JP2017031495A - 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 - Google Patents
三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の三次元造形物の製造方法は、粒子、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物を吐出する吐出工程と、吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射工程と、前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射工程とを含む一連の工程を繰り返し行うことにより、所定のパターンで形成された層を積層し、三次元造形物を製造することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の三次元造形物の製造方法は、粒子、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物を吐出する吐出工程と、吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射工程と、前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射工程とを含む一連の工程を繰り返し行うことにより、所定のパターンで形成された層を積層し、三次元造形物を製造することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物に関する。
従来より、例えば、三次元CADソフト、三次元スキャナー等で生成した三次元物体のモデルデータを基にして、三次元造形物を形成する方法が知られている。
三次元造形物を形成する方法として、積層法(三次元造形法)が知られている。積層法では、一般的に、三次元物体のモデルデータを多数の二次元断面層データ(スライスデータ)に分割した後、各二次元断面層データに対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元造形物を形成する。
積層法は、造形しようとする三次元造形物のモデルデータさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元造形物を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
このような積層法として、金属粉末と溶剤とを含む材料を用いて材料層を形成し、当該材料層に光ビームを照射して金属粉末を接合して、三次元造形物を製造する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような技術では、材料層を構成する材料の一部にのみ光ビームを照射して焼結するため、材料層のうち光ビームが照射されない部分を構成するものは除去されるだけの無駄な部分であった。また、所定の光ビームの照射領域に対して、その近傍でも不完全ではあるが金属粉末の焼結が生じるため、三次元造形物の寸法精度が低下するという問題があった。
また、金属粉末と溶剤とを含む材料を所定のパターンで付与することも考えられるが、このような場合、材料の粘度が高いものであると材料の吐出自体が困難となり、また、材料の粘度が低いものであると、吐出された材料が不本意に濡れ広がり、所望の形状を維持することができないという問題がある。
本発明の目的は、材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること、材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物製造装置を提供すること、また、寸法精度に優れた三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、粒子、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物を吐出する吐出工程と、
吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射工程と、
前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射工程と、
を含む一連の工程を繰り返し行うことにより、所定のパターンで形成された層を積層し、三次元造形物を製造することを特徴とする。
本発明の三次元造形物の製造方法は、粒子、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物を吐出する吐出工程と、
吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射工程と、
前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射工程と、
を含む一連の工程を繰り返し行うことにより、所定のパターンで形成された層を積層し、三次元造形物を製造することを特徴とする。
これにより、材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記組成物は、前記粒子として、金属材料、セラミックス材料のうち少なくとも一方を含む材料で構成されたものを含むものであることが好ましい。
これにより、三次元造形物の質感(高級感)、機械的強度、耐久性等をより優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記組成物は、揮発性の溶剤を含むものであることが好ましい。
これにより、組成物の粘度調整を好適に行うことができ、組成物の吐出安定性をより優れたものとすることができる。また、揮発性の溶剤は、三次元造形物の製造過程において効率よく除去することができるため、最終的に得られる三次元造形物中に、不本意に残存することによる弊害の発生を効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記溶剤を除去する工程をさらに有することが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性をより優れたものとすることができる。また、三次元造形物の寸法精度をより確実に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記第1のエネルギー線として、紫外線を照射することが好ましい。
これにより、硬化性樹脂等の材料の選択の幅をより広いものとすることができる。また、硬化性樹脂の硬化度の調整を容易かつ確実に行うことができ、三次元造形物の生産性、信頼性をより優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造コスト等の観点からも有利である。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記第2のエネルギー線照射工程は、レーザーの照射により行うものであることが好ましい。
これにより、粒子の接合や、硬化性樹脂の硬化物等の除去をより効率よく行うことができ、三次元造形物の生産性をより優れたものとすることができる。また、エネルギー効率を優れたものとすることができるため、省エネルギーの観点からも有利である。
本発明の三次元造形物の製造方法では、吐出された前記組成物が目的の部位に接触する時点において、当該組成物中に含まれる前記硬化性樹脂は、半硬化の状態であることが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性、信頼性をより優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造コスト等の観点からも有利である。
本発明の三次元造形物の製造方法では、吐出された前記組成物が目的の部位に接触する際の粘度が、5mPa・s以上100mPa・s以下であることが好ましい。
