JP2017043683A - 描画材 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者による描画の自由度を向上させることを可能とする描画材を提供する。【解決手段】描画材1は、体質材と、オイルと、ワックスと、着色剤と、金属石鹸と、を含有する。ワックスの融点は40℃以上150℃以下である。オイルの含有量は10質量%以上50質量%以下である。描画材1は、粉末樹脂をさらに含有してもよい。また、描画材1は、中空樹脂をさらに含有してもよい。上記ワックスは、第1ワックスと、第1ワックスよりも融点の高い第2ワックスとを含んでいてもよい。【選択図】図1
Description
本発明は描画材に関するものである。
ワックス、顔料などの着色剤、および体質材を含有し、円柱状、四角柱状などの棒状の形状に成形された描画材が知られている。このような描画材において、成分組成を調整することにより、画用紙等だけでなくプラスチック材料の表面などの非吸収面にも濃く明確に描画可能で、かつ容易に消去可能なものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
描画材を用いた描画は、紙などの被描画材に描画材を接触させた状態で描画材を被描画材に対して相対的に移動させることにより達成される。このとき、描画材と被描画材との接触面の形状と描画材の移動方向とにより、描画される領域が決定される。特許文献1に記載の描画材を含む一般的な描画材においては、描画材の形状によって上記接触面の形状が制限される。その結果、使用者による描画の自由度が制限される。
本発明の目的は、使用者による描画の自由度を向上させることを可能とする描画材を提供することである。
本発明に従った描画材は、体質材と、オイルと、ワックスと、着色剤と、金属石鹸と、を含有する。ワックスの融点は40℃以上150℃以下である。オイルの含有量は10質量%以上50質量%以下である。
適切な融点のワックスを含有するとともに、適量のオイルを含有することにより、本発明の描画材は、使用者によって自由に変形させることができる。そのため、たとえば細い先端部を有する形状に描画材を変形させ、当該先端部を用いて狭い領域の描画を行った後、先端部を潰して平坦な領域を有するように変形させ、当該領域を用いて広い領域の描画を行うことができる。このように、本発明の描画材によれば、形状を使用者が自由に変更可能とすることにより、使用者による描画の自由度を向上させることができる。
上記描画材は、粉末樹脂をさらに含有してもよい。これにより、使用者が指で描画材を変形させる際のべとつきを抑制することができる。
上記描画材は、中空樹脂をさらに含有してもよい。上記描画材は、紙などの被描画材に描画材を接触させた状態で描画材を被描画材に対して相対的に移動させる描画方法以外に、描画材の一部を千切って所望の形状に変形させつつ被描画材に貼り付けることにより、油絵具による描画に類似した立体性を有する描画方法を採用することができる。描画材が中空樹脂を含有することにより描画材が軽量化され、このような描画方法を採用した場合の貼り付けられた描画材の自重による剥離を抑制することができる。
上記描画材において、上記ワックスは、第1ワックスと、第1ワックスよりも融点の高い第2ワックスと、を含んでいてもよい。融点の低い第1ワックスと融点の高い第2ワックスとを含むことにより、描画材の経時的なひび割れを抑制しつつ、適切な硬度を維持することができる。
上記描画材において、上記ワックスの含有量は、上記オイルの含有量の0.5倍以上1.5倍以下であってもよい。ワックスの含有量をオイルの含有量に対してこのような範囲に調整することにより、描画材の変形の容易性を維持しつつ、型崩れを抑制することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の描画材によれば、使用者による描画の自由度を向上させることを可能とする描画材を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
図1〜図3を参照して、本実施の形態の描画材1は、体質材と、オイルと、ワックスと、着色剤と、金属石鹸と、を含有する。ワックスの融点は40℃以上150℃以下である。オイルの含有量は10質量%以上50質量%以下である。適切な融点のワックスを含有するとともに、適量のオイルを含有することにより、描画材1は、使用者によって自由に変形させることができる。
具体的には、たとえば図1に示すように細い先端部1Aを有する形状に描画材1を変形させ、先端部1Aを用いて被描画材である画用紙2の狭い領域の描画5を実施することができる。また、図2に示すように先端部1Aを潰して平坦な領域を有するように変形させ、当該領域を用いて画用紙2の広い領域の描画5を実施することができる。さらに、図3に示すように、描画材1の一部を千切って描画材片1Bとし、描画材片1Bを所望の形状に変形させつつ被描画材である画用紙2に貼り付けることにより、油絵具による描画に類似した立体性を有する描画5を実施することができる。このように、描画材1によれば、形状を使用者が自由に変形可能とすることにより、使用者による描画の自由度を向上させることができる。以下、描画材1を構成する成分の詳細について説明する。
