JP2017035797A - 樹脂製燃料タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンク壁部の肉厚の制御が容易で、タンク壁部を構成する樹脂層の燃料による膨潤量を抑制すると共に、溶着品質が良好な樹脂製燃料タンクの製造方法を提供する。【解決手段】耐燃料透過性のバリア層を有するフィルム60A、60Bの内側と外側にそれぞれ内側樹脂層62A、62B、外側樹脂層66A、66Bを射出成形している。高価なバリア層をフィルム60A、60Bで供給しているため薄くでき、燃料タンクの製造コストを低減することができる。また、外側樹脂層66A、66Bを設けたため、内側樹脂層62A、62Bを薄くすることができ、燃料による膨潤量を抑制することができる。さらに内側樹脂層62A、62Bが形成されているため、接合部64A、64Bの溶着品質が良好となる。【選択図】図12

Description

本発明は、樹脂製燃料タンクの製造方法に関する。
従来、自動車の樹脂製燃料タンクは、円筒状のパリソンをブロー成形することによって成形している。この場合には、製品形状等によってブロー成形時の膨張量が異なり、燃料タンクの肉厚がばらつくおそれがあり、肉厚を制御するために多大な労力を要していた。
また、パリソンは円筒状であるため、燃料タンクの内部にリブを形成することや、成形時に内蔵部品をタンク内部に配置することが困難である。
そこで、上下に二分割した燃料タンク(以下、「アッパタンク」、「ロアタンク」という)を射出成形又は射出圧縮成形等で成形し、内蔵部品をタンク内部に配置した後にアッパタンクとロアタンクを一体化することによって燃料タンクを成形する製造方法(以下、「開発製法」という場合がある)の研究開発が行なわれている。この開発製法によれば、燃料タンクの肉厚を一定にすることが容易になり、かつ成形時に内蔵部品を配置することが可能となるためである。
開発製法においては、耐燃料透過性のバリア層を含む多層の樹脂体を一気に成形することができないため、金型内で合成樹脂を射出して基材層を形成した後、可動型を僅かに開き、合成樹脂を射出することで基材層の内側にバリア層を形成する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、内側樹脂層を射出成形した後、真空型にセットされた内側樹脂層に対して耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムを溶着させて一体化させる方法(特許文献2参照)が提案されている。
特開2004−98886号公報 特開2008−155588号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、バリア層を射出成形するため、バリア層が切れることなく型内の隅々まで行き渡らせるためにはバリア層にある程度の厚さが必要となる。この結果、高コストのバリア層が厚くなり、燃料タンクの製造コストが増大する。
一方、特許文献2に記載された技術の場合には、内側樹脂層に対して外側のフィルムを溶着させる際、溶着に必要な圧力を確保することが難しい。すなわち、内側樹脂層とフィルムを良好に溶着させることが困難であると考えられる。また、成形された燃料タンクでは、フィルムの内側にのみ樹脂層が形成されるため内側樹脂層が厚くなり、燃料による樹脂層の膨潤量が大きくなる。
なお、特許文献1に記載された技術の射出成形されたバリア層に換えて、特許文献2に記載された技術を適用して、基材層の内側に耐燃料透過性を有するフィルムを溶着させて一体化することも考えられる。しかし、成形された燃料タンクの内側にフィルムを配置するため、燃料タンクの内側にリブを形成することができず、燃料タンクの強度を確保するために外側にリブを形成するか、壁部(樹脂層)の肉厚を厚くしなければならない。この場合には、燃料タンクの燃料容量が減少するという不都合がある。また、製造時にアッパタンクとロアタンクを接合する際、接合面にフィルムが位置するため、接合時にフィルムに剪断力が作用し、フィルムを構成するバリア層と接着層の間でずれが生ずるおそれがあった。すなわち、アッパタンクとロアタンクの溶着品質に改善の余地があった。
本発明は上記事実を考慮し、タンク壁部の肉厚の制御が容易で、タンク壁部を構成する樹脂層の燃料による膨潤量を抑制すると共に、良好な溶着品質を確保した樹脂製燃料タンクの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、第1上型と第1下型の成形面に対して耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムをそれぞれ対向して配置する工程と、前記第1上型と前記第1下型の成形面に前記フィルムをそれぞれ密着させて賦形する工程と、前記フィルムが密着された前記第1上型と前記第1下型との間に中子を配置して前記第1上型と前記第1下型を型閉じし、前記中子と前記フィルムの間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの内側に内側樹脂層を形成する工程と、前記フィルムと前記内側樹脂層が一体化されたワークが密着された前記中子を第2上型と第2下型の成形面の間に配置して前記第2上型と前記第2下型を型閉じし、前記第2上型と前記第2下型の成形面と前記フィルムの間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの外側に外側樹脂層を形成する工程と、前記外側樹脂層と前記フィルムと前記内側樹脂層が一体化されたワークを前記第2上型と前記第2下型の成形面に密着させた状態で、型開きした前記第2上型と前記第2下型の間から前記中子を退避させる工程と、前記ワークが密着された前記第2上型と前記第2下型を型閉じして、前記第2上型と前記第2下型のそれぞれに密着した前記ワークのフランジ部同士を接合させる工程と、を備える。
