JP4862326B2 - 搬送誤差補正の確認方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート - Google Patents

搬送誤差補正の確認方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート Download PDF

Info

Publication number
JP4862326B2
JP4862326B2 JP2005259505A JP2005259505A JP4862326B2 JP 4862326 B2 JP4862326 B2 JP 4862326B2 JP 2005259505 A JP2005259505 A JP 2005259505A JP 2005259505 A JP2005259505 A JP 2005259505A JP 4862326 B2 JP4862326 B2 JP 4862326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
boundary
transport
confirmation
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005259505A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007069479A (ja
Inventor
昌彦 吉田
龍也 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005259505A priority Critical patent/JP4862326B2/ja
Publication of JP2007069479A publication Critical patent/JP2007069479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4862326B2 publication Critical patent/JP4862326B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Description

本発明は、テストシート製造方法、印刷システム及びテストシートに関する。
インクジェットプリンタなどの印刷装置では、移動するヘッドからインクを吐出させて媒体(紙、布、OHP用紙など)にドットを形成するドット形成処理と、媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返して、媒体に印刷画像を印刷する。このような印刷装置には、搬送処理を行うための搬送ローラが設けられている。そして、搬送ローラが所定の回転量で回転すると、媒体が所定の搬送量で搬送される。
但し、搬送処理の際に、目標となる搬送量(目標搬送量)に応じた回転量で搬送ローラが回転されても、目標通りの搬送量で媒体が搬送されないことがある。そこで、このような搬送誤差を軽減するため、目標搬送量を補正することが行われている。更に、搬送処理時に用いられる搬送ローラの周面の場所に応じて搬送誤差が異なるため、用いられる周面に応じて補正値を変えること等も行われている(特許文献1参照)。
特開2003−237154号公報
補正値を決定した後、決定された補正値が適しているか否かを判断するため、確認用のテストシートを印刷することがある。通常、この確認用のテストシートは、補正値を決定するためのテストシートと同様な方法によって印刷される。
しかし、このように印刷された確認用のテストシートは、確認に適した形態をしていないことがある。
そこで、本発明は、媒体の搬送量が適しているか否かの確認を容易にすることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、印刷をおこなう媒体を搬送ローラで搬送し、搬送方向に複数のノズルを有し前記搬送方向に交差する方向に移動するノズル列からインクを吐出して所定パターンを印刷し、1回転の周面の長さの方がノズル列の搬送方向の長さより長い前記搬送ローラによる搬送誤差補正を確認する方法であって、前記搬送ローラの任意の回転位置で前記ノズル列の前記搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第1パターンを前記媒体に形成し、前記搬送ローラを前記回転位置から1回転以下で回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルからのインク吐出によって前記媒体の前記第1パターンと境界を形成するように第2パターンを形成するとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第3パターンを前記媒体に形成し、前記搬送ローラを前記回転位置からほぼ1回転分回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成するように第4パターンを前記媒体に形成することにより、前記第1、第2、第3及び第4パターンを備えた搬送誤差補正の確認用パターンを形成するようにして、前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角を異ならせ、前記第1パターンを形成する回転位置から前記第4パターンを形成する回転位置までの回転角を等しくした、複数の搬送誤差補正の確認用パターンを形成し、前記複数の確認用パターンにおける前記第1パターンと前記第2パターン及び前記第3パターンと前記第4パターンの境界の状態により前記搬送ローラによる媒体の搬送誤差補正を確認することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(1)媒体の搬送量を確認するための確認用パターンが複数形成されたテストシートの製造方法であって、
(2)第1パターン〜第4パターンを有する各確認用パターンを媒体に形成する際に、
前記媒体を搬送方向の所定の位置に搬送し、
所定間隔で並ぶ複数のノズルからなるノズル列の搬送方向上流側のノズルによって前記第1パターンを前記媒体に形成し、
前記第1パターンの形成後、前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第1パターンと境界を形成する前記第2パターンを前記媒体に形成するとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルによって前記第3パターンを前記媒体に形成し、
前記第2パターンの形成後、前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成する前記第4パターンを前記媒体に形成し、
(3)前記第1パターンの形成から前記第4パターンの形成までに行われる前記媒体の搬送量は、各確認用パターンにおいて共通し、
(4)前記第1パターンの形成から前記第2パターン及び前記第3パターンの形成までに行われる前記媒体の搬送量は、確認用パターンごとに異なる
ことを特徴とするテストシートの製造方法。
このようなテストシートの製造方法によれば、確認作業の容易なテストシートを作成できる。
また、前記第1パターンが形成されてから前記第4パターンが形成されるまでの間の前記媒体の搬送量が前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも長いことが望ましい。このような場合に特に有効である。
また、前記第1パターンを形成するノズルと前記第3パターンを形成するノズルとが共通し、前記第2パターンを形成するノズルと前記第4パターンを形成するノズルとが共通することが望ましい。これにより、第1パターンと第2パターンの境界と、第3パターンと第4パターンの境界を、同様に形成することが可能になる。
また、前記第1パターン、前記第2パターン、前記第3パターン及び前記第4パターンは、複数のドット列から構成されており、前記境界は、前記ドット列の方向と交差する方向であることが望ましい。境界の状態の判断が容易になる。また、前記第1パターンと前記第2パターンとの境界の方向と、前記第3パターンと前記第4パターンとの境界の方向は、交差することが望ましい。これにより、ノズルのインク吐出速度に差があっても、媒体の搬送量を確認することができる。
また、補正値を決定するためのテストシートが印刷され、前記テストシートに基づいて、補正値が決定され、前記目標搬送量は、前記補正値に基づいて補正された目標搬送量であることが望ましい。これにより、適した補正値が決定されたか否かを確認できる。また、前記補正値を決定するためのテストシートには、第1パターン〜第4パターンを有する複数の補正用パターンが形成されることが好ましい。これにより、補正値の決定が容易になる。また、前記補正用パターンを形成する際に、前記媒体を搬送方向の所定の位置に搬送し、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルによって前記第1パターンを前記媒体に形成し、前記第1パターンの形成後、前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送し、前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第1パターンと境界を形成する前記第2パターンを前記媒体に形成するとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルによって前記第3パターンを前記媒体に形成し、前記第2パターンの形成後、前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送し、前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成する前記第4パターンを前記媒体に形成することが良い。これにより、目標搬送量がノズル列の長さよりも長くても、補正値を決定できる。
(1)媒体の搬送量を確認するための確認用パターンが複数形成されたテストシートを印刷する印刷システムであって、
(2)第1パターン〜第4パターンを有する各確認用パターンを媒体に形成する際に、
前記媒体を搬送方向の所定の位置に搬送し、
所定間隔で並ぶ複数のノズルからなるノズル列の搬送方向上流側のノズルによって前記第1パターンを前記媒体に形成し、
前記第1パターンの形成後、前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第1パターンと境界を形成する前記第2パターンを前記媒体に形成するとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルによって前記第3パターンを前記媒体に形成し、
前記第2パターンの形成後、前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成する前記第4パターンを前記媒体に形成し、
(3)前記第1パターンの形成から前記第4パターンの形成までに行われる前記媒体の搬送量は、各確認用パターンにおいて共通し、
(4)前記第1パターンの形成から前記第2パターン及び前記第3パターンの形成までに行われる前記媒体の搬送量は、確認用パターンごとに異なる
ことを特徴とする印刷システム。
このような印刷システムによれば、確認作業の容易なテストシートを作成できる。
(1)媒体の搬送量を確認するための確認用パターンが複数形成されたテストシートであって、
(2)各前記補正用パターンは、
所定間隔で並ぶ複数のノズルからなるノズル列の搬送方向上流側のノズルによって媒体上に形成された第1パターンと、
前記第1パターンの形成後に前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送した後、前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記媒体上に形成され、前記第1パターンと境界を形成する第2パターンと、
前記第2パターンの形成時に、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルによって形成された第3パターンと、
前記第2パターンの形成後に前記ノズル列の前記搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送した後、前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記媒体上に形成され、前記第3パターンと境界を形成する第4パターンと、
を有し、
(3)前記第1パターンと前記第4パターンとの位置関係は、各確認用パターンにおいて共通し、
(4)前記第1パターンと前記第2パターン及び前記第3パターンとの位置関係は、確認用パターンごとに異なる
ことを特徴とするテストシート。
このようなテストシートによれば、検査者の確認作業を容易にすることができる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、媒体に画像を印刷する装置を意味し、例えばプリンタ1が該当する。また、「印刷制御装置」とは、印刷装置を制御する装置を意味し、例えば、プリンタドライバをインストールしたコンピュータが該当する。また、「印刷システム」とは、少なくとも印刷装置及び印刷制御装置を含むシステムを意味する。
===プリンタの説明===
<インクジェットプリンタの構成について>
図2は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
検出器群50には、リニアエンコーダ51、ロータリーエンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニアエンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリーエンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。例えば、CPU62は、目標搬送量をユニット制御回路64へ指令し、この指令に基づいてユニット制御回路64は搬送ユニット20の搬送モータ22を駆動する。
<印刷動作について>
図4は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・ドット形成処理等を行う。
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙を搬送ローラ23まで送る。続いて、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。紙が印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、紙と対向している。
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する処理である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させる。そして、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッドからインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。なお、このドット形成処理のことを「パス」とも言う。また、n回目のドット形成処理のことを「パスn」とも言う。
搬送処理(S004):搬送処理とは、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータを駆動し、搬送ローラを回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う。印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。
排紙処理(S006):印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、その紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
===搬送処理時の搬送誤差とその補正===
<紙の搬送について>
図5は、搬送ユニット20の構成の説明図である。図面に示されるように、インクジェットヘッド41の移動方向は図中の左右方向で、紙Sはそれと交差する上流側から下流側の方向(搬送方向)に搬送される。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙は所定の搬送量にて搬送される。
紙の搬送量は、搬送ローラ23の回転量に応じて定まる。本実施形態では、搬送ローラ23が1回転すると、紙が1.25インチ搬送されるものとする(つまり、搬送ローラ23の周長は、1.25インチである)。このため、搬送ローラ23が半回転すると、紙が0.625インチ搬送される。
したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、紙の搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリーエンコーダ52が設けられている。
ロータリーエンコーダ52は、スケール521と検出部522とを有する。スケール521は、所定の間隔毎に設けられた多数のスリットを有する。このスケール521は、搬送ローラ23に設けられている。つまり、スケール521は、搬送ローラ23が回転すると、一緒に回転する。そして、搬送ローラ23が回転すると、スケール521の各スリットが検出部522を順次通過する。検出部522は、スケール521と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。ロータリーエンコーダ52は、検出部522をスリット521が通過する毎に、パルス信号を出力する。搬送ローラ23の回転量に応じてスリット521が順次検出部522を通過するので、ロータリーエンコーダ52の出力に基づいて、搬送ローラ23の回転量が検出される
そして、例えば搬送量1.25インチで紙を搬送する場合、搬送ローラ23が1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、紙を目標搬送量にて搬送する。
<搬送誤差について>
ところで、ロータリーエンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。このため、搬送ローラ23の回転量と紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリーエンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差の2種類がある。
DC成分の搬送誤差とは、搬送ローラが1回転したときに生じる一定量の搬送誤差のことである。このDC成分の搬送誤差は、製造誤差等によって搬送ローラ23の周長が個々のプリンタ毎に異なることが原因と考えられる。つまり、DC成分の搬送誤差は、設計上の搬送ローラ23の周長と実際の搬送ローラ23の周長が異なるために生じる搬送誤差である。このDC成分の搬送誤差は、搬送ローラが1回転するときの開始位置に関わらず、一定になる。
AC成分の搬送誤差とは、搬送時に用いられる搬送ローラの周面の場所に応じた搬送誤差のことである。AC成分の搬送誤差は、搬送時に用いられる搬送ローラの周面の場所に応じて、異なる量になる。つまり、AC成分の搬送誤差は、搬送開始時の搬送ローラの回転位置と搬送量に応じて、異なる量になる。