(1)体質材
描画材1を構成する体質材としては、たとえば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、アルミナシリケート、ベントナイトなどを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する体質材は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、アルミナシリケートおよびベントナイトからなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する体質材としては、タルクが特に好適である。
描画材1を構成する体質材としては、たとえば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、アルミナシリケート、ベントナイトなどを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する体質材は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、アルミナシリケートおよびベントナイトからなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する体質材としては、タルクが特に好適である。
体質材の含有量が10質量%未満の場合、描画材1が型崩れしやすくなる傾向にある。そのため、体質材の含有量は10質量%以上とすることが好ましい。より型崩れしにくくする観点から、体質材の含有量は30質量%以上としてもよい。一方、体質材の含有量が60質量%を超えると、滑らかな変形が阻害されるとともに、ひび割れが生じやすくなる傾向にある。そのため、体質材の含有量は60質量%以下とすることが好ましい。より確実に滑らかな変形を確保し、ひび割れを抑制する観点から、体質材の含有量は50質量%以下としてもよい。
(2)オイル
本願において、オイルとは、油状成分のうち常温で液体のものをいう。描画材1を構成するオイルとしては、流動パラフィン、ヒマシ油、スピンドルオイル、ヤシ油などを採用することができる。すなわち、描画材1を構成するオイルは、流動パラフィン、ヒマシ油、スピンドルオイルおよびヤシ油からなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成するオイルとしては、流動パラフィンが特に好適である。
本願において、オイルとは、油状成分のうち常温で液体のものをいう。描画材1を構成するオイルとしては、流動パラフィン、ヒマシ油、スピンドルオイル、ヤシ油などを採用することができる。すなわち、描画材1を構成するオイルは、流動パラフィン、ヒマシ油、スピンドルオイルおよびヤシ油からなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成するオイルとしては、流動パラフィンが特に好適である。
オイルの含有量が10質量%以下の場合、滑らかな変形が阻害されるとともに、ひび割れが生じやすくなる。そのため、オイルの含有量は10質量%以上とする必要がある。より確実に滑らかな変形を確保し、ひび割れを抑制する観点から、オイルの含有量は20質量%以上とすることが好ましい。一方、オイルの含有量が50質量%を超えると、描画材1がべとつくとともに型崩れしやすくなる。そのため、オイルの含有量は50質量%以下とする必要がある。より型崩れしにくくし、かつべとつきを抑制する観点から、オイルの含有量は40質量%以下とすることが好ましい。
(3)ワックス
本願において、ワックスとは、油状成分のうち常温で固体のものをいう。描画材1中において、ワックスは、適切な硬度を維持しつつ経時的なひび割れの発生を抑制する機能を果たす。そのため、描画材1を構成するワックスの融点は40℃以上150℃以下とする必要がある。また、より確実に適切な硬度を維持しつつ経時的なひび割れの発生を抑制する観点から、ワックスの融点は50℃以上130℃以下とすることが好ましい。なお、融点の測定は、たとえばDSC(Differential Scanning Calorimetry)により実施することができる。具体的には、DSC曲線の融解熱に対応するピークの面積が50%となる温度を融点とすることができる。
本願において、ワックスとは、油状成分のうち常温で固体のものをいう。描画材1中において、ワックスは、適切な硬度を維持しつつ経時的なひび割れの発生を抑制する機能を果たす。そのため、描画材1を構成するワックスの融点は40℃以上150℃以下とする必要がある。また、より確実に適切な硬度を維持しつつ経時的なひび割れの発生を抑制する観点から、ワックスの融点は50℃以上130℃以下とすることが好ましい。なお、融点の測定は、たとえばDSC(Differential Scanning Calorimetry)により実施することができる。具体的には、DSC曲線の融解熱に対応するピークの面積が50%となる温度を融点とすることができる。
滑らかな変形を可能とするためのオイルと、適切な硬度を維持しつつひび割れを抑制するためのワックスとの含有量の比率を適切な範囲とすることが好ましい。具体的には、ワックスの含有量は、オイルの含有量の0.5倍以上1.5倍以下とすることが好ましい。
