JP2017042985A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷パターンの傾斜を抑制することにより、印刷精度を向上することが可能な、インクジェット印刷装置を提供する。【解決手段】高速で搬送される平面形状の被印刷物に対して、インクの液滴を射出し、射出されたインクの液滴を被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、ドットを連続的に形成することにより、被印刷物への印刷を行う、ヘッド200と、ヘッドを被印刷物の印刷面に対して略垂直な回転軸まわりに回転させる回転機構100と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット印刷装置に関する。
近年、紙や板材等の被印刷物の表面へ文字や、図形、記号、模様等を付す目的で、被印刷物への印刷を行うインクジェット印刷装置が知られている。例えば、主に紙への印刷において用いられるインクジェット印刷装置として、オンデマンド型のインクジェット印刷装置が知られている。オンデマンド型のインクジェット印刷装置には、被印刷物へインクの液滴を射出する複数のヘッドが設けられており、当該複数のヘッドにより同時にインクの液滴が射出されることにより、被印刷物への印刷が行われる。
一方、他の印刷方式についてのインクジェット印刷装置として、連続型のインクジェット印刷装置が知られている。連続型のインクジェット印刷装置では、搬送される被印刷物に対して、ヘッドにおいてインクの液滴が射出され、射出されたインクの液滴が被印刷物の搬送方向と直交する方向へ偏向されることにより、被印刷物への印刷が行われる。なお、以下の説明において、被印刷物の搬送方向と直交(交差)する方向と記載している場合は、当該方向は、被印刷物の印刷面に対して平行な面内において被印刷物の搬送方向と直交(交差)する方向を示すものとする。
被印刷物として鋼板等の板材が用いられる場合、紙へ印刷する場合と異なり、板材のロット間での厚さの変動に伴い、ヘッドと被印刷物との距離間隔は、変動し得る。オンデマンド型のインクジェット印刷装置では、ヘッドによるインクの液滴の射出力が比較的小さいため、ヘッドと被印刷物との距離間隔が変動し得る鋼板等の板材への印刷において、インクの液滴の射出力が十分に確保できない場合がある。よって、鋼板等の板材への印刷においては、ヘッドによるインクの液滴の射出力が比較的大きい連続型のインクジェット印刷装置が利用されることが多い。このような連続型のインクジェット印刷装置において、印刷精度を向上するための技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、被印字物上の印字位置や被印字物の搬送方向に対する文字の大きさを被印字物の搬送速度の変化によらずに一定に保つために、被印字物検出手段を複数個使用することにより、被印字物の搬送速度を検出する技術が開示されている。
特開2008−114471号公報
ところで、高速で搬送される平面形状の被印刷物への連続型のインクジェット印刷装置を用いた印刷において、印刷精度を向上することが困難である場合がある。具体的には、従来の連続型のインクジェット印刷装置では、ヘッドにおいて射出されたインクの液滴が被印刷物の搬送方向と直交する方向へ偏向されることにより、被印刷物へドットが連続的に形成される。ここで、印刷中には、被印刷物は搬送されている。また、各ドットは時間間隔をおいて形成される。ゆえに、被印刷物に形成される複数のドットからなるドット列は、搬送速度に応じてインクの液滴の偏向方向に対して傾く。よって、被印刷物に形成されるドット列は、搬送方向と直交する方向に対して傾く。従って、特に被印刷物が高速で搬送される場合に、被印刷物へ印刷される印刷パターンが大きく傾斜するという問題がある。印刷パターンの傾斜が増大すると、例えば、印刷パターンの装飾としての品質が低下することや、印刷パターンがバーコードである場合に当該バーコードの読み取り精度が低下すること等の問題が生じ得る。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高速で搬送される平面形状の被印刷物に対して、インクの液滴を射出し、射出されたインクの液滴を被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、ドットを連続的に形成することにより、被印刷物への印刷を行うインクジェット印刷装置において、印刷パターンの傾斜を抑制することにより、印刷精度を向上することが可能な、新規かつ改良されたインクジェット印刷装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、高速で搬送される平面形状の被印刷物に対して、インクの液滴を射出し、射出されたインクの液滴を前記被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、ドットを連続的に形成することにより、前記被印刷物への印刷を行う、ヘッドと、前記ヘッドを前記被印刷物の印刷面に対して略垂直な回転軸まわりに回転させる回転機構と、を備える、インクジェット印刷装置が提供される。
前記被印刷物の搬送速度は、50〜200m/分であってもよい。
前記回転機構は、前記ヘッドをインクの液滴の偏向方向と前記被印刷物の搬送方向のなす角が鋭角となる方向に回転させてもよい。
前記インクジェット印刷装置は、前記被印刷物の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置された複数の前記ヘッドを備え、前記回転機構は、前記複数のヘッドを同一の回転軸まわりに回転させてもよい。
