JP5891116B2 - 睫用化粧料 - Google Patents

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本発明は、睫用化粧料に関する。
マスカラにおいては、耐水性がありながら、温水でクレンジングできるという、化粧持続性とクレンジング性の両立が求められている。
例えば、特許文献1には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、若しくはアクリル酸の少なくとも一種と、ウレタンアクリレートとをモノマー単位とする共重合体を含む皮膜形成剤を含有する睫用化粧料が記載され、睫への粘着性が高いことが記載されている。
また、特許文献2には、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、カーボンブラック、多価アルコール及び特定の水溶性皮膜形成剤を含有する水中油型睫用化粧料が記載され、高いツヤと黒さ、ぬるま湯に対する劇的なクレンジング性を有することが記載されている。
特開2009−46517号公報 特開2010−77042号公報
本発明者は、従来の睫用化粧料を落とす際、クレンジング時に強く擦るため、睫への負荷が大きく、さらに摩擦で落とすため、目元にマスカラのカスが生じ、ぬるま湯でもきれいに落としにくいという課題を見出した。
本発明は、室温において耐水性があり、化粧持続性に優れるとともに、温水でのクレンジング時に素早く、きれいに落とせる睫用化粧料に関する。
本発明者は、(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体と、特定の二塩基酸のエステル化合物を組み合わせて用いれば、上記課題を解決した睫用化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、
(B)次の一般式(1)
Figure 0005891116
〔式中、R1 は置換基を有していても良い炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R2 及びR3 は同一又は異なって、置換基を有していても良い炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、m及びnは同一又は異なって、0〜4の整数を示し、m+n≧1である〕
で表される二塩基酸のエステル化合物
を含有する睫用化粧料を提供するものである。
本発明の睫用化粧料は、室温(20℃)において、汗等でも化粧くずれせず耐水性に優れ、かつ、温水(40℃)で素早く、きれいに落とすことができ、クレンジング性も良好なものである。また、化粧持ちにも優れている。
本発明で用いる成分(A)の(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体は、アクリル酸アルキルモノマー及び/又はメタクリル酸アルキルモノマーと、酢酸ビニルモノマーとを含む単量体混合物を主成分とし、通常、これらを乳化重合して得られる共重合体であり、通常化粧料に用いられるものであれば、いずれでも使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、炭素数1〜10が好ましく、更に炭素数4〜8のものがより好ましい。
成分(A)の(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が−10℃〜10℃、更に−5℃〜5℃であるのが、温水でのクレンジング性の点で好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計によって測定された値を示す。
成分(A)は、共重合体として用いることができるほか、重合後の共重合体と水とを含むエマルジョン又は樹脂水溶液の形態のものを用いることもできる。
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、耐水性があり、化粧持続性に優れるとともに、温水でのクレンジング性の両立の点から、含有量は、全組成中に、固形分として、下限は0.1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上が更に好ましく、上限は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。また、成分(A)は、全組成中に0.1〜30質量%含有するのが好ましく、5〜25質量%がより好ましく、8〜20質量%含有するのが更に好ましい。
本発明で用いる成分(B)の二塩基酸のエステル化合物は、前記一般式(1)で表されるものである。
一般式(1)中、R1 で示される炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。また、これらのアルキレン基は置換基を有していても良く、かかる置換基としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基及びエステル基から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。R1 としては、水酸基を有していても良い炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、水酸基を有していても良いエチレン基がより好ましい。
2 及びR3 で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基が好ましい。これらのアルキル基は置換基を有していても良く、かかる置換基としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基及びエステル基から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。R2 及びR3 としては、エチル基が好ましい。