この樹脂製燃料タンクの製造方法は、第1上型と第1下型の成形面に対して耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムをそれぞれ対向して配置し、第1上型と第1下型の成形面に密着させることによって、それぞれのフィルムを賦形している。フィルムが密着された第1上型と第1下型の間に中子を挿入して型閉じし、フィルムと中子の間に溶融樹脂を射出することによってフィルムの内側に内側樹脂層が形成される。内側樹脂層とフィルムが一体化されたワークが密着された中子は型開きした第1上型と第1下型の間から第2上型と第2下型の間に移動する。続いて、第2上型と第2下型が型閉じされ、第2上型と第2下型の成形面とフィルムの間に溶融樹脂が射出されフィルムの外側に外側樹脂層が形成される。このように、フィルムの両側に内側樹脂層と外側樹脂層が形成されたワークが密着された第2上型と第2下型が型開きされ、中子が退避した後、再び型閉じすることによって、第2上型、第2下型のそれぞれに密着されたワークのフランジ部同士が接合し、ワークが一体化されて燃料タンクが成形される。すなわち、耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムの両側に樹脂層が形成された壁部を有する燃料タンクが製造される。
このように樹脂製燃料タンクの製造方法では、耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムの両側に樹脂層が射出成形されているため、射出圧力を調整することで燃料タンクの壁部の肉厚を精度良く形成できると共にフィルムと樹脂層の溶着品質を良好にすることができる。また、フィルムの外側にも樹脂層を設けたため、フィルム内側の樹脂層の厚さを相対的に薄くすることができ、燃料による内側樹脂層の膨潤量を抑制することができる。一方、フィルムの内側に内側樹脂層を設けているため、ワークのフランジ部同士を接合する際、内側樹脂層同士が溶着するため、フランジ部(ワーク)同士の溶着品質が良好になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記中子には内蔵部品が保持されており、前記内側樹脂層が形成された際に前記内側樹脂層に内蔵部品が配置される。
この樹脂製燃料タンクの製造方法では、中子に内蔵部品が保持されているため、第1上型と第1下型を型閉じしてフィルムと中子の間に溶融樹脂を射出成形するだけで、中子に保持されていた内蔵部品が溶融樹脂からなる内側樹脂層に配置されることになる。したがって、燃料タンクの成形時に燃料タンクの内部に内蔵部品を容易に配置することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記中子には、内側樹脂層のうち前記フランジ部を構成する部分を加熱する加熱手段が設けられており、前記加熱手段は前記内側樹脂層の形成時から前記中子に対する前記第2上型と前記第2下型の型開き時まで前記フランジ部を構成する部分を加熱している。
この樹脂製燃料タンクの製造方法では、内側樹脂層の形成時から中子に対する第2上型と第2下型の型開き時までヒータによって内側樹脂層のうちフランジ部を構成する部分が加熱(保温)されているため、内側樹脂層の成形タイミングに拘らず、フランジ部(当該部分)同士の溶着品質を良好にすることができる。
請求項4記載の発明は、耐燃料透過性のバリア層を有する一対のフィルムの間に第1中子を配置する工程と、前記一対のフィルムの間に配置された第1中子に前記フィルムのそれぞれを密着させて賦形する工程と、上型と下型の間に前記フィルムが密着された第1中子を配置して前記上型と前記下型を型閉じして、前記上型と前記下型の成形面と前記フィルムの間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの外側に外側樹脂層を形成する工程と、前記フィルムと前記外側樹脂層が一体化されたワークを前記上型と前記下型の成形面に密着させた状態で、前記上型と前記下型の間から前記第1中子を退避させ、前記上型と前記下型の間に第2中子を配置する工程と、前記上型と前記下型の間に前記第2中子が配置された状態で前記上型と前記下型が型閉じされ、前記フィルムと前記第2中子との間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの内側に内側樹脂層を形成する工程と、前記外側樹脂層と前記フィルムと前記内側樹脂層が一体化されたワークを前記上型と前記下型の成形面に密着させた状態で、型開きした前記上型と前記下型の間から前記第2中子を退避させる工程と、前記ワークが密着された前記上型と前記下型を型閉じして、前記上型と前記下型のそれぞれに密着した前記ワークのフランジ部同士を接合させる工程と、を備える。
この樹脂製燃料タンクの製造方法は、耐燃料透過性のバリア層を有する一対のフィルムの間に第1中子を配置し、第1中子にフィルムを密着させることによって、それぞれのフィルムを賦形している。フィルムが密着された第1中子を上型と下型の間に配置して上型と下型を型閉じし、フィルムと前記上型又は前記下型の成形面との間に溶融樹脂を射出してフィルムの外側に外側樹脂層を形成する。外側樹脂層とフィルムが一体化されたワークは上型又は下型に密着している。型開きした上型と下型の間から第1中子が退避して、上型と下型の間に第2中子が配置される。続いて、上型と下型が型閉じされ、第2中子とフィルムの間に溶融樹脂が射出され、フィルムの内側に内側樹脂層が形成される。このように、フィルムの両側に内側樹脂層と外側樹脂層が一体化されたワークが密着された第2上型と第2下型が型開きされ、第2中子が退避した後、再び型閉じすることによって、上型、下型のそれぞれに密着されたワークのフランジ部同士が接合され、ワークが一体化されて燃料タンクが成形される。すなわち、耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムの両側に樹脂層が形成された壁部を有する燃料タンクが製造される。
このように樹脂製燃料タンクの製造方法では、耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムの両側に樹脂層が射出成形されているため、射出圧力を調整することで燃料タンクの壁部の肉厚を精度良く形成できると共にフィルムと樹脂層の溶着品質を良好にすることができる。また、フィルムの外側にも樹脂層を設けたため、フィルム内側の樹脂層の厚さを相対的に薄くすることができ、燃料による内側樹脂層の膨潤量を抑制することができる。一方、フィルムの内側に内側樹脂層を設けているため、ワークのフランジ部同士を接合する際、内側樹脂層同士が溶着するため、フランジ部(ワーク)同士の溶着品質が良好になる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記第2中子には内蔵部品が保持されており、前記内側樹脂層が形成された際に前記内側樹脂層に内蔵部品が配置される。
この樹脂製燃料タンクの製造方法では、第2中子に内蔵部品が保持されているため、上型と下型を型閉じしてフィルムと第2中子の間に溶融樹脂を射出成形するだけで、第2中子に保持されていた内蔵部品が溶融樹脂からなる内側樹脂層に配置されることになる。したがって、燃料タンクの成形時に燃料タンクの内部に内蔵部品を容易に配置することができる。
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、前記第2中子には、内側樹脂層のうち前記フランジ部を構成する部分を加熱する加熱手段が設けられており、前記加熱手段は前記内側樹脂層の形成時から前記第2中子に対する前記上型と前記下型の型開き時まで前記フランジ部を構成する部分を加熱している。
この樹脂製燃料タンクの製造方法では、内側樹脂層の形成時から第2中子に対する上型と下型の型開き時までヒータによって内側樹脂層のうちフランジ部を構成する部分が加熱(保温)されているため、内側樹脂層の成形タイミングに拘らず、フランジ部(当該部分)同士の溶着品質を良好にすることができる。
請求項1〜6記載の発明の樹脂製燃料タンクの製造方法は、上記構成としたので、タンク壁部の肉厚の制御が容易で、タンク壁部を構成する樹脂層の燃料による膨潤量を抑制すると共に、溶着品質を良好にすることができる。
本発明の第1実施形態に係る燃料タンクを示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法が実施される製造装置を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法におけるフィルム配置状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法におけるフィルム賦形状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における第1上型と第1下型との型閉じ状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における内側樹脂層の成形状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における第1上型と第1下型との型開き状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における中子移動状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における第2上型と第2下型との型閉じ状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における外側樹脂層の成形状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における第2上型と第2下型との型開き状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法におけるワーク同士の溶着状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係るフィルムの層構成を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法が実施される製造装置を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法におけるフィルム配置状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法におけるフィルム賦形状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における第1中子を挟んだ上型と下型の型閉じ状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における外側樹脂層の成形状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における上型と下型との型開き状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における上型、下型の移動状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における第2中子を挟んだ上型と下型との型閉じ状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における内側樹脂層の成形状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法における上型と下型との型開き状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法におけるワーク同士の溶着状態を示す縦断面図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法について図1〜図13を参照して説明する。なお、各図面は、模式的なものであり、本発明と関連性の低いものは図示を省略している。
(燃料タンク)
本実施形態の燃料タンク10は樹脂成形されたものである。図1に示すように、燃料タンク10は、断面ハット形状のアッパタンク12とロアタンク14の各フランジ部12A、14Aを接合することによって、一体化されたものである。アッパタンク12、ロアタンク14は、それぞれタンク内側から後述する内側樹脂層62A、62B、フィルム60A、60B、外側樹脂層66A、66Bの三層構造となっている。また、ロアタンク14の底壁の内面には、複数のリブ16が形成されている。さらに、アッパタンク12、ロアタンク14の内面には、後述する内蔵部品52が設置されている。
(製造装置)
この燃料タンク10を製造する燃料タンクの製造装置20について図2を参照して説明する。製造装置20は、後述するフィルム60A、60Bを賦形するための第1上型22Aと第1下型22Bと、後述する外側樹脂層66A、66Bを射出成形するための第2上型24Aと第2下型24Bと、第1上型22A、第1下型22Bの間と、第2上型24Aと第2下型24Bの間を移動自在に設けられ、内側樹脂層62A、62Bを射出成形するための中子26とを備える。
第1上型22Aは、第1下型22Bに対向する成形面28Aに、ロアタンク14のフランジ部14Aを成形する周回する凸部30Aが形成されている。成形面28Aには、凸部30Aで囲まれた凹部32Aが形成されている。また、第1上型22Aには、図示しない負圧供給源から成形面28Aに負圧が供給される負圧供給路34Aが形成されており、負圧によって対象物を成形面28Aに密着可能とされている。
第1下型22Bはアッパタンク12を成形するものであるが、第1上型22Aと略同様の構成なので、同様の構成要素に第1上型22Aの構成要素と同一の参照番号にBを付し、その詳細な説明を省略する。
第2上型24Aは、第2下型24Bに対向する成形面36Aに、ロアタンク14のフランジ部14Aを成形する周回する凸部38Aが形成されている。また、成形面36Aには、凸部38Aで囲まれた凹部40Aが形成されている。第2上型24Aの内部には、図示しない供給源から溶融樹脂が供給され、成形面36Aから射出される樹脂供給路42Aが形成されている。
第2下型24Bはアッパタンク12を成形するものであるが、第2上型24Aと略同様の構成なので、同様の構成要素に第2上型24Aの構成要素と同一の参照番号にBを付し、その詳細な説明を省略する。
中子26は、第1上型22Aの成形面28Aに対向する対向面44Aに、第1上型22Aの凸部30Aに対応する凹部46Aが形成されていると共に、凹部32Aに対向する成形面48Aが形成されている。成形面48Aには、ロアタンク14の底壁にリブ16を形成するための複数の凹部50Aが形成されている。また、成形面48Aには、内蔵部品52が取り付けられている。さらに、中子26の内部には、図示しない供給源から溶融樹脂が供給され、対向面44Aから射出される樹脂供給路54Aが形成されている。なお、第1上型22Aの凸部30Aに対向する凹部46Aには、後述する接合部64A(フランジ部14A)を溶着直前(第2上型24A、第2下型24Bの間から中子26が退避する)まで保温(加熱)するためのヒータ56Aが配設されている。
なお、中子26の第1下型22Bの成形面28Bに対向する対向面44Bはアッパタンク12を成形するものであるが、対向面44Aと略同様な構成である。対向面44Aと同様な構成要素には同一の参照番号にBを付してその詳細な説明を省略する。なお、対向面44Bには、リブ形成用の凹部はない。
(製造方法)
このように構成された燃料タンクの製造装置20を用いて、樹脂製燃料タンク10を製造する方法について詳細に説明する。
先ず、図3に示すように、第1上型22Aと第1下型22Bを型開きし、その間に中子26を配置すると共に、第1上型22Aの成形面28A及び第1下型22Bの成形面28Bと中子26の間に、それぞれ一枚のフィルム60A、60Bが配置される。
フィルム60A、60Bは、図13に示すように、燃料不透過性に優れたエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)からなるバリア層70と、高密度ポリエチレン(HDPE)等が形成された内側樹脂層62A、62B及び外側樹脂層66A、66Bとバリア層70の双方と良好な接着性を有する接着層72A、72Bとを備える。
次に、図4に示すように、第1上型22Aと第1下型22Bの負圧供給路34A、34Bから成形面28A、28Bに負圧を供給することによって、フィルム60A、60Bがそれぞれ成形面28A、28Bに密着し、賦形される。この際、フィルム60A、60Bは凸部30A、30Bの位置でトリミングされている。
続いて、図5に示すように、第1上型22Aと第1下型22Bを型閉じする。この際、第1上型22Aの成形面28A(凸部30A、凹部32A)に賦形されたフィルム60Aと中子26の対向面44Aの間には、所定の間隔の隙間61Aが形成されている。この隙間61Aは第1上型22Aの成形面28Aのうち、凸部30A、凹部32Aの部分に形成されているが、その外側(上下端側)には形成されていない。なお、第1下型22Bの成形面28Bと中子の対向面44Bの間も同様である。