ワックスの含有量が1質量%未満の場合、上記機能が十分に発揮されない傾向にある。そのため、ワックスの含有量は1質量%以上とすることが好ましい。より確実に上記機能を得る観点から、ワックスの含有量は30%以上としてもよい。一方、ワックスの含有量が50質量%を超えると、他の成分とのバランスの調整が難しくなる。そのため、ワックスの含有量は50質量%以下とすることが好ましい。
描画材1を構成するワックスとしては、木ロウ、ミツロウ、カルナウバワックス、牛脂硬化油、ポリエチレンワックス、α−オレフィンオリゴマー、ラード、パラフィンワックスなどを採用することができる。すなわち、描画材1を構成するワックスは、木ロウ、ミツロウ、カルナウバワックス、牛脂硬化油、ポリエチレンワックス、α−オレフィンオリゴマー、ラードおよびパラフィンワックスからなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成するワックスとしては、ミツロウおよびポリエチレンワックスが特に好適である。
描画材1を構成するワックスは、第1ワックスと、第1ワックスよりも融点の高い第2ワックスと、を含んでいてもよい。第1ワックスの融点は、たとえば50℃以上75℃以下とすることができる。第2ワックスの融点は、たとえば85℃以上130℃以下とすることができる。
描画材1を構成する第1ワックスおよび第2ワックスは、先に例示されたワックスから選択することができる。たとえば、第1ワックスとしてミツロウを選択し、第2ワックスとしてポリエチレンワックスを選択することができる。
第1ワックスの含有量が0.1質量%未満の場合、経時的なひび割れが発生しやすくなる傾向にある。そのため、第1ワックスの含有量は0.1質量%以上とすることが好ましい。より確実に経時的なひび割れの発生を抑制する観点から、第1ワックスの含有量は0.5質量%以上とすることが好ましい。一方、第1ワックスの含有量が30質量%を超えると、使用者が指で描画材1を変形させる際のべとつきが大きくなる傾向にある。そのため、第1ワックスの含有量は30質量%以下とすることが好ましい。より確実にべとつきを抑制する観点から、第1ワックスの含有量は20質量%以下とすることができる。
第2ワックスの含有量が1質量%未満の場合、型崩れが発生しやすくなる傾向にある。そのため、第2ワックスの含有量は1質量%以上とすることが好ましい。より確実に型崩れの発生を抑制する観点から、第2ワックスの含有量は2質量%以上としてもよい。一方、第2ワックスの含有量が50質量%を超えると、描画材1の硬度が高くなり、滑らかな変形が困難となる傾向にある。そのため、第2ワックスの含有量は50質量%以下とすることが好ましい。より確実に滑らかな変形を確保する観点から、第2ワックスの含有量は40質量%以下とすることができる。
(4)着色剤
描画材1を構成する着色剤としては、たとえば有機顔料、無機顔料、レーキ顔料、油溶性染料などを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する着色剤は、有機顔料、無機顔料、レーキ顔料および油溶性染料からなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する着色剤としては、有機顔料、無機顔料およびレーキ顔料が特に好適である。
描画材1を構成する着色剤としては、たとえば有機顔料、無機顔料、レーキ顔料、油溶性染料などを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する着色剤は、有機顔料、無機顔料、レーキ顔料および油溶性染料からなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する着色剤としては、有機顔料、無機顔料およびレーキ顔料が特に好適である。
着色剤の含有量を1質量%未満とすると、描画において十分に着色できない場合がある。そのため、着色剤の含有量は1質量%以上とすることが好ましい。より確実な着色を実現する観点から、着色剤の含有量は2質量%以上としてもよい。一方、着色剤の含有量が50質量%を超えると、滑らかな変形が阻害されるとともに、ひび割れが生じやすくなる傾向にある。そのため、着色剤の含有量は50質量%以下とすることが好ましい。より確実に滑らかな変形を確保し、ひび割れを抑制する観点から、着色剤の含有量は30質量%以下としてもよい。着色剤の含有量は、着色剤の着色力に応じて適切に設定することができる。
(5)金属石鹸
描画材1を構成する金属石鹸としては、たとえばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、リノシール酸亜鉛、リノシール酸カルシウムなどを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する金属石鹸は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、リノシール酸亜鉛およびリノシール酸カルシウムからなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムが特に好適である。
