JP2017034072A - 発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上面視形状が六角形である複数の発光素子に個片化するときに発光素子の損傷を抑制することができる製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】基板の主面上に半導体構造が設けられたウエハを準備する工程と、基板に、上面視形状が六角形である複数の発光素子に割断するための割断起点部を形成する工程と、ウエハを所定の状態に保持する保持シートを準備する工程と、ウエハの基板側の面を保持シートに貼り付けた状態で、ウエハの半導体構造側の面が下向きになるようウエハを保持する工程と、先端部が曲面を有する押圧部材を準備する工程と、保持シートに先端部を押し当てた状態で、上面視において、発光素子を構成するいずれの辺とも平行でない方向に先端部を走査することによりウエハを割断し、上面視形状が六角形である複数の発光素子に個片化する工程と、を含む発光素子の製造方法である。【選択図】図5

Description

本発明は、発光素子の製造方法に関する。
成長基板上に半導体構造が形成されたウエハを割断し矩形状の発光素子に個片化する方法として、ウエハに形成された加工溝に沿ってブレークボールを走査し加工溝を起点にウエハを個片化する方法が提案されている。
特開平10−074712号公報
しかしながら、発光素子の上面視形状が六角形である場合、ウエハに形成された割断ラインが折れ線状に形成されるためブレークボールを加工溝に沿って走査させることが困難となる。さらに、ウエハに六角形の発光素子が隙間なく配置されている場合、1つの発光素子の一角がなす一点で、他の2つの発光素子が隣接することになるが、その一点に繋がった3つの辺はそれぞれが異なる方向に形成されている。したがって、割断ラインに沿って押圧部材を走査すると割断ラインの交点(3つの発光素子1が隣接する一点)近傍に応力が集中し発光素子の角部に負荷がかかり損傷する虞がある。
そこで、本発明は、ウエハを上面視形状が六角形である複数の発光素子に個片化するときに発光素子の損傷を抑制することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、基板の主面上に半導体構造が設けられたウエハを準備する工程と、基板に、上面視形状が六角形である複数の発光素子に割断するための割断起点部を形成する工程と、ウエハを所定の状態に保持する保持シートを準備する工程と、ウエハの基板側の面を保持シートに貼り付けた状態で、ウエハの半導体構造側の面が下向きになるようウエハを保持する工程と、先端部が曲面を有する押圧部材を準備する工程と、保持シートに先端部を押し当てた状態で、上面視において、発光素子を構成するいずれの辺とも平行でない方向に先端部を走査することによりウエハを割断し、上面視形状が六角形である複数の発光素子に個片化する工程と、を含む発光素子の製造方法である。
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法によれば、ウエハを上面視形状が六角形である複数の発光素子に個片化するときに発光素子の損傷を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る製造方法による得られる発光素子を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法に用いるウエハを模式的に示す上面図である。 レーザ光をウエハの内部に照射して割断起点部を形成する例を模式的に示す断面図である。 図3のウエハに割断起点部を形成した例を模式的に示す要部拡大上面図である。 押圧部材でウエハを割断する様子を模式的に示す断面図である。 押圧部材の先端部でウエハを押圧する様子を模式的に示す図である。 押圧部材をウエハ上で走査させる走査パターンを模式的に示す上面図である。
図1は、本実施形態に係る製造方法で得られる発光素子1の断面図を示す図である。図2は、本実施形態で用いるウエハの外観を示す上面図である。図3は、割断起点部12を形成する例を説明するための断面図である。図4は、ウエハ10の一部を拡大し、ウエハ10に割断起点部12が形成されている様子を説明するための要部拡大上面図である。図5は、保持シート30に保持されたウエハ10を、押圧部材20を用いて割断する様子を示す図である。図6は、押圧部材20が保持シート30に押し当てられた様子を示す要部拡大断面図である。図7は、ウエハ10上を押圧部材20が走査されるパターンを示す図と、ウエハ10の一部を拡大し走査パターンSPと発光素子1の関係を説明するための要部拡大上面図である。
