JP2017042821A - 金属管の挿し口突部の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】挿し口1を受口2に挿し込み、その挿し口先端の突部6がロックリング4に係止することによって、挿し口が受口から離脱することを阻止する離脱防止機能を発揮する、遠心鋳造法により製造される金属管Pである。遠心鋳造された直部と同一内外径の挿し口端部外周に、前記突部に対応する形状の凹部53を有してその凹部から直部側がその直部外径と同一の内径の外型51を当てがい、その外型が当てがわれた挿し口端部の内周に内型52を当てがい、その内外の型51、52で、挿し口端部を鍛造して前記突部6を有する挿し口先端部を形成する。このとき、直部よりも挿し口端部側を肉厚に鋳造し、内型はその周方向で複数に分割し、その分割片52cを管Pの半径方向に押圧杆54でもって移動させて内外の型による挿し口端部の鍛造を行う。
【選択図】図5
Description
その鋳鉄管において、その継手部に離脱防止機能や伸縮機能を備えた耐震管と称されるものがあり、その種類として、GX形、S形、US形、NS形、S50形等があり、これらの継手部は、受口に対し挿し口を離脱防止、それに加えて所要範囲において伸縮可能(抜き差し可能)としたものである。
また、図16の方法は、挿し口1の外周面の変形と同様に、管内面側も湾曲し(変形し)、管内面が全長に亘って真っ直ぐにならない場合がある。
因みに、図16の外型35は、特許文献4段落0023第5〜6行に記載のように「膨出部(突部)6の膨出量を一定にする」ものである(突部6を成形するもの(鍛造型)ではない)。
図17の方法は、切削によって突部6を形成しているため、その作業性が悪い上に、挿し口1の内面が内側に膨出しているため、その内径が他の部分(直部5)より小径となる。
この構成において、上記挿し口端部は上記直部と内外径が等しくすることが好ましく、また、上記外型の内径は凹部から直部側がその直部の外径と同一にすることが好ましい。
他の手段としては、上記内型をその周方向で複数に分割し、その分割片を金属管の半径方向に移動させて前記内外の型による挿し口端部の鍛造を行う手段を採用することができる。このとき、内型内にその軸方向に長い押圧杆を設け、その押圧杆を前記軸方向に移動させて、押圧杆外周面の前記軸方向のテーパ面でもって前記分割片を金属管の半径方向に移動させて内外の型で挿し口端部の鍛造を行う構成を採用することができる。
さらに、他の手段としては、上記内型をローラとし、そのローラで上記外型が当てがわれた挿し口端部の内周面を圧延し、前記内外の型で、前記挿し口端部を鍛造する構成を採用することができる。このとき、上記外型もローラとし、その内外のローラによって挿し口端部の圧延鍛造を行う構成を採用することもできる。
このようにすれば、挿し口の内外径が直部と同じとし得て受口に嵌め易いものとなる。
また、以上の各構成において、挿し口の先端は、必要に応じて、不要な部分を削除(切削)して突部から所要長さとしたり、先に向かって下りテーパ面としたりすることができる。そのテーパ面は、遠心鋳造時における鋳込みによって形成するようにしても良い。
この鋳鉄管Pは、従来と同様に、図12で示す遠心鋳造によって製造される。その鋳造時、図1に示すように、鋳型11の挿し口1部分への注湯量を直部5等に比べて増やすとともに、鋳型11を外から水冷したり、鋳型11内に注ぐ溶湯をシャワー水等で冷やしたりすることによって、溶湯の冷却速度を早くして、挿し口1の内側を膨らませて直部5に対して肉厚とする。
このとき、a矢印に示すように、挿し口1端面及び外型51の端面を押圧固定して、挿し口1及び外型51の移動を阻止すると共に、挿し口1の外側(図2において右側)に膨出する力を阻止することができる。このようにすると、凹部53への挿し口1の膨出(材料膨出)が助長されて突部6の形成が円滑となる。
その後、脱型し、必要に応じて、突部6の外側面や挿し口1の先端を切削して、所要の突部6の形状とするとともに、先端下りテーパ面1aとする(図3)。また、焼鈍熱処理して加工によって生じた残留応力を適宜に除去する。
なお、内型52の押圧部52aの外周面52a1は軸方向直線状(図2(a)の実線)でなくても、同図鎖線で示すように円弧状とすることができる。また、その直線状及び円弧状も直部5(挿し口1)の内径Rと同一径で引き出し杆52b側に一定距離延びた後、円弧状又は直線テーパ状とし得る。前記一定距離は、引き抜き力と挿し口1部分の塑性変形度合いを考慮して適宜に設定する。
その後、脱型し、必要に応じて、突部6の外側面や挿し口1の先端を切削して、所要の突部6の形状とするとともに、先端下りテーパ面1aとする(図3)。
また、挿し口1の管厚が薄肉化しても良い場合は、図4(b)に示すように、上記の肉厚とせずに、従来と同様に、挿し口1を直部5と同一肉厚とし、外周面が円弧状に膨らんだ内型52でもって鍛造するようにすることができる。
内型62はその周方向に複数に分割されているとともに、その各分割片62a、62bの分割面が内型62の軸方向に向かって周方向に傾斜するテーパ面62cとなっており、その対向するテーパ面62c、62cの間隔が狭くなる方向が同一の一方(図7において、隣接するテーパ面62c、62cが左方向に向かって近づいているテーパ面62c)の分割片62aの群と他方(同隣接するテーパ面62cが右方向に向かって近づいているテーパ面62c)の分割片62bの群とに分けられている。
