以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る造形用インクについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の造形用インクは、インクジェット方式などを用いた付加造形(三次元造形とも呼ばれる)に用いられる。本実施形態の造形用インクは、インクジェットヘッドからステージに向けて噴射し、造形済みの造形体や基板に着弾させて造形体を形成するための造形材料を含む。本実施形態において、造形とは、基板に着弾した造形用インクの溶媒を蒸発させ、造形材料を融解させて造形体として一体化させることを意味する。以下において、造形用インクに造形処理を行って形成されるものを造形体、一連の造形処理で形成される造形体の集合体のこと造形物と呼ぶ。
図1は、本実施形態の造形用インク10について説明するための概念図である。造形用インク10は、溶媒11、造形粉末12、および造形促進剤13を含む。なお、造形用インク10は、溶媒11、造形粉末12、および造形促進剤13の他に、分散剤や着色剤などの成分を含んでいてもよい。
溶媒11は、造形粉末12および造形促進剤13を分散させるための液体である。溶媒11は、造形物を形成させるステージの表面に着弾後、加熱や電磁波照射などの造形処理の過程で蒸発するものが好ましい。なお、溶媒11は、造形処理後に造形体の内部や表面に残存してもよい。また、溶媒11は、造形処理によって造形粉末12と反応したり、重合したりする材料であってもよい。
造形粉末12は、造形体を形成するための微粒子粉末である。造形粉末12の材料は、熱によって融解し、一体化する樹脂であれば特に限定はされない。造形粉末12は、加熱や電磁波照射などの造形処理によって融解し、造形体として一体化される。造形粉末12は、一種類の材料で構成してもよいし、二種類以上の材料で構成してもよい。
造形促進剤13は、造形粉末12の融解を促進する材料からなる粉末である。造形促進剤13は、加熱や電磁波照射などの造形処理をした際に、吸収した熱を造形粉末12に伝達させ、造形粉末12の融解を促進する。
造形促進剤13は、熱や電磁波の吸収を促進し、造形促進剤13の融解を促進する効果を得られる材料であれば特に限定されない。例えば、熱の吸収を促進して融解を促進する効果を得るならば、カーボン微粒子や酸化チタン微粒子を造形促進剤13として用いることが好ましい。また、例えば、電磁波の吸収を促進して融解を促進する効果を得るならば、鉄やコバルト、ニッケルやこれらの合金等の強磁性体、フェリ磁性体の微粒子を造形促進剤13として用いることが好ましい。
造形促進剤13は、造形用インク10が着弾した際に、溶媒11中において造形粉末12よりも上方に分布する材料である。
例えば、造形促進剤13には、造形粉末12よりも比重が小さい物質を用いることができる。また、例えば、造形促進剤13には、表面積と摩擦係数との積が造形粉末12よりも小さい材料を用いることができる。
着弾した際に、造形粉末12と造形促進剤13との分布する領域が分離しない場合、造形促進剤13による熱や電磁波の吸収にばらつきが発生し、造形粉末12の融解にむらが発生する可能性がある。それに対し、着弾した際に、造形粉末12と造形促進剤13との分布する領域が分離する場合、熱や電磁波の吸収のばらつきが低減され、造形粉末12の融解が均一になる。
例えば、造形促進剤13の比重を造形粉末12の比重よりも小さくすれば、造形促進剤13の方が浮力を受けやすいので、着弾した際に、造形促進剤13が造形粉末12よりも上方に分布する。例えば、造形促進剤13の粒子の表面積と摩擦係数との積を、少なくとも造形粉末12の粒子よりも小さくすれば、溶媒11中での造形促進剤13の粒子表面の摩擦力が減少し、造形促進剤13の比重を小さくした場合と同様の効果が得られる。
図2は、造形用インク10を造形用基板15上に着弾させた状態の一例を示す概念図である。図2のように、造形用インク10を造形用基板15上に着弾させると、溶媒11中において、造形粉末12よりも上方に造形促進剤13が分布する。図2のように造形用インク10を造形用基板15に着弾させた状態で溶媒11を蒸発させれば、下方の領域に分布する造形粉末12の上に造形促進剤13が付着した状態になる。造形粉末12の融解は、造形促進剤13が付着する上部において促進される。粉末状であった造形粉末12は、融解することで一体化し、その後に硬化させることによって造形体となる。
以上のように、本実施形態の造形用インクは、造形粉末と造形促進剤とを溶媒に分散させたインクである。造形促進剤には、比重、または表面積と摩擦係数との積が造形粉末よりも小さく、造形粉末の融解を促進する材料を用いる。
本実施形態の造形用インクは、基板に向けて噴射させ、基板に着弾した際に、溶媒中において、造形粉末の上方に造形促進剤が分布する。そのため、本実施形態の造形用インク中の溶媒を蒸発させ、造形粉末を融解させる際に、造形粉末の上方から融解させて一体化できるので、造形物を面一括で造形することができる。すなわち、基板に着弾した造形用インクは、熱を加えられたり、電磁波を照射されたりすることによって造形促進剤に蓄積される熱が造形粉末に吸熱され、造形粉末が溶融して一体化し、造形材料を主成分とする造形体となる。
本実施形態の造形用インクを用いれば、造形物を面一括で造形が形成できるため、造形速度を向上できる。