前記インクジェット印刷装置は、前記被印刷物の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置された複数の前記ヘッドと、前記複数のヘッドの各々による前記被印刷物への印刷の時期を、前記複数のヘッドの各々の配置に応じて調整する制御部と、を備え、前記回転機構は、前記複数のヘッドの各々を互いに異なる回転軸まわりに回転させてもよい。
以上説明したように本発明によれば、高速で搬送される平面形状の被印刷物に対して、インクの液滴を射出し、射出されたインクの液滴を被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、ドットを連続的に形成することにより、被印刷物への印刷を行うインクジェット印刷装置において、印刷パターンの傾斜を抑制することにより、印刷精度を向上することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成の一例を示す模式図である。 同実施形態に係るヘッドの構成の一例について説明するための模式図である。 印刷パターンの傾斜について説明するための説明図である。 インクの液滴の偏向角について説明するための説明図である。 同実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す説明図である。 ヘッドの回転後における印刷パターンの一例を示す説明図である。 同実施形態に係る制御装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1の応用例に係る回転機構の一例を示す説明図である。 第1の応用例でのヘッドの回転前後における印刷パターンの一例を示す説明図である。 第2の応用例に係る回転機構の一例を示す説明図である。 第2の応用例でのヘッドの回転前後における印刷パターンの一例を示す説明図である。 比較例1に係る印刷パターンの一例を示す模式図である。 実施例1及び実施例2に係る印刷パターンの一例を示す模式図である。 比較例2に係る印刷パターンの一例を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.インクジェット印刷装置の構成>
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るインクジェット印刷装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置10の概略構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、インクジェット印刷装置10は、回転機構100と、ヘッド200と、本体300と、を備える。
ヘッド200は、本体300から出力される動作指示に基づいて、インクの液滴を射出し、高速で搬送される鋼板等の平面形状の被印刷物への印刷を行う。具体的には、ヘッド200は、射出されたインクの液滴を被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、被印刷物へドットを連続的に形成することにより、被印刷物への印刷を行う。以下、図2を参照して、ヘッド200の構成について、説明する。
図2は、本実施形態に係るヘッド200の構成の一例について説明するための模式図である。図2に示すように、ヘッド200は、インク射出装置210と、帯電装置220と、偏向板230と、ガター240と、を備える。また、図2において、矢印Fは、被印刷物400の搬送方向を示す。また、図2において、矢印Rは、インク射出装置210から射出され、偏向板230に偏向されたインクの液滴の飛翔する方向を示す。
インク射出装置210は、供給されるインクをポンプ310の圧力で液柱として射出し、液柱は表面張力により射出直後に空中で液滴に分割する。射出されたインクの液滴には、帯電装置220により電荷が付加される。そして、帯電されたインクの液滴は、偏向板230により発生した電場によって偏向される。偏向板230は、対向して配置されたマイナス電極とプラス電極とにより構成される。インクの液滴の偏向量は、帯電装置220により付加される電荷及び偏向板230により発生する電場の大きさに依存する。ヘッド200は、当該電荷及び電場の大きさを調整することによりインクの液滴の偏向量を調整し得る。
ガター240は、インク射出装置210により射出された後印刷に用いられないインクの液滴を回収する。ガター240は、図示しないチューブ等によって本体300のタンク320と接続されており、ガター240により回収されたインクは、タンク320へ貯留される。また、インク射出装置210は、図示しないチューブ等によって本体300のポンプ310と接続されており、ポンプ310により、インク射出装置210へインクが供給される。
図1に示す回転機構100は、本体300から出力される動作指示に基づいて、ヘッド200を被印刷物の印刷面に対して略垂直な回転軸まわりに回転させる。例えば、回転機構100は、電動モータ等のアクチュエータであってもよく、電動モータの駆動力をヘッド200へ伝達するギヤをさらに含んでもよい。回転機構100は、具体的には、ヘッド200をインクの液滴の偏向方向と被印刷物の搬送方向のなす角が鋭角となる方向に回転させる。
本体300は、ポンプ310と、タンク320と、操作入力装置330と、表示装置340と、制御装置350と、を備える。
タンク320には、ヘッド200のガター240により回収されたインクが貯留される。タンク320に貯留されたインクはポンプ310によってヘッド200のインク射出装置210へ供給される。