描画材1を構成する金属石鹸としては、たとえばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、リノシール酸亜鉛、リノシール酸カルシウムなどを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する金属石鹸は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、リノシール酸亜鉛およびリノシール酸カルシウムからなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムが特に好適である。
金属石鹸は、オイルをグリース状に変化させるために添加される。金属石鹸の含有量が10質量%未満である場合、オイルのグリース化が不十分となる傾向にある。そのため、金属石鹸の含有量は10質量%以上とすることが好ましい。一方、金属石鹸の含有量が40質量%を超えると、使用者が指で描画材1を変形させる際のべとつきが大きくなる傾向にある。そのため、金属石鹸の含有量は40質量%以下とすることが好ましい。より確実にべとつきを抑制する観点から、金属石鹸の含有量は20質量%以下としてもよい。
描画材1を構成する金属石鹸は、第1金属石鹸と、第2金属石鹸と、を含んでいてもよい。第1金属石鹸および第2金属石鹸は、先に例示された金属石鹸から選択することができる。たとえば、第1金属石鹸としてステアリン酸亜鉛を選択し、第2金属石鹸としてステアリン酸カルシウムを選択することができる。
(6)粉末樹脂
粉末樹脂の添加は、描画材1において必須ではない。粉末樹脂を添加することにより、使用者が指で描画材1を変形させる際のべとつきを抑制することができる。このような効果を得るためには、粉末樹脂の含有量は1質量%以上とすることが好ましく、2質量%以上とすることがより好ましい。一方、粉末樹脂を過剰に添加すると、滑らかな変形が阻害されるとともに、ひび割れが生じやすくなる。このような観点から、粉末樹脂の含有量は30質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下とすることがより好ましい。
粉末樹脂の添加は、描画材1において必須ではない。粉末樹脂を添加することにより、使用者が指で描画材1を変形させる際のべとつきを抑制することができる。このような効果を得るためには、粉末樹脂の含有量は1質量%以上とすることが好ましく、2質量%以上とすることがより好ましい。一方、粉末樹脂を過剰に添加すると、滑らかな変形が阻害されるとともに、ひび割れが生じやすくなる。このような観点から、粉末樹脂の含有量は30質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下とすることがより好ましい。
描画材1を構成する粉末樹脂としては、たとえば粉末ポリエチレン、粉末ポリプロピレン、粉末エチレン・アクリル酸共重合樹脂などを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する粉末樹脂は、粉末ポリエチレン、粉末ポリプロピレンおよび粉末エチレン・アクリル酸共重合樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する粉末樹脂としては、粉末ポリエチレンが特に好適である。
(7)中空樹脂
中空樹脂の添加は、描画材1において必須ではない。中空樹脂を添加することにより、描画材1が図3のように貼り付けられる描画方法が採用された場合における描画材の自重による剥離を抑制することができる。このような効果を得るためには、中空樹脂の含有量は0.3質量%以上とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることがより好ましい。一方、中空樹脂を過剰に添加すると、滑らかな変形が阻害されるとともに、ひび割れが生じやすくなる。このような観点から、中空樹脂の含有量は10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることがより好ましい。
中空樹脂の添加は、描画材1において必須ではない。中空樹脂を添加することにより、描画材1が図3のように貼り付けられる描画方法が採用された場合における描画材の自重による剥離を抑制することができる。このような効果を得るためには、中空樹脂の含有量は0.3質量%以上とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることがより好ましい。一方、中空樹脂を過剰に添加すると、滑らかな変形が阻害されるとともに、ひび割れが生じやすくなる。このような観点から、中空樹脂の含有量は10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることがより好ましい。