また、本実施形態によれば、インクジェット方式による塗布や、面一括形成が困難であった材料であっても、熱や電磁波などによって融解できさえすれば、付加造形が可能になる。すなわち、本実施形態によれば、インクジェット方式を用いた付加造形において使用可能な材料の幅を広げることができる。
また、本実施形態の造形用インクを用いれば、特許文献1(特開2005−007572号公報)で必須であった造形用基板の上面に造形粉末を敷き詰める工程を省略できるので、付加造形の工程を簡略化し、造形物の品質を安定化することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る造形システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の造形装置は、第1の実施形態の造形用インクをインクジェット方式で噴射してステージ上に着弾させ、造形体を造形する。
図3は、本実施形態の造形システム2の構成の一例を示す概念図である。図3のように、造形システム2は、造形装置21と制御装置22とを備える。造形装置21は、台211、支持梁212、インクジェットヘッド213、およびインク容器214を有する。台211の上面には、インクジェットヘッド213に対面するように造形用基板215が載置される。
造形装置21は、制御装置22とデータ通信可能に接続される。造形装置21は、制御装置22から受信する制御データに応じて動作する。造形装置21は、制御装置22の制御に従って、造形用インク10を造形用基板215に向けて噴射し、造形用基板215の上面に着弾された造形用インク10を造形して造形体100を形成させる。
台211は、造形システム2の構成要素を設置するための土台である。台211の上面には、造形用基板215が載置される。また、台211には、インクジェットヘッド213を移動可能に支持するための支持梁212が設置される。
台211には、造形システム2を駆動するための駆動機構(図示しない)が配置される。例えば、台211には、位置調整機構や、噴射機構、造形機構などが配置される。位置調整機構は、インクジェットヘッド213の位置を調整するための機構である。噴射機構は、インク容器214の内部の造形用インク10を噴射するための機構である。造形機構は、造形用インク10や、既に形成済みの造形体100に対して、熱や電磁波などのエネルギーを加えて造形用インク10に含まれる造形粉末12を融解して一体化し、造形体100を形成するための機構である。また、台211には、上面に載置される造形用基板215の上方に送風するための送風機構や、造形体を冷却するための冷却機構などを併設してもよい。
支持梁212は、台211の上方において、インクジェットヘッド213を移動可能に支持する梁である。支持梁212は、台211の上方において、台211の上面に対して平行な面内で移動できるようにインクジェットヘッド213を支持する。なお、支持梁212は、インクジェットヘッド213を垂直方向に移動可能に支持してもよい。
インクジェットヘッド213は、台211の上方において、支持梁212によって移動可能に支持される。インクジェットヘッド213は、インク容器214の内部に溜められた造形用インク10を台211の上面に向けて噴射する。例えば、インクジェットヘッド213には、ピエゾ方式やバルブ方式などのオンデマンド型、コンティニュアス型などの方式を用いたものを用いることができる。
インク容器214は、造形用インク10を溜める容器である。インク容器214に溜められた造形用インク10は、制御装置22の制御に応じて駆動するインクジェットヘッド213から噴射される。
造形用基板215は、造形体100を形成させる面を上に向けて、インクジェットヘッド213の噴出口に対面させて台211の上面に載置される。造形用基板215の上面には、造形用インク10を付着しやすくするための表面処理や、造形体100を剥離しやすくするための表面処理がなされていてもよい。また、造形用基板215を造形物と一体化するように構成してもよい。
制御装置22は、造形装置21を動作させるために、インクジェットヘッド213の移動、造形用インク10の噴射、造形用基板215の上に着弾された造形用インク10を造形するための制御を行う。制御装置22は、一般的なコンピュータによって実現できる。また、制御装置22は、サーバ上に構成してもよい。また、制御装置22は、造形装置21の内部に制御基板として実装させてもよい。
以上が、造形システム2の構成の一例についての説明である。なお、図3の造形システム2の構成は一例であって、本実施形態の造形システム2の構成を限定するものではない。
〔制御装置〕
次に、制御装置22の詳細構成について図面を参照しながら説明する。図4は、制御装置22の構成の一例を示すブロック図である。図4のように、制御装置22は、入力部221、造形データ記憶部222、制御条件記憶部223、制御データ生成部224、および制御データ出力部225を有する。
入力部221には、造形物を形成するための造形データが入力される。入力部221に入力される造形データは、造形体100を配置する位置を示す三次元データなどのパラメータなどを含む。入力部221は、入力された造形データを造形データ記憶部222に記憶させる。
造形データ記憶部222には、入力部221によって入力された造形データが記憶される。造形データ記憶部222に記憶される造形データは、制御データ生成部224によって用いられる。