本実施形態に係る発光素子の製造方法は、基板2の主面上に半導体構造4が設けられたウエハ10を準備する工程と、基板2に、上面視形状が六角形である複数の発光素子1に割断するための割断起点部12を形成する工程と、ウエハ10を所定の状態に保持する保持シート30を準備する工程と、ウエハ10の基板2側の面を保持シート30に貼り付けた状態で、ウエハ10の半導体構造4側の面が下向きになるようウエハ10を保持する工程と、先端部22が曲面を有する押圧部材20を準備する工程と、保持シート30に先端部22を押し当てた状態で、上面視において、発光素子1を構成するいずれの辺とも平行でない方向に先端部22を走査することによりウエハ10を割断し、上面視形状が六角形である複数の発光素子1に個片化する工程と、を含んでいる。
これにより、ウエハ10を上面視形状が六角形である複数の発光素子1に個片化するときに発光素子1の損傷を抑制することが可能となる。以下、この点について説明する。
ウエハ10を上面視形状が矩形状の発光素子に割断するときには、ウエハ10に形成される割断ラインは直線状であるため割断ラインに沿って容易に割断が可能である。一方で、上面視形状が六角形である発光素子1であると割断ラインは折れ線状になるため割断ラインに沿って押圧部材20を走査することが困難である。さらに、図4に示すように、ウエハ10に六角形の発光素子1が隙間なく配置(平面充填)されている場合、1つの発光素子1の一角がなす一点で、他の2つの発光素子1が隣接することになるが、その一点に繋がった3つの辺はそれぞれが異なる方向に形成されている。したがって、割断ラインに沿って押圧部材20を走査すると割断ラインの交点(3つの発光素子1が隣接する一点)近傍に応力が集中し発光素子1の角部に負荷がかかり損傷する虞がある。
そこで、本実施形態では、発光素子1のいずれの辺とも平行でない方向に先端部22が曲面である押圧部材20を走査させることによりウエハ10を複数の発光素子1に個片化している。これにより、応力が割断ラインの交点に集中することなく個片化が可能となり、発光素子1の損傷を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、ウエハ10の基板2側の面を保持シート30に貼り付けた状態で、ウエハ10の半導体構造4側の面が下向きになるようウエハ10を保持し、保持シート30側から押圧部材20を押し当てた状態で走査している。複数の発光素子1に個片化する際に、ウエハ10を保護シートなどで挟んだ状態で一方の面側から応力をかけると、他方の面側に設けられた保護シートにウエハ10が接触し発光素子1が損傷する場合がある。そこで、本実施形態では、ウエハ10の保持シート30に貼り付けられていない面は露出した状態としている。これにより、割断時にウエハ10が何かに接触することはなくウエハ10にかかる負荷がないため、発光素子1の損傷を抑制できる。また、ウエハ10を割断した際に、発光素子1に欠けが生じても欠けがウエハ10から下方に落ちてウエハ上に残留することがない。そのため、発光素子1の欠けが残留した状態で個片化工程が行われることがなく、発光素子1の欠けに起因するさらなる発光素子1の欠けを発生させるといった2次的な損傷も抑制することができる。
以下、図を参照しながら発光素子1の製造方法について説明する。
(ウエハ準備工程)
まず、基板2の主面上に半導体構造4が設けられたウエハ10を準備する。ウエハ10は、図2の上面図に示すように、上面視が略円形状で、円弧の一部を平坦としたオリエンテーションフラット面OLを設けている。ウエハ10は、基板2と、その上に設けられた半導体構造4とを備える。ウエハ10のサイズは、例えばΦ50〜100mm程度とすることができる。
なお、図1の断面図に示すように、本発明の一実施形態に係る製造方法により、ウエハ10を個片化して得られる発光素子1は、基板2の主面上に、半導体構造4として複数の半導体層が積層されている。つまり、ウエハ10は複数の発光素子1が縦横に繋がった状態のものである。具体的には、発光素子1は、基板2の主面上に、p側半導体層4p、活性層4a、n側半導体層4nが主面側から順に積層された半導体構造4を備えている。n側半導体層4nにはn電極3Aが電気的に接続され、p側半導体層4pにはp電極3Bが電気的に接続されている。半導体構造4は、絶縁性の保護膜5に被覆されている。
