JP2003001780A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

化粧シート及び化粧板

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JP2003001780A
JP2003001780A JP2001187053A JP2001187053A JP2003001780A JP 2003001780 A JP2003001780 A JP 2003001780A JP 2001187053 A JP2001187053 A JP 2001187053A JP 2001187053 A JP2001187053 A JP 2001187053A JP 2003001780 A JP2003001780 A JP 2003001780A
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JP2001187053A
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Keiji Ogawa
啓至 小川
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色調再現性が優れ,簡易に低コストで作製す
ることができる化粧シート及び化粧板を提供すること。 【解決手段】 透明紙3にインクジェット印刷による印
刷層2が形成されてなることを特徴とする化粧シート7
である。透明紙3にインクのドット20の集合群からな
る印刷層2が形成されてなることを特徴とする化粧シー
ト7である。これらの化粧シート7は,基材5を接着し
て化粧板6となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,印刷模様の色調再現性に優れた
化粧シート及び化粧板に関する。
【0002】
【従来技術】家具,建築材の表面材には,樹脂含浸紙に
抽象模様などの模様を印刷した化粧シートや,化粧シー
トの裏面を基材により補強した化粧板が用いられてい
る。かかる化粧板の具体例としては,従来,後述するよ
うに図6に示すものがある。すなわち,従来の化粧板9
6としては,基材95の上に,隠蔽層94と,その上に
所望の模様を構成する印刷層92を印刷原紙にオフセッ
ト印刷したパターン層93を形成し,その表面をオーバ
ーレイ91により被覆したものがある。基材95は,フ
ェノール樹脂をクラフト紙に含浸させたものである。隠
蔽層94は,酸化チタンを含み隠蔽性を持つ樹脂含浸紙
である。パターン層93は,灰分5wt%以下の印刷原
紙にメラミン樹脂を含浸させた層である。オーバーレイ
91は,木材パルプ繊維抄造にメラミン樹脂を含浸させ
た層である。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の化
粧板においては,印刷層92はオフセット印刷にて形成
している。オフセット印刷は,表面に均一の厚さで印刷
インクをつけることはできても,任意の部分だけインク
の厚さを加減することはできない。そのため,中間色を
再現するのが難しく,色調再現性が悪い。
【0004】加えて,オフセット印刷は,印刷原紙一枚
毎に印刷する枚葉印刷法であるため,連続的に樹脂を含
浸させる化粧板製法には適さない。また,オフセット印
刷では,大形の化粧板サイズ(例えば,940×194
0mm及び1240×2480mm)等の印刷物を得る
には,機械の構造上非常に印刷が困難である。
【0005】また,印刷層92の形成には,オフセット
印刷を行っているため,注文に応じて一品ごとに印刷用
製版を作製する必要があり,コストがかかるなどの問題
がある。他の印刷方法としてグラビア印刷もあるが,グ
ラビア印刷も,一品毎に印刷用製版を作成する必要があ
り,一品制作には不向きである。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,色調
再現性が優れ,簡易に低コストで作製することができる
化粧シート及び化粧板を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】第一の発明は,透明紙にインクジェ
ット印刷による印刷層が形成されてなることを特徴とす
る化粧シートである(請求項1)。
【0008】第一発明の化粧シートにおいては,透明紙
に印刷層を形成している。このため,透明紙の表面に残
った印刷層の表面部だけでなく,透明紙の中に浸透した
印刷層の浸透部も外観認識できる。したがって,印刷層
の全体を外観視でき,色調再現性がよい。しかも,イン
クジェット印刷では,任意の部分だけインクの厚さを加
減することができるため,色と階調も連続階調に近い再
現性を得ることができる。
【0009】インクジェット印刷は,インクの噴出を制
御してインクのドットからなる模様を形成するため,イ
ンクの噴出を制御することによって,模様を任意に変更
できる。ゆえに,オフセット印刷やグラビア印刷で必要
とされていた原版が不要となり,一品ごとに異なる模様