制御条件記憶部223には、造形装置21を動作させるための制御条件が記憶される。制御条件記憶部223に記憶される制御条件は、制御データ生成部224によって用いられる。制御条件は、移動制御条件、噴射制御条件、および造形制御条件を少なくとも含む。移動制御条件は、インクジェットヘッド213を噴射位置に移動させるための制御条件である。噴射制御条件は、インクジェットヘッド213から造形用インク10を噴射するための条件である。造形制御条件は、造形用基板215の上面に着弾した造形用インク10や造形体100に熱を加えたり、電磁波を照射したりすることによって造形体100を造形するための条件である。
制御データ生成部224は、造形装置21に造形体100を造形させるための制御データを生成する。制御データは、造形体100を形成させる位置の上方にインクジェットヘッド213を移動させ、造形用インク10を噴射させ、造形用基板215に熱や電磁波などのエネルギーを与えるタイミングがまとめられたデータである。
制御データ出力部225は、制御データ生成部224によって生成された制御データを造形装置21に送信する。
以上が、制御装置22の詳細構成の一例についての説明である。なお、図4に示す制御装置22の詳細構成は一例であって、本実施形態の制御装置22の詳細構成を限定するものではない。
(動作)
次に、本実施形態の造形システム2の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、制御装置22と造形装置21の動作について順番に説明する。
〔制御装置〕
図5は、制御装置22の動作の概略について説明するためのフローチャートである。
まず、制御装置22は、所望の造形物を形成させるための造形データの入力を受け付ける(ステップS21)。例えば、制御装置22には、図示しない入力装置を介して、所望の造形物の三次元構造を形成するための造形データが入力される。
次に、制御装置22は、入力された造形データに基づいて、造形装置21が動作するための制御データを生成する(ステップS22)。
そして、制御装置22は、生成した制御データを造形装置21に送信する(ステップS23)。
以上が、制御装置22の動作の概略についての説明である。なお、図5のフローチャートに沿った制御装置22の動作は一例であって、本実施形態の制御装置22の動作を限定するものではない。
〔造形装置〕
図6は、造形装置21の動作の概略について説明するためのフローチャートである。図7は、造形装置21の動作に従って造形体100が形成されていく様子を概念的に示す断面図である。図8は、造形装置21の動作に従って造形体100が形成されていく様子を概念的に示す上面図である。図7および図8は、インクジェットヘッド213から造形用基板215に向けて造形用インク10を噴射し、造形用基板215に着弾した造形用インク10に造形処理をして造形体100を造形する工程を示すものである。
図7において、まず、造形装置21は、制御装置22から制御データを入力する(ステップS211)。
次に、造形装置21は、制御データに従って、インクジェットヘッド213を造形用インク10の噴射位置に移動させる(ステップS212)。
次に、造形装置21は、制御データに従って、インクジェットヘッド213から造形用基板215に向けて造形用インク10を噴射する(ステップS213)。図7および図8の2aは、インクジェットヘッド213から造形用基板215に向けて造形用インク10を噴射する様子を示す。また、図7および図8の2bは、造形用基板215の上面に造形用インク10が着弾した様子を示す。図7および図8の2bの状況の造形用インク10は、図2に示すように、造形粉末12の上方に造形促進剤13が分布する。
次に、造形装置21は、造形用基板215の上面に着弾した造形用インク10に造形処理をして造形体100を造形する(ステップS214)。このとき、製造装置は、造形処理として、造形用基板215に熱を加えたり、造形用インク10に向けて電磁波を照射したりする。図7および図8の2cは、造形用基板215の上面に造形体100が造形された様子を示す。このとき、溶媒11が蒸発すると、造形粉末12の上方に造形促進剤13が付着した状態になり、造形粉末12が上方から融解して一体化していくので、造形物を面一括で造形することができる。
ここで、所望の造形物が完成していない場合(ステップS215でNo)、ステップS212に戻って、ステップS212〜S214の処理を繰り返す。図7および図8の2dは、造形用基板215の上面に造形体100を造形することを繰り返している様子を示す。
ステップS212〜S214の処理を繰り返して所望の造形物が完成すると(ステップS215でYes)、図7のフローチャートに沿った処理は終了である。
以上が、造形装置21の動作の概略についての説明である。なお、図6のフローチャートに沿った造形装置21の動作は一例であって、本実施形態の造形装置21の動作を限定するものではない。
以上のように、本実施形態の造形システムは、第1の実施形態の造形用インクを用いて造形体を造形する。そのため、本実施形態の造形システムによれば、造形物を面一括で造形が形成できるため、造形速度を向上できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る造形システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の造形システムは、2種類の造形用インクを用いて造形体を造形する。
図9は、本実施形態の造形システム3の構成の一例を示す概念図である。図9のように、造形システム3は、造形装置31と制御装置32とを備える。造形装置31は、台311、支持梁312、インクジェットヘッド313、インク容器314a、およびインク容器314bを有する。台311の上面には、インクジェットヘッド313に対面するように造形用基板315が載置される。