また、R4 及びR5 は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、水素原子が好ましい。
さらに、m及びnは、0〜4の整数を示し、1〜3が好ましく、2又は3がより好ましい。
成分(B)の二塩基酸エステル化合物(1)を構成する二塩基酸は、炭素数2〜4の二塩基酸であり、好ましくはリンゴ酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸である。
成分(B)の二塩基酸エステル化合物としては、一般式(1)中、R4 及びR5 がそれぞれ水素原子である二塩基酸のエステル化合物が好ましく、例えば、コハク酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル(コハク酸ビスエトキシジグリコール)、コハク酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスエチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスグリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル及びアジピン酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテルから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
成分(B)としては、一般式(1)において、R1 が置換基を有していても良い炭素数2〜4のアルキレン基であり、R2 及びR3 がエチル基であり、R4 及びR5 が水素原子であり、m及びnがそれぞれ2を示す二塩基酸のエステル化合物がより好ましい。
成分(B)の二塩基酸のエステル化合物(1)は、公知の方法に従って、製造することができる。通常、二塩基酸とポリ(又はモノ)エチレングリコールモノエーテルとのエステル縮合により、製造することができる。
成分(B)は1種又は2種以上を用いることができ、耐水性があり、化粧持続性に優れるとともに、温水でのクレンジング性の両立の点から、含有量は、全組成中に、下限は0.05質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましく、上限は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下が更に好ましい。また、成分(B)は、全組成中に0.05〜20質量%含有するのが好ましく、0.2〜10質量%がより好ましく、耐水性があり、化粧持続性の点から、2〜8質量%含有するのが更に好ましい。
本発明において、成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)は、耐水性があり、化粧持続性に優れるとともに、温水でのクレンジング性の両立の点から、下限は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、上限は、50以下が好ましく、25以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。また、質量割合(A)/(B)=1〜50が好ましく、2〜25がより好ましく、3〜10が更に好ましい。
本発明の睫用化粧料は、更に、(C)フェノキシエタノール又はデヒドロ酢酸ナトリウムを含有することができ、室温での耐水性と、温水でのクレンジング性をより向上させることができる。
成分(C)は、フェノキシエタノール及びはデヒドロ酢酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種を用いることができ、温水でのクレンジング性の点から、含有量は、全組成中に、下限は0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、上限は、5質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下がより好ましい。また、成分(C)は、全組成中に0.01〜5質量%含有するのが好ましく、0.05〜1質量%含有するのがより好ましい。
本発明の睫用化粧料は、さらに、化粧料に通常用いられる固体脂(ワックス)を含有するのが好ましい。
固体脂(ワックス)とは、融点が40℃以上で水不溶のものをいう。中でも、融点が60℃以上110℃以下のものが好ましく、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス及び合成ワックスから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。より具体的には、コメヌカロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス及び水添ホホバ油から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウが好ましい。
固体脂(ワックス)は、1種又は2種以上を用いることができ、クレンジング性と耐水性を維持しつつ、高いボリューム感を得ることができ、使用時にダマが発生せず、仕上がりも良好である点から、含有量は、全組成中に、下限は、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、4質量%以上がより更に好ましく、上限は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、15質量%以下がより更に好ましい。また、固体脂は、全組成中に1〜50質量%含有するのが好ましく、2〜40質量%がより好ましく、3〜30質量%が更に好ましく、4〜15質量%含有するのがより更に好ましい。