操作入力装置330は、オペレータによる印刷パターンの入力や各設定値の変更を受け付ける機能を有する。当該機能は、例えば、タッチセンサ、キーボード、キーパッド、ボタン、スイッチやマイクロフォン等により実現される。操作入力装置330は、入力された情報を制御装置350へ出力する。
表示装置340は、ヘッド200により被印刷物へ印刷される印刷パターンを示す情報や各種設定値等を表示する。当該機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。
制御装置350は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置などのデータ格納用記憶装置等で構成される。
制御装置350は、インクジェット印刷装置10を構成する各装置の動作を制御する。具体的には、制御装置350は、回転機構100の駆動、ヘッド200の駆動、ポンプ310の駆動及び表示装置340による表示を制御する。なお、本実施形態に係る制御装置350が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、通信バスを介して、互いに接続されてもよい。また、制御装置350の詳細については、後述する。
<2.印刷パターンの傾斜>
続いて、図3及び図4を参照して、印刷パターンの傾斜について説明する。図3は、印刷パターンの傾斜について説明するための説明図である。図3において、ハッチングを付した円は被印刷物400へ形成されたドットを示し、矢印Dはヘッド200におけるインクの液滴の偏向方向を示し、矢印Mはドット列の形成方向を示す。図3では、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢のヘッド200及びヘッド200が当該姿勢である状態での被印刷物400への印刷において被印刷物400に形成されるドット列が示されている。1つのドット列が形成される過程において、各ドットは、矢印Mによって表されるドット列の形成方向に沿って順に形成される。また、各ドットに対応するインクの液滴の偏向量は、矢印Dによって表されるインクの液滴の偏向方向に沿って順に調整される。換言すると、矢印Dによって表されるインクの液滴の偏向方向の正の方向は、1つのドット列が形成される過程において、各ドットに対応するインクの液滴の偏向量が調整される方向を示す。なお、偏向量の調整は、偏向量をインクの液滴の偏向方向に沿って順に増加させ又は順に減少させることによって行われ得る。また、以下では、ヘッド200から射出された液滴によって、被印刷物400に5つのドットからなるドット列が形成される例について説明する。また、隣接するドットに対応するインクの液滴は一定の時間間隔をおいて射出され、隣接するドットに対応するインクの液滴の偏向量の差は一定である例について説明する。なお、被印刷物400に形成されるドット列が5つのドットからなる例は一例に過ぎず、被印刷物400に形成されるドット列は他の数のドットからなってもよい。
被印刷物400への印刷中には、被印刷物400は搬送されている。また、各ドットは時間間隔をおいて形成される。ゆえに、図3に示したように、被印刷物400に形成されるドット列は、インクの液滴の偏向方向に対して傾く。よって、被印刷物400に形成されるドット列は、搬送方向と略直交する方向に対して傾く。図3に示したように、隣接するドット間の搬送方向の距離がL1であり、隣接するドット間の搬送方向に対して垂直方向の距離がL2である場合、ドット列の傾きAは、以下の式(1)から算出することができる。
Figure 2017042985
また、被印刷物400の搬送速度がV1であり、印刷に用いられるインクの液滴の射出の時間間隔(射出時間間隔)がt1である場合、隣接するドット間の搬送方向の距離L1は、以下の式(2)により表される。
Figure 2017042985
図4は、インクの液滴の偏向角について説明するための説明図である。図4に示したインクの液滴の偏向角A1は、隣接するドットに対応するインクの液滴のそれぞれの飛翔方向のなす角度であり、隣接するドットに対応するインクの液滴の偏向量の差を示す。図4に示したように、インク射出装置210のインクの液滴が射出される側の端部210Sとヘッド200の被印刷物400側の端部200Sとの距離(ヘッド内飛行距離)がL3であり、ヘッド200の端部200Sと被印刷物400との距離(ヘッド/被印刷物ギャップ)がL4である場合、図3に示した隣接するドット間の搬送方向に対して垂直方向の距離L2は、以下の式(2)により表される。
Figure 2017042985
搬送速度V1は、具体的には、50〜200m/分の値を取り得る。従来の技術では、なお、被印刷物400が例えば15m/分より遅い速度で搬送される場合には、印刷に用いられるインクの液滴の射出の時間間隔の調整等によって、印刷パターンの傾斜をある程度は低減し得る。一方、被印刷物400が50〜200m/分で搬送される場合には、搬送速度の増大により印刷パターンの傾斜が増大する効果が顕著になる。
<3.制御装置>
[3−1.機能構成]
続いて、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る制御装置350について説明する。図5は、本実施形態に係る制御装置350の機能構成の一例を示す説明図である。図5に示したように、制御装置350は、記憶部352と、制御部354と、を含む。
(記憶部)
記憶部352は、制御部354が行う処理に用いられる各種データを記憶する。具体的には、記憶部352は、搬送速度V1、射出時間間隔t1、偏向角A1、ヘッド内飛行距離離L3及びヘッド/被印刷物ギャップL4の設定値を記憶する。各設定値は、オペレータにより変更可能であってもよい。例えば、操作入力装置330へ入力されるオペレータによる各設定値の変更の要求に応じて記憶部352に記憶される各設定値が変更されるように構成し得る。