図6は、AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。横軸は、基準となる回転位置からの搬送ローラ23の回転量である。縦軸は、累積搬送誤差を示す。このグラフを微分すれば、その回転位置で搬送ローラが搬送しているときに生じる搬送誤差が導き出される。ここでは、基準位置における累積搬送誤差をゼロとし、DC成分の搬送誤差もゼロとしている。
搬送ローラ23が基準位置から1/4回転すると、δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1.25/4インチ+δ_90にて搬送される。但し、搬送ローラ23が更に1/4回転すると、-δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1.25/4インチ−δ_90にて搬送される。
AC成分の搬送誤差が生じる原因としては、例えば、以下の3つが考えられる。
まず第1に、搬送ローラの形状による影響が考えられる。例えば、搬送ローラが楕円形状や卵型である場合、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの距離が異なっている。そして、回転中心までの距離が長い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が多くなる。一方、回転中心までの距離が短い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が少なくなる。
第2に、搬送ローラの回転軸の偏心が考えられる。この場合も、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの長さが異なっている。このため、たとえ搬送ローラの回転量が同じであっても、搬送ローラの周面の場所に応じて、搬送量が異なることになる。
第3に、搬送ローラの回転軸と、ロータリーエンコーダ52のスケール521の中心との不一致が考えられる。この場合、スケール521が偏心して回転することになる。この結果、検出部522が検出するスケール521の場所に応じて、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が異なることになる。例えば、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から離れている場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が少なくなるため、搬送量が少なくなる。一方、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から近い場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が多くなるため、搬送量が多くなる。
上記の原因のため、AC成分の搬送誤差は、図6に示す通り、ほぼサインカーブになる。
<搬送誤差の補正について>
図7は、搬送誤差を補正するための補正値の設定処理のフロー図である。これらの処理は、プリンタの製造時に製造工場内の検査工程において行われる。なお、このとき、検査の対象となるプリンタは、工場内の検査用コンピュータに接続されている。
まず、プリンタは、補正値設定用のテストシートを印刷する(S101)。このテストシートには、複数の補正用パターンが形成される。この補正用パターンは、「パッチパターン」とも呼ばれる。各補正用パターンは、特定の補正値と対応付けられており、形状がそれぞれ異なっている。このテストシートについては、後述する。
次に、検査者は、テストシートを検査し、テストシートの中の複数の補正用パターンの中から最適な形状の補正用パターンを選択する(S102)。検査者は、選択した補正用パターンの番号を、プリンタに接続されたコンピュータに入力する。コンピュータは、選択された補正用パターンの番号に基づいて補正値を決定(S103)し、プリンタのメモリに補正値を記録する(S104)。
これにより、製造工場で製造されたプリンタ毎に、各プリンタに適した補正値が各プリンタのメモリに記録される。そして、補正値をメモリに記憶したプリンタは、梱包されて、出荷される。
そして、プリンタを購入したユーザーの下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、メモリから補正値を読み出し、目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送処理を行う。これにより、紙が目標搬送量通りに搬送されるので、印刷画像の画質が向上する。
===参考例===
図8は、参考例のテストシートの印刷の説明図である。この参考例では、ヘッドの搬送方向の長さは1.25インチであり、搬送ローラ23の周面の長さと一致しているものとする。
この参考例のテストシートは、目標搬送量Fに対する補正値を取得するためのものである。ここで、目標搬送量Fは、1.25インチであり、搬送ローラ23の周面の長さと同じである。このため、このテストシートは、搬送ローラ23が1回転したときに生じる搬送誤差(DC成分の搬送誤差)を検出するものでもある。
図中の左側の6つの長方形は、パス1〜パス6のときの紙に対するヘッドの位置を示している。ヘッドの位置を示す長方形の中の数字は、パスの番号を示している。図ではヘッドが移動しているように描かれているが、実際には、紙が搬送されることによって、紙に対するヘッドの位置が変化する。パス1とパス2との間では、目標搬送量F+2Cの搬送処理が行われている。但し、搬送誤差がある場合、図中の目標搬送量通りに紙は搬送されていない。
図中の右側には、テストシートに形成される5個の補正用パターンP1〜P5が描かれている。各補正用パターンは、2個のブロックパターンを有する。あるパスにおいてヘッドの搬送方向上流側ノズルにより上側のブロックパターンが形成され、次のパスにおいてヘッドの搬送方向下流側ノズルにより下側のブロックパターンが形成される。補正用パターン毎に、上側のブロックパターンが形成されてから、下側のブロックパターンが形成されるまでの間に行われる搬送処理の目標搬送量が異なっている。例えば、補正用パターンP1では、2個のブロックパターンを形成する間に目標搬送量F+2Cの搬送処理が行われており、補正用パターンP2では、目標搬送量F+Cの搬送処理が行われている。このため、各補正用パターンは、それぞれ、2個のブロックパターンの間隔が異なっている。
2個のブロックパターンが離れて形成されると、2個のブロックパターンの間の境界に白スジが発生する。一方、2個のブロックパターンが重なって形成されると、2個のブロックパターンの間に黒スジが発生する。
仮に、目標搬送量通りに紙が搬送されたならば、補正用パターンP3には白スジも黒スジも発生しないはずである。しかし、図中のテストシートによれば、目標搬送量Fで紙を搬送したとき、搬送誤差によって目標搬送量Fよりも短く搬送されたため、補正用パターンP3には黒スジが発生している。
検査者は、テストシートを検査する際に、2個のブロックパターンの境界に注目する。そして、検査者は、白スジも黒スジもない補正用パターンP2を、最適な補正用パターンとして選択する。これにより、プリンタのメモリには、補正値として「+1」が記録される。
ユーザー下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、目標搬送量Fにて搬送処理を行う場合、メモリに記録されている補正値「+1」に基づいて、目標搬送量をF+Cに補正する。補正された目標搬送量F+Cにて搬送処理が行われれば、搬送誤差によって目標搬送量よりも短く搬送されるため、紙は搬送量Fにて搬送される。すなわち、補正前の目標搬送量通りに紙を搬送することができる。
===本実施形態のヘッドの構成===
前述の参考例では、ヘッドの搬送方向の長さは1.25インチであり、搬送ローラ23の周面の長さと一致していた。しかし、以下に説明する通り、本実施形態のヘッドの搬送方向の長さは、搬送ローラ23の周面の長さよりも短い。

図9は、ヘッドのノズル配置の説明図である。ヘッド41の下面には、4つのノズル列(A列〜D列)が設けられている。各列には、ノズルが90個ずつ設けられている。
各ノズル列の90個のノズルは、搬送方向に沿って、1/120インチの間隔(ノズルピッチ)で並んでいる。A列のノズルに対して、B列のノズルは1/360インチだけ搬送方向上流側に位置している。また、C列及びD列のノズルは、B列のノズルに対して1/360インチだけ搬送方向上流側に位置している。
各ノズル列のノズルは、搬送方向下流側ほど小さい番号が付されている(♯1〜♯90)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯90よりも搬送方向の下流側に位置している。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
A列のノズルからはシアンインクが吐出され、B列のノズルからはマゼンタインクが吐出され、C列のノズルからはイエローインクが吐出され、D列のノズルからはブラックインクが吐出される。但し、プリンタ製造工場においてテストシートを印刷するときには、検査用のライトマゼンタインクがB列に供給され、B列のノズルからライトマゼンタインクが吐出されて、テストシートが印刷される。
1回のドット形成動作でパターンを形成可能な幅のことを「ヘッドの搬送方向の長さ」と呼んでいる。つまり、「ヘッドの搬送方向の長さ」は、インクを吐出するノズル列の長さを意味し、「ノズルピッチ×ノズル数」として表される。テストシートを印刷する場合のヘッドの搬送方向の長さは、B列のノズル列の長さを意味し、0.75インチ(=1/120インチ×90)である。
このため、本実施形態では、ヘッドの搬送方向の長さ(0.75インチ)は、搬送ローラの周面の長さ(1.25インチ)よりも短い。
===種々の問題点に対する本実施形態の対策===
<ヘッド長さがローラ周面長さよりも短いことによる問題>
図10Aは、ヘッド長さがローラ周面長さよりも短いことによる問題の説明図である。
DC成分の搬送誤差を補正するためには、ヘッドの搬送方向上流側のノズルによりブロックパターンを形成し、搬送ローラ23の1回転分の搬送処理を行い、ヘッドの搬送方向下流側のノズルによりブロックパターンを形成して、補正用パターンを形成する必要がある。
しかし、ヘッドの搬送方向の長さが搬送ローラの周面の長さよりも短い場合、2個のブロックパターンを近接して形成することができない。このため、参考例のように、2個のブロックパターンの間に、検査者が検査すべき境界を形成することができない。また、2個のブロックパターンの間隔は搬送誤差を反映しているが、図に示すように2個のブロックパターンが離れていると、2個のブロックパターンの間隔を判定することも困難である。
図10Bは、この問題に対する本実施形態の対策の説明図である。
本実施形態では、パターンAを形成した後、搬送ローラ23の半回転分の搬送処理を行い、パターンBを形成し、更に搬送ローラ23の半回転分の搬送処理を行い、パターンCを形成し、パターンA〜パターンCからなる補正用パターンを形成している。この補正用パターンであっても、DC成分の搬送誤差を補正するために必要な、搬送ローラ23の1回転分の搬送処理の前後の2個のパターン(パターンA及びパターンC)を有している。
更に、本実施形態によれば、パターンAとパターンBとを近接させて形成でき、パターンBとパターンCとを近接させて形成できる。これにより、パターンAとパターンBとの間や、パターンBとパターンCとの間に、検査者が検査すべき境界を形成することが可能になる。そして、本実施形態によれば、パターンAとパターンBとの間の境界に基づいてパターンAとパターンBとの位置関係を検査でき、パターンBとパターンCとの間の境界に基づいてパターンBとパターンCとの位置関係が検査できるので、間接的にパターンAとパターンCとの位置関係を判定することが可能になる。
<パターンBのAC成分搬送誤差の問題>
DC成分の搬送誤差は、搬送ローラが1回転するときの開始位置に関わらず、一定になる。このため、搬送ローラの1回転分の搬送処理の前後に形成されるパターンAとパターンCとの位置関係は、パターンAを形成したときの搬送ローラの回転位置に影響されることはない。
しかし、本実施形態では、パターンAを形成した後、搬送ローラを1回転させる前に、パターンBを形成している。このため、パターンAとパターンBとの位置関係は、パターンAを形成したときの搬送ローラの回転位置に影響される。
図11Aは、各パターン形成時のAC成分の搬送誤差の説明図である。図11Bは、AC成分の搬送誤差によるパターンBの形成位置の影響の説明図である。
パターンAの形成時の搬送ローラの回転位置が基準位置の場合、搬送ローラを半回転したとき、AC成分の搬送誤差が生じない状態で紙を搬送できる。このため、パターンBは、AC成分の搬送誤差の影響のない状態で形成できる。
一方、パターンAの形成時の搬送ローラの回転位置が基準位置から1/4回転した位置の場合、搬送ローラが半回転したとき、AC成分の搬送誤差の影響によって、目標搬送量よりも少ない搬送量で紙が搬送される。この結果、パターンBは、パターンAに近づいて形成される。また、更に搬送ローラが半回転したとき、AC成分の搬送誤差の影響によって、目標搬送量よりも多い搬送量で紙が搬送される。この結果、パターンCは、パターンBから離れて形成される。
このように、AC成分の搬送誤差の影響のため、図11BのパターンBは、上下に(搬送方向の下流側又は上流側に)位置を変化させることになる。(但し、パターンA及びパターンCの位置関係はAC成分の影響を受けないので、図11BにおいてパターンA及びパターンCの位置は変化しない。)そして、パターンBの搬送方向の位置が変化すると、パターンAとパターンBとの間の境界の状態や、パターンBとパターンCとの間の境界の状態も変化する。
一方、本実施形態では、搬送ローラ23の相対的な回転量はロータリーエンコーダ52により検出できるが、搬送ローラ23が基準位置にあることを検出する原点センサのようなものはなく、搬送ローラ23の絶対的な回転位置は検出していない。このため、本実施形態では、パターンBが上下のいずれに位置を変化させているのか未知の状態で、補正用パターンを判定する必要がある。
このような状況下でDC成分の搬送誤差を補正する補正値を決定するため、本実施形態では、パターンAとパターンBとの間の境界が最適な補正用パターンを選択し、更に、パターンBとパターンCとの間の境界が最適な補正用パターンを選択し、選択された2つの補正用パターンに基づいて補正値を決定する。これにより、パターンBの搬送方向の位置が変化しても、DC成分の搬送誤差に応じた補正値を決定できるようにしている。
<2つのパターンの境界の形状の問題>
参考例の補正用パターンでは、2つのブロックパターンによって境界を形成している。この2つのブロックパターンは、微視的に見ると、移動方向にドットが並ぶ複数のラスタラインから構成されている。このため、2つのブロックパターンの境界は、ラスタラインと平行である。
図12A及び図12Bは、2つのブロックパターンの境界付近の説明図である。図中の実線は、ラスタラインを示しており、実際にはドットが並ぶことにより形成されている。
図12Aでは、2つのブロックパターンが近づいて形成された結果、黒スジが生じている。図12Bでは、2つのブロックパターンが離れて形成された結果、白スジが生じている。いずれの境界も、ラスタラインと平行である。そして、前述の参考例では、このような境界において黒スジや白スジの存在を判断することになる。
ところで、ブロックパターンを構成するラスタラインは、ノズルの製造ばらつきや、インクの飛翔方向の乱れ等の影響によって、搬送方向の位置がずれて形成されることがある。この結果、ラスタライン毎に、隣接するラスタラインとの間隔が若干異なることになる。
図12C及び図12Dは、ラスタラインの間隔にばらつきが生じたときの境界付近の説明図である。図12Cでは、2つのブロックパターンが近づいて形成されており、図12Dでは、2つのブロックパターンが離れて形成されている。
ラスタラインの間隔にばらつきが生じると、ブロックパターンの内部にも、ラスタラインが近づいて形成されて黒スジのように見える場所が生じたり、ラスタラインが離れて形成されて白スジのように見える場所が生じたりする。この結果、境界の位置を特定することが困難になり、仮に境界の位置を特定することができても、2つのブロックパターンの境界において黒スジや白スジの存在を判断することが困難になる。また、境界付近のラスタラインの搬送方向の位置のばらつき方によって、境界における黒スジや白スジの存在の判断が異なったものになってしまう。
図12E及び図12Fは、この問題に対する本実施形態の対策の説明図である。図12Eでは、2つのパターンが近づいて形成された結果、黒スジが生じている。図12Fでは、2つのパターンが離れて形成された結果、白スジが生じている。
本実施形態では、2つのパターンの境界の方向を、搬送方向及び移動方向と交差する方向にしている。巨視的に見ると、本実施形態では、2つのパターン(例えばパターンAとパターンB)にそれぞれ斜辺が形成され、この斜辺同士が近接して形成されることによって境界が形成されている。
このように形成することにより、境界は、一方のパターンを構成する複数のラスタラインと、他方のパターンを構成する複数のラスタラインとから構成される。このため、ラスタラインの搬送方向の位置にばらつきが生じても、境界における黒スジや白スジの存在の判断を安定して行うことができる。つまり、これにより、検査者がテストシートを検査し易くなる。
以下、本実施形態について詳述する。
===本実施形態のテストシート===
<テストシートの構成について>
図13は、本実施形態のテストシートの説明図である。
本実施形態のテストシートには、9個の補正用パターンが移動方向に並んで形成されている。各補正用パターンには、それぞれ特定の補正値が対応付けられており、各補正用パターンの上(紙の上端側)には補正値を示す数字が印刷されている。以下の説明において、「補正用パターン(n)」とは、補正値nが対応付けられた補正用パターンを意味する。
<補正用パターンの構成について>
図14は、本実施形態の補正用パターンの説明図である。
各補正用パターンは、パターンA、パターンB及びパターンCから構成され、全体としてはほぼ長方形状である。
パターンAは、台形パターンA1及び逆台形パターンA2から構成される。台形パターンA1及び逆台形パターンA2は、補正用パターンの上側(搬送方向下流側)の2角にそれぞれ形成される。台形パターンA1及び逆台形パターンA2において、上底と下底との間の2辺の一方は、上底及び下底と直角をなし、補正用パターンの側方の一辺を構成する。また、台形パターンA1及び逆台形パターンA2において、上底と下底との間の2辺の他方は、斜辺となる。この斜辺は、搬送方向及び移動方向と交差する方向である。台形パターンA1の斜辺と逆台形パターンA2の斜辺とは、互いに平行である。なお、パターンAの詳細な構成は、後述する。