本発明の睫用化粧料は、さらに、化粧料に通常用いられる成分、例えば、ポリメチルメタクリレートパウダー、ナイロンパウダー、シリカ等の球状粉体;白色顔料、有機顔料、無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、雲母チタン等の顔料粉体;ベントナイト、タルク、カオリン等の粉体や、ロングラッシュ効果を高めるため、繊維を含有することができる。
各種粉体は、シリコーン、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アミノ酸、アルキルシラン、アクリルシリコーン、フッ素化合物等により表面処理したもの、あるいは有機又は無機マイクロカプセル中に内包したもの等を用いることができる。
粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に1質量%以上、10質量%以下含有するのが好ましい。
また、本発明の睫用化粧料は、種々の界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の睫用化粧料は、更に、水溶性溶剤、皮膜剤、無機塩、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、保湿剤、色素、香料、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤等を含有することができる。
水溶性溶剤としては、炭素数1〜4の低級アルコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の炭酸エステル類などが挙げられる。
皮膜剤としては、水溶性高分子、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、デンプン等が挙げられる。
本発明の睫用化粧料は、水及び水系溶剤から選ばれる1種又は2種以上を連続相とする水中油型の乳化分散型の製剤とするのが、安定性、使用性、及び化粧持続性の点で好ましい。
本発明の睫用化粧料は、通常の方法に従い、各成分を均一に混合し、攪拌することにより製造することができる。
本発明の睫用化粧料は、マスカラ、マスカラ下地、マスカラトップコート等とすることができ、なかでも、マスカラが好ましい。
本発明の睫用化粧料は、マスカラに通常用いられる塗布具、例えば繊維を針金でねじったブラシや、コーム形状、コイル形状等の塗布具、樹脂を用いてブラシ形状に成形した樹脂成形ブラシなどを用いて適用することができる。このような塗布具を使用することで、均一に塗布することができるので、耐水性があり、化粧持続性に優れるとともに、温水でのクレンジング性をより向上させることができる。なお、クレンジング性とは、温水による睫用化粧料の洗浄性又は洗浄しやすさを言う。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
<1>次の成分(A)及び(B):
(A)(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、
(B)次の一般式(1)
Figure 0005891116
〔式中、R1 は置換基を有していても良い炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R2 及びR3 は同一又は異なって、置換基を有していても良い炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、m及びnは同一又は異なって、0〜4の整数を示し、m+n≧1である〕
で表される二塩基酸のエステル化合物
を含有する睫用化粧料。
<2>成分(A)の含有量が、全組成中に、固形分として、0.1質量%以上であって、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、30質量%以下であって、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい前記<1>記載の睫用化粧料。
<3>成分(B)の含有量が、全組成中に、0.05質量%以上であって、0.2質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、20質量%以下であって、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい前記<1>又は<2>記載の睫用化粧料。
<4>成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)が、1以上であって、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、50以下であって、25以下が好ましく、10以下がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の睫用化粧料。
<5>成分(B)が、一般式(1)中、R4 及びR5 が水素原子である前記<1>〜<4>のいずれか1記載の睫用化粧料。
<6>成分(B)の二塩基酸エステル化合物(1)を構成する二塩基酸が、炭素数2〜4の二塩基酸であって、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸及びアジピン酸から選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<5>のいずれか1記載の睫用化粧料。
<7>成分(B)が、一般式(1)において、R1 が置換基を有していても良い炭素数2〜4のアルキレン基であり、R2 及びR3 がエチル基であり、R4 及びR5 が水素原子であり、m及びnがそれぞれ2を示す二塩基酸のエステル化合物である前記<1>〜<6>のいずれか1記載の睫用化粧料。
<8>成分(A)のガラス転移温度(Tg)が、−10℃〜10℃であって、−5℃〜5℃が好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の睫用化粧料。