(制御部)
制御部354は、ヘッド制御部354aと、回転機構制御部354bと、回転量特定部354cと、を含む。
ヘッド制御部354aは、ヘッド200の駆動を制御する。具体的には、ヘッド制御部354aは、インク射出装置210によるインクの液滴の射出、帯電装置220によるインクの液滴の各々への電荷の付加及び偏向板230による電場の生成を制御する。例えば、ヘッド制御部354aは、帯電装置220によりインクの液滴の各々へ付加される電荷及び偏向板230により発生する電場の大きさを、入力された印刷パターンを示す情報に基づいて制御することにより、インクの液滴の各々の偏向量を制御する。ヘッド制御部354aは、印刷に用いられないインクの液滴については、当該液滴がガター240へ到達し、回収されるような値に偏向量を設定する。
回転機構制御部354bは、回転機構100の駆動を制御する。具体的には、回転機構制御部354bは、回転量特定部354cにより特定された回転量に基づいて回転機構100によるヘッド200の回転を制御する。具体的には、回転機構制御部354bは、インクの液滴の偏向方向と被印刷物400の搬送方向のなす角が鋭角となるように、回転機構100によるヘッド200の回転を制御する。
回転量特定部354cは、回転機構100によるヘッド200の回転におけるヘッド200の回転量を特定する。回転量特定部354cは、ヘッド200の回転量として、被印刷物400に形成されるドット列の傾きを低減し得るような値を特定する。例えば、回転量特定部354cは、記憶部352から各設定値を取得し、各設定値に基づいてヘッド200の回転量を特定する。具体的には、回転量特定部354cは、搬送速度V1、射出時間間隔t1及び数式(2)を用いてL1を算出し、偏向角A1、ヘッド内飛行距離離L3、ヘッド/被印刷物ギャップL4及び数式(3)を用いてL2を算出する。そして、回転量特定部354cは、L1、L2及び数式(1)を用いてドット列の傾きAを算出する。回転量特定部354cは、算出されたAをヘッド200の回転量として特定し、回転機構制御部354bへ出力する。そして、回転機構制御部354bは、ヘッド200の回転量として特定されたAに基づいて回転機構100によるヘッド200の回転を制御する。それにより、ヘッド200は、例えば、図3に示したインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢から、被印刷物400へのドット列の形成方向と被印刷物400の搬送方向のなす角が小さくなる方向へAだけ回転する。よって、図6に示したように、矢印Dによって表されるインクの液滴の偏向方向と矢印Fによって表される被印刷物400の搬送方向のなす角が鋭角となる。
ゆえに、本実施形態では、図6に示したように、ヘッド200のインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から傾いた状態で、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行うことができる。よって、ヘッド200の回転後における被印刷物400への印刷において、被印刷物400へ形成されるドット列の形成方向は、図6に示したように、被印刷物400の搬送方向に対して略直交する。従って、本実施形態によれば、印刷パターンの傾斜を抑制することができる。ゆえに、印刷精度を向上することが可能である。
[3−2.動作]
続いて、図7を参照して、本実施形態に係る制御装置350が行う処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係る制御装置350が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示したように、回転量特定部354cは、記憶部352に記憶された各設定値を取得する(ステップS502)。そして、回転量特定部354cは、取得した各設定値に基づいて数式(1)におけるAをヘッド200の回転量として特定し(ステップS504)、回転機構制御部354bへ出力する。ステップS504の処理において、具体的には、回転量特定部354cは、搬送速度V1、射出時間間隔t1及び数式(2)を用いてL1を算出し、偏向角A1、ヘッド内飛行距離離L3、ヘッド/被印刷物ギャップL4及び数式(3)を用いてL2を算出する。そして、回転量特定部354cは、L1、L2及び数式(1)を用いてドット列の傾きAを算出する。
次に、回転機構制御部354bは、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢から、被印刷物400へのドット列の形成方向と被印刷物400の搬送方向のなす角が小さくなる方向へAだけ、ヘッド200を回転させ(ステップS506)、図7に示した処理は終了する。
<4.応用例>
[4−1.第1の応用例]
続いて、図8及び図9を参照して、第1の応用例について説明する。第1の応用例では、ヘッド200a、b、cが被印刷物400の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置される。ヘッド200a、b、cの各々の駆動は、ヘッド制御部354aにより制御される。また、第1の応用例に係る回転機構700は、ヘッド200a、b、cを同一の回転軸まわりに回転させる。図8は、第1の応用例に係る回転機構700の一例を示す説明図である。図8のaは、ヘッド200a、b、cにおけるインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する状態を示す。図8のbは、ヘッド200a、b、cが、図8のaに示した姿勢から回転機構700により回転した後の状態を示す。