を容易に安価に形成することができる。また,複数色の
インクを噴射するとともに適当な割合で混合することに
より,フルカラー印刷ができる。そのため,複数の原版
を必要とせず,簡易に多色印刷を行うことができる。ま
た,インクジェット印刷では,連続して絵柄の印刷が可
能である。そのため,オフセット印刷の枚葉印刷ではで
きない連続作業での樹脂含浸作業が可能となり,作業性
が格段に向上する。しかも,印刷ヘッドの移動幅を替え
ることにより,大形の化粧板(例えば,幅1500m
m)製造に必要とされる幅を充分に確保することもでき
る。
【0010】また,インクジェット印刷によりほぼ同じ
大きさのインクのドットからなる印刷層を形成すること
ができる。そのため,透明紙が樹脂含浸紙からなる場合
に,ドット間から紙に樹脂が均一に浸透し,樹脂含浸ム
ラを防止できる。
【0011】以上のように第一発明によれば,色調再現
性が優れ,簡易に低コストで作製することができる化粧
シートを提供することができる。
【0012】第二の発明は,透明紙にインクのドットの
集合群からなる印刷層が形成されてなることを特徴とす
る化粧シートである(請求項2)。
【0013】第二発明においては,印刷層がインクのド
ットの集合群からなるため,第一発明と同様に,透明紙
が樹脂含浸紙である場合に,ドット間から樹脂が均一に
含浸し,樹脂含浸ムラを防止できる。また,第二発明
は,透明紙に印刷層を形成しているため,第一発明と同
様に色調再現性がよい。
【0014】第三発明は,基材と化粧シートとからな
り,該化粧シートは,透明紙と,該透明紙における上記
基材を配置している側と反対側に形成された印刷層とか
らなり,該印刷層は,インクジェット印刷により形成さ
れていることを特徴とする化粧板である(請求項6)。
【0015】第三発明の化粧板は,第一発明の化粧シー
トの非印刷面側に基材を接着したものである。このた
め,第三発明によれば,第一発明と同様に,色調再現性
がよく,一品制作模様を容易に安価に形成することがで
きる。また,印刷層は,ほぼ同じ大きさのドットからな
るため,透明紙が樹脂含浸紙からなる場合に,樹脂含浸
ムラを防止できる。更に,耐熱性などの物性も実用上十
分満足するものである。
【0016】第四の発明は,基材と化粧シートとからな
り,該化粧シートは,透明紙と,該透明紙における上記
基材を配置している側と反対側に形成された印刷層とか
らなり,該印刷層は,インクのドットの集合群からなる
ことを特徴とする化粧板である(請求項7)。
【0017】第四発明の化粧板は,第二発明の化粧シー
トの非印刷面側に基材を接着したものである。このた
め,第四発明によれば,第二発明と同様に,色調再現性
がよい。また,印刷層は,ほぼ同じ大きさのドットから
なるため,透明紙が樹脂含浸紙である場合に,樹脂含浸
ムラを防止できる。更に,耐熱性などの物性も実用上十
分満足するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】第一発明において,インクジェッ
ト印刷により形成されるドットの解像度は1500dp
i以下であることが好ましい。1500dpiを超える
場合にはインクのドットが障壁となって印刷された紙へ
の樹脂含浸性が低下し,印刷層が剥離するおそれがあ
る。
【0019】インクジェット印刷では,インクの噴出量
を自在に制御できる。このため,ほぼ同じ大きさのドッ
トを印刷でき,またドットの大きさを積極的に変えるこ
ともできる。後者の場合には,滑らかなグラデーション
模様を作成できる。印刷層は,ドットの密度が小さい場
合には淡い模様となり,密度が大きい場合には濃い模様
となる。印刷層は,一色のみのドットの集合群から構成
されていてもよいし,複数色が組み合わされて構成され
ていてもよい。
【0020】インクジェット印刷に用いるインクは,水
性顔料インクであることが好ましい。印刷された模様の
耐光性及び耐熱性が向上する。また,インクは溶剤系顔
料インクであってもよい。この場合には,耐熱性,耐煮
沸性,耐シガレット性なども充分に満足する。更に,す
ばやく乾燥するため,湿潤に伴う紙の皺発生を抑制でき
る。
【0021】上記透明紙は,表側から裏側の背景が透け
て,ボンヤリあるいははっきりと見える程度の透明性を
有し,完全透明,半透明も含む。上記透明紙は,紙に樹
脂を含浸してなる樹脂含浸紙であることが好ましい(請
求項3)。これにより,透明紙の透明性が向上する。透
明紙に用いる紙としては,α−セルローズ成分の多い木
材パルプ繊維抄造紙,マニラ麻パルプ繊維抄造紙,リン
ター綿繊維紙,木質系天然パルプ不織布,ポリエステル
系不織布などがある。紙に含浸する樹脂としては,熱硬
化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂として
は,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,またはジ
アリルフタレート樹脂などがある。この中,意匠性及び
表面性能(硬度,耐水性など)の観点から,メラミン樹
脂が好ましい。
【0022】上記透明紙の中の灰分の含有量は0〜1.