内型用押し具63a、63bは、円環状本体の側面に歯63’を設けたものであり、その歯63’の数は内型62の分割数に対応させ、この実施形態では4本としている。
この状態において、一方の押し具63aを固定し、図7各図矢印Fで示すように、他方の押し具63bを押し込むと、図7(a)→同図(b)→同図(c)に示すように、各分割片62a、62bがテーパ状分割面62cを介して挿し口1の半径方向に拡がり(移動し)、それに伴って肉厚の挿し口1部分の外面が凹部53内に塑性変形して突部6が形成される(図7(c))。その分割片62a、62bの拡径の際、隣接する分割片62aと62bとの間には図5(b)に示す間隙tは生じない。
突部6の鍛造後、脱型し、同様に、必要に応じて、突部6の外側面や挿し口1の先端を切削して、所要の突部6の形状とするとともに、先端下りテーパ面1aとする(図3)。
この圧延によって、図9Bに示すように、肉厚の挿し口1部分の外面が凹部53内に塑性変形して突部6が形成される。
この実施形態において、図10Aに示すように、外型51も円柱(円筒)状ローラ71とし、両ローラ71、72で挿し口1を圧延し、図10Bに示すように、肉厚の挿し口1部分の外面を凹部53内に塑性変形して突部6を形成することもできる。
さらに、鋳鉄管に限らず、鍛造できる金属管であれば、この発明を採用し得ることは勿論である。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
c 溶湯
1 挿し口
2 受口
3 止水リング(ゴム輪)
4 ロックリング
5 直部
6 突部
11 遠心鋳造用モールド型(鋳型)
51 外型
52 内型
52a 内型の押圧部
52b 同引き出し杆
52c 同分割片
53 キャビティ(凹部)
54 内型の押圧杆
55 受板
62 内型
62a、62b 内型62の分割片
62c 内型62のテーパ状分割面
63a、63b 押し具
71 外型をなすローラ
72 内型をなすローラ
Claims (8)
- 内外径が一定の円筒状直部(5)と、その直部(5)の一端に設けられて内外径が前記直部(5)より大きい受口(2)と、同他端に設けられて前記受口(2)に嵌り得る外径の挿し口(1)とからなり、前記挿し口(1)を前記受口(2)に挿し込み、その挿し口(1)先端外周の突部(6)が前記受口(2)内のロックリング(4)に係止することによって、挿し口(1)が受口(2)から離脱することを阻止する離脱防止機能を発揮する、遠心鋳造法により製造される金属管(P)の前記挿し口突部(6)の形成方法であって、
上記遠心鋳造法により製造された上記挿し口端部外周に、上記突部(6)に対応する形状の凹部(53)を有する外型(51)を当てがい、その外型(51)が当てがわれた挿し口端部の内周に内型(52)を当てがい、その内外の型(51、52)で、前記挿し口端部を鍛造して上記突部(6)を有する挿し口先端部を形成することを特徴とする金属管の挿し口突部の形成方法。 - 上記内型(52)の上記挿し口(1)端部の内周への押圧面は上記直部(5)の内径と同一の外径から前記挿し口(1)の軸方向に徐々に縮径しており、外型(51)を固定した状態で、前記内型(52)を前記軸方向の前記縮径する方向に移動させて、内外の型(51、52)で挿し口端部の鍛造を行うことを特徴とする請求項1に記載の金属管の挿し口突部の形成方法。
- 上記内型(52)をその周方向で複数に分割し、その分割片(52c)を金属管(P)の半径方向に移動させて内外の型(51、52)で挿し口端部の鍛造を行うことを特徴とする請求項1に記載の金属管の挿し口突部の形成方法。
- 上記内型(52)内にその軸方向に長い押圧杆(54)を設け、その押圧杆(54)を前記軸方向に移動させて、押圧杆(54)外周面の前記軸方向のテーパ面(54a)でもって上記分割片(52c)を金属管(P)の半径方向に移動させることを特徴とする請求3に記載の金属管の挿し口突部の形成方法。
- 上記内型をその周方向で複数に分割するとともに、その各分割片(62a、62b)の分割面を内型(62)の軸方向に向かって周方向に傾斜するテーパ面(62c)とし、その対向するテーパ面の間隔が狭くなる方向が同一の一方の分割片(62a)と他方の分割片(62b)とに分け、その一方の分割片(62a)と他方の分割片(62b)とを相対的に前記軸方向に移動させて、一方及び他方の分割片(62a、62b)を金属管(P)の半径方向に移動させて、上記内外の型(51、52)で挿し口端部の鍛造を行うことを特徴とする請求項1に記載の金属管の挿し口突部の形成方法。
- 上記内型をローラ(72)とし、そのローラ(72)で上記外型(51)が当てがわれた挿し口端部の内周面を圧延し、前記内外の型(51、72)で、前記挿し口端部の鍛造を行うことを特徴とする請求項1に記載の金属管の挿し口突部の形成方法。
- 上記外型もローラ(71)とし、その外型ローラ(71)と上記内型ローラ(72)によって上記挿し口端部の鍛造を行うことを特徴とする請求項6に記載の金属管の挿し口突部の形成方法。
- 上記直部(5)よりも挿し口端部を肉厚に鋳造し、その肉厚の挿し口端部を鍛造して上記突部(6)を有する挿し口先端部を形成することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載の金属管の挿し口突部の形成方法。
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