図8に示したように、回転機構700は、ヘッド支持部材702と、回転軸704と、ラック部材706と、ピニオン708と、を備える。ヘッド支持部材702にヘッド200a、b、cが固定して支持される。ヘッド支持部材702の一端側には、被印刷物400の印刷面に対して略直交する回転軸704が設けられる。また、ヘッド支持部材702の他端側には、ラック部材706が設けられる。ラック部材706の側面706Sには、ピニオン708に対応する歯形状の凹凸が設けられる。ヘッド支持部材702及びラック部材706は、回転軸704まわりに回転可能である。ラック部材706の側面706Sに設けられた凹凸と噛み合うピニオン708が回転することにより、図8に示したように、ヘッド支持部材702及びラック部材706は回転軸704まわりに回転する。また、ヘッド支持部材702の回転に伴い、ヘッド支持部材702に固定されたヘッド200a、b、cが回転軸704まわりに回転する。
なお、図8に示した回転機構700は、第1の応用例に係る回転機構の一例であり、複数のヘッド200を同一の回転軸まわりに回転させる機能を有していれば、図8に示した構成と異なる他の構成を適用し得る。また、コーティング等、被印刷物400の大部分または全部を印刷する場合には、図8に示した複数のヘッド200と回転機構700のセットを複数使用しても構わない。
図9は、第1の応用例でのヘッド200a、b、cの回転前後における印刷パターンの一例を示す説明図である。図9では、被印刷物400の印刷面におけるヘッドa、b、cのそれぞれの印刷対象領域は領域410a、b、cであり、領域410a、b、cは、被印刷物400の搬送方向に交差する方向に互いに隣接する。図9のaでは、ヘッド200a、b、cにおけるインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する状態での被印刷物400への印刷において、被印刷物400に形成されるドット列が示されている。
第1の応用例では、領域410aへのヘッド200aによる印刷、領域410bへのヘッド200bによる印刷、領域410cへのヘッド200cによる印刷が順に行われることによりドット列が形成される。図9では、15個のドットからなるドット列が形成される例を示したが、本発明の技術的範囲は係る例に限定されず、被印刷物400に形成されるドット列は他の数のドットからなってもよい。
図9のaでは、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢のヘッド200a、b、c及びヘッド200a、b、cが当該姿勢である状態での被印刷物400への印刷において被印刷物400に形成されるドット列が示されている。被印刷物400への印刷中において被印刷物400は搬送されている。また、各ドットは時間間隔をおいて形成される。ゆえに、図9のaに示したドット列は、インクの液滴の偏向方向である搬送方向と略直交する方向に対して傾く。ここで、被印刷物400に形成されるドット列の傾きがAである場合、回転量特定部354cにより、各設定値に基づいてドット列の傾きAが算出され、ドット列の傾きAがヘッド200a、b、cの回転量として特定される。そして、回転機構制御部354bは、ヘッド200a、b、cの回転量として特定されたAに基づいて回転機構700によるヘッド200a、b、cの回転を制御する。それにより、ヘッド200a、b、cは、例えば、図9のaに示したインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢から、回転機構700により被印刷物400へのドット列の形成方向と被印刷物400の搬送方向のなす角が小さくなる方向へ同一の回転軸704まわりにAだけ回転する。
ゆえに、第1の応用例では、ヘッド200a、b、cの相対的な位置関係を変更することなく、図9のbに示したように、ヘッド200a、b、cのインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から傾いた状態で、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行うことができる。よって、ヘッド200a、b、cの回転後における被印刷物400への印刷において、被印刷物400へ形成されるドット列の形成方向は、図9のbに示したように、被印刷物400の搬送方向に対して略直交する。従って、第1の応用例によれば、被印刷物400の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置された複数のヘッド200を備えるインクジェット印刷装置において、印刷パターンの傾斜を抑制することができる。
[4−2.第2の応用例]
続いて、図10及び図11を参照して、第2の応用例について説明する。第2の応用例では、第1の応用例と同様に、ヘッド200a、b、cが被印刷物400の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置される。一方、第1の応用例と異なり、第2に係る回転機構800は、ヘッド200a、b、cの各々を互いに異なる回転軸まわりに回転させる。図10は、第2の応用例に係る回転機構800の一例を示す説明図である。図10のaは、ヘッド200a、b、cにおけるインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する状態を示す。図10のbは、ヘッド200a、b、cが、図10のaに示した姿勢から回転機構800により回転した後の状態を示す。