5重量%であることが好ましい(請求項4)。ここで,
透明紙の中の灰分の含有量とは,透明紙に元来含まれて
いる灰分も含めた量をいう。この灰分が1.5重量%を
超える場合には,透明紙の透明性が低下するおそれがあ
る。上記灰分とは,無機酸化物などの無機化合物をい
う。この中には,例えば,酸化チタンも含む。
【0023】上記印刷層は,オーバーレイにより被覆さ
れていることが好ましい(請求項5)。これにより,印
刷層が保護され,印刷模様の耐久性が向上する。オーバ
ーレイは,たとえば,樹脂を含浸した紙からなる。この
樹脂は,上記透明紙に含浸させる樹脂と同様のものを用
いることができる。その中,意匠性及び表面性能(硬
度,耐水性など)の観点から,メラミン樹脂が好まし
い。オーバーレイに用いる紙は,灰分が少ないかまたは
全く含まない透明性のよい紙が好ましい。かかる紙とし
ては,α−セルローズ成分の多い木材パルプ繊維抄造
紙,リンター綿繊維紙,ポリエステルフィルムなどがあ
る。
【0024】次に,第二発明において,各ドットの径は
平均径に対して±50%の範囲内にあることが好まし
い。ドット間に均一な隙間が形成され,この隙間から樹
脂が紙に含浸するため,透明紙に局部的な樹脂未含浸部
が生じにくい。ゆえに,印刷層が樹脂含浸紙に強固に密
着し,剥離しにくくなる。一方,ドットの平均径に対し
て±50%の範囲を逸脱する径をもつドットが存在する
場合には,ドット間の隙間が偏在し,印刷層の透明紙へ
の密着性が低下するおそれがある。
【0025】平均径は,KEYFME型のマイクロスコ
ープ VH−7などで1つのドットの径の平均値を測定
し,これを画面上の全ドットについて行い,全ドットの
平均径を計算する。画面は倍率50倍程度が望ましい。
【0026】第二発明において,ドットが円である場合
には,ドットの径とは,ドットの直径をいい,円ではな
い場合には,ドットの径とは,1つのドットの最大径と
最小径との平均をいう。ドットの平均径とは,印刷層を
構成するドット群の中の,すべてのドットの径を加算し
てドット数で除した値をいう。上記ドットの集合群から
なる印刷層は,たとえば,インクジェット印刷などによ
り形成できる。
【0027】その他,第二発明においても,上記第一発
明と同様である(請求項3〜請求項5)。
【0028】第三発明において,基材としては,1また
は複数枚の紙に樹脂を含浸させたものを用いることがで
きる。ここで基材に用いる紙は,クラフト紙,リンター
紙などであり,樹脂としては,フェノール樹脂,ジアリ
ルフタレート樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂などである。また,基材として,合板,木
板を用いることもできる。基材は,上記印刷層を有する
透明紙に積層し,加熱加圧して一体化される。加熱加圧
条件は,80〜200℃で20〜150kg/cm
で,5〜60分であることが好ましい。第三発明にお
いて,その他の点は第一発明と同様である(請求項8〜
請求項10)。
【0029】第四発明においては,基材に関しては上記
第三発明と同様であり,その他の点に関しては上記第二
発明と同様である(請求項8〜請求項10)。
【0030】
【実施例】(実施例1)本発明の実施形態に係る化粧板
について,図1〜図3を用いて説明する。本例の化粧板
6は,図1に示すごとく,基材5と,基材5に接着され
た化粧シート7とからなる。化粧シート7は,透明紙3
と,その基材5を接着している側と反対側にインクジェ
ット印刷された印刷層2とからなる。透明紙3は,紙に
樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙である。透明紙3の中の
灰分の含有量は0.1重量%である。印刷層2は,オー
バーレイ1により被覆されている。
【0031】インクジェット印刷により形成された印刷
層2は,図2(a)に示すごとく,ドット20の集合群
からなる模様21を構成する。この模様21は,図2
(b)に示すごとく,ほぼ同一の大きさのドット20か
らなる。ドット20の平均直径は200μmであり,ド
ットの直径のばらつきは,平均直径の−50〜+50%
である。模様21は,図2(c)に示すごとく,インク
のドット20の配置及び密度を変えることにより,濃淡
を発生させている。模様21のうち淡色部分21aは,
インクのドット20の密度を薄くし,濃色部分21bは
ドット20の密度を濃くする。図2(c)に示すごと
く,模様21は,複数種類の色のドット20a,20b
の集合からなる。
【0032】本例の化粧板を製造するにあたっては,図
3(a)に示すごとく,透明紙3に用いる紙31とし
て,灰分0.1%,坪量45g/mのα−セルローズ
成分の多い木材パルプ繊維抄造紙を準備した。この紙3
1に,インクジェット印刷によりドット20の集合から
なる印刷層2を形成した。インクジェット印刷では,画
像を取り込むスキャナと,画像を処理するコンピュータ
と,処理された画像を出力するインクジェット式プリン
ター(商品名デザインジェット5000PS;ヒューレ
ット・パッカード社製)とを用いた。出力画像解像度は
600dpiである。インクジェット印刷に用いるイン
クは,水性顔料インクである。
【0033】次に,図3(b)に示すごとく,印刷後の
紙31を,送りローラにて,連続的にメラミン樹脂の樹
脂浴の中を通して,メラミン樹脂30を含浸させて樹脂
含浸紙を作製し,これを透明紙3とした。紙31上に印
刷した印刷層2は,メラミン樹脂30の中に埋まった。
【0034】図3(c)に示すごとく,オーバーレイ1
に用いる紙11として,坪量18g/m,灰分0.1
%の透明なα−セルローズ成分の多い木材パルプ繊維抄
造紙を準備した。この紙11にメラミン樹脂10を含浸
して,これをオーバーレイ1とした。
【0035】基材5として,メラミン樹脂50を含浸さ
せた晒しクラフト紙51(坪量180g/m)を5枚
準備した。
【0036】次に,上記5枚の基材5,印刷層2を形成
した透明紙3,及びオーバーレイ1を積層し,その上か
ら平板8により加圧しながら加熱した。加圧力は785
×10Paであり,加熱温度は150℃である。以上
により,厚み1.2mmの化粧板6が得られる。
【0037】本例の化粧板においては,図1に示すごと
く,透明紙3に印刷層2を形成している。このため,透
明紙3の表面における印刷層2の表面部210だけでな
く,透明紙3の中に浸透した印刷層2の浸透部220も
外観認識できる。したがって,印刷層2の全体を外観視
でき,色調再現性がよい。しかも,インクジェット印刷
では,任意の部分だけインクの厚さを加減することがで
きるため,色と階調も連続階調に近い再現性を得ること
ができる。
【0038】インクジェット印刷は,インクの噴出を制
御してインクのドットからなる模様を形成するため,イ
ンクの噴出を制御することによって,模様を任意に変更
できる。ゆえに,一品ごとに異なる模様を容易に安価に
形成することができる。また,インクジェット印刷によ
り形成された印刷層2は,ほぼ同じ大きさのインクのド
ット20からなる。このため,ドット20間から樹脂が
均一に含浸し,樹脂含浸ムラを防止できる。また,印刷
層2は,その上に形成したオーバーレイ1との密着性に
も優れる。また,インクジェット印刷では,連続的に印
刷層を形成できるため,連続作業性に優れている。しか
も,印刷ヘッドの移動幅を変えることにより,大形の化
粧板への印刷も可能である。
【0039】(比較例1)本例においては,図2(d)
に示すごとく,実施例1のインクジェット印刷に代えて
グラビア印刷を行って模様21を形成した。グラビア印
刷では,インクのドット20の大きさを変えることによ
り濃淡を出している。図2(d)中,符号20cは小さ
いドットであり,模様21の中の薄い部分を形成してい
る。符号20dは,大きいドットであり,模様21の中
の濃い部分を形成している。ドットの平均直径は300
μmであり,ドットの直径のばらつきは,平均直径の−
52%〜+53%である。その他は,実施例1と同様で
ある。
【0040】図2(e)に示すごとく,グラビア印刷で
はドット20の大きさのばらつきが大きく,大きなドッ
ト20dの直上のオーバーレイ1は剥離しやすく,直下
の透明紙3には樹脂未含浸部分38ができやすい。
【0041】(実施例2)本例の化粧板は,図4に示す
ごとく,オーバーレイを用いないで作製されたものであ
る。透明紙3には,樹脂含浸前に紙31の上に形成した
印刷層2の表面を覆う程度のメラミン樹脂30が含浸さ
れている。このため,印刷層2は,メラミン樹脂30に
より保護され,剥離しにくい。また,印刷層2の表面
は,オーバーレイを被覆したときよりも薄い厚みのメラ
ミン樹脂30により被覆されているため,印刷層2がよ
り鮮明に見える。その他は,実施例1と同様である。
【0042】(比較例2)本例は,図5に示すごとく,
実施例1の透明紙に代えて,隠蔽性を持つパターン層9
31を用いた例である。パターン層931の灰分は15
%である。その他は実施例1と同様に,パターン層93
1にインクジェット印刷にて印刷層92を形成し,メラ
ミン樹脂を含浸させた。パターン層931の上はオーバ
ーレイ91を,パターン層931の下は5枚の基材95
を積層した。これらを,実施例1と同様に,平板により
加圧しながら加熱した。得られた化粧板の厚みは1.2
mmである。
【0043】(比較例3)本例においては,印刷層の形
成を,実施例1のインクジェット印刷にて行う代わり
に,オフセット印刷で行った例である。すなわち,本比
較例の化粧板96としては,図6に示すごとく,基材9
5の上に,隠蔽層94と,その上に所望の模様を構成す
る印刷層92を印刷原紙にオフセット印刷したパターン
層93を形成し,その表面をオーバーレイ91により被
覆したものである。基材95は,フェノール樹脂をクラ
フト紙に含浸させたものである。隠蔽層94は,酸化チ
タンを含み隠蔽性を持つ樹脂含浸紙である。パターン層
93は,灰分5wt%以下の印刷原紙にメラミン樹脂を
含浸させた層である。オーバーレイ91は,木材パルプ
繊維抄造にメラミン樹脂を含浸させた層である。化粧板
の厚みは1.2mmである。
【0044】(実験例1)本例においては,本発明の化
粧板の色調・彩度の再現性について測定した。色調の基
準色は,DICカラーチャート1(1997年7月第1
刷発行大日本インキ化学工業株式会社)のC(シアン)
0%,M(マゼンダ)100%,Y(イエロー)100
%,BL(ブラック)0%を用いた。
【0045】測定に供する化粧板は,本発明の化粧板及
び比較の化粧板である。本発明に係る化粧板は,上記実
施例2とほぼ同じであるが,基材と透明紙との間に,基
材を見えなくするための隠蔽層を介在させている。隠蔽
層は,白色単色の灰分20%の(株)興人製チタン紙
(坪量80g/m)にメラミン樹脂を含浸させたもの
である。基材としては,フェノール樹脂を含浸させた未
晒クラフト紙(坪量180g/m)を5枚準備した。
【0046】比較に係る化粧板は,上記比較例2,3の
化粧板である。
【0047】これら本発明および比較の化粧板に用いる
印刷層は,上記基準色のカラーチャートを,スキャナで
読み込み,そのデータに基づいて読み込んだカラーチャ
ートと同じ画像をインクジェット式プリンター(実施例
1と同じもの)にて出力したものである。出力画像解像
度は360dpiである。
【0048】これらの化粧板について,日本電色工業株
式会社製の色差計(商品名color meter Z
F 2000)を用いて明度(L),赤〜緑(a),黄
〜青(b),色差(ΔE)を測定した。なお,aは色差
計により測定された色度図中のX軸,bはY軸,LはZ
軸である。色差(ΔE)は以下の式より算出される。
【0049】ΔE=(L+a+b1/2
【0050】化粧板の彩度は,以下の式より算出され
る。
【0051】彩度=√(a+b
【0052】この彩度は,明度を一定にしたときのa,
bの数値座標の0点からの距離に相当する。これらの測
定結果を表1に示した。
【0053】表1より明かなように,明度(L),赤〜
緑(a),黄〜青(b)及び彩度について,本発明の化
粧板は,基準色とほとんど変わらなかった。一方,比較
例2,3の化粧板は,基準色よりも薄くなった。このこ
とから,本発明の化粧板は,色調再現性がよいことがわ
かる。
【0054】
【表1】
【0055】(実験例2)本例は,化粧板の物性につい
て測定した。測定には,上記実施例1,比較例3の化粧
板(厚み1.2mm)を供した。測定項目及び測定方法
を以下に示す。 (1)耐熱水性:木製断熱板に化粧板を密着させ,その
化粧板の表面に少量の沸騰水をこぼし,そのこぼした部
分の上に,沸騰水の入った平底アルミニウム容器を20
分放置した。 (2)耐熱性:木製断熱板に化粧板を取りつけた。その
化粧板の表面に,約185℃,約500mlの植物油を
入れた平底アルミニウム容器を20分間放置した。
【0056】(3)耐煮沸性:化粧板を,長さ,幅それ
ぞれ50mmの試験片を3枚切り取った。試験片を2時
間煮沸して室温に保持した水の中で約15分間冷却し
た。その後試験片に層間剥離があるか否かを肉眼で調べ
た。 (4)耐摩耗性:化粧板の重量を測定した後,回転盤に
水平に固定し,研磨紙を巻き付けたゴム製円板2個を取
りつけて磨耗試験を行った。摩耗終点に達したときの回
転数を求めた。 (5)耐シガレット性:所定の標準温度曲線の範囲内に
入ったシガレットヒーターを取りつけた発熱部分を化粧
板の所定の位置に置き,化粧板にフクレが発生するまで
の時間をストップウォッチで測定した。
【0057】(6)耐光性:アトラス形フェードメータ
ーで,光を48時間照射した。照射試験前後で,色差計
にて色差(ΔE)を測定した。照射前では,ΔE=1.