この状態で、中子26の樹脂供給路54A、54Bから隙間61Aに溶融樹脂が射出され、第1上型22A、第1下型22Bに賦形されたフィルム60A、60Bの内側(中子26側)に内側樹脂層62A、62Bが形成される(図6参照)。この際、溶融樹脂は、中子26の成形面48Aに形成された凹部50A内にも進入し、内側樹脂層62Aの内側に複数のリブ16が形成される。また、中子26に保持されていた内蔵部品52、52もそれぞれ溶融樹脂内に配置され、内側樹脂層62A、62Bに保持されることになる。また、各フィルム60A、60Bの接着層72Aが内側樹脂層62A、62Bと接するため、また射出圧力を調整することでフィルム60A、60Bと内側樹脂層62A、62Bが良好に溶着(一体化)される(図13参照)。
この際、ヒータ56A、56Bが通電され、内側樹脂層62A、62Bのうち、凹部46A、46Bに配設されている部分(以下、「接合部」という)64A、64Bを保温(加熱)している。この保温は、接合部64A、64Bが相互に接合される直前まで継続される。
次に、図7に示すように、第1上型22A、第1下型22Bを型開きする。この結果、フィルム60A、60Bと内側樹脂層62A、62Bが一体化されたワークW1、W2が溶融樹脂(内側樹脂層62A、62B)の粘着力により中子26に保持された状態になる。
続いて、図8に示すように、第1上型22A、第1下型22Bの間から第2上型24A、第2下型24Bの間に中子26を移動させる。
さらに、図9に示すように、第2上型24Aと第2下型24Bを型閉じする。この際、中子26に保持されたフィルム60Aと第2上型24Aの成形面36Aの間には、所定の間隔の隙間63Aが形成されている。この隙間63Aは第2上型24Aの成形面36Aのうち凸部38A、凹部40Aの部分に形成されているが、その外側(上下端側)には形成されていない。なお、中子26に保持されたフィルム60Bと第2下型24Bの成形面36Bの間の隙間63Bも同様である。
この状態で、図10に示すように、第2上型24A、第2下型24Bの樹脂供給路42A、42Bから隙間63A、63Bに溶融樹脂が射出され、中子26に保持されたフィルム60A、60Bの外側(第2上型24A、第2下型24B側)に外側樹脂層66A、66Bが形成される。各フィルム60A、60Bの接着層72Bが外側樹脂層66A、66Bと接するため、また射出圧力を調整することでフィルム60A、60Bと外側樹脂層66A、66Bが良好に溶着(一体化)される(図13参照)。
次に、図11に示すように、第2上型24A、第2下型24Bを型開きし、第2上型24A、第2下型24Bの間から型開きされた第1上型22A、第1下型22Bの間に中子26を移動(退避)させる。この際、フィルム60Aと内側樹脂層62Aと外側樹脂層66Aが一体化されたワークW1、フィルム60Bと内側樹脂層62Bと外側樹脂層66Bが一体化されたワークW2は、それぞれ第2上型24Aと第2下型24Bに保持されている。
さらに、図12に示すように、ワークW1、W2がそれぞれ付着した第2上型24A、第2下型24Bを型閉じする。これにより、ワークW1とワークW2の内側樹脂層62A、62Bの接合部64A、64Bが相互に圧接され溶着される。なお、接合部64A、64Bは、第2上型24A、第2下型24Bが型開きして中子26が退避するまで中子26のヒータ56A、56Bで保温されていたため、十分な柔軟性を有しており、良好に溶着される。
また、図12に示すように、この間に中子26が間に挿入された第1上型22Aと第1下型22Bでは、フィルム60A、60Bの賦形から内側樹脂層62A、62Bの射出成形まで行う。
この後、ワークW1、W2が一体化されたものを十分に冷却させた後、第2上型24A、第2下型24Bを型開きして、燃料タンク10を取り出す。
(作用効果)
続いて、本実施形態に係る燃料タンク10の製造方法の作用効果について説明する。
耐燃料透過性のバリア層70をフィルム60A、60B(の一部)として供給したため、バリア層70を射出成形した場合のように切れるおそれがなく、高価なバリア層70を薄くすることができる。この結果、燃料タンク10の製造コストを低減することができる。
また、フィルム60A、60Bと内側樹脂層62A、62B及び外側樹脂層66A、66Bの溶着を、射出成形の圧力で制御できるため、溶着品質を良好にすることができると共に、燃料タンク10の肉厚を良好に制御することができる。
さらに、図13に示すように、各フィルム60A、60Bの内側、外側の両方に内側樹脂層62A、62B、外側樹脂層66A、66Bが形成されているため、燃料タンク10の内側、外側のいずれにもリブ16を自由に形成することができる(本実施形態では内側のみ)。特に、燃料タンク10の内側にリブ16を形成することによって、燃料タンク10の剛性を確保しつつ燃料タンク10の壁部を薄くすることができる。この結果、燃料タンク10の燃料容量を増加させることができる。
また、フィルム60A、60Bの内側、外側の両方に内側樹脂層62A、62B、外側樹脂層66A、66Bが形成されているため、内側樹脂層62A、62Bの厚さを内側樹脂層のみ形成された場合と比較して薄くすることができる。したがって、燃料による内側樹脂層62A、62Bの膨潤量を抑制することができる。
また、フィルム60A、60Bの外側に外側樹脂層66A、66Bが形成されているため、フィルム60A、60Bが燃料タンク10の外部に露出することがなく、フィルム60A、60Bが傷つくことが防止される。
さらに、フィルム60A、60Bの内側に内側樹脂層62A、62Bが形成されたために、接合部64A、64B(内側樹脂層62A、62B)同士が溶着される。したがって、溶着時にフィルム60A、60B同士が当接しているとフィルム60A、60Bに剪断力が大きく作用してバリア層70と接着層72A、72Bがずれる(剥離する)おそれがあるが、これが抑制される。すなわち、接合部64A、64B同士の溶着品質が良好になる。