(割断起点部形成工程)
次に、基板2に、ウエハ10を複数の発光素子1に個片化するための割断起点部12を形成する。割断起点部12は、ウエハ10を所定の大きさに個片化して発光素子1を得るために形成され、ウエハ10の割断を容易にするためのガイドとなる部分である。図3に、レーザ光LBを基板2の内部に照射して割断起点部12を形成する例を示す。レーザ光をウエハ10に対して走査させることで、所望のパターンの割断起点部12を形成することができる。本実施形態では、上面視において、連続した直線状に割断起点部12を形成しているが、波線状やドット状などの離散的なパターンとすることもできる。
図3では、基板2の内部に形成される帯状の改質領域を割断起点部12として示すが、実際は、割断起点部12は、レーザ照射後に改質領域から主として基板2の厚み方向(図3において上下方向)に広がった亀裂を含む。ただし、基板2の表面に溝を形成してこれを割断起点部12とすることもできる。
割断起点部12は、図3に示すように、半導体構造4が形成された主面とは反対側の面、すなわち基板2の裏面側からレーザ光を照射し基板2内に集光させることにより形成することができる。これにより、レーザ光により半導体構造4が損傷を受けることを抑制できる。また、基板2の裏面側からレーザ光を照射する場合、基板2の内部におけるレーザ光の集光位置は、例えば、基板2の厚み方向において、半導体構造4から70μm以上離れた位置とすることが好ましい。このような集光位置とすることで、半導体構造4のレーザ光による損傷を抑制できる。
割断起点部12は、半導体構造4が形成された主面とは反対側の面、すなわち基板2の裏面に達するように形成することが好ましい。これにより、後述する個片化工程において、ウエハ10を割断しやすくすることできる。さらに、割断起点部12の一端が半導体構造4の近傍まで達するように、割断起点部12を形成することが好ましい。これにより、個片化工程において割断すべきウエハ10の厚みがさらに薄くなり、ウエハ10の割断を容易に行い各発光素子に個片化できるため、発光素子1の欠けを抑制することができる。ただし、全領域において割断起点部12が半導体構造4の近傍に達していなくてもよい。
半導体構造4の近傍にまで割断起点部12を形成する場合、割断起点部12と半導体構造4との距離は0〜10μmとすることができる。なお、割断起点部12の一部が半導体構造4を貫通してウエハ10の表面に達していてもよいが、半導体構造4が完全に分断されると、個片化工程に入る前に発光素子1に個片化されて飛散する虞があるため、好ましくは個片化工程を行うまでは割断起点部12が半導体構造4を貫通しない状態とすることが好ましい。割断起点部12がどこまで延伸するかは、レーザ光の照射条件やレーザ光照射後の待機時間などによって調整することができる。
レーザ光はパルス駆動でウエハに照射することができる。この場合、パルス当たりのエネルギーは、例えば、0.8〜5μJとすることができる。レーザ光の周波数は、例えば、50〜200kHzとすることができる。レーザ光のパルス幅は、例えば、300〜50000fs(フェムト秒)とすることができる。レーザ光の波長は、500〜1100nmとすることができる。レーザ光の照射走査速度は20〜2000mm/secとすることができる。
割断起点部12を基板2に形成するパターンは、個片化工程によって得られる発光素子1の上面視における形状を規定する。一般に発光素子1の形状は矩形状であるが、レンズ等との組み合わせや出力光の照射範囲などを考慮すると、円形であることが好ましい。ただ、円形の発光素子とする場合は、割断自体が困難となる。そこで、上面視形状が六角形の発光素子1とすることで、発光素子1の上面視形状を円形に近付け、より高品質な出力光を得られるよう改善が期待できる。
図4に示すように、複数の発光素子1の上面視形状が六角形となるよう、割断起点部12のパターンをウエハ10に形成する。このように形成した場合、割断起点部12は、ウエハ10の上面視において屈曲した折れ線状になる。ウエハ10上の無駄な領域を可能な限り低減するために、発光素子1が平面充填されるように配置されている。本実施形態では、発光素子1の上面視形状を1辺の長さが等しい正六角形とし、それらをハニカム状に配置している。