図10に示したように、回転機構800は、第1のヘッド支持部材802と、第2のヘッド支持部材804と、回転軸806と、ピニオン808と、を備える。第1のヘッド支持部材802及び第2のヘッド支持部材804の各々と、ヘッド200a、b、cの各々と、は回転軸806で回転自由に接続される。また、第1のヘッド支持部材802は、被印刷物400の搬送方向に対して直交する方向へのみ移動可能でとなっている。一方、第2のヘッド支持部材804は、被印刷物400の搬送方向に対して平行な方向へのみ移動可能となっている。また、第1のヘッド支持部材802の側面802Sには、ピニオン808に対応する歯形状の凹凸が設けられる。第1のヘッド支持部材802の側面802Sに設けられた凹凸と噛み合うピニオン808が回転することにより、図10に示したように、第1のヘッド支持部材802は、被印刷物400の搬送方向に対して直交する方向へ移動する。また、第1のヘッド支持部材802の移動に伴い、第2のヘッド支持部材804が、被印刷物400の搬送方向に対して平行な方向へ移動する。ゆえに、図10に示したように、ヘッド200a、b、cの各々が互いに異なる回転軸まわりに回転する。
なお、図10に示した回転機構800は、第2の応用例に係る回転機構の一例であり、複数のヘッド200を互いに異なる回転軸まわりに回転させる機能を有していれば、図10に示した構成と異なる他の構成を適用し得る。
図11は、第2の応用例でのヘッド200a、b、cの回転前後における印刷パターンの一例を示す説明図である。図11では、被印刷物400の印刷面におけるヘッドa、b、cのそれぞれの印刷対象領域は領域410a、b、cであり、領域410a、b、cは、被印刷物400の搬送方向に交差する方向に互いに隣接する。図11のaでは、ヘッド200a、b、cにおけるインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する状態での被印刷物400への印刷において、被印刷物400に形成されるドット列が示されている。
第2の応用例では、第1の応用例と同様に、領域410aへのヘッド200aによる印刷、領域410bへのヘッド200bによる印刷、領域410cへのヘッド200cによる印刷が順に行われることによりドット列が形成される。図11では、15個のドットからなるドット列が形成される例を示したが、本発明の技術的範囲は係る例に限定されず、被印刷物400に形成されるドット列は他の数のドットからなってもよい。
図11のaでは、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交するヘッド200a、b、cの姿勢及び当該姿勢のヘッド200a、b、cによる被印刷物400への印刷において被印刷物400に形成されるドット列が示されている。図11のaに示した第2の応用例でのドット列は、第1の応用例と同様に、インクの液滴の偏向方向である搬送方向と略直交する方向に対して傾く。ここで、被印刷物400に形成されるドット列の傾きがAである場合、回転量特定部354cにより、各設定値に基づいてドット列の傾きAが算出され、ドット列の傾きAがヘッド200a、b、cの回転量として特定される。そして、回転機構制御部354bは、ヘッド200a、b、cの回転量として特定されたAに基づいて回転機構800によるヘッド200a、b、cの回転を制御する。それにより、ヘッド200a、b、cの各々は、例えば、図11のaに示したインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢から、回転機構800により被印刷物400へのドット列の形成方向と被印刷物400の搬送方向のなす角が小さくなる方向へ互いに異なる回転軸まわりにAだけ回転する。
図11のbでは、回転後のヘッド200a、b、cの姿勢及び当該姿勢のヘッド200a、b、cによる被印刷物400への印刷において被印刷物400に形成されるドット列が示されている。第2の応用例では、図11のbに示したように、ヘッド200a、b、cのインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から傾いた状態で、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行うことができる。よって、ヘッド200a、b、cの回転後における被印刷物400への印刷において、被印刷物400の領域410a、b、cに形成されるそれぞれのドット列の形成方向は、被印刷物400の搬送方向に対して略直交する。
また、第2の応用例では、ヘッド200a、b、cの各々は互いに異なる回転軸まわりに回転するので、ヘッド200a、b、cの回転に伴い、ヘッド200a、b、cの相対的な位置関係が変化する。具体的には、図11のbに示したように、ヘッド200a、b、cは、互いにインクの液滴の偏向方向に対して垂直な方向へ相対的に移動する。仮に、図11のbに示したヘッド200a、b、cの回転後における被印刷物400への印刷において、ヘッド制御部354aにより制御されるヘッド200a、b、cの駆動が回転前と同様である場合、図11のbにおいて白丸で示したように、被印刷物400の領域410a、b、cに形成されるそれぞれのドット列の搬送方向の位置は互いに異なる。
第2の応用例では、ヘッド制御部354aは、複数のヘッド200の各々による被印刷物400への印刷の時期を、当該複数のヘッド200の各々の配置に応じて調整する。具体的には、ヘッド制御部354aは、ヘッド200a、b、cの各々による被印刷物400への印刷の時期を、ヘッド200a、b、cの各々の配置に応じて調整する。例えば、ヘッド制御部354aは、ヘッド200b、cの各々による被印刷物400への印刷の時期を、ヘッド200aから遠い位置に配置されるヘッドほど、早める。