パターンBは、傾斜パターンB1、長方形パターンB2及び傾斜パターンB3から構成される。傾斜パターンB1は、長方形パターンB2の上側に形成され、平行四辺形状をしている。この平行四辺形の1辺は、補正用パターンの上側の辺を構成する。この辺を挟む2つの平行な辺は、前述の台形パターンA1及び逆台形パターンA2の斜辺と平行である。長方形パターンB2は、補正用パターンの中央部に位置する。この長方形パターンB2の2辺は、補正用パターンの側方の2辺を構成する。傾斜パターンB3は、長方形パターンB2の下側(搬送方向上流側)に形成され、平行四辺形状をしている。この平行四辺形の1辺は、補正用パターンの下側の辺を構成する。この辺を挟む2つの平行な辺は、後述する逆台形パターンC1及び台形パターンC2の斜辺と平行である。傾斜パターンB1と傾斜パターンB3とを比較すると、傾斜する方向が逆になっている。なお、パターンBの詳細な構成は、後述する。
パターンCは、逆台形パターンC1及び台形パターンC2から構成される。逆台形パターンC1及び台形パターンC2は、補正用パターンの下側(搬送方向上流側)の2角にそれぞれ形成される。逆台形パターンC1及び台形パターンC2において、上底と下底との間の2辺の一方は、上底及び下底と直角をない、補正用パターンの側方の一辺を構成する。また、逆台形パターンC1及び台形パターンC2において、上底と下底との間の2辺の他方は、斜辺となる。この斜辺は、搬送方向及び移動方向と交差する方向である。逆台形パターンC1の斜辺と台形パターンC2の斜辺とは、互いに平行である。但し、逆台形パターンC1及び台形パターンC2の斜辺は、台形パターンA1及び逆台形パターンA2の斜辺と交差する方向に形成される。なお、パターンCの詳細な構成は、後述する。
パターンAとパターンBとの間には、境界A1B1、境界A2B1及び境界A1B2が形成される。境界A1B1は、パターンAの台形パターンA1と、パターンBの傾斜パターンB1との間で形成される境界である。境界A2B1は、パターンAの逆台形パターンA2と、パターンBの傾斜パターンB1との間で形成される境界である。境界A1B2は、パターンAの台形パターンA1と、パターンBの長方形パターンB2との間で形成される境界である。境界A1B1及び境界A2B1は、搬送方向と交差する方向に沿って形成され、かつ、移動方向と交差する方向に沿って形成される。一方、境界A1B2は、移動方向に沿って形成されている。なお、後述する通り、検査者は、境界A1B1及び境界A2B1に注目して検査を行うが、境界A1B2には注目しない。
パターンBとパターンCとの間には、境界C1B3、境界C2B3及び境界C1B2が形成される。境界C1B3は、パターンCの逆台形パターンC1と、パターンBの傾斜パターンB3との間で形成される境界である。境界C2B3は、パターンCの台形パターンC2と、パターンBの傾斜パターンB3との間に形成される境界である。境界C1B2は、パターンCの逆台形パターンC1と、パターンBの長方形パターンB2との間に形成される境界である。境界C1B3及び境界C2B3は、搬送方向と交差する方向に沿って形成され、かつ、移動方向と交差する方向に沿って形成される。但し、境界C1B3及び境界C2B3の方向は、境界A1B1及び境界A2B1とも交差する方向である。なお、後述する通り、検査者は、境界C1B3及び境界C2B3に注目して検査を行うが、境界C1B2には注目しない。
いずれの補正用パターンにおいても、パターンAの形成後、紙は搬送ローラの約半回転分の搬送量にて搬送され、パターンBが形成される。但し、補正用パターン毎に、パターンAの形成からパターンBの形成までの間に行われる搬送処理の目標搬送量が異なる。また、パターンBの形成後、紙は搬送ローラの約半回転分の搬送量にて搬送され、パターンCが形成される。但し、補正用パターン毎に、パターンBの形成からパターンCの形成までの間に行われる搬送処理の目標搬送量が異なる。このため、各補正用パターンに応じて、パターンAに対するパターンBの位置関係や、パターンBに対するパターンCの位置関係が異なっている。つまり、各補正用パターンに応じて、パターンAとパターンCとの位置関係が異なっている。
この結果、補正用パターン毎に、各境界の状態が異なることになる。2つのパターンが重なる状態の境界では、境界が濃く視認される(黒スジとして視認される)。一方、2つのパターンが離れる状態の境界では、境界が淡く視認される(白スジとして視認される)。
次に、各補正用パターンのパターンA〜パターンCの印刷方法について説明し、その後、全補正用パターンの印刷方法について説明する。なお、各パターンは、360dpi(移動方向)×240dpi(搬送方向)の解像度にて形成される。ラスタラインを構成するドットの直径は1/240インチであるため、この解像度でパターンを形成すれば、各パターンを構成するラスタライン同士の間に隙間が生じている。
<パターンAの印刷方法について>
図15は、パターンAの印刷方法の説明図である。パターンAは、2回のパスによって形成される。図中の左側には、1回目及び2回目のパスにおける紙に対するヘッドの位置(B列の位置)が示されている。パターンAの形成時には、ノズル♯76〜ノズル♯87からインクが吐出される。インクを吐出するノズルは、1回目のパスでは黒丸で示され、2回目のパスではハッチングで示されている。ヘッドは移動方向に往復移動可能であるが、パターンAを形成するときには、ヘッドは一方の方向にしか移動していない。ここでは、ヘッドが図中の左から右へ移動するときに、パターンAが形成されるものとする。
図中の右側には、パターンAを構成するラスタラインが示されている。1回目のパスにより形成されるラスタラインは黒で示されており、2回目のパスにより形成されるラスタラインはハッチングで示されている。
1回目のパスでは、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯76〜ノズル♯87からインクが吐出される。ノズル♯76は、台形パターンA1を構成する4/360インチのラスタラインを形成し(つまり、4個のドットを形成し)、60/360インチの空走区間の後、逆台形パターンA2を構成する96/360インチのラスタラインを形成する(つまり、96個のドットを形成する)。そして、各ノズルは、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ長いラスタラインを形成して台形パターンA1を構成するラスタラインを形成し、60/360インチの空走区間の後、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ短いラスタラインを形成して逆台形パターンA2を構成するラスタラインを形成する。これにより、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯76〜ノズル♯87からのインクの吐出が停止される。
1回目のパスの後、ノズルピッチの半分に相当する目標搬送量18/4320インチ(1/240インチ)の搬送処理が行われる。なお、この搬送量は微小量なので、搬送誤差も極めて微小である(搬送誤差は無視できる)。
2回目のパスでは、1回目のパスにより形成されたラスタラインの間に、ラスタラインが形成される。2回目のパスでも、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯76〜ノズル♯87からインクが吐出される。ノズル♯76は、台形パターンA1を構成する8/360インチのラスタラインを形成し(つまり、8個のドットを形成し)、60/360インチの空走区間の後、逆台形パターンA2を構成する92/360インチのラスタラインを形成する(つまり、92個のドットを形成する)。そして、各ノズルは、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ長いラスタラインを形成して台形パターンA1を構成するラスタラインを形成し、60/360インチの空走区間の後、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ短いラスタラインを形成して逆台形パターンA2を構成するラスタラインを形成する。これにより、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯76〜ノズル♯87からのインクの吐出が停止される。
台形パターンA1を構成する24本のラスタラインの右端の移動方向の位置は、4/360インチずつ徐々に変化している。これにより、台形パターンA1を巨視的に見たとき、搬送方向にも移動方向にも交差する方向の斜辺が形成される。また、逆台形パターンA2を構成する24本のラスタラインの左端の移動方向の位置も、4/360インチずつ徐々に変化している。これにより、逆台形パターンA2を巨視的に見たとき、搬送方向にも移動方向にも交差する方向の斜辺が形成される。
<パターンBの印刷方法について>
図16は、パターンBの印刷方法の説明図である。パターンBも、2回のパスによって形成される。図中の左側には、1回目及び2回目のパスにおける紙に対するヘッドの位置(B列の位置)が示されている。パターンBの形成時には、ノズル♯1〜ノズル♯87からインクが吐出される。インクを吐出するノズルは、1回目のパスでは黒丸で示され、2回目のパスではハッチングで示されている。ヘッドは移動方向に往復移動可能であるが、パターンBを形成するときには、ヘッドは一方の方向にしか移動していない。ここでは、ヘッドが図中の左から右へ移動するときに、パターンBが形成されるものとする。
図中の右側には、パターンBを構成するラスタラインが示されている。1回目のパスにより形成されるラスタラインは黒で示されており、2回目のパスにより形成されるラスタラインはハッチングで示されている。
1回目のパスでは、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯13〜ノズル♯75からインクが吐出される。ノズル♯13〜ノズル♯75は、長方形パターンB2を構成する160/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯13〜ノズル♯75がインクを吐出してから4/360インチ移動した後に、ノズル♯1からインクが吐出され、ノズル♯1は60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯1〜ノズル♯12の各ノズルは、搬送方向下流側に隣接するノズルがインクを吐出してから8/360位置移動した後にインクを吐出して、60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯1〜ノズル♯12が形成したラスタラインは、傾斜パターンB1を構成する。また、ノズル♯13〜ノズル♯75がインクを吐出してから4/360インチ移動した後に、ノズル♯87からインクが吐出され、ノズル♯87は60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯76〜ノズル♯87の各ノズルは、搬送方向上流側に隣接するノズルがインクを吐出してから8/360位置移動した後にインクを吐出して、60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯76〜ノズル♯87が形成したラスタラインは、傾斜パターンB3を構成する。
1回目のパスの後、ノズルピッチの半分に相当する目標搬送量18/4320インチ(1/240インチ)の搬送処理が行われる。なお、この搬送量は微小量なので、搬送誤差も極めて微小である(搬送誤差は無視できる)。
2回目のパスでは、1回目のパスにより形成されたラスタラインの間に、ラスタラインが形成される。2回目のパスでも、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯13〜ノズル♯75からインクが吐出される。ノズル♯13〜ノズル♯75は、長方形パターンB2を構成する160/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯13〜ノズル♯75がインクを吐出してから8/360インチ移動した後に、ノズル♯1からインクが吐出され、ノズル♯1は60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯1〜ノズル♯12の各ノズルは、搬送方向下流側に隣接するノズルがインクを吐出してから8/360位置移動した後にインクを吐出して、60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯1〜ノズル♯12が形成したラスタラインは、傾斜パターンB1を構成する。また、ノズル♯13〜ノズル♯75がインクを吐出してから8/360インチ移動した後に、ノズル♯87からインクが吐出され、ノズル♯87は60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯76〜ノズル♯87の各ノズルは、搬送方向上流側に隣接するノズルがインクを吐出してから8/360位置移動した後にインクを吐出して、60/360インチのラスタラインを形成する。ノズル♯76〜ノズル♯87が形成したラスタラインは、傾斜パターンB3を構成する。なお、傾斜パターンB3は、ノズル♯76〜ノズル♯87により形成されるので、パターンAを形成するノズルと同じノズルによって形成される。
傾斜パターンB1を構成する24本のラスタラインの左端の移動方向の位置は、4/360インチずつ徐々に変化している。傾斜パターンB1を構成する24本のラスタラインの右端の移動方向の位置も、4/360インチずつ徐々に変化している。これにより、傾斜パターンB1を巨視的に見たとき、搬送方向にも移動方向にも交差する方向の斜辺が形成される。また同様に、傾斜パターンB3を巨視的に見たとき、搬送方向にも移動方向にも交差する方向の斜辺が形成される。
<パターンCの印刷方法について>
図17は、パターンCの印刷方法の説明図である。パターンCも、2回のパスによって形成される。図中の左側には、1回目及び2回目のパスにおける紙に対するヘッドの位置(B列の位置)が示されている。パターンCの形成時には、ノズル♯1〜ノズル♯12からインクが吐出される。インクを吐出するノズルは、1回目のパスでは黒丸で示され、2回目のパスではハッチングで示されている。ヘッドは移動方向に往復移動可能であるが、パターンCを形成するときには、ヘッドは一方の方向にしか移動していない。ここでは、ヘッドが図中の左から右へ移動するときに、パターンCが形成されるものとする。
図中の右側には、パターンCを構成するラスタラインが示されている。1回目のパスにより形成されるラスタラインは黒で示されており、2回目のパスにより形成されるラスタラインはハッチングで示されている。
1回目のパスでは、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯1〜ノズル♯12からインクが吐出される。ノズル♯1は、逆台形パターンC1を構成する96/360インチのラスタラインを形成し(つまり、96個のドットを形成し)、60/360インチの空走区間の後、台形パターンC2を構成する4/360インチのラスタラインを形成する(つまり、4個のドットを形成する)。そして、各ノズルは、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ短いラスタラインを形成して逆台形パターンC1を構成するラスタラインを形成し、60/360インチの空走区間の後、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ長いラスタラインを形成して台形パターンC2を構成するラスタラインを形成する。これにより、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯1〜ノズル♯12からのインクの吐出が停止される。
1回目のパスの後、ノズルピッチの半分に相当する目標搬送量18/4320インチ(1/240インチ)の搬送処理が行われる。なお、この搬送量は微小量なので、搬送誤差も極めて微小である(搬送誤差は無視できる)。
2回目のパスでは、1回目のパスにより形成されたラスタラインの間に、ラスタラインが形成される。2回目のパスでも、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯1〜ノズル♯12からインクが吐出される。ノズル♯1は、逆台形パターンC1を構成する92/360インチのラスタラインを形成し(つまり、92個のドットを形成し)、60/360インチの空走区間の後、台形パターンC2を構成する8/360インチのラスタラインを形成する(つまり、8個のドットを形成する)。そして、各ノズルは、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ短いラスタラインを形成して逆台形パターンC1を構成するラスタラインを形成し、60/360インチの空走区間の後、搬送方向下流側に隣接するノズルよりも8/360インチ長いラスタラインを形成して台形パターンC2を構成するラスタラインを形成する。これにより、ヘッドが移動方向の所定の位置に到達したとき、ノズル♯1〜ノズル♯12からのインクの吐出が停止される。なお、パターンCは、ノズル♯1〜ノズル♯12により形成されるので、パターンBの傾斜パターンB1を形成するノズルと同じノズルによって形成される。
逆台形パターンC1を構成する24本のラスタラインの右端の移動方向の位置は、4/360インチずつ徐々に変化している。これにより、逆台形パターンC1を巨視的に見たとき、搬送方向にも移動方向にも交差する方向の斜辺が形成される。また、台形パターンC2を構成する24本のラスタラインの左端の移動方向の位置も、4/360インチずつ徐々に変化している。これにより、台形パターンC2を巨視的に見たとき、搬送方向にも移動方向にも交差する方向の斜辺が形成される。
なお、逆台形パターンC1の24本のラスタラインでは、搬送方向上流側ほど短くなっている。一方、台形パターンA1の24本のラスタラインでは、搬送方向上流側ほど長くなっている。このため、巨視的に見たときに、逆台形パターンC1の斜辺は、台形パターンA1の斜辺と交差する方向になる。また、台形パターンC2の24本のラスタラインでは、搬送方向上流側ほど長くなっている。一方、逆台形パターンA2の24本のラスタラインでは、搬送方向上流側ほど短くなっている。このため、巨視的に見たときに、台形パターンC2の斜辺は、逆台形パターンA2の斜辺と交差する方向になる。
<全補正用パターンの印刷方法について>
図18は、テストシートの印刷方法の説明図である。
図中の右側には、テストシートに形成される9個の補正用パターンが描かれている。
図中の左側には、各パスにおける紙に対するヘッドの位置(B列の位置)が示されている。ヘッドの位置を示す長方形の中には、2個の数字と、A〜Cの記号が記入されている。一番上の数字は、パスの番号を示している。中央の数字は、そのパスにおいて形成する補正用パターンの番号を示している。一番下の記号は、そのパスにおいて形成するパターン名を示している。例えば、一番左の長方形は、最初のパス(パス1)のときの紙に対するヘッドの位置を示し、そのパスにおいて、補正用パターン(−8)のパターンAが形成される。
図中の上側の表には、各パスにおいて形成する補正用パターンの番号及びパターン名と、各パスの間に行われる搬送処理の目標搬送量が示されている。この表からも、最初のパス(パス1)において補正用パターン(−8)のパターンAが形成されることが示されている。また、この表から、パス1とパス2との間に行われる搬送処理において、媒体が目標搬送量18/4320インチにて搬送されることが示されている。
