよいし,複数色が組み合わされて構成され
ていてもよい。
【0019】インクジェット印刷に用いるインクは,水
性顔料インクであることが好ましい。印刷された模様の
耐光性及び耐熱性が向上する。また,インクは溶剤系顔
料インクであってもよい。この場合には,耐熱性,耐煮
沸性,耐シガレット性なども十分に満足する。更に,す
ばやく乾燥するため,湿潤に伴う紙の皺発生を抑制でき
る。
【0020】隠蔽材は,不透明で,基材を見えなくする
材料であればよい。隠蔽材は,無地でもよいし,着色さ
れていてもよい。また,地模様などの模様が付されてい
ても良い。模様が付されている場合には,その上の印刷
層の模様と相俟って,立体的な模様として外観視するこ
とができる。
【0021】隠蔽材は,紙に樹脂を含浸させた樹脂含浸
紙であることが好ましい。化粧シートと基材とを一体的
に接着することができるだけでなく,紙には着色,模様
の形成が容易に行えるからである。この場合,隠蔽材に
用いる紙の灰分量は,紙の重量に対して,8〜30重量
%であることが好ましい。かかる紙としては,例えば,
チタン紙((株)興人製など)などがある。8重量%未
満の場合には,隠蔽材を通して基材が透けて見えるおそ
れがあり,30重量%を超える場合には,紙の抵抗力低
下による含浸時の紙切れが生じるおそれがあり,紙のコ
ストアップになるおそれがある。隠蔽材に用いる樹脂と
しては,例えば,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹
脂,ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂があ
る。
【0022】化粧板に用いる基材としては,1または複
数枚の紙に樹脂を含浸させたものを用いることができ
る。ここで基材に用いる紙は,クラフト紙,リンター紙
などであり,樹脂としては,フェノール樹脂,ジアリル
フタレート樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂などの熱
硬化性樹脂などである。また,基材として,合板,木板
を用いることもできる。
【0023】上記透明紙は,表側から裏側の背景が透け
て,ボンヤリあるいははっきりと見える程度の透明性を
有し,完全透明,半透明も含む。上記透明紙は,紙に樹
脂を含浸してなる樹脂含浸紙であることが好ましい(請
求項3)。これにより,透明紙の透明性が向上する。透
明紙に用いる紙としては,α−セルローズ成分の多い木
材パルプ繊維抄造紙,マニラ麻パルプ繊維抄造紙,リン
ター綿繊維紙,木質系天然パルプ不織布,ポリエステル
系不織布などがある。紙に含浸する樹脂としては,熱硬
化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂として
は,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,またはジ
アリルフタレート樹脂などがある。この中,意匠性及び
表面性能(硬度,耐水性など)の観点から,メラミン樹
脂が好ましい。
【0024】上記透明紙の中の灰分の含有量は0〜1.
5重量%であることが好ましい(請求項4)。ここで,
透明紙の中の灰分の含有量とは,透明紙に元来含まれて
いる灰分も含めた量をいう。この灰分が1.5重量%を
超える場合には,透明紙の透明性が低下するおそれがあ
る。上記灰分とは,無機酸化物などの無機化合物をい
う。この中には,例えば,酸化チタンも含む。
【0025】上記印刷層は,オーバーレイにより被覆さ
れていることが好ましい(請求項5)。これにより,印
刷層が保護され,印刷模様の耐久性が向上する。オーバ
ーレイは,たとえば,樹脂を含浸した紙からなる。この
樹脂は,上記透明紙に含浸させる樹脂と同様のものを用
いることができる。その中,意匠性及び表面性能(硬
度,耐水性など)の観点から,メラミン樹脂が好まし
い。オーバーレイに用いる紙としては,灰分が少ないか
または全く含まない透明な紙を用い,例えば,α−セル
ローズ成分の多い木材パルプ繊維抄造紙,リンター綿繊
維紙,ポリエステルフィルムなどがある。
【0026】第一発明の化粧板を製造するにあたって
は,基材,隠蔽材,及び印刷層を有する透明紙などを積
層し,加熱加圧して一体化される。加熱加圧条件は,8
0〜200℃で20〜150kg/cmで,5〜60
分であることが好ましい。
【0027】次に,第二発明において,各ドットの径は
平均径に対して±50%の範囲内にあることが好まし
い。ドット間に均一な隙間が形成され,この隙間から樹
脂が紙に含浸するため,透明紙に局部的な樹脂未含浸部
が生じにくい。ゆえに,印刷層が樹脂含浸紙に強固に密
着し,剥離しにくくなる。一方,ドットの平均径に対し
て±50%の範囲を逸脱する径をもつドットが存在する
場合には,ドット間の隙間が偏在し,印刷層の透明紙へ
の密着性が低下するおそれがある。
【0028】平均径は,KEYFME型のマイクロスコ