図10は、本実施形態の造形システム3が造形物を形成する際に用いる造形用インク30a(第1造形用インクとも呼ぶ)および造形用インク30b(第2造形用インクとも呼ぶ)について説明するための概念図である。造形用インク30aは、溶媒31a(第1溶媒とも呼ぶ)、造形粉末32a(第1造形粉末とも呼ぶ)、および造形促進剤33a(第1造形促進剤とも呼ぶ)を含む。造形用インク30bは、溶媒31b(第2溶媒とも呼ぶ)、造形粉末32b(第2造形粉末とも呼ぶ)、および造形促進剤33b(第2造形促進剤とも呼ぶ)を含む。
造形粉末32aと造形粉末32bとは異なる材料である。これ以降、造形粉末32aを造形することによって形成される造形体300aの材料を第1造形材料、造形粉末32bを造形することによって形成される造形体300bの材料を第2造形材料とも呼ぶ。溶媒31aと溶媒31b、造形促進剤33aと造形促進剤33bは、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。本実施形態では、造形用インク30aをインク容器314aに溜め、造形用インク30bをインク容器314bに溜めるものとする。
図11は、造形用インク30aおよび造形用インク30bを造形用基板315上に着弾させた状態の一例を示す概念図である。ただし、図11は、造形用インク30aと造形用インク30bの着弾状態を比較するものであって、造形物の造形中に、造形用インク30aおよび造形用インク30bを同時に造形用基板315に着弾させることを示すものではない。
図11のように、造形用インク30aを造形用基板315上に着弾させると、溶媒31a中において、造形粉末32aよりも上方に造形促進剤33aが分布する。造形用インク30aを造形用基板315に着弾させた状態で溶媒31aを蒸発させれば、下方の領域に分布する造形粉末32aの上に造形促進剤33aが付着した状態になる。造形粉末32aの融解は、造形促進剤33aが付着する上部において促進される。粉末状であった造形粉末32aは、融解することで一体化し、その後に硬化させることによって造形体となる。
同様に、造形用インク30bを造形用基板315上に着弾させると、溶媒31b中において、造形粉末32bよりも上方に造形促進剤33bが分布する。造形用インク30bを造形用基板315に着弾させた状態で溶媒31bを蒸発させれば、下方の領域に分布する造形粉末32bの上に造形促進剤33bが付着した状態になる。造形粉末32bの融解は、造形促進剤33bが付着する上部において促進される。粉末状であった造形粉末32bは、融解することで一体化し、その後に硬化させることによって造形体となる。
造形装置31は、制御装置32とデータ通信可能に接続される。造形装置31は、制御装置32から受信する制御データに応じて動作する。造形装置31は、制御装置32の制御に従って、造形用インク30aおよび造形用インク30bを造形用基板315に向けて噴射する。造形装置31は、造形用基板315の上面に着弾された造形用インク30aおよび造形用インク30bを造形して造形体300aおよび造形体300bを形成させる。
台311は、造形システム3の構成要素を設置するための土台である。台311の上面には、造形用基板315が載置される。また、台311には、インクジェットヘッド313を移動可能に支持するための支持梁312が設置される。
台311には、造形システム3を駆動するための駆動機構(図示しない)が配置される。例えば、台311には、位置調整機構や、噴射機構、造形機構などが配置される。位置調整機構は、インクジェットヘッド313の位置を調整するための機構である。噴射機構は、インク容器314aの内部の造形用インク30aとインク容器314bの内部の造形用インク30bを噴射するための機構である。造形機構は、造形用インク30aやインク容器314b、造形体300a、造形体300bを造形し、造形体300aおよび造形体300bを形成するための機構である。また、台311には、上面に載置される造形用基板315の上方に送風するための送風機構や、造形体を冷却するための冷却機構などを併設してもよい。
支持梁312は、台311の上方において、インクジェットヘッド313を移動可能に支持する梁である。支持梁312は、台311の上方において、台311の上面に対して平行な面内で移動できるようにインクジェットヘッド313を支持する。なお、支持梁312は、インクジェットヘッド313を垂直方向に移動可能に支持してもよい。
インクジェットヘッド313は、台311の上方において、支持梁312によって移動可能に支持される。インクジェットヘッド313は、インク容器314aの内部に溜められた造形用インク30aや、インク容器314bの内部に溜められた造形用インク30bを台311の上面に向けて噴射する。例えば、インクジェットヘッド313には、ピエゾ方式やバルブ方式などのオンデマンド型、コンティニュアス型などの方式を用いたものを用いることができる。
インク容器314aは、造形用インク30aを溜める容器である。インク容器314aに溜められた造形用インク30aは、制御装置32の制御に応じて駆動するインクジェットヘッド313から噴射される。同様に、インク容器314bは、造形用インク30bを溜める容器である。インク容器314bに溜められた造形用インク30bは、制御装置32の制御に応じて駆動するインクジェットヘッド313から噴射される。
造形用基板315は、造形体300aおよび造形体300bを形成させる面を上に向けて、インクジェットヘッド313の噴出口に対面させて台311の上面に載置される。造形用基板315の上面には、造形用インク30aや造形用インク30bを付着しやすくするための表面処理や、造形体300aや造形体300bを剥離しやすくするための表面処理がなされていてもよい。また、造形用基板315を造形物と一体化するように構成してもよい。
制御装置32は、造形装置31を動作させるために、インクジェットヘッド313の移動、造形用インク30aおよび造形用インク30bの噴射、造形用基板315の上に着弾された造形用インク30aおよび造形用インク30bを造形するための制御を行う。制御装置32は、一般的なコンピュータによって実現できる。また、制御装置32は、サーバ上に構成してもよい。また、制御装置32は、造形装置31の内部に制御基板として実装させてもよい。
以上が、造形システム3の構成の一例についての説明である。なお、図9の造形システム3の構成は一例であって、本実施形態の造形システム3の構成を限定するものではない。
(動作)
次に、本実施形態の造形システム3の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、制御装置32の動作については説明を省略し、造形装置31の動作について説明する。
図12は、造形装置31の動作の概略について説明するためのフローチャートである。図13および図14は、造形装置31の動作に従って造形体300aおよび造形体300bが形成されていく様子を概念的に示す断面図である。図15は、造形装置31の動作に従って造形体300aおよび造形体300が形成されていく様子を概念的に示す上面図である。
図12において、まず、造形装置31は、制御装置32から制御データを入力する(ステップS311)。なお、本実施形態の制御データは、インクを選択するタイミングを含めた制御データを含む。
次に、造形装置31は、制御データに従って、インクジェットヘッド313を造形用インク30aまたは造形用インク30bの噴射位置に移動させる(ステップS312)。
次に、造形装置31は、制御データに従って、造形用インク30aおよび造形用インク30bのいずれかを選択する(ステップS313)。ここでは、まず、造形用インク30aが選択されるものとする。
次に、造形装置31は、制御データに従って、インクジェットヘッド313から造形用基板215に向けて造形用インク30aを噴射する(ステップS314)。図13の3aは、インクジェットヘッド313から造形用基板215に向けて造形用インク30aを噴射する様子を示す。また、図13の3bは、造形用基板315の上面に造形用インク30aが着弾した様子を示す。図13の3bの状況の造形用インク30aは、図11に示すように、造形粉末32aの上方に造形促進剤33aが分布する。
次に、造形装置31は、造形用基板315の上面に着弾した造形用インク30aに造形処理をして造形体300aを造形する(ステップS315)。このとき、製造装置は、造形処理として、造形用基板315に熱を加えたり、造形用インク30aに向けて電磁波を照射したりする。図13の3cは、造形用基板315の上面に造形体300aが造形された様子を示す。図13の3bの状況から溶媒31aが蒸発すると、造形粉末32aの上方に造形促進剤33aが付着した状態になり、造形粉末32aが上方から融解して一体化していくので、造形物を面一括で造形することができる。
ここで、造形用インク30aを造形用インク30bに変更しないとき(ステップS316でNo)、造形物が完成していない場合(ステップS317でNo)はステップS312に戻り、ステップS312〜ステップS315の処理を繰り返す。造形物が完成した場合(ステップS317でYes)は、図12のフローチャートに沿った処理を終了とする。
一方、造形用インク30aを造形用インク30bに変更するときは(ステップS316でYes)、造形装置31は、ステップS313に戻り、造形用インク30bを選択する。
図14および図5の3dは、造形用基板315の上面に造形体300aが造形された後に、インクジェットヘッド313から造形用インク30bを噴射する様子を示す。図14および図5の3)は、造形用基板315の上面に造形された造形体300aの隙間に造形用インク30bが着弾した様子を示す。図14および図5の3fは、造形用基板315の上面に造形された造形体300aの隙間に造形用インク30bを着弾させた状態で造形処理をして、造形体300aと造形体300bとを一体化した様子を示す。
以上が、造形装置31の動作の概略についての説明である。なお、図12のフローチャートに沿った造形装置31の動作は一例であって、本実施形態の造形装置31の動作を限定するものではない。また、図12のフローチャートに沿った処理では、造形用インク30aと造形用インク30bとを異なるタイミングで噴射する例を示したが、造形用インク30aと造形用インク30bとを任意の比率で同時に噴射するように構成してもよい。
〔機能化〕
ここで、第1造形材料と第2造形材料とを組み合わせることによって、形成される造形物を機能化する例について説明する。
例えば、第1造形粉末は硬い材料とし、第2造形粉末は応力緩和が期待できる伸びのよい材料とする。応力集中が予想される箇所における第2造形粉末の比率を大きくすれば、信頼性の高い造形物を形成できる。