基板2としては、六方晶系の結晶構造を有するものを用いることができる。六方晶系の結晶構造を有する基板2としては、例えばサファイア基板、GaN基板が挙げられる。例えば、サファイア基板にレーザ光を照射し上面視形状が六角形である発光素子1を規定する割断起点部12を形成する場合は、六角形の発光素子1の少なくとも1辺がa面に沿った割断起点部12とすることが好ましい。このようにすれば、レーザ光の照射によるクラックが厚み方向に伸展し易くなるため、ウエハ10を容易に割断することができる。通常、ウエハ10の厚みの大部分を基板2が占めるため、基板2の割断容易性はウエハ10の割断容易性とほぼ等しい。半導体構造4など基板2以外の部材がウエハの厚みの大部分を占める場合は、その部材を六方晶系の結晶構造を有する材料で形成すればよい。
(保持工程)
次に、ウエハ10を所定の状態に保持するための保持シート30を準備し、図5に示すように、保持シート30にウエハ10を貼り付ける。具体的には、ウエハ10の基板2側の面を保持シート30に貼り付けた状態で、ウエハ10の半導体構造4が設けられた側の面が下向きになるようにウエハ10を保持する。例えば、ウエハ10が貼り付けられた保持シート30の周囲を枠部材などで挟んだ状態で固定し、ウエハ10が下方に向くように保持する。このようにすれば、後述する個片化工程において、ウエハ10を割断するときにウエハ10の半導体構造4が形成されている面が露出された状態であるため、保護シート等で被覆されている場合と比較して、割断したときに半導体構造4が保護シートに接触するといった負荷が抑制される。その結果、個片化された発光素子1の欠けが抑制され、信頼性に優れた発光素子1を生産性良く製造することができる。さらに、割断した際に発光素子1が欠けたとしてもその欠けが落ちてウエハ10上に残留する事態を回避できる。そのため、発光素子1の欠けが残留した状態で個片化工程が行われることがなく、その残留した欠けでさらに発光素子1が欠けてしまうといった2次的な発光素子1の損傷を防止することができる。
保持シート30は、保持工程においてウエハ10を下方に向けて保持できるものであれば特に限定されず、例えば、UVテープや粘着性を有するシートを用いることができる。
ウエハ10を保持シート30に貼り付けるのは、割断起点部12を形成する前でも後でもよいが、割断起点部12を形成する前にウエハ10を保持シート30に貼り付けることが好ましい。割断起点部12が半導体構造4の近傍まで生じる場合、割断起点部12の形成後にウエハ10を保持シート30に貼り付けようとすると、意図せず個片化されて発光素子1が飛散する虞があるためである。
(個片化工程)
次に、ウエハ10を割断し複数の発光素子1に個片化する。基板2には割断起点部12が形成されており、ウエハ10は割断起点部12により割断される。具体的には、図6に示すように、押圧部材20の先端部22を保持シート30に押し当てた状態で保持シート30上を移動させ、割断起点部12を利用してウエハ10を複数の発光素子1に個片化する。
押圧部材20を走査させるパターンは、ウエハ10の上面視において割断起点部12を構成する線分を含む直線のすべてと交差する方向に押圧部材20を移動させる。つまり、各発光素子の外形の多角形を構成するいずれの辺とも平行でない方向に押圧部材20を走査させる。ここで、上面視形状が六角形の発光素子1とするためにウエハ10に形成される割断起点部12は折れ線状であるため、押圧部材20を割断起点部12に沿って走査させることが困難である。さらに、図4に示すように、ウエハ10に六角形の発光素子1が隙間なく配置されている場合、1つの発光素子1の一角がなす一点で、他の2つの発光素子1が隣接することになるが、その一点に繋がった3つの辺はそれぞれが異なる方向に形成されている。したがって、割断起点部12に沿って押圧部材20を走査すると割断起点部12の交点(3つの発光素子1が隣接する一点)近傍に応力が集中し発光素子1の角部に負荷がかかり損傷する虞がある。そこで本実施形態においては、敢えて割断起点部12の線分に沿わせず、図7に示すように、上面視における割断起点部12の線分に対して斜めに交差する方向に走査させている。このような走査によって、様々な方向や角度で設けられた割断起点部12に対して応力を印加し、一気に割断させるようにしている。その結果、割断ラインの交点に応力が集中することなく割断されるため、発光素子1の損傷を抑制しながら効率よく個片化することができる。さらに、走査回数を低減させることができるので、製造時間の短縮にも繋がり、発光素子1の製造工程の生産性を向上させることができる。