これにより、三次元造形物の寸法精度、機械的強度等をより優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物製造装置は、粒子、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物を吐出する吐出手段と、
吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射手段と、
前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射手段とを備えることを特徴とする。
吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射手段と、
前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射手段とを備えることを特徴とする。
これにより、材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物製造装置を提供することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法を用いて製造されたものであることを特徴とする。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物を提供することができる。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物製造装置を用いて製造されたものであることを特徴とする。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物を提供することができる。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物を提供することができる。
以下、添付する図面を参照しつつ、好適な実施形態について詳細な説明をする。
《三次元造形物の製造方法》
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
《三次元造形物の製造方法》
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1〜図12は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態の工程を模式的に示す断面図であり、図13は、本発明の三次元造形物の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1〜図12、図13に示すように、本実施形態の三次元造形物10の製造方法は、粒子11、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物(粒子含有組成物)1’を吐出する吐出工程(図1、図6参照)と、吐出された組成物1’が目的の部位(被着体)に接触する前(組成物1’が液滴として付与される場合には、着弾前)に、第1のエネルギー線を照射し、硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射工程(図2、図7参照)と、組成物1’が目的の部位に接触した後に、粒子11を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射工程(図5、図10参照)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行うことにより、所定のパターンで形成された層1を積層し(図11参照)、目的とする三次元造形物10を得る(図12参照)。
このように、組成物1’の吐出後で、かつ、組成物1’が目的の部位(被着体)に接触する前のタイミングで、第1のエネルギー線を照射し、硬化性樹脂の硬化反応を進行させることにより、組成物1’の吐出時における流動性と、目的の部位(被着体)に接触する際の流動性とを異なるものとすることができる。これにより、組成物1’の優れた吐出性を確保しつつ、組成物1’が目的とする部位に接触した際に組成物が不本意に濡れ広がること等を効果的に防止することができる。その結果、材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物10を効率よく製造することができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
≪吐出工程≫
吐出工程では、粒子11、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物(粒子含有組成物)1’を吐出する(図1、図6参照)。特に、本実施形態では、粒子11を分散質として含み、かつ、少なくとも他の成分のうちの一部を、粒子(分散質)11を分散する分散媒12として含む組成物1’を吐出する。
≪吐出工程≫
吐出工程では、粒子11、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物(粒子含有組成物)1’を吐出する(図1、図6参照)。特に、本実施形態では、粒子11を分散質として含み、かつ、少なくとも他の成分のうちの一部を、粒子(分散質)11を分散する分散媒12として含む組成物1’を吐出する。
<組成物>
組成物(粒子含有組成物)1’が、粒子11を含むものであることにより、三次元造形物10の構成材料の選択の幅を広いものとすることができ、所望の物性、質感等を有する三次元造形物10を好適に得ることができる。例えば、溶媒に溶解した材料を用いて三次元造形物を製造する場合、使用することのできる材料に制限があるが、粒子11を含む組成物1’を用いることによりこのような制限を解消することができる。また、例えば、三次元造形物10の機械的強度、靱性、耐久性等をより優れたものとすることができ、試作用途のみならず実製品として適用することができる。
組成物(粒子含有組成物)1’が、粒子11を含むものであることにより、三次元造形物10の構成材料の選択の幅を広いものとすることができ、所望の物性、質感等を有する三次元造形物10を好適に得ることができる。例えば、溶媒に溶解した材料を用いて三次元造形物を製造する場合、使用することのできる材料に制限があるが、粒子11を含む組成物1’を用いることによりこのような制限を解消することができる。また、例えば、三次元造形物10の機械的強度、靱性、耐久性等をより優れたものとすることができ、試作用途のみならず実製品として適用することができる。
(粒子)
組成物1’は、粒子11を複数個含むものである。
粒子11の構成材料としては、例えば、金属材料、金属化合物(セラミックス等)、樹脂材料、顔料等が挙げられる。
組成物1’は、粒子11を複数個含むものである。
粒子11の構成材料としては、例えば、金属材料、金属化合物(セラミックス等)、樹脂材料、顔料等が挙げられる。
特に、組成物1’が粒子11として、金属材料、セラミックス材料のうち少なくとも一方を含む材料で構成されたものを含むものであると、例えば、三次元造形物10の質感(高級感)、機械的強度、靱性、耐久性等をより優れたものとすることができる。
特に、粒子11が金属材料を含む材料で構成されたものであると、三次元造形物10の高級感、重量感、機械的強度、靱性等を特に優れたものとすることができる。また、後に詳述する第2のエネルギー線の照射後の放熱が効率よく進行するため、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
粒子11を構成する金属材料としては、例えば、マグネシウム、鉄、銅、コバルト、チタン、クロム、ニッケルやこれらのうち少なくとも1種を含む合金(例えば、マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル基調合金、アルミニウム合金等)等が挙げられる。
粒子11を構成する金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミニウム等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