<9>さらに、(C)フェノキシエタノール又はデヒドロ酢酸ナトリウムを0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜1質量%含有する前記<1>〜<8>のいずれか1記載の睫用化粧料。
<10>さらに、固体脂を含有する前記<1>〜<9>のいずれか1記載の睫用化粧料。
<11>固体脂の含有量が、全組成中に、1質量%以上であって、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましく、50質量%以下であって、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい前記<10>記載の睫用化粧料。
<12>水及び水系溶剤から選ばれる1種又は2種以上を連続相とする水中油型の乳化分散型の製剤である前記<1>〜<11>のいずれか1記載の睫用化粧料。
実施例1〜8、比較例1〜2
表1に示す組成のマスカラ(水中油型)を製造し、クレンジング性、耐水性、化粧持ち及びクレンジング時のマスカラの取れ方を評価した。結果を表1に併せて示す。なお、ワックス分散物は、表2に示す組成のものを用いた。
(製造方法)
表2に示す組成のワックス分散物中の油相成分を95℃で攪拌溶融する。次に、あらかじめ85℃にて均一混合させた水相成分中に、この油相成分を添加し、室温まで攪拌冷却して、ワックス分散物を製造する。さらに、表1に示す組成の成分(A)、(B)、(C)、その他成分、ワックス分散物を室温で均一に混合し、脱気することにより、マスカラ(水中油型)を製造した。
(評価方法)
(1)クレンジング性(40℃水):
睫に塗布した睫用化粧料が、40℃の温水で落とした時のクレンジング性能を確認する目的で、マスカラの取れ評価を行った。
すなわち、表1に示す組成のマスカラを、大きさ5mm×10mm、厚み50μmになるように、コーターを用いてプラスチックシートに塗布し、マスカラの皮膜を形成させた。
次に、マスカラ皮膜が形成されたプラスチックシートを、前記皮膜と反対面を40℃に設定したプレート上に接するように設置し、プラスチックシートの前記皮膜の上に40℃の温水0.1mLを滴下し、人の人差し指で、毎秒1往復で軽く擦り、皮膜が剥がれるまでの回数を測定した。表1に示す「クレンジング性(40℃水)」の評価は、N=5の平均回数である。
(2)耐水性(20℃水):
睫に塗布した睫用化粧料が、20℃の水で容易に落とせない(耐水性)を有することを確認する目的で、マスカラの取れ評価を行った。
すなわち、表1に示す組成のマスカラを、大きさ5mm×10mm、厚み50μmになるように、コーターを用いてプラスチックシートに塗布し、マスカラの皮膜を形成させた。
次に、皮膜が形成されたプラスチックシートを、前記皮膜と反対面を20℃に設定したプレート上に接するように設置し、プラスチックシートの前記皮膜の上に20℃の水0.1mLを滴下し、人の人差し指で、毎秒1往復で軽く擦り、皮膜が剥がれるまでの回数を測定した。表1に示す「耐水性(20℃水)」の評価は、N=5の平均回数である。
(3)化粧持ち:
専門評価者10名により、マスカラを実際に上睫に塗布し、6時間経過後の状態を目視観察し、化粧持ちが良い(マスカラが睫から落ちにくい)と評価した人数により判定した。
(4)クレンジング時のマスカラの取れ方:
睫に塗布した睫用化粧料が、40℃の温水で落とした時のクレンジング性能を確認する目的で、マスカラの取れ方を観察した。
すなわち、表1に示す組成のマスカラを、大きさ5mm×10mm、厚み50μmになるように、コーターを用いてプラスチックシートに塗布し、マスカラの皮膜を形成させた。
次に、マスカラ皮膜が形成されたプラスチックシートを、前記皮膜と反対面を40℃に設定したプレート上に接するように設置し、プラスチックシートの前記皮膜の上に40℃の温水0.1mLを滴下し、人の人差し指で、毎秒1往復で軽く擦り、皮膜が剥がれるまでのマスカラの状態を観察した。
Figure 0005891116
※1;大同化成社、ビニゾール2140L
Figure 0005891116
※2;ミツバ貿易社、精製キャンデリラワックスSR−2
※3;セラリカNODA社、脱臭精製カルナウバワックスNo.1
※4;クローダジャパン社、BEES WAX−S
※5;香栄興業社、極度水添ホホバ油
※6;日本合成化学社、ゴーセノールEG−05

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、
    (B)次の一般式(1)
    Figure 0005891116
    〔式中、R1 は置換基を有していても良い炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R2 及びR3 は同一又は異なって、置換基を有していても良い炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、m及びnは同一又は異なって、0〜4の整数を示し、m+n≧1である〕
    で表される二塩基酸のエステル化合物
    を含有する睫用化粧料。
  2. 成分(A)を、固形分として、0.1〜30質量%含有する請求項1記載の睫用化粧料。
  3. 成分(B)を0.05〜20質量%含有する請求項1又は2記載の睫用化粧料。
  4. 成分(A)及び(B)の質量割合が、(A)/(B)=1〜50である請求項1〜3のいずれか1項記載の睫用化粧料。
  5. 成分(B)において、一般式(1)中、R4 及びR5 が水素原子である請求項1〜4のいずれか1項記載の睫用化粧料。
  6. 成分(A)のガラス転移温度(Tg)が、−10℃〜10℃である請求項1〜5のいずれか1項記載の睫用化粧料。
  7. さらに、(C)フェノキシエタノール又はデヒドロ酢酸ナトリウムを0.01〜5質量%含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の睫用化粧料。
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