ここで、ヘッド200b、cの各々による被印刷物400への印刷の時期を早めることにより、被印刷物400の領域410b、cに形成されるそれぞれのドット列の位置を、領域410aに形成されるドット列に対して搬送方向へ調整することができる。具体的には、ヘッド制御部354aは、ヘッド200b、cの各々による被印刷物400への印刷の時期を、被印刷物400の領域410a、b、cに形成されるそれぞれのドット列の搬送方向の位置が一致するように、早める。それにより、図11のbに示した回転後のヘッド200a、b、cによる被印刷物400への印刷において、図11のbにおいて黒丸で示したように、被印刷物400の領域410b、cに形成されるそれぞれのドット列の搬送方向の位置は、領域410aに形成されるドット列の搬送方向の位置と一致する。
以上説明したように、第2の応用例では、回転機構800は、ヘッド200a、b、cの各々を互いに異なる回転軸まわりに回転させる。ゆえに、ヘッド200a、b、cのインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から傾いた状態で、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行うことができる。よって、ヘッド200a、b、cの回転後における被印刷物400への印刷において、被印刷物400の領域410a、b、cに形成されるそれぞれのドット列の形成方向は、被印刷物400の搬送方向に対して略直交する。
また、第2の応用例では、ヘッド200a、b、cの各々による被印刷物400への印刷の時期を、ヘッド200a、b、cの各々の配置に応じて調整する。ゆえに、互いに異なる回転軸まわりに回転した後のヘッド200a、b、cによる被印刷物400への印刷において、ヘッド200a、b、cの各々によって被印刷物400に形成される各ドット列の位置を搬送方向へ調整することができる。よって、第2の応用例によれば、被印刷物400の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置された複数のヘッド200を備えるインクジェット印刷装置において、印刷パターンの傾斜を抑制することができる。
本発明の効果を確認するために、被印刷物400の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置された3つのヘッドを備えるインクジェット印刷装置を用いて、被印刷物400への印刷を行い、被印刷物400に形成されたドット列の傾斜を計測した。
比較例1として、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する3つのヘッドを備える従来のインクジェット印刷装置を用いて被印刷物400への印刷を行い、被印刷物400に形成されたドット列の傾斜を計測した。比較例1では、3つのヘッドのインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する状態で、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行った。
また、実施例1として、上述した第1の応用例に係るインクジェット印刷装置を用いて被印刷物400への印刷を行い、被印刷物400に形成されたドット列の傾斜を計測した。実施例1では、各設定値及び数式(1)〜(3)を用いてAを算出した。次に、回転機構によって、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢から、3つのヘッドを被印刷物400へのドット列の形成方向と被印刷物400の搬送方向のなす角が小さくなる方向へ同一の回転軸まわりにAだけ回転させた。そして、3つのヘッドのインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から傾いた状態で、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行った。
比較例1及び実施例1ともに、搬送速度V1を60m/分とし、ヘッド/被印刷物ギャップL4を20mmとし、1つのドット列において各ヘッドによって形成されるドット数は32とした。
結果を図12及び図13に示す。図12は比較例1に係る印刷パターンの一例を示す模式図である。図13は実施例1及び実施例2に係る印刷パターンの一例を示す模式図である。図12及び図13では、被印刷物400の印刷面における各ヘッドの印刷対象の領域410a、b、cが示されている。また、図12及び図13に示すように、ドット列の傾きLAは、被印刷物400の搬送方向に直交する方向とドット列のなす角の角度である。
比較例1では、ドット列の傾きLAは4°であった。一方、実施例1では、ドット列の傾きLAは0°であった。当該結果から、本発明により、従来のインクジェット装置に比べて、印刷パターンの傾斜を抑制することができることが確認できた。
本発明の他の構成例についての効果を確認するために、比較例2及び実施例2として、上述した第2の応用例に係るインクジェット印刷装置を用いて被印刷物400への印刷を行い、被印刷物400に形成されたドット列の傾斜を計測した。
比較例2では、各設定値及び数式(1)〜(3)を用いてAを算出した。次に、回転機構によって、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する姿勢から、3つのヘッドを被印刷物400へのドット列の形成方向と被印刷物400の搬送方向のなす角が小さくなる方向へ互いに異なる回転軸まわりにAだけ回転させた。そして、3つのヘッドのインクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から傾いた状態で、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行った。