粒子11を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリエーテルニトリル、ポリアミド(ナイロン等)、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂等が挙げられる。
粒子11を構成する顔料としては、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
粒子11の形状は、特に限定されず、球状、紡錘形状、針状、筒状、鱗片状等、いかなる形状であってもよく、また、不定形のものであってもよいが、球状をなすものであるのが好ましい。
粒子11の平均粒径は、特に限定されないが、0.5μm以上25μm以下であるのが好ましく、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。
これにより、組成物1’の流動性を好適なものとすることができ、本工程をより円滑に行うことができるとともに、第2のエネルギー線照射工程での粒子11の接合をより好適に行うことができる。また、例えば、後に詳述する第2のエネルギー線照射工程における硬化性樹脂の硬化物等の除去等を効率よく除去することができ、不本意に粒子11以外の構成材料が最終的な三次元造形物10中に残存することをより効果的に防止することができる。このようなことから、三次元造形物10の生産性をより優れたものとしつつ、製造される三次元造形物10の信頼性、機械的強度、靱性をより優れたものとすることができ、製造される三次元造形物10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
粒子11のDmaxは、1μm以上40μm以下であるのが好ましく、3μm以上30μm以下であるのがより好ましい。
これにより、組成物1’の流動性を好適なものとすることができ、本工程をより円滑に行うことができるとともに、第2のエネルギー線照射工程での粒子11の接合をより好適に行うことができる。その結果、三次元造形物10の生産性をより優れたものとしつつ、製造される三次元造形物10の機械的強度をより優れたものとすることができ、製造される三次元造形物10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
組成物1’中における粒子11の含有率は、50質量%以上99質量%以下であるのが好ましく、55質量%以上98質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、組成物1’の取扱いのし易さをより優れたものとしつつ、三次元造形物10の製造過程において除去される成分の量をより少ないものとすることができ、三次元造形物10の生産性、生産コスト、省資源の観点等から特に有利である。また、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
なお、粒子11は、三次元造形物10の製造過程(例えば、第2のエネルギー線照射工程等)において、化学反応(例えば、酸化反応等)をする材料で構成されたものであり、組成物1’中に含まれる粒子11の組成と、最終的な三次元造形物10の構成材料とで、組成が異なっていてもよい。
なお、組成物1’は、2種以上の粒子を含むものであってもよい。
なお、組成物1’は、2種以上の粒子を含むものであってもよい。
(硬化性樹脂)
組成物1’中に含まれる硬化性樹脂は、第1のエネルギー線の照射により硬化反応(重合反応)が進行し得る材料であれば、いかなるものであってもよく、例えば、各種熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を好適に用いることができる。
組成物1’中に含まれる硬化性樹脂は、第1のエネルギー線の照射により硬化反応(重合反応)が進行し得る材料であれば、いかなるものであってもよく、例えば、各種熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を好適に用いることができる。
硬化性樹脂(重合性化合物)としては、例えば、各種モノマー、各種オリゴマー(ダイマー、トリマー等を含む)、プレポリマー等を用いることができるが、組成物1’は、硬化性樹脂(重合性化合物)として、少なくともモノマー成分を含むものであるのが好ましい。モノマーは、オリゴマー成分等に比べて、一般に、低粘度の成分であるため、硬化性樹脂(重合性化合物)の吐出安定性をより優れたものとする上で有利である。
硬化性樹脂(重合性化合物)としては、第1のエネルギー線の照射により、重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能モノマーは、直鎖状の構造をとるため、ポリマーが切断されやすいので耐熱性が低く、第2のエネルギー線照射工程で脱脂しやすいため、単官能のものを含むことが望ましい。
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
組成物1’は、硬化性樹脂(重合性化合物)として、モノマー以外に、オリゴマー(ダイマー、トリマー等を含む)、プレポリマー等を含むものであってもよい。オリゴマー、プレポリマーとしては、例えば、上述したようなモノマーを構成成分としたものを用いることができる。
本工程で吐出される組成物1’中において、硬化性樹脂は、いかなる形態で含まれるものであってもよいが、液状(例えば、溶融状態、溶解状態等)をなすものであるのが好ましい。すなわち、分散媒12の構成成分として含まれているのが好ましい。
これにより、硬化性樹脂は、本工程において、前述した粒子11を分散する分散媒12として機能し、第1のエネルギー線の照射後においては、粒子11を好適に被覆することができ、第2のエネルギー線照射工程を行う際における層1の形状の安定性をより優れたものとすることができるとともに、層1中における各成分の不本意なばらつきをより効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
組成物1’中における硬化性樹脂(重合性化合物)の含有率は、0.5質量%以上48質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上43質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、吐出工程での組成物1’の流動性をより適切なものとしつつ、第1のエネルギー線照射工程後の組成物1’の形状の安定性をより適切なものとすることができる。また、第2のエネルギー線照射工程での硬化性樹脂の硬化物の除去をより確実に行うことができる。このようなことから、三次元造形物10の生産性をより優れたものとしつつ、製造される三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
重合開始剤は、ラジカルやカチオン等の活性種を発生し、上記重合性化合物(硬化性樹脂)の重合反応を開始させるものであれば特に制限されない。
重合開始剤は、ラジカルやカチオン等の活性種を発生し、上記重合性化合物(硬化性樹脂)の重合反応を開始させるものであれば特に制限されない。
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を使用することができるが、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。ラジカル重合開始剤は、紫外線領域に吸収ピークを有していることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
これらの中でも、前述したような重合性化合物(硬化性樹脂)への溶解性および硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物から選択される少なくとも1種が好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物を併用することがより好ましい。
本工程で吐出される組成物1’中において、重合開始剤は、いかなる形態で含まれるものであってもよいが、液状(例えば、溶融状態、溶解状態等)をなすものであるのが好ましい。すなわち、分散媒12の構成成分として含まれているのが好ましい。