ープ VH−7などで1つのドットの径の平均値を測定
し,これを画面上の全ドットについて行い,全ドットの
平均径を計算する。画面は倍率50倍程度が望ましい。
【0029】第二発明において,ドットが円である場合
には,ドットの径とは,ドットの直径をいい,円ではな
い場合には,ドットの径とは,1つのドットの最大径と
最小径との平均をいう。ドットの平均径とは,印刷層を
構成するドット群の中の,すべてのドットの径を加算し
てドット数で除した値をいう。上記ドットの集合群から
なる印刷層は,たとえば,インクジェット印刷などによ
り形成できる。
【0030】その他,第二発明においても,上記第一発
明と同様である(請求項3〜請求項5)。
【0031】
【実施例】(実施例1)本発明の実施形態に係る化粧板
について,図1〜図3を用いて説明する。本例の化粧板
6は,図1に示すごとく,化粧シート7と基材5とから
なる。化粧シート7は,透明紙3と,基材5を配置して
いる側と反対側にインクジェット印刷された印刷層2と
からなる。透明紙3は,紙に樹脂を含浸してなる樹脂含
浸紙である。透明紙3の中の灰分の含有量は0.1重量
%である。印刷層2は,オーバーレイ1により被覆され
ている。化粧シート7と基材5との間には,隠蔽材4が
介設している。隠蔽材4は不透明の白色である。
【0032】インクジェット印刷により形成された印刷
層2は,図2(a)に示すごとく,ドット20の集合群
からなる模様21を構成する。この模様21は,図2
(b)に示すごとく,ほぼ同一の大きさのドット20か
らなる。ドット20の平均直径は200μmであり,ド
ットの直径のばらつきは,平均直径の−50〜+50%
である。模様21は,図2(c)に示すごとく,インク
のドット20の配置及び密度を変えることにより,濃淡
を発生させている。図2(a)に示すごとく,模様21
のうち淡色部分21aは,インクのドット20の密度を
薄くし,濃色部分21bはドット20の密度を濃くす
る。図2(b)に示すごとく,模様21は,複数種類の
色のドット20a,20bの集合からなる。
【0033】本例の化粧板を製造するにあたっては,図
3(a)に示すごとく,透明紙3に用いる紙31とし
て,灰分0.1%,坪量45g/mのα−セルローズ
成分の多い木材パルプ繊維抄造紙を準備した。この紙
に,インクジェット印刷によりドット20の集合からな
る印刷層2を形成した。インクジェット印刷では,画像
を取り込むスキャナと,画像を処理するコンピュータ
と,処理された画像を出力するインクジェット式プリン
ター(商品名デザインジェット5000PS;ヒューレ
ット・パッカード社製)とを用いた。出力画像解像度は
600dpiである。インクジェット印刷に用いるイン
クは,水性顔料インクである。
【0034】次に,図3(b)に示すごとく,印刷後の
紙31を,送りローラにて,連続的にメラミン樹脂の樹
脂浴の中を通して,メラミン樹脂30を含浸させて樹脂
含浸紙を作製し,これを透明紙3とした。紙31上に印
刷した印刷層2は,メラミン樹脂30の中に埋まった。
【0035】図3(c)に示すごとく,オーバーレイ1
に用いる紙11として,坪量18g/m,灰分0.1
%の透明なα−セルローズ成分の多い木材パルプ繊維抄
造紙を準備した。この紙11にメラミン樹脂10を含浸
して,これをオーバーレイ1とした。
【0036】隠蔽材4に用いる紙41としては,坪量8
0g/m,灰分20%のチタン紙((株)興人製)を
準備した。この紙41にメラミン樹脂40を含浸させ
て,隠蔽材4とした。
【0037】基材5として,フェノール樹脂50を含浸
させた未晒クラフト紙51(坪量180g/m)を5
枚準備した。
【0038】次に,上記5枚の基材5,隠蔽材4,印刷
層2を形成した透明紙3,及びオーバーレイ1を積層
し,その上から平板8により加圧しながら加熱した。加
圧力は785×10Paであり,加熱温度は150℃
である。以上により,厚み1.2mmの化粧板6が得ら
れる。
【0039】本例の化粧板においては,図1に示すごと
く,透明紙3に印刷層2を形成している。このため,透
明紙3の表面における印刷層2の表面部210だけでな
く,透明紙3の中に浸透した印刷層2の浸透部220も
外観認識できる。したがって,印刷層2の全体を外観視
でき,色調再現性がよい。しかも,インクジェット印刷
では,任意の部分だけインクの厚さを加減することがで
きるため,色と階調も連続階調に近い再現性を得ること
ができる。
【0040】インクジェット印刷は,インクの噴出を制
御してインクのドットからなる模様を形成するため,イ
ンクの噴出を制御することによって,模様を任意に変更
できる。ゆえに,一品ごとに異なる模様を容易に安価に
形成することができる。また,インクジェット印刷によ
り形成された印刷層2は,ほぼ同じ大きさのインクのド
ット20からなる。このため,ドット20間から樹脂が
均一に含浸し,樹脂含浸ムラを防止できる。また,印刷