また、実施例2では、比較例2と同様に各ヘッドを回転させた後、各ヘッドによる被印刷物400への印刷の時期を、各ヘッドによって被印刷物400の領域410a、b、cの各々に形成される各ドット列の搬送方向の位置が一致するように調整した。そして、各ヘッドによる印刷の時期の調整を行った後に、高速で搬送される被印刷物400への印刷を行った。
比較例2及び実施例2ともに、搬送速度V1を60m/分とし、ヘッド/被印刷物ギャップL4を20mmとし、1つのドット列において各ヘッドによって形成されるドット数は32とした。
結果を図13及び図14に示す。図14は比較例2に係る印刷パターンの一例を示す模式図である。また、図14では、被印刷物400の印刷面における各ヘッドの印刷対象の領域410a、b、cが示されている。
図14に示したように、比較例2では、被印刷物400の領域410a、b、cの各々に形成されるそれぞれのドット列の搬送方向の位置は互いに異なる。領域410aに形成されるドット列と、領域410bに形成されるドット列の搬送方向の距離C1は665μmであり、領域410aに形成されるドット列と、領域410cに形成されるドット列の搬送方向の距離C2は1461μmであった。また、ドット列の傾きLAは2°であった。
一方、図13に示したように、実施例2では、被印刷物400の領域410a、b、cの各々に形成されるそれぞれのドット列の搬送方向の位置は一致した。また、ドット列の傾きLAは1°であった。当該結果から、本発明は、複数のヘッドを互いに異なる回転軸まわりに回転させる回転機構によっても、印刷パターンの傾斜を抑制することができることが確認できた。
<5.まとめ>
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、被印刷物に形成されるドットは、隣接するドットと少なくとも部分的に重なり合ってもよい。さらに、被印刷物に形成されるドット列は、隣接するドット列と少なくとも部分的に重なり合ってもよい。ゆえに、本発明に係るインクジェット印刷装置は、被印刷物へのコーティングにおいても適用し得る。
また、上記では、各設定値に基づいて算出される数式(1)におけるAをヘッド200の回転量として特定する例を説明したが、ヘッド200の回転前における姿勢に応じてヘッド200の回転量は調整され得る。例えば、ヘッド200の回転前において、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から傾いている場合には、回転量特定部354cは、ヘッド200の回転前における姿勢に応じてヘッド200の回転量を調整してもよい。具体的には、回転量特定部354cは、ヘッド200の回転後において、インクの液滴の偏向方向が被印刷物400の搬送方向に略直交する方向から被印刷物400の搬送方向側へAだけ傾いた状態となるような値をヘッド200の回転量として特定する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 インクジェット印刷装置
100、700、800 回転機構
200、200a、200b、200c ヘッド
210 インク射出装置
220 帯電装置
230 偏向板
240 ガター
300 本体
310 ポンプ
320 タンク
330 操作入力装置
340 表示装置
350 制御装置
352 記憶部
354 制御部
354a ヘッド制御部
354b 回転機構制御部
354c 回転量特定部
400 被印刷物
702 ヘッド支持部材
704 回転軸
706 ラック部材
708 ピニオン
802 第1のヘッド支持部材
804 第2のヘッド支持部材
806 回転軸
808 ピニオン

Claims (5)

  1. 高速で搬送される平面形状の被印刷物に対して、インクの液滴を射出し、射出されたインクの液滴を前記被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、ドットを連続的に形成することにより、前記被印刷物への印刷を行う、ヘッドと、
    前記ヘッドを前記被印刷物の印刷面に対して略垂直な回転軸まわりに回転させる回転機構と、
    を備える、
    インクジェット印刷装置。
  2. 前記被印刷物の搬送速度は、50〜200m/分である、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記回転機構は、前記ヘッドをインクの液滴の偏向方向と前記被印刷物の搬送方向のなす角が鋭角となる方向に回転させる、請求項1又は2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記被印刷物の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置された複数の前記ヘッドを備え、
    前記回転機構は、前記複数のヘッドを同一の回転軸まわりに回転させる、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記被印刷物の搬送方向と交差する方向に間隔をあけて配置された複数の前記ヘッドと、
    前記複数のヘッドの各々による前記被印刷物への印刷の時期を、前記複数のヘッドの各々の配置に応じて調整する制御部と、
    を備え、
    前記回転機構は、前記複数のヘッドの各々を互いに異なる回転軸まわりに回転させる、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
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