これにより、重合開始剤は、本工程において、前述した粒子11を分散する分散媒12として機能し、第1のエネルギー線の照射後においては、硬化性樹脂の硬化物が粒子11を好適に被覆することができ、第2のエネルギー線照射工程を行う際における層1の形状の安定性をより優れたものとすることができるとともに、層1中における各成分の不本意なばらつきをより効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
組成物1’中における重合開始剤の含有量は、0.5質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。
これにより、吐出工程での組成物1’の流動性をより適切なものとしつつ、第1のエネルギー線照射工程後の組成物1’の形状の安定性をより適切なものとすることができる。また、第2のエネルギー線照射工程での硬化性樹脂の硬化物の除去をより確実に行うことができる。このようなことから、三次元造形物10の生産性をより優れたものとしつつ、製造される三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより優れたものとすることができる。
(溶剤)
組成物1’は、揮発性の溶剤を含むものであってもよい。
組成物1’は、揮発性の溶剤を含むものであってもよい。
これにより、組成物1’の粘度調整を好適に行うことができ、組成物1’の吐出安定性をより優れたものとすることができる。また、溶剤は、組成物1’において、粒子11を分散させる分散媒12として機能することができ、組成物1’の分散状態をより良好なものとすることができる。また、揮発性の溶剤は、三次元造形物10の製造過程において効率よく除去することができるため、最終的に得られる三次元造形物10中に、不本意に残存することによる弊害の発生を効果的に防止することができる。
溶剤としては、例えば、水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等)等のイオン液体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
組成物1’が金属材料で構成された粒子11を含むものである場合、溶剤としては、非プロトン性溶剤を用いるのが好ましい。これにより、粒子11の構成材料の不本意な酸化反応等を効果的に防止することができる。
組成物1’中における溶剤の含有量は、0.5質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上25質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、組成物1’の取扱いのし易さをより優れたものとしつつ、三次元造形物10の製造過程において除去される成分の量をより少ないものとすることができ、三次元造形物10の生産性、生産コスト、省資源の観点等から特に有利である。また、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
(その他の成分)
また、組成物1’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、分散剤;界面活性剤;増粘剤;凝集防止剤;消泡剤;スリップ剤(レベリング剤);染料;重合禁止剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
また、組成物1’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、分散剤;界面活性剤;増粘剤;凝集防止剤;消泡剤;スリップ剤(レベリング剤);染料;重合禁止剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
また、本工程における組成物1’の粘度(第1のエネルギー線照射前の状態での粘度)は、1mPa・s以上45mPa・s以下であるのが好ましく、3mPa・s以上40mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、組成物1’の吐出安定性をより優れたものとすることができる。
これにより、組成物1’の吐出安定性をより優れたものとすることができる。
なお、本明細書中において、粘度とは、特に条件の指定がない限り、E型粘度計(例えば、東京計器社製 VISCONIC ELD等)を用いて測定される値をいう。
組成物1’の吐出は、例えば、インクジェット装置、各種ディスペンサー等の各種吐出装置を用いて行うことができるが、本工程では、組成物1’を液滴として吐出するのが好ましい。
これにより、例えば、微細な構造を有する三次元造形物10の製造にもより好適に対応することができ、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
また、一般に、例えば、粒子を含むペースト状の組成物を連続的に供給する場合等に比べて、粒子を含む組成物を液滴として吐出する場合には、当該組成物がより低い粘度(より高い流動性)であることが求められるが、単に、組成物を吐出し目的とする部位に付与すると、吐出された材料が不本意に濡れ広がり、所望の形状を維持することができないという問題がある。これに対し、本発明では、組成物の吐出後で、かつ、組成物が目的の部位(被着体)に接触する前のタイミングで、第1のエネルギー線を照射し、硬化性樹脂の硬化反応を進行させ、組成物の吐出時における流動性と目的の部位(被着体)に接触する際の流動性とを異なるものとしている。したがって、本工程で組成物1’を液滴として吐出することにより、前述したような組成物1’を液滴として吐出することによる利益を享受しつつ、上記のような問題の発生を効果的に防止することができ、本発明による効果がより顕著に発揮される。
本工程で吐出される組成物1’の液滴は、1滴あたりの体積が、1pL以上100pL以下であるのが好ましく、2pL以上80pL以下であるのがより好ましい。
これにより、例えば、微細な構造を有する三次元造形物10の製造にもより好適に対応することができ、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができるとともに、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。
特に、1回目の吐出工程では、ステージ(支持体)M41の表面に向かって所定のパターンで組成物1’を吐出し(図1参照)、2回目以降の吐出工程では、先に組成物1’を用いて形成された接合部2を有する層1に向かって所定のパターンで組成物1’を吐出する(図6参照)。すなわち、1回目の吐出工程では、ステージ(支持体)M41が組成物1’の被着体であり(図1参照)、2回目以降の吐出工程では、先に形成された層1が組成物1’の被着体である(図6参照)。
≪第1のエネルギー線照射工程≫
前述した吐出工程で吐出された組成物1’が、目的とする部位(被着体)に接触する前のタイミングで、当該組成物1’に対して、第1のエネルギー線を照射する(図2、図7参照)。
前述した吐出工程で吐出された組成物1’が、目的とする部位(被着体)に接触する前のタイミングで、当該組成物1’に対して、第1のエネルギー線を照射する(図2、図7参照)。
これにより、組成物1’中に含まれる硬化性樹脂の硬化反応(重合反応)が進行する。このような反応により、組成物1’の流動性(粘度)が変化する。すなわち、吐出工程における組成物1’の流動性に比べて、本工程(第1のエネルギー線照射工程)以降での組成物1’の流動性を低いものとすることができる。その結果、組成物1’の吐出性を優れたものとしつつ、組成物1’が目的とする部位に接触した後の不本意な変形(濡れ広がり等)を効果的に防止することができ、三次元造形物10の高い生産性と、優れた寸法精度とを両立することができる。
本工程で、組成物1’に対して照射する第1のエネルギー線は、組成物1’を構成する硬化性樹脂、重合開始剤の種類等により異なり、例えば、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線、電子線、イオンビーム、中性子線、α線等が挙げられるが、これらの中でも、紫外線が好ましい。