例えば、第1造形粉末は一般的な材料とし、第2造形材料は磁性材料とする。第2造形材料で構成した部分に電磁波遮蔽特性を発揮させることができる。
例えば、第1造形粉末は一般的な材料とし、第2造形材料は導電性材料とする。第2造形材料で構成した部分に帯電防止特性や熱伝導特性を発揮させることができる。
例えば、第1造形粉末と第2造形材料とを異なる金属とする。第1造形粉末と第2造形材料とを混合した部分を合金化できるので、強度分布特性を発揮させることができる。ここでは、強度分布特性とは、強度を高くしたい箇所の強度を高くしたり、強度を高くしなくてもよい箇所の強度をそのままにしたりして、強度に分布を持たせることをいう。
以上のように、本実施形態の造形システムは、複数の種類の造形用インクを用いて造形体を造形する。そのため、本実施形態の造形システムによれば、物性が異なる箇所を含む造形物を面一括で造形が形成できる。本実施形態の造形システムによれば、複数種類の造形粉末を任意の箇所で任意の割合で混合できるので、一つの造形物中の任意の箇所の物性を構成できるため、複数の物性が組み合された造形物を容易に製造できる。すなわち、本実施形態の造形システムによれば、所望の位置で異なる種類の造形材料を混合し、それらの位置の物性値をコントロールできる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る造形システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の造形装置は、造形用インクに含まれる造形粉末とは異なる種類の造形粉末を造形用基板の上に敷き詰めた状態で造形用インクを着弾させる点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態の造形装置は、第1の実施形態と同様の造形用インクを用いる。
図17は、本実施形態の造形システム4の構成の一例を示す概念図である。図17のように、造形システム4は、造形装置41と制御装置42とを備える。造形装置41は、台411、支持梁412、インクジェットヘッド413、インク容器414、造形粉末容器416、および粉末供給ヘッド417を有する。台411の上面には、インクジェットヘッド413に対面するように造形用基板415が載置される。
造形装置41は、制御装置42とデータ通信可能に接続される。造形装置41は、制御装置42から受信する制御データに応じて動作する。造形装置41は、制御装置42の制御に従って、造形用基板415の上面に造形用粉末450を敷き詰める。造形装置41は、制御装置42の制御に従って、造形用粉末450が敷き詰められた造形用基板415に向けて造形用インク40を噴射する。造形装置41は、造形用粉末450の中に着弾された造形用インク40を造形して造形体400を形成させる。造形体400は、造形用インク40に含まれる造形粉末と、造形用粉末450との混合物や反応物になる。
台411は、造形システム4の構成要素を設置するための土台である。台411の上面には、造形用基板415が載置される。また、台411には、インクジェットヘッド213および粉末供給ヘッド417を移動可能に支持するための支持梁412が設置される。
台411には、造形システム4を駆動するための駆動機構(図示しない)が配置される。例えば、台411には、粉末供給機構や、位置調整機構、噴射機構、造形機構などが配置される。粉末供給機構は、造形用基板415の上面に造形用粉末450を敷き詰めるために造形粉末を供給する機構である。位置調整機構は、インクジェットヘッド413の位置を調整するための機構である。噴射機構は、インク容器414の内部の造形用インク40を噴射するための機構である。造形機構は、熱や電磁波などのエネルギーを加えて、造形用粉末45および造形用インク40に含まれる造形粉末を融解して一体化し、造形体400を形成するための機構である。また、台411には、上面に載置される造形用基板415の上方に送風するための送風機構や、造形体を冷却するための冷却機構などを併設してもよい。
支持梁412は、台411の上方において、インクジェットヘッド413および粉末供給ヘッド417を移動可能に支持する梁である。支持梁412は、台411の上方において、台411の上面に対して平行な面内で移動できるようにインクジェットヘッド413および粉末供給ヘッド417を支持する。なお、支持梁412は、インクジェットヘッド213および粉末供給ヘッド417を垂直方向に移動可能に支持してもよい。また、インクジェットヘッド213と粉末供給ヘッド417とは、異なる支持梁412に支持させてもよい。
インクジェットヘッド413は、台411の上方において、支持梁412によって移動可能に支持される。インクジェットヘッド413は、インク容器414の内部に溜められた造形用インク40を台411の上面に向けて噴射する。例えば、インクジェットヘッド413には、ピエゾ方式やバルブ方式などのオンデマンド型、コンティニュアス型などの方式を用いたものを用いることができる。
インク容器414は、造形用インク40を溜める容器である。インク容器414に溜められた造形用インク40は、制御装置42の制御に応じて駆動するインクジェットヘッド413から噴射される。
造形用基板415は、造形体400を形成させる面を上に向けて、インクジェットヘッド413の噴出口に対面させて台411の上面に載置される。造形用基板415の上面には、造形用インク40や造形用粉末450を付着しやすくするための表面処理や、造形体400を剥離しやすくするための表面処理がなされていてもよい。また、造形用基板415を造形物と一体化するように構成してもよい。
造形粉末容器416は、造形用粉末450を溜めるための容器である。造形粉末容器416に溜められた造形用粉末450は、粉末供給ヘッド417の供給口から造形用基板415の上面に供給される。
粉末供給ヘッド417は、造形用粉末450が供給されるように造形粉末容器416に接続される。粉末供給ヘッド417は、造形用基板415の上面に造形用粉末450を供給する。例えば、粉末供給ヘッド417は、造形用粉末450を供給しながら造形用粉末450を移動する。例えば、進行方向後ろ側の粉末供給ヘッド417の供給口の形状を突出させてへら状にすれば、粉末供給ヘッド417が造形用粉末450を供給しながら進行する際に、供給された造形用粉末450の上面をならすことができる。なお、粉末供給ヘッド417によって供給された造形用粉末450の上面は、造形システム4を使用する作業者によってならすようにしてもよい。また、造形粉末容器416および粉末供給ヘッド417を省略し、造形システム4を使用する作業者によって造形用粉末450を造形用基板415の上面に供給するようにしてもよい。
制御装置42は、造形装置41を動作させるために、粉末供給ヘッド417の移動、インクジェットヘッド413の移動、造形用インク40の噴射、造形用基板415の上に着弾された造形用インク40を造形するための制御を行う。制御装置42は、一般的なコンピュータによって実現できる。また、制御装置42は、サーバ上に構成してもよい。また、制御装置42は、造形装置41の内部に制御基板として実装させてもよい。
以上が、造形システム4の構成の一例についての説明である。なお、図17の造形システム4の構成は一例であって、本実施形態の造形システム4の構成を限定するものではない。
(動作)
次に、本実施形態の造形システム4の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、制御装置42の動作については説明を省略し、造形装置41の動作について説明する。
〔造形装置〕
図18は、造形装置41の動作の概略について説明するためのフローチャートである。図19および図20は、造形装置41の動作に従って造形体400が形成されていく様子を概念的に示す断面図である。図21は、造形装置41の動作に従って造形体400が形成されていく様子を概念的に示す上面図である。図19〜図21は、造形用粉末450が敷き詰められた造形用基板415に向けて造形用インク40をインクジェットヘッド413から噴射し、造形用粉末450の中に着弾した造形用インク40に造形処理をして造形体400を造形する工程を示すものである。
図18において、まず、造形装置41は、制御装置42から制御データを入力する(ステップS411)。
次に、造形装置41は、制御データに従って、粉末供給ヘッド417を駆動させて造形用粉末450を造形用基板415の上方に敷き詰める(ステップS412)。
次に、造形装置41は、制御データに従って、インクジェットヘッド413を造形用インク40の噴射位置に移動させる(ステップS413)。
次に、造形装置41は、制御データに従って、造形用粉末450が敷き詰められた造形用基板415に向けてインクジェットヘッド413から造形用インク40を噴射する(ステップS414)。図19の4aは、インクジェットヘッド413から造形用基板415に向けて造形用インク40を噴射する様子を示す。また、図19および図21の4bは、造形用粉末450の中に造形用インク40が着弾した様子を示す。図19および図21の4bの状況の造形用インク40は、図2と同様に、造形粉末の上方に造形促進剤が分布する。
次に、造形装置41は、造形用粉末450の中に造形用インク40が着弾された状態で造形処理をして造形体400を造形する(ステップS415)。このとき、造形装置41は、造形処理として、造形用基板415に熱を加えたり、造形用インク40に向けて電磁波を照射したりする。図19および図21の4cは、造形用基板415の上方に造形体400が造形された様子を示す。このとき、造形用インク40に含まれる溶媒が蒸発すると、造形粉末の上方に造形促進剤が付着した状態になり、造形粉末が上方から融解して一体化していくので、造形物を面一括で造形することができる。
ここで、所望の造形物が完成していない場合(ステップS416でNo)、ステップS412に戻って、ステップS412〜S415の処理を繰り返す。図20の4eおよび4fは、造形用基板415の上面に造形体400を造形することを繰り返している様子を示す。また、図20および図21の4gは、ステップS412〜S415の処理を繰り返すことによって造形体400が造形物に近づいていく様子を示す。
ステップS412〜S415の処理を繰り返して所望の造形物が完成すると(ステップS416でYes)、図18のフローチャートに沿った処理は終了である。
以上が、造形装置41の動作の概略についての説明である。なお、図18のフローチャートに沿った造形装置41の動作は一例であって、本実施形態の造形装置41の動作を限定するものではない。
以上のように、本実施形態の造形システムは、造形用基板に敷き詰めた造形用粉末と、造形用インクに含まれる造形粉末とを融解して一体化させた造形体を形成できる。本実施形態の造形システムによれば、造形物の剛性を部分的に変えたり、造形物の一部に機能を追加したりすることが可能になる。
(関連技術)
ここで、関連技術に係る造形方法について図面を参照しながら説明する。関連技術の手法は、基板の上に造形用粉末を敷き詰めた状態で、所望の位置に硬化インク50を着弾させて造形体を形成させる。