パス1〜パス18では、各補正用パターンのパターンAが形成される。各補正用パターンのパターンAは、2回のパスによって形成される。例えば、補正用パターン(0)のパターンAは、パス9及びパス10によって形成される。このため、補正用パターン(0)のパターンAにおいて、図15の「1回目のパス」はパス9に相当し、「2回目のパス」はパス10に相当する。パターンAを形成する2回のパスの間では、目標搬送量18/4320インチの搬送処理が行われる。ある補正用パターンのパターンAの形成後、目標搬送量18/4320インチの搬送処理が行われ、次の補正用パターンのパターンAが形成される。このため、ある補正用パターンのパターンAは、その直前に形成された補正用パターンのパターンAと比較して、36/4320インチだけ搬送方向上流側に形成される。
パス18の後、パス35までの間、目標搬送量132/4320インチの搬送処理が繰り返し行われる。なお、パス19〜パス35では、形成すべきパターンがないので、インクの吐出やヘッドの移動は行われずに、省略される。パス35とパス36との間では、目標搬送量142/4320インチの搬送処理が行われる。
パス36〜パス53では、各補正用パターンのパターンBが形成される。各補正用パターンのパターンBは、2回のパスによって形成される。例えば、補正用パターン(0)のパターンBは、パス44及びパス45によって形成される。このため、補正用パターン(0)のパターンBにおいて、図16の「1回目のパス」はパス44に相当し、「2回目のパス」はパス45に相当する。パターンBを形成する2回のパスの間では、目標搬送量18/4320インチの搬送処理が行われる。ある補正用パターンのパターンBの形成後、目標搬送量20/4320インチの搬送処理が行われ、次の補正用パターンのパターンBが形成される。このため、ある補正用パターンのパターンBは、その直前に形成された補正用パターンのパターンBと比較して、38/4320インチだけ搬送方向上流側に形成される。この結果、ある補正用パターンのパターンAとパターンBとの位置関係は、その直前に形成された補正用パターンと比較すると、2/4320インチだけ離れている。
パス53の後、パス70までの間、目標搬送量132/4320インチの搬送処理が繰り返し行われる。なお、パス54〜パス70では、形成すべきパターンがないので、インクの吐出やヘッドの移動は行われずに、省略される。パス70とパス71との間では、目標搬送量126/4320インチの搬送処理が行われる。
パス71〜パス88では、各補正用パターンのパターンCが形成される。各補正用パターンのパターンCは、2回のパスによって形成される。例えば、補正用パターン(0)のパターンCは、パス79及びパス80によって形成される。このため、補正用パターン(0)のパターンCにおいて、図17の「1回目のパス」はパス79に相当し、「2回目のパス」はパス80に相当する。パターンCを形成する2回のパスの間では、目標搬送量18/4320インチの搬送処理が行われる。ある補正用パターンのパターンCの形成後、目標搬送量22/4320インチの搬送処理が行われ、次の補正用パターンのパターンCが形成される。このため、ある補正用パターンのパターンCは、その直前に形成された補正用パターンのパターンCと比較して、40/4320インチだけ搬送方向上流側に形成される。この結果、ある補正用パターンのパターンBとパターンCとの位置関係は、その直前に形成された補正用パターンと比較すると、2/4320インチだけ離れている。
===補正用パターンの特性===
<搬送誤差がDC成分及びAC成分とも無い場合>
図19は、搬送誤差がDC成分及びAC成分とも無い場合の補正用パターンの状態の説明図である。図19では、説明のため、各パターンの輪郭を線で示しており、パターンの内部が空白になっている。しかし、実際の補正用パターンは、巨視的には図13に示すように塗りつぶされたパターンであり、微視的には図15〜図17に示すようにラスタラインから構成されたパターンである。また、図19では、パターン同士が重なる部分を黒く塗りつぶしている。
補正用パターン(0)では、台形パターンA1を構成する24本のラスタライン、傾斜パターンB1を構成する24本のラスタライン、及び、逆台形パターンA2を構成する24本のラスタラインは、全て搬送方向の位置が同じになる。また、台形パターンA1を構成する24本のラスタラインの右端と、逆台形パターンA2を構成する24本のラスタラインの左端との間に、ちょうど傾斜パターンB1を構成する24本のラスタラインが位置する。この結果、台形パターンA1を構成する24本のラスタライン、傾斜パターンB1を構成する24本のラスタライン、及び、逆台形パターンA2を構成する24本のラスタラインは、24本の160/360インチのラスタラインのようにそれぞれつながる。つまり、台形パターンA1及び傾斜パターンB1がぴったりつながり、逆台形パターンA2及び傾斜パターンB1もぴったりつながる。
このため、補正用パターン(0)では、境界A1B1及び境界A2B2は、視認することができない。同様に、境界C1B3及び境界C2B3も、視認することができない。
マイナスの番号の付された補正用パターンでは、パターンAに対してパターンBが搬送方向下流側にずれて形成される。つまり、マイナスの番号の付された補正用パターンのパターンAとパターンBとの位置関係が、補正用パターン(0)のパターンAとパターンBとの位置関係と比較して、近づく。この結果、台形パターンA1と傾斜パターンB1が離れ、逆台形パターンA2と傾斜パターンB1は重なる。
このため、マイナスの番号の付された補正用パターンでは、境界A1B1は淡く視認されて白スジが生じ、境界A2B1は濃く視認されて黒スジが生じる。同様に、境界C1B3は淡く視認されて白スジが生じ、境界C2B3は濃く視認されて黒スジが生じる。
さらに、大きなマイナスの番号が付された補正用パターンほど、パターンAとパターンBが大きく近づき、パターンBとパターンCが大きく近づく。この結果、台形パターンA1と傾斜パターンB1が大きく離れ、逆台形パターンA2と傾斜パターンB1は大きく重なる。このため、大きなマイナスの番号が付された補正用パターンほど、白スジや黒スジが、はっきり視認される。
プラスの番号の付された補正用パターンでは、パターンAに対してパターンBが搬送方向上流側にずれて形成される。つまり、プラスの番号の付された補正用パターンのパターンAとパターンBとの位置関係が、補正用パターン(0)のパターンAとパターンBとの位置関係と比較して、離れる。この結果、台形パターンA1と傾斜パターンB1が重なり、逆台形パターンA2と傾斜パターンB1が離れる。
このため、プラスの番号の付された補正用パターンでは、境界A1B1は濃く視認されて黒スジが生じ、境界A2B1は淡く視認されて白スジが生じる。同様に、境界C1B3は濃く視認されて黒スジが生じ、境界C2B3は淡く視認されて白スジが生じる。
さらに、大きなプラスの番号が付された補正用パターンほど、パターンAとパターンBが大きく離れ、パターンBとパターンCが大きく離れる。この結果、台形パターンA1と傾斜パターンB1が大きく重なり、逆台形パターンA2と傾斜パターンB1は大きく離れる。このため、大きなプラスの番号が付された補正用パターンほど、白スジや黒スジが、はっきり視認される。
なお、本実施形態では、パターンAとパターンBとの間に、2つの境界(境界A1B1及び境界A2B1)が形成されている。そして、境界A1B1では、パターンAの台形パターンA1がパターンBの傾斜パターンB1よりも搬送方向上流側に位置し、境界A1B2では、パターンBの傾斜パターンB1がパターンAの逆台形パターンA2よりも搬送方向上流側に位置する。このように構成することにより、パターンAとパターンBとの位置関係が変化したときに、パターンAとパターンBとの境界に白スジと黒スジの両方を発生させることができる。これにより、検査者の視認性が良くなる。
同様に、本実施形態では、パターンBとパターンCとの間に、2つの境界(境界C1B3及び境界C2B3)が形成されている。そして、境界C1B3では、パターンBの傾斜パターンB3がパターンCの逆台形パターンC1よりも搬送方向上流側に位置し、境界C2B3では、パターンCの台形パターンC2がパターンBの傾斜パターンB3よりも搬送方向上流側に位置する。このように構成することにより、パターンBとパターンCとの位置関係が変化したときに、パターンBとパターンCとの境界に白スジと黒スジの両方を発生させることができる。これにより、検査者の視認性が良くなる。
また、本実施形態では、境界A1B1及び境界A2B1が平行になっている。これにより、パターンAとパターンBとの位置関係がいずれの方向へ変化しても、白スジ及び黒スジが同じ程度の幅で発生するので、検査者の視認性が良い。同様に、境界C1B3及び境界C2B3が平行になっているので、検査者の視認性が良い。
<DC成分の搬送誤差がある場合>
次に、DC成分の誤差のみが生じた場合について説明する。ここでは、目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送される場合について説明する。
図20Aは、目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送される場合の補正用パターン(0)の状態の説明図である。
ここでは目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送されているので、補正用パターン(0)のパターンAを形成するパス10からパターンBを形成するパス44までの間に行われる搬送処理の搬送量は、目標搬送量よりも多くなる。このため、補正用パターン(0)のパターンBは、搬送誤差が無い場合と比較して、搬送方向上流側にずれて形成される。つまり、目標搬送量よりも多く紙が搬送される結果、パターンAとパターンBとの位置関係が離れる。この結果、台形パターンA1と傾斜パターンB1が重なり、逆台形パターンA2と傾斜パターンB1が離れる。このため、補正用パターン(0)では、境界A1B1は濃く視認されて黒スジが生じ、境界A2B1は淡く視認されて白スジが生じる。同様に、補正用パターン(0)では、境界C1B3は濃く視認されて黒スジが生じ、境界C2B3は淡く視認されて白スジが生じる。
つまり、目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送される場合における補正用パターン(0)の境界は、搬送誤差が無い場合におけるプラスの番号の付された補正用パターンの境界に近似した状態である。
図20Bは、この場合の9個の補正用パターンの状態の説明図である。
ここでは目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送されているので、各補正用パターンのパターンAとパターンBとの位置関係は、搬送誤差が無い場合と比較して、離れる。この結果、マイナスの番号の付された補正用パターンの白スジや黒スジが軽減される。
そして、搬送ローラ23の半回転中に、例えば目標搬送量よりも4/4320インチだけ多い搬送量で紙が搬送されるのであれば、補正用パターン(0)よりもパターンAとパターンBとの位置関係が4/4320インチだけ近づいている補正用パターン(−4)において、境界A1B1及び境界A2B1が見えにくくなる。同様に、搬送ローラ23の半回転中に、例えば目標搬送量よりも4/4320インチだけ多い搬送量で紙が搬送されるのであれば、補正用パターン(0)よりもパターンBとパターンCとの位置関係が4/4320インチだけ近づいている補正用パターン(−4)において、境界C1B3及び境界C2B3が見えにくくなる。
言い換えると、目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送される場合、境界A1B1及び境界A2B1が見え難い補正用パターンは、マイナスの番号が付された補正用パターンになる。同様に、目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送される場合、境界C1B3及び境界C2B3が見え難い補正用パターンは、マイナスの番号が付された補正用パターンになる。
逆に、目標搬送量よりも少ない搬送量にて紙が搬送される場合、境界A1B1及び境界A2B1が見え難い補正用パターンは、プラスの番号が付された補正用パターンになる。同様に、目標搬送量よりも少ない搬送量にて紙が搬送される場合、境界C1B3及び境界C2B3が見え難い補正用パターンは、プラスの番号が付された補正用パターンになる。
このように、DC成分の誤差のみが生じた場合、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンは、同じになる。また、DC成分の誤差が大きいほど、境界の最も見え難い補正用パターンは、補正用パターン(0)から離れた位置の補正用パターンになる。
従って、DC成分の誤差のみが生じた場合、境界の最も見え難い補正用パターンの番号は、DC成分の搬送誤差を反映し、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値に対応する値にもなる。
<AC成分誤差がある場合>
次に、AC成分の誤差のみが生じた場合について説明する。ここでは、図11AのようなAC成分の搬送誤差が生じるものとし、パターンAの形成時の搬送ローラの回転位置が、基準位置から1/4回転した位置であるものとする。つまり、パターンAの形成とパターンBの形成の間に行われる搬送処理では、目標搬送量よりも少ない搬送量にて紙が搬送され、パターンBの形成とパターンCの形成の間に行われる搬送処理では、目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送される。
図21Aは、AC成分の誤差が生じた場合の補正用パターン(0)の状態の説明図である。
補正用パターン(0)のパターンBは、目標搬送量よりも少ない搬送量にて紙が搬送された後に形成されるので、搬送誤差が無い場合と比較して、搬送方向下流側にずれて形成される。このため、パターンAとパターンBとの位置関係は近づく。この結果、台形パターンA1と傾斜パターンB1が離れ、逆台形パターンA2と傾斜パターンB1が重なる。このため、補正用パターン(0)では、境界A1B1は淡く視認されて白スジが生じ、境界A2B1は濃く視認されて黒スジが生じる。つまり、この場合における補正用パターン(0)の上部の境界は、搬送誤差が無い場合におけるマイナスの番号の付された補正用パターンの上部の境界に近似した状態である。
一方、AC成分の搬送誤差はほぼサインカーブになるため、パターンBの形成からパターンCの形成までの間に行われる搬送ローラ半回転分の搬送量には、パターンAの形成からパターンBの形成までの間に行われる搬送ローラ半回転分の搬送量に含まれる搬送誤差と逆の搬送誤差が含まれている。このため、パターンBとパターンCとの位置関係は、パターンAとパターンBとの位置関係とは逆に、離れる。この結果、逆台形パターンC1と傾斜パターンB3が重なり、台形パターンC2と傾斜パターンB3は離れる。このため、補正用パターン(0)では、境界C1B3は濃く視認されて黒スジが生じ、境界C2B3は淡く視認されて白スジが生じる。つまり、この場合における補正用パターン(0)の下部の境界は、搬送誤差が無い場合におけるプラスの番号の付された補正用パターンの上部の境界に近似した状態である。
図21Bは、この場合の9個の補正用パターンの状態の説明図である。
各補正用パターンのパターンAとパターンCとの位置関係に注目すると、ここではAC成分の誤差のみが生じておりDC成分の誤差は生じていないので、図19のパターンAとパターンCとの位置関係と同じである。但し、パターンBは、パターンA及びパターンCに対して、AC成分の誤差の影響で搬送方向下流側にずれている。
各補正用パターンのパターンAとパターンBとの位置関係は、搬送誤差が無い場合と比較して近づいているので、プラスの番号の付された補正用パターンの白スジや黒スジが軽減される。逆に、各補正用パターンのパターンBとパターンCとの位置関係は、搬送誤差が無い場合と比較して離れているので、マイナスの番号の付された補正用パターンの白スジや黒スジが軽減される。
仮に、AC成分の影響のため、パターンBがパターンA及びパターンCに対して搬送方向下流側に4/4320インチだけ位置を変化させたとする。この場合、境界A1B1及び境界A2B1は、補正用パターン(0)よりもパターンAとパターンBとの位置関係が4/4320インチだけ離れている補正用パターン(+4)において、最も見え難くなる。一方、境界C1B3及び境界C2B3は、補正用パターン(0)よりもパターンBとパターンCとの位置関係が4/4320インチだけ近づく補正用パターン(−4)において、最も見え難くなる。
このように、AC成分の誤差のみが生じた場合、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとは、補正用パターン(0)を挟んで反対側になる。言い換えると、補正用パターン(0)は、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとの中間に位置する。また、AC成分の誤差が大きいほど、境界の最も見え難い補正用パターンは、補正用パターン(0)から離れた位置の補正用パターンになる。
なお、DC成分とAC成分の誤差が両方生じた場合、前述の図20Bの状態と図21Bの状態とを重ね合わせた状態になる。すなわち、この場合、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとは、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンを挟んで反対側になる。言い換えると、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとの中間に、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンがある。
<着弾位置ずれがある場合>
図22は、各ノズルのインク吐出速度Vmの説明図である。各ノズルのインク吐出速度Vmは、ヘッドの製造ばらつき等の影響により、異なっている。隣接するノズル同士では近似したインク吐出速度になるが、離れたノズル同士ではインク吐出速度Vmが大きく異なることがある。ここでは、搬送方向下流側のノズル(ノズル♯1付近のノズル)は、搬送方向上流側のノズル(ノズル♯90付近のノズル)と比較して、インク吐出速度が速い。
移動方向に移動する各ノズルからインクを吐出した場合、インク吐出速度の速いノズルから吐出されたインク滴ほど早く着弾するため、インク吐出速度の速いノズルにより形成されたドットは、インク吐出速度の遅いノズルにより形成されたドットと比べて、移動方向の上流側に形成される。このため、搬送方向下流側のノズル(ノズル♯1付近のノズル)により形成されるパターンは、搬送方向上流側のノズル(ノズル♯90付近のノズル)により形成されるパターンと比べて、移動方向上流側に位置する。
図23Aは、インク吐出速度Vmが異なる場合の補正用パターン(0)の状態の説明図である。
台形パターンA1及び逆台形パターンA2は搬送方向上流側のノズル(ノズル♯76〜ノズル♯86)により形成され、傾斜パターンB1は搬送方向下流側のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯12)により形成される。このため、台形パターンA1及び逆台形パターンA2は、傾斜パターンB1に対して相対的に、移動方向下流側に(図中の右側に)位置する。この結果、台形パターンA1と傾斜パターンB1が重なり、逆台形パターンA2と傾斜パターンB1が離れる。このため、補正用パターン(0)では、境界A1B1は濃く視認されて黒スジが生じ、境界A2B1は淡く視認されて白スジが生じる。つまり、この場合における補正用パターン(0)の境界A1B1及び境界A2B1は、搬送誤差が無い場合におけるプラスの番号の付された補正用パターンの境界A1B1及び境界A2B1に近似した状態である(但し、境界A1B2は異なる状態である)。