これにより、硬化性樹脂等の材料の選択の幅をより広いものとすることができる。また、硬化性樹脂の硬化度の調整を容易かつ確実に行うことができ、三次元造形物10の生産性、信頼性をより優れたものとすることができる。また、三次元造形物10の製造コスト等の観点からも有利である。
また、本工程で照射する第1のエネルギー線と、第2の工程で照射する第2のエネルギー線とが、同じ種類のエネルギー線であっても、照射強度の調整等によりそれぞれの機能を発揮することができるが、本工程で照射する第1のエネルギー線と、第2の工程で照射する第2のエネルギー線とは、異なる種類のエネルギー線であるのが好ましい。
これにより、第1のエネルギー線の照射により、不本意な挙動(例えば、粒子11の不本意な接合等)が生じることをより効果的に防止することができる。また、三次元造形物10の製造全体で要するエネルギー量を削減することができる。
本実施形態では、吐出された組成物1’に対し、その進行方向(図中での上下方向)を軸に、周方向全体から第1のエネルギー線を照射する。
これにより、吐出された組成物1’の各部位(各方向)での硬化性樹脂の硬化反応の進行度に不本意なばらつきが生じ、組成物1’が目的の部位(被着体)に接触した後に、所定の方向に不本意に濡れ広がりやすくなることをより効果的に防止することができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
第1のエネルギー線が照射された組成物1’は、被着体の所定の部位(接合部2が形成されるべき部位)に接触する。すなわち、1回目の第1のエネルギー線照射工程を経た組成物1’は、ステージ(支持体)M41の所定の部位に接触し(図3参照)、2回目以降の第1のエネルギー線照射工程を経た組成物1’は、先に形成された層1の所定の部位に接触する(図8参照)。
前述したように、組成物1’は、第1のエネルギー線の照射により、吐出時に比べて流動性が低下した状態(粘度が高い状態)となっている。
吐出された組成物1’が被着体に接触する際の粘度は、5mPa・s以上100mPa・s以下であるのが好ましく、10mPa・s以上80mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物10の寸法精度、機械的強度等をより優れたものとすることができる。
また、吐出前の組成物1’の25℃における粘度をη0[mPa・s]、被着体に接触した組成物1’の25℃における粘度をη1[mPa・s]としたとき、4≦η1−η0≦80の関係を満足するのが好ましく、7≦η1−η0≦60の関係を満足するのがより好ましい。
これにより、三次元造形物10の生産性と、三次元造形物10の寸法精度とを、より高いレベルで両立することができる。
また、吐出された組成物1’が目的の部位(被着体)に接触する時点において、当該組成物1’中に含まれる硬化性樹脂は、半硬化の状態(完全硬化ではない状態)であるのが好ましい。
これにより、第2のエネルギー線照射工程での硬化性樹脂の硬化物の除去をより効率よく行うことができ、最終的に得られる三次元造形物10中に不本意に硬化物が残存することをより効果的に防止することができる。したがって、三次元造形物10の生産性、信頼性をより優れたものとすることができる。また、三次元造形物10の製造コスト等の観点からも有利である。
なお、吐出工程に供される組成物1’が揮発性の溶剤を含むものである場合、後に詳述する第2のエネルギー線照射工程に先立ち、当該溶剤を除去するための溶剤除去工程を行ってもよい。
これにより、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。また、例えば、第2のエネルギー線照射工程における溶剤の急激な揮発(突沸等)等による層1の不本意な変形をより効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をより確実に優れたものとすることができる。
溶剤除去工程を行う場合、当該工程は、例えば、加熱処理や減圧処理により行うことができる。
なお、溶剤除去工程を行う場合であっても、第2のエネルギー線照射工程に供される組成物1’中から、完全に溶剤を除去する必要はない。このような場合であっても、第2のエネルギー線照射工程で照射される第2のエネルギー線のエネルギーにより残存する溶剤を除去することができる。
≪サポート材付与工程≫
本実施形態では、前述した組成物1’とともに、サポート材形成用組成物5’を用いてサポート材(支持部)5を形成する(図4、図9参照)。
本実施形態では、前述した組成物1’とともに、サポート材形成用組成物5’を用いてサポート材(支持部)5を形成する(図4、図9参照)。
これにより、複数の層1を積み重ねる場合において、新たに接合部2を形成すべき部位が、先に形成された層1の接合部2と接触するものでない場合であっても、当該新たに接合部2を形成すべき部位を好適に支持することができる。このようなことから、様々な形状の三次元造形物10を優れた寸法精度で製造することができる。
サポート材形成用組成物5’は、例えば、前述した組成物1’と同様の方法により、吐出することができる。
≪第2のエネルギー線照射工程≫
その後、第1のエネルギー線が照射され、目的とする部位(被着体)に接触した組成物1’に対して、第2のエネルギー線を照射する(図5、図10参照)。
その後、第1のエネルギー線が照射され、目的とする部位(被着体)に接触した組成物1’に対して、第2のエネルギー線を照射する(図5、図10参照)。
これにより、組成物1’中に含まれる粒子11が接合し、接合部2が形成される。このように接合部2が形成されることにより、その後の粒子11の不本意な移動が防止され、三次元造形物10の寸法精度を優れたものとすることができる。また、このようにして形成される接合部2は、一般に、粒子11同士が強固に接合したものとなる。また、本工程で、第2のエネルギー線が照射される層1よりも下側に、接合部2が形成された層1を有する場合には、一般に、当該下側の層1の接合部2と、新たに形成される接合部2とが、強固に接合したものとなる。このようなことから、最終的に得られる三次元造形物10の機械的強度を優れたものとすることができる。
また、本工程においては、照射する第2のエネルギー線のエネルギーにより、粒子11の接合を行うとともに、粒子11以外の不要な成分を除去することができる。例えば、硬化性樹脂や、未反応の重合開始剤、溶剤等を除去することができ、これらの成分が形成される接合部2中に残存することを効果的に防止することができる。
接合の形態は、粒子11の構成材料等により異なるが、例えば、融着、焼結、溶融等が挙げられる。
本工程で、組成物1’に対して照射する第2のエネルギー線は、粒子11の構成材料等により異なり、例えば、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線、電子線、イオンビーム、中性子線、α線、アーク放電、プラズマ放電等が挙げられるが、これらの中でも、赤外線が好ましい。
これにより、粒子11の接合や、硬化性樹脂の硬化物等の除去をより効率よく行うことができ、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。また、エネルギー効率を優れたものとすることができるため、省エネルギーの観点からも有利である。また、粒子11の構成材料の不本意な変性をより効果的に防止することができる。
本工程は、レーザーの照射により行うものであるのが好ましい。
これにより、粒子11の接合や、硬化性樹脂の硬化物等の除去をより効率よく行うことができ、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。また、エネルギー効率を優れたものとすることができるため、省エネルギーの観点からも有利である。
これにより、粒子11の接合や、硬化性樹脂の硬化物等の除去をより効率よく行うことができ、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。また、エネルギー効率を優れたものとすることができるため、省エネルギーの観点からも有利である。
本工程で用いることのできるレーザーとしては、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、Nd:YAGレーザー、チタンサファイアレーザー、半導体レーザー等の固体レーザー;色素レーザー等の液体レーザー;中性原子レーザー(ヘリウムネオンレーザー等)、イオンレーザー(アルゴンイオンレーザー等)、分子レーザー(炭酸ガスレーザー、窒素レーザー等)、エキシマレーザー、金属蒸気レーザー(ヘリウムカドミニウムレーザー等)等のガスレーザー;自由電子レーザー;酸素−ヨウ素化学レーザー、フッ化水素レーザー等の化学レーザー;ファイバーレーザー等が挙げられる。
本工程をレーザーの照射により行う場合、組成物1’に照射されるレーザーのビーム径は、0.5μm以上25μm以下であるのが好ましく、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとしつつ、接合部2をより効率よく形成することができ、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。
レーザーの出力は、特に限定されないが、50W以上100W以下であるのが好ましい。
これにより、装置の大型化を防止しつつ、効率よく接合部2を形成することができる。
これにより、装置の大型化を防止しつつ、効率よく接合部2を形成することができる。
第2のエネルギー線の照射時において、第2のエネルギー線が照射される組成物1’中に含まれる硬化性樹脂は、半硬化の状態(完全硬化ではない状態)であるのが好ましい。
これにより、第2のエネルギー線の照射による硬化性樹脂の硬化物の除去をより効率よく行うことができ、最終的に得られる三次元造形物10中に不本意に硬化物が残存することをより効果的に防止することができる。したがって、三次元造形物10の生産性、信頼性をより優れたものとすることができる。また、三次元造形物10のコスト面等の観点からも有利である。
本工程で接合部2が形成された層1の厚さは、特に限定されないが、10μm以上500μm以下であるのが好ましく、20μm以上250μm以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物10の生産性を優れたものとしつつ、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとすることができる。
≪サポート材(支持部)除去工程≫
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に(図11参照)、後処理工程として、サポート材5を除去する(図12参照)。これにより、三次元造形物10が取り出される。
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に(図11参照)、後処理工程として、サポート材5を除去する(図12参照)。これにより、三次元造形物10が取り出される。
本工程の具体的な方法としては、例えば、刷毛等でサポート材5を払い除ける方法、サポート材5を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与する方法(例えば、液体中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、液体を吹き付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。また、これらから選択される2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。
前述したような本発明の製造方法によれば、材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる。
なお、図示の構成では、理解を容易にするために、前述した各工程を順次行うものとして説明したが、造形領域(ステージ上の空間)の各部位で、異なる工程を同時進行的に行ってもよい。
《三次元造形物製造装置》
次に、本発明の三次元造形物製造装置について説明する。
次に、本発明の三次元造形物製造装置について説明する。
図14は、本発明の三次元造形物製造装置の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
図14に示すように、三次元造形物製造装置M100は、制御部M2と、粒子11、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物1’を吐出する粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3と、吐出された組成物1’が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、組成物1’中に含まれる硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射手段M5と、組成物1’が目的の部位に接触した後に、粒子11を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射手段M6と、サポート材(支持部)5の形成に用いるサポート材形成用組成物5’を吐出するサポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)M8とを備えている。
制御部M2は、コンピューターM21と、駆動制御部M22とを有している。
コンピューターM21は、内部にCPUやメモリ等を備えて構成される一般的な卓上型コンピューター等である。コンピューターM21は、三次元造形物10の形状をモデルデータとしてデータ化し、それを平行な幾層もの薄い断面体にスライスして得られる断面データ(スライスデータ)を駆動制御部M22に対して出力する。
コンピューターM21は、内部にCPUやメモリ等を備えて構成される一般的な卓上型コンピューター等である。コンピューターM21は、三次元造形物10の形状をモデルデータとしてデータ化し、それを平行な幾層もの薄い断面体にスライスして得られる断面データ(スライスデータ)を駆動制御部M22に対して出力する。
駆動制御部M22は、粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3、層形成部M4、第1のエネルギー線照射手段M5、第2のエネルギー線照射手段M6、サポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)M8等をそれぞれに駆動する制御手段として機能する。具体的には、例えば、粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3による組成物1’の吐出パターンや吐出量、サポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)M8によるサポート材形成用組成物5’の吐出パターンや吐出量、第1のエネルギー線照射手段M5による第1のエネルギー線の照射パターンや照射量、第2のエネルギー線照射手段M6による第2のエネルギー線の照射パターンや照射量、ステージ(昇降ステージ)M41の下降量等を制御する。
粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3は、駆動制御部M22からの指令により移動し、内部に収容された組成物1’が、ステージM41に供給されるように構成されている。
層形成部M4は、組成物1’およびサポート材形成用組成物5’が供給され、組成物1’(接合部2)およびサポート材形成用組成物5’(サポート材5)で構成された層1を支持するステージ(昇降ステージ)M41と、昇降ステージM41を取り囲む枠体M45とを有している。
昇降ステージM41は、先に形成された層1の上に、新たな層1を形成するのに際して、駆動制御部M22からの指令により所定量だけ順次下降する。この昇降ステージM41の下降量により、新たに形成される層1の厚さが規定される。