層2は,その上に形成したオーバーレイ1との密着性に
も優れる。また,インクジェット印刷では,連続的に印
刷層を形成できるため,連続作業性に優れている。しか
も,印刷ヘッドの移動幅を変えることにより,大形の化
粧板への印刷も可能である。
【0041】透明紙3と基材5との間には,基材5を見
えなくするための隠蔽材4が介設されている。このた
め,隠蔽材4により,基材5が見えなくなり,印刷層2
の見栄えがよくなり,より鮮明に見える。
【0042】(比較例1)本例においては,図2(d)
に示すごとく,実施例1のインクジェット印刷に代えて
オフセット印刷を行って模様21を形成した。オフセッ
ト印刷では,網点(ドット)の面積率を変えることによ
り濃淡を出している。図2(d)中,符号20cは小さ
いドットであり,模様21の中の薄い部分を形成してい
る。符号20dは,大きいドットであり,模様21の中
の濃い部分を形成している。ドットの平均直径は270
μmであり,ドットの直径のばらつきは,平均直径の−
52%〜+53%である。その他は,実施例1と同様で
ある。
【0043】図2(e)に示すごとく,オフセット印刷
ではドット20の大きさのばらつきが大きく,大きなド
ット20dの直上のオーバーレイ1は剥離しやすく,直
下の透明紙3には樹脂未含浸部分38ができやすい。
【0044】(実施例2)本例の化粧板は,図4に示す
ごとく,オーバーレイを用いないで作製されたものであ
る。透明紙3には,樹脂含浸前に紙31上に形成した印
刷層2の表面を覆う程度のメラミン樹脂30が含浸され
ている。このため,印刷層2は,メラミン樹脂30によ
り保護され,剥離しにくい。また,印刷層2の表面は,
オーバーレイを被覆したときよりも薄い厚みのメラミン
樹脂30により被覆されているため,印刷層2がより鮮
明に見える。その他は,実施例1と同様である。
【0045】(比較例2)本例は,図5に示すごとく,
実施例1の透明紙に代えて,隠蔽性を持つパターン層9
31を用いた例である。パターン層931の灰分は15
%である。その他は実施例1と同様に,パターン層93
1にインクジェット印刷にて印刷層92を形成し,メラ
ミン樹脂を含浸させた。パターン層931の上にはオー
バーレイ91を,パターン層931の下には5枚の基材
95を積層した。これらを,実施例1と同様に,平板に
より加圧しながら加熱した。得られた化粧板の厚みは
1.2mmである。
【0046】(実験例1)本例においては,本発明の化
粧板の色調・彩度の再現性について測定した。色調の基
準色は,DICカラーチャート1(1997年7月第1
刷発行大日本インキ化学工業株式会社)のC(シアン)
0%,M(マゼンダ)100%,Y(イエロー)100
%,BL(ブラック)0%を用いた。
【0047】測定に供する化粧板は,本発明の化粧板及
び比較の化粧板である。本発明の化粧板は,上記実施例
2の本発明の化粧板と同様である。比較の化粧板は,上
記比較例1,2の化粧板である。本発明および比較の化
粧板に用いる印刷層は,上記基準色のカラーチャートを
スキャナで読み込み,そのデータに基づいて読み込んだ
カラーチャートと同じ画像をプリンターにて出力したも
のである。出力画像解像度は360dpiである。
【0048】これらの化粧板について,日本電色工業株
式会社製の色差計(商品名color meter Z
F 2000)を用いて明度(L),赤〜緑(a),黄
〜青(b),色差(ΔE)を測定した。なお,aは色差
計により測定された色度図中のX軸,bはY軸,LはZ
軸である。色差(ΔE)は以下の式より算出される。
【0049】ΔE=(L+a+b1/2
【0050】化粧板の彩度は,以下の式より算出され
る。
【0051】彩度=√(a+b
【0052】この彩度は,明度を一定にしたときのa,
bの数値座標の0点からの距離に相当する。これらの測
定結果を表1に示した。
【0053】表1より明かなように,明度(L),赤〜
緑(a),黄〜青(b)及び彩度について,本発明の化
粧板は,基準色とほとんど変わらなかった。一方,比較
の化粧板は,基準色よりも薄くなった。比較例1の化粧
板では,インクの着肉量が少なく,色調基準色と比較し
て再現性が著しく悪かった。このことから,本発明の化
粧板は,色調再現性がよいことがわかる。
【0054】
【表1】
【0055】(実験例2)本例は,化粧板の物性につい
て測定した。測定には,実験例1で用いた本発明の化粧
板(厚み1.2mm)を供した。測定項目及び測定方法
を以下に示す。 (1)耐熱水性:木製断熱板に化粧板を密着させ,その
化粧板の表面に少量の沸騰水をこぼし,そのこぼした部
分の上に,沸騰水の入った平底アルミニウム容器を20
分放置した。 (2)耐熱性:木製断熱板に化粧板を取りつけた。その
化粧板の表面に,約185℃,約500mlの植物油を
入れた平底アルミニウム容器を20分間放置した。
【0056】(3)耐煮沸性:化粧板を,長さ,幅それ
ぞれ50mmの試験片を3枚切り取った。試験片を2時
間煮沸して室温に保持した水の中で約15分間冷却し
た。その後試験片に層間剥離があるか否かを肉眼で調べ
た。 (4)耐摩耗性:化粧板の重量を測定した後,回転盤に
水平に固定し,研磨紙を巻き付けたゴム製円板2個を取
りつけて磨耗試験を行った。摩耗終点に達したときの回
転数を求めた。 (5)耐シガレット性:所定の標準温度曲線の範囲内に
入ったシガレットヒーターを取りつけた発熱部分を化粧
板の所定の位置に置き,化粧板にフクレが発生するまで
の時間をストップウォッチで測定した。
【0057】(6)耐光性:アトラス形フェードメータ
ーで48時間照射した。照射試験前後で,色差計にて色
差(ΔE)を測定した。照射前では,ΔE=1.29で
あった。照射試験前後で色差の変化が小さい場合は耐光
性に優れ,変化が大きい場合は耐光性が弱いと判断でき
る。 (7)耐衝撃性:鋼球(JIS−B−1501,質量2
8.1g)を,落球高さ400mm上から化粧板の上に
自然落下させた。 (8)耐剥離性:化粧板の上に塗膜を貫通して,素地面
に達する切り傷を碁盤目状に付けた。この碁盤目状の傷
の上に粘着テープを貼り,剥がした後の塗膜の付着状態
を目視によって観察した。切り傷の間隔は1mm,桝目
の数は100を選定した。 上記(1)〜(7)はJIS−K−6902に,上記
(8)はJIS−K−5400に準拠した測定法であ
る。測定結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】以上の測定結果より,本発明の化粧板は,
実用上十分な物性を備えていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の化粧板の断面図。
【図2】実施例1における,インクジェット印刷により
形成した模様を示す化粧板の平面図(a),インクジェ
ット印刷により形成されたドットの説明図(b)及びイ
ンクジェット印刷を用いて形成した化粧板の断面説明図
(c),並びに比較例1における,オフセット印刷によ
り形成した模様を示す化粧板の平面図(d)及びオフセ
ット印刷を用いて形成した化粧板の断面説明図(e)。
【図3】実施例1における,化粧板の製造方法を示す説
明図(a)〜(c)。
【図4】実施例2の化粧板の断面図。
【図5】比較例2の化粧板の断面図。
【符号の説明】
1...オーバーレイ, 2...印刷層, 20...ドット, 3...透明紙, 30...メラミン樹脂, 31...紙, 4...隠蔽材, 5...基材, 6...化粧板, 7...化粧シート, 8...平板,
フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA57 BA04 BA12 BB02 GA32W GB63W 4F100 AJ04 AK33 AK36 AP00 AT00B AT00E BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10E CA13 DG02 DG10 DG10C EJ19 EJ192 EJ42 EJ422 EJ82 GB08 GB81 HB00A JD06D JN01C JN02D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧シートと基材とからなり,該化粧シ
    ートは,透明紙と,該透明紙における上記基材を配置し
    ている側と反対側に形成された印刷層とからなり,該印
    刷層は,インクジェット印刷により形成されており,か
    つ,上記化粧シートと上記基材との間には,隠蔽材を介
    設していることを特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】 化粧シートと基材とからなり,該化粧シ
    ートは,透明紙と,該透明紙における上記基材を配置し
    ている側と反対側に形成された印刷層とからなり,該印
    刷層は,インクのドットの集合群からなり,かつ,上記
    化粧シートと上記基材との間には,隠蔽材を介設してい
    ることを特徴とする化粧板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記透明紙
    は,紙に樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙であることを特
    徴とする化粧板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記透明紙の中の灰分の含有量は0〜1.5重量%であ
    ることを特徴とする化粧板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記印刷層は,オーバーレイにより被覆されていること
    を特徴とする化粧板。
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