一方、逆台形パターンC1及び台形パターンC2は搬送方向下流側のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯12)により形成され、傾斜パターンB3は搬送方向上流側のノズル(ノズル♯76〜ノズル♯86)により形成される。このため、逆台形パターンC1及び台形パターンC2は、傾斜パターンB3に対して相対的に、移動方向上流側に(図中の左側に)位置する。この結果、逆台形パターンC1と傾斜パターンB3が離れ、台形パターンC2と傾斜パターンB3が重なる。このため、補正用パターン(0)では、境界C1B3は淡く視認されて白スジが生じ、境界C2B3は濃く視認されて黒スジが生じる。つまり、この場合における補正用パターン(0)の境界C1B3及び境界C2B3は、搬送誤差が無い場合におけるマイナスの番号の付された補正用パターンの境界C1B3及び境界C2B3に近似した状態である(但し、境界C1B2は異なる状態である)。
なお、パターンAを形成するノズルと、傾斜パターンB3を形成するノズルは、同じである。また、各補正用パターンにおいて、傾斜パターンB1を形成するノズルと、パターンCを形成するノズルは、同じである。このため、傾斜パターンB1に対するパターンAの相対的な位置関係の変化量と、パターンCに対する傾斜パターンB3の相対的な位置関係の変化量とは、同じになる。言い換えると、パターンAが傾斜パターンB1に対して右側に位置がずれた分だけ、パターンCが傾斜パターンB3に対して左側に位置がずれる。
図23Bは、この場合の9個の補正用パターンの状態の説明図である。
各補正用パターンのパターンAは、パターンBの傾斜パターンB1に対して相対的に、移動方向下流側に(図中の右側に)位置する。また、各補正用パターンのパターンBの傾斜パターンB3は、パターンCに対して相対的に、移動方向上流側に(図中の右側に)位置する。
マイナスの番号の付された補正用パターンでは、補正用パターン(0)と比較して、パターンAとパターンBとの位置関係が近づく。このため、マイナスの番号の付された補正用パターンでは、補正用パターン(0)と比較して、境界A1B1の黒スジ及び境界A2B1の白スジが軽減される。
プラスの番号の付された補正用パターンでは、補正用パターン(0)と比較して、パターンB及びパターンCとの位置関係が離れる。このため、プラスの番号の付された補正用パターンでは、補正用パターン(0)と比較して、境界C1B3の白スジ及び境界C2B3の黒スジが軽減される。
そして、各補正用パターンでは、パターンAが傾斜パターンB1に対して右側に位置がずれた分だけ、パターンCが傾斜パターンB3に対して左側に位置がずれている。このため、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとは、補正用パターン(0)を挟んで反対側になる。言い換えると、補正用パターン(0)は、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとの中間に位置する。例えば図中では、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターン(−4)と、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターン(+4)とは、補正用パターン(0)を挟んで反対側になっている。なお、ノズルのインク吐出速度の差が大きいほど、境界の最も見え難い補正用パターンは、補正用パターン(0)から離れた位置の補正用パターンになる。
なお、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターン(−4)の境界A1B2には、黒スジが生じている。また、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターン(+4)の境界C1B2には、白スジが生じている。但し、後述するように、境界A1B2及び境界C1B2は、検査時には用いられない。
DC成分の搬送誤差が生じた場合であってノズルのインク吐出速度の差がある場合、前述の図20Bの状態と図23Bの状態とを重ね合わせた状態になる。すなわち、この場合、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとは、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンを挟んで反対側になる。言い換えると、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとの中間に、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンがある。
また、AC成分の搬送誤差が生じた場合も、ノズルのインク吐出速度の差がある場合も、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとは、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンを挟んで反対側になる。このため、AC成分の搬送誤差が生じた場合であってノズルのインク吐出速度の差がある場合において、前述の図21Bの状態と図23Bの状態とが重ねあわされても、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとは、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンを挟んで反対側になる。言い換えると、この場合にも、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとの中間に、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンがある。
図24Aは、比較例の補正用パターンの説明図である。比較例の補正用パターンでは、傾斜パターンB3の斜辺の方向が傾斜パターンB1の斜辺の方向と同じになっている。
図24Bは、比較例の9個の補正用パターンの状態の説明図である。ここでは、説明のため、搬送誤差はDC成分及びAC成分とも無い状態であり、ノズルのインク吐出速度の差だけがある状態である。図に示すように、この場合、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンは、同じになる。このような状態でDC成分及びAC成分の誤差が生じると、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとの中間に、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンがあることが保障されない。
===テストシートの検査方法===
図25は、テストシートの検査方法のフロー図である。図26は、テストシートの検査手順の説明図である。以下、これらの図を用いて、本実施形態のテストシートの検査方法を説明する。
まず、検査者は、左の補正用パターンから順に、補正用パターンの上部(搬送方向下流側)に位置する境界A1B1及び境界A2B1を検査する(図25のS121、図26の丸1参照)。最初に検査される補正用パターン(−8)では、境界A1B1で白スジが生じており、境界A2B1で黒スジが生じている。そして、補正用パターン(−8)よりも右側の補正用パターンほど、境界A1B1の白スジや境界A2B1の黒スジが軽減されてくる。なお、補正用パターンの上部の境界の検査の際には、境界A1B2(移動方向に沿った境界)の状態は無視される。
そして、検査者は、最適な境界A1B1及び境界A2B1の補正用パターンを選択する(図25のS122、図26の丸2参照)。ここでは、境界A1B1及び境界A2B1が最も視認し難い補正用パターン、すなわち、補正用パターンの上部において斜めの白スジ及び黒スジが見え難い補正用パターンが、最適な境界A1B1及び境界A2B1の補正用パターンとして選択される。この場合、検査者は、補正用パターン(+2)を選択するであろう。(補正用パターン(+2)よりも右側の補正用パターンでは、境界A1B1で黒スジが生じ、境界A2B1で白スジが生じている。)なお、境界A1B2に白スジや黒スジが生じていても、最適な境界A1B1及び境界A2B1の判断には何ら影響を与えない。
次に、検査者は、右の補正用パターンから順に、補正用パターンの下部(搬送方向上流側)に位置する境界C1B3及び境界C2B3を検査する(図25のS123、図26の丸3参照)。最初に検査される補正用パターン(+8)では、境界C1B3で黒スジが生じており、境界C2B3で白スジが生じている。そして、補正用パターン(+8)よりも左側の補正用パターンほど、境界C1B3の黒スジや境界C2B3の白スジが軽減されてくる。なお、補正用パターンの下部の境界の検査の際には、境界C1B2(移動方向に沿った境界)の状態は無視される。
そして、検査者は、最適な境界C1B3及び境界C2B3の補正用パターンを選択する(図25のS124、図26の丸4参照)。ここでは、境界C1B3及び境界C2B3が最も視認し難い補正用パターン、すなわち、補正用パターンの上部において斜めの白スジ及び黒スジが見え難い補正用パターンが、最適な境界C1B3及び境界C2B3の補正用パターンとして選択される。この場合、検査者は、補正用パターン(−6)を選択するであろう。(補正用パターン(−6)よりも左側の補正用パターンでは、境界C1B3で白スジが生じ、境界C2B3で黒スジが生じている。)なお、境界C1B2に白スジや黒スジが生じていても、最適な境界C1B3及び境界C2B3の判断には何ら影響を与えない。
次に、検査者は、S122で選択された補正用パターンの番号と、S124で選択された補正用パターンの番号との中央値を算出する(S125)。この場合、S122で補正用パターン(+2)が選択され、S124で補正用パターン(−6)が選択されるので、中央値として「−2」が算出される。
この中央値は、DC成分の搬送誤差を示す値になる。なお、この中央値の番号の補正用パターン(−2)が、最適な境界の補正用パターン(+2)及び補正用パターン(−6)と異なっている理由は、AC成分の搬送誤差の影響や、ノズルのインク吐出速度の影響によるものである。言い換えると、AC成分の搬送誤差の影響や、ノズルのインク吐出速度の影響を受けても、最適な境界の補正用パターン(+2)の番号と補正用パターン(−6)の番号の中央値は、DC成分の搬送誤差を示す値になる。
この後、検査者は、算出された中央値を、プリンタに接続された検査用コンピュータに入力する。検査用コンピュータは、入力された中央値に基づいて補正値を決定(S103)し、プリンタのメモリに補正値を記録する(S104)。この補正値は、DC成分の搬送誤差を補正するためのものである。すなわち、この補正値は、目標搬送量が搬送ローラの1回転分の1.25インチのときの補正量を示すものである。
これにより、製造工場で製造されたプリンタ毎に、各プリンタに適した補正値が各プリンタのメモリに記録される。
そして、プリンタを購入したユーザーの下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、搬送ローラの1回転分の目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送処理を行う。これにより、紙が目標搬送量通りに搬送されるので、印刷画像の画質が向上する。
<比較例の検査方法>
図27は、比較例の検査手順の説明図である。比較例では、前述の検査方法のフローのS123において、右からではなく、左から順に検査を行っている(図中の丸3参照)。
ここでは、図26のときよりもAC成分の搬送誤差が若干少ないため、補正用パターンの上部の境界A1B1及び境界A2B1の判断の際に、補正用パターン(0)と補正用パターン(+2)との間で優劣の判断がつかない状態である。同様に、補正用パターンの下部の境界C1B3及び境界C2B3の判断の際に、補正用パターン(−6)と補正用パターン(−4)との間で優劣の判断がつかない状態である。
このようなときに、補正用パターンの上部の境界の判断順序の方向(図中の丸1参照)と、補正用パターンの下部の境界の判断順序の方向(図中の丸3参照)とを一致させると、選択される補正用パターンが左寄りになり、補正用パターン(0)と補正用パターン(−6)とが選択される。この結果、中央値の値が「−3」と算出され、実際のDC成分の搬送誤差に対してマイナス側に大きく評価されてしまう。
このため、本実施形態では、S121では左から順に補正用パターンの上部の境界を検査し、S123では右から順に補正用パターンの下部の境界を検査し、両者の検査順序を逆方向にしている。これにより、実際のDC成分の搬送誤差に対応する中央値を算出することができる。つまり、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い補正用パターンと、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い補正用パターンとが、DC成分の搬送誤差に対応する番号の補正用パターンを挟んで反対側になるような本実施形態の場合には、両者の境界をそれぞれ逆方向から順番に検査すれば、実際のDC成分の搬送誤差に対応する中央値を算出することができる。
===本実施形態の補正値の確認方法===
<確認処理について>
本実施形態では、補正値を決定した後、決定された補正値が実際のDC成分の搬送誤差に対応しているか否か確認するため、確認用のテストシートを印刷する。
ここで、確認方法として、決定された補正値によってDC成分の搬送誤差を補正しつつ、前述の9個の補正用パターンを形成する方法が考えられる。そして、最適な境界A1B1及び境界A2B1の補正用パターンの番号と、最適な境界C1B3及び境界C2B3の補正用パターンの番号との中央値が「0」であれば、決定された補正値が、実際のDC成分の搬送誤差に対応していることが確認できる。逆に、中央値が「0」でなければ、決定された補正値が、実際のDC成分の搬送誤差に対応していないことが確認できる。
しかし、このような確認用のテストシートでは、AC成分の搬送誤差が大きくなると、最適な境界A1B1及び境界A2B1の確認用パターンと、最適な境界C1B3及び境界C2B3の確認用パターンとが、大きく離れてしまう。そうすると、中央値が「0」であることを確認することが面倒になる。
そこで、本実施形態では、以下に説明するような確認用のテストシートを印刷する。
<確認用パターンについて>
図29は、本実施形態の確認用パターンの説明図である。
確認用パターンは、前述の補正用パターンと同様に、パターンA、パターンB及びパターンCから構成され、全体としてはほぼ長方形状である。また、確認用パターンのパターンA、パターンB及びパターンCの構成は、前述の確認用パターンのパターンA、パターンB及びパターンCの構成と同じである(図16〜図18参照)。このため、確認用パターンのパターンA、パターンB及びパターンCの構成については、説明を省略する。
前述の補正用パターンと比較して異なる点は、パターンAとパターンBとの位置関係、パターンBとパターンCとの位置関係、及びパターンAとパターンCとの位置関係である。すなわち、パターンAの形成からパターンBの形成までの紙の搬送量、パターンBの形成からパターンCの形成までの紙の搬送量、及び、パターンAの形成からパターンCの形成までの紙の搬送量が、確認用パターンと前述の補正用パターンとの間で異なる。
パターンAとパターンCとの位置関係に注目すると、前述の補正用パターンでは、各補正用パターンに応じて、パターンAとパターンCとの位置関係が異なっている。例えば、マイナスの番号の付された補正用パターンのパターンAとパターンCとの位置関係は、プラスの番号の付された補正用パターンのパターンAとパターンCとの位置関係よりも、近づいて形成されている。
一方、本実施形態の確認用パターンでは、パターンAとパターンCとの位置関係は、全ての確認用パターンにおいて共通である。具体的に言うと、パターンAの形成からパターンCの形成までに行われる搬送処理の目標搬送量は、いずれの確認用パターンにおいても、搬送ローラの1回転分に相当する目標搬送量に補正値を加えた量になっている。すなわち、適した補正値が決定されていれば、パターンAの形成からパターンCの形成までの間において、紙がぴったり1.25インチにて搬送されることになる。逆に、適した補正値が決定されていなければ、パターンAの形成からパターンCの形成までの間において、紙は1.25インチにて搬送されていないことになる。
次に、パターンAとパターンBとの位置関係、及び、パターンBとパターンCとの位置関係に注目する。前述の補正用パターンでは、パターンAとパターンBとが比較的近づいていれば、パターンBとパターンCも比較的近づいている。例えば、マイナスの番号の付された補正用パターンでは、補正用パターン(0)と比較して、パターンAとパターンBが近づいており、パターンBとパターンCも近づいている。また、前述の補正用パターンでは、パターンAとパターンBとが比較的離れていれば、パターンBとパターンCも比較的離れている。例えば、プラスの番号の付された補正用パターンでは、補正用パターン(0)と比較して、パターンAとパターンBが離れており、パターンBとパターンCも離れている。
一方、本実施形態の確認用パターンでは、パターンAの形成からパターンBの形成までの紙の搬送量が比較的多くなれば(図中のαがプラスの場合)、パターンBの形成からパターンCの形成までの紙の搬送量は少なくなる。逆に、パターンAの形成からパターンBの形成までの紙の搬送量が比較的少なくなれば(図中のαがマイナスの場合)、パターンBの形成からパターンCの形成までの紙の搬送量は多くなる。
この結果、本実施形態の確認用パターンでは、パターンAとパターンBとが比較的離れていれば、パターンBとパターンCは比較的近づいている。また、パターンAとパターンBとが比較的近づいていれば、パターンBとパターンCは比較的離れている。つまり、パターンBは、各確認用パターンにおいて一定間隔で形成されるパターンAとパターンCに対し、確認用パターンに応じて相対的に異なる位置に形成される。
<全確認用パターンの印刷方法について>
図30は、確認用のテストシートの印刷方法の説明図である。この確認用のテストシートには、前述の補正用パターンのように、9個の確認用パターンが移動方向に並んで形成されている。各確認用パターンには番号が付されている。以下の説明において、「確認用パターン(n)」とは、番号nが付された確認用パターンを意味する。但し、前述の補正用パターンとは異なり、この番号は補正値を示す値ではない。
前述の補正値決定用のテストシートの印刷(図18参照)と比較すると、確認用のテストシートの印刷では、各パス間で行われる搬送処理の目標搬送量の設定が異なっている。図中の上側の表には、前述の補正値決定用のテストシートの印刷時と異なる搬送処理の目標搬送量に対して、矢印が記されている。
パス1〜パス18では、前述の補正用パターンの印刷時と同様に、各確認用パターンのパターンAが形成される。このため、ある確認用パターンのパターンAは、その直前に形成された確認用パターンのパターンAと比較して、36/4320インチだけ搬送方向上流側に形成される。パス18の後からパス35までの間も、前述の補正用パターンの印刷時と同様の処理が行われる。