図22は、関連技術の手法に従って造形体500が形成されていく様子を概念的に示す断面図である。図23は、関連技術の手法に従って造形体500が形成されていく様子を概念的に示す上面図である。図22および図23は、造形用粉末550が敷き詰められた造形用基板515に向けて硬化インク50をインクジェットヘッド513から噴射し、造形用粉末550の中に着弾した硬化インク50に造形処理を加えて造形体500を造形する工程を示すものである。
図22および図23の5aは、インクジェットヘッド513から造形用基板515に向けて硬化インク50を噴射する様子を示す。また、図22および図23の5bは、造形用粉末550の中に硬化インク50が着弾した様子を示す。図22および図23の5bの状況においては、造形用粉末550の下方まで硬化インク50が到達しなかったり、造形体500を造形させない箇所まで硬化インク50が滲んだりする可能性がある。
図22および図23の5cは、造形用基板515の上方に造形体500が造形された様子を示す。図22および図23の5cの状態では、造形体500の下部が硬化していなかったり、造形体500の周辺にバリが発生したりする可能性がある。
図22および図23の5a〜5cの処理を繰り返すことによって5gのような造形体500が形成される。
以上が、関連技術に係る造形方法についての説明である。
以上のように、関連技術の手法には、造形粉末を予め敷き詰めておく必要があったり、形成される造形体を面一括で形成できなかったりしたため、造形工程が煩雑になるといった問題点があった。また、関連技術の手法には、造形粉末が一種類に限定されるため、造形物の任意の箇所の材料を変更することが難しいという問題点があった。
それに対し、第1〜第4の実施形態の手法を用いれば、造形物を面一括で造形が形成できるため、造形速度を向上できる。また、第1〜第4の実施形態の手法を用いれば、紫外線硬化タイプ以外の材料では困難であった、インクジェット方式による塗布や、面一括形成が困難であった材料であっても、熱や電磁波などによって融解できさえすれば、付加造形が可能になる。
(ハードウェア)
ここで、本発明の各実施形態に係る制御装置の処理を実行するハードウェア構成について、図23の情報処理装置90を一例として挙げて説明する。なお、図23の情報処理装置90は、各実施形態の制御装置の処理を実行するための構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
図23のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96を備える。図23においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、バス99を介して互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、情報処理装置90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る制御装置による処理を実行する。
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
補助記憶装置93は、種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
入出力インターフェース95は、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続するように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
また、情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
また、情報処理装置90には、必要に応じて、ディスクドライブを備え付けてもよい。ディスクドライブは、バス99に接続される。ディスクドライブは、プロセッサ91と図示しない記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータ・プログラムの読み出し、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。また、記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体や、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現してもよい。
以上が、本発明の各実施形態に係る制御装置を可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、図23のハードウェア構成は、各実施形態に係る制御装置の演算処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る制御装置に関する処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。
各実施形態の制御装置の構成要素は、任意に組み合わせることができる。また、各実施形態の制御装置の構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよいし、回路によって実現してもよい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。