中空樹脂としては、たとえば球状の形状を有する中空樹脂球を採用することができる。具体的には、たとえば日本フィライト株式会社製のEXPANCEL 920DE40 d 30、EXPANCEL 920DE80 d 30、EXPANCEL 461WE40 d 36、EMC−40、EMC−80などを採用することができる。すなわち、描画材1を構成する中空樹脂は、日本フィライト株式会社製のEXPANCEL 920DE40 d 30、EXPANCEL 920DE80 d 30、EXPANCEL 461WE40 d 36、EMC−40およびEMC−80からなる群から選択される1種または2種以上の物質とすることができる。描画材1を構成する中空樹脂としては、EXPANCEL 920DE40 d 30およびEXPANCEL 920DE80 d 30が特に好適である。
(8)その他の成分
描画材1は、上記(1)〜(7)の成分のほか、たとえば防腐剤、防黴剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。
描画材1は、上記(1)〜(7)の成分のほか、たとえば防腐剤、防黴剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。
本実施の形態の描画材1は、上記(1)〜(5)を含有し、残部が不可避的不純物(原料に起因して、または製造工程において、意図的でなく混入した不純物)からなっていてもよい。また、描画材1は、上記(1)〜(5)を含有し、さらに上記(6)〜(8)からなる群から選択される1種または2種以上の物質を含み、残部が不可避的不純物からなっていてもよい。
次に、本実施の形態における描画材1の製造方法の概略について説明する。図4を参照して、本実施の形態における描画材1の製造方法においては、まず工程(S10)として油状成分混合工程が実施される。この工程(S10)では、上記(2)のオイルおよび(3)のワックスが適切な比率(たとえばワックスの量がオイルの量の0.5倍以上1.5倍以下となる比率)で加熱されつつ溶融状態で混合される。これにより、オイルとワックスとの混合物が得られる。
次に、工程(S20)として混練工程が実施される。この工程(S20)では、工程(S10)において得られたオイルとワックスとの混合物に、たとえば上記(1)の体質材、(4)の着色剤、(5)の金属石鹸、(6)の粉末樹脂および(7)の中空樹脂を所望の割合で加えて加熱しつつ、ニーダーを用いて混練する。これにより、上記(1)〜(7)の成分が所望の割合で混合された組成物が得られる。
次に、工程(S30)として成形工程が実施される。この工程(S30)では、工程(S20)において得られた組成物を、真空土練機を用いて所望の形状に成形する。以上の手順により本実施の形態の描画材1が得られる。
成分組成の異なる本発明の描画材(実施例1〜14)を作製し、着色状態、べとつき、ひび割れの発生、の3つの観点で評価試験を実施した。また、成分組成の異なる本発明の範囲外の描画材(比較例1〜6)を作製し、同様に3つの観点で評価試験を実施した。
(1)描画材の作製方法
上記実施の形態において説明した手順により描画材を作製した。体質材としては、タルクである商品名「MS−KY」(日本タルク株式会社製)を採用した。オイルとしては、流動パラフィンである商品名「ホワイトミネラルオイル」(中央化成株式会社製)を採用した。第1ワックスとしては、ミツロウである商品名「紺印晒蜜蝋」(三木化学工業株式会社製)を採用した。このミツロウの融点は63℃である。第2ワックスとしては、ポリエチレンワックスである商品名「ネオワックスL」(ヤスハラケミカル株式会社製)を採用した。このポリエチレンワックスの融点は95〜115℃である。着色剤としては、グンジョウ(無機顔料)である商品名「グンジョウ D−281」(第一化成株式会社製)を採用した。第1金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛(川村化成工業株式会社製)を採用した。第2金属石鹸としては、ステアリン酸カルシウム(川村化成工業株式会社製)を採用した。粉末樹脂としては、粉末ポリエチレンである商品名「フローセン UF20S」(住友精化株式会社製)を採用した。中空樹脂としては、中空樹脂球である商品名「EXPANCEL 920DE80 d 30」(日本フィライト株式会社製)を採用した。
上記実施の形態において説明した手順により描画材を作製した。体質材としては、タルクである商品名「MS−KY」(日本タルク株式会社製)を採用した。オイルとしては、流動パラフィンである商品名「ホワイトミネラルオイル」(中央化成株式会社製)を採用した。第1ワックスとしては、ミツロウである商品名「紺印晒蜜蝋」(三木化学工業株式会社製)を採用した。このミツロウの融点は63℃である。第2ワックスとしては、ポリエチレンワックスである商品名「ネオワックスL」(ヤスハラケミカル株式会社製)を採用した。このポリエチレンワックスの融点は95〜115℃である。着色剤としては、グンジョウ(無機顔料)である商品名「グンジョウ D−281」(第一化成株式会社製)を採用した。第1金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛(川村化成工業株式会社製)を採用した。第2金属石鹸としては、ステアリン酸カルシウム(川村化成工業株式会社製)を採用した。粉末樹脂としては、粉末ポリエチレンである商品名「フローセン UF20S」(住友精化株式会社製)を採用した。中空樹脂としては、中空樹脂球である商品名「EXPANCEL 920DE80 d 30」(日本フィライト株式会社製)を採用した。
(2)評価方法
(2−1)着色状態
描画材のサンプルを直径約1cmの球状に手の平で軽く丸めた後、画用紙に200gの荷重で押し付けつつ長さ10cmの線を描いた。そして、得られた線について、以下の基準で評価した。
A:発色が強く、目視で色がはっきりわかる。
B:着色するが発色が弱い。
C:目視では色が確認できない。
(2−1)着色状態
描画材のサンプルを直径約1cmの球状に手の平で軽く丸めた後、画用紙に200gの荷重で押し付けつつ長さ10cmの線を描いた。そして、得られた線について、以下の基準で評価した。
A:発色が強く、目視で色がはっきりわかる。
B:着色するが発色が弱い。
C:目視では色が確認できない。
(2−2)べとつき
直径約1cmの球状に手の平で軽く丸めた描画材のサンプルを、指先で30秒間練った後の指の状態を観察し、以下の基準で評価した。なお、指先が着色することは、評価の対象外とした。
A:指先に描画材の付着がない。
B:指先に細かい描画材の付着がある。
C:指先に描画材がまとわりつく。
直径約1cmの球状に手の平で軽く丸めた描画材のサンプルを、指先で30秒間練った後の指の状態を観察し、以下の基準で評価した。なお、指先が着色することは、評価の対象外とした。
A:指先に描画材の付着がない。
B:指先に細かい描画材の付着がある。
C:指先に描画材がまとわりつく。
(2−3)ひび割れ
描画材のサンプルを縦10cm、横10cm、厚み2cmの形状に成形し、50℃に維持した恒温槽に2週間保持した。その後、サンプルの状態を観察し、以下の基準で評価した。
A:ひび割れの発生がない。
C:ひび割れの発生がある。
描画材のサンプルを縦10cm、横10cm、厚み2cmの形状に成形し、50℃に維持した恒温槽に2週間保持した。その後、サンプルの状態を観察し、以下の基準で評価した。
A:ひび割れの発生がない。
C:ひび割れの発生がある。
(3)実験結果
実施例および比較例の成分組成の詳細、ならびに実験結果を表1および表2に示す。
実施例および比較例の成分組成の詳細、ならびに実験結果を表1および表2に示す。
表1および表2を参照して、まず着色状態に着目すると、着色剤を含有する実施例の描画材はいずれも画用紙に対する着色を達成していた。これに対し、着色剤を含有しない比較例1は、当然ながら画用紙に対して着色できなかった。また、着色剤の含有量が1質量%以上2質量%未満である実施例1については、発色が弱い(評価B)との結果となった。これに対し、着色剤の含有量が2質量%以上である実施例2〜14については十分な着色が可能であった(評価A)。このことから、着色剤の含有量は1質量%以上とすることが好ましく、2質量%以上とすることがより好ましいことが確認された。
次に、べとつきに着目すると、オイルの含有量が50質量%を超え、かつ体質材を含有しない比較例4、および体質材を含有しない比較例6については、評価がCとなっている。これに対し、体質材を含み、かつオイルの含有量が10質量%以上50質量%以下である実施例は、いずれもAまたはBの評価となっている。また、粉末樹脂の含有量が小さい、または粉末樹脂を含有しない実施例9および10、オイルの含有量の多い実施例4、第1ワックスの含有量の多い実施例6については、評価がBとなっている。これらの実施例については、第1ワックスの含有量を減少させて第2ワックスの含有量を増加させる、オイルの含有量を減少させる、粉末樹脂の含有量を増加させる等の対策により、べとつきがさらに改善するものと考えられる。
次に、ひび割れに着目すると、オイルの含有量が10質量%未満である比較例2および比較例3、ならびにワックス(特に第1ワックス)を含有しない比較例5については、評価がCとなっている。これに対し、実施例の評価は、いずれもAとなっている。このことから、オイルの含有量は10質量%以上とし、ワックスを含有すべきであることが確認される。
以上の実験結果より、本発明の描画材によれば、形状を使用者が自由に変更可能であることにより、使用者による描画の自由度が向上することが確認される。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の描画材は、描画の自由度の向上が求められる描画材に、特に有利に適用され得る。
1 描画材、1A 先端部、1B 描画材片、2 画用紙、5 描画。
Claims (5)
- 体質材と、オイルと、ワックスと、着色剤と、金属石鹸と、を含有し、
前記ワックスの融点は40℃以上150℃以下であり、
前記オイルの含有量は10質量%以上50質量%以下である、描画材。 - 粉末樹脂をさらに含有する、請求項1に記載の描画材。
- 中空樹脂をさらに含有する、請求項1または2に記載の描画材。
- 前記ワックスは、第1ワックスと、前記第1ワックスよりも融点の高い第2ワックスと、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の描画材。
- 前記ワックスの含有量は、前記オイルの含有量の0.5倍以上1.5倍以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の描画材。
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