パス35とパス36との間では、前述の補正用パターンの印刷時とは異なり、目標搬送量X1の搬送処理が行われる。目標搬送量X1は、決定された補正値に応じた値に設定される。決定された補正値がマイナスであれば、前述の補正用パターンの印刷時の目標搬送量142/4320インチよりも少ない目標搬送量が設定される。一方、決定された補正値がプラスであれば、前述の補正用パターンの印刷時の目標搬送量142/4320インチよりも多い目標搬送量が設定される。
パス36〜パス53では、前述の補正用パターンの印刷時と同様に、各確認用パターンのパターンBが形成される。このため、ある確認用パターンのパターンBは、その直前に形成された確認用パターンのパターンBと比較して、38/4320インチだけ搬送方向上流側に形成される。
但し、前述のパス35とパス36との間において補正値に応じた目標搬送量の搬送が行われているため、パターンAの形成からパターンBの形成までの搬送処理では、補正値に応じた目標搬送量にて紙が搬送されている。なお、もし決定された補正値が「0」であれば、各確認用パターンのパターンAの形成からパターンBの形成までの搬送処理における目標搬送量は、前述の各補正用パターンのパターンAの形成からパターンBの形成までの搬送処理における目標搬送量と同じになる。また、もし決定された補正値が「+2」であれば、確認用パターン(0)のパターンAの形成からパターンBの形成までの搬送処理の目標搬送量は、前述の補正用パターン(+2)のパターンAの形成からパターンBの形成までの搬送処理の目標搬送量と同じになる。
パス53の後からパス70までの間、補正用パターンの印刷時と同様に、目標搬送量132/4320インチの搬送処理が繰り返し行われる。
但し、パス70とパス71との間では、前述の補正用パターンの印刷時とは異なり、目標搬送量X2の搬送処理が行われる。目標搬送量X2は、確認用パターン(−8)のパターンAの形成からの目標搬送量の合計が「搬送ローラの1回転分に相当する目標搬送量に補正値を加えた量」になるように、設定される。つまり、目標搬送量X2も、決定された補正値に応じた値に設定される。
パス71〜パス88では、各確認用パターンのパターンCが形成される。前述の補正用パターンの印刷時とは異なり、ある確認用パターンのパターンCの形成後、目標搬送量18/4320インチの搬送処理が行われ、次の確認用パターンのパターンCが形成される。このため、ある確認用パターンのパターンCは、その直前に形成された確認用パターンのパターンCと比較して、36/4320インチだけ搬送方向上流側に形成される。
ところで、ある確認用パターンのパターンAは、その直前に形成された確認用パターンのパターンAと比較して、36/4320インチだけ搬送方向上流側に形成され、ある確認用パターンのパターンCも、その直前に形成された確認用パターンのパターンCと比較して、36/4320インチだけ搬送方向上流側に形成される。このため、各確認用パターンにおいて、パターンAとパターンCとの位置関係は共通している。そして、いずれの確認用パターンにおいても、パターンAの形成からパターンCの形成までに行われる搬送処理の目標搬送量は、搬送ローラの1回転分に相当する目標搬送量に補正値を加えた量になる。
搬送ローラの1回転分に相当する目標搬送量に対する搬送誤差(DC成分の搬送誤差
は、搬送ローラの回転位置に関わらず一定である。また、搬送ローラの1回転分と比べて補正値は微小量であるので、補正値分の目標搬送量に対するAC成分の搬送誤差は、ほとんど無視できる。このため、いずれの確認用パターンにおいても、パターンAとパターンCとの位置関係は、一定になる。
<適した補正値が決定されており、AC成分の搬送誤差が無い場合>
図31は、適した補正値が決定されており、AC成分の搬送誤差が無い場合の確認用パターンの状態の説明図である。
適した補正値が決定された場合、確認用パターン(0)では、パターンAとパターンBがぴったりつながり、パターンBとパターンCもぴったりつながる。このため、確認用パターン(0)では、境界を視認することができない。
マイナスの番号の付された確認用パターンでは、パターンAに対してパターンBが搬送方向下流側にずれて形成されるので、パターンAとパターンBとの位置関係が近づく。この結果、境界A1B1は淡く視認されて白スジが生じ、境界A2B1は濃く視認されて黒スジが生じる。これに対し、パターンBに対してパターンCは搬送方向上流側にずれて形成されるので、パターンBとパターンCとの位置関係が離れる。この結果、境界C1B3は濃く視認されて黒スジが生じ、境界C2B3は淡く視認されて白スジが生じる。
プラスの番号の付された確認用パターンでは、パターンAに対してパターンBが搬送方向上流側にずれて形成されるので、パターンAとパターンBとの位置関係が離れる。この結果、境界A1B1は濃く視認されて黒スジが生じ、境界A2B1は淡く視認されて白スジが生じる。これに対し、パターンBに対してパターンCは搬送方向下流側にずれて形成されるので、パターンBとパターンCとの位置関係が近づく。この結果、境界C1B3は淡く視認されて白スジが生じ、境界C2B3は濃く視認されて黒スジが生じる。
<適した補正値が決定されており、AC成分の搬送誤差がある場合>
図32Aは、適した補正値が決定されておりAC成分の搬送誤差がある場合の確認用パターン(0)の状態の説明図である。ここでは、AC成分の搬送誤差の影響によって、パターンAの形成とパターンBの形成の間に行われる搬送処理では目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送され、パターンBとパターンCの形成の間に行われる搬送処理では目標搬送量よりも少ない搬送量にて紙が搬送されるものとする。
AC成分の搬送誤差の影響により、パターンAとパターンBとの位置関係が離れ、境界A1B1は濃く視認されて黒スジが生じ、境界A2B1は淡く視認されて白スジが生じる。一方、パターンBとパターンCとの位置関係は近づき、境界C1B3は淡く視認されて白スジが生じ、境界C2B3は濃く視認されて黒スジが生じる。つまり、この場合における確認用パターン(0)の境界は、AC成分の搬送誤差が無い場合におけるプラスの番号の付された確認用パターンの境界に近似した状態である。
図32Bは、この場合の9個の確認用パターンの状態の説明図である。
ここでは、AC成分の搬送誤差の影響によってパターンAとパターンBとの位置関係が離れているので、マイナスの番号の付された確認用パターンの白スジや黒スジが軽減される。また、AC成分の搬送誤差の影響によってパターンBとパターンCとの位置関係が近づいているので、マイナスの番号の付された確認用パターンの白スジや黒スジが軽減される。
仮に、AC成分の影響のため、パターンBがパターンA及びパターンCに対して搬送方向上流側に4/4320インチだけ位置を変化させたとする。この場合、パターンA及びパターンCに対するパターンBの相対位置が確認用パターン(0)と比べて搬送方向下流側になる確認用パターン(−4)において、境界A1B1及び境界A2B1が見え難くなる。また、この確認用パターン(−4)において、境界C1B3及び境界C2B3も見え難くなる。
このように、AC成分の搬送誤差の影響によってパターンAとパターンBとの位置関係が離れてパターンBとパターンCとの位置関係が近づくと、マイナスの番号の付された確認用パターンにおいて、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在する。また、逆に、AC成分の搬送誤差の影響によってパターンAとパターンBとの位置関係が近づいてパターンBとパターンCとの位置関係が離れると、プラスの番号の付された確認用パターンにおいて、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在する。
つまり、適した補正値が決定されていれば、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在する。
<適した補正値が決定されており、インク吐出速度に差がある場合>
図33は、適した補正値が決定されており、ノズルのインク吐出速度に差がある場合の9個の確認用パターンの状態の説明図である。ここでは、搬送方向下流側のノズル(ノズル♯1など)のインク吐出速度が搬送方向上流側のノズル(ノズル♯87など)のインク吐出速度よりも速いため、パターンAが傾斜パターンB1に対して移動方向下流側(右側)にずれ、パターンCが傾斜パターンB3に対して移動方向上流側(左側)にずれるものとする。DC成分の搬送誤差もAC成分の搬送誤差も無ければ、確認用パターン(0)の境界A1B2及び境界C1B2は、視認できない。
パターンAが傾斜パターンB1に対して移動方向下流側(右側)にずれているため、確認用パターン(0)では、境界A1B1が濃く視認されて黒スジが生じ、境界A2B1が淡く視認されて白スジが生じる。そして、マイナスの番号の付された確認用パターンではパターンAとパターンBとの位置関係が近づくので、境界A1B1の黒スジ及び境界A2B1の白スジが軽減される。ここでは、確認用パターン(−2)において、境界A1B1及び境界A2B1が最も見え難い。
また、パターンCが傾斜パターンB3に対して移動方向上流側(左側)にずれているため、確認用パターン(0)では、境界C2B3が淡く視認されて白スジが生じ、境界C2B3が濃く視認されて黒スジが生じる。そして、マイナスの番号の付された確認用パターンではパターンBとパターンCとの位置関係が離れるので、境界C1B3の白スジ及び境界C2B3の黒スジが軽減される。ここでは、確認用パターン(−2)において、境界C1B3及び境界C2B3が最も見え難い。
このように、適した補正値が決定されていれば、ノズルのインク吐出速度に差があっても、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在する。
<適した補正値が決定されなかった場合>
図34Aは、適した補正値が決定されなかった場合における9個の確認用パターンの説明図である。ここでは、適した補正値が決定されなかったため、パターンAの形成からパターンCの形成までの間において、紙は1.25インチよりも多く搬送されている。
この場合、適した補正値が決定された場合の確認用パターンと比べて、パターンAとパターンCとの位置関係が離れる。このため、パターンAとパターンBがぴったりつながる確認用パターン(−4)では、パターンBとパターンCとの位置関係が離れ、境界C1B3は濃く視認されて黒スジが生じ、境界C2B3は淡く視認されて白スジが生じる。一方、パターンBとパターンCがぴったりつながる確認用パターン(0)では、パターンAとパターンBとの位置関係が離れ、境界A1B1は濃く視認されて黒スジが生じ、境界A2B1は淡く視認されて白スジが生じる。
図34Bは、適した補正値が決定されなかった場合における9個の確認用パターンの別の説明図である。ここでは、適した補正値が決定されなかったため、パターンAの形成からパターンCの形成までの間において、紙は1.25インチよりも少なく搬送されている。
この場合、適した補正値が決定された場合の確認用パターンと比べて、パターンAとパターンCとの位置関係が近づく。このため、パターンAとパターンBがぴったりつながる確認用パターン(0)では、パターンBとパターンCとの位置関係が近づき、境界C1B3は淡く視認されて白スジが生じ、境界C2B3は濃く視認されて黒スジが生じる。一方、パターンBとパターンCがぴったりつながる確認用パターン(−4)では、パターンAとパターンBとの位置関係が離れ、境界A1B1は淡く視認されて白スジが生じ、境界A2B1は濃く視認されて黒スジが生じる。
このように、適した補正値が決定されなかった場合、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンは、存在しなくなる。
そこで、本実施形態ではこの点を利用して、確認用のテストシートの検査者は、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在するか否かを確認する。そして、そのような確認用パターンが存在すれば、適した補正値が決定されていることが確認される。また、そのような確認用パターンが存在しなければ、適した補正値が決定されなかったことが確認される。
<本実施形態の確認手順>
図35は、確認用のテストシートの確認方法のフロー図である。図36は、確認用のテストシートの確認手順の説明図である。
まず、検査者は、左の確認用パターンから順に、確認用パターンの上部(搬送方向下流側)に位置する境界A1B1及び境界A2B1を検査する(図35のS201、図36の丸1参照)。最初に検査される確認用パターン(−8)では、境界A1B1で白スジが生じており、境界A2B1で黒スジが生じている。そして、確認用パターン(−8)よりも右側の確認用パターンほど、境界A1B1の白スジや境界A2B1の黒スジが軽減されてくる。なお、確認用パターンの上部の境界の検査の際には、境界A1B2(移動方向に沿った境界)の状態は無視される。
そして、検査者は、最適な境界A1B1及び境界A2B1の確認用パターンを選択する(図35のS202、図36の丸2参照)。ここでは、境界A1B1及び境界A2B1が最も視認し難い確認用パターン、すなわち、確認用パターンの上部において斜めの白スジ及び黒スジが見え難い確認用パターンが、最適な境界A1B1及び境界A2B1の確認用パターンとして選択される。この場合、検査者は、確認用パターン(−2)を選択するであろう。(確認用パターン(−2)よりも右側の確認用パターンでは、境界A1B1で黒スジが生じ、境界A2B1で白スジが生じている。)なお、境界A1B2に白スジや黒スジが生じていても、最適な境界A1B1及び境界A2B1の判断には何ら影響を与えない。
次に、検査者は、左の確認用パターンから順に、確認用パターンの下部(搬送方向上流側)に位置する境界C1B3及び境界C2B3を検査する(図35のS203、図36の丸3参照)。最初に検査される確認用パターン(−8)では、境界C1B3で黒スジが生じており、境界C2B3で白スジが生じている。そして、確認用パターン(−8)よりも右側の確認用パターンほど、境界C1B3の黒スジや境界C2B3の白スジが軽減されてくる。なお、確認用パターンの下部の境界の検査の際には、境界C1B2(移動方向に沿った境界)の状態は無視される。
ところで、前述の補正値決定用のテストシートでは、補正用パターンの上部の境界の検査順序と、補正用パターンの下部の境界の検査順序とが逆であった(図26の丸1と丸3参照)。一方、確認用のテストシートでは、確認用パターンの上部の境界の検査順序と、確認用パターンの下部の境界の検査順序とが一致している(図36の丸1と丸3参照)。これは、両者のテストシートの目的が異なるためである。すなわち、補正値決定用のテストシートは、選択された2つのパターンの番号の中央値を算出することを目的とするのに対し、確認用のテストシートでは、上部の境界と下部の境界の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在するか否かを判断することを目的としているためである。
次に、検査者は、最適な境界C1B3及び境界C2B3の確認用パターンを選択する(図35のS204、図36の丸4参照)。ここでは、境界C1B3及び境界C2B3が最も視認し難い確認用パターン、すなわち、確認用パターンの上部において斜めの白スジ及び黒スジが見え難い確認用パターンが、最適な境界C1B3及び境界C2B3の確認用パターンとして選択される。この場合、検査者は、確認用パターン(−2)を選択するであろう。(確認用パターン(−2)よりも右側の確認用パターンでは、境界C1B3で白スジが生じ、境界C2B3で黒スジが生じている。)なお、境界C1B2に白スジや黒スジが生じていても、最適な境界C1B3及び境界C2B3の判断には何ら影響を与えない。
次に、検査者は、S202で選択された確認用パターンの番号と、S204で選択された確認用パターンの番号との差の絶対値を算出する(図35のS205、図36の丸5参照)。この場合、S122で確認用パターン(−2)が選択され、S124で確認用パターン(−2)が選択されるので、差の絶対値として「0」が算出される。
次に、検査者は、S205で算出した「差の絶対値」が所定値以下(例えば1以下)であるか否かを判断する(S206)。「差の絶対値」が所定値以下であれば(S205でYES)、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在していると考えて良いので、適当な補正値が決定されていると判断する(S207)。一方、「差の絶対値」が所定値以下でなければ(S205でNO)、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在してないと考えて良いので、不適当な補正値が決定されていると判断する(S208)。
なお、適した補正値が決定されなかったことが確認された場合、再度、補正値を決定するためのテストシートを作成し、新たに補正値を決定する。若しくは、図34Aに示すように、上部の境界が見え難くなる確認用パターンが、下部の境界が見え難くなる確認用パターンよりも左側にある場合、紙が1.25インチよりも多く搬送されていることが想定されるので、補正後の目標搬送量が少なくなるように、新たに補正値を設定しても良い。逆に、図34Bに示すように、上部の境界が見え難くなる確認用パターンが、下部の境界が見え難くなる確認用パターンよりも右側にある場合、紙が1.25インチよりも少なく搬送されていることが想定されるので、補正後の目標搬送量が多くなるように、新たに補正値を設定しても良い。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<境界の検査について>
前述の実施形態では、補正用パターンの各境界の検査を、プリンタ製造工場の検査工程の検査者が行っている。しかし、プリンタを購入したユーザーが、プリンタにテストシートを印刷させて、補正用パターンの各境界の検査を行っても良い。
なお、人間が補正用パターンの各境界の検査を行うのではなく、センサを用いても良い。例えば、テストシートをスキャナで読み取っても良い。また、プリンタのキャリッジ31に設けられている光学センサ54を用いて、コントローラ60がテストシートの検査を行っても良い。
なお、確認用パターンの検査についても同様である。
<補正用パターンの形状について1>
前述の実施形態では、傾斜パターンB1と傾斜パターンB3は、パターンBとして一体的に形成されていた。しかし、このような補正用パターンに限られるものではない。例えば、長方形パターンB2を形成せず、傾斜パターンB1と傾斜パターンB3とを分離して形成しても良い。
なお、確認用パターンの形状についても同様である。
<補正用パターンの形状について2>
前述の実施形態では、パターンAとパターンBとの間に、2つの境界(境界A1B1及び境界A2B1)が形成され、2つの境界において、2つのパターンの搬送方向上流・下流の関係が逆になっている。
しかし、これに限られるものではない。例えば、パターンAの逆台形パターンA2をなくして、パターンAとパターンBとの間の境界を1つにしても良い。また、パターンCの台形パターンC2をなくして、パターンBとパターンCとの間の境界を1つにしても良い。
このような場合であっても、2つのパターンの間の位置関係が変化したときに、白スジ又は黒スジの一方は発生するので、これに基づいて境界の状態を検査できる。
なお、確認用パターンの形状についても同様である。
<補正用パターンの形状について3>