ステージM41は、表面(組成物1’およびサポート材形成用組成物5’が付与される部位)が平坦なものである。これにより、厚さの均一性の高い層1を容易かつ確実に形成することができる。
ステージM41は、高強度の材料で構成されたものであるのが好ましい。ステージM41の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
また、ステージM41の表面(組成物1’およびサポート材形成用組成物5’が付与される部位)には、表面処理が施されていてもよい。これにより、例えば、組成物1’の構成材料やサポート材形成用組成物5’の構成材料がステージM41に強固に付着してしまうことをより効果的に防止したり、ステージM41の耐久性を特に優れたものとし、三次元造形物10のより長期間にわたる安定的な生産を図ったりすることができる。ステージM41の表面の表面処理に用いられる材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3は、組成物1’を吐出するように構成されている。
粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3としては、例えば、インクジェットヘッド、各種ディスペンサー等が挙げられるが、特に、組成物1’を液滴として吐出するものであるのが好ましい。これにより、微細なパターンで組成物1’を付与することができ、微細な構造を有する三次元造形物10であっても特に生産性良く製造することができる。
インクジェット法による液滴吐出方式としては、例えば、ピエゾ方式や、組成物1’を加熱して発生した泡(バブル)により組成物1’を吐出させる方式等を用いることができる。
粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3は、駆動制御部M22からの指令により、各層1において形成すべき接合部2のパターン、層1の各部において付与する組成物1’の量が制御されている。粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3による組成物1’の吐出パターン、吐出量等は、スライスデータに基づいて決定される。これにより、必要十分な量の組成物1’を付与することができ、所望のパターンの接合部2を確実に形成することができ、三次元造形物10の寸法精度等をより確実に優れたものとすることができる。
粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3の吐出部の大きさ(ノズル径)は、特に限定されないが、20μm以上150μm以下であるのが好ましい。
これにより、三次元造形物10の寸法精度をより優れたものとしつつ、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。
第1のエネルギー線照射手段M5は、粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3から吐出された組成物1’に対し、組成物1’が目的の部位に接触する前に第1のエネルギー線を照射するように構成されている。
これにより、吐出された組成物1’中に含まれる硬化性樹脂の硬化反応を好適に進行させることができ、組成物1’が目的の部位に接触する前に、組成物1’の流動性を低下させることができる。
本実施形態では、第1のエネルギー線照射手段M5は、リング状をなすものであり、その内周側から、吐出された組成物1’に対し、その進行方向を軸に、周方向全体から第1のエネルギー線を照射するものである。
これにより、吐出された組成物1’の各部位(各方向)での硬化性樹脂の硬化反応の進行度に不本意なばらつきが生じ、組成物1’が目的の部位(被着体)に接触した後に、所定の方向に不本意に濡れ広がりやすくなることをより効果的に防止することができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
第2のエネルギー線照射手段M6は、第1のエネルギー線が照射された組成物1’が目的の部位に接触した後に、当該組成物1’中に含まれる粒子11を接合するための第2のエネルギー線を照射するように構成されている。
これにより、組成物1’中に含まれる粒子11が接合し、接合部2を形成することができる。
また、第2のエネルギー線照射手段M6は、レーザーを照射するものであるのが好ましい。
これにより、粒子11の接合や、硬化性樹脂の硬化物等の除去をより効率よく行うことができ、三次元造形物10の生産性をより優れたものとすることができる。また、エネルギー効率を優れたものとすることができるため、省エネルギーの観点からも有利である。
サポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)M8は、サポート材(支持部)5の形成に用いるサポート材形成用組成物5’を吐出するように構成されている。
サポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)M8としては、前述した粒子含有組成物供給部(吐出手段)M3と同様に、例えば、インクジェットヘッド、各種ディスペンサー等が挙げられるが、特に、組成物1’を液滴として吐出するものであるのが好ましい。これにより、微細なパターンでサポート材形成用組成物5’を付与することができ、サポート材形成用組成物5’の使用量を抑制することができるとともに、微細な構造を有する三次元造形物10であっても特に生産性良く製造することができる。
サポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)M8は、駆動制御部M22からの指令により、各層1において形成すべきサポート材5のパターン、層1の各部において付与するサポート材形成用組成物5’の量が制御されている。サポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)M8によるサポート材形成用組成物5’の吐出パターン、吐出量等は、スライスデータに基づいて決定される。これにより、必要十分な量のサポート材形成用組成物5’を付与することができ、所望のパターンのサポート材(支持部)5を確実に形成することができ、三次元造形物10の寸法精度等をより確実に優れたものとすることができる。
前述したような本発明の三次元造形物製造装置によれば、材料の無駄の発生を抑制しつつ、寸法精度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる。
《三次元造形物》
本発明の三次元造形物は、前述したような本発明の製造方法、三次元造形物製造装置を用いて製造することができる。
本発明の三次元造形物は、前述したような本発明の製造方法、三次元造形物製造装置を用いて製造することができる。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物を提供することができる。また、前述したような製造方法、製造装置によれば、様々な組成の粒子を用いることができるため、三次元造形物の構成材料の選択の幅を広いものとすることができ、三次元造形物を所望の物性、質感等を有するものとすることができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の三次元造形物製造装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
例えば、本発明の三次元造形物製造装置は、図示しない加熱手段や減圧手段を備えていてもよい。これにより、例えば、組成物(粒子含有組成物)やサポート材形成用組成物から溶剤を効率よく除去することができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、本発明では、組成物は、複数の吐出部から吐出してもよい。これにより、例えば、製造すべき三次元造形物の各部位に応じて、複数種の組成物を組み合わせて好適に用いることができる。
また、本発明では、三次元造形物の製造を雰囲気の組成等が管理されたチャンバー内で行うものであってもよい。これにより、例えば、不活性ガス中で第2のエネルギー線照射工程を行うことができ、粒子の不本意な変性等をより効果的に防止することができる。また、例えば、反応性ガスを含む雰囲気中で第2のエネルギー線照射工程を行うことにより、原料として用いる粒子の組成とは異なる組成の材料で構成された三次元造形物を好適に製造することができる。
また、本発明の三次元造形物製造装置は、吐出される組成物を加熱する加熱手段を備えるものであってもよい。これにより、組成物の吐出性をより優れたものとすることができる。また、吐出前の組成物を加熱しておくことにより、吐出後の組成物が冷却され、吐出前後での粘度の差をより大きいものとすることができる。これにより、三次元造形物の生産性および寸法精度を、より高いレベルで両立することができる。
また、本発明の三次元造形物製造装置は、図示しない冷却手段を備えていてもよい。これにより、例えば、粒子の接合の後に層を速やかに冷却することができ、後の工程を好適に行うことができる。その結果、三次元造形物の生産性、寸法精度、信頼性等を特に優れたものとすることができる。
また、本発明の三次元造形物製造装置は、吐出されたサポート材形成用組成物に対し、当該サポート材形成用組成物が目的の部位に接触する前に、エネルギー線を照射するように構成されたものであってもよい。これにより、例えば、サポート材形成用組成物として、硬化性樹脂および重合開始剤を含むものを用いる場合に、サポート材形成用組成物の吐出性を優れたものとしつつ、サポート材形成用組成物が目的とする部位に接触した後に、サポート材形成用組成物の形状、パターンをより好適なものに保持することができる。このような構成とする場合、サポート材形成用組成物にエネルギー線を照射するエネルギー線照射手段として、接合部の形成に用いる組成物に対して第1のエネルギー線を照射する第1のエネルギー線照射手段を共通して用いるように構成されていてもよいし、当該第1のエネルギー線照射手段とは異なるエネルギー線照射手段を備えていてもよい。
また、前述した実施形態は、吐出された組成物1’に対し、その進行方向を軸に、周方向全体から第1のエネルギー線を照射する場合について代表的に説明したが、第1のエネルギー線の照射方向は、これに限定されない。
また、前述した実施形態では、ステージの表面に直接層を形成する場合について代表的に説明したが、例えば、ステージ上に造形プレートを配置し、当該造形プレート上に層を積層して三次元造形物を製造してもよい。このような場合、三次元造形物の製造過程においては、造形プレートと最下層を構成する粒子とを接合させ、その後、後処理で目的とする三次元造形物から造形プレートを除去してもよい。これにより、例えば、複数の層を積層していく過程での層(積層体)の反りの発生をより効果的に防止することができ、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度をより優れたものとすることができる。
また、前述した実施形態では、全ての層に対して、接合部を形成するものとして説明したが、接合部が形成されない層を有していてもよい。例えば、ステージとの接触面(ステージの直上)に、接合部が形成されない層(例えば、サポート材で構成された層)を形成し、当該層を犠牲層として機能させてもよい。
また、本発明の三次元造形物の製造方法においては、工程・処理の順番は、前述したものに限定されず、その少なくとも一部を入れ替えて行ってもよい。例えば、前述した実施形態では、サポート材付与工程を、第1のエネルギー線照射工程と第2のエネルギー線照射工程との間に行う場合について代表的に説明したが、サポート材付与工程は、例えば、第2のエネルギー線照射工程の後に行うものであってもよい。また、サポート材形成用組成物は、接合部の形成に用いる組成物の吐出と同一工程において、吐出されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、接合部の形成に用いる組成物とともに、サポート材形成用組成物を用いる場合について代表的に説明したが、本発明においては、製造すべき三次元造形物の形状等によっては、サポート材形成用組成物を用いなくてもよい。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、粒子の接合強度を向上させるための熱処理工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、粒子の接合強度を向上させるための熱処理工程等が挙げられる。
10…三次元造形物、1…層、1’…組成物(粒子含有組成物)、11…粒子(分散質)、12…分散媒、2…接合部、5…サポート材(支持部)、5’…サポート材形成用組成物、M100…三次元造形物製造装置、M2…制御部、M21…コンピューター、M22…駆動制御部、M3…粒子含有組成物供給部(吐出手段)、M4…層形成部、M41…ステージ(昇降ステージ、支持体)、M45…枠体、M5…第1のエネルギー線照射手段、M6…第2のエネルギー線照射手段、M8…サポート材形成用組成物供給部(サポート材形成用組成物吐出手段)
Claims (11)
- 粒子、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物を吐出する吐出工程と、
吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射工程と、
前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射工程と、
を含む一連の工程を繰り返し行うことにより、所定のパターンで形成された層を積層し、三次元造形物を製造することを特徴とする三次元造形物の製造方法。 - 前記組成物は、前記粒子として、金属材料、セラミックス材料のうち少なくとも一方を含む材料で構成されたものを含むものである請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記組成物は、揮発性の溶剤を含むものである請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記溶剤を除去する工程をさらに有する請求項3に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記第1のエネルギー線として、紫外線を照射する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記第2のエネルギー線照射工程は、レーザーの照射により行うものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
- 吐出された前記組成物が目的の部位に接触する時点において、当該組成物中に含まれる前記硬化性樹脂は、半硬化の状態である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
- 吐出された前記組成物が目的の部位に接触する際の粘度が、5mPa・s以上100mPa・s以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
- 粒子、硬化性樹脂および重合開始剤を含む組成物を吐出する吐出手段と、
吐出された前記組成物が目的の部位に接触する前に、第1のエネルギー線を照射し、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させる第1のエネルギー線照射手段と、
前記組成物が目的の部位に接触した後に、前記粒子を接合するための第2のエネルギー線を照射する第2のエネルギー線照射手段とを備えることを特徴とする三次元造形物製造装置。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法を用いて製造されたものであることを特徴とする三次元造形物。
- 請求項9に記載の三次元造形物製造装置を用いて製造されたものであることを特徴とする三次元造形物。
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-
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