以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る電気接続箱の概略構成を表す分解斜視図である。図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8は、実施形態に係る電気接続箱の部品搭載用パネル体のバリエーションについて説明する斜視図である。図9、図10、図11は、実施形態に係る電気接続箱の閉塞用パネル体のバリエーションについて説明する斜視図である。図12は、実施形態に係る電気接続箱の連結構造を説明する模式図である。図13は、実施形態に係る電気接続箱の連結構造を説明する部分斜視図である。図14、図15、図16、図17、図18、図19は、実施形態に係る電気接続箱における組み合わせの一例を説明する斜視図である。なお、図1は、わかり易くするために電線、コネクタのうちの1つを二点鎖線で図示し他を省略し、他図では、電線、コネクタの図示を省略している。
図1に示す電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤハーネスWHに組み込まれ、電線等の接続処理用部品を構成するコネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット等の電装品を集約して内部に収容するものである。電気接続箱1は、例えば、車両のエンジンコンパートメント(エンジンルーム)や車両室内に設置され、バッテリ等の電源と、車両内に搭載される各種電子機器との間に接続されている。電気接続箱1は、電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。なお、電気接続箱1は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。
ここで、ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ22等で複数の電線Wを一度に各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wと、当該電線Wと電気的に接続される電気接続箱1とを備える。電線Wは、例えば、複数の導電性の金属素線を撚り合わせた導体部(芯線)と、当該導体部の外側を覆う絶縁性の被覆部とを含んで構成される。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wを束ねて集約し束ねられた電線Wの端部に接続部としてのコネクタ22等を介して電気接続箱1が電気的に接続される。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。
電気接続箱1は、複数の電子部品2と、回路配索部材3と、収容部材としてのロアカバー4と、少なくとも1つに電子部品2が搭載される複数のパネル体50を含んで構成される蓋部材としてのアッパカバー5とを備える。ロアカバー4とアッパカバー5とは、所定の積層方向に沿って積層される。言い換えれば、積層方向とは、ロアカバー4とアッパカバー5とが積層される方向である。
本実施形態の電気接続箱1は、例えば、適用される車種やプラットフォーム等にかかわらず、電子部品2等を可能な限り標準化、共用化する一方、ロアカバー4やロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5を構成するパネル体50等にバリエーションを持たせたものである。ここでは、ロアカバー4、パネル体50等は、予め設定された基準寸法に基づいて標準化された上でバリエーションが設定される。そして、電気接続箱1は、適用される車種等に応じて要求される回路構成、ボリューム等に基づいて、最適な容量のロアカバー4を適宜選定すると共に、当該ロアカバー4に組み付ける複数のパネル体50等を適宜選定して組み合わせて構成されることで、部材の標準化、共用化による汎用性の向上と、部材の選択多様性による最適化とをバランスよく両立することができるものである。
以下、電気接続箱1の各構成について具体的に説明する。なお、以下では、特に断りのない限り、電気接続箱1の各部が組み付けられ車両に搭載された状態での方向として説明する。またここでは、以下の説明を分かり易くするために、便宜的に互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「積層方向」といい、第2方向を「第1幅方向」といい、第3方向を「第2幅方向」という。第1方向としての積層方向と第2方向としての第1幅方向と第3方向としての第2幅方向とは、相互に直交する。また、積層方向においてアッパカバー5が設けられる側を上側、ロアカバー4が設けられる側を下側という場合がある。
電子部品2は、種々の導電性の部材を介して電線Wに電気的に接続されるものである。電子部品2は、複数設けられる。電子部品2は、例えば、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、これらをユニット化した電子部品ユニット等である。また、電子部品2は、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、電子部品ユニット等を後述の回路配索部材3に電気的に接続し支持する端子類も広く含む概念である。本実施形態の複数の電子部品2は、種々のヒューズ21、種々のコネクタ(電源入力用のコネクタや電源出力用のコネクタ等)22等に加えて、ヒューズ21と電気的に接続されこれを支持するヒューズ端子23、コネクタ22と電気的に接続されこれを支持するコネクタ端子24等を含んで構成される。ここでは、電子部品2は、電気接続箱1における構成要素として最小単位となる要素、例えば、ヒューズ端子23、コネクタ端子24を、適用される車種等にかかわらず標準化、共用化することが好ましい。一方、電子部品2は、ヒューズ21、コネクタ22を、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて用意してもよいし、これらヒューズ21、コネクタ22も、可能な限り適用される車種等にかかわらず標準化、共用化してもよい。
回路配索部材3は、複数の電子部品2が電気的に接続されるものである。回路配索部材3は、適用される車種等に応じて要求される回路を構成する。回路配索部材3は、例えば、絶縁性の樹脂材料からなる絶縁基板の表面(実装面)に、銅等の導電性の材料によって配線パターン(プリントパターン)が印刷されたいわゆるプリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)、導電性の金属材料からなるバスバ、当該バスバを絶縁性の樹脂材料で被覆したバスバプレート等を用いることができる。本実施形態の回路配索部材3は、略矩形板状に形成されたプリント回路基板によって構成され、ここでは、実装面にリレー31やリレー抵抗32等が実装されている。
ロアカバー4は、内部に回路配索部材3を収容する筐体を構成する主たる部分である。ロアカバー4は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。ロアカバー4は、皿状(トレイ状)の部材である。ロアカバー4は、選択多様性を確保するため、例えば、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて複数種類が用意され、その中から当該電気接続箱1が適用される車種等に応じて適宜選択され適用される。さらに言えば、ロアカバー4は、収容する回路配索部材3の形状や大きさ、回路配索部材3に接続される電子部品2の種類、数等に応じて、大きさを異ならせたり形状を異ならせたりすることで、バリエーションを持たせて複数種類が用意される。
ここでは、ロアカバー4は、選択されうるバリエーションとして、例えば、図1、図14、図15に例示した相対的に大きな大ロアカバー4A、図16、図17に例示した中ロアカバー4B、図18、図19に例示した相対的に小さな小ロアカバー4C等が用意される。なお、以下の説明では、大ロアカバー4A、中ロアカバー4B、小ロアカバー4Cを特に区別して説明する必要がない場合には、単にロアカバー4という。
ロアカバー4は、大ロアカバー4A、中ロアカバー4B、小ロアカバー4C等の各種類に共通の構成として、略ロの字型に形成された壁体としての矩形枠状部4aと、当該矩形枠状部4aの一方の開口を閉塞する底部4bとを含み、これらが一体で形成される。底部4bは、第1幅方向、及び、第2幅方向に沿った略矩形板状に形成される底体である。矩形枠状部4aは、底部4bの縁部に立設されるようにして形成される。ロアカバー4は、当該矩形枠状部4a、及び、底部4bによって一端が開口し他端が閉塞した矩形筒状に形成される。ロアカバー4は、矩形枠状部4a、底部4bが組み合わさって全体として、積層方向上側に開口を有する中空状の略直方体箱状に形成される。