また、中子26の対向面44A、44Bには内蔵部品52が保持されているため、中子26の対向面44A、44Bとフィルム60A、60Bの間に溶融樹脂が射出されて内側樹脂層62A、62Bが形成されると、内側樹脂層62A、62Bに内蔵部品52が配置されることになる。すなわち、内側樹脂層62A、62Bを成形するために溶融樹脂を射出成形するだけで、中子26に保持されていた内蔵部品52を内側樹脂層62A、62Bに配置することができる。
さらに、中子26の対向面44A、44Bの凹部46A、46Bにヒータ56A、56Bが配置されているため、内側樹脂層62A、62Bが射出成形されてから、第2上型24A、第2下型24Bが型開きして中子26が退避する(溶着直前)までの間、ヒータ56A、56Bで接合部64A、64Bを加熱(保温)している。したがって、内側樹脂層62A、62Bの成形タイミングに拘らず、接合部64A、64Bの溶着品質を良好にすることができる。
また、本実施形態の樹脂製燃料タンクの製造方法では、図11、図12に示すように、第2上型24A、第2下型24BでワークW1、W2の接合部64A、64Bを接合している間に、第1上型22A、第1下型22Bでは、第2上型24A、第2下型24Bの間から退避してきた中子26を用いてフィルム60A、60Bの賦形から内側樹脂層62A、62Bの射出成形まで行なうことができる。したがって、燃料タンク10の生産効率が高くなるという利点がある。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る樹脂製燃料タンクの製造方法について図14〜図24を参照して説明する。なお、各図面は、模式的なものであり、本発明と関連性の低いものは図示を省略している。また、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号に100を足した参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(製造装置)
この燃料タンク10を製造する燃料タンクの製造装置100について図14を参照して説明する。製造装置100は、フィルム60A、60Bを賦形するための第1中子102と、外側樹脂層66A、66Bを射出成形するための上型124Aと下型124Bと、内側樹脂層62A、62Bを射出成形するための第2中子126とを備える。
上型124A、下型124Bは、第1実施形態の第2上型24A、第2下型24Bと同様の構成だが、図14上で上下に移動可能とされ、上型124Aと下型124Bとの間に第1中子102又は第2中子126を配置可能であると共に、第2中子126の上方まで移動可能(図24参照)とされている。
第1中子102は、第1実施形態の中子26と略同様の外形をしているが、フィルム60A、60Bを賦形させるものなので、内側樹脂層62A、62Bの厚さ分、中子26より外形が大きい。さらに、第1中子102は、上型124Aの成形面136Aに対向する対向面104Aに、凸部138Aに対応する凹部106Aが形成されていると共に、凹部140Aに対応する成形面108Aが形成されている。なお、成形面108Aには、第1実施形態の中子26のように凹部50Aが形成されておらず、内蔵部品52も保持されていない。また、第1中子102には、図示しない負圧供給源から対向面104Aに負圧を供給する負圧供給路110Aが形成されており、負圧によって対象物を対向面104Aに密着可能とされている。また、第1中子102の対向面104Bは、対向面104Aと同様の構成なので、対向面104Aと同様な構成要素には同一の参照番号にBを付してその詳細な説明を省略する。
第2中子126は、第1実施形態の中子26と全く同一の構成なのでその詳細な説明を省略する。
(製造方法)
このように構成された燃料タンクの製造装置100を用いて、樹脂製燃料タンク10を製造する方法について詳細に説明する。
先ず、図15に示すように、型開きされた上型124A、下型124Bの間に第1中子102が配置された状態で、上型124Aの成形面136A及び下型124Bの成形面136Bと第1中子102の間に、それぞれ耐燃料透過性のバリア層70(図13参照)を有するフィルム60A、60Bが加熱された状態で配置される。
次に、図16に示すように、中子102の負圧供給路110A、110Bから対向面104A、104Bに負圧が供給されることによって、フィルム60A、60Bが対向面104A、104Bに密着し、賦形される。この際、フィルム60A、60Bは凹部106A、106Bの位置でトリミングされている。
続いて、図17に示すように、上型124Aと下型124Bを型閉じする。この際、第1中子102の成形面108Aに賦形されたフィルム60Aと上型124Aの成形面136Aの間には、所定の間隔の隙間112Aが形成されている。この隙間112Aは上型124Aの成形面136Aのうち、凸部138Aと凹部140Aの部分に形成されているが、その外側(上下端側)には形成されていない。なお、下型124Bの成形面136Bと中子102の対向面104Bの間も同様である。
この状態で、図18に示すように、上型124A、下型124Bの樹脂供給路142A、142Bから隙間112A、112Bに溶融樹脂が射出
され、中子102に賦形されたフィルム60A、60Bの外側(上型124A、下型124B側)に外側樹脂層66A、66Bが形成される。この際、各フィルム60A、60Bの接着層72Bが外側樹脂層66A、66Bと接するため、また射出圧力を調整することでフィルム60A、60Bと外側樹脂層66A、66Bが良好に溶着(一体化)される(図13参照)。
次に、図19に示すように、上型124A、下型124Bを型開きする。この結果、フィルム60A、60Bと外側樹脂層66A、66Bが一体化されたワークW3、W4が図示しないアンダーカット等でそれぞれ上型124Aと下型124Bに保持されている。