前述の実施形態では、パターンAとパターンBの境界が搬送方向及び移動方向と交差する方向になっていた。しかし、このような補正用パターンに限られるものではない。
図28Aは、別の実施形態の補正用パターンの説明図である。
この補正用パターンのパターンAは、ノズル♯76〜ノズル♯87によって2回のパスにより形成され、160/360インチの24本のラスタラインから構成される。パターンBは、前述の長方形パターンB2と同様に、ノズル♯13〜ノズル♯75によって2回のパスにより形成され、124本のラスタラインから構成される。パターンCは、ノズル♯1〜ノズル♯12によって2回のパスにより形成され、160/360インチの24本のラスタラインから構成される。
この補正用パターンでは、搬送方向上流側のノズルによって形成されたパターンAと、搬送方向下流側のノズルによって形成されたパターンBとの上部との間で、境界が形成される。また、この補正用パターンでは、搬送方向上流側のノズルによって形成されたパターンBの下部と、搬送方向下流側のノズルによって形成されたパターンCとの間で、境界が形成される。
図28Bは、この実施形態の9個の補正用パターンの説明図である。各補正用パターンのパターンAとパターンCとの間隔は、補正用パターンの番号に応じて異なっている。また、パターンBの搬送方向の位置は、AC成分の搬送誤差によって、上下することになる。
このような補正用パターンであっても、パターンAとパターンBとの間の境界が最適な補正用パターンを選択し、パターンBとパターンCとの間の境界が最適な補正用パターンを選択し、選択された補正用パターンの番号の中間値を算出すれば、その中間値はDC成分の搬送誤差を示す値になる。なお、この場合、補正用パターン(−4)と補正用パターン(0)が選択されて、中間値が「−2」と算出され、この値に応じた補正値がプリンタのメモリに記憶されることになる。
なお、確認用パターンの形状についても同様である。但し、確認用パターンの場合、補正用パターンとは異なり、パターンAの形成からパターンBの形成までの紙の搬送量が比較的多くなれば、パターンBの形成からパターンCの形成までの紙の搬送量は少なくなる。逆に、パターンAの形成からパターンBの形成までの紙の搬送量が比較的少なくなれば、パターンBの形成からパターンCの形成までの紙の搬送量は多くなる。言い換えると、確認用パターンでは、パターンAとパターンBとが比較的離れていれば、パターンBとパターンCは比較的近づいている。また、パターンAとパターンBとが比較的近づいていれば、パターンBとパターンCは比較的離れている。
===まとめ===
(1)前述の実施形態では、目標搬送量の通りに紙が搬送されているか否かを確認するため、9個の確認用パターンが形成されたテストシートが印刷される。この確認用のテストシートを印刷する際に、プリンタのコントローラ60は、まず、紙(媒体の一例)を搬送方向の所定の位置に搬送して、搬送方向上流側のノズル♯76〜ノズル♯87によってパターンA(第1パターンの一例)を形成する(図29、図30参照)。次に、コントローラ60は、ノズル列の搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて紙を搬送方向に搬送する(図29、図30参照)。なお、このときの目標搬送量は、確認用パターンによってそれぞれ異なる。そして、コントローラ60は、搬送方向下流側のノズル♯1〜ノズル♯12によってパターンAと境界を形成する傾斜パターンB1を形成するとともに、搬送方向上流側のノズル♯76〜ノズル♯87によって傾斜パターンB3を形成することにより、パターンBを形成する(図29、図30参照)。この後、コントローラ60は、ノズル列の搬送方向の長さよりも短い目標搬送量にて紙を搬送方向に搬送する(図29、図30参照)。なお、このときの目標搬送量も、確認用パターンによってそれぞれ異なる。そして、コントローラ60は、搬送方向下流側のノズル♯1〜ノズル♯12によって傾斜パターンB3と境界を形成するパターンCを形成する(図29、図30参照)。なお、確認用パターンを構成するパターンA、パターンB及びパターンCの各形状は、補正用パターンを構成するパターンA、パターンB及びパターンCとそれぞれ同じである。
ところで、補正値決定用のテストシートでは、パターンAの形成からパターンCの形成までの搬送処理の目標搬送量は、補正用パターン毎に異なっている。このため、パターンAとパターンCとの間隔は、補正用パターン毎に異なっている。例えば、マイナスの番号の付された補正用パターンではパターンAとパターンCとの間隔は比較的近くなり、プラスの番号の付された補正用パターンではパターンAとパターンCとの間隔は比較的離れている。また、補正用パターンでは、パターンAの形成からパターンBの形成までの搬送処理の目標搬送量と、パターンBの形成からパターンCの形成までの搬送処理の目標搬送量は、同じである。この結果、補正用パターンでは、パターンAとパターンBとの位置関係が、左から順に徐々に離れ、パターンBとパターンCとの位置関係も、左から順に徐々に離れている。
もし確認用パターンを補正用パターンと同じに形成したとすると、検査者は、「最適な境界A1B1及び境界A2B1の補正用パターンの番号と、最適な境界C1B3及び境界C2B3の補正用パターンの番号との中央値が『0』であること」を確認することによって、適した補正値が決定されているか否かを確認することになる。
しかし、このような確認用のテストシートでは、AC成分の搬送誤差が大きくなると、最適な境界A1B1及び境界A2B1の確認用パターンと、最適な境界C1B3及び境界C2B3の確認用パターンとが、大きく離れてしまう。そうすると、中央値が「0」であることを確認することが面倒になる。
そこで、本実施形態では、確認用のテストシートの印刷の際に、パターンAの形成からパターンCの形成までの搬送処理の目標搬送量を、各確認用パターンにおいて同じにしている。これにより、各確認用パターンにおいて、パターンAとパターンCとの間隔が同じになる。また、本実施形態では、パターンAの形成からパターンB(傾斜パターンB1及び傾斜パターンB3)の形成までの搬送処理の目標搬送量を、確認用パターン毎に異ならせている。
このように作成された確認用のテストシートによれば、適した補正値によって目標搬送量が補正されていた場合、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在する。また、仮に確認のテストシートの印刷の際にAC成分の搬送誤差が生じても、上部の境界(境界A1B1及び境界A2B1)及び下部の境界(境界C1B3及び境界C2B3)の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在する。
このため、確認用のテストシートの検査者は、同じ確認用パターンにおける2つの境界の状態を確認するだけでよいので、確認作業が容易になる。
(2)前述の実施形態によれば、確認用のテストシートにおいて、パターンAが形成されてからパターンCが形成されるまでの間の紙の搬送量(約1.25インチ)が、ノズル列の搬送方向の長さ(約0.75インチ)よりも長い。このような場合、パターンAとパターンCとの間に境界を形成することができず、図10に示すような確認用パターンでは、パターンAとパターンCとの間隔を判定することができない。一方、本実施形態によれば、間接的にパターンAとパターンCとの位置関係を判定することが可能になる。
(3)前述の実施形態では、確認用パターンのパターンAを形成するノズルと、傾斜パターンB3を形成するノズルは、ともにノズル♯76〜ノズル♯87である。また、前述の実施形態では、確認用パターンの傾斜パターンB1を形成するノズルと、パターンCを形成するノズルは、ともにノズル♯1〜ノズル♯12である。これにより、パターンAとパターンBの境界と、パターンBとパターンCの境界を、ほぼ同様な形状に形成することが可能になる。
但し、これに限られるものではない。例えば、パターンAを形成するノズルをノズル♯76〜ノズル♯87とし、傾斜パターンB3を形成するノズルをノズル♯76〜ノズル♯90としても良い。しかし、この場合、境界A1B1及び境界A2B1の視認性と、境界C1B3及び境界C2B3の視認性とが異なることになる。一方、本実施形態において2つの境界の状態を検査して両境界が見え難くなる確認用パターンが存在するか否かを判断することを考慮すると、2つの境界の視認性は均等であることが望ましい。
(4)前述の実施形態では、確認用パターンのパターンAとパターンBの境界及びパターンBとパターンCの境界は、ともに移動方向と交差する方向に形成されている(図29参照)。これにより、ラスタラインの搬送方向の位置にばらつきが生じて、各パターンの内部でラスタライン同士の間隔が若干異なることがあっても、境界における黒スジや白スジの存在の判断を安定して行うことができる。
但し、例えば図28に示すように、境界が移動方向に沿っていても良い。このような場合であっても、パターンAとパターンBとの間に境界が形成され、パターンBとパターンCとの間に境界が形成されるので、2つの境界の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在するか否かを判断することができる。しかし、この場合、各パターンを構成するラスタラインの間隔にばらつきが生じると、各パターンの内部で白スジや黒スジのように見える場所が生じるため、境界において黒スジや白スジの存在を判断することが困難になる。
(5)前述の実施形態では、確認用パターンの境界A1B1及び境界A2B1の方向と、境界C1B3及び境界C2B3の方向が、交差している(図29参照)。これにより、搬送方向上流側のノズルと、搬送方向下流側のノズルとの間でインク吐出速度に差があっても、2つの境界の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在すれば、DC成分の搬送誤差に対して適した補正値が決定されていることを確認できる。
但し、例えば図24A及び図24Bに示すように、確認用パターンのパターンAとパターンBの境界の方向と、パターンBとパターンCの境界の方向とが平行であっても良い。このような場合であっても、搬送方向上流側のノズルと、搬送方向下流側のノズルとの間でインク吐出速度に差がなければ、DC成分の搬送誤差に対して適した補正値が決定されているか否かを確認できる。
(6)前述の実施形態では、まず補正値決定用のテストシートが印刷され、このテストシートに基づいて補正値が決定される。そして、この補正値に基づいて目標搬送量を補正し、補正された目標搬送量に基づいて確認用パターンが形成される(図29、図30の搬送量X1・X2参照)。これにより、決定された補正値がDC成分の搬送誤差に対して適しているか否かを確認することができる。
但し、確認用のテストシートは、補正値を決定した後に印刷されなくても良い。例えば、プリンタを製造した後、補正値決定用のテストシートを印刷せずに(補正値の決定前に)、確認用のテストシートを印刷しても良い。このような場合であっても、2つの境界の両方とも見え難くなる確認用パターンが存在するか否かに基づいて、目標搬送量の通りに紙が搬送されているか否かを確認することができる。
(7)前述の補正値決定用のテストシートには、確認用パターンと同じようなパターンA〜パターンCを有する複数の補正用パターンが形成される。これにより、補正用パターンにおいて検査者が検査すべき部分と、確認用パターンにおいて検査者が検査すべき部分を同じにできるので、検査し易くなる。
但し、これに限られるものではない。例えば、補正値決定用のテストシートとして図28に示すような補正用パターンを形成し、確認用のテストシートでは図29に示すような確認用パターンを形成しても良い。
(8)前述の補正値決定用のテストシートの印刷の際にも、確認用のテストシートの印刷と同様な印刷処理が行われている。すなわち、プリンタのコントローラ60は、まず、紙(媒体の一例)を搬送方向の所定の位置に搬送して、搬送方向上流側のノズル♯76〜ノズル♯87によってパターンA(第1パターンの一例)を形成する(図10B、図14、図15、図18参照)。次に、コントローラ60は、ノズル列の搬送方向の長さよりも短い約0.625インチ相当の目標搬送量にて紙を搬送方向に搬送する(図10B、図14、図18参照)。なお、このときの目標搬送量は、補正用パターンによってそれぞれ異なる。そして、コントローラ60は、搬送方向下流側のノズル♯1〜ノズル♯12によってパターンAと境界を形成する傾斜パターンB1を形成するとともに、搬送方向上流側のノズル♯76〜ノズル♯87によって傾斜パターンB3を形成することにより、パターンBを形成する(図10B、図14、図16、図18参照)。この後、コントローラ60は、パターンAを形成してからの総搬送量が約1.25インチになるように、ノズル列の搬送方向の長さよりも短い約0.625インチ相当の目標搬送量にて紙を搬送方向に搬送する(図10B、図14、図18参照)。そして、コントローラ60は、搬送方向下流側のノズル♯1〜ノズル♯12によって傾斜パターンB3と境界を形成するパターンCを形成する(図10B、図14、図17、図18参照)。
このような補正値決定用のテストシートによれば、検査者は、ノズル列の搬送方向の長さよりも長い目標搬送量(搬送ローラの1回転分に相当する目標搬送量)にて紙を搬送したときに生じる搬送誤差を検出することができる(図19、図20B参照)。また、補正値決定用のテストシートによれば、検査者は、ノズル列の搬送方向の長さよりも長い目標搬送量(搬送ローラの1回転分に相当する目標搬送量)を補正するための補正値を決定することができる。
(9)なお、前述の実施形態の全ての構成要素を含めば、全ての効果を奏することができるので、望ましい。但し、前述の実施形態の全ての構成要素がなくても、確認作業を容易にすることはできる。
(10)前述の実施形態では、プリンタ製造工場の検査工程において、プリンタと検査用コンピュータとが接続され、プリンタにより確認用のテストシートが印刷され、検査者は確認用のテストシートを検査している。但し、検査用コンピュータにプリンタを接続せずにプリンタ単体で確認用のテストシートを印刷できるのであれば、必ずしもプリンタを検査用コンピュータに接続する必要はない。また、確認結果を検査用コンピュータに入力しても、プリンタに直接入力しても、どちらでも良い。
また、プリンタ製造工場でテストシートを印刷するのではなく、プリンタを購入したユーザー下でテストシートが印刷され、補正値が決定されても良い。
(11)なお、前述のテストシート自体も、確認作業を容易にするという効果を奏するものである。
印刷システムの全体構成の説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。 印刷時の処理のフロー図である。 搬送ユニット20の構成の説明図である。 AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。 搬送誤差を補正するための補正値の設定処理のフロー図である。 参考例のテストシートの印刷の説明図である。 ヘッドのノズル配置の説明図である。 図10Aは、ヘッド長さがローラ周面長さよりも短いことによる問題の説明図である。図10Bは、この問題に対する本実施形態の対策の説明図である。 図11Aは、各パターン形成時のAC成分の搬送誤差の説明図である。図11Bは、AC成分の搬送誤差によるパターンBの形成位置の影響の説明図である。 図12A及び図12Bは、2つのブロックパターンの境界付近の説明図である。図12C及び図12Dは、ラスタラインの間隔にばらつきが生じたときの境界付近の説明図である。図12E及び図12Fは、本実施形態の対策の説明図である。 本実施形態のテストシートの説明図である。 本実施形態の補正用パターンの説明図である。 パターンAの印刷方法の説明図である。 パターンBの印刷方法の説明図である。 パターンCの印刷方法の説明図である。 テストシートの印刷方法の説明図である。 搬送誤差がDC成分及びAC成分とも無い場合の補正用パターンの状態の説明図である。 図20Aは、目標搬送量よりも多い搬送量にて紙が搬送される場合の補正用パターン(0)の状態の説明図である。図20Bは、この場合の9個の補正用パターンの状態の説明図である。 図21Aは、AC成分の誤差が生じた場合の補正用パターン(0)の状態の説明図である。図21Bは、この場合の9個の補正用パターンの状態の説明図である。 各ノズルのインク吐出速度Vmの説明図である。 図23Aは、インク吐出速度Vmが異なる場合の補正用パターン(0)の状態の説明図である。図23Bは、この場合の9個の補正用パターンの状態の説明図である。 図24Aは、比較例の補正用パターンの説明図である。図24Bは、比較例の9個の補正用パターンの状態の説明図である。 テストシートの検査方法のフロー図である。 テストシートの検査手順の説明図である。 比較例の検査手順の説明図である。 図28Aは、別の実施形態の補正用パターンの説明図である。図28Bは、この実施形態の9個の補正用パターンの説明図である。 本実施形態の確認用パターンの説明図である。 確認用のテストシートの印刷方法の説明図である。 適した補正値が決定されており、AC成分の搬送誤差が無い場合の確認用パターンの状態の説明図である。 図32Aは、適した補正値が決定されておりAC成分の搬送誤差がある場合の確認用パターン(0)の状態の説明図である。図32Bは、この場合の9個の確認用パターンの状態の説明図である。 適した補正値が決定されており、ノズルのインク吐出速度に差がある場合の9個の確認用パターンの状態の説明図である。 図34Aは、適した補正値が決定されなかった場合における9個の確認用パターンの説明図である。図34Bは、適した補正値が決定されなかった場合における9個の確認用パターンの別の説明図である。 確認用のテストシートの確認方法のフロー図である。 確認用のテストシートの確認手順の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニアエンコーダ、52 ロータリーエンコーダ、
521 スケール、 522 検出部、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路
100 印刷システム、110 コンピュータ、
120 表示装置、130 入力装置、140 記録再生装置、
A1 台形パターン、A2 逆台形パターン、
B1 傾斜パターン、B2 長方形パターン、B3 傾斜パターン、
C1 逆台形パターン、C2 台形パターン

Claims (19)

  1. 印刷をおこなう媒体を搬送ローラで搬送し、搬送方向に複数のノズルを有し前記搬送方向に交差する方向に移動するノズル列からインクを吐出して所定パターンを印刷し、1回転の周面の長さの方がノズル列の搬送方向の長さより長い前記搬送ローラによる搬送誤差補正を確認する方法であって、
    前記搬送ローラの任意の回転位置で前記ノズル列の前記搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第1パターンを前記媒体に形成し、
    前記搬送ローラを前記回転位置から1回転以下で回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルからのインク吐出によって前記媒体の前記第1パターンと境界を形成するように第2パターンを形成するとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第3パターンを前記媒体に形成し、
    前記搬送ローラを前記回転位置からほぼ1回転分回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成するように第4パターンを前記媒体に形成することにより、