29であった。照射試験前後で色差の変化が小さい場合
は耐光性に優れ,変化が大きい場合は耐光性が弱いと判
断できる。 (7)耐衝撃性:鋼球(JIS−B−1501,質量2
8.1g)を,落球高さ400mm上から化粧板の上に
自然落下させた。 (8)耐剥離性:化粧板の上に塗膜を貫通して,素地面
に達する切り傷を碁盤目状に付けた。この碁盤目状の傷
の上に粘着テープを貼り,剥がした後の塗膜の付着状態
を目視によって観察した。切り傷の間隔は1mm,桝目
の数は100を選定した。 上記(1)〜(7)はJIS−K−6902に,上記
(8)はJIS−K−5400に準拠した測定法であ
る。測定結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】以上の測定結果より,本発明の化粧板は,
実用上十分な物性を備えていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の化粧板の断面図。
【図2】実施例1における,インクジェット印刷により
形成した模様を示す化粧板の平面図(a),インクジェ
ット印刷により形成されたドットの説明図(b)及びイ
ンクジェット印刷を用いて形成した化粧板の断面説明図
(c),並びに比較例1における,グラビア印刷により
形成した模様を示す化粧板の平面図(d)及びグラビア
印刷を用いて形成した化粧板の断面説明図(e)。
【図3】実施例1における,化粧板の製造方法を示す説
明図(a)〜(c)。
【図4】実施例2の化粧板の断面図。
【図5】比較例2の化粧板の断面図。
【図6】比較例3の化粧板の断面図。
【符号の説明】
1...オーバーレイ, 2...印刷層, 20...ドット, 3...透明紙, 30...メラミン樹脂, 31...紙 5...基材, 6...化粧板, 7...化粧シート, 8...平板,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA57 BA03 BA12 BB02 GA32W GB63W 4F100 AJ04 AK01A AK36 AS00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C DG02 DG10A EJ82 EJ82A EJ822 GB08 HB31B JN01A 4L055 AF09 AG80 AJ01 BE08 EA08 EA13 FA12 GA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明紙にインクジェット印刷による印刷
    層が形成されてなることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 透明紙にインクのドットの集合群からな
    る印刷層が形成されてなることを特徴とする化粧シー
    ト。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記透明紙
    は,紙に樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙であることを特
    徴とする化粧シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記透明紙の中の灰分の含有量は0〜1.5重量%であ
    ることを特徴とする化粧シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記印刷層は,オーバーレイにより被覆されていること
    を特徴とする化粧シート。
  6. 【請求項6】 基材と化粧シートとからなり,該化粧シ
    ートは,透明紙と,該透明紙における上記基材を配置し
    ている側と反対側に形成された印刷層とからなり,該印
    刷層は,インクジェット印刷により形成されていること
    を特徴とする化粧板。
  7. 【請求項7】 基材と化粧シートとからなり,該化粧シ
    ートは,透明紙と,該透明紙における上記基材を配置し
    ている側と反対側に形成された印刷層とからなり,該印
    刷層は,インクのドットの集合群からなることを特徴と
    する化粧板。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において,上記透明紙
    は,紙に樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙であることを特
    徴とする化粧板。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項において,
    上記透明紙の中の灰分の含有量は0〜1.5重量%であ
    ることを特徴とする化粧板。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれか1項におい
    て,上記印刷層は,オーバーレイにより被覆されている
    ことを特徴とする化粧板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094563A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Dainippon Ink & Chem Inc 化粧板
JP2010242256A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Kohjin Co Ltd オーバーレイ原紙

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