押圧部材20を走査させる方向は、図7に示すように、例えばウエハ10のオリエンテーションフラット面OLに対して傾斜した方向とすることができる。この際、オリエンテーションフラット面OLに対して押圧部材20の走査方向を傾斜させる角度θは、発光素子1の外形を構成するいずれの辺とも平行とならない角度、すなわちいずれの辺とも交差するような角度に設定する。例えば、図7の例では、発光素子1の外形を正六角形状とし、かつ正六角形の一辺がオリエンテーションフラット面OLと平行となる姿勢に配置しているため、オリエンテーションフラット面OLに対して0°、60°、120°の角度で押圧部材20を走査させると、六角形の1辺のいずれかと合致する。このような走査をすると、いずれかの一辺に応力が集中し、他の辺に相当する部位では、割断の応力が相対的に弱くなって割断面の品質にばらつきが生じることが考えられる。そこで、押圧部材20を走査する方向は、オリエンテーションフラット面OLに対して0°、60°、120°傾斜させる角度θを除く角度に設定する。本実施形態においては、角度θを45°に設定している。
走査パターンSPの間隔Pは、ウエハ10に含まれるすべての発光素子1が割断されるように設定することが好ましい。1つの直線状の走査で押圧できる範囲は先端部22の形状及び押し込み量によって定まるため、それを考慮して走査パターンSPの間隔Pを設定することができる。走査パターンSPの間隔Pは、先端部22が押圧可能な領域の最大幅以下とすることが好ましく、さらには当該最大幅よりも小さいことが好ましい。なお、押圧部材20の走査パターンSPは、先端部22の中心が通過する軌跡を指す。
以上ではオリエンテーションフラット面OLと発光素子1の辺の1つが平行である場合を例として説明した。このような配置であれば、オリエンテーションフラット面OLを基準として走査する方向を定めることができる。ただし、これに限られるものではなく、例えば発光素子1の辺のいずれもオリエンテーションフラット面OLと平行でない配置としてもよい。
(押圧部材20)
押圧部材20は、図5及び図6に示すように、保持シート30に押し当てる先端部22を曲面としている。先端部22が曲面である押圧部材20を保持シート30に押圧することで、作用点からの応力を分散させながらウエハ10及び保持シート30を撓ませることができるので、ウエハ10が割断起点部12を離れて意図しない方向に割れるリスクを軽減しつつ割断できる。これにより、割断起点部12が折れ線状に形成されている場合であっても、割断起点部12に効率よく応力を作用させつつ割断が可能となり、発光素子1の損傷を抑制することができる。さらに、ウエハ10に対する負荷も軽減できるので、発光素子1の欠けが抑制される。
押圧部材20の材料は、ステンレスやジルコニアなどを用いることができる。
押圧部材20の先端部22は球面とすることが好ましい。なお、本明細書において、球面とは球の全面を意味するのではなく、球の一部の面を意味することは言うまでもない。例えば、押圧部材20の先端部22を球面とするために、先端部22の形状を半球状とすることができる。また、先端部22は、球体で構成されていてもよい。例えば、球体をホルダーに固定し、この球体によってウエハ10を押圧してもよい。球面の先端部22を用いることで、ウエハ10を点に近い領域で押圧することができる。先端部22は、球面以外の楕円面でもよい。
本実施形態において、先端部22の外径は、発光素子1の上面視形状の外接円の直径よりも長い。好ましくは、先端部22の外径を、発光素子1の上面視形状の外接円の直径の2倍以上とする。また、先端部22の外径は、例えばウエハ10の直径よりも小さい。
先端部22は、ウエハ10の全体を一度に押圧可能な曲面よりも大きな曲率であることが好ましい。すなわち、ウエハ10の全体を一度に押圧可能な曲面よりも小さな曲率半径であることが好ましい。曲率を大きく(曲率半径を小さく)することでウエハ10の撓み量を大きくできるため、良好に割断することが可能である。先端部22の曲率半径は、例えば2〜20mmとすることができる。また、先端部22の曲率半径は、発光素子1の上面視形状の1辺の2〜25倍程度でもよい。先端部22は、押圧部材20がウエハ10の主面の内どこを押圧しても必ず、図6に示すように、割断位置となる割断起点部12の左右を同時に押圧し得る大きさとすることが好ましい。もし先端部22の外径が発光素子1の外径よりも小さければ割断起点部12の片側の発光素子1のみを押圧する場合があり得るため、割断不良が生じる虞がある。このため先端部22の球面は、その外径を、発光素子1の外径よりも大きくすることが好ましい。本実施形態においては、六角形の中心を挟んで対向する頂点同士の距離が発光素子1の外径となる。これにより、発光素子1のどの位置に先端部22が接触しても、必ず両側の割断起点部12を含む範囲を押圧することが可能である。そして、そのように押圧できるように押圧部材20の押し込み量を設定することによって、割断を確実に行うことができる。先端部22の外径は、例えば、発光素子1の外径の5〜30倍程度とすることができる。
なお、先端部22とは、押圧部材20のうちウエハ10を押圧可能な面を含む部分を指す。押圧時には、先端部22が点に近い極めて小さな領域でウエハ10を押圧することが好ましい。これにより、小さな力で容易に割断することが可能となる。また、上述のとおり、隣接する2以上の発光素子1を同時に押圧可能であるように先端部22の形状(外径、曲率など)及び押圧部材20の押し込み量を設定することが好ましい。これにより、先端部22が常に2以上の発光素子1を押圧する状態で押圧部材20を走査させることができるので効率よく割断することができる。すなわち、先端部22が1つの発光素子1のみを押圧する状態では、押圧された発光素子1が若干沈み込む程度であって分割され難いが、この状態を避けることができる。
(発光素子の取り出し工程)
発光素子1を個片化した後、複数の発光素子1を取り出す。各発光素子1は保持シート30に貼り付けられた状態で保持されている。そして、各発光素子1が割断起点部12に沿って割断された状態から、各発光素子1を保持シート30から取り外して、個片化された発光素子1を得ることができる。
以上、実施形態について説明したが、これらの説明は一例に関するものであり、特許請求の範囲に記載された構成を何ら限定するものではない。
1・・・発光素子
2・・・基板
3・・・電極
3A・・・n電極
3B・・・p電極
4・・・半導体構造
4p・・・p側半導体層
4a・・・活性層
4n・・・n側半導体層
5・・・保護膜
10・・・ウエハ
12・・・割断起点部
20・・・押圧部材
22…先端部
30…保持シート
LB・・・レーザ光
OL・・・オリエンテーションフラット面
SP・・・走査パターン

Claims (7)

  1. 基板の主面上に半導体構造が設けられたウエハを準備する工程と、
    前記基板に、上面視形状が六角形である複数の発光素子に割断するための割断起点部を形成する工程と、
    前記ウエハを所定の状態に保持する保持シートを準備する工程と、
    前記ウエハの基板側の面を保持シートに貼り付けた状態で、前記ウエハの半導体構造側の面が下向きになるよう前記ウエハを保持する工程と、
    先端部が曲面を有する押圧部材を準備する工程と、
    前記保持シートに前記先端部を押し当てた状態で、上面視において、前記発光素子を構成するいずれの辺とも平行でない方向に前記先端部を走査することにより前記ウエハを割断し、上面視形状が六角形である複数の発光素子に個片化する工程と、を含む発光素子の製造方法。
  2. 前記押圧部材の先端部が球面である請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  3. 前記先端部の外径は、前記発光素子の上面視形状の外接円の直径よりも長い請求項2に記載の発光素子の製造方法。
  4. 前記割断起点部は、前記基板の半導体構造が形成された面と反対側の面に達している請求項1から3のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記割断起点部は、前記基板の前記半導体構造の近傍にまで形成される請求項1から4のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  6. 前記割断起点部は、前記基板の内部にレーザ光を集光させて形成される請求項1から5のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  7. 前記基板はサファイア基板であり、
    前記割断起点部は、前記発光素子の少なくとも1辺が前記基板のa面に沿うように形成される請求項1から6のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
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