そして、ロアカバー4は、各種類に共通の構成として、収容空間部41、開口部42、及び、係合部43を有する。ロアカバー4は、中空状の内部、すなわち、矩形枠状部4a、底部4bによって区画された内部空間部が収容空間部41として形成される。つまり、収容空間部41は、矩形枠状部4a、底部4bによって略直方体状の空間部として形成され、回路配索部材3を収容する。ロアカバー4は、収容空間部41に面して載置リブ41aが形成される。載置リブ41aは、底部4b上において収容空間部41側の面に複数形成される。各載置リブ41aは、柱状、あるいは、壁状の凸部として形成され積層方向に沿って延在する。回路配索部材3は、各載置リブ41aの積層方向上側の端面に載置されるような位置関係で収容空間部41に収容される。開口部42は、収容空間部41とロアカバー4の外部(矩形枠状部4a、底部4bを隔てて収容空間部41とは反対側の空間側)とを連通する部分である。ここでは、開口部42は、矩形枠状部4aの積層方向上側端部によって区画され積層方向上側に向けて開口する。開口部42は、略矩形状の開口として形成される。開口部42は、積層方向に沿って底部4bと対向する。係合部43は、ロアカバー4とは異なる他の部材、車両ボデー側の種々の固定部位、ブラケット、他の電気接続箱等と係合しこれらと連結されるものである。係合部43は、矩形枠状部4aにおいて、ロアカバー4の外部側の面に複数設けられる。
なお、選択されうるロアカバー4は、上記の大ロアカバー4A、中ロアカバー4B、小ロアカバー4Cに限られない。選択されうるロアカバー4は、収容空間部41、開口部42を有するものであればさらに他の種類を含んでいてもよく、例えば、略直方体箱状でないものを含んでいてもよい。
アッパカバー5は、ロアカバー4の積層方向上側に積層され相互に組み付けられ、ロアカバー4と共に回路配索部材3を収容する筐体を構成するものである。アッパカバー5とロアカバー4とは、組み合わさって全体として略直方体箱状の筐体を構成する。アッパカバー5は、少なくとも1つに電子部品2を搭載する搭載部51が設けられた複数のパネル体50を有し、隣接するパネル体50同士が相互に連結された状態でロアカバー4の開口部42を塞ぐ。各パネル体50は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。
複数のパネル体50は、選択多様性を確保するため、例えば、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて複数種類が用意され、その中から当該電気接続箱1が適用される車種等に応じて適宜選択され適用される。さらに言えば、複数のパネル体50は、回路配索部材3の形状や大きさ、搭載される電子部品2の種類、数等に応じて、大きさを異ならせたり搭載部51の形状を異ならせたりすることで、バリエーションを持たせて複数種類が用意される。
複数のパネル体50は、選択されうるバリエーションとして、アッパカバー5がロアカバー4の開口部42を塞いだ状態で回路配索部材3に対する設置位置に応じて形状が異なるものを含む。ここでは、複数のパネル体50は、選択されうるバリエーションとして、例えば、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8に例示した部品搭載用パネル体52、図9、図10、図11に例示した閉塞用パネル体53等が用意される。なお、以下の説明では、部品搭載用パネル体52、閉塞用パネル体53を特に区別して説明する必要がない場合には、単にパネル体50という。
部品搭載用パネル体52は、電子部品2を搭載する搭載部51を有し搭載部51によってロアカバー4の開口部42の一部を塞ぐ。搭載部51は、ヒューズ21、コネクタ22、ヒューズ端子23、コネクタ端子24等の電子部品2を搭載する。
一例としてここでは、部品搭載用パネル体52は、選択されうるバリエーションとして、図2に示す部品搭載用パネル体52A、図3に示す部品搭載用パネル体52B、図4に示す部品搭載用パネル体52C、図5に示す部品搭載用パネル体52D、図6に示す部品搭載用パネル体52E、図7に示す部品搭載用パネル体52F、及び、図8に示す部品搭載用パネル体52Gが用意される。
図2に示す部品搭載用パネル体52A、図3に示す部品搭載用パネル体52B、図4に示す部品搭載用パネル体52C、図5に示す部品搭載用パネル体52D、図6に示す部品搭載用パネル体52Eは、搭載部51として、主に電子部品2であるコネクタ22(図2等参照)が搭載されるコネクタ搭載部51A、51B、51C、51D、51Eを有する。コネクタ搭載部51A、51B、51C、51D、51Eは、略ロの字型に形成されそれぞれに対応する形状のコネクタ22が嵌合可能な壁体としてのフード部51aと、当該フード部51aの一方の開口を閉塞する底部51bとを含み、これらが一体で形成される。底部51bは、略矩形板状に形成される底体である。フード部51aは、底部51bの縁部に立設されるようにして形成される。フード部51aと底部51bとは、組み合わさって全体として、積層方向上側に開口を有する中空状の略直方体箱状に形成され、中空状の内部空間部が嵌合空間部51cとして形成される。嵌合空間部51cは、それぞれに対応する形状のコネクタ22の外形形状に応じて当該コネクタ22が嵌合可能な大きさ、形状の空間部として形成される。各コネクタ22は、各フード部51aの嵌合空間部51cに着脱可能に組み付けられる。コネクタ搭載部51A、51B、51C、51D、51Eは、底部51bに多数の端子貫通孔が設けられており、当該端子貫通孔にコネクタ端子24(図1等も参照)が保持される。各コネクタ端子24は、導電性の金属により棒状に形成され、コネクタ22と電気的に接続されるものであり、当該端子貫通孔を介してフード部51aの内部の底部51bを積層方向上下に貫通する。各コネクタ22は、各フード部51aの嵌合空間部51cに嵌合されることでコネクタ端子24と電気的に接続される。このようにして、多数のコネクタ22は、各フード部51aを介してコネクタ搭載部51A、51B、51C、51D、51Eに搭載される。コネクタ端子24は、積層方向上側端部にコネクタ22が電気的に接続される一方、積層方向下側端部がはんだ等を介して回路配索部材3の回路を構成する配線に電気的に接続される。
ここでは、図2、図3、図4に示す部品搭載用パネル体52A、52B、52Cのコネクタ搭載部51A、51B、51Cは、1つのフード部51aを含んで構成され、積層方向に沿って視て(以下、「積層方向視」という場合がある。)外形が略矩形状に形成される。また、図5に示す部品搭載用パネル体52Dのコネクタ搭載部51Dは、1つのフード部51aを含んで構成されると共にフード部51aから積層方向と直交する方向に突出する板状部51dを有し、積層方向視の外形が略矩形状に形成される。さらに、部品搭載用パネル体52Dは、複数の脚部54を有する。部品搭載用パネル体52Dの複数の脚部54は、積層方向視の外形が略矩形板状に形成されたコネクタ搭載部51Dの2つの角部にそれぞれ1つずつ、合計2つが設けられる。各脚部54は、部品搭載用パネル体52Dが回路配索部材3上に自立して立てるようにコネクタ搭載部51Dの板状部51dとほぼ直交するように立設される。また、図6に示す部品搭載用パネル体52Eのコネクタ搭載部51Eは、2つのフード部51aを含んで構成されると共にフード部51aから積層方向と直交する方向に突出する板状部51dを有し、積層方向視の外形が略矩形状に形成される。さらに、部品搭載用パネル体52Eは、複数の脚部54を有する。部品搭載用パネル体52Eの複数の脚部54は、積層方向視の外形が略矩形板状に形成されたコネクタ搭載部51Eの各角部にそれぞれ1つずつ、合計4つが設けられる。各脚部54は、部品搭載用パネル体52Eが回路配索部材3上に自立して立てるようにコネクタ搭載部51Eの板状部51dとほぼ直交するように立設される。
図7に示す部品搭載用パネル体52F、図8に示す部品搭載用パネル体52Gは、搭載部51として、主に電子部品2であるヒューズ21が搭載されるヒューズ搭載部51F、51Gを有する。
ヒューズ搭載部51Fは、略ロの字型に形成され対応する形状のヒューズ21が嵌合可能な壁体としての嵌合凹部51eと、当該嵌合凹部51eの一方の開口を閉塞する底部51fとを含み、これらが一体で形成される。底部51fは、略矩形板状に形成される底体である。嵌合凹部51eは、底部51bの縁部に立設されるようにして形成される。嵌合凹部51eと底部51fとは、組み合わさって全体として、積層方向上側に開口を有する中空状の略直方体箱状に形成され、中空状の内部空間部が嵌合空間部51gとして形成される。嵌合空間部51gは、それぞれに対応する形状のヒューズ21の外形形状に応じて当該ヒューズ21が嵌合可能な大きさ、形状の空間部として形成される。各ヒューズ21は、各嵌合凹部51eの嵌合空間部51gに着脱可能に組み付けられる。ヒューズ搭載部51Fは、底部51fに多数の端子貫通孔が設けられており、当該端子貫通孔にヒューズ端子23(図1等も参照)が保持される。図7に示す部品搭載用パネル体52Fのヒューズ搭載部51Fは、2つの嵌合凹部51eを含んで構成されると共に嵌合凹部51eから積層方向と直交する方向に突出する板状部51hを有し、積層方向視の外形が略矩形状に形成される。言い換えれば、ヒューズ搭載部51Fは、略矩形板状に形成された板状部51hの一角に2つの嵌合凹部51eが設けられる。さらに、部品搭載用パネル体52Fは、複数の脚部55を有する。部品搭載用パネル体52Fの複数の脚部55は、積層方向視の外形が略矩形板状に形成されたヒューズ搭載部51Fの各角部にそれぞれ1つずつ、合計4つが設けられる。各脚部55は、部品搭載用パネル体52Fが回路配索部材3上に自立して立てるようにヒューズ搭載部51Fの板状部51hとほぼ直交するように立設される。
ヒューズ搭載部51Gは、略ロの字型に形成され対応する形状のヒューズブロック56(図1も参照)が嵌合可能な壁体としての嵌合凹部51iと、当該嵌合凹部51iの一方の開口を閉塞する底部51jとを含み、これらが一体で形成される。底部51jは、略矩形板状に形成される底体である。嵌合凹部51iは、底部51jの縁部に立設されるようにして形成される。嵌合凹部51iと底部51jとは、組み合わさって全体として、積層方向上側に開口を有する中空状の略直方体箱状に形成され、中空状の内部空間部が嵌合空間部51kとして形成される。嵌合空間部51kは、対応する形状のヒューズブロック56の外形形状に応じて当該ヒューズブロック56が嵌合可能な大きさ、形状の空間部として形成される。ヒューズブロック56は、絶縁性の合成樹脂によって形成され、嵌合凹部51iの嵌合空間部51kに着脱可能に組み付けられる。ヒューズブロック56は、多数のキャビティが形成されており、当該キャビティにヒューズ21とヒューズ端子23(図1等も参照)とが保持される。ヒューズブロック56は、それぞれのキャビティに対して積層方向上側からヒューズ21が挿入、嵌合されると共に積層方向下側からヒューズ端子23が挿入、嵌合されることで、ヒューズ21とヒューズ端子23とが電気的に接続される。ヒューズブロック56は、嵌合凹部51iの嵌合空間部51kに嵌合した状態で、種々の係止機構を介して嵌合凹部51iに係止される。ヒューズ搭載部51Gは、このヒューズブロック56を介して多数のヒューズ21が搭載される。ヒューズ搭載部51Gは、底部51jに多数の端子貫通孔が設けられており、当該端子貫通孔にヒューズ端子23が保持される。図8に示す部品搭載用パネル体52Gのヒューズ搭載部51Gは、1つの嵌合凹部51iを含んで構成され、積層方向視の外形が略矩形状に形成される。
ヒューズ搭載部51F、51Gに保持される各ヒューズ端子23は、導電性の金属により棒状に形成され、ヒューズ21と電気的に接続されるものであり、端子貫通孔を介して嵌合凹部51e、51iの内部の底部51f、51jを積層方向上下に貫通する。各ヒューズ21は、各嵌合凹部51e、51jの嵌合空間部51g、51kに嵌合されることでヒューズ端子23と電気的に接続される。このようにして、各ヒューズ21は、各嵌合凹部51e、51jを介してヒューズ搭載部51F、51Gに搭載される。ヒューズ端子23は、積層方向上側端部にヒューズ21が電気的に接続される一方、積層方向下側端部がはんだ等を介して回路配索部材3の回路を構成する配線に電気的に接続される。
なお、選択されうる部品搭載用パネル体52としては、搭載部51に搭載する電子部品2の数、種類(ヒューズ21、コネクタ22等の他、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、電子部品ユニット等)を異ならせたものがあってもよく、搭載する電子部品2の種類が混在しているものがあってもよい。
なお、以下の説明では、部品搭載用パネル体52A、部品搭載用パネル体52B、部品搭載用パネル体52C、部品搭載用パネル体52D、部品搭載用パネル体52E、部品搭載用パネル体52F、部品搭載用パネル体52Gを特に区別して説明する必要がない場合には、単に部品搭載用パネル体52という。また、以下の説明では、コネクタ搭載部51A、コネクタ搭載部51B、コネクタ搭載部51C、コネクタ搭載部51D、コネクタ搭載部51E、ヒューズ搭載部51F、ヒューズ搭載部51Gを特に区別して説明する必要がない場合には、単に搭載部51という。
閉塞用パネル体53は、図9、図10、図11に示すように、平坦な板状に形成された閉塞面57を有し閉塞面57によってロアカバー4の開口部42の一部を塞ぐ。ここで、平坦な板状に形成される閉塞面57とは、典型的には、部品搭載用パネル体52のような搭載部51を有さない板状の面である。ここでは、閉塞面57は、平坦な略矩形板状に形成され、積層方向と直交する方向に延在する。さらに、閉塞用パネル体53は、閉塞面57から立設された複数の脚部58を有する。複数の脚部58は、略矩形板状に形成された閉塞面57の各角部にそれぞれ1つずつ、合計4つが設けられる。各脚部58は、回路配索部材3上に自立して立てるように閉塞面57とほぼ直交するように立設され、部品搭載用パネル体52の脚部54、55等と同等の長さに形成される。一例としてここでは、閉塞用パネル体53は、選択されうるバリエーションとして、図9に示す相対的に小さな閉塞用パネル体53A、図10に示す閉塞用パネル体53B、図11に示す相対的に大きな閉塞用パネル体53Cが用意される。なお、以下の説明では、閉塞用パネル体53A、閉塞用パネル体53B、閉塞用パネル体53Cを特に区別して説明する必要がない場合には、単に閉塞用パネル体53という。
各パネル体50は、上記のように構成された部品搭載用パネル体52と閉塞用パネル体53との双方において、搭載部51、閉塞面57、脚部54、55、58等を含めた全体の積層方向の長さが相互にほぼ同等になるように形成される。
そして、アッパカバー5は、上記に一例を示したパネル体50を組み合わせて蓋状に形成され、全体として矩形板状に構成され、各パネル体50の搭載部51、閉塞面57が組み合わさってロアカバー4の開口部42を塞ぐ。ここでは、電気接続箱1は、図2〜図12に示すように、ロアカバー4の開口部42を塞いだ状態で相互に隣接するパネル体50を連結するパネル体側連結構造59を備える。またさらに、電気接続箱1は、図13に示すように、ロアカバー4とパネル体50とを連結する収容部材側連結構造としてのロア側連結構造44を備える。
具体的には、パネル体側連結構造59は、各パネル体50において、他のパネル体50と隣接可能な各面にそれぞれ設けられ、当該他のパネル体50のパネル体側連結構造59と相互に係合して隣接するパネル体50を相互に連結するものである。各パネル体50において他のパネル体50と隣接可能な各面とは、開口部42を塞いだ状態で隣接するパネル体50と相互に対向する面であり、ここでは、各搭載部51、各閉塞面57の積層方向に沿った面である。さらに言えば、複数のパネル体50が組み合わさりアッパカバー5を構成しロアカバー4の開口部42を塞いだ状態でパネル体50の隣接方向(並ぶ方向)が積層方向と直交する方向となり、この状態で、各パネル体50において他のパネル体50と隣接可能な各面は、ロアカバー4の開口部42が開口する方向に沿った面に相当する。パネル体側連結構造59は、各パネル体50において、積層方向視の外形が略矩形状に形成される搭載部51、閉塞面57の各辺に少なくとも1つずつ形成される。より具体的には、上述の例では、部品搭載用パネル体52A、52B、52C、52D、52Gは、他のパネル体50と隣接可能な各面として、フード部51a、嵌合凹部51iの積層方向に沿った各端面にそれぞれ少なくとも1つのパネル体側連結構造59を有する。また、部品搭載用パネル体52D、52E、52F、閉塞用パネル体53A、53B、53Cは、他のパネル体50と隣接可能な各面として、板状部51d、51h、閉塞面57の積層方向に沿った各端面にそれぞれ少なくとも1つのパネル体側連結構造59を有する。
各パネル体側連結構造59は、典型的には、隣接するパネル体50同士を積層方向に沿って相互に嵌合しかつ係止可能な結合形状となっている。この場合、本実施形態の各パネル体側連結構造59は、隣接するパネル体50を積層方向に沿って嵌合させる際の上下関係を逆転させた場合でも適正に相互に嵌合しかつ係止可能な形状となっている。またさらに、本実施形態の各パネル体側連結構造59は、各パネル体50の第1幅方向、及び、第2幅方向に対する向きに関係なく自由に隣接するパネル体50を連結可能な形状となっている。
一例として、パネル体側連結構造59は、例えば、図11、図12に示すように、第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凸部59c、第2嵌合凹部59d、係止突起部59da、第3嵌合凸部59e、及び、第3嵌合凹部59fを含んで構成される。第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凸部59c、第2嵌合凹部59d、係止突起部59da、第3嵌合凸部59e、及び、第3嵌合凹部59fは、それぞれ1つずつを1組として1つのパネル体側連結構造59を構成する。パネル体側連結構造59は、当該パネル体側連結構造59が設けられるパネル体50の各端面において、当該端面に向かって積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に沿って左側から右側に向けて、第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凸部59c、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、第3嵌合凹部59fの順で並んで設けられる。第1嵌合凸部59a、第2嵌合凸部59c、第3嵌合凸部59eは、当該パネル体側連結構造59が設けられる各端面において積層方向と直交する方向に突出して凸状に形成される一方、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凹部59fは、当該各端面において積層方向と直交する方向に窪んで凹状に形成される。第1嵌合凹部59bは、第1嵌合凸部59aと第2嵌合凸部59cとの間に形成される凹状の部分であり、第2嵌合凹部59dは、第2嵌合凸部59cと第3嵌合凸部59eとの間に形成される凹状の部分であり、第3嵌合凹部59fは、第3嵌合凸部59eに隣接して形成される凹状の部分である。つまり、パネル体側連結構造59は、第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凸部59c、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、及び、第3嵌合凹部59fが順に設けられることによって凹凸が交互に並んだ形状となっている。
第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、第3嵌合凹部59fは、パネル体側連結構造59が設けられるパネル体50の各端面の積層方向上側の端部から下側に向けて積層方向に沿って延在する。第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、第3嵌合凹部59fは、積層方向に対して板状部51d、51hの積層方向に沿った厚み分に相当する長さで形成される。なお、第1嵌合凸部59aは、パネル体50の各端面の端部以外に位置するもの(図11に例示する第1嵌合凸部59aa)については、積層方向下側の一部に切り欠きが形成されているが必ずしも当該切り欠きが形成されていなくてもよい。第2嵌合凸部59cは、積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に沿って延在する幅方向延在部59caと、積層方向に沿って延在する積層方向延在部59cbとを含んで構成される。幅方向延在部59caは、第1嵌合凹部59bと第2嵌合凹部59dとの間に積層方向と直交する方向に沿って形成される棒状の部分である。積層方向延在部59cbは、幅方向延在部59caの第1嵌合凹部59b側の端部から積層方向に沿って形成される。積層方向延在部59cbは、パネル体50の各端面の積層方向上側の端部から下側に向けて積層方向に沿って延在する。積層方向延在部59cbは、第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、第3嵌合凹部59fと同様に、積層方向に対して板状部51d、51hの積層方向に沿った厚み分に相当する長さで形成される。そして、第1嵌合凸部59aと第3嵌合凹部59fは、積層方向に沿って第1嵌合凸部59aが第3嵌合凹部59fに嵌合可能な形状、大きさに形成される。第1嵌合凹部59bと第3嵌合凸部59eとは、積層方向に沿って第3嵌合凸部59eが第1嵌合凹部59bに嵌合可能な形状、大きさに形成される。第2嵌合凸部59cと第2嵌合凹部59dとは、積層方向に沿って第2嵌合凸部59cが第2嵌合凹部59dに嵌合可能な形状、大きさに形成される。
係止突起部59daは、第2嵌合凹部59d内に突起爪状に形成される。係止突起部59daは、第2嵌合凸部59cと第2嵌合凹部59dとが嵌合した状態で、第2嵌合凸部59cの幅方向延在部59caを軸方向に対して係止可能な位置、形状に形成される。この場合、例えば、隣接するパネル体50のパネル体側連結構造59同士を積層方向に沿って嵌合させる際には、一方のパネル体50の係止突起部59daは、他方のパネル体50の幅方向延在部59caの近傍を撓ませながら幅方向延在部59caの下側に乗り換えることで当該幅方向延在部59caの下側で当接してこれを係止し当該他方の幅方向延在部59caの積層方向下側への移動を規制する。またこのとき、他方のパネル体50の係止突起部59daは、一方のパネル体50の幅方向延在部59caの下側で当接してこれを係止し当該一方の幅方向延在部59caの積層方向下側への移動を規制する。すなわち、隣接するパネル体50は、互いの幅方向延在部59caと係止突起部59daとが積層方向に対して相互に係止されることで、積層方向に沿って互いに離間する方向への相対移動が規制され、これにより、互いに係合して連結された状態となる。
隣接するパネル体50は、上記のように構成される各パネル体側連結構造59において積層方向に沿って、一方の第1嵌合凸部59aが他方の第3嵌合凹部59fに嵌合し、一方の第3嵌合凸部59eが他方の第1嵌合凹部59bに嵌合し、一方の第2嵌合凸部59cが他方の第2嵌合凹部59dに嵌合すると共に、一方の幅方向延在部59caと係止突起部59daと他方の幅方向延在部59caと係止突起部59daとがそれぞれ積層方向に対して相互に係止されることで、第1嵌合凸部59a、第2嵌合凸部59c、第3嵌合凸部59eと第1嵌合凹部59b、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凹部59fとが交互に噛み合って係合、連結される。この場合、各パネル体側連結構造59は、上記のように構成されることで、隣接するパネル体50を積層方向に沿って嵌合させる際の上下関係を逆転させた場合でも適正に相互に嵌合しかつ係止することができ、また、各パネル体50の第1幅方向、及び、第2幅方向に対する向きに関係なく自由に隣接するパネル体50を連結することができる。これにより、電気接続箱1は、アッパカバー5を構成するパネル体50の組み合わせやレイアウトの自由度を確保することができる。そして、当該パネル体側連結構造59を介して連結された複数のパネル体50は、一体となって1つのアッパカバー5を構成する。パネル体側連結構造59を介して複数のパネル体50が組み合わせられたアッパカバー5は、ロアカバー4の積層方向上側に積層され、図13に示すロア側連結構造44を介してロアカバー4に連結され開口部42を塞ぐ。言い換えれば、複数のパネル体50は、ロアカバー4の開口部42を塞ぐ位置に相互に隣接して設けられた状態で、パネル体側連結構造59を介して相互に連結されてアッパカバー5を構成すると共に、ロア側連結構造44を介してロアカバー4に連結される。
ロア側連結構造44は、図1、図13等に示すように、ロアカバー4において、開口部42を形成する矩形枠状部4aの内壁面、すなわち、収容空間部41側の壁面に複数設けられ、パネル体側連結構造59と相互に係合して、パネル体50によって構成されるアッパカバー5とロアカバー4とを連結するものである。ここでは、パネル体50によって構成されるアッパカバー5は、開口部42を形成する矩形枠状部4aの内壁面側に嵌合して開口部42を塞ぐ。つまり、開口部42を形成する矩形枠状部4aの内壁面は、パネル体50によって構成されるアッパカバー5が開口部42を塞いだ状態で、パネル体側連結構造59が設けられるパネル体50の端面と対向する面である。ロア側連結構造44は、パネル体50によって構成されるアッパカバー5が開口部42を塞いだ状態で、矩形枠状部4aの内壁面において、パネル体側連結構造59と対向する位置に形成される。ロア側連結構造44は、典型的には、パネル体50のパネル体側連結構造59と積層方向に沿って相互に嵌合しかつ係止可能な結合形状となっている。ここでは、ロア側連結構造44は、係止突起部59daを有さない点を除いて、パネル体側連結構造59とほぼ同等の形状に形成される。
一例として、ロア側連結構造44は、例えば、図13に示すように、第1嵌合凸部44a、第1嵌合凹部44b、第2嵌合凸部44c、第2嵌合凹部44d、第3嵌合凸部44e、及び、第3嵌合凹部44fを含んで構成される。第1嵌合凸部44a、第1嵌合凹部44b、第2嵌合凸部44c、第2嵌合凹部44d、第3嵌合凸部44e、及び、第3嵌合凹部44fは、それぞれ1つずつを1組として1つのロア側連結構造44を構成する。ロア側連結構造44は、当該ロア側連結構造44が設けられる矩形枠状部4aの内壁面において、当該内壁面に向かって積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に沿って左側から右側に向けて、第1嵌合凸部44a、第1嵌合凹部44b、第2嵌合凸部44c、第2嵌合凹部44d、第3嵌合凸部44e、第3嵌合凹部44fの順で並んで設けられる。第1嵌合凸部44a、第2嵌合凸部44c、第3嵌合凸部44eは、当該ロア側連結構造44が設けられる矩形枠状部4aの内壁面において積層方向と直交する方向に突出して凸状に形成される一方、第1嵌合凹部44b、第2嵌合凹部44d、第3嵌合凹部44fは、当該内壁面において積層方向と直交する方向に窪んで凹状に形成される。第1嵌合凹部44bは、第1嵌合凸部44aと第2嵌合凸部44cとの間に形成される凹状の部分であり、第2嵌合凹部44dは、第2嵌合凸部44cと第3嵌合凸部44eとの間に形成される凹状の部分であり、第3嵌合凹部44fは、第3嵌合凸部44eに隣接して形成される凹状の部分である。つまり、ロア側連結構造44は、第1嵌合凸部44a、第1嵌合凹部44b、第2嵌合凸部44c、第2嵌合凹部44d、第3嵌合凸部44e、及び、第3嵌合凹部44fが順に設けられることによって凹凸が交互に並んだ形状となっている。
第1嵌合凸部44a、第1嵌合凹部44b、第2嵌合凹部44d、第3嵌合凸部44e、第3嵌合凹部44fは、ロア側連結構造44が設けられる矩形枠状部4aの内壁面の積層方向上側の端部から下側の端部まで積層方向に沿って延在する。第2嵌合凸部44cは、積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に沿って延在する幅方向延在部44caと、積層方向に沿って延在する積層方向延在部44cbとを含んで構成される。幅方向延在部44caは、第1嵌合凹部44bと第2嵌合凹部44dとの間に積層方向と直交する方向に沿って形成される棒状の部分である。この幅方向延在部44caは、パネル体側連結構造59の係止突起部59daが積層方向に対して係止される部分である。積層方向延在部44cbは、幅方向延在部44caの第1嵌合凹部44b側の端部から積層方向に沿って形成される。積層方向延在部44cbは、ロア側連結構造44が設けられる矩形枠状部4aの内壁面の積層方向上側の端部から下側の端部まで積層方向に沿って延在する。第1嵌合凸部44aは、積層方向に沿ってパネル体側連結構造59の第3嵌合凹部59fに嵌合可能な形状、大きさに形成される。第1嵌合凹部44bは、積層方向に沿ってパネル体側連結構造59の第3嵌合凸部59eが嵌合可能な形状、大きさに形成される。第2嵌合凸部44cは、積層方向に沿ってパネル体側連結構造59の第2嵌合凹部59dに嵌合可能な形状、大きさに形成される。第2嵌合凹部44dは、積層方向に沿ってパネル体側連結構造59の第2嵌合凸部59cが嵌合可能な形状、大きさに形成される。第3嵌合凸部44eは、積層方向に沿ってパネル体側連結構造59の第1嵌合凹部59bに嵌合可能な形状、大きさに形成される。第3嵌合凹部44fは、積層方向に沿ってパネル体側連結構造59の第1嵌合凸部59aが嵌合可能な形状、大きさに形成される。上記のように構成されるロア側連結構造44は、矩形枠状部4aの4つの内壁面に積層方向と直交する方向に沿って収容空間部41の周囲を囲うように並んで複数設けられる。
パネル体50によって構成されるアッパカバー5は、ロアカバー4の積層方向上側から積層方向に沿って第1嵌合凸部59aと第3嵌合凹部44fとが嵌合し、第1嵌合凹部59bと第3嵌合凸部44eとが嵌合し、第2嵌合凸部59cと第2嵌合凹部44dとが嵌合し、第2嵌合凹部59dと第2嵌合凸部44cとが嵌合し、第3嵌合凸部59eと第1嵌合凹部44bとが嵌合し、第3嵌合凹部59fと第1嵌合凸部44aとが嵌合すると共に幅方向延在部44caと係止突起部59daとが積層方向に対して相互に係止される。これにより、アッパカバー5とロアカバー4とは、各パネル体50のパネル体側連結構造59を構成する第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凸部59c、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、第3嵌合凹部59fと、各ロア側連結構造44を構成する第1嵌合凸部44a、第1嵌合凹部44b、第2嵌合凸部44c、第2嵌合凹部44d、第3嵌合凸部44e、第3嵌合凹部44fとが交互に噛み合って係合、連結される。この結果、パネル体側連結構造59を介して複数のパネル体50が組み合わせられたアッパカバー5は、ロアカバー4の積層方向上側に積層され、ロア側連結構造44を介してロアカバー4に連結され開口部42を塞ぐように、当該ロアカバー4に組み付けられる。
ここで、ロアカバー4、及び、アッパカバー5を構成する各パネル体50は、予め設定された基準寸法に基づいて標準化された上でバリエーションが設定される。つまり、ロアカバー4、及び、アッパカバー5を構成する各パネル体50は、各種類において、予め設定された基準寸法に基づいた寸法で形成される。
ここで、基準寸法は、予め任意に設定されればよいが、本実施形態では、上述したパネル体側連結構造59の寸法に基づいて予め設定される。上述したように、1つのパネル体側連結構造59は、積層方向と直交する方向に沿って並んで設けられた第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凸部59c、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、及び、第3嵌合凹部59fをそれぞれ1つずつ含んで構成されるものである。ここでは、基準寸法は、第1嵌合凸部59a、第1嵌合凹部59b、第2嵌合凸部59c、第2嵌合凹部59d、第3嵌合凸部59e、及び、第3嵌合凹部59fの並び方向(以下、単に「並び方向」という場合がある。)に沿った1つ分のパネル体側連結構造59の寸法(長さ)とする。言い換えれば、基準寸法は、1つ分のパネル体側連結構造59が形成されたパネル体50の端面の上記並び方向に沿った寸法(長さ)に相当する。なお、上記並び方向は、積層方向と直交する方向でかつパネル体側連結構造59が形成されたパネル体50の端面に沿った方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に相当する。また、ロアカバー4側の1つ分のロア側連結構造44の上記並び方向に沿った寸法は、1つ分のパネル体側連結構造59の上記並び方向に沿った寸法とほぼ同等である。
ロアカバー4は、開口部42の内法寸法がこの基準寸法に基づいて設定される。より具体的には、ロアカバー4は、開口部42を形成する矩形枠状部4aの内壁面の積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)の長さが基準寸法の整数倍の長さに形成される。ここでは、図1、図14、図15に例示した大ロアカバー4Aは、矩形枠状部4aの内壁面の第1幅方向に沿った長さ(開口部42の第1幅方向に沿った内法寸法)が基準寸法の6倍の長さに形成され、矩形枠状部4aの内壁面の第2幅方向に沿った長さ(開口部42の第2幅方向に沿った内法寸法)が基準寸法の5倍の長さに形成される。そして、大ロアカバー4Aは、第1幅方向に沿った矩形枠状部4aの各内壁面に6つのロア側連結構造44が並んで位置し、第2幅方向に沿った矩形枠状部4aの各内壁面に5つのロア側連結構造44が並んで位置する。また、図16、図17に例示した中ロアカバー4Bは、矩形枠状部4aの内壁面の第1幅方向に沿った長さが基準寸法の6倍の長さに形成され、矩形枠状部4aの内壁面の第2幅方向に沿った長さが基準寸法の3倍の長さに形成される。そして、中ロアカバー4Bは、第1幅方向に沿った矩形枠状部4aの各内壁面に6つのロア側連結構造44が並んで位置し、第2幅方向に沿った矩形枠状部4aの各内壁面に3つのロア側連結構造44が並んで位置する。さらに、図18、図19に例示した小ロアカバー4Cは、矩形枠状部4aの内壁面の第1幅方向に沿った長さが基準寸法の4倍の長さに形成され、矩形枠状部4aの内壁面の第2幅方向に沿った長さが基準寸法の3倍の長さに形成される。そして、小ロアカバー4Cは、第1幅方向に沿った矩形枠状部4aの各内壁面に4つのロア側連結構造44が並んで位置し、第2幅方向に沿った矩形枠状部4aの各内壁面に3つのロア側連結構造44が並んで位置する。
パネル体50は、他のパネル体50と隣接可能な各辺の長さであって積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に沿った長さがこの基準寸法に基づいて設定される。より具体的には、パネル体50は、他のパネル体50と隣接可能な各辺の長さであって積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に沿った長さ、すなわち、積層方向視の外形の各辺の長さが基準寸法の整数倍の長さに形成される。
ここでは、図2、図3、図6、図7、図8に例示した部品搭載用パネル体52A、52B、52E、52F、52Gは、コネクタ搭載部51A、51B、51E、ヒューズ搭載部51F、51Gの積層方向視の外形が略長方形状に形成される。部品搭載用パネル体52A、52B、52E、52F、52Gは、積層方向視の外形の短辺の長さが基準寸法の1倍の長さに形成され、長辺の長さが基準寸法の2倍の長さに形成される。そして、部品搭載用パネル体52A、52B、52E、52F、52Gは、コネクタ搭載部51A、51B、51E、ヒューズ搭載部51F、51Gの短辺側の各端面にそれぞれ1つずつのパネル体側連結構造59が位置し、長辺側の各端面にそれぞれ2つずつのパネル体側連結構造59が並んで位置する。図4、図5に例示した部品搭載用パネル体52C、52Dは、コネクタ搭載部51C、51Dの積層方向視の外形が略長方形状に形成される。部品搭載用パネル体52C、52Dは、積層方向視の外形の短辺の長さが基準寸法の1倍の長さに形成され、長辺の長さが基準寸法の3倍の長さに形成される。そして、部品搭載用パネル体52C、52Dは、コネクタ搭載部51C、51Dの短辺側の各端面にそれぞれ1つずつのパネル体側連結構造59が位置し、長辺側の各端面にそれぞれ3つずつのパネル体側連結構造59が並んで位置する。
図9に例示した閉塞用パネル体53Aは、閉塞面57が略正方形板状に形成され、閉塞面57の積層方向視の外形が略正方形状に形成される。閉塞用パネル体53Aは、積層方向視の外形の各辺の長さがそれぞれ基準寸法の1倍の長さに形成される。そして、閉塞用パネル体53Aは、閉塞面57の各端面にそれぞれ1つずつのパネル体側連結構造59が位置する。図10に例示した閉塞用パネル体53Bは、閉塞面57が略長方形板状に形成され、閉塞面57の積層方向視の外形が略長方形状に形成される。閉塞用パネル体53Bは、積層方向視の外形の短辺の長さが基準寸法の1倍の長さに形成され、長辺の長さが基準寸法の2倍の長さに形成される。そして、閉塞用パネル体53Bは、閉塞面57の短辺側の各端面にそれぞれ1つずつのパネル体側連結構造59が位置し、長辺側の各端面にそれぞれ2つずつのパネル体側連結構造59が並んで位置する。図11に例示した閉塞用パネル体53Cは、閉塞面57が略長方形板状に形成され、閉塞面57の積層方向視の外形が略長方形状に形成される。閉塞用パネル体53Cは、積層方向視の外形の短辺の長さが基準寸法の1倍の長さに形成され、長辺の長さが基準寸法の3倍の長さに形成される。そして、閉塞用パネル体53Cは、閉塞面57の短辺側の各端面にそれぞれ1つずつのパネル体側連結構造59が位置し、長辺側の各端面にそれぞれ3つずつのパネル体側連結構造59が並んで位置する。
上記のように構成される電気接続箱1は、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて複数種類が用意されたロアカバー4の中から、適用される車種等に応じて要求される回路構成、ボリューム等に基づいて、最適な容量のロアカバー4が選定される。そして、電気接続箱1は、パネル体50のうちの部品搭載用パネル体52に積層方向上側からヒューズ端子23、コネクタ端子24等が組み付けられる。そして、電気接続箱1は、回路配索部材3の実装面側に複数のパネル体50が個別に組み付けられこれらが組み合わせられて蓋状のアッパカバー5が形成され、あるいは、複数のパネル体50を組み合わせて蓋状に形成されたアッパカバー5の全体又は一部が回路配索部材3の実装面側(積層方向上側)に組み付けられる。この場合、パネル体50は、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて複数種類が用意された中から回路配索部材3のパターン等に基づいて回路配索部材3に対する設置位置に応じて最適なものが選定される。パネル体50は、回路配索部材3の積層方向上側に電子部品2の搭載を要する位置には、当該設置位置のパネル体50として、搭載が必要な電子部品2に応じた部品搭載用パネル体52が選定され、電子部品2が必要でない位置には必要な大きさの閉塞用パネル体53が選定される。選定された部品搭載用パネル体52は、上述のように、端子貫通孔にヒューズ端子23、コネクタ端子24等を挿入し組み付けた後、脚部54、55があるものに関しては脚部54、55が回路配索部材3上に載置されるような位置関係で当該回路配索部材3に組み付けられる。選定された閉塞用パネル体53は、脚部58が回路配索部材3上に載置されるような位置関係で当該回路配索部材3に組み付けられる。このとき、電気接続箱1は、上述のように、回路配索部材3の実装面側に複数のパネル体50が個別に組み付けられこれらが組み合わせられて蓋状のアッパカバー5が形成されてもよいし、複数のパネル体50を組み合わせて蓋状に形成されたアッパカバー5の全体又は一部が回路配索部材3の実装面側に組み付けられてもよい。またこのとき、隣接する各パネル体50は、積層方向に沿ってパネル体側連結構造59同士を相互に嵌合させるようにして設けられる。その後、電気接続箱1は、部品搭載用パネル体52に組み付けられたヒューズ端子23、コネクタ端子24が回路配索部材3の実装面に対してはんだ付け等によって実装される。このようにして、選定された各パネル体50は、回路配索部材3上に組み付けられ、隣接するもの同士がパネル体側連結構造59を介して組み合わせられた状態で1つのアッパカバー5を構成する。そして、電気接続箱1は、回路配索部材3の積層方向上側(実装面側)に複数のパネル体50によって構成されたアッパカバー5が位置するような位置関係で、当該回路配索部材3がロアカバー4の各載置リブ41a上に載置され収容空間部41内に収容される。電気接続箱1は、アッパカバー5が矩形枠状部4aの内壁面側に嵌合し各パネル体50の搭載部51、閉塞面57が組み合わさって開口部42の全体を塞いだ状態で、パネル体側連結構造59、及び、ロア側連結構造44を介して当該アッパカバー5を構成する各パネル体50がロアカバー4に組み付けられる。そして、電気接続箱1は、各部品搭載用パネル体52の搭載部51にヒューズ21、コネクタ22等が組み付けられる。なお、電気接続箱1は、回路配索部材3にヒューズ端子23、コネクタ端子24、リレー31、リレー抵抗32等がはんだ付け等によって実装された後に、当該実装面側(積層方向上側)に複数のパネル体50を組み合わせて蓋状に形成されたアッパカバー5が組み付けられてもよい。この場合、選定された部品搭載用パネル体52は、端子貫通孔にヒューズ端子23、コネクタ端子24等を挿入させながら、脚部54、55があるものに関しては脚部54、55が回路配索部材3上に載置されるような位置関係で当該回路配索部材3に組み付けられればよい。
図1に例示した電気接続箱1は、大ロアカバー4Aを使用し、1つの部品搭載用パネル体52A、1つの部品搭載用パネル体52B、1つの部品搭載用パネル体52C、1つの部品搭載用パネル体52D、1つの部品搭載用パネル体52E、2つの部品搭載用パネル体52F、3つの部品搭載用パネル体52G、1つの閉塞用パネル体53B、2つの閉塞用パネル体53Cの合計13個のパネル体50を組み合わせて構成されたアッパカバー5によって、当該大ロアカバー4Aの開口部42が塞がれるものである。この図1に示す電気接続箱1は、1つの部品搭載用パネル体52E、2つの部品搭載用パネル体52F、及び、2つの閉塞用パネル体53Cのうちの1つが中央部パネル体60を構成する。中央部パネル体60は、大ロアカバー4Aにおいて開口部42を形成する矩形枠状部4aの内壁面から離間して位置し、他のパネル体50と隣接可能な各辺にそれぞれ他のパネル体50が隣接するパネル体50である。つまり、これら中央部パネル体60を構成する部品搭載用パネル体52E、部品搭載用パネル体52F、及び、閉塞用パネル体53Cは、大ロアカバー4Aには直接的には連結されておらず、他のパネル体50を介して間接的に大ロアカバー4Aに連結されるパネル体50である。
図14、図15は、選定されるパネル体50の組み合わせが電気接続箱1とは異なった他のバリエーションの電気接続箱1Aを示している。図14、図15に例示した電気接続箱1Aは、電気接続箱1と共通の大ロアカバー4Aを使用する一方、アッパカバー5を構成するパネル体50の組み合わせが図1に示した電気接続箱1とは異なるものである。電気接続箱1Aは、大ロアカバー4Aを使用し、1つの部品搭載用パネル体52A、1つの部品搭載用パネル体52B、1つの部品搭載用パネル体52C、1つの部品搭載用パネル体52D、1つの部品搭載用パネル体52E、2つの部品搭載用パネル体52F、3つの部品搭載用パネル体52G、1つの閉塞用パネル体53A、2つの閉塞用パネル体53B、1つの閉塞用パネル体53Cの合計14個のパネル体50を組み合わせて構成されたアッパカバー5によって、当該大ロアカバー4Aの開口部42が塞がれるものである。この電気接続箱1Aは、1つの部品搭載用パネル体52E、2つの部品搭載用パネル体52F、1つの閉塞用パネル体53A、1つの閉塞用パネル体53Bが中央部パネル体60を構成する。
なお、図1に例示した電気接続箱1、及び、図14、図15に例示した電気接続箱1Aに使用される大ロアカバー4Aは、図15に示すように、さらにECU設置空間部45Aを備えていてもよい。ECU設置空間部45Aは、大ロアカバー4Aの積層方向下側の面、すなわち、開口部42が形成されアッパカバー5が組み付けられる側とは反対側の面に凹部状の空間部として形成される。そして、この電気接続箱1、1Aは、さらに、ECU設置空間部45Aに突出して露出したECUコネクタ部6を備えている。ECUコネクタ部6は、図1に示すように、ハウジング61と、当該ハウジング61に保持され回路配索部材3と電気的に接続されるECUコネクタ端子62とを含んで構成される。ハウジング61は、大ロアカバー4Aの積層方向下側の面に形成された開口部を介してECU設置空間部45A側に突出すると共にECUコネクタ端子62を保持する。ECUコネクタ端子62は、回路配索部材3の積層方向下側の面(ヒューズ端子23、コネクタ端子24等が実装される面とは反対側の面)に立設される。ECUコネクタ端子62は、積層方向上側端部がはんだ等を介して回路配索部材3の回路を構成する配線に電気的に接続される。そして、電気接続箱1、1Aは、ECU設置空間部45AにいわゆるECU100Aが嵌合されると共に、当該ECU100AがECUコネクタ部6を介して回路配索部材3に電気的に接続される。これにより、電気接続箱1、1Aは、大ロアカバー4Aにおいてアッパカバー5とは反対側のスペースを有効に利用してECU100Aのプラグイン/ビルトイン構造に対応することができる。
図16、図17は、選定されるロアカバー4、及び、パネル体50の組み合わせが電気接続箱1とは異なった他のバリエーションの電気接続箱1Bを示している。図16、図17に例示した電気接続箱1Bは、電気接続箱1とは異なり中ロアカバー4Bを使用し、2つの部品搭載用パネル体52G、1つの部品搭載用パネル体52E、1つの部品搭載用パネル体52H、1つの部品搭載用パネル体52I、1つの部品搭載用パネル体52J、1つの部品搭載用パネル体52Kの合計7個のパネル体50を組み合わせて構成されたアッパカバー5によって、当該中ロアカバー4Bの開口部42が塞がれるものである。ここでは、アッパカバー5を構成するパネル体50は、図2〜図8では例示していない部品搭載用パネル体52H、52I、52J、52Kも含まれている。
なお、図16、図17に例示した電気接続箱1Bに使用される中ロアカバー4Bも、大ロアカバー4Aと同様に、図17に示すように、さらにECU設置空間部45Bを備えていてもよい。ECU設置空間部45Bは、中ロアカバー4Bの積層方向下側の面、すなわち、開口部42が形成されアッパカバー5が組み付けられる側とは反対側の面に凹部状の空間部として形成される。そして、この電気接続箱1Bは、さらに、ECU設置空間部45Bに突出して露出したECUコネクタ部6を備えている。そして、電気接続箱1Bは、ECU設置空間部45BにいわゆるECU100Bが嵌合されると共に、当該ECU100BがECUコネクタ部6を介して回路配索部材3に電気的に接続される。これにより、電気接続箱1Bも、電気接続箱1Aと同様に、中ロアカバー4Bにおいてアッパカバー5とは反対側のスペースを有効に利用してECU100Bのプラグイン/ビルトイン構造に対応することができる。
図18、図19は、選定されるロアカバー4、及び、パネル体50の組み合わせが電気接続箱1とは異なった他のバリエーションの電気接続箱1Cを示している。図18、図19に例示した電気接続箱1Cは、電気接続箱1とは異なり小ロアカバー4Cを使用し、3つの部品搭載用パネル体52G、1つの部品搭載用パネル体52L、1つの部品搭載用パネル体52Mの合計5個のパネル体50を組み合わせて構成されたアッパカバー5によって、当該小ロアカバー4Cの開口部42が塞がれるものである。ここでは、アッパカバー5を構成するパネル体50は、図2〜図8では例示していない部品搭載用パネル体52L、52Mも含まれている。
なお、図18、図19に例示した電気接続箱1Cに使用される小ロアカバー4Cは、積層方向下側の面、すなわち、開口部42が形成されアッパカバー5が組み付けられる側とは反対側の面に第2開口部46Cを有していてもよい。第2開口部46Cは、小ロアカバー4Cの底部4bから積層方向下側に突出するように立設された矩形枠状部46Dによって形成される。矩形枠状部46Dは、略ロの字型に形成された壁体として矩形筒状に形成される。矩形枠状部46Dは、積層方向上側の端部が底部4bを貫通して収容空間部41に開口し内部が収容空間部41と連通する一方、積層方向下側の端部が外部に開口し第2開口部46Cを構成する。第2開口部46Cは、矩形枠状部46Dの内壁面によって形成され、開口部42と同様に、内法寸法が基準寸法に基づいて設定される。ここでは、小ロアカバー4Cは、矩形枠状部46Dの内壁面の第1幅方向に沿った長さ(第2開口部46Cの第1幅方向に沿った内法寸法)、及び、矩形枠状部46Dの内壁面の第2幅方向に沿った長さ(第2開口部46Cの第2幅方向に沿った内法寸法)が共に基準寸法の2倍の長さに形成される。そして、小ロアカバー4Cは、第1幅方向、及び、第2幅方向に沿った矩形枠状部46Dの各内壁面にそれぞれ第1幅方向、あるいは、第2幅方向に沿って2つのロア側連結構造44が並んで位置する。そして、電気接続箱1Cは、1つの部品搭載用パネル体52N、1つの部品搭載用パネル体52Oの合計2個のパネル体50を組み合わせて構成された蓋部材としてのサブカバー7によって、当該小ロアカバー4Cの第2開口部46Cが塞がれる。つまり、サブカバー7は、少なくとも1つに電子部品2(図1等参照)を搭載する搭載部51(図1等参照)が設けられた複数のパネル体50を有し、隣接するパネル体50同士が相互に連結されることで、第2開口部46Cを塞ぐ蓋部材として機能する。この場合、電気接続箱1Cは、矩形枠状部46Dの内部空間部等を介して回路配索部材3の積層方向下側の面から部品搭載用パネル体52N、52Oまでコネクタ端子(不図示)等が延在し、部品搭載用パネル体52N、52Oに搭載されるコネクタ22(図1等参照)等の電子部品2と電気的に接続される。これにより、電気接続箱1Cは、小ロアカバー4Cの積層方向両面に電子部品2を搭載することができる。
以上で説明した電気接続箱1(1A、1B、1C)によれば、複数の電子部品2と、複数の電子部品2が接続される回路配索部材3と、中空状の内部に形成され回路配索部材3を収容する収容空間部41、及び、収容空間部41と外部とを連通する開口部42を有するロアカバー4と、少なくとも1つに電子部品2を搭載する搭載部51が設けられた複数のパネル体50を有し、隣接するパネル体50同士が相互に連結された状態で開口部42を塞ぐアッパカバー5とを備える。以上で説明したワイヤハーネスWHによれば、電線Wと、上記電気接続箱1とを備える。
したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、電子部品2が接続される回路配索部材3を収容するロアカバー4の開口部42を塞ぐアッパカバー5を、少なくとも1つに電子部品2を搭載する搭載部51が設けられた複数のパネル体50を組み合わせることによって多様に構成することができる。この結果、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、汎用性を向上することができる。
電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、例えば、適用される車種等にかかわらず、電子部品2等を可能な限り標準化、共用化すると共に、ロアカバー4やロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5を構成するパネル体50等にバリエーションを持たせることができる。そして、電気接続箱1は、適用される車種等に応じて要求される回路構成、ボリューム等に基づいて、最適な容量のロアカバー4を適宜選定すると共に、当該ロアカバー4に組み付ける複数のパネル体50等を適宜選定して組み合わせて構成されることで、部材の標準化、共用化による汎用性の向上と、部材の選択多様性による最適化とをバランスよく両立することができる。これにより、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、電子部品2等を標準化、共用化すると共に必要に応じて構成部品を組み合わせることで、適用可能な車種の範囲を拡大させつつ、部材の無駄を抑制し、大型化を抑制した上で最適化しやすくすることができ、例えば、製造コストを抑制することができる。また、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、適用される車種の仕様の変更等に対しても、回路配索部材3の変更に応じてアッパカバー5を構成するパネル体50等の組み合わせや配置を適宜変更、組み替えすることで容易に対応することができるので、この点でも、汎用性を向上することができる。
なお、電気接続箱1Cは、少なくとも1つに電子部品2を搭載する搭載部51が設けられた複数のパネル体50を有し、隣接するパネル体50同士が相互に連結された状態で第2開口部46Cを塞ぐサブカバー7も備える。電気接続箱1Cは、第2開口部46Cを塞ぐサブカバー7も、少なくとも1つに電子部品2を搭載する搭載部51が設けられた複数のパネル体50を組み合わせることによってアッパカバー5と同様に多様に構成することができる。
より詳細には、以上で説明した電気接続箱1(1A、1B、1C)、ワイヤハーネスWHによれば、複数のパネル体50は、アッパカバー5、サブカバー7が開口部42、第2開口部46Cを塞いだ状態で回路配索部材3に対する設置位置に応じて形状が異なるものを含む。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、回路配索部材3に対する設置位置に応じて多様に組み合わせたパネル体50によって、開口部42、第2開口部46Cを塞ぐためのアッパカバー5、サブカバー7を構成することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1(1A、1B、1C)、ワイヤハーネスWHによれば、複数のパネル体50は、搭載部51を有し搭載部51によって開口部42、第2開口部46Cの一部を塞ぐ部品搭載用パネル体52と、平坦な板状に形成された閉塞面57を有し閉塞面57によって開口部42、第2開口部46Cの一部を塞ぐ閉塞用パネル体53とを含む。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、回路配索部材3の積層方向上側に電子部品2の搭載を要する位置には搭載が必要な電子部品2に応じた部品搭載用パネル体52が選定され、電子部品2が必要でない位置には必要な大きさの閉塞用パネル体53が選定された上で、これらを組み合わせて適正にアッパカバー5、サブカバー7を構成することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1(1A)、ワイヤハーネスWHによれば、複数のパネル体50は、ロアカバー4の開口部42を形成する内壁面から離間して位置し、他のパネル体50と隣接可能な各辺にそれぞれ他のパネル体50が隣接する中央部パネル体60を含む。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、アッパカバー5のバリエーションとして、ロアカバー4には直接的には連結されておらず、他のパネル体50を介して間接的にロアカバー4に連結される中央部パネル体60を含むアッパカバー5を構成することができるので、この点でも、汎用性と最適化とをバランスよく両立することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1(1A、1B、1C)、ワイヤハーネスWHによれば、パネル体50は、他のパネル体50と隣接可能な各辺の長さであってロアカバー4とアッパカバー5とが積層される積層方向と直交する方向(第1幅方向、あるいは、第2幅方向)に沿った長さが予め設定された基準寸法の整数倍の長さに形成される。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、各パネル体50が予め設定された基準寸法に基づいて標準化された上でバリエーションが設定され、各種類において基準寸法に基づいた寸法で形成されるので、各パネル体50をアッパカバー5、サブカバー7として組み合わせた際に半端な形状にならないように適正な形状に組み合わせることができる。また、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、ロアカバー4も同様に基準寸法に基づいて標準化された上でバリエーションが設定され、各種類において基準寸法に基づいた寸法で形成されるので、複数のパネル体50によって構成されたアッパカバー5、サブカバー7を適正に開口部42、第2開口部46C内におさめて、当該開口部42、第2開口部46Cを塞ぐことができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1(1A、1B、1C)、ワイヤハーネスWHによれば、パネル体50は、他のパネル体50と隣接可能な各面にパネル体側連結構造59を有し、当該パネル体側連結構造59が他のパネル体50のパネル体側連結構造59と相互に係合して連結される。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、隣接するパネル体50同士がパネル体側連結構造59を介して係合され連結されることで1つのアッパカバー5、サブカバー7を構成することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1(1A、1B、1C)、ワイヤハーネスWHによれば、ロアカバー4は、開口部42を形成する内壁面に、パネル体側連結構造59と相互に係合して連結されるロア側連結構造44を有する。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、複数のパネル体50を組み合わせて構成されたアッパカバー5、サブカバー7を、パネル体側連結構造59、及び、ロア側連結構造44を介してロアカバー4に係合して連結することで、当該アッパカバー5、サブカバー7を適正にロアカバー4に組み付けることができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、複数の電子部品2は、種々のヒューズ21、種々のコネクタ22等に加えて、ヒューズ端子23、コネクタ端子24等を含んで構成されるものとして説明したがこれに限らない。
以上の説明では、ロアカバー4、パネル体50等は、予め設定された基準寸法に基づいて標準化された上でバリエーションが設定されるものとして説明したがこれに限らない。
以上の説明では、閉塞用パネル体53の閉塞面57は、略矩形板状に形成されるものとして説明したが、これに限らず、平坦な板状なら三角形状、矩形以外の多角形状、曲面を有する形状等のいずれの形状であってもよい。
以上の説明では、パネル体側連結構造59は、各パネル体50において、他のパネル体50と隣接可能な各面にそれぞれ設けられるものとして説明したがこれに限らず、各パネル体50は、例えば、それぞれ異なる形式の連結構造で連結されてもよい。
以上の説明では、ロア側連結構造44は、係止突起部59daを有さない点を除いて、パネル体側連結構造59とほぼ同等の形状に形成されるものとして説明したが、これに限らず、アッパカバー5、サブカバー7をロアカバー4に組み付ける連結構造は、全く別の構造であってもよい。