続いて、図20に示すように、上型124A、下型124Bが図上、上方に移動して、上型124A、124Bの間に第2中子126が配置される。
さらに、図21に示すように、上型124Aと下型124Bを型閉じする。この際、上型124Aに保持されたフィルム60Aと第2中子126の対向面144Aの間には、所定の間隔の隙間114Aが形成されている。この隙間114Aは第2中子126の対向面144Aのうち、凹部146A、成形面148Aの部分には形成されているが、その外側(上下端側)には形成されていない。なお、下型124Bに保持されたフィルム60Bと第2中子126の対向面144Bの間の隙間114Bも同様である。
この状態で、図22に示すように、第2中子126の樹脂供給路154A、154Bから隙間114A、114Bに溶融樹脂が射出され、上型124A、下型124Bに保持されたフィルム60A、60Bの内側(第2中子126側)に内側樹脂層62A、62Bが形成される。この際、溶融樹脂は、第2中子126の成形面148Aに形成された凹部150A内にも進入し、内側樹脂層62Aの内側に複数のリブ16が形成される。また、第2中子126に保持されていた内蔵部品52もそれぞれ溶融樹脂内に配置され、内側樹脂層62A、62Bに保持されることになる。また、各フィルム60A、60Bの接着層72Aが内側樹脂層62A、62Bと接するため、また射出圧力を調整することでフィルム60A、60Bと内側樹脂層62A、62Bが良好に溶着(一体化)される(図13参照)。
この際、ヒータ156A、156Bが通電され、内側樹脂層62A、62Bのうち、接合部64A、64Bを保温(加熱)している。この保温は、接合部64A、64Bが相互に接合される直前(第2中子126に対して上型124A、下型124Bの型開きする)まで継続される。
続いて、図23に示すように、上型124A、下型124Bを型開きする。この際、フィルム60Aと内側樹脂層62Aと外側樹脂層66Aが一体化されたワークW3と、フィルム60Bと内側樹脂層62Bと外側樹脂層66Bが一体化されたワークW4は、図示しないアンダーカット等でそれぞれ上型124Aと下型124Bに保持されている。
さらに、図24に示すように、型開きした上型124A、下型124Bをさらに上方に移動させ(上型124A、下型124Bの間から第2中子126を退避させ)、ワークW3、W4を保持した上型124A、下型124Bを型閉じする。
これにより、ワークW3、W4の内側樹脂層62A、62Bの接合部64A、64B同士が圧接され溶着される。なお、接合部64A、64Bは、溶着直前(第2中子126に対する上型124A、下型124Bの型開き時)まで第2中子126のヒータ156A、156Bで保温されていたため、十分な柔軟性を有しており、良好に溶着される。
この後、一体化されたワークW3、W4を十分に冷却させた後、上型124A、下型124Bを型開きして、燃料タンク10を取り出す。
(作用効果)
このように、本実施形態に係る燃料タンク10の製造方法の作用について説明する。
耐燃料透過性のバリア層70をフィルム60A、60B(の一部)として供給したため、バリア層70を射出成形した場合のように切れるおそれがなく、高価なバリア層70を薄くすることができる。この結果、燃料タンク10の製造コストを低減することができる。
また、フィルム60A、60Bと内側樹脂層62A、62B及び外側樹脂層66A、66Bの溶着を、射出成形時の圧力で制御できるため、溶着品質を良好にすることができると共に、燃料タンク10の肉厚を良好に制御することができる。
さらに、図13に示すように、各フィルム60A、60Bの内側、外側の両方に内側樹脂層62A、62B、外側樹脂層66A、66Bが形成されているため、燃料タンク10の内側、外側のいずれにもリブ16を自由に形成することができる(本実施形態では内側のみ)。特に、燃料タンク10の内側にリブ16を形成することによって、燃料タンク10の剛性を確保しつつ燃料タンク10の壁部を薄くすることができる。この結果、燃料タンク10の燃料容量を増加させることができる。
また、フィルム60A、60Bの内側、外側の両方に内側樹脂層62A、62B、外側樹脂層66A、66Bが形成されているため、内側樹脂層62A、62Bの厚さを内側樹脂層のみ形成された場合と比較して薄くすることができる。したがって、燃料による内側樹脂層62A、62Bの膨潤量を抑制することができる。
また、フィルム60A、60Bの外側に外側樹脂層66A、66Bが形成されているため、フィルム60A、60Bが燃料タンク10の外部に露出することがなく、フィルム60A、60Bが傷つくことが防止される。
さらに、フィルム60A、60Bの内側に内側樹脂層62A、62Bが形成されたために、接合部64A、64B(内側樹脂層62A、62B)同士が溶着される。したがって、溶着時にフィルム60A、60B同士が当接しているとフィルム60A、60Bに剪断力が大きく作用してバリア層70と接着層72A、72Bがずれる(剥離する)おそれがあるが、これが抑制される。すなわち、接合部64A、64B同士の溶着品質が良好になる。
また、第2中子126の対向面144A、144Bには内蔵部品152が保持されているため、第2中子126の対向面144A、144Bとフィルム60A、60Bの間に溶融樹脂が射出されて内側樹脂層62A、62Bが形成されると、内側樹脂層62A、62Bに内蔵部品152が配置されることになる。すなわち、内側樹脂層62A、62Bを成形するために溶融樹脂を射出成形するだけで、第2中子126に保持されていた内蔵部品152を内側樹脂層62A、62Bに配置することができる。
さらに、第2中子126の対向面144A、144Bの凹部146A、146Bにヒータ156A、156Bが配置されているため、内側樹脂層62A、62Bが射出成形されてから、接合部64A、64Bが接合される直前(第2中子126に対して上型124A、下型124Bの型開きする)までの間、ヒータ156A、156Bで接合部64A、64Bを加熱(保温)している。したがって、内側樹脂層62A、62Bの成形タイミングに拘らず、接合部64A、64Bの溶着品質を良好とすることができる。
[その他]
なお、実施形態の燃料タンク10は、ロアタンク14の内側にのみリブ16を形成したが、アッパタンク12の内側にもリブを形成しても良い。また、燃料タンク10では、内側(内側樹脂層62A)にリブ16を形成したが、外側(外側樹脂層66A、66B)にリブを形成しても良い。
また、一連の実施形態では、内側樹脂層62A、62B及び外側樹脂層66A、66Bを射出成形で形成したか、射出圧縮成形で行なっても良い。
さらに、第1実施形態では中子26が移動したが、製造工程において第1上型22A、第1下型22B、第2上型24A、第2下型24Bと中子26との相対位置関係が確保されれば、いずれが移動しても良い。第2実施形態も上型124A、下型124Bが移動したが、製造工程において第1中子102、第2中子126と上型124A、下型124Bとの相対位置関係が確保されれば、いずれが移動しても良い。
10 燃料タンク
22A 第1上型
22B 第1下型
24A 第2上型
24B 第2下型
26 中子
28A、28B 成形面
36A、36B 成形面
52、152 内蔵部品
60A、60B フィルム
62A、62B 内側樹脂層
64A、64B 接合部(フランジ部)
66A、66B 外側樹脂層
102 第1中子
124A 上型
124B 下型
126 第2中子
136A、136B 成形面
W1〜W4 ワーク

Claims (6)

  1. 第1上型と第1下型の成形面に対して耐燃料透過性のバリア層を有するフィルムをそれぞれ対向して配置する工程と、
    前記第1上型と前記第1下型の成形面に前記フィルムをそれぞれ密着させて賦形する工程と、
    前記フィルムが密着された前記第1上型と前記第1下型との間に中子を配置して前記第1上型と前記第1下型を型閉じし、前記中子と前記フィルムの間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの内側に内側樹脂層を形成する工程と、
    前記フィルムと前記内側樹脂層が一体化されたワークが密着された前記中子を第2上型と第2下型の成形面の間に配置して前記第2上型と前記第2下型を型閉じし、前記第2上型と前記第2下型の成形面と前記フィルムの間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの外側に外側樹脂層を形成する工程と、
    前記外側樹脂層と前記フィルムと前記内側樹脂層が一体化されたワークを前記第2上型と前記第2下型の成形面に密着させた状態で、型開きした前記第2上型と前記第2下型の間から前記中子を退避させる工程と、
    前記ワークが密着された前記第2上型と前記第2下型を型閉じして、前記第2上型と前記第2下型のそれぞれに密着した前記ワークのフランジ部同士を接合させる工程と、
    を備える樹脂製燃料タンクの製造方法。
  2. 前記中子には内蔵部品が保持されており、前記内側樹脂層が形成された際に前記内側樹脂層に内蔵部品が配置される請求項1記載の樹脂製燃料タンクの製造方法。
  3. 前記中子には、内側樹脂層のうち前記フランジ部を構成する部分を加熱する加熱手段が設けられており、前記加熱手段は前記内側樹脂層の形成時から前記中子に対する前記第2上型と前記第2下型の型開き時まで前記フランジ部を構成する部分を加熱している請求項1又は2記載の樹脂製燃料タンクの製造方法。
  4. 耐燃料透過性のバリア層を有する一対のフィルムの間に第1中子を配置する工程と、
    前記一対のフィルムの間に配置された第1中子に前記フィルムのそれぞれを密着させて賦形する工程と、
    上型と下型の間に前記フィルムが密着された第1中子を配置して前記上型と前記下型を型閉じして、前記上型と前記下型の成形面と前記フィルムの間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの外側に外側樹脂層を形成する工程と、
    前記フィルムと前記外側樹脂層が一体化されたワークを前記上型と前記下型の成形面に密着させた状態で、前記上型と前記下型の間から前記第1中子を退避させ、前記上型と前記下型の間に第2中子を配置する工程と、
    前記上型と前記下型の間に前記第2中子が配置された状態で前記上型と前記下型が型閉じされ、前記フィルムと前記第2中子との間に溶融樹脂を射出して前記フィルムの内側に内側樹脂層を形成する工程と、
    前記外側樹脂層と前記フィルムと前記内側樹脂層が一体化されたワークを前記上型と前記下型の成形面に密着させた状態で、型開きした前記上型と前記下型の間から前記第2中子を退避させる工程と、
    前記ワークが密着された前記上型と前記下型を型閉じして、前記上型と前記下型のそれぞれに密着した前記ワークのフランジ部同士を接合させる工程と、
    を備える樹脂製燃料タンクの製造方法。
  5. 前記第2中子には内蔵部品が保持されており、前記内側樹脂層が形成された際に前記内側樹脂層に内蔵部品が配置される請求項4記載の樹脂製燃料タンクの製造方法。
  6. 前記第2中子には、内側樹脂層のうち前記フランジ部を構成する部分を加熱する加熱手段が設けられており、前記加熱手段は前記内側樹脂層の形成時から前記第2中子に対する前記上型と前記下型の型開き時まで前記フランジ部を構成する部分を加熱している請求項4又は5記載の樹脂製燃料タンクの製造方法。
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