    前記第1、第2、第3及び第4パターンを備えた搬送誤差補正の確認用パターンを形成するようにして、
    前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角を異ならせ、前記第1パターンを形成する回転位置から前記第4パターンを形成する回転位置までの回転角を等しくした、複数の搬送誤差補正の確認用パターンを形成し、
    前記複数の確認用パターンにおける前記第1パターンと前記第2パターン及び前記第3パターンと前記第4パターンの境界の状態により前記搬送ローラによる媒体の搬送誤差補正を確認することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法。
  2. 請求項1に記載の搬送誤差補正の確認方法であって、
    前記第1パターンを形成してから前記第2パターンを形成するまでに行われる前記媒体の搬送量は、前記搬送ローラのほぼ半回転分に相当することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法。
  3. 請求項1又は2に記載の搬送誤差補正の確認方法であって、
    前記第1パターンを形成するノズルで前記第3パターンを形成し、
    前記第2パターンを形成するノズルで前記第4パターンを形成することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法。
  4. 請求項1に記載の搬送誤差補正の確認方法であって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界が前記搬送方向及び移動方向と交差する方向となるように形成することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法。
  5. 請求項4に記載の搬送誤差補正の確認方法であって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界は、前記境界同士が交差する方向となるように形成することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法。
  6. 請求項1に記載の搬送誤差補正の確認方法であって、
    複数の確認用パターンを、前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角の大小順に、前記移動方向に並べて形成し、
    前記第1パターンと前記第2パターンとの境界の状態に基づいて前記第1の確認用パターンを選択する際の確認方向と、
    前記第3パターンと前記第4パターンとの境界の状態に基づいて前記第2の確認用パターンを選択する際の確認方向とを同じ方向とし、
    前記第1の確認用パターンと前期第2の確認用パターンとが所定以下の範囲で近接していれば搬送誤差補正が適当であると確認することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法。
  7. 請求項1に記載の搬送誤差補正の確認方法であって、
    複数の確認用パターンを、前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角の大小順に、前記移動方向に並べて形成し、
    前記第1パターンと前記第2パターンとの境界の状態に基づいて前記第1の確認用パターンを選択する際の確認方向と、
    前記第3パターンと前記第4パターンとの境界の状態に基づいて前記第2の確認用パターンを選択する際の確認方向とを逆方向とし、
    前記第1の確認用パターンと前期第2の確認用パターンとが一致ないし所定以下の範囲で近接していれば搬送誤差補正が適当であると確認することを特徴とする搬送誤差補正の確認方法。
  8. 印刷をおこなう媒体を搬送ローラで搬送し、搬送方向に複数のノズルを有し前記搬送方向に交差する方向に移動するノズル列からインクを吐出して所定パターンを印刷し、1回転の周面の長さの方がノズル列の搬送方向の長さより長い前記搬送ローラによる搬送誤差補正を確認する印刷方法であって、
    前記搬送ローラの任意の回転位置で前記ノズル列の前記搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第1パターンを前記媒体に形成し、
    前記搬送ローラを前記回転位置から1回転以下で回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルからのインク吐出によって前記媒体の前記第1パターンと境界を形成するように第2パターンを形成するとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第3パターンを前記媒体に形成し、
    前記搬送ローラを前記回転位置からほぼ1回転分回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成するように第4パターンを前記媒体に形成することにより、
    前記第1、第2、第3及び第4パターンを備えた搬送誤差の検出用パターンを形成するようにして、
    前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角を異ならせ、前記第1パターンを形成する回転位置から前記第4パターンを形成する回転位置までの回転角を等しくした複数の搬送誤差補正の確認用パターンを形成し、
    前記確認用パターンにおける前記第1パターンと前記第2パターン及び前記第3パターンと前記第4パターンの境界の状態により前記搬送ローラによる搬送誤差補正を確認することを特徴とする印刷方法。
  9. 請求項8に記載の印刷方法であって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界が前記搬送方向及び移動方向と交差する方向となるように形成することを特徴とする印刷方法。
  10. 請求項9に記載の印刷方法であって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界は、前記境界同士が交差する方向となるように形成することを特徴とする印刷方法。
  11. 印刷をおこなう媒体を搬送する搬送ローラを有する搬送ユニットと、前記搬送方向に並び前記搬送方向に交差する方向に移動する複数のノズル列と、前記ノズル列からインクを吐出させる制御をおこなうコントローラとを備え、前記搬送ローラの1回転の周面の長さの方がノズル列の搬送方向の長さより長い印刷システムであって、
    前記コントローラは、
    前記搬送ローラの任意の回転位置で前記ノズル列の前記搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第1パターンを前記媒体に形成させ、
    前記搬送ローラを前記回転位置から1回転以下で回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルからのインク吐出によって前記媒体の前記第1パターンと境界を形成するように第2パターンを形成させるとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第3パターンを前記媒体に形成させ、
    前記搬送ローラを前記回転位置からほぼ1回転分回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成するように第4パターンを前記媒体に形成させることにより、
    前記第1、第2、第3及び第4パターンを備えた搬送誤差補正の確認用パターンを形成させるようにして、
    前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角を異ならせ、前記第1パターンを形成する回転位置から前記第4パターンを形成する回転位置までの回転角を等しくした、複数の搬送誤差補正の確認用パターンを形成させるように
    前記搬送ローラと前記ノズル列を制御することを特徴とする印刷システム。
  12. 請求項11に記載の印刷システムであって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界が前記搬送方向及び移動方向と交差する方向となるように形成させることを特徴とする印刷システム。
  13. 請求項12に記載の印刷システムであって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界は、前記境界同士が交差する方向となるように形成させることを特徴とする印刷システム。
  14. 印刷をおこなうテストシートを搬送ローラで搬送し、搬送方向に複数のノズルを有し前記搬送方向に交差する方向に移動するノズル列からインクを吐出して所定パターンを印刷することにより、1回転の周面の長さの方がノズル列の搬送方向の長さより長い前記搬送ローラによる搬送誤差補正を確認するためのテストシートの製造方法であって、
    前記搬送ローラの任意の回転位置で前記ノズル列の前記搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第1パターンを前記テストシートに形成し、
    前記搬送ローラを前記回転位置から1回転以下で回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルからのインク吐出によって前記テストシートの前記第1パターンと境界を形成するように第2パターンを形成するとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第3パターンを前記テストシートに形成し、
    前記搬送ローラを前記回転位置からほぼ1回転分回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成するように第4パターンを前記テストシートに形成することにより、
    前記第1、第2、第3及び第4パターンを備えた搬送誤差補正の確認用パターンを形成するようにして、
    前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角を異ならせ、前記第1パターンを形成する回転位置から前記第4パターンを形成する回転位置までの回転角を等しくした、複数の搬送誤差補正の確認用パターンを形成することを特徴とするテストシートの製造方法。
  15. 請求項14に記載のテストシートの製造方法であって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界が前記搬送方向及び移動方向と交差する方向となるように形成することを特徴とするテストシートの製造方法。
  16. 請求項15に記載のテストシートの製造方法であって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界は、前記境界同士が交差する方向となるように形成することを特徴とするテストシートの製造方法。
  17. 搬送ローラで搬送され、搬送方向に複数のノズルを有し前記搬送方向に交差する方向に移動するノズル列からインクが吐出されることにより所定パターンが印刷され、1回転の周面の長さの方がノズル列の搬送方向の長さより長い前記搬送ローラによる搬送誤差補正の確認に使用されるテストシートであって、
    前記搬送ローラの任意の回転位置で前記ノズル列の前記搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第1パターンが形成され、
    前記搬送ローラを前記回転位置から1回転以下で回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルからのインク吐出によって前記第1パターンと境界を形成するように第2パターンが形成されるとともに、前記ノズル列の搬送方向上流側のノズルからのインク吐出によって第3パターンが形成され、
    前記搬送ローラを前記回転位置からほぼ1回転分回転した位置で前記ノズル列の搬送方向下流側のノズルによって前記第3パターンと境界を形成するように第4パターンが形成されることにより、
    前記第1、第2、第3及び第4パターンを備えた搬送誤差補正の確認用パターンが形成されるようにして、
    前記搬送ローラの前記第1パターンを形成する回転位置から前記第2パターンを形成する回転位置までの回転角を異ならせ、前記第1パターンを形成する回転位置から前記第4パターンを形成する回転位置までの回転角を等しくした、複数の搬送誤差補正の確認用パターンが形成されていることを特徴とするテストシート。
  18. 請求項17に記載のテストシートであって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界が前記搬送方向及び移動方向と交差する方向となるように形成されることを特徴とするテストシート。
  19. 請求項18に記載のテストシートであって、
    前記確認用パターンは前記第1パターンと前記第2パターンとの境界及び前記第3パターンと前記第4パターンとの境界は、前記境界同士が交差する方向となるように形成されることを特徴とするテストシート。
JP2005259505A 2005-09-07 2005-09-07 搬送誤差補正の確認方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート Expired - Fee Related JP4862326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005259505A JP4862326B2 (ja) 2005-09-07 2005-09-07 搬送誤差補正の確認方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005259505A JP4862326B2 (ja) 2005-09-07 2005-09-07 搬送誤差補正の確認方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007069479A JP2007069479A (ja) 2007-03-22
JP4862326B2 true JP4862326B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=37931360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005259505A Expired - Fee Related JP4862326B2 (ja) 2005-09-07 2005-09-07 搬送誤差補正の確認方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4862326B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6651889B2 (ja) * 2016-02-16 2020-02-19 ブラザー工業株式会社 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、誤差算出方法、及びプログラム
JP6929660B2 (ja) * 2017-02-27 2021-09-01 キヤノン株式会社 記録装置及び記録媒体の搬送量の決定方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3982211B2 (ja) * 2001-07-12 2007-09-26 セイコーエプソン株式会社 プリンタにおける紙送り誤差の補正
JP2003039793A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Fuji Xerox Co Ltd 記録位置調整用パターンの形成方法、画像記録位置調整方法、記録位置調整用パターン形成装置及び画像記録装置
JP3835306B2 (ja) * 2002-02-21 2006-10-18 セイコーエプソン株式会社 印刷装置、搬送量補正用パターン、コンピュータプログラム、コンピュータシステム、及び、印刷方法
JP4553116B2 (ja) * 2004-03-30 2010-09-29 セイコーエプソン株式会社 記録制御データ送出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007069479A (ja) 2007-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7549721B2 (en) Printing method, printing system and method for determining correction value
JP5067017B2 (ja) システム、プリンター、及びプリンターにおいて実行される方法。
JP5084333B2 (ja) 記録装置および搬送誤差補正値取得方法
JP4894881B2 (ja) 液体吐出装置
EP2105309B1 (en) Image forming apparatus and recording head adjusting method
JP4432943B2 (ja) ライン位置算出方法及び補正値取得方法
JP2008260170A (ja) 記録装置および搬送制御方法
JP2009083130A (ja) 液体吐出装置、及び、搬送方法
JP4857663B2 (ja) 搬送誤差の検査方法、搬送誤差の補正値の決定方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート
JP4862326B2 (ja) 搬送誤差補正の確認方法、印刷方法、印刷システム、テストシートの製造方法及びテストシート
JP4857664B2 (ja) 搬送誤差の検査方法
WO2017047446A1 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP4857665B2 (ja) 搬送誤差の検査方法
JP4329459B2 (ja) 液体吐出装置
JP4967816B2 (ja) 搬送方法及び記録装置
JP4900042B2 (ja) 記録方法
JP5235323B2 (ja) 記録装置および記録制御方法
US20230286308A1 (en) Print control
JP4345790B2 (ja) 媒体搬送装置、及び、搬送量の補正方法
JP4329458B2 (ja) 液体吐出装置
JP2008302659A (ja) インクジェット記録装置および搬送制御方法
JP2009143136A (ja) 液体吐出装置、及び、補正用パターン形成方法
JP2012152948A (ja) 補正値の決定方法、流体噴射装置の製造方法、及び、テストシート
JP2008023787A (ja) 印刷方法
JP2008012696A (ja) 記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111024

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4862326

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees